説明

ファン冷却を伴う周波数変換器

特に既存の給電に比べて高い周波数で運転される現場機器、たとえば内部振動機および外部振動機に用いられる、ハウジングが設けられていて、有利には、防護低電圧を発生させるための絶縁変圧器に結合された空冷式の周波数変換器では、ハウジングが、ボード室(28)を取り囲む変換器収容部(14)と、この変換器収容部(14)に結合された、冷却領域(30)として働くハウジング区分とに二分割されている。このハウジング区分の内部には、冷却空気通路(40,41,56)と、冷却空気を冷却空気通路を通して圧送するために適したファン(34)とが配置されている。冷却領域(30)におけるハウジングの構成と、場合によって変圧器室の構成とは、適切に定尺切断された、互いに間隔を置いて取り囲む、互いに同軸的に配置された環状の押出し異形材(16,36,48)によって行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載した形式の、特に現場機器に用いられる周波数変換器に関する。
【0002】
現場では、給電時に一般的に、50Hzの周波数および230Vの電圧、時には400Vの電圧を備えた電源電流が使用される。局所的に既存のこの現場電流は、本発明に関する周波数変換器によって、たとえば200Hzと42Vの防護低電圧とを備えた三相電流に変換される。この場合、防護低電圧は、オペレータを、たとえば湿気のある周辺で電気的な危害に対して防護するために必要となる。
【0003】
この形式の既知の機器には、絶縁変圧器と変換器ボードとが使用される。この絶縁変圧器と変換器ボードとはその損失出力によって熱を発生させ得る。この熱は導出されなければならない。このことは、十分に大きな冷却面を備えた冷却体(ヒートシンク)の使用、大きなハウジングもしくは絶縁変圧器の過剰寸法設定によって達成される。熱導出のためのこの手段は高価であり、大きな重量を生ぜしめる。既知の機器は、外側に位置する冷却リブを有していてよい。この冷却リブは、時間が経つにつれて汚物およびコンクリートによっても添加され得る。これによって、熱導出がますます損なわれる。
【0004】
したがって、本発明の課題は、冒頭で述べた形式の空冷式の周波数変換器を改良して、構造上設定された冷却性能がより長い使用時でも維持されたままであり、同時により小さなコンパクトな構造が可能となり、重量および製造コストが削減され、コスト低下に対するさらなる貢献として、設定されたベース構造が、種々異なる出力クラスの機器のために使用可能であるようにすることである。
【0005】
この課題を解決するために、請求項1の特徴部に記載した本発明では、ハウジングが、変換器装置のためのボード室を取り囲む変換器収容部と、該変換器収容部に続く、冷却領域として働くハウジング区分とを有しており、該ハウジング区分の内部に、冷却空気通路と、冷却空気を冷却空気通路を通して圧送するために適したファンとが配置されている。
【0006】
本発明による構成によって、ハウジングと冷却部とがまとめられてコンパクトな1つのユニットが形成される。この場合、ファンもしくはベンチレータによるアクティブな空気冷却によって、必要となる冷却面を減少させることができ、汚染ひいては冷却性能を低下させる傾向にある外側の冷却リブを省略することができる。
【0007】
本発明の有利な構成では、冷却領域が、電源電圧と異なる出力電圧を発生させるための絶縁変圧器を収容するための、冷却空気通路に隣接した変圧器室を有している。これによって、絶縁変圧器と変換器装置とを組み合わせて周波数変換器としての1つのユニットを形成することができる。この場合、絶縁変圧器は最適な冷却のために冷却領域自体に配置されている。絶縁変圧器は、たとえば42Vの高さの防護低電圧を発生させるために働くことができる。当然ながら、絶縁変圧器によって、電源電圧よりも高い値を備えた出力電圧を発生させることも可能である。
【0008】
特に有利な構成では、ハウジングが、冷却領域に外側の環状の第1の環状異形材もしくは押出し異形材を有しており、該第1の押出し異形材の軸線に対して別の環状の押出し異形材が互いに方向付けられており、これによって、押出し異形材が、軸線方向に対して横方向に間隔を置いて取り囲まれて、互いに環状室を形成しており、第1の押出し異形材の内部に配置された環状異形材もしくは押出し異形材が、変換器収容部から所定の軸方向の間隔を置いて終わって、空気変向部を形成しており、第1の押出し異形材の内部にかつ該第1の押出し異形材に対して同軸的に、別の押出し異形材と変換器収容部との間の空気変向部にファンが配置されており、これによって、該ファンが、冷却空気流を1つの環状室を介して吸い込みかつ別の環状室を介して向流原理により吐き出すために適している。
【0009】
環状異形材としての押出し異形材の使用によって、機器の特に簡単なかつ廉価なならびに極端にコンパクトな構造が可能となる。この場合、極めて有利な構成では、第1の押出し異形材に隣接した押出し異形材が、環状の変圧器室を取り囲んでおり、該変圧器室が、内方で第3の押出し異形材によって仕切られるようになっている。変圧器室が、環状コア変圧器セットを有していると有利である。
【0010】
特に有利な構成によれば、押出し異形材が、適切に定尺切断されたアルミニウム押出し異形材である。絶縁変圧器の寸法設定に応じて、冷却領域におけるハウジングの構造を、押出し異形材の長さの適切な選択によって変圧器のスペース要求に適合させることができる。
【0011】
極めて有利な別の構成では、冷却体を形成するための第3の環状異形材もしくは押出し異形材が、外側リングと内側リングとから成っており、外側リングと内側リングとの間の領域に冷却リブが配置されており、該冷却リブが、外側リングおよび内側リングと一緒に冷却空気通路の1つを形成している。
【0012】
極めて簡単な組付けは、有利な特徴によれば、外側の第1の押出し異形材が、溝・キーの原理により、隣接した押出し異形材に係合していることによって可能となる。
【0013】
本発明の別の有利な構成は、従属請求項に関連した以下の実施例の説明から明らかである。
【0014】
図面に示した、防護低電圧を発生させるための絶縁変圧器と、循環空気冷却部とを備えた周波数変換器の形の本発明の実施例につき、本発明を詳しく説明する。
【0015】
本発明による周波数変換器は、電流周波数を電源周波数から、より高い周波数を備えた電流に変化させるための変換器装置を有している。さらに、周波数変換器の構成要素として絶縁変圧器が設けられている。この絶縁変圧器によって、たとえば230Vまたは400Vの電源電圧がより低い電圧、たとえば42Vに変圧され、これによって、周波数変換器またはこの周波数変換器に接続された現場機器、たとえばコンクリート締固めのための内部振動機で作業する人が高い電圧によって危険にさらされないようになっている。
【0016】
図1に示したように、本発明による機器は、電気的な装置とその周辺とを含めた本来の機器ボディ10と、この機器ボディ10を全ての側で遮蔽するフレーム状の防護キャリッジ12とから成っている。この防護キャリッジ12には、機器ボディ10が複数の接続点を介して解離可能に結合されている。
【0017】
機器ボディ10は、図2〜図5に示したように、ほぼ円筒形状を有していて、ハウジングによって取り囲まれている。このハウジングは、アルミニウムから鋳造された変換器収容部14と、外側環状異形材16とから形成されている。この外側環状異形材16は、アクティブな空気冷却のために働く機器部分を取り囲んでいる。この機器部分は端面でカバー18によって閉鎖されている。このカバー18は、リブ20によって雨に対して防護された空気通流開口21を備えているのに対して、変換器収容部14は、図4に示したように、支持リング17と、シール部材19と、フロントプレート22とによって閉鎖される。カバー18の背後には、スリット付きディスク23と、場合によっては、エアフィルタとが位置している。変換器収容部14と外側環状異形材16とは同じ外径を有していて、その結合箇所24で軸方向に内外に嵌め合わせることができ、図2に符号26で示したように、適切なねじ締結部によってこの位置に位置固定することができる。
【0018】
図3および図4に明確に示したように、変換器収容部14の内部に形成されたボード室28は、両図面で左方に続く、外側環状異形材16とカバー18とによって外部に対して仕切られた変圧器・冷却領域30から完全に分離されている。ボード室28は変換器装置の電気的な回路を収容している。そこに収納された、出力モジュールを備えた変換器ボード32は封止されて1つのユニットを形成していて、交換可能である。変換器収容部14の、変圧器・冷却領域30に面した端壁もしくは分離壁31は、交流運転されるベンチレータもしくはファン34を組み込むために準備されている。このファン34の空気案内部は図3に矢印によって示してあり、以下にさらに詳しく説明する。
【0019】
たとえばアルミニウム鋳造法で製作された変換器収容部14によってセンタリングされた外側環状異形材16(図6参照)は、溝・キーの原理により、同じく環状の基体異形材36に結合可能である。この基体異形材36は変圧器室38を半径方向外側で仕切っている。この場合、外側環状異形材16の内面からの半径方向の間隔は維持され、これによって、冷却空気通路として働く環状の空気入口通路40(環状室)が形成される。この空気入口通路40はカバー18から、空気変向部41として働きかつファン34を取り付けた、変圧器室38とボード室28との間の領域にまで軸方向に延びている。溝・キー結合部は、外側環状異形材16の内面に設けられた一体成形されたキー42と、このキー42に対応配置された、基体異形材36の外面に設けられた溝状の通路44とから成っている。
【0020】
カバー18および空気変向部41に向かって、基体異形材36によって取り囲まれた変圧器室38が、それぞれ1つの環状のカバー46;47によって閉鎖される。このカバー46;47自体によって、冷却器異形材48(図8参照)のセンタリングが可能となる。この冷却器異形材48は、外側リング49に形成された外面で変圧器室38を仕切っていて、外側リング49の内面に、部分的に大面状のリブ50,52を備えている。この大面状のリブ52は内側リング54に一体に結合されている。この内側リング54によって、ファン34から、通流開口21を備えたカバー18に延びる空気出口通路56が半径方向内側で仕切られる。厳密に解釈すると、この空気出口通路56は多数の個別通路から成っている。これらの個別通路は、特に図8に良好に認めることができるように、それぞれ外側リング49と、内側リング54と、側方でリブ52とによって仕切られている。
【0021】
内側リング54によって取り囲まれた室は、ファン34に近い方の側でカバー58によって閉鎖される。
【0022】
変圧器室38内には、封止された3つの環状コア60a,60b,60cから成る変圧器セットがカプセル封止されて配置されている。したがって、環状コア60a,60b,60cを有する絶縁変圧器は完全に基体異形材36と冷却器異形材48との間に環状に配置されている。半径方向外側で空気入口通路40を介してだけでなく、半径方向内側で空気出口通路56を介しても、冷却空気が絶縁変圧器に沿って流れ、したがって、有効な冷却を生ぜしめる。
【0023】
さらに、冷却部は分離壁31に沿って案内されるので、ボード室28を閉鎖する分離壁31も冷却される。したがって、この分離壁31の裏面に固定された、変換器ボード32に設けられた変換器装置の熱発生装置も同じく有効な冷却を被る。
【0024】
アルミニウム押出し異形材の使用によって、本発明による周波数変換器のハウジングを極めて容易に形成することができる。特に押出し異形材の長さの変更によって、ハウジングの長さひいてはサイズを変更することが簡単に可能となり、これによって、ハウジングが、変換器装置または絶縁変圧器の種々異なる構成サイズに適合されるかまたは場合によって異なる冷却希望が実現される。
【0025】
図面につき、本発明の有利な構成を詳しく説明した。当然ながら、本発明の枠内で、これまで説明した具体的な構成から逸脱することも可能である。したがって、たとえば、冷却空気流を、図3に示した上述した流れ方向に対して逆方向に案内することが難なく可能となる。冷却空気流の方向だけでなく経過も要求に応じて変更することができる。構成に応じて、このことは、単にファンの送風方向が逆転されることによってすでに可能となる。
【0026】
さらに、ファンを空気変向領域と異なる箇所に配置することも可能である。したがって、たとえば、ファンを冷却空気通路の端部に配置することが可能であり、これによって、冷却空気が専ら吸込み運転中に周波数変換器を通って引き込まれるようになっている。逆に、ファンは周波数変換器の冷却空気通路の上流側に配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】防護キャリッジと機器ボディとから成る本発明による機器の斜視的な側面図である。
【図2】図1に示した矢印IIの方向で見た本発明による機器を幾分大きな寸法で示す図である。
【図3】図2に示したIII−III線による機器の縦断面図をさらに拡大した寸法で示す図である。
【図4】変換器ボードおよび絶縁変圧器なしの機器ボディの、組み付けられたハウジングを図3に類似して示す図である。
【図5】基体の斜視図である。
【図6】変圧器を収容するハウジング区分を形成するために働く外側環状異形材の横断面図である。
【図7】空気案内部を形成するために働く基体異形材の横断面図である。
【図8】冷却体を形成するために働く押出し異形材の横断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 機器ボディ、 12 防護キャリッジ、 14 変換器収容部、 16 外側環状異形材、 17 支持リング、 18 カバー、 19 シール部材、 20 リブ、 21 空気通流開口、 22 フロントプレート、 23 スリット付きディスク、 24 結合箇所、 26 ねじ締結部、 28 ボード室、 30 変圧器・冷却領域、 31 分離壁、 32 変換器ボード、 34 ファン、 36 基体異形材、 38 変圧器室、 40 空気入口通路、 41 空気変向部、 42 キー、 44 通路、 46 カバー、 47 カバー、 48 冷却器異形材、 49 外側リング、 50 リブ、 52 リブ、 54 内側リング、 56 空気出口通路、 58 カバー、 60a,60b,60c 環状コア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に電源周波数よりも高い周波数を備えた電流で運転される現場機器に用いられる周波数変換器であって、
−電流周波数を変化させるための変換器装置が設けられており、
−該変換器装置を取り囲むハウジングが設けられている形式のものにおいて、
ハウジングが、
−変換器装置のためのボード室(28)を取り囲む変換器収容部(14)を有しており、
−該変換器収容部(14)に続く、冷却領域(30)として働くハウジング区分を有しており、該ハウジング区分の内部に、冷却空気通路(40,41,56)と、冷却空気を冷却空気通路を通して圧送するために適したファン(34)とが配置されていることを特徴とする、周波数変換器。
【請求項2】
冷却領域(30)が、電源電圧と異なる出力電圧を発生させるための絶縁変圧器(60a,60b,60c)を収容するための、冷却空気通路(40,41,56)に隣接した変圧器室(38)を有している、請求項1記載の周波数変換器。
【請求項3】
変換器収容部(14)と冷却領域(30)とが、分離壁(31)によって熱的に互いに結合されている、請求項1または2記載の周波数変換器。
【請求項4】
−ハウジングが、冷却領域(30)に外側の第1の環状異形材(16)を有しており、
−該第1の環状異形材(16)の軸線に対して別の環状異形材(36,48)が互いに方向付けられており、これによって、環状異形材(16,36,48)が、主軸線方向に対して横方向に間隔を置いて取り囲まれて、冷却空気通路として働く少なくとも2つの環状室(40,56)を形成しており、
−第1の環状異形材(16)の内部に配置された環状異形材(36,48)が、変換器収容部(14)に対する分離壁(31)から所定の軸方向の間隔を置いて終わって、冷却空気通路として働く空気変向領域(41)を形成しており、
−第1の環状異形材(16)の内部にかつ該第1の環状異形材(16)に対して同軸的にファン(34)が配置されており、これによって、該ファン(34)が、冷却空気流を一方の環状室(40)を介して吸い込みかつ空気変向領域(41)で分離壁(31)の少なくとも一部に沿って案内しかつ他方の環状室(56)を介して向流原理により吐き出すために適している、請求項1から3までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項5】
ファン(34)が、空気変向領域(41)に配置されている、請求項4記載の周波数変換器。
【請求項6】
第1の環状異形材(16)に第2の環状異形材(36)が隣接しており、該第2の環状異形材(36)が、環状の変圧器室(38)を取り囲んでおり、該変圧器室(38)が、内方で第3の環状異形材(48)によって仕切られるようになっている、請求項4または5記載の周波数変換器。
【請求項7】
冷却体を形成するための第3の環状異形材(48)が、外側リング(49)と内側リング(54)とから成っており、外側リングと内側リングとの間の領域に冷却リブ(50,52)が配置されており、該冷却リブ(50,52)が、冷却空気通路として働く一方の環状室(56)の壁を形成している、請求項6記載の周波数変換器。
【請求項8】
冷却リブ(52)の一部が、外側リング(49)と内側リング(54)とを互いに結合しており、冷却リブ(52)の間で外側リング(49)に、半径方向で自由に内方に突出したリブ(50)が配置されている、請求項7記載の周波数変換器。
【請求項9】
外側の第1の環状異形材(16)が、溝・キー(42,44)の原理により、隣接した環状異形材(36)に係合している、請求項4から8までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項10】
変圧器室(38)が、該変圧器室の第2の環状異形材(36)による外側の仕切りと第3の環状異形材(48)による内側の仕切りとの間で延びる環状のカバー(46,47)によって軸方向で閉鎖可能である、請求項6から9までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項11】
変圧器室(38)が、環状コア変圧器セット(60a,60b,60c)を有している、請求項6から10までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項12】
環状異形材が押出し異形材である、請求項1から11までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項13】
押出し異形材(16,36,48)が、適切に定尺切断されたアルミニウム押出し異形材である、請求項12記載の周波数変換器。
【請求項14】
外側の第1の環状異形材(16)が、センタリングした状態で変換器収容部(14)に結合されている、請求項1または4記載の周波数変換器。
【請求項15】
変換器収容部(14)が、主として、アルミニウム鋳造部材から成っている、請求項1から14までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項16】
第3の環状異形材(48)が、変圧器室(38)を閉鎖するカバー(46,47)によって、第1の環状異形材(16)に隣接した第2の環状異形材(36)に対してセンタリングされている、請求項4から9までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項17】
ファン(34)が、第1の外側の環状異形材(16)に隣接した環状室(40)を介して冷却空気を吸い込みかつ該冷却空気を、変圧器室(38)によって取り囲まれた環状室(56)を介して再び外方に導出するように配置されている、請求項4記載の周波数変換器。
【請求項18】
冷却領域(30)が、一方で変換器収容部(14)の分離壁(31)と、他方で空気通流開口(21)を備えたカバー(18)とによって軸方向で閉鎖されている、請求項1から17までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項19】
ボード室(28)が、一方で変換器収容部(14)の分離壁(31)と、他方でフロントプレート(22)とによって閉鎖されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項20】
ボード室内に収納された、出力モジュールを備えた変換器ボード(32)が封止されていて、交換可能である、請求項1から19までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に電源周波数よりも高い周波数を備えた電流で運転される現場機器に用いられる周波数変換器であって、
−電流周波数を変化させるための変換器装置が設けられており、
−該変換器装置を取り囲むハウジングが設けられている形式のものにおいて、
ハウジングが、
−変換器装置のためのボード室(28)を取り囲む変換器収容部(14)を有しており、
−該変換器収容部(14)に続く、冷却領域(30)として働くハウジング区分を有しており、該ハウジング区分の内部に、冷却空気通路(40,41,56)と、冷却空気を冷却空気通路を通して圧送するために適したファン(34)とが配置されており、
−冷却領域(30)に外側の第1の環状異形材(16)を有しており、
−別の環状異形材(36,48)を有しており、該環状異形材(36,48)が、第1の環状異形材(16)の軸線に対して互いに方向付けられており、これによって、環状異形材(16,36,48)が、主軸線方向に対して横方向に間隔を置いて取り囲まれて、冷却空気通路として働く少なくとも2つの環状室(40,56)を形成しており、
−第1の環状異形材(16)の内部に配置された環状異形材(36,48)が、変換器収容部(14)に対する分離壁(31)から所定の軸方向の間隔を置いて終わって、冷却空気通路として働く空気変向領域(41)を形成していることを特徴とする、周波数変換器。
【請求項2】
冷却領域(30)が、電源電圧と異なる出力電圧を発生させるための絶縁変圧器(60a,60b,60c)を収容するための、冷却空気通路(40,41,56)に隣接した変圧器室(38)を有している、請求項1記載の周波数変換器。
【請求項3】
変換器収容部(14)と冷却領域(30)とが、分離壁(31)によって熱的に互いに結合されている、請求項1または2記載の周波数変換器。
【請求項4】
第1の環状異形材(16)の内部にかつ該第1の環状異形材(16)に対して同軸的にファン(34)が配置されており、これによって、該ファン(34)が、冷却空気流を一方の環状室(40)を介して吸い込みかつ空気変向領域(41)で分離壁(31)の少なくとも一部に沿って案内しかつ他方の環状室(56)を介して向流原理により吐き出すために適している、請求項1から3までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項5】
ファン(34)が、空気変向領域(41)に配置されている、請求項4記載の周波数変換器。
【請求項6】
第1の環状異形材(16)に第2の環状異形材(36)が隣接しており、該第2の環状異形材(36)が、環状の変圧器室(38)を取り囲んでおり、該変圧器室(38)が、内方で第3の環状異形材(48)によって仕切られるようになっている、請求項4または5記載の周波数変換器。
【請求項7】
冷却体を形成するための第3の環状異形材(48)が、外側リング(49)と内側リング(54)とから成っており、外側リングと内側リングとの間の領域に冷却リブ(50,52)が配置されており、該冷却リブ(50,52)が、冷却空気通路として働く一方の環状室(56)の壁を形成している、請求項6記載の周波数変換器。
【請求項8】
冷却リブ(52)の一部が、外側リング(49)と内側リング(54)とを互いに結合しており、冷却リブ(52)の間で外側リング(49)に、半径方向で自由に内方に突出したリブ(50)が配置されている、請求項7記載の周波数変換器。
【請求項9】
外側の第1の環状異形材(16)が、溝・キー(42,44)の原理により、隣接した環状異形材(36)に係合している、請求項4から8までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項10】
変圧器室(38)が、該変圧器室の第2の環状異形材(36)による外側の仕切りと第3の環状異形材(48)による内側の仕切りとの間で延びる環状のカバー(46,47)によって軸方向で閉鎖可能である、請求項6から9までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項11】
変圧器室(38)が、環状コア変圧器セット(60a,60b,60c)を有している、請求項6から10までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項12】
環状異形材が押出し異形材である、請求項1から11までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項13】
押出し異形材(16,36,48)が、適切に定尺切断されたアルミニウム押出し異形材である、請求項12記載の周波数変換器。
【請求項14】
外側の第1の環状異形材(16)が、センタリングした状態で変換器収容部(14)に結合されている、請求項1または4記載の周波数変換器。
【請求項15】
変換器収容部(14)が、主として、アルミニウム鋳造部材から成っている、請求項1から14までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項16】
第3の環状異形材(48)が、変圧器室(38)を閉鎖するカバー(46,47)によって、第1の環状異形材(16)に隣接した第2の環状異形材(36)に対してセンタリングされている、請求項4から9までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項17】
ファン(34)が、第1の外側の環状異形材(16)に隣接した環状室(40)を介して冷却空気を吸い込みかつ該冷却空気を、変圧器室(38)によって取り囲まれた環状室(56)を介して再び外方に導出するように配置されている、請求項4記載の周波数変換器。
【請求項18】
冷却領域(30)が、一方で変換器収容部(14)の分離壁(31)と、他方で空気通流開口(21)を備えたカバー(18)とによって軸方向で閉鎖されている、請求項3から17までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項19】
ボード室(28)が、一方で変換器収容部(14)の分離壁(31)と、他方でフロントプレート(22)とによって閉鎖されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の周波数変換器。
【請求項20】
ボード室内に収納された、出力モジュールを備えた変換器ボード(32)が封止されていて、交換可能である、請求項1から19までのいずれか1項記載の周波数変換器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2006−510338(P2006−510338A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−559709(P2004−559709)
【出願日】平成15年11月20日(2003.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013046
【国際公開番号】WO2004/055965
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(503048268)ワツカー コンストラクション イクイップメント アクチェンゲゼルシャフト (27)
【Fターム(参考)】