説明

フィルタ

【課題】高い濾過性能を確保しながら、被濾過流体の流通抵抗を低減する。
【解決手段】フィルタは、六角形の小孔11A,11B,11Cが多数形成されたメッシュ部12を有している。第1仮想円と、第1仮想円と同心上に第1仮想円の直径の√2倍の直径を持つ第2仮想円とを描いたとき、小孔11Aの対向する2辺は、第1仮想円に接し、小孔11Aの6つの角a1〜a6は、第1仮想円の外側から第2仮想円上までの領域に位置付けられている。小孔11Aの開口面積は、第2仮想円に内接する仮想の正四角形の面積よりも大きく設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を濾過するためのフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばエンジンオイル等の被濾過流体を濾過するフィルタは、多数の小孔が形成されたメッシュ部を有している(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1のフィルタの小孔は、四角形である。また、特許文献2のフィルタの小孔は、六角形である。六角形とすることで、フィルタの開口率を向上させて被濾過流体の流通時の抵抗を減少させることが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−179770号公報
【特許文献2】特開2000−186784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、被濾過流体がフィルタを通過する際には流通抵抗が生じるが、このときの抵抗は損失につながるので、できるだけ低減したいという要求がある。
【0005】
一方、フィルタの濾過性能を向上させるためには、メッシュ部の小孔を小さくすればよい。しかしながら、小孔を小さくすればするほど、被濾過流体の流通抵抗が大きくなってしまうという問題がある。これは、四角形の小孔であっても、六角形の小孔であっても同じである。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い濾過性能を確保しながら、被濾過流体の流通抵抗を低減できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、被濾過流体を濾過するための六角形の小孔が多数形成されたメッシュ部を有するフィルタであって、第1仮想円と、第1仮想円と同心上に第1仮想円の直径の√2倍の直径を持つ第2仮想円とを描いたとき、上記小孔の少なくとも対向する1組の2辺は、第1仮想円に接し、上記小孔の6つの角は、第1仮想円の外側から第2仮想円上までの領域に位置付けられ、上記小孔の開口面積は、第2仮想円に内接する仮想の正四角形の面積よりも大きく設定されていることを特徴とするものである。
【0008】
すなわち、図9に示すように、仮に、第2仮想円に内接する仮想の正四角形がメッシュ部に小孔として形成されている場合を想定すると、この正四角形の小孔で捕捉可能な丸形異物の直径は、正四角形の対向する2辺間の寸法X1以上である。2辺間の寸法X1は、正四角形が第1仮想円の√2倍の直径の第2仮想円に内接する大きさであるので、第1仮想円の直径と等しくなる。言い換えると、仮想の正四角形の小孔で捕捉可能な最小の丸形異物の直径は、第1仮想円の直径以上である。本発明では、図10に示すように、小孔の対向する2辺A,Bが第1仮想円に接しているので、丸形異物が、これら2辺A,Bに引っ掛かるようになって捕捉される。これにより、仮想の正四角形を小孔とした場合と同じように丸形異物を捕捉することが可能である。
【0009】
一方、図11に示すように、上記仮想の正四角形の小孔で捕捉可能な扁平異物の幅寸法は、正四角形の対角線長さX2と同じであり、従って、第2仮想円の直径と等しくなる。本発明では、図12に示すように、小孔の6つの角を、第1仮想円の外側から第2仮想円上の領域に位置付けたことで、扁平異物を仮想の正四角形の小孔と同等に捕捉することが可能、若しくは仮想の正四角形で捕捉可能な扁平異物よりも小さなものまで捕捉することが可能である。
【0010】
また、小孔の開口面積を仮想の正四角形よりも大きくしたことで、被濾過流体の流通抵抗は減少する。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、小孔の対向する少なくとも一対の角が第2仮想円上に位置付けられていることを特徴とするものである。
【0012】
第3の発明は、第2の発明において、小孔の6つの角が第2仮想円上に位置付けられていることを特徴とするものである。
【0013】
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、小孔は所定方向に長く形成され、該小孔の長手方向が、被濾過流体の流れ方向に対応するように設定されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、第1仮想円と、第1仮想円の√2倍の直径の第2仮想円とを同心上に描いたとき、メッシュ部の小孔の対向する2辺が第1仮想円に接し、小孔の6つの角が第1仮想円の外側から第2仮想円上までの領域に位置付けられているので、小孔を正四角形とした場合と同等、若しくはそれ以上の高い濾過性能を得ながら、小孔の開口面積を大きくして被濾過流体の流通抵抗を低減できる。
【0015】
第2の発明によれば、小孔の対向する2つの角を第2仮想円上に位置付けたことで、小孔の開口面積を十分に大きくすることができ、被濾過流体の流通抵抗をより一層低減できる。
【0016】
第3の発明によれば、小孔の6つの角を第2仮想円上に位置付けたことで、小孔の開口面積をさらに大きくすることができ、被濾過流体の流通抵抗をより一層低減できる。
【0017】
第4の発明によれば、小孔の長手方向を被濾過流体の流れ方向に沿うように設定したので、被濾過流体をスムーズに流すことができ、被濾過流体の流通抵抗をより一層低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】オイルストレーナの分解斜視図である。
【図2】メッシュ部の一部をオイル流れ方向下流側から見た斜視図である。
【図3】図1のIII−III線における断面図である。
【図4】メッシュ部の一部を拡大して示す平面図である。
【図5】変形例1にかかるメッシュ部の小孔を示す図である。
【図6】変形例2にかかるメッシュ部の一部をオイル流れ方向上流側から見た図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】変形例3にかかる図6相当図である。
【図9】仮想の正四角形の小孔で捕捉できる丸形異物の大きさを説明する図である。
【図10】本発明にかかる小孔で捕捉できる丸形異物の大きさを説明する図である。
【図11】仮想の正四角形の小孔で捕捉できる扁平異物の大きさを説明する図である。
【図12】本発明にかかる小孔で捕捉できる扁平異物の大きさを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
図1は、本発明の実施形態にかかるフィルタ10を備えたオイルストレーナ1の分解斜視図である。このオイルストレーナ1は、自動車用エンジンのオイルパン(図示せず)内に配設されて該オイルパン内に貯留されているオイル(被濾過流体)を濾過するためのものである。尚、オイルストレーナ1は、エンジン以外にも例えば自動変速機のオイルパン内等に配設することも可能である。
【0021】
オイルストレーナ1は、フィルタ10の他に該フィルタ10を収容するケース20を備えている。
【0022】
ケース20は、所定方向に長く形成されたものであり、上下に分割されたアッパ部材21及びロア部材22を備えている。アッパ部材21及びロア部材22は、共に、樹脂材を成形してなるものである。アッパ部材21は、上壁部24と、上壁部24の周縁部から下方へ延びる周壁部25とを備えている。ロア部材22は、底壁部26と、底壁部26の周縁部から上方へ延びる周壁部27とを備えている。そして、アッパ部材21の周壁部25の下端とロア部材22の周壁部27の下端とを合わせて両部材21,22を結合することでケース20内部にオイル流路(図示せず)が形成されるようになっている。
【0023】
ロア部材22の底壁部26には、ケース20の長手方向一側に吸入管部28が形成されている。吸入管部28はオイル流路に連通して下方へ突出している。吸入管部28の下端は、オイルストレーナ1がエンジンに装着された状態でオイルパンの底壁部近傍に位置するようになっている。
【0024】
ロア部材22の周壁部27には、外方へ延出するフランジ30が形成されている。また、ロア部材22の周壁部27の内面には、フィルタ10が嵌る段差部31が形成されている。
【0025】
アッパ部材21の上壁部24には、ケース20の長手方向他側に吐出管部34が形成されている。吐出管部34はオイル流路に連通して上方へ突出している。図3に示すように、吸入管部28からケース20内のオイル流路に吸入されたオイルは、上方へ向かってケース20の長手方向他側へ流れて吐出管部34から吐出されるようになっている。
【0026】
吐出管部34の上端部にはフランジ35が形成されている。フランジ35には、締結部材(図示せず)の挿通孔35aが形成されている。この挿通孔35aに挿通された締結部材によってオイルストレーナ1がエンジンに締結固定されるようになっている。
【0027】
アッパ部材21の周壁部25には、外方へ延出するフランジ36が形成されている。このフランジ36は、ロア部材22のフランジ30に対し全周に亘って溶着されている。フランジ30とフランジ36とは、振動溶着や熱板溶着等の溶着法を用いて溶着するのが好ましいが、接着剤を用いて接着してもよいし、例えば、図示しないが、アッパ部材21とロア部材22との一方に爪を設け、他方に爪が係合する孔部を設けておき、爪を孔部に係合させることによってアッパ部材21とロア部材22とを結合するようにしてもよい。
【0028】
フィルタ10は、図2に示すように、多数の小孔11を有するメッシュ部12と、メッシュ部12の外周部を囲むように設けられた枠部13とを備えており、これらメッシュ部12及び枠部13は樹脂材により一体成形されている。つまり、フィルタ10は射出成形品である。
【0029】
図3に示すように、枠部13は、オイル流れ方向の上流側(下側)及び下流側(上側)へそれぞれ突出するように形成されている。メッシュ部12は、ケース20の上壁部24及び下壁部26の中間に位置するように配置される。この状態でフィルタ10の枠部13の下端部がロア部材22の段差部31に嵌り、また、枠部13の上端部がアッパ部材21のフランジ36に溶着され、これにより、フィルタ10が位置決め固定される。尚、フィルタ10の枠部13は、フランジ36に対して振動溶着や熱板溶着するのが好ましいが、接着剤を用いて接着してもよいし、例えば、図示しないが、枠部13をアッパ部材21とロア部材22とで上下方向に挟持するようにしてもよい。
【0030】
メッシュ部12は、略矩形の平板状に形成されている。図2に示すように、メッシュ部12の全ての小孔11は、六角形とされて規則正しく並ぶように形成されている。図4に示すように、小孔11Aの周縁部は、第1〜第6辺構成部A1〜A6で形成されている。小孔11Aに隣接する小孔11Bの周縁部は、第1〜第6辺構成部B1〜B6で形成されている。小孔11A及び小孔11Bに隣接する小孔11Cの周縁部は、第1〜第6辺構成部C1〜C6で形成されている。
【0031】
小孔11Bの第4辺構成部B4は、小孔11Aの第1辺構成部A1と共通である。また、小孔11Cの第3辺構成部C3は、小孔11Aの第6辺構成部A6と共通である。また、小孔11Cの第2辺構成部C2は、小孔11Bの第5辺構成部B5と共通である。
【0032】
メッシュ部12の全ての小孔11は同じ形状であるため、以下、小孔11Aの形状について第1仮想円及び第2仮想円と関連付けて詳細に説明する。第1仮想円は、任意の直径の円である。第2仮想円は、第1仮想円の直径の√2倍の直径を持つ円であり、第1仮想円と同心上に位置している。
【0033】
小孔11Aの対向する第2辺構成部A2及び第5辺構成部A5は、互いに平行に延びており、長さは、第1、第3、第4、第6辺構成部A1,A3,A4,A6よりも長く設定されている。また、第1、第3、第4、第6辺構成部A1,A3,A4,A6は全て同じ長さに設定されている。第1辺構成部A1及び第4辺構成部A4は互いに平行に延び、第3辺構成部A3及び第6辺構成部A6も互いに平行に延びている。
【0034】
第1〜第6辺構成部A1〜A6の幅は、オイル流れ方向上流側へ行くほど狭くなるように設定されている。従って、図3に示すように、小孔11Aの断面積は、オイル流れ方向上流側へ行くほど大きくなっており、小孔11Aのオイル流れ方向上流側の開口面積は、下流側の開口面積よりも広くなっている。
【0035】
図4に示すように、小孔11Aの中心Xcは第1仮想円の中心と一致させる。このとき、第2辺構成部A2の内縁及び第5辺構成部A5の内縁は、第1仮想円に接している。また、第1辺構成部A1と第6辺構成部A6とで形成される角a1と、第3辺構成部A3と第4辺構成部A4とで形成される角a4とは、第2仮想円上に位置付けられている。第1辺構成部A1と第2辺構成部A2とで形成される角a2と、第2辺構成部A2と第3辺構成部A3とで形成される角a3と、第4辺構成部A4と第5辺構成部A5とで形成される角a5と、第5辺構成部A5と第6辺構成部A6とで形成される角a6も、第2仮想円上に位置付けられている。
【0036】
また、小孔11Aの角a1と角a4間の寸法は、第2辺構成部A2と第5辺構成部A5間の寸法よりも長く設定されている。つまり、小孔11Aは、同図における上下方向に長い形状となっている。
【0037】
また、小孔11Aの開口面積は、第1〜第6辺構成部A1〜A6の長さや角a1〜a6の位置により任意に設定することが可能である。この実施形態では、小孔11Aのオイル流れ方向下流側の開口面積が、第2仮想円に内接する仮想の正四角形の面積よりも大きく設定されている。
【0038】
フィルタ10は、小孔11の長手方向がケース20の長手方向と一致するようにケース20に収容されている。
【0039】
次に、上記のように構成されたオイルストレーナ1でオイルを濾過する場合について説明する。エンジンのオイルポンプが作動すると、図3に示すように、オイルがケース20の吸入管部28からケース20内のオイル流路に吸い込まれる。オイル流路内のオイルの流れは、吐出管部34へ向かう流れとなるが、この吐出管部34は、吸入管部28に対して上方、及び、ケース20の長手方向に離れているので、図3に矢印Yで示すように斜め上方となる。従って、小孔11の長手方向がオイルの流れ方向に対応することとなる。矢印Yとメッシュ部12のオイル流れ方向上流側の面とのなす角度αは、この実施形態では60度とされているが、ケース20の形状やメッシュ部12の形状及び位置により60度よりも小さい角度となることや、大きい角度となることもある。また、オイルの流れは、メッシュ部12に対し垂直な流れとしてもよい。
【0040】
そして、オイルはメッシュ部12の小孔11を通過することで濾過される。オイル中に丸形異物が混入している場合には、図4に示すように、その直径が第2辺構成部A2と第5辺構成部A5間の寸法X1以上であれば、第2、第5辺構成部A2,A5に引っ掛かり捕捉される。つまり、図9に参考として示すように、第2仮想円に内接する仮想の正四角形が小孔として形成されている場合を想定して、その仮想の正四角形の小孔で捕捉可能な丸形異物と同じ直径の丸形異物を、本実施形態の小孔11では捕捉できる。
【0041】
また、オイル中に扁平異物が混入している場合には、その幅が角a2と角a5間の寸法X2以上であれば、扁平異物が引っ掛かり捕捉される。つまり、図11に参考として示すように、寸法X2は、第2仮想円に内接する仮想の正四角形の対角線長さと同じであるため、仮想の正四角形の小孔で捕捉可能な扁平異物と同じ幅の扁平異物を、本実施形態の小孔11では捕捉できる。
【0042】
また、小孔11の開口面積を仮想の正四角形よりも大きくしたことで、オイルの流通抵抗は減少する。
【0043】
以上説明したように、この実施形態によれば、小孔11Aの第2辺構成部A2と第5辺構成部A5との内縁を第1仮想円に接するように位置付け、小孔11Aの6つの角a1〜a6を第2仮想円上に位置付けたので、小孔を第2の仮想円に内接する仮想の正四角形とした場合と同等の濾過性能を得ながら、小孔11Aの開口面積を大きくしてオイルの流通抵抗を低減できる。
【0044】
また、小孔11Aの全ての角a1〜a6を第2仮想円上に位置付けたことで、小孔11Aの開口面積を十分に大きくすることができ、オイルの流通抵抗をより一層低減できる。
【0045】
また、小孔11Aの長手方向をオイルの流れ方向に沿うように設定したので、オイルをスムーズに流すことができ、このことによっても、オイルの流通抵抗をより一層低減できる。
【0046】
尚、上記実施形態では、小孔11Aの全ての角a1〜a6を第2仮想線上に位置付けているが、これに限らず、例えば、図5に示す変形例1のように、角a2,a3,a5,a6を第1仮想円の外側と第2仮想円との間の領域に位置付け、かつ、対向する角a1,a4のみを第2仮想円上に位置付けるようにしてもよい。また、角a1〜a6は、第1仮想円の外側から第2仮想円上までの領域に位置付けるようにすればよく、上記した位置に限られるものではない。例えば、対向する角a2,a5のみを第2仮想円上に位置付けてもよいし、対向する角a3,a6のみを第2仮想円上に位置付けてもよい。また、角a1〜a6の全てを第2仮想円上に位置付けないようにしてもよい。
【0047】
また、図6に示す変形例2のように、メッシュ部12には、オイル流れ方向上流側へ突出する突起14を形成してもよい。この突起14は、小孔11の各辺構成部の交点近傍に位置付けられている。また、突起14の高さは、図7に示すように、オイルの主流の流線(図中に破線矢印で示す)に当たらないように設定されている。突起14は、扁平異物100(図7に仮想線で示す)が小孔11を塞ぐような姿勢でメッシュ部12に付着した際に、小孔11の開口と扁平異物100との間にオイルの流通可能な隙間を形成して、小孔11が完全に閉塞されないようにするためのものである。突起14の形成位置は、小孔11の辺構成部の長手方向中間部であってもよい。また、突起14の数や形成位置は任意に設定することができる。また、突起14の形状は、辺構成部の長手方向に延びるような形状であってもよい。さらに、突起14の代わりに、一部の辺構成部のみをオイル流れ方向上流側へ突出するように形成してもよい。
【0048】
また、図8に示す変形例3のように、メッシュ部12の小孔11の一部の辺構成部にのみ、オイル流れ上流側へ向けて突出するリブ15を形成してもよい。この変形例3では、メッシュ部12の強度を向上させることができるとともに、変形例2で説明したように、扁平異物によって小孔11が完全に閉塞されてしまうのを回避することができる。図示しないが、リブは、オイル流れ方向下流側へ向けて突出させて設けてもよい。
【0049】
また、小孔11の6つの辺構成部の長さは全て異ならせてもよい。また、対向する1組の辺構成部のみ、あるいは、対向する2組の辺構成部、対向する3組の辺構成部の各組の辺構成部を互いに同じ長さにしてもよい。また、隣り合う2つ(1組)の辺構成部のみ、あるいは、隣り合う2組の辺構成部、隣り合う3組の辺構成部の各組の辺構成部を互いに同じ長さにしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、対向する各組の辺構成部が互いに平行に延びる関係となっているが、これに限らず、少なくとも、対向する1組の辺構成部が平行に延びる関係になっていればよい。
【0051】
また、上記実施形態では、本発明をオイルストレーナ1に適用した場合について説明したが、これに限らず、水を濾過する装置や空気を濾過する装置に適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上説明したように、本発明にかかるフィルタは、例えば、オイルストレーナに適用できる。
【符号の説明】
【0053】
1 オイルストレーナ
10 フィルタ
12 メッシュ部
11A 小孔
A1〜A6 第1〜第6辺構成部
a1〜a6 角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被濾過流体を濾過するための六角形の小孔が多数形成されたメッシュ部を有するフィルタであって、
第1仮想円と、第1仮想円と同心上に第1仮想円の直径の√2倍の直径を持つ第2仮想円とを描いたとき、
上記小孔の少なくとも対向する1組の2辺は、第1仮想円に接し、
上記小孔の6つの角は、第1仮想円の外側から第2仮想円上までの領域に位置付けられ、
上記小孔の開口面積は、第2仮想円に内接する仮想の正四角形の面積よりも大きく設定されていることを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタにおいて、
小孔の対向する少なくとも一対の角が第2仮想円上に位置付けられていることを特徴とするフィルタ。
【請求項3】
請求項2に記載のフィルタにおいて、
小孔の6つの角が第2仮想円上に位置付けられていることを特徴とするフィルタ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のフィルタにおいて、
小孔は所定方向に長く形成され、該小孔の長手方向が、被濾過流体の流れ方向に対応するように設定されることを特徴とするフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−72910(P2011−72910A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226774(P2009−226774)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(390026538)ダイキョーニシカワ株式会社 (492)
【Fターム(参考)】