説明

フィルムロールの除塵方法及びフィルムロール用除塵設備

【課題】フィルムロールから剥離させた異物が再付着することを防止でき、効率よくフィルムロール表面を除塵できるフィルムロールの除塵方法及びフィルムロール用除塵設備を提供する。
【解決手段】フィルムロール用除塵設備10は、フィルムロール12の上方でエアを吸引する吸引口32Aと、吸引されたエアに含まれる異物の粒子数を計測するパーティクルカウンタ38と、吸込されたエアを除塵するエアフィルタ62と、除塵した清浄エアをイオン化するイオナイザ装置60と、イオン化した清浄エアを吸引口32Aの両側からフィルムロール12に向けて吹き出すことによりフィルムロール12から吸引口32Aに向かう気流を形成する吹出口32B、32Bと、フィルムロール12表面から吹出口32Bまでの距離に基づいて清浄エアの吹出風速及び吹出角度を制御する制御装置44と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルムロールの除塵方法及びフィルムロール用除塵設備に係り、特にフィルムロール表面から剥離した異物がフィルムロールに再付着することを低減して効率よくフィルムロール表面を除塵する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック産業等で用いられるフィルムロールは、フィルムロール表面に異物、ごみ、塵等が付着していると塗布欠陥などの不具合を生ずるため、浮遊異物を制御したクリーンな環境にて製造される。しかし、フィルムロールは、梱包時に完全密閉されないため、製造工場からフィルムロールの使用・加工工場に搬送される際にフィルムロール表面に異物が付着してしまう。そのため、フィルムロールを使用・加工する前に、フィルムロール表面に付着した異物を除去する除塵処理が必要になる。
【0003】
除塵方法として、特許文献1には、清浄度の高いエアを高速で吹きつけて異物をフィルム表面から剥離させるとともに、近接した吸引口に導入して除去する方法が開示されている。
【0004】
図6は、従来の除塵方法を用いたフィルムロール用除塵設備の一例を示す図である。エアシャワー室1はパネル等で組まれて密閉された部屋であり、部屋の上部にはエアジェット装置2が配置され、床3は塗り床で構成される。エアジェット装置2は内部にエアフィルタを組込んだ送風機であり、エアフィルタを通過した清浄エアを高速でフィルムロール4に吹き付け、フィルムロール4の表面に付着した異物5を剥離させる。エアシャワー室1内のエアは、ダクト6を介して吸引され、エアジェット装置2に送気される。これにより、エアが循環してエアジェット装置2から清浄エアが連続して吹き出され、フィルムロール4の表面から異物5が除去される。
【0005】
異物5を除去されたフィルムロール4は、加工のためにエアシャワー室1から加工室7へ搬送される。
【特許文献1】特開平10−309553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のフィルムロール用除塵設備は、フィルムロール4から剥離した異物5がフィルムロール4周辺に拡散して浮遊するため、浮遊異物がフィルムロール4に再付着するという問題があった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、フィルムロールから剥離させた異物が再付着することを防止でき、フィルムロール表面を効率よく除塵できるフィルムロールの除塵方法及びフィルムロール用除塵設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、フィルムロールの除塵方法であって、フィルムロールの上方でエアを吸引し、該吸引したエアに含まれる異物の粒子数を計測し、計測後のエアを除塵し、除塵した清浄エアをイオン化し、イオン化した清浄エアを前記吸引位置の両側から前記フィルムロールに向けて吹き出すことにより前記フィルムロール表面から前記吸引位置へ向かう気流を形成するとともに、前記異物の粒子数の計測値が所定値に達した際に、前記エアの吸引動作及び吹出動作を停止することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、エアを吸引して除塵及びイオン化するとともに、イオン化した清浄エアを吸引位置の両側から吹き出すようにしたので、フィルムロール表面に付着した異物をフィルムロール表面から剥離し、周囲に拡散することなく、吸引除去することができる。したがって、フィルムロール表面から剥離した異物の再付着を防止することができ、フィルムロール表面を効率よく除塵することができる。
【0010】
また、本発明によれば、異物の粒子数の計測値が所定値に達した際に、エアの吸引動作及び吹出動作を停止するので、フィルムロール表面から剥離した異物を確実に除去することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記異物の粒子数の計測値が前記所定値に達するまでの時間と、前記フィルムロール表面から前記吹出位置までの距離とのデータに基づいて、前記清浄エアの吹出風速及び吹出角度を制御することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、清浄エアの吹出風速と吹出角度をフィルムロールの種類ごとに最適化することができ、フィルムロール表面に付着した異物の除去を最短時間で行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は前記目的を達成するために、フィルムロール用除塵設備において、フィルムロールの上方でエアを吸引する吸引手段と、前記吸引手段によって吸引された前記エアに含まれる異物の粒子数を計測する計測手段と、前記吸引手段によって吸込されたエアを除塵して清浄エアに浄化する浄化手段と、前記清浄エアをイオン化するイオン化手段と、前記イオン化された清浄エアを前記吸引手段の両側から前記フィルムロールに向けて吹き出すことにより、前記フィルムロール表面から前記吸引手段へ向かう気流を形成する吹出手段と、前記フィルムロール表面から前記吹出手段までの距離に基づいて、前記吹出手段で吹き出す清浄エアの吹出風速及び吹出角度を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明のフィルムロール用除塵設備によれば、吸引手段でエアを吸引するとともに、イオン化された清浄エアを吸引手段の両側から吹き出すことによって、フィルムロール表面に付着した異物がフィルムロール表面から剥離され、周囲に拡散することなく、吸引手段に吸引される。従って、フィルムロール表面から剥離した異物がフィルムロール周辺に浮遊して拡散することを防止でき、フィルムロール表面から剥離した異物の再付着を防止することができる。これにより、フィルムロール表面を効率よく除塵することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記制御手段は、前記計測手段によって計測される粒子数に応じて、前記吹出手段による前記清浄エアの吹き出し動作を制御することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、計測手段によって計測される粒子数に応じて、吹出手段によるイオン化された清浄エアの吹き出し動作を制御するので、たとえば、計測される粒子数が所定値になった際に、清浄エアの吹き出し動作を停止させることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、前記吹出手段は、前記清浄エアの吹出角度を変えるルーバを備え、該ルーバによって吹出角度を変えて前記清浄エアを吹き出すことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、吹出手段が清浄エアの吹出角度を調整するルーバを備えるので、所望の吹出角度で清浄エアを吹き出すことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、イオン化された清浄エアを吸引手段の両側から吹き出すようにしたので、フィルムロール表面から剥離した異物が周囲に拡散されることを防止でき、フィルムロールに異物が再付着を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面に従って、本発明に係るフィルムロールの除塵方法及びフィルムロール用除塵設備の好ましい実施の形態について詳説する。
【0021】
[第一実施形態]
図1は、フィルムロール用除塵設備10の概略構成を示した正面図である。同図に示すフィルムロール用除塵設備10は、フィルム加工室16に隣接されたエアシャワー室14の内部でフィルムロール12の表面に付着した異物を除去する設備であり、エアシャワー室14で除塵されたフィルムロール12は、クリーンルームであるフィルム加工室16に送られ、ここで加工される。なお、フィルムロール12は、帯状のプラスチックフィルムを巻き芯18にロール状に巻回したものであり、たとえば幅2000mm、ロール径φ300mmで構成される。このフィルムロール12は、フィルム加工室16において巻き戻されて加工される。
【0022】
図1に示すようにフィルムロール用除塵設備10は主として、フィルムロール12を支持する支持装置20、及び、フィルムロール12の上方に配置されたエアジェット装置30によって構成される。エアジェット装置30は、不図示の吊り金具等によって、エアシャワー室14の上部に吊設される。
【0023】
支持装置20は、図2に示すように、支持台22と、この支持台22に立設された支持柱24、24から成り、支持柱24、24の上端部24A、24AはU状に形成され、このU状の上端部24、24にフィルムロール12の巻き芯18が係合される。これにより、フィルムロール12は支持装置20によって回転可能に支持される。なお、フィルムロール12の巻き芯18を自動的に回転させる手段を支持装置20に設けてもよい。
【0024】
支持装置20の支持台22は、床面に敷設されたレール26、26にスライド自在に係合される。レール26、26は、図1に示す如く、エアシャワー室14の床面から加工室16の床面に延設されており、このレール26、26に沿って支持台22を移動させることによって、フィルムロール12をエアシャワー室14から加工室16に移動させることができる。なお、支持台22をレール26、26に沿って自動で走行させる走行手段を支持装置20に設け、支持台22の移動を自動制御するようにしてもよい。
【0025】
図3は、エアジェット装置30の内部構成を模式的に示す断面図である。なお、図3は、フィルムロール12(図1参照)の軸方向に対して直交する断面図である。
【0026】
同図に示すように、エアジェット装置30は、下面が開口されたケース32を有し、このケース32内の下部には仕切り板34、34が設けられる。仕切り板34、34は、図3の奥行き方向(すなわちフィルムロール12の軸方向)に沿って形成されており、ケース32の下面の開口が三つに隔てられている。以下、中央の開口を吸引口32A、その両側の開口を吹出口32B、32Bとする。
【0027】
吸引口32Aと吹出口32B、32Bは、図1のフィルムロール12の軸方向に長い長方形状に形成されている。また、吸引口32Aと吹出口32B、32Bは、フィルムロール12の幅方向において、フィルムロール12の幅寸法と同一の寸法か、あるいはフィルムロール12の幅寸法よりも若干大きい寸法で形成されている。
【0028】
吸引口32Aには、パンチングメタル等の整流板36が配設されており、この整流板36の側方にはパーティクルカウンタ(計測手段に相当)38の吸引チューブ38Aが設けられ、整流板36の上方にはファン40が設けられる。
【0029】
パーティクルカウンタ38は、所定の大きさの粒子の個数を計測する装置であり、吸引チューブ38Aによってエアを吸引する。このパーティクルカウンタ38によって、吸引口32Aから吸引されたエア中に含まれる異物の粒子数が計測される。パーティクルカウンタ38は、後述の制御装置44に電気的に接続されており、制御装置44はこのパーティクルカウンタ38の計測値に基づいて各制御を行うように構成される。
【0030】
ファン40はモータ42を駆動することによって回転し、ファン40が回転することによって吸引口32Aからエアをケース32内に吸引するように構成される。吸引されたエアは、ケース32内を通って吹出口32B、32Bに送気され、吹出口32B、32Bからケース32外に吹き出される。
【0031】
ファン40のモータ42は後述の制御装置44に電気的に接続されており、制御装置44によってファン40の回転数、すなわち送風量が制御される。なお、ファン40の上方には、V状に形成された分流板46が設けられており、ファン40から送風されたエアが二つの吹出口32B、32Bに均等に流れるようになっている。
【0032】
吹出口32B、32Bには、エアの吹出方向を調節するためのルーバ50、50が設けられている。各ルーバ50は、軸52に揺動自在に支持された複数の羽根54、54…を有し、この羽根54、54…を揺動させることによってエアの吹出方向が調節される。各羽根54、54…には操作レバー56が取りつけられており、この操作レバー56は吹出方向調整器58によって押し引き操作される。したがって、吹出方向調整器58によって操作レバー56を押し引き操作することによって、複数の羽根54、54…が同時に揺動され、エアの吹出方向が調整される。
【0033】
ルーバ50の上方には、イオナイザ装置(イオン化手段に相当)60が設けられ、さらにイオナイザ装置60の上方にエアフィルタ(浄化手段に相当)62が設けられる。エアフィルタ62は、たとえばHEPAフィルタやULPAフィルタが用いられ、このエアフィルタ62を通過させることによってエア中の異物が除去される。なお、吹出口32に送気されるエアは全て、このエアフィルタ62を通過して除塵されるように構成される。
【0034】
イオナイザ装置60は、エアフィルタ62によって浄化された清浄エアを帯電させる装置であり、このイオナイザ装置60によって帯電された清浄エアがフィルムロール12に吹きつけられることによって、フィルムロール12から剥離した際の異物の捕集効果を高めることができる。イオナイザ装置60は、制御装置44に接続されており、そのオン/オフと帯電量が制御される。
【0035】
制御装置44は、前述のパーティクルカウンタ38の計測値に基づいてファン40のモータ42、イオナイザ装置60、吹出方向調整器58を制御する。たとえば、パーティクルカウンタ38の計測値が所定値(通常はゼロ)になった際にファン40、イオナイザ装置60を停止する。
【0036】
また、制御装置44は、エアジェット装置30からフィルムロール12までの距離hに応じてファン40のモータ42と吹出方向調整器58を制御する。これにより、フィルムロール12に対して、清浄エアを適切な風速、且つ、適切な吹出角度で吹きつけることができる。なお、適切な風速及び適切な吹出角度とは、エアジェット装置30の吹出口32B、32Bから吹き出したエアがフィルムロール12の表面に衝突し、吸引口32Aに向けて上昇流を形成する値である。
【0037】
また、制御装置44には、タイマーが内蔵されており、エアジェット装置30を駆動してからパーティクルカウンタ38の計測値が所定値になるまでの除塵時間を計測する。さらに制御装置44は、その除塵時間と、その際の吹出風速、吹出角度、距離hを記憶し、データ化する。そして、除塵時間、吹出風速、吹出角度、距離hのデータに基づいて、除塵時間が最小となるような吹出風速及び吹出角度の最適条件を距離hごとに求めておき、次回以降の操作時に、吹出風速及び吹出角度を最適条件に設定する。なお、距離hだけでなく、フィルムロール12の材質ごとに、最適条件を求めて設定するようにしてもよい。
【0038】
次に、上記の如く構成されたフィルムロール用除塵設備10の作用について説明する。
【0039】
フィルムロール12は簡易包装された状態で、製造工場(不図示)からフィルムロール用除塵設備10のエアシャワー室14に搬送される。搬送されたフィルムロール12は、エアシャワー室14の内部で簡易包装が解かれ、支持装置20に取りつけられる。支持装置20は、エアジェット装置30の吸引口32Aの真下にフィルムロール12が配置されるように、支持台22の位置を調整する。また、フィルムロール12とエアジェット30との距離hに応じてエアジェット装置30のルーバ50の角度、すなわち、吹出角度を調節する。
【0040】
次にエアジェット装置30を駆動することによって、吸引口32Aからエアを吸引するとともに吹出口32B、32Bからフィルムロール12に清浄エアを吹きつける。このとき、清浄エアがフィルムロール12に対して斜め方向に吹きつけられるので、支持装置16に回動自在に支持されたフィルムロール12が自動的に回転する。
【0041】
また、エアジェット装置30を駆動することによって、フィルムロール12と吸引口32Aとの間には上昇気流が形成される。この上昇気流は、吹出口32B、32Bから吹き出された清浄エアがフィルムロール12の表面に衝突することによって、あるいは、清浄エアの下降気流同士が衝突することによって形成される。
【0042】
ところで、フィルムロール12の表面に付着した異物66は、清浄エアが吹きつけられることによってフィルムロール12から剥離し、前述の上昇気流に乗って上昇した後、吸引口32Aからエアジェット装置30に吸いこまれ、エアフィルタ62を通過することによって除塵される。その際、フィルムロール12から剥離した異物66は、清浄エアの気流同士に挟まれたエリアを上昇するので、周囲に拡散することがなく、吸引口32Aからエアジェット装置30内に吸いこまれ、確実に除塵される。したがって、エアジェット装置30を停止した場合にも、エアシャワー室14内に異物66の飛散がなく、フィルムロール12への異物66の再付着を防止することができる。
【0043】
なお、エアジェット装置30は、パーティクルカウンタ38の測定値が所定値(たとえば零)になった際に停止される。エアジェット装置30が停止した後、支持装置16をレール26に沿って移動させることによって、フィルムロール12をエアシャワー室14から加工室16に移動させる。
【0044】
その際、制御装置44は、パーティクルカウンタ38の計測値が所定値になるまでの除塵時間のデータを、吹出風速、吹出角度、距離hのデータとともに記憶し、データ化する。そして、除塵時間、吹出風速、吹出角度、距離hのデータに基づいて、除塵時間が最小となるような吹出風速及び吹出角度の最適条件を距離hごとに求めておき、次回以降の操作時に、吹出風速及び吹出角度をその最適条件に設定する。これにより、フィルムロールの除塵を最短時間で行うことができる。
【0045】
上述したように本実施の形態によれば、エアシャワー室14内に浮遊して拡散する異物66を上昇気流に乗せてエアジェット装置30内に吸引するので、エアシャワー室14内に浮遊する異物66を低減することができる。したがって、エアジェット装置30を停止した際における異物66のフィルムロール12への再付着を低減でき、効率よくフィルムロール12の表面を除塵できる。
【0046】
[第二実施形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態であるフィルムロール用除塵設備10の概略構成を示した正面図である。同図に示すエアジェット装置30は、吹出口32B、32Bの内部にルーバ50(図3参照)を設ける代わりに、吹出口32B、32Bにダクト70、70を取りつけている。ダクト70は、途中で吸引口32A側に屈曲し、その下端の吹出口70B、70Bがフィルムロール12に向いて配置されている。
【0047】
上記の如く構成されたフィルムロール用除塵設備10によれば、ダクト70を用いて吹出口70B、70Bをフィルムロール12に向けたので、清浄エアをフィルムロール12に確実に当てることができる。よって、フィルムロール12に衝突した清浄エアによってダクト70、70間に確実に上昇気流を形成することができる。これにより、フィルムロール12から剥離した異物66が上昇気流に乗って吸引口32Aから吸いこまれるので、異物66の周囲への拡散を防止することができ、フィルムロール12への異物66の再付着を確実に防止することができる。
【0048】
なお、上述した実施形態は、エアジェット装置30にエアの吸引口32Aと清浄エアの吹出口32B、32Bの両方を設けてユニット化したが、これに限定するものではなく、別々のユニットで構成してもよい。図5は、吸引ユニットと吹出ユニットとを別々に備える構成のエアジェット装置30を示す断面図である。同図に示すエアジェット装置30は、吸引口72Aを有する吸引ユニット72と、吹出口74Bを有する吹出ユニット74とが別々に設けられ、これらがダクト76、76によって連結される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施の形態のフィルムロール用除塵設備の概略構成を示す図
【図2】図1の支持装置を示す斜視図
【図3】図1のエアジェット装置の内部構成を示す断面図
【図4】本発明の第2の実施の形態のフィルムロール用除塵設備の概略構成を示す図
【図5】図3と異なる構成のエアジェット装置を示す断面図
【図6】従来のフィルムロール用除塵設備の概略構成を示した正面図
【符号の説明】
【0050】
10…フィルムロール用除塵設備、12…フィルムロール、14…エアシャワー室、20…支持装置、30…エアジェット装置、32A…吸引口、32B…吹出口、38…パーティクルカウンタ、40…ファン、44…制御装置、50…ルーバ、60…イオナイザ装置、62…エアフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムロールの上方でエアを吸引し、該吸引したエアに含まれる異物の粒子数を計測し、計測後のエアを除塵し、除塵した清浄エアをイオン化し、イオン化した清浄エアを前記吸引位置の両側から前記フィルムロールに向けて吹き出すことにより前記フィルムロール表面から前記吸引位置へ向かう気流を形成するとともに、
前記異物の粒子数の計測値が所定値に達した際に、前記エアの吸引動作及び吹出動作を停止することを特徴とするフィルムロールの除塵方法。
【請求項2】
前記異物の粒子数の計測値が前記所定値に達するまでの時間と、前記フィルムロール表面から前記吹出位置までの距離とのデータに基づいて、前記清浄エアの吹出風速及び吹出角度を制御することを特徴とする請求項1に記載のフィルムロールの除塵方法。
【請求項3】
フィルムロールの上方でエアを吸引する吸引手段と、
前記吸引手段によって吸引された前記エアに含まれる異物の粒子数を計測する計測手段と、
前記吸引手段によって吸込されたエアを除塵して清浄エアに浄化する浄化手段と、
前記清浄エアをイオン化するイオン化手段と、
前記イオン化された清浄エアを前記吸引手段の両側から前記フィルムロールに向けて吹き出すことにより、前記フィルムロール表面から前記吸引手段へ向かう気流を形成する吹出手段と、
前記フィルムロール表面から前記吹出手段までの距離に基づいて、前記吹出手段で吹き出す清浄エアの吹出風速及び吹出角度を制御する制御手段と、
を有することを特徴とするフィルムロール用除塵設備。
【請求項4】
前記制御手段は、前記計測手段によって計測される粒子数に応じて、前記吹出手段による前記清浄エアの吹き出し動作を制御することを特徴とする請求項3に記載のフィルムロール用除塵設備。
【請求項5】
前記吹出手段は、前記清浄エアの吹出角度を変えるルーバを備え、該ルーバによって吹出角度を変えて前記清浄エアを吹き出すことを特徴とする請求項3または4に記載のフィルムロール用除塵設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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