説明

フィールド同期装置及びフィールド同期方法

【課題】複合映像信号をコンポーネント信号に変換した後、再度複合映像信号に合成する際に、特別なカラーフィールド情報等を伝送、記憶することなく、正しいカラーフィールド情報を検出する。
【解決手段】コンポーネント信号におけるY信号からサブキャリア帯域の信号を抽出する帯域通過フィルタ1と、抽出した信号を複数のサブキャリアを用いて複数の色差信号を復調するB−Y信号復調部2と、複数のB−Y信号における各B−Y信号とコンポーネント信号におけるB−Y信号との複数の差分値を求める減算部5と、複数の差分値における各差分値とを比較して差分値の絶対値が小さい方に係るサブキャリアの位相情報をカラーフィールド情報として出力する比較部6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンポーネント信号から複合映像信号に変換する処理、装置に利用されるフィールド同期装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地上波ディジタル放送やDVD(Digital Versatile Disk)ビデオなどの符号化方式として採用されているMPEG2(Moving Picture Experts Group Phase 2)などでは、NTSC(National Television System Committee)方式などの複合映像信号(コンポジット信号(Composite信号))を符号化・伝送する場合、符号化前段処理として、入力信号を輝度信号と色信号とに分離(Y/C分離)し、色信号については色副搬送波(サブキャリア)で変調されているので更に色復調を行い、R−Y信号、B−Y信号の2つの色差信号としてから符号化する必要がある。また、復号化装置側では、復号した映像信号を色信号についてはサブキャリアで変調し、変調色信号を輝度信号と多重して複合映像信号として出力する。
【0003】
NTSC方式の複合映像信号は、フィールド周波数をfV、水平同期周波数をfH、サブキャリア(SC)周波数をfSCとすると、
fSC=455×fH/2 ・・・ (式1)
fH=525×fV/2 ・・・ (式2)
と決められている。式1のサブキャリア周波数fSC:3.58[MHz]と水平同期周波数fH:15.734[kHz]の関係から、第1フィールドから第4フィールドの各水平走査線が図8の各フィールドの水平走査線[61]〜[64]に示されるような関係であるとき、サブキャリアの波形の位相は、水平走査線(ライン)毎に丁度180[度]ずつずれる(反転する)関係となる(図9における各フィールドの各ラインの波形[71]〜[74]参照)。また、式2より、各ラインのサブキャリアの波形は、2フィールド(1フレーム)で位相が反転し(図9における奇数フィールドの各ラインの波形[71]、[73]、偶数フィールドの各ラインの波形[72]、[74]参照)、4フィールド(2フレーム)で同位相となる。この関係は、4フィールドシーケンスと呼ばれる(ここで、1フレームは、2フィールドから構成される。)。
【0004】
複合映像信号をコンポーネント信号(Component信号)に変換する際に行うY/C分離は、このサブキャリアの位相関係を利用して、2次元又は3次元フィルタを構成して行うのが一般的である。MPEG2の受信側で復号した後は、コンポーネント信号から色信号の変調信号及び輝度信号(Y信号)との加算をしてNTSC方式の複合映像信号を再生する。
【特許文献1】特再平10−000979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NTSC方式の複合映像信号を一度、Y/C分離を行いコンポーネント信号にした後、再度NTSC方式の複合映像信号に戻す処理において、Y/C分離の性能が画質に大きく影響を受ける。しかし、NTSC方式の複合映像信号を完全にY/C分離することは困難であり、信号に依存してY信号のC信号への漏れ、C信号のY信号への漏れが発生する。もし、復号化装置側で符号化装置側と一致する4フィールドシーケンスを再現することができた場合、これらの漏れ信号は、ほぼそのまま元に戻り、画質の劣化はあまり発生しない。しかし、4フィールドシーケンスが符号化装置側と不一致となり再現することができなかった場合、これらの漏れ信号は妨害信号となり、大きな画質の劣化につながる。テレビ信号などは、複数の信号源(番組)などを切り替えて運用するため、フィールドシーケンスの連続性は保たれない場合が多い。よって、符号化装置側のフィールドシーケンスに合わせて、復号化装置側のフィールドシーケンスを制御しない場合、番組によって画質が良かったり、悪かったりと変わってしまう問題が発生する。
【0006】
従来技術では、奇数フィールド(第1フィールド、第3フィールド)と偶数フィールド(第2フィールド、第4フィールド)は容易に判定することができるが、復号化装置側で、コンポーネント信号から、符号化側入力のNTSC方式の複合映像信号の第1フィールドと第3フィールド、第2フィールドと第4フィールドをそれぞれ判定することは行っていない。また、MPEG2規格では、ピクチャ符号化拡張子中のフィールドシーケンスで4フィールドシーケンスを伝送することが可能であるが、これらのシンタックス(サブキャリアの位相に関する4フィールドシーケンス)を完全にサポートしている符号化/復号化LSIは非常に少なく、また、サポートしていたとしても符号化側と復号化側とでともにサポートしていなければならず、復号化側だけでは、実現することができないという問題があった。
【0007】
さらに、図10に示されるように、カラーフレーム信号を伝送し、それにより、カラーサブキャリアの位相を制御する技術も提案されている。このようにすると、画質の劣化を防ぐことはできるが、特別の情報を伝送する必要がある。いずれの場合も、符号化側と復号化側とで一致した処理を行う必要があるので、復号化側のみでは、問題を解決することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明によるフィールド同期装置は、複合映像信号から分離されたコンポーネント信号における輝度信号の信号帯域の信号から、複合映像信号の色副搬送波の周波数帯域を有する第1の信号を抽出する抽出部と、第1の信号に含まれる第1の位相情報から、コンポーネント信号におけるサブキャリアの位相情報に係るカラーフィールド情報を検出する検出部とを備える。さらに、本発明によるフィールド同期装置は、検出部が、第1の信号を、複数のサブキャリアを用いて、複数の色差信号を復調する第1の復調部と、複数の色差信号における各色差信号とコンポーネント信号における色差信号である第1の色差信号との複数の差分値を求める第1の減算部と、複数の差分値における各差分値とを比較して、差分値の絶対値が小さい方に係るサブキャリアの位相情報をカラーフィールド情報として出力する第1の比較部とを備える。
【0009】
また、本発明によるフィールド同期方法は、複合映像信号から分離されたコンポーネント信号における輝度信号の信号帯域の信号から、複合映像信号の色副搬送波の周波数帯域を有する第1の信号を抽出する第1の工程と、第1の信号に含まれるサブキャリアの第1の位相情報から、コンポーネント信号における位相情報に係るカラーフィールド情報を検出する第2の工程とを備える。さらに、本発明によるフィールド同期方法は、第2の工程が、第1の信号を、複数のサブキャリアを用いて、複数の色差信号を復調する第4の工程と、複数の色差信号における各色差信号とコンポーネントの色差信号である第1の色差信号との複数の差分値を求める第5の工程と、複数の差分値における各差分値とを比較して、差分値の絶対値が小さい方に係るサブキャリアの位相情報をカラーフィールド情報として出力する第6の工程とを備える。
【0010】
さらに、本発明によるフィールド同期方法は、複合映像信号を輝度信号と色信号とに分離し、色復調をして得られたコンポーネント信号を、再度変調して合成し、複合映像信号に戻す処理に利用されるフィールド同期方法であって、当初の複合映像信号のカラーフィールド情報を参照することなく、コンポーネント信号の有効映像信号に含まれる情報から、カラーフィールド情報を検出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、複合映像信号をコンポーネント信号に変換した後、再度複合映像信号に合成する際に、特別なカラーフィールド情報等を伝送、記録することなく、正しいカラーフィールド情報を検出することができるので、輝度信号に残留している色信号、あるいは色信号に漏れ込んでいる輝度信号を、正しい位相で変調、合成を行うことができ、Y/C分離やカラーデコーダに伴う特性劣化を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(A)第1の実施形態
次に、添付図面を参照して本発明によるフィールド同期装置及び方法の実施形態を詳細に説明する。本発明は、符号化装置側に入力された映像信号のカラーフィールド情報を、復号化装置側で復号されたコンポーネント信号の輝度信号及び色信号の持徴を利用して判定し、入力信号に同期したカラーフィールド情報を生成するものである。
【0013】
(A−1)第1の実施形態の構成
第1の実施形態の構成は、図1に示される。MPEG復号化装置のように入力信号が輝度信号としてのY信号、色差信号としてのB−Y信号及びR−Y信号のコンポーネント信号で処理され、その後、NTSCエンコーダによって複合映像信号(コンポジット信号)として出力する装置に実施した例であり、入力信号のカラーフィールド情報が、RS−170A規格に準拠している信号に対応することができる例である。
【0014】
バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)[1]は、色副搬送波の周波数帯域である3.58[MHz]帯域通過フィルタであり、Y信号を入力して、3.58[MHz]帯域の信号を出力する。
【0015】
B−Y信号復調部[2]は、第1のB−Y信号復調部[2−1]と、第2のB−Y信号復調部[2−2]とを有する。第1のB−Y信号復調部[2−1]は、バンドパスフィルタ[1]から出力された3.58[MHz]帯域の信号を入力して、第1のB−Y信号を復調し出力する。第1のB−Y信号復調部[2−1]は、後述されるサブキャリア生成部[3]から出力される第1の位相情報を有する第1の色副搬送波(第1のサブキャリア(+SC))に基づいて、第1のB−Y信号を復調し出力する。第2のB−Y信号復調部[2−2]は、第1のB−Y信号復調部[2−1]と同等の構成を有する。第2のB−Y信号復調部[2−2]は、バンドパスフィルタ[1]から出力された3.58[MHz]帯域の信号を入力して、第2のB−Y信号を復調し出力する。第2のB−Y信号復調部[2−2]は、後述されるサブキャリア生成部[3]から出力される第2の位相情報を有する第2の色副搬送波(第2のサブキャリア(−SC))に基づいて、第2のB−Y信号(第2のB−Y信号)を復調し出力する。
【0016】
遅延部[4]は、第3のB−Y信号を入力して、第3のB−Y信号を所定の時間、遅延させた第4のB−Y信号を出力する。ここで、所定の時間とは、第4のB−Y信号の位相情報と第1のB−Y信号の位相情報(第2のB−Y信号の位相情報)とを合わせるために必要な時間である。
【0017】
減算部[5]は、第1の減算部[5−1]と、第2の減算部[5−2]とを有する。第1の減算部[5−1]は、第1のB−Y信号復調部[2−1]から出力された第1のB−Y信号と、遅延部[4]から出力された第4のB−Y信号とを入力して、第1のB−Y信号と第4のB−Y信号との第1の差分値を計算し出力する。第2の減算部[5−2]は、第1の減算部[5−1]と同等の構成を有する。第2の減算部[5−2]は、第2のB−Y信号復調部[2−2]から出力された第2のB−Y信号と、遅延部[4]から出力された第4のB−Y信号とを入力して、第2のB−Y信号と第4のB−Y信号との第2の差分値を計算し出力する。
【0018】
比較部[6]は、第1の比較部[6−1]を有する。第1の比較部[6−1]は、第1のB−Y信号復調部[2−1]から出力された第1のB−Y信号と、第1の減算部[5−1]から出力された第1の差分値と、第2の減算部[5−2]から出力された第2の差分値とを入力して、比較結果として出力する。ここで、比較結果は、第1のB−Y信号から抽出されたB−Y信号成分(B−Y信号成分)が存在する領域において、第1の差分値と第2の差分値とを比較し、差分値の絶対値が小さい方を検出し、検出結果を比較結果とする。
【0019】
タイミング信号/サブキャリア発生部[7]は、水平同期及び垂直同期のタイミング信号を入力して、このタイミング信号に同期した色副搬送波(サブキャリア(SC))用の信号として出力する。また、タイミング信号/サブキャリア発生部[7]は、同期信号を入力して、NTSC方式の複合映像信号(:以下、複合映像信号と記載)に用いられる複合同期信号を生成し出力する。ここで、複合同期信号とは、複合映像信号におけるRS−170Aに準拠した信号に係る同期信号(:水平同期信号、垂直同期信号、カラーバースト信号、等価パルス)を、RS−170Aの規定に従って出力する。
【0020】
サブキャリア生成部[3]は、第1のサブキャリア生成部[3−1]と第2のサブキャリア生成部[3−2]とを有する。第1のサブキャリア生成部[3−1]は、タイミング信号/サブキャリア発生部[7]から出力されるサブキャリア用の信号を入力して、第1の位相情報を有する第1のサブキャリア(+SC)を第1のB−Y信号復調部[2−1]に出力する。第1の位相情報とは、第1のサブキャリアの位相が、第1フィールド、第1ラインのサブキャリアの波形(図9:[75])の位相情報と同じとなる位相情報を有することである。第2のサブキャリア生成部[3−2]は、タイミング信号/サブキャリア発生部[7]から出力されるサブキャリア用の信号を入力して、第2の位相情報を有する第2のサブキャリア(−SC)を第2のB−Y信号復調部[2−2]に出力する。第2の位相情報とは、第2のサブキャリアの位相が、第3フィールド、第1ラインのサブキャリアの波形(図7:[76])の位相情報と同じとなる位相情報を有することであり、第2のサブキャリア(−SC)の位相が第1のサブキャリア(+SC)の位相と180[度]異なるようなタイミングを意味する。
【0021】
選択部[8]は、第1の選択部[8−1]を有する。第1の選択部[8−1]は、第1のサブキャリア生成部[3−1]から出力された第1のサブキャリア(+SC)、第2のサブキャリア生成部[3−2]から出力された第2のサブキャリア(−SC)、比較部[6]から出力された比較結果を入力して、比較結果に基づいて、第1のサブキャリア(+SC)又は第2のサブキャリア(−SC)の一方を選択し、第3のサブキャリアとして出力する。
【0022】
移相部[9]は、選択部[8]から出力された第3のサブキャリアを入力して、第3のサブキャリアを+90[度]移相した第4のサブキャリアを出力する。
【0023】
色信号変調部[10]は、選択部[8]から出力される第3のサブキャリア、移相部[9]から出力される第4のサブキャリア、第3のB−Y信号、第1のR−Y信号を入力して、第3のB−Y信号を第3のサブキャリアにて変調した信号と、第1のR−Y信号を第4のサブキャリアにて変調した信号を加算して、複合色信号にエンコードし出力する。
【0024】
加算部[11]は、Y信号、タイミング信号/サブキャリア発生部[7]から出力される複合同期信号、色信号変調部[10]から出力された複合色信号を入力し、Y信号、複合同期信号、複合色信号を加算し、複合映像信号として出力する。
【0025】
(A−2)第1の実施形態の動作
第1の実施形態の動作は、図1及び図2を用いて説明される。
【0026】
[ステップS1:抽出処理(図2)]
バンドパスフィルタ[1]は、3.58[MHz]帯域通過フィルタによって、入力された輝度信号としてのY信号から色副搬送波としてのサブキャリアの周波数帯の信号を取り出す。
【0027】
[ステップS2:復調処理(図2)]
次に、第1のB−Y信号復調部[2−1]は、バンドパスフィルタ[1]から出力された3.58[MHz]帯域の信号を入力して、この3.58[MHz]帯域の信号から第1のサブキャリア(+SC)に基づくB−Y信号の復調処理を行い、第1のB−Y信号を出力する[ステップS2−1:第1の復調処理(図2)]。
【0028】
第2のB−Y信号復調部[2−2]は、バンドパスフィルタ[1]から出力された3.58[MHz]帯域の信号を入力して、この3.58[MHz]帯域の信号から第1のサブキャリア(+SC)の位相と180[度]異なる第2のサブキャリア(−SC)に基づくB−Y信号の復調処理を行い、第2のB−Y信号を出力する[ステップS2−2:第2の復調処理(図2)]。
【0029】
[ステップS3:遅延処理(図2)]
遅延部[4]は、コンポーネント信号のB−Y信号である第3のB−Y信号の位相情報を、第1のB−Y信号の位相情報(第2のB−Y信号の位相情報)と一致するように遅延させ、遅延させた信号を第4のB−Y信号として出力する。
【0030】
[ステップS4:減算処理(図2)]
第1の減算部[5−1]は、第1のB−Y信号と第4のB−Y信号との第1の差分値を計算し出力する[ステップS4−1:第1の減算処理(図2)]。
【0031】
第2の減算部[5−2]は、第2のB−Y信号と第4のB−Y信号との第2の差分値を計算し出力する[ステップS4−2:第1の減算処理(図2)]。
【0032】
ここで、Y信号に色差信号成分が残留していれば、第1のB−Y信号復調部[2−1]、第2のB−Y信号復調部[2−2]からB−Y信号が取り出される。取り出されたB−Y信号に関するサブキャリアの位相情報が一致する方は、差分値の絶対値が必ず小さくなるので、位相情報が一致するサブキャリアを選択することによって正しいカラーフィールド情報を得ることが可能となる。
【0033】
[ステップS5:比較処理(図2)]
第1の比較部[6−1]は、第1のB−Y信号からB−Y信号成分の存在する領域を検出し、その領域において第1の差分値と第2の差分値とを比較し、絶対値が小さい方を検出する。これにより、正しいカラーフィールド情報が決定される。また、入力信号が連続した信号であれば、カラーフィールド情報は不連続になることはないため、フィールド内での多数決処理や、その結果をさらに数フィールドで多数決処理をする等によって、安定化させる。第1の比較部[6−1]の出力は、第1のサブキャリア生成部[3−1]のサブキャリア出力、第2のサブキャリア生成部[3−2]のサブキャリア出力のいずれを使用するかを制御する信号である[ステップS5−1:第1の比較処理(図2)]。
【0034】
[ステップS6:選択処理(図2)]
第1の選択部[8−1]は、正しい位相情報を有するサブキャリアを選択し、色信号変調部[10]へ渡す[ステップS6−1:第1の選択処理(図2)]。
【0035】
[ステップS7:変調処理(図2)]
色信号変調部[10]は、第1の選択部[8−1]から出力される第3のサブキャリア、移相部[9]から出力される第4のサブキャリア、第3のB−Y信号、第1のR−Y信号を入力して、複合色信号にエンコードし出力する。
【0036】
[ステップS8:加算処理(図2)]
加算部[11]は、Y信号、タイミング信号/サブキャリア発生部[7]から出力される複合同期信号、色信号変調部[10]から出力された複合色信号を加算し、複合映像信号として出力する。
【0037】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、複合映像信号をコンポーネント信号に変換した後、再度、複合映像信号に合成する際に、特別なカラーフィールド情報等を伝送、記録することなく、正しいカラーフィールド情報を検出することができるので、Y信号に残留している色信号、又は、色信号に漏れ込んでいるY信号を、正しい位相で変調、合成を行うことができ、Y/C分離やカラーデコーダに伴う特性劣化を防ぐことができる。
【0038】
(B)第2の実施形態
次に、添付図面を参照して第2の実施形態によるフィールド同期装置及び方法の実施形態を詳細に説明する。
【0039】
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態の構成は、図3に示される。第2の実施形態は、入力信号となるコンポーネント信号のカラーフィールド情報が、RS−170A規格に準拠していないような信号に対応することができるようにしたものである。
【0040】
バンドパスフィルタ(BPF)[1]は、色副搬送波の周波数帯域である3.58[MHz]帯域通過フィルタであり、コンポーネント信号のY信号を入力して、3.58[MHz]帯域の信号を出力する。
【0041】
B−Y信号復調部[2]は、第3のB−Y信号復調部[2−3]を有する。第3のB−Y信号復調部[2−3]は、バンドパスフィルタ[1]から出力された3.58[MHz]帯域の信号を入力して、複数の第5のB−Y信号を復調し出力する。第3のB−Y信号復調部[2−3]は、サブキャリア生成部[3]から出力される複数の各々異なる位相情報を有するサブキャリアに基づいて、複数の第5のB−Y信号を復調し出力する。ここで、各々異なる位相情報を有するサブキャリアは、1フィールド毎程度に選択部[8]にて切り替えられて出力される。
【0042】
遅延部[4]は、第3のB−Y信号を入力して、第3のB−Y信号を所定の時間、遅延させた第4のB−Y信号を出力する。ここで、第2の実施形態において、所定の時間とは、第4のB−Y信号の位相情報と第5のB−Y信号の位相情報とを合わせるために必要な時間である。
【0043】
減算部[5]は、第3の減算部[5−3]を有する。第3の減算部[5−3]は、第3のB−Y信号復調部[2−3]から出力された各々の第5のB−Y信号と、遅延部[4]から出力された第4のB−Y信号とを入力して、各々の第5のB−Y信号と第4のB−Y信号との各々の差分値を計算し出力する。
【0044】
比較部[6]は、第2の比較部[6−2]を有する。第2の比較部[6−2]は、第3のB−Y信号復調部[2−3]から出力された第5のB−Y信号(例えば、第3のサブキャリア(SC1)にて復調された第5のB−Y信号)と、第3の減算部[5−3]から出力された各々の差分値とを入力して、比較結果として出力する。ここで、比較結果は、第5のB−Y信号(例えば、第3のサブキャリア(SC1)にて復調された第5のB−Y信号)から抽出されたB−Y信号成分が存在する領域において、各々の差分値とを比較し、差分値の絶対値が小さい方を検出し、検出結果を比較結果とする。
【0045】
タイミング信号/サブキャリア発生部[7]は、水平同期及び垂直同期のタイミング信号を入力して、このタイミング信号に同期したサブキャリア(SC)用の信号として出力する。また、タイミング信号/サブキャリア発生部[7]は、同期信号を入力して、NTSC方式の複合映像信号に用いられる複合同期信号を生成し出力する。ここで、複合同期信号とは、複合映像信号におけるRS−170Aに準拠した信号に係る同期信号(:水平同期信号、垂直同期信号、カラーバースト信号、等価パルス)を、RS−170Aの規定に従って出力する。
【0046】
サブキャリア生成部[3]は、タイミング信号/サブキャリア発生部[7]が発生するサブキャリアの位相を基準として、0[度]、+45[度]、+90[度]、+135[度]、+180[度]、+225[度](−135[度])、+270[度](−90[度])、+315[度](−[45度])の8種類用意したものである。各サブキャリア間の位相情報は、360[度]を8つに等分した45[度]ずつずれたものとなる。
【0047】
サブキャリア生成部[3]は、第3のサブキャリア生成部[3−3]〜第10のサブキャリア生成部[3−10]を有する。第3のサブキャリア生成部[3−3]は、タイミング信号/サブキャリア発生部[7]から出力されるサブキャリア用の信号を入力して、基準となる第3のサブキャリア(SC1)(図4:[41])を発生する。同様に、第4のサブキャリア生成部[3−4]〜第10のサブキャリア生成部[3−10]は、サブキャリア用の信号を入力して、それぞれ、第3のサブキャリア(SC1)(図4:[41])を基準とした各々の位相情報を有する第4のサブキャリア(SC2)(図4:[42])〜第10のサブキャリア(SC8)(図4:[48])を発生する。
【0048】
選択部[8]は、第2の選択部[8−2]を有する。第2の選択部[8−2]は、第3のサブキャリア生成部[3−3]から出力された第3のサブキャリア(SC1)〜第10のサブキャリア生成部[3−10]から出力された第10のサブキャリア(SC8)を適宜選択して、選択したサブキャリアを第3のB−Y信号復調部[2−3]に出力する。また、選択部[8]は、比較部[6]から出力された比較結果も入力して、比較結果に基づいて、第3のサブキャリア(SC1)〜第10のサブキャリア(SC8)のうち1つを選択し、第3のサブキャリアとして出力する。
【0049】
移相部[9]は、選択部[8]から出力された第3のサブキャリアを入力して、第3のサブキャリアを+90[度]移相した第4のサブキャリアを出力する。
【0050】
色信号変調部[10]は、選択部[8]から出力される第3のサブキャリア、移相部[9]から出力される第4のサブキャリア、第3のB−Y信号、第1のR−Y信号を入力して、複合色信号にエンコードし出力する。
【0051】
位相シフト部[12]は、タイミング信号/サブキャリア発生部[7]から出力される複合同期信号と、比較部[6]から出力された比較結果とを入力して、比較結果に基づいて、複合同期信号の位相をシフト(補正)するものである。
【0052】
加算部[11]は、輝度信号(Y信号)、タイミング信号、位相シフト部[12]から出力される複合同期信号、色信号変調部[10]から出力された複合色信号を入力し、Y信号、複合同期信号、複合色信号とを加算し、複合映像信号として出力する。
【0053】
(B−2)第2の実施形態の動作
第2の実施形態の動作は、図3及び図5を用いて説明される。ここでは、図3のサブキャリア生成部[3]は、8種類の位相情報を有するサブキャリアを用意し、各位相情報に関して1フィールド毎程度に選択部[8]で切り替えを行い、第2の比較部[6−2]で第3のB−Y信号に関わるサブキャリアと最小の位相情報となるサブキャリアとを求める。そこで決定したサブキャリアを用いて、色信号変調部[10]で変調処理を行い、位相シフト部[12]で、複合同期信号の位相を補正して、複合映像信号を生成する。
【0054】
[ステップS1:抽出処理(図5)]
バンドパスフィルタ[1]は、3.58[MHz]帯域通過フィルタによって、入力された輝度信号としてのY信号から色副搬送波としてのサブキャリアの周波数帯の信号を取り出す。
【0055】
[ステップS2:復調処理(図5)]
次に、第3のB−Y信号復調部[2−3]は、バンドパスフィルタ[1]から出力された3.58[MHz]帯域の信号を入力して、この3.58[MHz]帯域の信号から第3のサブキャリア〜第10のサブキャリアに基づく各B−Y信号の復調処理を行い、複数の第5のB−Y信号を出力する[ステップS2−3:第3の復調処理(図5)]。
【0056】
[ステップS3:遅延処理(図5)]
遅延部[4]は、コンポーネント信号のB−Y信号である第3のB−Y信号の位相情報を、第5のB−Y信号の位相情報と一致するように遅延させ、遅延させた信号を第4のB−Y信号として出力する。
【0057】
[ステップS4:減算処理(図5)]
第3の減算部[5−3]は、各々の第5のB−Y信号と第4のB−Y信号との差分値を計算し出力する[ステップS4−3:第3の減算処理(図5)]。
【0058】
ここで、Y信号に色差信号成分が残留していれば、第3のB−Y信号復調部[2−3]からB−Y信号が取り出される。取り出されたB−Y信号に関するサブキャリアの位相に最も近いものは、差分値の絶対値が必ず小さくなるので、このようなサブキャリアを選択することによって正しいカラーフィールド情報を得ることが可能となる。
【0059】
[ステップS5:比較処理(図5)]
第2の比較部[6−2]は、第3のB−Y復調部[2−3]の出力から、B−Y信号成分の存在する領域を検出し、その領域において、第3の減算部[5−3]から出力される各々の差分値を比較し、絶対値が小さくなるサブキャリアを検出する。これにより最も正しいカラーフィールドを決定する。また、入力信号が連続していればカラーフィールド情報は不連続になることはないため、フィールド内での多数決処理や、その結果をさらに数フィールドで多数決処理をする等によって、安定化させる[ステップS5−2:第2の比較処理(図5)]。
【0060】
[ステップS6:選択処理(図5)]
第2の選択部[8−2]によって正しい位相情報を有するサブキャリアを選択し、色信号変調部[10]へ渡す[ステップS6−2:第2の選択処理(図5)]。
【0061】
[ステップS7:変調処理(図5)]
色信号変調部[10]は、第2の選択部[8−2]から出力される第3のサブキャリア、移相部[9]から出力される第4のサブキャリア、第3のB−Y信号、第1のR−Y信号を入力して、複合色信号にエンコードし出力する。
【0062】
[ステップS9:位相シフト処理(図5)]
位相シフト部[12]は、比較部[6]から出力された比較結果に基づいて、複合同期信号の位相をシフト(補正)する。
【0063】
[ステップS8:加算処理(図5)]
加算部[11]は、Y信号、位相シフト部[12]から出力される複合同期信号、色信号変調部[10]から出力された複合色信号を加算し、複合映像信号として出力する。
【0064】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、元の複合映像信号が、RS−170A等の規格に準拠していない信号に対しても、複合映像信号をコンポーネント信号に変換した後、NTSC方式の複合映像信号に合成する際に、特別なカラーフィールド情報等を伝送、記録することなく、最適なカラーフィールド情報と、サブキャリアの位相情報を検出することができるので、Y信号に残留している色信号、あるいは色信号に漏れ込んでいるY信号を、正しい位相で変調、合成を行うことができ、Y/C分離やカラーデコーダに伴う特性劣化を防ぐことができる。さらに、水平同期信号の位相シフト部[12]によって、SCH=0[度]として、RS−170Aに準拠した信号として出力することができる(SCH:SubCarrier phase to Horizontal、水平同期信号とサブキャリアの位相関係を表し、SCH=0[度]とは、サブキャリアの波形をsin(x)(x=0[度]〜360[度]とした1又は複数の波形)としたとき、x=0[度]又はx=180[度]の位置で水平同期信号の波形の立下りの50[%]の位置とクロスする位相関係をいう。)。
【0065】
(C)第3の実施形態
次に、添付図面を参照して第3の実施形態によるフィールド同期装置及び方法の実施形態を詳細に説明する。本実施形態は、符号化装置側に入力された映像信号のカラーフィールドを、復号化装置側で復号されたコンポーネント信号の輝度信号及び色信号の特徴を利用して判定し、入力信号に同期したカラーフィールドの信号を生成するものである。
【0066】
(C−1)第3の実施形態の構成
第3の実施形態の構成は、図6に示される。第3の実施形態は、MPEG復号化装置のように入力信号がY信号、B−Y信号、R−Y信号のコンポーネント信号で処理され、その後、NTSCエンコーダによって複合映像信号(コンポジット信号)として出力する装置に実施した例である。
【0067】
バンドパスフィルタ(BPF)[1]は、色副搬送波の周波数帯域である3.58[MHz]帯域通過フィルタであり、入力された輝度信号の色信号付きの帯域を取り出す。そして、輝度信号/残留色信号分離抽出部[15−1]は、輝度信号の高域成分と残留色信号成分の分離抽出を行う。また、第1のB−Y信号復調部[2−1]及び第2のB−Y信号復調部[2−2]は、色信号からB−Y信号を取り出す。
【0068】
さらに、遅延素子[16]は、バンドパスフィルタ[1]の遅延時間を補正する素子である。そして、残留輝度信号分離抽出部[15−2]は、輝度信号/残留色信号分離抽出部[15−1]と同じ構成であり、入力されたB−Y信号からB−Y信号と残留輝度信号との分離抽出を行う。また、遅延素子[17]及び遅延素子[18]は、第1のB−Y信号復調部[2−1]及び第2のB−Y信号復調部[2−2]の遅延時間分を補正する素子である。
【0069】
比較部[6]は、輝度信号広域成分と残留B−Y信号、B−Y信号と残留輝度成分を比較して、B−Y信号復調部[2]のサブキャリアの位相が送信側の位相に一致しているか否かを判定する。また、タイミング信号/サブキャリア発生部[7]は、入力された同期信号から色変調を行うためのサブキャリアと複合同期信号を発生する。
【0070】
第1のサブキャリア生成部[3−1]及び第2のサブキャリア生成部[3−2]は、サブキャリアの位相の正転及び反転を行い、第1のサブキャリア(+SC)及び第2のサブキャリア(−SC)を出力する。そして、選択部[8]は、比較部[6]の比較結果から第1のサブキャリア生成部[3−1]の出力である第1のサブキャリア(+SC)又は第2のサブキャリア生成部[3−2]の出力である第2のサブキャリア(−SC)のいずれかを選択し、第3のサブキャリアとして出力する。
【0071】
移相部[9]は、選択部[8]が出力した第3のサブキャリアを入力し、第3のサブキャリアの位相を+90[度]シフトして、R−Y信号を変調するための第4のサブキャリアとして出力する。そして、色信号変調部[10]は、B−Y信号及びR−Y信号を第3のサブキャリア及び第4のサブキャリアで直角二相変調を行うNTSCエンコーダである。また、加算部[11]はY信号、複合色信号及び複合同期信号を合成する。
【0072】
(C−2)第3の実施形態の動作
第3の実施形態の動作について説明する。
【0073】
バンドパスフィルタ[1]は、3.58[MHz]帯域通過フィルタによって、入力された輝度信号としてのY信号から色副搬送波としてのサブキャリアの周波数帯の信号を取り出す。信号には、Y信号の3.58[MHz]付近の帯域成分と、送信側のY/C分離部で分離されたY信号に残留した色信号成分とが含まれる。
【0074】
次に、信号は、輝度信号/残留色信号分離抽出部[15−1]に入力されるが、輝度信号/残留色信号分離抽出部[15−1]は、一般にNTSC信号からY/C分離を行う際に用いられる2次元くし型フィルタと同じ構成を備えている。
【0075】
「背景技術」の項で説明したように、NTSC方式の複合映像信号は、ライン周波数としての水平同期周波数をfH、サブキャリア(SC)周波数をfSCとすると、水平同期周波数fHとサブキャリア周波数fSCとの関係は、
fSC=455×fH/2 ・・・ (式1)
となっている。
【0076】
式1に示される関係に基づき、1ライン間でサブキャリアの位相が反転することを利用して、輝度信号と色信号とを分離するのが、くし型フィルタの原理である。さらに、これを利用して、入力信号を輝度信号と色信号とに分離するY/C分離と同じ原理で、入力信号から輝度信号の高域成分と残留色信号とを分離抽出することができる。
【0077】
そして、第1のB−Y信号復調部[2−1]には、分離抽出された輝度信号の高域成分が入力される。ここで、第1のB−Y信号復調部[2−1]は、第1のサブキャリア生成部[3−1]の出力である色変調用のサブキャリア信号としての第1のサブキャリア(+SC)に基づき、第1のサブキャリア(+SC)と同じ位相で、輝度信号の高域成分の色復調を行う。なお、第1のB−Y信号復調部[2−1]から出力された第1のB−Y信号としてのYH 信号は、送信側のY/C分離で色信号に残留したY信号にB−Y信号の色復調を行うことによって生成されたB−Y信号の中に残留しているY’H 信号と、同じ処理を行った信号となる。
【0078】
また、第2のB−Y信号復調部[2−2]は、くし型フィルタである輝度信号/残留色信号分離抽出部[15−1]から抽出された残留色信号にB−Y信号の色復調を行うものであり、取り出されたC’b信号は、Y信号に残留したB−Y信号成分である。
【0079】
次に、入力されたB−Y信号は、Y信号と遅延時間を合わせるための遅延素子[16]を経由して、残留輝度信号分離抽出部[15−2]に入力される。残留輝度信号分離抽出部[15−2]は、輝度信号/残留色信号分離抽出部[15−1]と同様に、くし型フィルタとなっている。
【0080】
ここで、B−Y信号に残留するY信号成分は、通常、色信号のような位相関係にないため、送信側の色復調後の出力はライン毎に位相が反転することとなる。また、B−Y信号は、復調後の信号であるので、ライン毎の位相は一致する。そのため、第2のB−Y信号復調部[2−2]の出力は、遅延素子[17]にB−Y信号成分が入力され、遅延素子[18]に残留したYH 信号成分が入力される。なお、遅延素子[17]及び遅延素子[17]は、第1のB−Y信号復調部[2−1]及び第2のB−Y信号復調部[2−2]の復調回路との遅延時間合わせをする素子である。遅延素子[17]及び遅延素子[17]の出力を、それぞれ、Cb及びY’H とする。
【0081】
そして、比較部[6]は、次の処理を行い、第1のB−Y信号復調部[2−1]及び第2のB−Y信号復調部[2−2]で使用したサブキャリアの位相が送信側の位相と一致しているか、又は、反転しているかを判定する。
【0082】
ここで、送信側のY/C分離が完全に行われていれば、Y信号には残留する色信号成分は存在せず、同様に、B−Y信号には残留するY信号成分は存在しない。そこで、残留成分がある値を持つ場合に、サブキャリアの位相を判定する。まず、
|Y’H |>α、かつ、sgn(Y’H )=sgn(YH
であれば、サブキャリアの位相は送信側の位相と一致していると判定する。また、
|Y’H |>α、かつ、sgn(Y’H )≠sgn(YH
であれば、サブキャリアの位相は送信側の位相に反転していると判定する。
【0083】
同様に、
|C’b|>β、かつ、sgn(C’b)=sgn(Cb)
であれば、サブキャリアの位相は送信側の位相と一致していると判定する。また、
|C’b|>β、かつ、sgn(C’b)≠sgn(Cb)
であれば、サブキャリアの位相は送信側の位相に反転していると判定する。
【0084】
なお、α及びβは、混入した信号があることを判定する閾(しきい)値である。また、ノイズなどによる誤動作を防ぐ目的もある。さらに、sgn(YH )、sgn(Cb)、sgn(Y’H )及びsgn(C’b)は、それぞれ、YH 、Cb、Y’H 及びC’bの符号を示す。
【0085】
サブキャリアの位相は、入力信号が不連続にならない限り連続しているので、通常は、一致しているか、又は、反転しているかのいずれかに固定される。したがって、上記の判定結果を、フィールド内での多数決処理を行ったり、その結果をさらに数フレームで多数決処理を行ったりすることによって、安定化させることができる。
【0086】
比較部[6]の出力は、第1のサブキャリア生成部[3−1]の出力である第1のサブキャリア(+SC)、又は、第2のサブキャリア生成部[3−2]の出力である第2のサブキャリア(−SC)のいずれを、選択部[8]で使用するのかを制御する信号である。ここで、第1のサブキャリア(+SC)及び第2のサブキャリア(−SC)は別々の入力として記載されているが、第1のサブキャリア(+SC)のみが選択部[8]に入力され、選択部[8]の内部で位相反転信号を作成することも可能である。
【0087】
また、色信号変調部[10]は、選択されたサブキャリアの位相で、入力のB−Y信号及びR−Y信号に対し、直角二相変調処理を行う。そして、加算部[11]によって、輝度信号と色信号と同期信号とを合成して、NTSC方式の複合映像信号として出力する。
【0088】
(C−3)第3の実施形態の効果
以上のように、第3の実施形態によれば、複合映像信号をコンポーネント信号に変換した後、再度、複合映像信号に合成する際に、特別なカラーフィールド情報等を伝送、記録することなく、正しいカラーフィールド情報をより高精度に検出することができるので、Y信号に残留している色信号、又は、色信号に漏れ込んでいるY信号を、正しい位相で変調して、合成することができ、Y/C分離やカラーデコーダに伴う特性劣化を防ぐことができる。
【0089】
(D)第4の実施形態
次に、添付図面を参照して第4の実施形態によるフィールド同期装置及び方法の実施形態を詳細に説明する。本実施の形態は、入力信号となるコンポーネント信号のカラーフレームが、RS−170A規格に準拠していないような信号に対応することができるようにしたものである。
【0090】
(D−1)第4の実施形態の構成
第4の実施形態の構成は、図7に示される。ここでは、第3の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0091】
第4の実施形態において、第3のサブキャリア生成部[3−3]〜第6のサブキャリア生成部[3−6]は、サブキャリアの位相を、0[度]、+45[度]、+90[度]、+135[度]の4種類用意したものであり、それぞれ、第3のサブキャリア(SC1)〜第6のサブキャリア(SC4)を発生する。
【0092】
そして、選択部[8]は、第3のサブキャリア生成部[3−3]〜第6のサブキャリア生成部[3−6]から出力された第3のサブキャリア(SC1)〜第6のサブキャリア(SC4)のうちの1つを逐次選択し、第1のB−Y信号復調部[2−1]及び第2のB−Y信号復調部[2−2]に出力する。
【0093】
比較部[6]は、送信側のサブキャリアに最も近い位相のものを第3のサブキャリア(SC1)〜第6のサブキャリア(SC4)の中から選択する。なお、位相シフト部[12]は、選ばれたサブキャリアの位相に応じて、同期信号の位相を補正するものである。
【0094】
(D−2)第4の実施形態の動作
第4の実施形態の動作について説明する。
【0095】
第4の実施形態においては、サブキャリア位相を、
第1のサブキャリア(SC1)の位相SC1=0[度]、第2のサブキャリア(SC2)の位相SC2=+45[度]、第3のサブキャリア(SC3)の位相SC3=+90[度]、第4のサブキャリア(SC4)の位相SC4=+135[度]
の4種類用意する。そして、選択部[8]で各位相を、例えば、1フレーム毎程度に切り替え、第1のB−Y信号復調部[2−1]及び第2のB−Y信号復調部[2−2]に入力する。
【0096】
また、比較部[6]は、第3の実施形態と同様に、サブキャリアの位相の判定を行うが、本実施形態では、それに加え、次のような比較を実施する。
【0097】
まず、選択されたサブキャリアの位相がSC1=0[度]である場合、例えば、1フレーム内で、以下の条件を満たす画素数、ΣYp1、ΣYn1、ΣCp1及びΣCn1をカウントする。
【0098】
|Y’H |>α、かつ、sgn(Y’H )=sgn(YH )を満たす画素数:ΣYp1
|Y’H |>α、かつ、sgn(Y’H )≠sgn(YH )を満たす画素数:ΣYn1
|C’b|>β、かつ、sgn(C’b)=sgn(Cb)を満たす画素数:ΣCp1
|C’b|>β、かつ、sgn(C’b)≠sgn(Cb)を満たす画素数:ΣCn1
同様に、次のフレーム内で、サブキャリアの位相がSC2=+45[度]である場合の画素数、ΣYp2、ΣYn2、ΣCp2及びΣCn2をカウントする。
【0099】
|Y’H |>α、かつ、sgn(Y’H )=sgn(YH )を満たす画素数:ΣYp2
|Y’H |>α、かつ、sgn(Y’H )≠sgn(YH )を満たす画素数:ΣYn2
|C’b|>β、かつ、sgn(C’b)=sgn(Cb)を満たす画素数:ΣCp2
|C’b|>β、かつ、sgn(C’b)≠sgn(Cb)を満たす画素数:ΣCn2
同様に、次のフレーム内で、サブキャリアの位相がSC3=+90[度]である場合の画素数、ΣYp3、ΣYn3、ΣCp3及びΣCn3をカウントする。
【0100】
|Y’H |>α、かつ、sgn(Y’H )=sgn(YH )を満たす画素数:ΣYp3
|Y’H |>α、かつ、sgn(Y’H )≠sgn(YH )を満たす画素数:ΣYn3
|C’b|>β、かつ、sgn(C’b)=sgn(Cb)を満たす画素数:ΣCp3
|C’b|>β、かつ、sgn(C’b)≠sgn(Cb)を満たす画素数:ΣCn3
同様に、次のフレーム内で、サブキャリアの位相がSC4=+135[度]である場合の画素数、ΣYp4、ΣYn4、ΣCp4及びΣCn4をカウントする。
【0101】
|Y’H |>α、かつ、sgn(Y’H )=sgn(YH )を満たす画素数:ΣYp4
|Y’H |>α、かつ、sgn(Y’H )≠sgn(YH )を満たす画素数:ΣYn4
|C’b|>β、かつ、sgn(C’b)=sgn(Cb)を満たす画素数:ΣCp4
|C’b|>β、かつ、sgn(C’b)≠sgn(Cb)を満たす画素数:ΣCn4
そして、カウントしたそれぞれのΣ値を保持しておき、すべてのΣ値がカウントされた後、各Σ値の比較を行う。その結果を用い、以下のように論理判定を行う。
【0102】
ΣYp1又はΣCp1が最大値のとき、SC1をサブキャリアの位相に選択する。
【0103】
ΣYp2又はΣCp2が最大値のとき、SC2をサブキャリアの位相に選択する。
【0104】
ΣYp3又はΣCp3が最大値のとき、SC3をサブキャリアの位相に選択する。
【0105】
ΣYp4又はΣCp4が最大値のとき、SC4をサブキャリアの位相に選択する。
【0106】
ΣYn1又はΣCn1が最大値のとき、SC1の反転をサブキャリアの位相に選択する。
【0107】
ΣYn2又はΣCn2が最大値のとき、SC2の反転をサブキャリアの位相に選択する。
【0108】
ΣYn3又はΣCn3が最大値のとき、SC3の反転をサブキャリアの位相に選択する。
【0109】
ΣYn4又はΣCn4が最大値のとき、SC4の反転をサブキャリアの位相に選択する。
【0110】
このようにすれば、送信側のサブキャリアの位相に最も近い位相のサブキャリアを選択することが可能となる。
【0111】
そして、位相シフト部[12]は、このようにして選択されたサブキャリアの位相が0[度]及び+180[度]以外の場合に、出力信号のSCH位相を0[度]として、RS−170Aの規定に準拠されるための処理を行う。
【0112】
(D−3)第4の実施形態の効果
以上のように、第4の実施形態によれば、元の複合映像信号が、RS−170A等の規格に準拠していない信号であっても、複合映像信号をコンポーネント信号に変換した後、再度、複合映像信号に合成する際に、特別なカラーフィールド情報等を伝送、記録することなく、最適なカラーフィールド情報を検出することができる。そのため、輝度信号に残留している色信号、又は、色信号に漏れ込んでいる輝度信号を、正しい位相で変調及び合成を行うことができ、Y/C分離やカラーデコーダに伴う特性劣化を防ぐことができる。
【0113】
さらに、水平同期信号の位相シフト部[12]によって、SCH=0として、RS−170Aに準拠した信号として出力することができる。
【0114】
(E)他の利用形態
本発明は、NTSC方式の複合映像信号をコンポーネント信号にした後、再度NTSC方式の複合映像信号に戻す処理全般に適用可能である。第1〜第4の実施形態に示したMPEG2コーデック装置の他、DVD記録再生装置、コンポーネント記録方式のVTR(Video Tape Recorder)等のNTSCエンコーダ処理に組み込むことが可能である。
【0115】
特別なカラーフィールド情報を必要とせずにカラーフィールドを検出することができるので、NTSC方式の複合映像信号をコンポーネント信号にするNTSCデコーダの処理方法に依存しない。そのため、NTSCエンコーダ処理に独自に組み込むことで、効果を得ることができる。
【0116】
さらに、NTSCデコーダの処理におけるY/C分離特性の劣化を補償する処理となるので、デコーダにおいて、2次元フィルタや3次元フィルタなどの複雑な処理が不要となる。
【0117】
また、本実施例では、NTSC方式の複合映像信号について述べたが、PAL(Phase Alternation Line)方式の複合映像信号に対してもほぼ同様の構成及び動作によって、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の動作フローの一例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の構成の一例を示す図である。
【図4】第2の実施形態において使用されるサブキャリアの一例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の動作フローの一例を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の構成の一例を示す図である。
【図8】従来技術(水平走査線)の一例を示す図である。
【図9】従来技術(サブキャリアの波形)の一例を示す図である。
【図10】従来技術の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0119】
1:バンドパスフィルタ(BPF)、2:B−Y信号復調部、2−1:第1のB−Y信号復調部、2−2:第2のB−Y信号、2−3:第2のB−Y信号、3:サブキャリア生成部、3−1:第1のサブキャリア生成部、3−2:第2のサブキャリア生成部、3−3:第3のサブキャリア生成部、3−4:第4のサブキャリア生成部、3−5:第5のサブキャリア生成部、3−6:第6のサブキャリア生成部、3−7:第7のサブキャリア生成部、3−8:第8のサブキャリア生成部、3−9:第1のサブキャリア生成部、3−10:第10のサブキャリア生成部、4:遅延部、5:減算部、5−1:第1の減算部、5−2:第2の減算部、5−3:第3の減算部、6:比較部、6−1:第1の比較部、6−2:第2の比較部、7:タイミング信号/サブキャリア発生部、8:選択部、8−1:第1の選択部、8−2:第2の選択部、9:移相部、10:色信号変調部、11:加算部、12:位相シフト部、15−1:輝度信号/残留色信号分離抽出部、15−2:残留輝度信号分離抽出部、16〜18:遅延素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合映像信号から分離されたコンポーネント信号における輝度信号の信号帯域の信号から、前記複合映像信号の色副搬送波の周波数帯域を有する第1の信号を抽出する抽出部と、
前記第1の信号に含まれる第1の位相情報から、前記コンポーネント信号におけるサブキャリアの位相情報に係るカラーフィールド情報を検出する検出部と
を備えることを特徴とするフィールド同期装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記輝度信号から前記第1の信号を帯域通過フィルタによって抽出するフィルタ部を備える請求項1に記載のフィールド同期装置。
【請求項3】
前記検出部は、
前記第1の信号を、複数のサブキャリアを用いて、複数の色差信号を復調する第1の復調部と、
前記複数の色差信号における各色差信号と前記コンポーネント信号における色差信号である第1の色差信号との複数の差分値を求める第1の減算部と、
前記複数の差分値における各差分値とを比較して、差分値の絶対値が小さい方に係るサブキャリアの位相情報を前記カラーフィールド情報として出力する第1の比較部と
を備える請求項1に記載のフィールド同期装置。
【請求項4】
前記第1の復調部は、
前記第1の信号を、第1のカラーフィールド情報に対応した第1の位相情報を有する第1のサブキャリアを用いて、第2の色差信号を復調する第1の復調部と、
前記第1の信号を、第2のカラーフィールド情報に対応した第2の位相情報を有する第2のサブキャリアを用いて、第3の色差信号を復調する第2の復調部とを有し、
前記第1の減算部は、
前記第1の色差信号と前記第2の色差信号との第1の差分値を求める第2の減算部と、
前記第1の色差信号と前記第3の色差信号との第2の差分値を求める第3の減算部とを有し、
前記第1の比較部は、
前記第1の差分値と前記第2の差分値とを比較して、差分値の絶対値が小さい方に係るサブキャリアの位相情報を前記カラーフィールド情報として出力する第2の比較部と
を備える請求項3に記載のフィールド同期装置。
【請求項5】
前記第1の色差信号を、前記カラーフィールド情報に対応したサブキャリアにて変調して、第2の信号を出力する変調部と、
前記第1の信号、前記第2の信号、前記複合映像信号の水平同期信号を加算する加算部と
を備える請求項4に記載のフィールド同期装置。
【請求項6】
前記複数のサブキャリアは、各々異なる位相情報を有し、
各々異なる位相情報におけるそれぞれの位相情報は、360[度]を前記複数のサブキャリアの数で割った値の整数倍となる位相情報を有する
請求項3に記載のフィールド同期装置。
【請求項7】
前記第1の色差信号を、前記カラーフィールド情報に対応したサブキャリアにて変調して、第2の信号を出力する変調部と、
前記複合映像信号の第1の水平同期信号の位相情報を、前記カラーフィールド情報に対応した位相情報と等しくして、第2の水平同期信号を出力する位相シフト部と、
前記第1の信号、前記第2の信号、前記第2の水平同期信号を加算する加算部と
を備える請求項4に記載のフィールド同期装置。
【請求項8】
複合映像信号から分離されたコンポーネント信号における輝度信号の信号帯域の信号から、前記複合映像信号の色副搬送波の周波数帯域を有する第1の信号を抽出する第1の工程と、
前記第1の信号に含まれるサブキャリアの第1の位相情報から、前記コンポーネント信号における位相情報に係るカラーフィールド情報を検出する第2の工程と
を備えることを特徴とするフィールド同期方法。
【請求項9】
前記第1の工程は、前記輝度信号から前記第1の信号を帯域通過フィルタによって抽出する第3の工程を備える請求項8に記載のフィールド同期方法。
【請求項10】
前記第2の工程は、
前記第1の信号を、複数のサブキャリアを用いて、複数の色差信号を復調する第4の工程と、
前記複数の色差信号における各色差信号と前記コンポーネントの色差信号である第1の色差信号との複数の差分値を求める第5の工程と、
前記複数の差分値における各差分値とを比較して、差分値の絶対値が小さい方に係るサブキャリアの位相情報を前記カラーフィールド情報として出力する第6の工程と
を備える請求項8に記載のフィールド同期方法。
【請求項11】
前記第4の工程は、
前記第1の信号を、第1のカラーフィールド情報に対応した第1の位相情報を有する第1のサブキャリアを用いて、第2の色差信号を復調する第7の工程と、
前記第1の信号を、第2のカラーフィールド情報に対応した第2の位相情報を有する第2のサブキャリアを用いて、第3の色差信号を復調する第8の工程とを有し、
前記第5の工程は、
前記第1の色差信号と前記第2の色差信号との第1の差分値を求める第9の工程と、
前記第1の色差信号と前記第3の色差信号との第2の差分値を求める第10の工程とを有し、
前記第6の工程は、
前記第1の差分値と前記第2の差分値とを比較して、差分値の絶対値が小さい方に係るサブキャリアの位相情報を前記カラーフィールド情報として出力する第11の工程と
を備える請求項10に記載のフィールド同期方法。
【請求項12】
前記色差信号を、前記カラーフィールド情報に対応したサブキャリアにて変調して、第3の信号を出力する第12の工程と、
前記第1の信号、前記第3の信号、前記複合映像信号の水平同期信号を加算する第13の工程と
を備える請求項11に記載のフィールド同期方法。
【請求項13】
前記複数のサブキャリアは、各々異なる位相情報を有し、各々異なる位相情報におけるそれぞれの位相情報は、360[度]を前記複数のサブキャリアの数で割った値の整数倍となる位相情報を有する請求項10に記載のフィールド同期方法。
【請求項14】
前記色差信号を、前記カラーフィールド情報に対応したサブキャリアにて変調して、第3の信号を出力する第14の工程と、
前記複合映像信号の第1の水平同期信号の位相情報を、前記サブキャリアの第3の位相情報と等しくして、第2の水平同期信号を出力する第15の工程と、
前記第1の信号、前記第3の信号、前記第2の水平同期信号を加算する第16の工程とを備える請求項13に記載のフィールド同期方法。
【請求項15】
複合映像信号を輝度信号と色信号とに分離し、色復調をして得られたコンポーネント信号を、再度変調して合成し、複合映像信号に戻す処理に利用されるフィールド同期方法であって、
当初の複合映像信号のカラーフィールド情報を参照することなく、コンポーネント信号の有効映像信号に含まれる情報から、カラーフィールド情報を検出することを特徴とするフィールド同期方法。
【請求項16】
前記コンポーネント信号の輝度信号に残留する色信号の成分を抽出し、
前記色信号に含まれるサブキャリアの位相と、前記コンポーネント信号のB−Y色差信号及びR−Y色差信号を複合色信号に変調する際のサブキャリアの位相とが一致するようにサブキャリアの位相を選択する請求項15に記載のフィールド同期方法。
【請求項17】
前記輝度信号の高域成分に対して、前記B−Y色差信号を変調するのと同じサブキャリアの位相で復調処理を行い、
前記第1の色差信号に残留する輝度信号の成分を抽出し、
両者を比較することで、サブキャリアの位相が一致するようにサブキャリア位相を選択する請求項16に記載のフィールド同期方法。
【請求項18】
前記輝度信号から、該輝度信号の高域成分と残留色信号成分とを、3ライン間の垂直フィルタを用いて分離抽出する請求項17に記載のフィールド同期方法。
【請求項19】
前記B−Y色差信号から、該B−Y色差信号と残留する輝度信号成分とを、3ライン間の垂直フィルタを用いて分離抽出する請求項17に記載のフィールド同期方法。
【請求項20】
前記輝度信号の高域成分を前記B−Y色差信号の変調軸で復調した信号の符号の正負と、前記B−Y色差信号から取り出した輝度信号の成分の符号の正負とを比較し、
一致していれば、サブキャリアの位相が一致していると判定し、
一致していなければ、サブキャリアの位相が反転していると判定する請求項16に記載のフィールド同期方法。
【請求項21】
前記輝度信号から抽出した残留色信号を前記B−Y色差信号の変調軸で復調した信号の符号の正負と、前記B−Y色差信号の符号の正負とを比較し、
一致していれば、サブキャリアの位相が一致していると判定し、
一致していなければ、サブキャリアの位相が反転していると判定する請求項16に記載のフィールド同期方法。
【請求項22】
前記輝度信号の比較から得られたサブキャリアの位相情報、及び、前記B−Y色差信号から得られたサブキャリアの位相情報をともに用い、多数決によっていずれかで検出された情報を選択する請求項16に記載のフィールド同期方法。
【請求項23】
サブキャリアの位相を、0[度]、45[度]、90[度]及び135[度]の4種類用意し、
最適なサブキャリアの位相を選択する請求項16〜22のいずれか1項に記載のフィールド同期方法。
【請求項24】
決定したサブキャリアの水平同期位相との差分に応じて水平同期信号の位相をシフトし、
SCH位相を0にして前記輝度信号と色信号とを加算する請求項23に記載のフィールド同期方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−311481(P2006−311481A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−279060(P2005−279060)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(593065844)株式会社沖コムテック (127)
【Fターム(参考)】