説明

フェンス振動検出装置、及び閾値調整方法

【課題】或る警戒区画における特定値以上の振動レベルの有無を判定するための閾値を、周囲の環境の変化に対して適正に設定する。
【解決手段】フェンスの周方向に取り付けてループ状光路を形成する光ファイバに対する振動を検出するフェンス振動検出装置であって、光ファイバに対する振動レベルを計測する振動レベル計測部と、振動レベル計測部により計測された振動レベルが所定の閾値を超えた場合に、フェンスへの警告行為の発生した旨を出力する報知制御部と、周囲の風速データを計測する風速計から当該計測された風速データを取得し、当該風速データが所定の風速データを継続的に超過する場合又は超過しない場合に報知制御部による出力の要否を定める所定の閾値を調整するように指示する風速データ管理部と、風速データ管理部の指示に基づき、所定の閾値を調整する閾値調整部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェンスで囲繞された所定の警戒区画に対する警告行為の発生を検出するフェンス振動検出装置及び当該警告行為の発生の有無を検出するための閾値を調整する閾値調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフェンス振動センサ装置100を用いた警報システムの概略構成について図12を参照して説明する。図12は、従来のフェンス振動センサ装置100を用いた警報システムの概略構成を示す説明図である。図12において、フェンス振動センサ装置100は、複数の警戒区画A1〜A8が割り当てられたフェンス1の周方向に沿って配設されるループ状光路と、距離算出器14と、判定器15と、感度設定器16とにより構成されている。
【0003】
ループ状光路は、フェンス1の周方向に配設され各々の両端を近接的に配置した2本の振動検出用の光ファイバ2,3と、当該光ファイバ2,3の各端部に各々の入出力側ポートを接続した四つの波長分割分岐用カプラ(以下、「WDM(Wavelength Division Multiplexing)カプラ」という)10〜13と、光ファイバ2,3の一端側に接続しているWDMカプラ10,11の分岐用ポートの一方同士を接続する光ファイバ6と、光ファイバ2,3の他端側のWDMカプラ12,13の分岐用ポートの一方同士を接続する光ファイバ9とで構成される。各WDMカプラ10〜13の分岐用ポートの他方は、距離算出器3内の対応する光分岐結合部(不図示)に光ファイバ4,5,7,8をそれぞれ介して接続されている。
【0004】
距離算出器14は、フェンス1を複数の警戒区画に区分することを前提として設けられた複数の警戒区画A1〜A8の或る地点にて発生した警告行為の発生地点を距離データとして算出し、当該算出された距離データを判定器15に出力する。また、距離算出器14は、当該算出された距離データを記憶部(不図示)に記憶している。
【0005】
判定器15は、距離算出器14により算出された距離データを取得し、感度設定器16により予め設定されている閾値LAと比較する。光ファイバ2,3の振動レベルにおけるピークレベルが閾値LAを超えたとき、判定器15は、距離確定の条件が成立したとして、記憶部(不図示)に記憶されている距離データに基づいてピークレベルが超えた時点の距離データを抽出する。判定器15は、当該抽出された距離データを侵入行為の発生地点の距離データと確定すると共に、当該確定された距離データを警報・表示器17に出力する。
【0006】
警報・表示器17は、判定器15により出力された距離データを取得し、警報・表示器17内の表示部にて当該距離データを表示すると共に、侵入行為の発生があった旨を警報出力により報知する。
【0007】
従って、従来のフェンス振動センサ装置100を含む警報システムのオペレータは、警報・表示器17により表示された距離データと警報出力とにより、不審者がフェンス1を破って又は登って侵入しようとすることを知ることができる。更に、当該オペレータは、当該距離データに対応する地点に警備員を急行させ、又は監視カメラの撮影方向を当該地点の方向に設定する等の処置が迅速にとれることになる。例えば、従来のフェンス振動センサ装置100を含む警報システムは、図13(a)及び(b)に示すように、同一地点における振動レベルの時間変化において、予め設定された閾値LA(=16dB)を超える振動レベルが3回以上検出された場合には、当該振動レベルの検出地点を算出し、警報出力により報知することができる。図13(a)は、通常時、例えば晴天時の或る地点における振動レベルの時間変化の一例を示すグラフである。図13(b)は、同図(a)と同一地点の振動変化の時間変化の他の一例を示すグラフである。また、警報出力による報知がなされるために予め設定された閾値LAを超える振動レベルの検出回数は任意に設定可能であり、例えば、1回でも構わない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−198973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のフェンス振動センサ装置100における感度設定器16により予め設定されている閾値LAは固定的なものであるため、当該固定的な閾値LAではフェンス1の配設されている周囲の環境の変化に応じたものとならない場合があった。周囲の環境の変化としては、例えば、地震、風、雨、雪等を含む自然現象、フェンス1のたるみ或いは動物のフェンス1への接触等のフェンス1自身の経年的変化、又は、飛行機の騒音等である。従って、図13の感度設定器16により予め設定されている閾値LAは当該周囲の環境の変化に応じて柔軟に対応することが求められていた。
【0010】
そこで、この発明は、前述した従来の事情に鑑みてなされたもので、或る警戒区画における特定値以上の振動レベルを検出して警告行為の発生の有無を判定するための閾値を、周囲の環境の変化に対して適正に調整するフェンス振動センサ装置及び閾値調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、第1の発明のフェンス振動センサ装置は、フェンスの周方向に取り付けてループ状光路を形成する光ファイバに対する振動を検出するフェンス振動検出装置であって、光ファイバに対する振動レベルを計測する振動レベル計測部と、振動レベル計測部により計測された振動レベルが所定の閾値を超えた場合に、フェンスへの警告行為の発生した旨を出力する報知制御部と、周囲の風速データを計測する風速計から当該計測された風速データを取得すると共に、当該風速データが所定の風速データを継続的に超過する場合又は超過しない場合に応じて、報知制御部による出力の要否を定める所定の閾値を調整するように指示する風速データ管理部と、風速データ管理部の指示に基づき、所定の閾値を調整する閾値調整部とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、第2の発明のフェンス振動センサ装置は、第1の発明において、報知制御部が、振動レベル計測部により計測された振動レベルが閾値調整部により調整された所定の閾値を越えた場合に、フェンスへの警告行為の発生した旨を出力することを特徴とする。
【0013】
また、第3の発明のフェンス振動センサ装置は、第1又は第2の発明において、所定の閾値の上限値を記憶する記憶部とを更に備え、閾値調整部は、記憶部に記憶される閾値の上限値を超えないように当該閾値を調整することを特徴とする。
【0014】
また、第4の発明のフェンス振動センサ装置は、第3の発明において、振動レベル計測部により計測された振動レベルを監視する振動レベル監視部とを更に備え、振動レベル監視部により監視された振動レベルが閾値の上限値を超えた場合に、報知制御部はフェンスへの警戒を解除する旨を出力することを特徴とする。
【0015】
また、第5の発明のフェンス振動センサ装置は、第4の発明において、記憶部には、フェンスへの警戒を開始するための警戒開始閾値が記憶され、振動レベル計測部により計測された振動レベルが警戒開始閾値を継続的に下回る場合、報知制御部はフェンスへの警戒を開始する旨を出力し、閾値調整部は閾値を記憶部に記憶されている閾値の上限値に調整することを特徴とする。
【0016】
また、第6の発明の閾値調整方法は、フェンスの周方向に取り付けてループ状光路を形成する光ファイバに対して所定の警告行為の有無を検出するための所定の閾値を調整する閾値調整方法であって、フェンスの周囲の風速データを計測する風速計から当該計測された風速データを取得するステップと、取得された風速データが所定の風速データに比べて継続的に超過する場合又は超過しない場合に応じて、所定の閾値を増加又は減少するように調整する指示を出力するステップと、出力された指示に従って所定の閾値を調整するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係るフェンス振動センサ装置及び閾値調整方法によれば、或る警戒区画における特定値以上の振動レベルを検出して警告行為の発生の有無を判定するための閾値を、周囲の環境の変化に対して適正に調整する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態のフェンス振動検出装置を含むフェンス振動検出システムの構成を示す説明図
【図2】第1の実施形態のフェンス振動検出装置の内部構成を示すブロック図
【図3】(a)第1の実施形態における閾値の調整前の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフ、(b)第1の実施形態における閾値の調整後の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフ
【図4】第1の実施形態のフェンス振動検出装置の動作を示すフローチャート
【図5】(a)第2の実施形態における閾値の調整前の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフ、(b)第2の実施形態における閾値の調整後の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフ
【図6】第2の実施形態のフェンス振動検出装置の動作を示すフローチャート
【図7】第3の実施形態のフェンス振動検出装置の内部構成を示すブロック図
【図8】(a)第3の実施形態における警戒状態の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフ、(b)第3の実施形態における無警戒状態の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフ
【図9】第3の実施形態のフェンス振動検出装置の動作を示すフローチャート
【図10】(a)第4の実施形態における無警戒状態の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフ、(b)第4の実施形態における警戒状態の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフ
【図11】第4の実施形態のフェンス振動検出装置の動作を示すフローチャート
【図12】従来のフェンス振動センサ装置を含む警報システムの構成を示す説明図
【図13】(a)通常時の或る地点における振動レベルの時間変化の一例を示すグラフ、(b)(a)と同一地点の振動変化の時間変化の他の一例を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のフェンス振動検出装置20を含むフェンス振動検出システム50の構成を示す説明図である。図1において、フェンス振動検出システム50は、複数の警戒区画A1〜A8が割り当てられたフェンス1の周方向に沿って配設されるループ状光路と、フェンス振動検出装置20と、表示器17と、風速計21と、警報ランプ22と、スピーカ23とにより構成されている。
【0021】
ループ状光路は、フェンス1の周方向に配設され各々の両端を近接的に配置した2本の振動検出用の光ファイバ2,3と、当該光ファイバ2,3の各端部に各々の入出力側ポートを接続した四つの波長分割分岐用カプラ(以下、「WDM(Wavelength Division Multiplexing)カプラ」という)10〜13と、光ファイバ2,3の一端側に接続しているWDMカプラ10,11の分岐用ポートの一方同士を接続する光ファイバ6と、光ファイバ2,3の他端側のWDMカプラ12,13の分岐用ポートの一方同士を接続する光ファイバ9とで構成される。各WDMカプラ10〜13の分岐用ポートの他方は、振動レベル計測部20a内の対応する光分岐結合部(不図示)に光ファイバ4,5,7,8をそれぞれ介して接続されている(図2参照)。
【0022】
表示器17は、ディスプレイ等により構成され、フェンス1への警告行為が発生した旨がフェンス振動検出装置20により報知された場合に、当該フェンス1への警告行為が発生した旨を当該ディスプレイに表示する。また、必要に応じて、表示器17は、フェンス振動検出装置20によりフェンス1への警告行為が発生した地点に関する情報を取得した場合に、当該地点に関する情報を表示しても良い。以下の説明において、フェンス1への警告行為は、不審者がフェンス1をよじ登って或いは当該フェンス1を破って当該フェンス1内に侵入する行為、又は、小鳥等の動物がフェンス1と偶発的に接触することにより当該フェンス1が振動する行為等を含むものとする。フェンス振動検出システム50のオペレータである警備員等は、例えば警備室又は守衛室等に配置された表示器17により表示されたフェンス1への警告行為の発生した旨に気付くことにより、フェンス1への警告行為が実際に発生した旨、更に必要に応じて当該フェンス1への警告行為が発生した地点を認識することができる。
【0023】
風速計21は、フェンス1の配設された区域の周囲の風速を所定の周期で計測し、当該計測された風速データをフェンス振動検出装置20に出力する。風速計21による風速データの計測の周期は、任意に設定可能である。以下の説明においては、風速計21は、図1に示すフェンス1に対して予め設定された所定の警戒区画A1〜A8のうちいずれかの警戒区画A1(例えば警戒区画A1とする)に1対1に対応するようにして取り付けられたものとする。
【0024】
警報ランプ22は、LEDランプ等により構成され、フェンス1への警告行為が発生した旨がフェンス振動検出装置20により報知された場合に、当該フェンス1への警告行為が発生した旨を点灯又は点滅して報知する。フェンス振動検出システム50のオペレータである警備員等は、この警報ランプ22の点灯又は点滅による報知に気付くことにより、フェンス1への警告行為が発生した旨を認識することができる。
【0025】
スピーカ23は、フェンス1への警告行為が発生した旨がフェンス振動検出装置20により報知された場合に、当該フェンス1への警告行為が発生した旨を音声出力することにより報知する。この音声は任意に設定されているものとする。フェンス振動検出システム50のオペレータである警備員等は、このスピーカ23による音声出力の報知に気付くことにより、フェンス1への警告行為が発生した旨を認識することができる。
【0026】
なお、フェンス振動検出装置20は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち少なくとも1つ、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全てを介して、フェンス1に対する警告行為の発生した旨を報知しても良い。
【0027】
(第1の実施形態のフェンス振動検出装置20の構成)
次に、第1の実施形態のフェンス振動検出装置20の構成について図2を参照して説明する。図2は、第1の実施形態のフェンス振動検出装置20の構成を示すブロック図である。図2において、フェンス振動検出装置20は、振動レベル計測部20aと、風速データ管理部20bと、閾値調整部20cと、記憶部20dと、報知制御部20eとを備える。
【0028】
振動レベル計測部20aは、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、通信インターフェースである外部機器通信部等から構成され、当該振動レベル計測部20aに接続されている光ファイバ4,5,7,8を介して、図1に示すループ状光路において予め定められている計測地点において発生する振動レベルを計測する。振動レベル計測部20aは、この計測された振動レベルを記憶部20dに記憶すると共に、当該計測された振動レベルを報知制御部20eに出力する。また、振動レベル計測部20aは、フェンス1に対して設けられた複数の警戒区画A1〜A8の或る地点にて発生した警告行為の発生地点を距離データとして算出し、当該算出された距離データを報知制御部20eに出力する。また、振動レベル計測部20aは、当該算出された距離データを記憶部20dに記憶している。なお、振動レベル計測部20aによる距離データの算出は、特許文献1により開示されている算出の手順を参照することにより実現することができる。
【0029】
風速データ管理部20bは、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、通信インターフェースである外部機器通信部等から構成され、図1に示す風速計21により計測された風速データを取得し、当該取得された風速データを記憶部20dに記憶している。風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速A[m/sec](以下、風速の単位は割愛する)を超過し、且つ、当該所定の風速Aが所定時間T[sec](以下、時間Tの単位は割愛する)以上継続したか否かを判断する。所定の風速A及び所定時間Tは予め設定されているものとする。風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過し、且つ、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続したと判断した場合、閾値調整部20cに閾値LB(後述参照)の調整を実行するための閾値調整指示を出力する。この閾値調整指示には、予め設定された閾値LBを所定値増加する旨の指示が含まれている。
【0030】
また、風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速B(A>B)未満の状態で当該風速Bを超過せず、且つ、当該所定の風速Bが所定時間T[sec](以下、時間Tの単位は割愛する)以上継続したか否かを判断する。所定の風速B及び所定時間Tは予め設定されているものとする。風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速B未満の状態で当該風速Bを超過せず、且つ、当該所定の風速Bが所定時間T以上継続したと判断した場合、閾値調整部20cに閾値LB(後述参照)の調整を実行するための閾値調整指示を出力する。この閾値調整指示には、予め設定された閾値LBを所定値減少する旨の指示が含まれている。
【0031】
なお、閾値LBとは、フェンス振動検出装置20が表示器17、警報ランプ22、又はスピーカ23に対し、フェンス1に対する警告行為の有無を判断するために予め設定された振動レベルの基準値を示す。以下の説明においては、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBを3回(任意設定可)超えた場合には、フェンス振動検出装置20は、表示器17、警報ランプ22、又はスピーカ23に対し、フェンス1に対する警告行為が発生した旨を報知するとする。
【0032】
閾値調整部20cは、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、通信インターフェースである外部機器通信部等から構成され、風速データ管理部20bにより出力された閾値調整指示を取得し、この取得された閾値調整指示に従って閾値LBを調整する。閾値調整部20cは、この調整された閾値LBを当該閾値調整部20c内に有する記憶部(不図示)又は図2に示す記憶部20dに記憶する。
【0033】
記憶部20dは、例えば、ROM、RAM、EEPROM等から構成され、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベル、風速データ管理部20bにより出力された風速データ、及び、予め設定されている閾値LB或いは閾値調整部20cにより調整された閾値LBを記憶している。例えば、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルに関しては、図1に示す警戒区画A1〜A8にそれぞれ予め設けられた代表地点における振動レベルと当該代表地点の座標とが少なくとも関連付けされて記憶されることが好ましい。また、風速データ管理部20bにより出力された風速データに関しては、予め設けられた計測地点の座標と、風速データの計測時刻と、風速データとが少なくとも関連付けされていることが好ましい。また、当初に設定されていた閾値LBに関しては、当初の閾値LBが設定された設定時刻と当該当初の閾値LBとが関連付けされていることが好ましい。更に、調整された閾値LBに関しては、閾値LBが調整された調整時刻と当該調整後の閾値LBとが関連付けされていることが好ましい。
【0034】
報知制御部20eは、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、通信インターフェースである外部機器通信部等から構成され、記憶部20d又は閾値調整部20cに記憶される閾値LBに基づき、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが当該閾値LBを3回超過するか否かを判断する。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBを3回超過したと判断された場合には、報知制御部20eは、図1に示すフェンス1に対する警告行為が発生した旨を表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全てに報知する。
【0035】
第1の実施形態のフェンス振動検出装置20により閾値LBの調整前及び調整後の振動レベルの時間変化について図3を参照して説明する。図3(a)は第1の実施形態において閾値の調整前の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフであり、図3(b)は第1の実施形態における閾値の調整後の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフである。
【0036】
図3(a)には、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルの時間変化が示されている。風速計21により計測された風速データが所定の風速データAを超過し、且つ、当該風速データAを超過する風速データが所定時間T以上継続したと風速データ管理部20bにより判断された場合には、図3(a)に示すように、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LB(=16dB)付近であり、この状態が継続したままでは、フェンス振動検出装置20は、フェンス1に対する警告行為が発生した旨を、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち少なくとも1つ、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全てに誤って報知する可能性が高い。
【0037】
そこで、図3(b)に示すように、閾値調整部20cは、風速データ管理部20bにより出力された閾値調整指示に従って、閾値LBを16[dB]から18[dB]に調整する。図3(b)には、この調整された閾値LBが示されている。これにより、フェンス1の周囲の風速が増加するように強くなった場合においても、フェンス振動検出装置20は、フェンス1に対する警告行為が発生した旨を、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち少なくとも1つ、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全てに対して適切に報知すると共に、誤って報知する可能性を著しく減少することができる。
【0038】
(第1の実施形態のフェンス振動検出装置20の動作)
次に、第1の実施形態のフェンス振動検出装置20の動作について図4を参照して説明する。図4は、第1の実施形態のフェンス振動検出装置の動作を示すフローチャートである。図4において、振動レベル計測部20aは、当該振動レベル計測部20aに接続されている光ファイバ4,5,7,8を介して、図1に示すループ状光路において予め定められている計測地点において発生する振動レベルを計測する(S11)。以下の説明においては、当該計測地点を特定し、当該特定された計測地点において振動レベルが計測されるものとする。
【0039】
風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データを取得する(S12)。風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過し、且つ、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続したか否かを判断する(S13)。風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過し、且つ、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続したと判断した場合(S13のYES)、閾値調整部20cに閾値LBの調整を実行するための閾値調整指示を出力する。なお、風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過しない、又は、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続しないと判断した場合、閾値調整部20cに閾値LBの調整を実行するための閾値調整指示を出力しない(S13のNO)。
【0040】
閾値調整部20cは、風速データ管理部20bにより出力された閾値調整指示を取得し、この取得された閾値調整指示に従って閾値LBを調整する(S14)。例えば第1の実施形態では、閾値調整部20cは、図3(a)及び同図(b)に示すように閾値LBを増加する旨の閾値調整指示を取得した場合には、予め設定されていた閾値LBを16[dB]から18[dB]に増加する。但し、この増加する値は任意に設定可能で構わない。閾値調整部20cは、この調整された閾値LBを当該閾値調整部20c内に有する記憶部(不図示)又は図2に示す記憶部20dに記憶する。
【0041】
報知制御部20eは、記憶部20d又は閾値調整部20cに記憶される閾値LBに基づき、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが当該閾値LBを3回超過するか否かを判断する(S15)。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBを3回超過したと判断された場合には(S15のYES)、報知制御部20eは、図1に示すフェンス1に対する警告行為が発生した旨を表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全てに報知する(S16)。その結果、図4の処理は終了する。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBを3回超過していないと判断された場合には(S15のNO)、報知制御部20eは、図1に示すフェンス1に対する警告行為が発生した旨を報知せず、図4の処理は終了する。
【0042】
以上により、第1の実施形態のフェンス振動検出装置20は、光ファイバ4,5,7,8を介して振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが所定の閾値LBを3回超過した場合に、フェンス1への警告行為が発生した旨を表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全てに報知する。更に、風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データを取得し、この風速データが所定の風速データAを所定時間T以上継続して超過したか否かを判断する。風速計21により計測された風速データが所定の風速データAを所定時間T以上継続して超過したと判断された場合には、風速データ管理部20bは、閾値LBを増加する旨の閾値調整指示を閾値調整部20cに出力する。又は、風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データを取得し、この風速データが所定時間T以上継続して所定の風速データB(A>B)未満であったか否かを判断する。風速計21により計測された風速データが所定の風速データBを所定時間T以上継続して当該風速データB未満であったと判断された場合には、風速データ管理部20bは、閾値LBを減少する旨の閾値調整指示を閾値調整部20cに出力する。閾値調整部20cは、風速データ管理部20bにより出力された閾値調整指示に基づき、閾値LBを調整する。
【0043】
従って、第1の実施形態のフェンス振動検出装置20を含むフェンス振動検出システム50によれば、或る警戒区画A1〜A8のいずれかの測定地点において、当該測定地点における特定値以上の振動レベルを検出して警告行為の発生の有無を判定するための閾値LBを、周囲の環境の変化に対して適正に設定することができる。更に、第1の実施形態のフェンス振動検出装置20を含むフェンス振動検出システム50によれば、周囲の風速が強まった場合又は弱まった場合を含む環境の変化に応じて、適切な警報等の報知を行うことができ、誤った誤報の報知を著しく減少することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、閾値LBを増加する際に閾値LBの上限値を設定しないために閾値が上がり過ぎる可能性が高い。このような場合、当該閾値LB未満であっても複数の突出したピークレベルを有する振動レベルが計測された際に当該計測されたピークレベルを有する振動レベルをフェンス振動検出装置20が見過す可能性が存在する。すなわち、これらのピークレベルが発生したときであっても警告行為が行われていないとは一概に言えない場合も存在する。そこで、第2の実施形態では、閾値LBに上限値を設定する。その他の構成は第1の実施形態と同様であるため、以下の第2の実施形態では、第1の実施形態との差異を中心に説明し、同一の内容に関しては当該説明を割愛する。
【0045】
第2の実施形態のフェンス振動検出装置20により閾値LBの調整前及び調整後の振動レベルの時間変化について図5を参照して説明する。図5(a)は第2の実施形態において閾値LBの調整前の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフであり、図5(b)は第2の実施形態における閾値LBの調整後の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフである。
【0046】
図5(a)には、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルの時間変化が示され、閾値LBの上限値(=21[dB])が示されている。第1の実施形態と同様に、風速計21により計測された風速データが所定の風速データAを超過し、且つ、当該風速データAを超過する風速データが所定時間T以上継続したか否かが風速データ管理部20bにより判断される。第1の実施形態では、前述したように、閾値LBの上限値が設定されていない状態では、周囲の風速が強くなる度に閾値LBが増加し続ける。
【0047】
そこで、図5(b)に示すように、閾値調整部20cは、風速データ管理部20bにより出力された閾値調整指示に従って、閾値LBの上限値を超えないように閾値LBを16[dB]から21[dB]に調整する。図5(b)には、この調整された閾値LB(=閾値LBの上限値)が示されている。前述したように、閾値の上限値が設けられていない場合には閾値が上がり過ぎるため、フェンス振動検出装置20は、当該閾値LB未満であっても複数の突出したピークレベルを有する振動レベルを見過す可能性が存在する。すなわち、これらのピークレベルが発生したときに警告行為が行われていないとは一概に言えない場合も存在する。従って、閾値の上限値を設けることにより、当該見過ごしによるフェンス1の警戒区画A1〜A8のセキュリティの全体的な低下を防ぐことができる。
【0048】
(第2の実施形態のフェンス振動検出装置20の構成)
第2の実施形態では、図2に示した第1の実施形態のフェンス振動検出装置20の記憶部20dに、閾値LBの上限値が追加的に記憶されている。第2の実施形態におけるフェンス振動検出装置20の構成は、記憶部20dを除き、その他の構成は第1の実施形態のフェンス振動検出装置20と同一であるため、当該同一内容の説明は割愛する。また、閾値LBの上限値は閾値調整部20cに予め設定されていても良い。
【0049】
(第2の実施形態のフェンス振動検出装置20の動作)
次に、第2の実施形態のフェンス振動検出装置20の動作について図6を参照して説明する。図6は、第2の実施形態のフェンス振動検出装置の動作を示すフローチャートである。図6において、振動レベル計測部20aは、当該振動レベル計測部20aに接続されている光ファイバ4,5,7,8を介して、図1に示すループ状光路において予め定められている計測地点において発生する振動レベルを計測する(S11)。
【0050】
風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データを取得する(S12)。風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過し、且つ、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続したか否かを判断する(S13)。風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過し、且つ、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続したと判断した場合(S13のYES)、閾値調整部20cに閾値の調整を実行するための閾値調整指示を出力する。なお、風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過しない、又は、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続しないと判断した場合、閾値調整部20cに閾値の調整を実行するための閾値調整指示を出力しない(S13のNO)。
【0051】
閾値調整部20cは、風速データ管理部20bにより出力された閾値調整指示を取得し、記憶部20dに記憶されている閾値LBの上限値を参照し(S14a)、当該閾値LBの上限値を超えないように取得された閾値調整指示に従って閾値LBを調整する(S14b)。例えば、第2の実施形態では、閾値調整部20cは、図5(a)及び同図(b)に示すように、閾値LBを増加する旨の閾値調整指示を取得した場合には、予め設定されていた閾値LBを16[dB]から閾値LBの上限値である21[dB]に増加する。閾値調整部20cは、この調整された閾値LBを当該閾値調整部20c内に有する記憶部(不図示)又は図2に示す記憶部20dに記憶する。
【0052】
報知制御部20eは、記憶部20d又は閾値調整部20cに記憶される閾値LBに基づき、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが当該閾値LBを3回超過するか否かを判断する(S15)。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBを3回超過したと判断された場合には(S15のYES)、報知制御部20eは、図1に示すフェンス1に対する警告行為が発生した旨を表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全てに報知する(S16)。その結果、図6の処理は終了する。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBを3回超過していないと判断された場合には(S15のNO)、報知制御部20eは、図1に示すフェンス1に対する警告行為が発生した旨を報知せず、図6の処理は終了する。
【0053】
以上により、第2の実施形態のフェンス振動検出装置20は、光ファイバ4,5,7,8を介して振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが所定の閾値LBを3回超過した場合に、フェンス1への警告行為が発生した旨を表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全てに報知する。更に、風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データを取得し、この風速データが所定の風速データAを所定時間T以上継続して超過したか否かを判断する。風速計21により計測された風速データが所定の風速データAを所定時間T以上継続して超過したと判断された場合には、風速データ管理部20bは、閾値LBを増加する旨の閾値調整指示を閾値調整部20cに出力する。又は、風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データを取得し、この風速データが所定時間T以上継続して所定の風速データB(A>B)未満であったか否かを判断する。風速計21により計測された風速データが所定の風速データBを所定時間T以上継続して未満であったと判断された場合には、風速データ管理部20bは、閾値LBを減少する旨の閾値調整指示を閾値調整部20cに出力する。閾値調整部20cは、風速データ管理部20bにより出力された閾値調整指示に基づき、閾値LBを調整する。更に、記憶部20d又は閾値調整部20cには、閾値LBの上限値が記憶されている。閾値調整部20cは、風速データ管理部20bにより出力された閾値調整指示に基づき、閾値LBの上限値を超えないように閾値LBを調整する。
【0054】
従って、第2の実施形態のフェンス振動検出装置20を含むフェンス振動検出システム50によれば、或る警戒区画A1〜A8のいずれかの測定地点において、当該測定地点における特定値以上の振動レベルを検出して警告行為の発生の有無を判定するための閾値LBを、周囲の環境の変化に対して適正に設定することができる。更に、第2の実施形態のフェンス振動検出装置20を含むフェンス振動検出システム50によれば、周囲の風速が強まった場合又は弱まった場合を含む環境の変化に応じて、適切な警報等の報知を行うことができ、誤った誤報の報知を著しく減少することができる。
【0055】
更に、閾値LBの上限値が設けられていない場合には閾値が上がり過ぎるため、当該閾値LB未満であっても複数の突出したピークレベルの振動レベルをフェンス振動検出装置20が見過す可能性が存在する。すなわち、これらのピークレベルが発生したときに警告行為が行われていないとは一概に言えない場合も存在する。従って、第2の実施形態のフェンス振動検出装置20を含むフェンス振動検出システム50によれば、フェンス振動検出装置20の記憶部20d又は閾値設定部20cに閾値LBの上限値を設けることにより、当該見過ごしによるフェンス1の警戒区画のセキュリティの低下を防ぐことができる。
【0056】
(第3の実施形態)
台風等のようにフェンス1の周囲の風速が極端に強くなった場合等においては、第2の実施形態により設定された閾値LBの上限値を超過した振動レベルが所定時間T[sec](以下、時間Tの単位は割愛する)以上継続する可能性が高い。このような場合には、フェンス1に対する警告行為が実際に発生していない状況であっても、フェンス振動検出装置20は、風速データ管理部20bにより出力された風速データに基づいてフェンス1に対する警告行為が発生した旨を報知する可能性が高い。そこで、第3の実施形態では、閾値LBの上限値を超過した振動レベルが所定時間T以上継続したと判断された場合には、フェンス振動検出装置20は、フェンス1に対して無警戒状態とするための警戒解除の旨を報知する。以下の第3の実施形態では、第2の実施形態の構成との差異を中心に説明し、同一の内容に関しては当該説明を割愛する。
【0057】
(第3の実施形態のフェンス振動検出装置20の構成)
第3の実施形態のフェンス振動検出装置20の構成について図7を参照して説明する。図7は、第3の実施形態のフェンス振動検出装置20の構成を示すブロック図である。図7において、フェンス振動検出装置20は、振動レベル計測部20aと、風速データ管理部20bと、閾値調整部20cと、記憶部20dと、報知制御部20eと、振動レベル監視部20fとを備える。振動レベル計測部20aと、風速データ管理部20bと、閾値調整部20cと、記憶部20dと、報知制御部20eとは、第1の実施形態及び第3の実施形態において同一内容であるため、これらの説明は割愛する。
【0058】
振動レベル監視部20fは、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルを監視すると共に、当該計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値(=21[dB])を超過するか否かを判断する。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過したと判断された場合には、振動レベル監視部20fは、閾値LBの調整を停止する旨の閾値調整停止指示を閾値調整部20cに出力すると共に、フェンス1に対して無警戒状態とするための警戒解除指示を報知制御部20eに出力する。
【0059】
閾値調整部20cは、振動レベル監視部20fにより出力された閾値調整停止指示を取得し、この取得された閾値調整停止指示に従って閾値LBの調整を停止する。報知制御部20eは、振動レベル監視部20fにより出力された警戒解除指示を取得し、この取得された警戒解除指示に従って、フェンス1に対して無警戒状態とするための警戒解除の旨を、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全て報知する。
【0060】
また、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過しなかったと判断された場合には、振動レベル監視部20fは、フェンス1の周囲の風速が極端に悪化したわけではないと判断し、閾値LBの調整の要否を判断するための風速判断指示を風速データ管理部20bに出力する。なお、第3の実施形態では、風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データを取得し、記憶部20dに記憶している。
【0061】
第3の実施形態のフェンス振動検出装置20における警戒状態及び無警戒状態の各々の振動レベルの時間変化について図8を参照して説明する。図8(a)は第3の実施形態における警戒状態の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフであり、図8(b)は第3の実施形態における無警戒状態の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフである。
【0062】
図8(a)には、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルの時間変化が示され、当該振動レベルが閾値LBの上限値(=21[dB])を超過している状態が示されている。このように、台風等によりフェンス1の周囲の風速が極端に悪化した場合には、フェンス1に対する警告行為が実際に発生していない状況であっても、フェンス振動検出装置20は、風速データ管理部20bにより出力された風速データに基づいてフェンス1に対する警告行為が発生した旨を報知する可能性が高い。
【0063】
そこで、図8(b)に示すように、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過した場合には、フェンス振動検出装置20は、フェンス1に対して無警戒状態とするための警戒解除の旨を報知する。これにより、極端に周囲の環境が悪化した場合に、計測される振動レベルの平均レベルが高くなり過ぎることにより無駄な報知が増発する可能性を排除することができる。
【0064】
(第3の実施形態のフェンス振動検出装置20の動作)
次に、第3の実施形態のフェンス振動検出装置20の動作について図9を参照して説明する。図9は、第3の実施形態のフェンス振動検出装置20の動作を示すフローチャートである。図9において、振動レベル計測部20aは、当該振動レベル計測部20aに接続されている光ファイバ4,5,7,8を介して、図1に示すループ状光路において予め定められている計測地点において発生する振動レベルを計測する(S11)。
【0065】
振動レベル監視部20fは、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルを監視し、当該計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過するか否かを判断する(S17)。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過したと判断された場合には(S17のYES)、振動レベル監視部20fは、閾値LBの調整を停止する旨の閾値調整停止指示を閾値設定部20cに出力すると共に、フェンス1に対して無警戒状態とするための警戒解除指示を報知制御部20eに出力する(S18)。その結果、図9の処理は終了する。
【0066】
振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過しなかったと判断された場合には(S17のNO)、振動レベル監視部20fは、閾値LBの調整の要否を判断するための風速判断指示を風速データ管理部20bに出力する(S19)。風速データ管理部20bは、振動レベル監視部20fにより出力された風速判断指示に従って、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過し、且つ、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続したか否かを判断する(S13)。
【0067】
風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過し、且つ、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続したと判断した場合(S13のYES)、閾値調整部20cに閾値の調整を実行するための閾値調整指示を出力する。なお、風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過しない、又は、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続しないと判断した場合、閾値調整部20cに閾値の調整を実行するための閾値調整指示を出力しない(S13のNO)。
【0068】
閾値調整部20cは、風速データ管理部20bにより出力された閾値調整指示を取得し、記憶部20dに記憶されている閾値LBの上限値を参照し(S14a)、当該閾値LBの上限値を超えないように取得された閾値調整指示に従って閾値LBを調整する(S14b)。例えば、第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、閾値調整部20cは、図5(a)及び同図(b)に示すように、閾値LBを増加する旨の閾値調整指示を取得した場合には、予め設定されていた閾値LBを16[dB]から閾値LBの上限値である21[dB]に増加する。閾値調整部20cは、この調整された閾値LBを当該閾値調整部20c内に有する記憶部(不図示)又は図2に示す記憶部20dに記憶する。
【0069】
報知制御部20eは、記憶部20d又は閾値調整部20cに記憶される閾値LBに基づき、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが当該閾値LBを3回超過するか否かを判断する(S15)。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBを3回超過したと判断された場合には(S15のYES)、報知制御部20eは、図1に示すフェンス1に対する警告行為が発生した旨を表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全てに報知する(S16)。その結果、図9の処理は終了する。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBを3回超過していないと判断された場合には(S15のNO)、報知制御部20eは、図1に示すフェンス1に対する警告行為が発生した旨を報知せず、図9の処理は終了する。
【0070】
以上により、第3の実施形態のフェンス振動検出装置20は、第1の実施形態又は第2の実施形態の構成及び作用に加え、振動レベル監視部20fが振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルを監視すると共に、当該計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過するか否かを判断する。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過したと判断された場合には、振動レベル監視部20fは、閾値LBの調整を停止する旨の閾値調整停止指示を閾値設定部20cに出力すると共に、フェンス1に対して無警戒状態とするための警戒解除指示を報知制御部20eに出力する。閾値調整部20cは、振動レベル監視部20fにより出力された閾値調整停止指示を取得し、この取得された閾値調整停止指示に従って、閾値LBの調整を停止する。報知制御部20eは、振動レベル監視部20fにより出力された警戒解除指示を取得し、この取得された警戒解除指示に従って、フェンス1に対して無警戒状態とするための警戒解除の旨を、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全て報知する。また、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過しなかったと判断された場合には、振動レベル監視部20fは、フェンス1の周囲の風速が極端に悪化したわけではないと判断し、閾値LBの調整の要否を判断するための風速判断指示を風速データ管理部20bに出力する。
【0071】
従って、第3の実施形態のフェンス振動検出装置20を含むフェンス振動検出システム50によれば、第1の実施形態の効果又は第2の実施形態の効果に加え、極端に周囲の環境が悪化したために計測される振動レベルの平均レベルが高くなり過ぎた場合に、無警戒状態とすることにより、閾値LBの調整を停止することができると共に無駄な報知が増発する可能性を排除することができる。
【0072】
(第4の実施形態)
台風が治まった場合等のように、フェンス1の周囲の風速データが極端に大きい状態から一転して閾値LBの上限値よりも相当に小さい状態になった場合には、第3の実施形態にて説明した無警戒状態が継続されるのはセキュリティ上好ましくない。そこで、第4の実施形態では、無警戒状態を解除して通常の警戒状態に移行するための振動レベルの基準値である警告開始閾値LCを記憶部20d又は閾値調整部20cに記憶する。振動レベル監視部20fは、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが警告開始閾値LC未満の振動レベルの状態を所定時間T[sec](以下、Tの単位は省略する)以上継続するか否かを判断する。以下の第4の実施形態では、第3の実施形態の構成との差異を中心に説明し、同一の内容に関しては当該説明を割愛する。
【0073】
第4の実施形態のフェンス振動検出装置20における無警戒状態及び警戒状態の振動レベルの時間変化について図10を参照して説明する。図10(a)は第4の実施形態における無警戒状態の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフであり、図10(b)は第4の実施形態における警戒状態の振動レベルの時間変化の一例を示すグラフである。
【0074】
図10(a)に示すように振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBの上限値を所定時間T以上継続して超過すると判断された場合には、フェンス振動検出装置20は、無警戒状態とするための警戒解除の旨を報知する。但し、前述したように、図10(b)に示すように振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが警戒開始閾値LC未満の振動レベルの状態を所定時間T以上継続したと判断された場合には、無警戒状態が解除され、警戒状態に移行される。第4の実施形態では、警戒開始閾値LCが予め10[dB]と設定されている。但し、この警戒開始閾値LCは任意に設定可能である。
【0075】
(第4の実施形態のフェンス振動検出装置20の構成)
第4の実施形態では、図7に示した第3の実施形態のフェンス振動検出装置20の記憶部20dに、警戒開始閾値LCが追加的に記憶されている。第4の実施形態のフェンス振動検出装置20の振動レベル監視部20fは、図7に示した第3の実施形態の振動レベル監視部20fの作用に加え、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが警告開始閾値LC未満の振動レベルの状態を所定時間T以上継続するか否かを判断する。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが警告開始閾値LC未満の振動レベルの状態を所定時間T以上継続したと判断された場合には、振動レベル監視部20fは、閾値LBの調整の停止を解除する旨の閾値調整停止解除指示を閾値調整部20cに出力すると共に、フェンス1に対して無警戒状態から警戒状態に移行するための無警戒解除指示を報知制御部20eに出力する。
【0076】
閾値設定部20cは、振動レベル監視部20fにより出力された閾値調整停止解除指示を取得し、この取得された閾値調整停止解除指示に従って閾値LBの調整を開始する。報知制御部20eは、振動レベル監視部20fにより出力された無警戒解除指示を取得し、この取得された無警戒解除指示に従って、フェンス1に対して無警戒状態から警戒状態に移行するための警戒開始の旨を、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全て報知する。
【0077】
なお、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが警告開始閾値LC未満の振動レベルの状態を所定時間T以上継続したと判断されない場合には、振動レベル監視部20fは、閾値調整停止解除指示を閾値設定部20cに出力せず、更に、フェンス1に対して無警戒状態から警戒状態に移行するための無警戒解除指示を報知制御部20eに出力しない。この場合、フェンス振動検出装置20は、第3の実施形態において説明した無警戒状態が維持継続される。
【0078】
(第4の実施形態のフェンス振動検出装置20の動作)
次に、第4の実施形態のフェンス振動検出装置20の動作について図11を参照して説明する。図11は、第4の実施形態のフェンス振動検出装置20の動作を示すフローチャートである。図11において、振動レベル計測部20aは、当該振動レベル計測部20aに接続されている光ファイバ4,5,7,8を介して、図1に示すループ状光路において予め定められている計測地点において発生する振動レベルを計測する(S11)。
【0079】
振動レベル監視部20fは、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルを監視し、当該計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過するか否かを判断する(S17)。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが所定時間T以上継続して閾値LBの上限値を超過したと判断された場合には(S17のYES)、振動レベル監視部20fは、閾値LBの調整を停止する旨の閾値調整停止指示を閾値調整部20cに出力すると共に、フェンス1に対して無警戒状態とするための警戒解除指示を報知制御部20eに出力する(S18)。
【0080】
振動レベル監視部20fは、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが警告開始閾値LC未満の振動レベルの状態を所定時間T以上継続するか否かを判断する(S20)。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが警告開始閾値LC未満の振動レベルの状態を所定時間T以上継続したと判断されるまで(S20のYES)、振動レベル監視部20fは、閾値LBの調整の停止を解除する旨の閾値調整停止解除指示を閾値調整部20cに出力すると共に、フェンス1に対して無警戒状態から警戒状態に移行するための無警戒解除指示を報知制御部20eに出力する(S21)。
【0081】
振動レベル監視部20fにより無警戒解除指示が出力された場合(ステップA)、又は、閾値LBの調整の要否を判断するための風速判断指示が風速データ管理部20bに出力された場合(S19)、風速データ管理部20bは、振動レベル監視部20fにより出力された風速判断指示に従って、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過し、且つ、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続したか否かを判断する(S13)。
【0082】
風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過し、且つ、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続したと判断した場合(S13のYES)、閾値調整部20cに閾値の調整を実行するための閾値調整指示を出力する。なお、風速データ管理部20bは、風速計21により計測された風速データが所定の風速Aを超過しない、又は、当該所定の風速Aが所定時間T以上継続しないと判断した場合、閾値調整部20cに閾値の調整を実行するための閾値調整指示を出力しない(S13のNO)。
【0083】
閾値調整部20cは、風速データ管理部20bにより出力された閾値調整指示を取得し、記憶部20dに記憶されている閾値LBの上限値を参照し(S14a)、当該閾値LBの上限値を超えないように取得された閾値調整指示に従って閾値LBを調整する(S14b)。例えば、第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、閾値調整部20cは、図5(a)及び同図(b)に示すように、閾値LBを増加する旨の閾値調整指示を取得した場合には、予め設定されていた閾値LBを16[dB]から閾値LBの上限値である21[dB]に増加する。閾値調整部20cは、この調整された閾値LBを当該閾値調整部20c内に有する記憶部(不図示)又は図2に示す記憶部20dに記憶する。
【0084】
報知制御部20eは、記憶部20d又は閾値調整部20cに記憶される閾値LBに基づき、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが当該閾値LBを3回超過するか否かを判断する(S15)。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBを3回超過したと判断された場合には(S15のYES)、報知制御部20eは、図1に示すフェンス1に対する警告行為が発生した旨を表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全てに報知する(S16)。その結果、図11の処理は終了する。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが閾値LBを3回超過していないと判断された場合には(S15のNO)、報知制御部20eは、図1に示すフェンス1に対する警告行為が発生した旨を報知せず、図11の処理は終了する。
【0085】
以上により、第4の実施形態のフェンス振動検出装置20は、第3の実施形態の構成及び作用に加え、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが警告開始閾値LC未満の振動レベルの状態を所定時間T[sec](以下、Tの単位は省略する)以上継続するか否かを判断する。振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが警告開始閾値LC未満の振動レベルの状態を所定時間T以上継続したと判断された場合には、振動レベル監視部20fは、閾値LBの調整の停止を解除する旨の閾値調整停止解除指示を閾値設定部20cに出力すると共に、フェンス1に対して無警戒状態から警戒状態に移行するための無警戒解除指示を報知制御部20eに出力する。閾値設定部20cは、振動レベル監視部20fにより出力された閾値調整停止解除指示を取得し、この取得された閾値調整停止解除指示に従って閾値LBの調整を開始する。報知制御部20eは、振動レベル監視部20fにより出力された無警戒解除指示を取得し、この取得された無警戒解除指示に従って、フェンス1に対して無警戒状態から警戒状態に移行するための警戒開始の旨を、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のいずれか、又は、表示器17、警報ランプ22、及びスピーカ23のうち2つの組合せ或いは3つ全て報知する。なお、振動レベル計測部20aにより計測された振動レベルが警告開始閾値LC未満の振動レベルの状態を所定時間T以上継続したと判断されない場合には、振動レベル監視部20fは、閾値調整停止解除指示を閾値設定部20cに出力せず、更に、フェンス1に対して無警戒状態から警戒状態に移行するための無警戒解除指示を報知制御部20eに出力しない。この場合、フェンス振動検出装置20は、第3の実施形態において説明した無警戒状態が維持継続される。
【0086】
従って、第4の実施形態のフェンス振動検出装置20を含むフェンス振動検出システム50によれば、第3の実施形態の効果に加え、周囲の環境が極端に悪化した状態から沈静化した場合に計測される振動レベルが相当に減少する可能性が高いことに鑑み、周囲の環境が沈静化した場合には、フェンス1の警戒区画のセキュリティを担保するために、警戒を開始する。これにより、第4の実施形態のフェンス振動検出装置20は、周囲の風速が極端に悪化した状態から沈静化した状態に回復した場合に、無警戒状態から警戒状態に適切なタイミングで移行することができると共に、当該移行された警戒状態において適切な警報を報知することができ、誤った誤報の報知を減少することができる。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、この発明のフェンス振動検出装置20及びフェンス振動検出システム50はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然にこの発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0088】
前述した各実施形態は、フェンス1の配設された警戒区画A1〜A8のうちいずれか警戒区画を代表して、当該代表の警戒区画の周囲における風速を単一の風速計21により計測することにより閾値LBの調整の要否を行うものとして説明した。しかし、特に、飛行場等の単一の警戒区画の距離が非常に長い場合を想定して、フェンス1に対する警戒区画A1〜A8の各々に対応して風速計21を取り付けることにより、当該取り付けられた各々の風速計21により計測された風速データに応じて、当該各々の風速計21に対応する警戒区画のそれぞれに対して当該警戒区画に対応する閾値LBの調整を行うようにしても良い。
【符号の説明】
【0089】
1 フェンス
2,3,4,5,6,7,8,9 光ファイバ
10,11,12,13 WDMカプラ
17 表示器
20 フェンス振動検出装置
20a 振動レベル計測部
20b 風速データ管理部
20c 閾値調整部
20d 記憶部
20e 報知制御部
20f 振動レベル監視部
21 風速計
22 警報ランプ
23 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェンスの周方向に取り付けてループ状光路を形成する光ファイバに対する振動を検出するフェンス振動検出装置であって、
前記光ファイバに対する振動レベルを計測する振動レベル計測部と、
前記振動レベル計測部により計測された前記振動レベルが所定の閾値を超えた場合に、前記フェンスへの警告行為の発生した旨を出力する報知制御部と、
周囲の風速データを計測する風速計から当該計測された風速データを取得すると共に、当該風速データが所定の風速データを継続的に超過する場合又は超過しない場合に応じて、前記報知制御部による出力の要否を定める前記所定の閾値を調整するように指示する風速データ管理部と、
前記風速データ管理部の指示に基づき、前記所定の閾値を調整する閾値調整部と、
を備えることを特徴とするフェンス振動検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフェンス振動検出装置であって、
前記報知制御部は、前記振動レベル計測部により計測された振動レベルが前記閾値調整部により調整された前記所定の閾値を越えた場合に、前記フェンスへの警告行為の発生した旨を出力することを特徴とするフェンス振動検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフェンス振動検出装置であって、
前記所定の閾値の上限値を記憶する記憶部と、を更に備え、
前記閾値調整部は、前記記憶部に記憶される前記閾値の上限値を超えないように当該閾値を調整することを特徴とするフェンス振動検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載のフェンス振動検出装置であって、
前記振動レベル計測部により計測された前記振動レベルを監視する振動レベル監視部と、を更に備え、
前記振動レベル監視部により監視された前記振動レベルが前記閾値の上限値を超えた場合に、前記報知制御部は、前記フェンスへの警戒を解除する旨を出力することを特徴とするフェンス振動検出装置。
【請求項5】
請求項4に記載のフェンス振動検出装置であって、
前記記憶部には、前記フェンスへの警戒を開始するための警戒開始閾値が記憶され、
前記振動レベル計測部により計測された前記振動レベルが前記警戒開始閾値を継続的に下回る場合、前記報知制御部は前記フェンスへの警戒を開始する旨を出力し、前記閾値調整部は前記閾値を前記記憶部に記憶されている前記閾値の上限値に調整することを特徴とするフェンス振動検出装置。
【請求項6】
フェンスの周方向に取り付けてループ状光路を形成する光ファイバに対して所定の警告行為の有無を検出するための所定の閾値を調整する閾値調整方法であって、
前記フェンスの周囲の風速データを計測する風速計から当該計測された風速データを取得するステップと、
前記取得された風速データが所定の風速データに比べて継続的に超過する場合又は超過しない場合に応じて、前記所定の閾値を増加又は減少するように調整する指示を出力するステップと、
前記出力された指示に従って、前記所定の閾値を調整するステップと、
を備えることを特徴とする閾値調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−174848(P2011−174848A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39947(P2010−39947)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】