説明

フェンダ支持部構造

【課題】衝突時におけるエネルギー吸収性能を向上させながらフェンダ取付け時に必要なねじり剛性を確保することができるフェンダ支持部構造を得る。
【解決手段】フェンダブラケット20の支持脚部30は、フェンダ取付部26とエプロン側取付部28とを車両上下方向に繋ぐと共に、孔36が貫通形成されている。また、支持脚部30における孔36を挟んだ両側には、互いに対向する位置とは異なる位置に稜線40A、42A、44Aを備える屈曲部(第一屈曲部40、第二屈曲部42、第三屈曲部44)が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェンダパネルの上部の内側端部を、エネルギー吸収用のブラケットを介してボデーパネル側に支持するフェンダ支持部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フェンダ支持部構造においては、歩行者保護対策の一環として、フロントフェンダパネルの上部の内側端部を、エネルギー吸収用のブラケットを介してエプロンアッパメンバの頂壁部に取り付けている場合がある。このようなブラケットは、側面視で略ハット形状とされ、ブラケットの縦壁部となる脚部の高さ方向中間部に、屈曲部が形成されると共に、例えば、変形効率を向上させるために、屈曲部の稜線方向中間部に脚部をくり抜いた抜き穴が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−335163公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この構成は、衝突時におけるエネルギー吸収性能を向上させながらフェンダ取付け時に必要なねじり剛性を確保する観点からは改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、衝突時におけるエネルギー吸収性能を向上させながらフェンダ取付け時に必要なねじり剛性を確保することができるフェンダ支持部構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載する本発明のフェンダ支持部構造は、フェンダパネルの上部の内側端部を、エネルギー吸収用のブラケットを介してボデーパネル側に支持するフェンダ支持部構造であって、前記ブラケットは、前記フェンダパネルの上部の内側端部が固定されるフェンダ取付部と、前記ボデーパネル側に固定されるボデーパネル側取付部と、前記フェンダ取付部と前記ボデーパネル側取付部とを車両上下方向に繋ぐと共に、孔が貫通形成され、かつ前記孔を挟んだ両側には互いに対向する位置とは異なる位置に稜線を備える屈曲部が形成された支持脚部と、を有する。
【0007】
請求項1に記載する本発明のフェンダ支持部構造によれば、フェンダパネルの上部の内側端部を、エネルギー吸収用のブラケットを介してボデーパネル側に支持するので、衝突体が車両上方側からフェンダパネルの上部に衝突した場合、その際の衝突荷重はフェンダパネルの内側端部を介してブラケットに入力された後、ボデーパネルに伝達される。この過程で、ブラケットが車両上下方向に塑性変形する(潰れる)ことにより、衝突時のエネルギー吸収がなされる。
【0008】
ここで、ブラケットの支持脚部は、フェンダ取付部とボデーパネル側取付部とを車両上下方向に繋ぐと共に、孔が貫通形成され、かつ当該孔を挟んだ両側には互いに対向する位置とは異なる位置に稜線を備える屈曲部が形成されている。このため、衝突体が車両上方側からフェンダパネルの上部に衝突した場合には、ブラケットの支持脚部は、孔の両側でそれぞれの屈曲部を起点として曲げ変形し、孔の両側で衝突体に作用する荷重のピークがずらされる。これにより、衝突体に作用する荷重のピークが下げられる。
【0009】
また、ブラケットの支持脚部には孔の両側で異なる面方向の部位が形成されることになるので、ブラケットに対してねじりの荷重が作用した場合には、荷重がより分散される。よって、フェンダ取付け時にブラケットはねじれ難くなる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載のフェンダ支持部構造によれば、衝突時におけるエネルギー吸収性能を向上させながらフェンダ取付け時に必要なねじり剛性を確保することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るフェンダ支持部構造をエンジンルームの内側から見た状態で示す斜視図である(二点鎖線で示したフロントフェンダパネルを透視した状態で示すと共にフロントフェンダパネルの上方側の部材の図示を省略する。)。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るフェンダ支持部構造をエンジンルーム側から見た状態で示す側断面図である(図1の2−2線に沿った拡大断面図に相当する。)。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るフェンダ支持部構造のF−S特性を示すF−S線図である。
【図4】対比構造のF−S特性を示すF−S線図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るフェンダ支持部構造をエンジンルームの内側から見た状態で示す斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るフェンダ支持部構造をエンジンルームの内側から見た状態で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
本発明におけるフェンダ支持部構造の第1の実施形態を図面に基づき説明する。なお、図中の矢印UPは車両の上方向、矢印FRは車両の前方向、矢印INは車幅方向内側をそれぞれ示す。
【0013】
図1には、本実施形態に係るフェンダ支持部構造が自動車(車両)のエンジンルームの内側から見た斜視図にて示されている。図1に二点鎖線で示されるように、車体前部の側面には、フロントフェンダパネル10が配設されている。フロントフェンダパネル10は、前輪の上方側を覆い意匠面を構成する外側縦壁部10Aと、この外側縦壁部10Aの上端部から垂下されてエンジンルーム12側へ屈曲(延出)された内側壁部10Bと、を含んで構成されている。
【0014】
フロントフェンダパネル10の上部の内側端部としての内側壁部10Bの下方には、ボデーパネルとしてのエプロンアッパメンバ14が車両前後方向を長手方向として配設されている。また、左右一対のフロントフェンダパネル10の内側壁部10Bの上端部間には、エンジンルーム12を開閉するフード(図示省略)が配設されている。
【0015】
フロントフェンダパネル10の内側壁部10Bは、ブラケットとしてのフェンダブラケット20を介してエプロンアッパメンバ14に取り付けられており、当該エプロンアッパメンバ14側に支持されている。フェンダブラケット20は、車両前後方向に所定の間隔で複数配置(図1ではそのうちの一個を図示)されており、エネルギー吸収用とされて車両側面視で略ハット形状を成している。なお、フェンダブラケット20は、「衝撃吸収ブラケット」や「エネルギー吸収ブラケット」と言われることもある。
【0016】
フェンダブラケット20の下端部には、前後一対のボデーパネル側取付部としてのエプロン側取付部28が形成されている。このエプロン側取付部28は、エプロンアッパメンバ14の頂壁部14Aに面接触状態で載置され、スポット溶接等によって当該頂壁部14Aに固定されている。
【0017】
これに対して、フェンダブラケット20の上端部には、頂壁部であるフェンダ取付部26が形成されている。このフェンダ取付部26は、エプロンアッパメンバ14の頂壁部14Aと平行に配置され、フロントフェンダパネル10の内側壁部10Bにおける水平部10B2が固定されている。
【0018】
より具体的には、フェンダ取付部26には、ボルト挿通孔38が貫通形成されており、さらにその裏面側にはウエルドナット46が予め溶着されている。エンジンルーム12側から見た側断面図である図2に示されるように、ウエルドナット46にはボルト48が螺合されており、このボルト48は、フェンダブラケット20におけるフェンダ取付部26の上面にフロントフェンダパネル10の内側壁部10Bにおける水平部10B2が載置された状態で、当該水平部10B2の上方側から挿入されている。これにより、フロントフェンダパネル10の内側壁部10Bがフェンダブラケット20を介してエプロンアッパメンバ14の頂壁部14Aに取り付けられている。なお、必ずしもウエルドナット46を使用する必要はなく、通常のナットを用いてもよい。
【0019】
一方、図1に示されるように、フェンダブラケット20は、平板状のフェンダ取付部26と平板状のエプロン側取付部28とが、前後一対の支持脚部30によって車両上下方向に繋がれている。フェンダブラケット20の支持脚部30には、孔36が貫通形成されている。この孔36は、支持脚部30の高さ方向中間部を含む部位に形成されており、高さ方向を長手方向とする長孔とされている。
【0020】
つまり、支持脚部30は、上端側の部位で二又状に分かれた構造になっており、支持脚部30は、孔36に対して車幅方向外側に配置される外側脚片部30Aと、孔36に対して車幅方向内側に配置される内側脚片部30Bと、を備えた構成となっている。
【0021】
外側脚片部30Aは、衝突荷重入力時の変形促進用として、概ね高さ方向中央部で屈曲された第一屈曲部40を備えている。すなわち、図1及び図2に示されるように、支持脚部30において外側脚片部30Aを含む車幅方向外側の部位は、フェンダ取付部26の前後端部から所定の傾斜角度で下方へ屈曲されて車両側面視でハの字状に(車両下方側へ向けて互いに離反する方向へ延在するように)形成された一対の外側支持上部32Aと、前側のエプロン側取付部28の後端部及び後側のエプロン側取付部28の前端部から所定の傾斜角度で上方へ略直角に屈曲されて形成された一対の外側支持下部32Bと、によって構成されている。
【0022】
換言すれば、外側支持下部32Bは、一対の外側支持上部32Aの下端から所定の傾斜角度で屈曲垂下されてエプロン側取付部28の端部まで延在している。また、外側支持上部32Aと外側支持下部32Bとの接続部となる第一屈曲部40の稜線40Aは、車幅方向に沿って配置されている。
【0023】
これに対して、内側脚片部30Bは、衝突荷重入力時の変形促進用として、高さ方向上部側で屈曲された第二屈曲部42を備えると共に、高さ方向下部側で屈曲された第三屈曲部44を備えている。すなわち、支持脚部30において内側脚片部30Bを含む車幅方向内側の部位は、フェンダ取付部26の前後端部から所定の傾斜角度で下方へ屈曲されて車両側面視でハの字状に(車両下方側へ向けて互いに離反する方向へ延在するように)形成された一対の内側支持上部34Aと、前側のエプロン側取付部28の後端部及び後側のエプロン側取付部28の前端部から所定の傾斜角度で上方へ略直角に屈曲されて形成された一対の内側支持下部34Cと、内側支持上部34Aの下端と内側支持下部34Cの上端とを繋ぎかつ内側支持上部34Aに比べて小さい傾倒角度で傾斜して車両側面視でハの字状に形成された内側支持中間部34Bと、によって構成されている。
【0024】
換言すれば、内側支持中間部34Bは、一対の内側支持上部34Aの下端から所定の傾斜角度で屈曲されて内側支持下部34Cの上端まで延在しており、内側支持下部34Cは、一対の内側支持中間部34Bの下端から所定の傾斜角度で屈曲されてエプロン側取付部28の端部まで延在している。また、内側支持上部34Aと内側支持中間部34Bとの接続部となる第二屈曲部42の稜線42A、及び、内側支持中間部34Bと内側支持下部34Cとの接続部となる第三屈曲部44の稜線44Aは、いずれも車幅方向に沿って配置されている。
【0025】
このように、支持脚部30の孔36(図1参照)を挟んだ両側には、互いに対向する位置とは異なる位置に稜線40A、42A、44Aを備える屈曲部(第一屈曲部40、第二屈曲部42、第三屈曲部44)が形成されている。また、本実施形態では、図2に示されるように、支持脚部30とフェンダ取付部26との接続部である稜線22から第一屈曲部40の稜線40Aまでの距離をL1、稜線22から第二屈曲部42の稜線42Aまでの距離をL2とした場合の関係がL1>L2となっている。さらに、図1に示されるように、支持脚部30の孔36を挟んだ両側で屈曲部の設定数が異なっている。
【0026】
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
【0027】
本実施形態に係るフェンダ支持部構造では、図2に示されるように、フロントフェンダパネル10の上部の内側壁部10Bを、エネルギー吸収用のフェンダブラケット20を介してエプロンアッパメンバ14側に支持するので、衝突体50が車両上方側からフロントフェンダパネル10とフード(図示省略)との見切り部付近に衝突した場合、その際の衝突荷重fはフロントフェンダパネル10の内側壁部10Bを介してフェンダブラケット20に入力された後、エプロンアッパメンバ14に伝達される。この過程で、フェンダブラケット20が車両上下方向に塑性変形する(圧縮変形するように潰れる)ことにより、衝突時のエネルギー吸収がなされる。
【0028】
ここで、フェンダブラケット20の支持脚部30は、フェンダ取付部26とエプロン側取付部28とを車両上下方向に繋ぐと共に、図1に示されるように、孔36が貫通形成され、かつ孔36を挟んだ両側には互いに対向する位置とは異なる位置に稜線40A、42A、44Aを備える屈曲部(第一屈曲部40、第二屈曲部42、第三屈曲部44)が形成されている。このため、図2に示されるように、フロントフェンダパネル10とフード(図示省略)との見切り部付近に衝突体50が車両上方側から衝突した場合には、フェンダブラケット20の支持脚部30は、孔36の両側でそれぞれの屈曲部(第一屈曲部40、第二屈曲部42、第三屈曲部44)を起点として曲げ変形し、孔36の両側で衝突体50に作用する荷重のピークがずらされる。これにより、衝突体50に作用する荷重のピークが下げられる。
【0029】
ここで、図3及び図4(いずれもF−S線図)を参照しながら、本実施形態に係るフェンダ支持部構造の上記作用について説明する。図3及び図4には、フロントフェンダパネルとフードとの見切り部付近に衝突体が車両上方側から衝突したときの模式的なF−S線図、すなわち、荷重FとストロークSとの関係を示すグラフが示されている。
【0030】
図3において、実線は本実施形態に係るフェンダ支持部構造のF−S線図であり、二点鎖線は本実施形態に係るフェンダ支持部構造の外側脚片部(30A)側のF−S線図であり、点線は本実施形態に係るフェンダ支持部構造の内側脚片部(30B)側のF−S線図である。
【0031】
一方、図4において、実線は対比構造のF−S線図である。この対比構造は、本実施形態の内側脚片部(30B)に相当する部位に形成された屈曲部の稜線が外側脚片部(30A)に相当する部位に形成された第一屈曲部(40)の稜線(40A)の延長線上に設定されている点で本実施形態に係るフェンダ支持部構造と異なる構造になっているが、他の点は本実施形態に係るフェンダ支持部構造と同様の構造となっている。また、図4の二点鎖線は外側脚片部(30A)に相当する部位側のF−S線図であり、図4の点線は内側脚片部(30B)に相当する部位側のF−S線図である。
【0032】
図4に示されるように、対比構造では、二点鎖線で示される外側脚片部(30A)に相当する部位側の荷重のピークと、点線で示される内側脚片部(30B)に相当する部位側の荷重のピークとが、重なっているので、実線で示される対比構造における荷重のピークが高めになってしまう。これに対して、図3に示されるように、本実施形態に係るフェンダ支持部構造では、二点鎖線で示される外側脚片部(30A)側の荷重のピークと、点線で示される内側脚片部(30B)側の荷重のピークとが、ずれているので、実線で示されるフェンダ支持部構造における荷重のピークが対比構造における荷重のピーク(図3参照)に比べて下げられている。
【0033】
また、図1及び図2に示されるように、フェンダブラケット20の支持脚部30には孔36の両側に異なる面方向の部位が形成されることになるので、フェンダブラケット20に対してねじりの荷重が作用した場合には、当該荷重がより分散される。換言すれば、車両側面視で視認される形状部分が、従来は側端面のみで形成された平面状であったものを、本実施形態では側端面及び孔36の開口端面で形成される立体的なものとされたので、ねじり剛性が従来に比べて向上している。よって、フロントフェンダパネル10の取付け時にフェンダブラケット20はねじれ難くなる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係るフェンダ支持部構造によれば、衝突時におけるエネルギー吸収性能(衝撃吸収効率)を向上させながらフロントフェンダパネル10の取付け時に必要なねじり剛性を確保することができる。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るフェンダ支持部構造について、図5を用いて説明する。図5には、本発明の第2の実施形態に係るフェンダ支持部構造が斜視図にて示されている。この図に示されるように、本実施形態におけるブラケットとしてのフェンダブラケット60は、孔36(図1参照)に代えて、孔62が貫通形成されている点、及び第二屈曲部42、第三屈曲部44(いずれも図1参照)に代えて、第二屈曲部64が形成されている点で、第1の実施形態に係るフェンダ支持部構造とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0036】
図5に示されるように、フェンダブラケット60には、支持脚部30を貫通する孔62が形成されている。孔62は、高さ方向を長手方向とする長孔とされており、その孔縁上端部62Aが支持脚部30とフェンダ取付部26との接続部である稜線22を越えてフェンダ取付部26の一部を切り欠く位置にまで達すると共に、その孔縁下端部62Bが支持脚部30とエプロン側取付部28との接続部である稜線24を超えてエプロン側取付部28の一部を切り欠く位置にまで達している。
【0037】
なお、変形例として、孔縁上端部62Aが稜線22に揃えられる(稜線22に到達する)構成や孔縁下端部62Bが稜線24に揃えられる(稜線24に到達する)構成としてもよい。
【0038】
支持脚部30は、孔62に対して車幅方向内側かつ高さ方向上部側で屈曲された第二屈曲部64を備えている。すなわち、支持脚部30における車幅方向内側の部位は、フェンダ取付部26の前後端部から所定の傾斜角度で下方へ屈曲されて車両側面視でハの字状に(車両下方側へ向けて互いに離反する方向へ延在するように)形成された一対の内側支持上部66Aと、前側のエプロン側取付部28の後端部及び後側のエプロン側取付部28の前端部から所定の傾斜角度で上方へ屈曲されて形成された一対の内側支持下部66Bと、によって構成されている。
【0039】
換言すれば、内側支持下部66Bは、一対の内側支持上部66Aの下端から所定の傾斜角度で屈曲されてエプロン側取付部28の端部まで延在している。また、内側支持上部66Aと内側支持下部66Bとの接続部となる第二屈曲部64の稜線64Aは、車幅方向に沿って配置されている。
【0040】
このように、支持脚部30の孔62を挟んだ両側には、互いに対向する位置とは異なる位置に稜線40A、64Aを備える屈曲部(第一屈曲部40、第二屈曲部64)が形成されている。
【0041】
以上説明した本実施形態の構成によっても、前述した第1実施形態とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
【0042】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るフェンダ支持部構造について、図6を用いて説明する。図6には、本発明の第3の実施形態に係るフェンダ支持部構造が斜視図にて示されている。なお、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
図6に示されるように、本実施形態におけるブラケットとしてのフェンダブラケット70は、車両側面視で略ハット形状を成しておらず、フロントフェンダパネル10の内側壁部10Bを片持ち支持している点で、第1の実施形態におけるフェンダブラケット20(図1参照)とは異なる。すなわち、フェンダブラケット70は、フェンダ取付部26と、フェンダ取付部26の前端に連設された支持脚部30と、当該支持脚部30の下端に連設されたエプロン側取付部28と、によって構成されている。
【0044】
以上説明した本実施形態の構成によっても、基本的には前述した第1実施形態とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
【符号の説明】
【0045】
10 フロントフェンダパネル
10B 内側壁部(内側端部)
14 エプロンアッパメンバ(ボデーパネル)
20 フェンダブラケット(ブラケット)
26 フェンダ取付部
28 エプロン側取付部(ボデーパネル側取付部)
30 支持脚部
36 孔
40 第一屈曲部(屈曲部)
40A 稜線
42 第二屈曲部(屈曲部)
42A 稜線
44 第三屈曲部(屈曲部)
44A 稜線
60 フェンダブラケット(ブラケット)
62 孔
64 第二屈曲部(屈曲部)
64A 稜線
70 フェンダブラケット(ブラケット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェンダパネルの上部の内側端部を、エネルギー吸収用のブラケットを介してボデーパネル側に支持するフェンダ支持部構造であって、
前記ブラケットは、
前記フェンダパネルの上部の内側端部が固定されるフェンダ取付部と、
前記ボデーパネル側に固定されるボデーパネル側取付部と、
前記フェンダ取付部と前記ボデーパネル側取付部とを車両上下方向に繋ぐと共に、孔が貫通形成され、かつ前記孔を挟んだ両側には互いに対向する位置とは異なる位置に稜線を備える屈曲部が形成された支持脚部と、
を有するフェンダ支持部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−136597(P2011−136597A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296000(P2009−296000)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】