説明

フォーカシング無調整型カメラモジュール

【課題】フォーカシング無調整型カメラモジュールを提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも一つのレンズを有するレンズ群、上記レンズ群が光軸に沿って配列される内部空間を有するバレルと、全面中央に入射孔を開口形成し上記レンズ群を光軸方向に加圧するよう上記バレルの上部に組み立てられる上部キャップを備え基板部材の上部面に搭載されるレンズ収容部、上記レンズを通過した光が結像される結像面を具備し、結像されたイメージを伝送するよう上記基板部材に電気的に連結されるイメージセンサー、及び上記レンズ群とイメージセンサーとの間に配置される少なくとも一つのフィルター部材とを含む。本発明によれば、レンズが収容される部品と基板に搭載される部品を一体化して金型設計が単純になり、かつ設計時間が短縮され、金型製作コスト用及び原資材のコストが節減され、モジュールの嵩張りを小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラモジュールに関することものであり、より詳しくはレンズが収容される部品と基板に搭載される部品を一体化して金型設計が単純になり、かつ設計時間が短縮され、金型製作コスト及び原資材のコストが節減され、モジュールの嵩張りを小さくすることができるフォーカシング無調整型カメラモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にカメラモジュールはレンズを含むレンズ部、上記レンズ部と結合されるハウジング、並びにIRフィルターとイメージセンサーなどを含むセンサー部を具備する。
【0003】
図1Aは、従来カメラモジュールを図示した分解斜視図であり、図1Bは従来カメラモジュールの縦断面図であって、示すように上記レンズ部110はレンズ112と、上記レンズ112が本体内部空間に内蔵されるバレル114及び上記バレル114の上端外周面に具備され、上部面の中央に入射孔116aが貫通形成されたキャップ116で構成される。
【0004】
この際、上記レンズ112は具現しようとするカメラモジュールの機能及び性能によってバレル114内に少なくとも一つ以上設置され得る。
【0005】
一方、上記ハウジング122は上記バレル114を収容するための内部孔124を具備し、上記内部孔124は上記バレル114と組み立てられ上記レンズ部110とハウジング122が互いに結合されるが、上記バレル114の外周面には雄ねじ部114aが形成されており、上記内部孔124の内周面には雌ねじ部124aが形成されこれらの間のねじ結合によって上記バレル114は位置固定されたハウジング122に対して移動可能になるよう組み立てられるのである。
【0006】
一方、上記ハウジング122の下部にはセンサー部130が固定されるが、このようなセンサー部130は上記レンズ112を通して入射される被写体の像を電気的な信号に変えてイメージを結像する機能をするのである。
【0007】
このために上記センサー部130はイメージセンサー132とIRフィルター134及び基板136などを具備しており、上記レンズ112を通過した被写体の像は上記IRフィルター134によって一部フィルターリングされた後上記イメージセンサー132によって感知される。
【0008】
そして、上記イメージセンサー132はイメージ信号を伝送するための手段であるFPCB(Flexible Printed Circuit Board)のような基板136に電気的に連結されているので、上記イメージセンサー132によって感知された被写体の像はイメージセンサー132によって電気的な信号に変換された後、基板136などを通して伝送されLCDなどのディスプレイ手段(図示せず)でイメージを形成するようになる。
【0009】
図1Bにおいて未説明符号119は、上記バレル114内に収容されるレンズ112間の間隔を維持するスペーサであり、139はIRフィルター134を固定する接着樹脂である。
【0010】
また、上記ハウジング122に組み立てられるよう雄ねじ114a'を有するバレル114'は図2に示すように、上記バレル114'内に収容されたスペーサ119'とともに配列されたレンズ112'を固定するよう下端部に別途のキャップ116'をねじ締結方式で組み立てることもできる。
【0011】
しかし、上記と従来カメラモジュールに採用されるバレル(114、114')とハウジング122はレンズ(112、112')が内部収容されたバレル(114、114')とハウジング122がねじ結合される組立構造上別途の金型としてそれぞれ製作しなければならないので、設計時間が長くなりつつ、新製品に対する開発が遅延され、金型製作コスト及び原資材のコストが増加されカメラモジュールの価格競争力を低下させ、完製品の小型化設計に合わせてモジュールの嵩張りを小さくすることに限界があった。
【0012】
別途の金型から各々製作されたバレル(114、114')とハウジング122は互いに組み立てる過程において別途金型製作による相互形合性問題点によってねじ結合による組み立て時組立状態によって解像度の不良、チルト、緩み及び締め付けなどのような様々な問題点が引き起こされるだけでなく、上記バレル(114、114')内に組み立てられるレンズ及びスペーサの大きさが小さくて組み立てるのに所要時間が長くなり組立作業性を低下させる。
【0013】
また、上記バレル(114、114')と組み立てられたハウジング122はIRフィルター134を下部端に装着した後、イメージセンサー132を有する基板136上に搭載されたり、IRフィルター134が上部面に付着されたイメージセンサー132を有する基板136上に搭載されるのである。
【0014】
こうしたハウジング122と基板136間の組み立てが終了されれば、肉眼及びソフトウェアとして上記レンズ(112、112')とイメージセンサー132との間の焦点距離を調整して最上の焦点を合わせるフォーカシング工程と、フォーカシング工程後最上の焦点を表示するマーキング工程及び上記キャップ116の上面にUVボンドを塗布するボンディング工程及び塗布されたUVボンドを紫外線として硬化する硬化工程を連続的に経りながらフォーカシングが完了されたカメラモジュールを組み立て完成した。
【0015】
しかし、フォーカシング工程時、作業者がハウジング122にねじ結合されたバレル(114、114')を手作業で移動させ焦点を合わせることにより作業者の熟練度の差によって20〜30μmのフォーカシング偏差が生じ、マーキング工程の際、バレル内に配置されたレンズのずれによって10〜20μmのフォーカシング偏差が生じられ、ボンディング工程及び硬化工程の際にもレンズのずれが生じられることで20〜30μmのフォーカシング偏差が生じた。このような工程中引き起こされるフォーカシング偏差によって解像度不良をもたらし製品の信頼性を低下させる問題点があった。
【0016】
とりわけ、フォーカシング工程中フォーカシングミス(Focusing miss)及びフォーカシング位置のずれが生じられると、カメラモジュールの解像度が不良になり、複雑な組み立て工程によってカメラモジュールを組み立て完成する時間が長くなり作業生産性を低下させる問題点があった。
【0017】
そして、上記バレル(114、114')の雄ねじ部(114a、114a')と上記ハウジング122の雌ねじ部124aがねじ結合される組み立て構造上上記バレル(114、114')の回転によるレンズ(112、112')の移動の際、雄ねじ(114a、114')や雌ねじ部124aに残留していた異物がIRフィルター134上に落ちるようになると、イメージセンサーの結像面で感知された被写体の画像がディスプレイされる際、落下された異物がイメージセンサーのピクセルを選び分け黒色の点のように見える黒点現象を引き起こし、それによって製品信頼度が低下される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は上記のような従来の問題点を解消するために案出されたものであり、その目的はレンズが収容される部品と基板に搭載される部品を一体化して金型設計が単純になり、かつ設計時間が短縮され、金型製作コスト及び原資材のコストが節減され、モジュールの嵩張りを小さくすることができるフォーカシング無調整型カメラモジュールを提供することにある。
【0019】
また、本発明さらに他の目的は、製造工程を単純化して作業投入人力を減らし、作業生産性を向上させ、設備投資コストを節減することができるフォーカシング無調整型カメラモジュールを提供することにある。
【0020】
さらに、本発明のさらに他の目的は、センサー部に落下される異物に画像不良を防止して製品の信頼性を高めることのできるフォーカシング無調整型カメラモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を成し遂げるために本発明は、
少なくとも一つのレンズを有するレンズ群、
上記レンズ群が光軸に沿って配列される内部空間を有するバレルと、前面中央に入射孔を開口形成し上記レンズ群を光軸方向に加圧するよう上記バレルの上部に組み立てられる上部キャップを備えて基板部材の上部面に搭載されるレンズ収容部、
上記レンズを通過した光が結像される結像面を具備し、結像されたイメージを伝送するよう上記基板部材に電気的に連結されるイメージセンサー、及び
上記レンズ群とイメージセンサー間に配置される少なくとも一つのフィルター部材とを含むフォーカシング無調整型カメラモジュールを提供する。
【0022】
好ましくは、上記レンズ群は上記レンズ間の間隔を維持するように少なくとも一つのスペーサが具備される。
【0023】
好ましくは、上記バレルは上記上部キャップの下部面と対応する上部に第1結合部を具備し、上記上部キャップは上記バレルの上端と対応する下部面に上記第1結合部と結合される第1被結合部を具備し、上記第1結合部と第1被結合部は互にねじ結合され結合されるよう雌ねじ部又は雄ねじ部で具備されることがより好ましい。
【0024】
好ましくは、上記バレルは上記基板部材の上部面と対応する下部端に少なくとも一つの第1上部位置決定部を具備し、上記基板部材は上記バレルの下部端と対応する上部面に上記第1上部位置決定部と結合される第1下部位置決定部を具備し、上記第1上部位置決定部と第1下部位置決定部は互いに挿入され結合されるようピンまたはピン孔で具備されることがより好ましい。
【0025】
好ましくは、上記バレルは内部面に上記レンズ群の最終レンズがかかるように突出形成されるストッパを具備する。
【0026】
好ましくは、上記フィルター部材は上記バレルの下部端に接着剤を介して位置固定されるIRフィルターである。
【0027】
好ましくは、上記フィルター部材は上記イメージセンサーのイメージ領域に該当する上部面に付着されるIRフェイルターである。
【0028】
好ましくは、上記レンズ群の最終レンズと上記イメージセンサーの結像面間の後焦点距離は±20μm以内の誤差範囲に維持する。
【0029】
好ましくは、上記イメージセンサーは上記基板部材の上部面にワイヤボンディングされるセンサー部材である。
【0030】
好ましくは、上記イメージセンサーは上記基板部材の上部面に貫通形成されたウィンドウを通して結像面が上部露出されるよう上記基板部材の下部面にフリップチップボンディングされるセンサー部材である。
また、本発明は、
少なくとも一つのレンズを有するレンズ群、
上記レンズ群が光軸に沿って配列される内部空間を備え前面中央に入射孔を開口形成したバレルと、上記レンズ群を光軸方向に加圧するように上記バレルの下部に組み立てられる下部キャップを備えて基板部材の上部面に搭載されるレンズ収容部、
上記レンズを通過した光が結像される結像面を具備し、結像されたイメージを伝送するように上記基板部材に電気的に連結されるイメージセンサー、及び
上記レンズ群とイメージセンサーとの間に配置される少なくとも一つのフィルター部材とを含むフォーカシング無調整型カメラモジュールを提供する。
【0031】
好ましくは、上記レンズ群は上記レンズ間の間隔を維持するように少なくとも一つのスペーサが具備される。
【0032】
好ましくは、上記バレルは上記基板部材の上部面と対応する下部端に少なくとも一つの第2上部位置決定部を具備し、上記基板部材は上記バレルの下部端と対応する上部面に上記第2上部位置決定部と結合される第2下部位置決定部を具備し、上記第2上部位置決定部と第2下部位置決定部は互いに挿入され結合されるようにピンまたはピン孔から具備されることがより好ましい。
【0033】
好ましくは、上記下部キャップは上記バレルの下部からレンズ群側に加えられる外力によって上記バレルの内部面に強制的に圧入される圧入部材である。
【0034】
好ましくは、上記下部キャップは本体中央に光をイメージセンサー側に干渉なしでそのまま通過するように一定大きさの開口部が貫通形成された還状のリング部材である。
【0035】
好ましくは、上記下部キャップは本体全体が光をイメージセンサー側に屈折なしで通過させることのできる透明な円筒部材である。
【0036】
好ましくは、上記フィルター部材は上記バレルの下部端に接着剤を介して位置固定されるIRフィルターである。
【0037】
好ましくは上記フィルター部材は上記イメージセンサーのイメージ領域に該当する上部面に付着されるIRフィルターである。
【0038】
好ましくは、上記レンズ群の最終レンズと上記イメージセンサーの結像面間の焦点距離は±20μm以内の誤差範囲に維持する。
【0039】
好ましくは、上記イメージセンサーは上記基板部材の上部面にワイヤボンディングされるセンサー部材である。
【0040】
好ましくは、上記イメージセンサーは上記基板部材の上部面に貫通形成されたウィンドウを通して結像面が上部露出されるように上記基板部材の下部面にフリップチップボンディングされるセンサー部材である。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、レンズが収容される部品と基板上に搭載される部品を一体化することにより、金型設計が単純になり、かつ設計時間が短縮され、金型製作コスト用及び原資材のコストを節減することができるので、カメラモジュールの価格競争力を向上させることができ、モジュールの嵩張りを小さくすることができセット業体の多様な要求に速かに対応することができる。
【0042】
また、カメラモジュールを製造する工程を従来に比して単純であることができるので、組み立てラインに投入される作業人力を減らし、かつ設備投資コストを節減することが可能である。
【0043】
そして、従来のようにハウジングとバレルとの間のねじ結合部位で発生されフィルター部材に落下された異物に起因しディスプレイ部に表示される黒点のような画像不良を根本的に防止することができるので、製品の信頼性を向上させることが可能である。
【0044】
さらに、レンズ収容部内に収容されるレンズ及びスペーサの大きさを大きく設計することができるので、性能の良いレンズの設計が可能になりカメラモジュールの光学特性を向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、添付の図面に基づいて本発明の好ましき実施例をより詳しく説明すると、次のとおりである。
【0046】
図3A及び図3Bは本発明によるフォーカシング無調整型カメラモジュールの第1実施例を示すものであり、図3Aは分解斜視図で、図3Bは結合断面図であって、本発明のカメラモジュール1はレンズ群10、レンズ収容部20、イメージセンサー30及びフィルター部材40を含んで構成される。
【0047】
即ち、上記レンズ群10は少なくとも一つのレンズ12が光軸0に沿って配列され一定大きさの内部空間を有するレンズ収容部20に内部収容される。
【0048】
そして、上記レンズ収容部20に配列される複数個のレンズ12はレンズ12とさらに他のレンズとの間に一定大きさの間隔を維持するようスペーサ15を具備する。
【0049】
上記スペーサ15は上記レンズ群10を通過する光が光軸0に沿って干渉なしでイメージセンサー30側に照射され結像面に結像されることができるよう一定大きさの開口部が貫通形成されている。
【0050】
また、上記レンズ収容部20は上記光軸0と中心が一致する入射孔25を前面中央に備え、本体内部に上記レンズ群10のレンズ12が光軸0に沿って配列される内部空間を具備する収容部材である。
【0051】
このようなレンズ収容部20は図3A、図3Bに示すように、中空円筒形バレル21とその上部に組み立てられる円盤状の上部キャップ23とで構成される。
【0052】
上記バレル21は上記レンズ群10が配列される一定大きさの内部空間を本体内部に具備し、上記上部キャップ23の下部面と対応する上端部に上記上部キャップ23の第1被結合部23aと結合され組み立てられる第1結合部21aを有する中空円筒形の収容部材である。
【0053】
上記上部キャップ23は光軸0と直交する全面中央に入射孔25が前面中央に一定大きさで貫通形成され、上記バレル21の第1結合部21aと対応する下部面に上記第1結合部21aと結合される第1被結合部23aを具備する。
【0054】
ここで、上記第1結合部21aは上記上部キャップ23の下部面に環状の凹部を形成し、その内周面に雌ねじ部が具備された第1被結合部23aとねじ結合されるように上記バレル21の上端部に突出形成される雄ねじで構成されることも可能であるが、これに限定されるわけではなく、上記上部キャップ23の下部面に環状の凸部を形成し、その外周面に雄ねじ部が具備された第1被結合部23aとねじ結合されるように上記バレル21の上端部に陥没形成される雌ねじで構成されることも可能である。
【0055】
また、上記バレル23の内部面には上記上部キャップ23との結合時光軸方向に加圧されるレンズ群10が下部に離脱されるのを防止するよう上記レンズ群10を構成する最終レンズ12または最終スペーサ15がかかれるようにストッパ29を突出形成する。このようなストッパ29の形成位置は上記レンズ群10に具備されるレンズ12の数によって可変され得る。
【0056】
上記レンズ収容部20はパターン回路が印刷されたPCBまたはFPCBのような基板部材35の上部面に下部端がボンディング材を介して搭載されて固定される。
【0057】
そして、上記レンズ収容部20を構成するバレル21は上記基板部材35の上部面と対応する下部端に少なくとも一つの第1上部位置決定部51を具備し、上記基板部材35の上部面には上記バレル21の下部端と対応する上部面に上記第1上部位置決定部51と結合される第1下部位置決定部52を具備する。
【0058】
ここで、上記第1上部位置決定部51は上記バレル21の下部端に突出形成されるピン形で構成され、上記第1下部位置決定部52はピンが挿入されるように基板部材35の上部面に陥没されるピン孔形で具備されることも可能であるが、これに限定されるわけではなく、上記第2上部位置決定部51は上記バレル21の下部端に陥没形成されるピン孔形で具備され、上記第2下部位置決定部52はこのようなピン孔に挿入されるように上記基板部材35の上部面に突出形成されるピン状で構成されることも可能である。
【0059】
一方、上記イメージセンサー30は図3A、図3Bに示すように上記レンズ12を通過して焦点が合わせられた光が結像される結像面を上部面に具備して上記基板部材35の一端に装着され、結像されたイメージを電気信号に転換してディスプレイ部に伝送するように上記基板部材35に具備されるイメージ信号処理部と電気的に連結される。
【0060】
さらに、上記イメージセンサー30は導電性ワイヤ31を介にして基板部材35の上部面にワイヤボンディング方式で搭載されることも可能であるが、これに限定されるものではない。
【0061】
図4は、本発明によるフォーカシング無調整型カメラモジュールの第2実施例を示す結合断面図であり、示すように上記イメージセンサー30は上部面に具備される結像面を上部へ外部露出させることができるようにウィンドウ39を開口形成した基板部材35の下部面にフリップチップボンディング方式で搭載されることも可能である。
【0062】
上記イメージセンサー30が一側端に装着される基板部材35には電源印加時発光する発光原37と不図示のメイン基板と電気的に連結されるコネクタ38を具備する。
【0063】
また、上記フィルター部材40は上記レンズ群10を構成する最終後端レンズ12と上記イメージセンサー30の間に配置され上記イメージセンサー30の結像面に結像される光に含まれた紫外線をカットするように透明な素材からなるIRフィルターである。
【0064】
このようなフィルター部材40は図3A、図3Bと図4に示すように外側縁に塗布される接着剤を介して上記バレル21の下部端に接着固定されることもできるが、これに限定されるのではなく、上記イメージセンサー30のイメージ領域に該当する結像面に一体で具備されることもできる。
【0065】
図5A及び図5Bは、本発明によるフォーカシング無調整型カメラモジュールの第3実施例を示すものとして、図5Aは分解斜視図で、図5Bは結合断面図であって、本発明のカメラモジュール1はレンズ群10、レンズ収容部20'、イメージセンサー30及びフィルター部材40を含んで構成され、同部材に対しては同符号を付与し詳細な説明は省略する。
【0066】
上記レンズ収容部20'は図5A、Bに示すように、バレル21'とその下部に圧入される下部キャップ23'で構成される。
【0067】
上記バレル21'は上記レンズ群10が下部から上部に挿入されて光軸0に沿って配列される一定大きさの内部空間を有し、上記光軸0と直交する前面中央に入射孔25'が前面中央に開口形成された中空円筒部材である。
【0068】
ここで、上記バレル21'の下部端と上記基板部材35の上部面にも上記レンズ収容部20'と基板部材35との間の結合をより容易に実行できるよう第2上部位置決定部51'と第2下部位置決定部52'を少なくとも一つ各々具備する。
【0069】
このような上記第2上部位置決定部51'と第2下部位置決定部52'は互いに挿入され結合されるようピンまたはピン孔で具備される。
【0070】
そして、上記下部キャップ23'は上記バレル21'の下部から上記レンズ群10側に加えられる外力によって上記バレル21'の下部内周面に外部面が強制的に圧入されながら、光軸0に沿ってレンズ群10を入射孔25'側に加圧して固定する圧入部材である。
【0071】
このような下部キャップ23'は本体中央に上記入射孔25'、レンズ群10を通して入射される光をイメージセンサー30側に干渉なしでそのまま通過するよう本体中央に一定大きさの開口部が貫通形成された環状のリング部材で具備されることも可能であるが、本体全体が光をイメージセンサー30側に屈折なしで通過させることのできる透明な円筒部材から具備されることも可能である。
【0072】
図6は、本発明によるフォーカシング無調整型カメラモジュールの第4実施例を示す結合断面図として、示すように上記イメージセンサー30は上部面に具備される結像面を上部へ外部露出させることが可能になるようウィンドウ39を開口形成した基板部材35の下部面にフリップチップボンディング方式で搭載されることも可能である。
【0073】
一方、本発明のカメラモジュール1、1aを組み立てる工程は先ず、図3A、図3Bに示すように、上記レンズ収容部20が中空円筒形バレル21の上部に上部キャップ23がねじ方式で組み立てられると、少なくとも一つのレンズ12を有するレンズ群10は上記バレル21の開放された上部を通して内部空間に挿入され、上記バレル21の下部内部面に突出形成されたストッパ29によって下部端がかかって下部離脱なしでバレル21の内部空間に配置される。
【0074】
この際、上記レンズ群10の少なくとも2つ以上のレンズ12から構成されると、レンズ12らの間にはスペーサ15を配置してレンズ12との間の間隔を一定に維持する。
【0075】
そして、上記バレル21の下部端には接着剤を介にして上記レンズ群10を通過する光に含まれた紫外線をカットするようフィルター部材40を装着する。
【0076】
このような状態で、上記バレル21の上端部に形成された第1結合部21aである雄ねじ部と上記上部キャップ23の下部面に形成された第1被結合部23aである雌ねじ部とを互いに対応させねじ方式で締結すれば、レンズ群10の上端はストッパに接し、上記バレル21と上部キャップ23との間の絞り程度によって上記バレル21の内部空間に配列されたレンズ群10はイメージセンサー30側に加圧されながら上記バレル21内に密着固定されるのである。
【0077】
次いで、上記レンズ群10、フィルター部材40が内蔵されたバレル21は上記イメージセンサー30が搭載された基板部材35の上部面と下部端を対応させた状態で、上記バレル21の下部端に一定高さのピン形で突出形成された第1上部位置決定部51を上記基板部材35の上部面に一定深さのピン孔形で形成された第1下部位置決定部52に挿入することで上記レンズ収容部20の組み立て位置を決めるとともに上記レンズ群10、イメージセンサー30の上部面に具備される結像面の中心は同一な光軸0上に位置される。
【0078】
そして、上記レンズ収容部20は上記バレル21の下部端と上記基板部材35の上部面との間の境界面に介在される接着剤によって上記イメージセンサー30がワイヤボンディングまたはフリップチップボンディング方式で装着される基板部材35の上部面に搭載されるのである。
【0079】
一方、図5A、図5Bに示すように上記レンズ収容部20'が下部に開放されたバレル21'の下部内周面にキャップ23'を強制圧入する方式で組み立てられると、少なくても一つのレンズ12を有するレンズ群10は上記バレル21'の開放された下部を通して下部から上部へと挿入され、上記レンズ群10は上記入射孔25'が形成されたバレル21'の全面と接することで外部離脱が防止されつつ、上記バレル21'内にレンズ12が配置される。
【0080】
上記レンズ12の間にも上記と同様にレンズ12が複数個で具備される場合これらの間の間隔を維持するようスペーサ15を配置する。
【0081】
そして、上記レンズ群10が内蔵されたバレル21'は開放された下部に環状の下部キャップ23'を配置した状態で下部から上部へと外力を加え上記下部キャップ23'を上記バレル21'の内部面に強制圧入すると、上記下部キャップ23'を圧入する外力強さの程度によって上記レンズ群10は入射孔25'側に加圧されながら上記バレル21'内に密着固定される。
【0082】
次いで、上記バレル21'内に下部キャップ23'を強制圧入する作業が終了したら、上記バレル21'の下部に接着剤を介してフィルター部材40を装着し、上記レンズ群10、フィルター部材40が装着されたレンズ収容部20は上記バレル21'の第2上部位置決定部51'と上記基板部材35の第2下部位置決定部52'との間の組み立てによって上記レンズ収容部20'の組み立て位置を決めるとともにレンズ群10、イメージセンサー30の上部面に具備される結像面の中心は同一な光軸0上に位置される。
【0083】
そして、上記と同様に上記レンズ収容部20'は上記バレル21'と基板部材35の境界面との間に塗布される接着剤によって上記イメージセンサー40がワイヤボンディングまたはフリップチップボンディング方式によって装着された基板部材35の上部面に搭載されるのである。
【0084】
一方、上記レンズ収容部と基板部材間の組み立てが完了された状態で、上記レンズ群10の最終レンズ12と上記イメージセンサー30との結像面間の距離である後焦点距離(Back Focusing Length;BFL)は上記レンズ群10の焦点が上記イメージセンサー30の結像面に浮かべるようにフォーカシングする工程を省くためのフォーカシング無調整構造を有するために予め設定された距離にし、このような後焦点距離(BFL)の誤差範囲は±20μm以内になるようにすることが好ましい。
【0085】
これによって、上記レンズ収容部20がイメージセンサー30を装着した基板部材35の上部面に搭載され、上記後焦点距離(BFL)が誤差範囲内になると、上記レンズ収容部20はレンズ組み立て後レンズ群10とイメージセンサー30との間の焦点距離を調整して最上のフォーカシング位置を確認するフォーカシング工程と、確認された位置をマーキングするマーキング工程、UVボンド塗布及び硬化工程の必要なしでカメラモジュールを製造することができるのである。
【0086】
本発明は特定の実施例に係わり図示し説明したが、以下の特許請求範囲により具備される本発明の精神や分野を外れない限度内において本発明が多様に改造及び変化され得ることを当業界において通常の知識を有する者であれば容易に想到することを明かしておく。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1A】従来のカメラモジュールを示す分解斜視図である。
【図1B】従来のカメラモジュールを示す結合断面図である。
【図2】従来のカメラモジュールに具備される他の形態のバレルとキャップを示す結合断面図である。
【図3A】本発明によるフォーカシング無調整型カメラモジュールの第1実施例を示す分解斜視図である。
【図3B】本発明によるフォーカシング無調整型カメラモジュールの第1実施例を示す結合断面図である。
【図4】本発明によるフォーカシング無調整型カメラモジュールの第2実施例を示す結合断面図である。
【図5A】本発明によるフォーカシング無調整型カメラモジュールの第3実施例を示す分解斜視図である。
【図5B】本発明によるフォーカシング無調整型カメラモジュールの第3実施例を示す結合断面図である。
【図6】本発明によるフォーカシング無調整型カメラモジュールの第4実施例を示す結合断面図である。
【符号の説明】
【0088】
10 レンズ群 15 スペーサ
20 レンズ収容部 21、21' バレル
21a 第1結合部 23 上部キャップ
23' 下部キャップ 23a' 第1被結合部
25、25' 入射孔 30 イメージセンサー
35 基板部材 40 フィルター部材
51 第1上部位置決定部 52 第1下部位置決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのレンズを有するレンズ群、
上記レンズ群が光軸に沿って配列される内部空間を有するバレルと、前面中央に入射孔を開口形成し上記レンズ群を光軸方向に加圧するよう上記バレルの上部に組み立てられる上部キャップを備えて基板部材の上部面に搭載されるレンズ収容部、
上記レンズを通過した光が結像される結像面を具備し、結像されたイメージを伝送するよう上記基板部材に電気的に連結されるイメージセンサー、及び
上記レンズ群とイメージセンサーとの間に配置される少なくとも一つのフィルター部材を含むフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項2】
上記レンズ群は上記レンズ間の間隔を維持するよう少なくとも一つのスペーサが具備されることを特徴とする請求項1に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項3】
上記バレルは上記上部キャップの下部面と対応する上部に第1結合部を具備し、上記上部キャップは上記バレルの上端と対応する下部面に上記第1結合部と結合される第1被結合部を具備することを特徴とする請求項1に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項4】
上記第1結合部と第1被結合部は互いにねじ締結され結合されるように雌ねじ部又は雄ねじ部で具備されることを特徴とする請求項3に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項5】
上記バレルは上記基板部材の上部面と対応する下部端に少なくとも一つの第1上部位置決定部を具備し、上記基板部材は上記バレルの下部端と対応する上部面に上記第1上部位置決定部と結合される第1下部位置決定部を具備することを特徴とする請求項1に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項6】
上記第1上部位置決定部と第1下部位置決定部は互いに挿入され結合されるようにピンまたはピン孔で具備されることを特徴とする請求項5に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項7】
上記バレルは内部面に上記レンズ群の最終レンズがかかるように突出形成されるストッパを具備することを特徴とする請求項1に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項8】
上記フィルター部材は上記バレルの下部端に接着剤を介して位置固定されるIRフィルターであることを特徴とする請求項1に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項9】
上記フィルター部材は上記イメージセンサーのイメージ領域に該当する上部面に付着されるIRフィルターであることを特徴とする請求項1に記載にフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項10】
上記レンズ群の最終レンズと上記イメージセンサーの結像面間の後焦点距離は±20μm以内の誤差範囲に維持することを特徴とする請求項1に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項11】
上記イメージセンサーは上記基板部材の上部面にワイヤボンディングされるセンサー部材であることを特徴とする請求項1に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項12】
上記イメージセンサーは上記基板部材の上部面に貫通形成されたウィンドウを通して結像面が上部露出されるよう上記基板部材の下部面にフリップチップボンディングされるセンサー部材であることを特徴とする請求項1に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項13】
少なくとも一つのレンズを有するレンズ群、
上記レンズ群が光軸に沿って配列される内部空間を備え前面中央に入射孔を開口形成したバレルと、上記レンズ群を光軸方向に加圧するよう上記バレルの下部に組み立てられる下部キャップを備えて基板部材の上部面に搭載されるレンズ収容部、
上記レンズを通過した光が結像される結像面を具備し、結像されたイメージを伝送するよう上記基板部材に電気的に連結されるイメージセンサー、及び
上記レンズ群とイメージセンサーとの間に配置される少なくとも一つのフィルター部材を含むフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項14】
上記レンズ群は上記レンズ間の間隔を維持するよう少なくとも一つのスペーサが具備されることを特徴とする請求項13に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項15】
上記バレルは上記基板部材の上部面と対応する下部端に少なくとも一つの第2上部位置決定部を具備し、上記基板部材は上記バレルの下部端と対応する上部面に上記第2上部位置決定部と結合される第2下部位置決定部を具備することを特徴とする請求項13に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項16】
上記第2上部位置決定部と第2下部位置決定部は互いに挿入され結合されるようピンまたはピン孔で具備されることを特徴とする請求項15に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項17】
上記下部キャップは上記バレルの下部からレンズ群側に加えられる外力によって上記バレルの内部面に強制的に圧入される圧入部材であることを特徴とする請求項13に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項18】
上記下部キャップは本体中央に光をイメージセンサー側に干渉なしでそのまま通過するように一定大きさの開口部が貫通形成された環状のリング部材であることを特徴とする請求項13に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項19】
上記下部キャップは本体全体が光をイメージセンサー側に屈折なしで通過させることのできる透明な円筒部材であることを特徴とする請求項13に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項20】
上記フィルター部材は上記バレルの下部端に接着剤を介して位置固定されるIRフィルターであることを特徴とする請求項13に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項21】
上記フィルター部材は上記イメージセンサーのイメージ領域に該当する上部面に付着されるIRフィルターであることを特徴とする請求項13に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項22】
上記レンズ群の最終レンズと上記イメージセンサーの結像面間の焦点距離は±20μm以内の誤差範囲に維持することを特徴とする請求項13に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項23】
上記イメージセンサーは上記基板部材の上部面にワイヤボンディングされるセンサー部材であることを特徴とする請求項1に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。
【請求項24】
上記イメージセンサーは上記基板部材の上部面に貫通形成されたウィンドウを通して結像面が上部露出されるよう上記基板部材の下部面にフリップチップボンディングされるセンサー部材であることを特徴とする請求項13に記載のフォーカシング無調整型カメラモジュール。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−293302(P2006−293302A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378429(P2005−378429)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】