説明

フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を含有する脂質代謝性疾患の予防又は治療用組成物

本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする脂質代謝性疾患の予防又は治療用組成物に関するものである。前記フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物は脂肪酸合成を抑制し、脂肪酸酸化を促進することにより、体重増加率、肝組織又は血漿内中性脂肪及びコレステロール含量を低める活性があって、本発明のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする組成物は脂質代謝性疾患の予防及び治療に効果的に利用し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2007年10月10日付で出願された大韓民国特許出願第2007-0101968号及び2007年10月10日付で出願された大韓民国特許出願第2007-0101976号を優先権として主張し、前記明細書全体は本発明の参考文献である。
本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする脂質代謝性疾患(Lipid metabolic disorders)の予防又は治療用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
代謝性疾患(metabolic disorders)とは、肥満(obesity)、糖尿病(diabetes)、脂肪肝(fatty liver)、高脂血症(hyperlipidemia)、動脈硬化症(arteriosclerosis)、粥状硬化症(atherosclerosis)、高血圧、脳卒中及び心筋梗塞等の各種疾患を含み、特に、前記疾患が一人に同時多発的に発病する症状を言う。前記の通り、代謝性疾患を引起こす各疾患は、それぞれ異なる原因があるのではなく、根本的に糖又は脂質代謝等が円滑に成されないので発生する。
【0003】
特に、脂質代謝性疾患は脂質代謝等が円滑に成されないので発生し、特に、生体内の過度な脂質の蓄積により肥満、糖尿病、脂肪肝、高脂血症、動脈硬化症、粥状硬化症、高血圧、脳卒中及び心筋梗塞の疾患が発生するようになる。前記疾患の内、特に、高脂血症は一般的に、血液内の総コレステロール数値が高い高コレステロール血症及び中性脂肪の数値が高い高中性脂肪血症及び前記2種の数値が全て高い場合とに分類される。このような高脂血症は動脈硬化を誘発し、これを促進させ、甚だしい場合に狭心症、心筋梗塞等を引起こし得る。さらに、脂肪肝は肝解毒自体に負荷が掛り、飲酒、薬物感染等により肝が損傷された場合、回復を遅らせ、これを放置すれば炎症を引起こして脂肪性肝炎、脂肪性肝硬化、肝炎等の発病率を高め、糖尿、高血圧等を引起こし得る。
【0004】
現代人の場合、食生活において脂肪成分の過剰摂取により、前記のような脂質代謝性疾患患者が急増していることから、これを効率的に予防又は治療できる素材の開発が極めて必要な実情である。
【0005】
一方、下記化学式1の構造を有するフコキサンチン(fucoxanthin)は、主にわかめ、ほんだわら、昆布、ひじき等の海藻類に存在する物質にして、これら海藻類に褐色を呈する主要カロテノイド(carotenoid)である。前記フコキサンチンは抗癌(Das,S.K.et al.,Biochim.Biophys.Acta.,2005,1726(3):328-335)、抗癌症(Shiratori,K.et al.,Exp Eve Res.2005,81(4):422-428)、及び血管新生抑制(Sugawara.T.et al.,J.Agric.Food Chem,2006.54(26):9805-9810)活性があるとして知られている。しかしながら、前記フコキサンチンが脂質代謝性疾患の予防又は治療に効果があるとの研究結果は、未だに全く報告されていない。
【化1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここに、本発明者等は脂質代謝性疾患の治療の為研究を重ねる中、フコキサンチン又はこれを含む海藻類抽出物が、脂肪酸の合成を抑制して脂肪酸の酸化を促進することにより、中性脂肪及びコレステロール生成を抑制する活性を見出だし本発明を完成した。
従って、本発明の目的はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分とすることを特徴とする脂質代謝性疾患の予防又は治療用薬学的組成物を提供することである。
本発明の他の目的はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分とすることを特徴とする脂質代謝性疾患の予防又は改善用食品組成物を提供することである。
本発明の他の目的はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分とすることを特徴とする飼料用組成物を提供することである。
本発明の他の目的はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の脂質代謝性疾患に対する治療剤製造の為の用途を提供することである。
本発明の他の目的はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の食品組成物製造の為の用途を提供することである。
本発明の他の目的はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の飼料用組成物製造の為の用途を提供することである。
本発明の他の目的はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物をこれを必要とする個体に有効な量で投与することを特徴とする脂質代謝性疾患の予防及び治療方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような目的を達成する為に、
本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする脂質代謝性疾患の予防又は治療用薬学的組成物を提供する。
さらに、本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする脂質代謝性疾患の予防又は治療用食品組成物を提供する。
さらに、本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする飼料用組成物を提供する。
さらに、本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の脂質代謝性疾患に対する治療剤製造の為の用途を提供する。
本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の食品組成物の製造の為の用途を提供する。
本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の飼料用組成物製造の為の用途を提供する。
本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物をこれを必要とする個体に有効な量で投与することを特徴とする脂質代謝性疾患の予防及び治療方法を提供する。
【0008】
以下、本発明の内容をより詳細に説明する。
本明細書で“脂質代謝性疾患”とは、生体内脂質代謝が円滑に成されない為発生する疾患にして、特に、生体内で過度な脂質の蓄積により発生する疾患を言う。“脂質代謝性疾患”とは、好ましくは、肥満、糖尿病、脂肪肝、高脂血症、動脈硬化症、粥状硬化症、高血圧、脳卒中及び心筋梗塞からなる群より選ばれるが、これに限定されない。
本発明の脂質代謝性疾患の予防又は治療用薬学組成物は、フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
【0009】
前記フコキサンチンは下記化学式1の構造を有する。
【化2】

【0010】
さらに、前記フコキサンチンを含有する海藻類抽出物は、通常の抽出方法により得られるが、特に限定されない。好ましくは、海藻類を水、酒精、ヘキサン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、アセトン又はこれらの混合物に入れ、10℃乃至50℃で1乃至48時間抽出して収得できる。前記海藻類はフコキサンチンを含有すればこれに限定はされないものの、好ましくは、わかめ、昆布、ほんだわら及びヒジキから成る群より選ばれた一つ以上である。
【0011】
本発明の一実施例では、乾燥わかめの粉末に酒精及び水を添加して6時間抽出することにより、フコキサンチン抽出物を製造し(<実施例1>参照)、さらに、前記収得したわかめ抽出物に酒精、ヘキサン及びアセトンを添加して追加抽出することにより、高純度のフコキサンチンを製造した(<実施例2>参照)。
前記のように製造されたフコキサンチン抽出物と高脂肪食餌を共に摂取した実験群(<参照例1>参照)の場合、高脂肪食餌のみを摂取した対照群に比べて体重増加率が著しく低く示された(<実験例1>参照)。
【0012】
さらに、前記実験群から肝組織又は血漿内中性脂肪及びコレステロール含量が、対照群に比べて著しく低く示されたことが分かり、反面、前記実験群において対照群に比べて糞便内コレステロール含量及び中性脂肪含量が大きく増加し、前記フコキサンチン抽出物は、コレステロール及び中性脂質の体内吸収を阻害することが分かった(<実験例2>参照)。
【0013】
さらに、フコキサンチン抽出物が脂肪酸合成を抑制する活性があるか否かを確認する為に、フコキサンチン抽出物を摂取した実験群において、脂肪酸合成に関与する酵素等である脂肪酸合成酵素(fatty acid synthase、以下“FAS”と称す)、グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(glucose-6-phosphate dehydrogenase、以下“G6PD”と称す)及びリンゴ酸酵素(malic enzyme、以下“ME”と称す)の活性度変化を測定した。その結果、脂肪組織又は肝組織内FAS,ME及びG6PD活性度は高脂肪食餌群の対照群に比べてフコキサンチン抽出物を摂取した実験群において減少する傾向を示し、フコキサンチン抽出物が脂肪組織又は肝組織内脂肪酸合成に関与する酵素の活性を抑制することが分った(<実験例3>参照)。
【0014】
さらに、フコキサンチン抽出物が中性脂肪合成を抑制する活性があるか否かを確認する為に、フコキサンチン抽出物を摂取した実験群において、脂肪酸分子と1,3-ジグリセリード(1,3-diglyceride)をホスフアチジン酸(phosphatidic acid)経路を介して中性脂肪に転換させるPAP(phosphatidate phosphohydrolase)酵素の活性度変化を測定した。その結果、フコキサンチン抽出物を摂取した実験群の場合、PAP活性度が減少する傾向を示し、フコキサンチン抽出物が中性脂肪合成に関与する酵素の活性を抑制することが分った(<実験例4>参照)。
【0015】
さらに、フコキサンチン抽出物が脂肪酸酸化を促進する活性があるか否かを確認する為に、脂肪酸酸化過程に関与する酵素のCPT(carnitine palmitoryltransferase)及びβ-酸化(oxidation)活性度変化を測定した。その結果、フコキサンチン抽出物を摂取した実験群の場合、高脂肪食餌のみを摂取した対照群に比べてCPT活性及びβ-酸化が著しく増加してフコキサンチン抽出物が脂肪酸酸化に関与する酵素の活性を促進することが分った(<実験例5>参照)。
【0016】
さらに、フコキサンチン抽出物の脂肪酸合成及び酸化酵素のmRNA発現にどのような影響を及ぼすのかの可否を脂肪組織及び肝組織でそれぞれ確認した。その結果、フコキサンチン抽出物を摂取した実験群の場合、脂肪組織内で脂肪酸酸化に関与する酵素であるCPT及びβ-酸化のmRNA発現は高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて著しく増加した反面、脂肪酸合成に関与する酵素であるFAS,ME及びG6PD及びmRNA発現は対照群に比べて著しく減少することが分かった(<実験例6>参照)。さらに、フコキサンチン抽出物を摂取した実験群の場合、肝組織内で脂肪酸化に関与する酵素であるPPARα(peroxisome proliferator-activated receptor α)及び中性脂肪を加水分解する酵素であるLPL(lipoprotein lipase)のmRNA発現は高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて著しく増加した反面、脂肪酸化に関与する酵素であるMEのmRNA発現は対照群に比べて著しく減少することが分かった(<実験例6−2>参照)。
【0017】
前記結果を総合すれば、フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物は脂肪酸合成に関与する酵素のmRNA発現を減少させ、脂肪酸合成を抑制して脂肪酸酸化に関与する酵素のmRNA発現を誘導して、脂肪酸酸化を促進することにより、高脂肪食餌を摂取したにも拘らず体重増加率、肝組織又は血漿内中性脂肪及びコレステロール含量を低める活性があることを分った。
従って、フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物は、脂質代謝性疾患の予防又は治療用薬学組成物の有効な成分として効果的に利用できる。
前記脂質代謝性疾患は、これに限定されないものの、好ましくは、肥満、糖尿病、脂肪肝、高脂血症、動脈硬化症、粥状硬化症、高血圧、脳卒中及び心筋梗塞からなる群より選ばれたものであることを特徴とする。
【0018】
本発明に伴う薬学組成物はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を単独で含有するか、又は一つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含有し得る。
薬学的に許容される担体は、例えば、経口投与用担体又は非経口投与用担体を含有し得る。経口投与用担体はラクトース、澱粉、セルロース誘導体、マグネシウムステアレート、ステアリン酸等を含み得る。さらに、非経口投与用担体は水、適当なオイル、食塩水、水性グルコース及びグリコール等を含み得、さらに安定化剤及び保存剤を含み得る。適当な安定化剤には、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸のような抗酸化剤がある。適当な保存剤にはベンズアルコニウムクロライド、メチル−又はプロピル−パラベン及びクロロブタノールがある。その他の薬学的に許容される担体は、下記の文献に記載されている(Remington's Pharmaceutical Sciences,19th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA,1995)。
【0019】
本発明の薬学組成物は人間を始めて哺乳動物にどのような方法でも投与し得る。例えば、経口又は非経口的に投与し得る。非経口的な投与方法はこれに限定されないものの、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、隔膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻孔内、腸管、局所、舌下又は直腸内投与でもよい。
【0020】
本発明の薬学組成物は、上述したような投与経路により経口投与用又は非経口投与用製剤に製剤化し得る。経口投与用製剤の場合、本発明の組成物は粉末、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリ剤、懸濁剤等で当業界に公知の方法を利用して剤形化できる。例えば、経口用製剤は活性成分を固体賦形剤と配合した後、これを粉砕して好適な補助剤を添加した後、顆粒混合物に加工することにより、錠剤又は糖衣錠剤が得られる。好適な賦形剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール及びマルチトール等の糖類、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉及び馬鈴薯澱粉等の澱粉類、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等の充填剤が含まれ得る。さらに、場合により架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はナトリウムアルキネート等を崩解剤として添加し得る。さらに、本発明の薬学的組成物は抗凝縮剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤及び防腐剤等を追加して含め得る。非経口投与用製剤の場合には、注射剤、クリーム剤、ローション剤、外用軟膏剤、オイル剤、保湿剤、ゲル剤、エアローゾル及び鼻孔吸込み剤の形態で当業界に公知の方法で剤形化し得る。これら剤形は公知の処方書の文献(Remington's Pharmaceutical Sciences,15th Edition,1975.Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvania 18042,Chapter 87:Blaug,Seymour)に記載されている。
【0021】
本発明のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の総有効量は単一投与量で患者に投与することができ、多重投与量(multiple dose)で長期間投与される分割治療方法(fractionated treatment protocol)により投与し得る。本発明の薬学組成物は疾患の程度によって有効成分の含量を異にすることができる。非経口投与時にはフコキサンチン含有量を基準に1日に体重1kg当り好ましくは、0.01乃至50mg、さらに好ましくは、0.1乃至30mgの量で投与できるようにし、さらに、経口投与時にはフコキサンチン含有量を基準に1日に体重1kg当り、好ましくは、0.01乃至100mg、さらに、好ましくは、0.1乃至50mgの量で投与できるように、1乃至数回に分けて投与できる。しかしながら、前記フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の容量は、薬学的組成物の投与経路及び治療回数のみならず、患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食餌及び排泄率等多様な要因等を考慮して患者に対する有効投与量が決定されるものである。このような点を考慮し、当分野の通常的な知識を有する者であれば、前記フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を脂質代謝性疾患の予防又は治療剤として上記特定の用途に伴う適切な有効投与量を決定し得るであろう。本発明に伴う薬学組成物は本発明の効果を呈する限り、その剤形、投与経路及び投与方法は特に限定されない。
【0022】
一方、本発明の脂質代謝性疾患の予防又は改善用食品組成物はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
前記フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物及びこれらの活性に対しては前記記述した通りである。
【0023】
本発明の食品組成物は機能性食品(functional food)、栄養補助剤(nutritional supplement)、健康食品(health food)及び食品添加剤(food additives)等の全ての形態を含む。
前記類型の食品組成物は当業界に公知の通常の方法により、多様な形態で製造し得る。これに限定はされないものの、例えば、健康食品としては、フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物そのものをお茶、ジュース及びドリンクの形態で製造して飲用できるように液状化、顆粒化、カプセル化及び粉末化して摂取し得る。さらに、フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物と、脂質代謝性疾患の改善及び予防効果があるとして知られた公知の活性成分とを混合して組成物の形態に製造し得る。さらに、機能性食品は、これに限定されないものの、飲料(アルコール性飲料を含む)、果実及びその加工食品(例:果実缶詰、瓶詰、ジャム、ママレード等)、魚類、肉類及びその加工食品(例:ハム、ソーセージ、コーンビーフ等)、パン類及び麺類(例:うどん、ソバ、ラーメン、スパゲッティ、マカロニ等)、果汁、各種ドリンク、クッキー、飴、乳製品(バター、チーズ等)、食用植物油脂、マーガリン、植物性蛋白質、レトルト食品、冷凍食品、各種調味料(例:味噌、醤油、ソース等)にフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を添加して製造し得る。さらに、フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を食品添加剤の形態で使用する為には、粉末又は濃縮液形態で製造して使用し得る。
【0024】
本発明の食品組成物のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の好ましい含有量としてはこれに限定されないものの、好ましくは、最終的に製造された食品の0.01乃至50重量%である。さらに好ましくは、本発明のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有する食品組成物は、特に、脂質代謝性疾患に効果があるとして知られた活性成分とを混合して健康食品の形態で製造し得る。
本発明の飼料組成物はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を含有することを特徴とする。
【0025】
前記本発明の飼料組成物は発酵飼料、配合飼料、ペレット形態及びサイレージ(silage)等の形態で製造でき得る。前記発酵飼料はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物と種々の微生物菌又は酵素等を添加することにより、有機物を発酵させて製造することができ、前記配合飼料は多様な種類の一般飼料とフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を混合して製造し得る。ペレット形態の飼料は前記発酵飼料又は配合飼料をペレット機で剤形化して製造することができ、サイレージは青刈飼料をフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を混合して通常の方法で発酵させることにより製造し得る。
一方、本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の脂質代謝性疾患に対する治療剤製造の為の用途を提供する。
【0026】
前記フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物は、具体的に前記記述した通り、脂肪酸合成を抑制して脂肪酸酸化を促進することにより、体重増加率、肝組織又は血漿内中性脂肪及びコレステロール含量を低める活性があって、脂質代謝性疾患に対する治療剤製造に効果的に利用できる。
さらに、本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の食品組成物製造の為の用途を提供する。
【0027】
前記フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物は、前記記述した通りの活性があって脂質代謝性疾患の予防又は改善の為の食品組成物製造に効果的に利用し得る。
さらに、本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の飼料組成物製造の為の用途を提供する。
【0028】
前記フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物は、発酵飼料、配合飼料、ペレット形態及びサイレージ等の多様な形態の飼料用組成物製造に効果的に利用し得る。
さらに、他の面において本発明はフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物をこれを必要とする個体に有効な量で投与することを特徴とする脂質代謝性疾患の予防及び治療方法を提供する。
【0029】
前記“必要とする個体”とは、脂質代謝性疾患の治療又は予防が必要な哺乳動物を言い、好ましくは、人間を言う。
さらに、前記“有効な量”とは、前記個体内で脂質代謝性疾患を治療又は予防する効果を示す量を言う。
さらに、前記フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を、これを必要とする個体に、有効な量で投与する為の投与方法及び投与量は具体的に前記記述した通りである。
さらに、前記フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物は具体的に、前記記述した通り脂肪酸合成を抑制して、脂肪酸酸化を促進することにより、体重増加率、肝組織又は血漿内中性脂肪及びコレステロールの含量を低める活性があり、脂質代謝性疾患の予防又は治療に効果的に使用し得る。
【発明の効果】
【0030】
フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物は脂肪酸合成を抑制し、脂肪酸酸化を促進することにより、体重増加率、肝組織又は血漿内中性脂肪及びコレステロールの含量を低める活性があり、本発明のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする組成物は、脂質代謝性疾患の予防又は治療に効果的に利用し得る。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、実施例及び実験例を介して本発明を詳細に説明する。しかしながら、次の実施例及び実験例は本発明を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0032】
<実施例1>
フコキサンチン抽出物の製造
乾燥わかめ粉末45kgに酒精240l、水40lを添加し、25℃の1トン濃縮タンク(第一機工(株)、モデル名:J003)で6時間抽出した後、得られた抽出物を膜孔の大きさ0.4μm、径300mmx300mmのパッドを12枚装着したフィルタープレスで圧搾して乾燥わかめの滓を除去した。フィルタープレスから回収した抽出液を温度25℃及び圧力740mmHgの濃縮タンクで3時間20lまで減圧濃縮後、これを再度温度60℃圧力50mmHgの真空濃縮機で8時間濃縮した。最終濃縮液を-40℃の温度に維持される凍結乾燥機で48時間凍結乾燥して、目的とするフコキサンチン抽出物を製造した。前記の通り製造されたフコキサンチン抽出物の熱量及び一般組成は下記表1の通りである。
【0033】
【表1】

【0034】
前記の過程を経て製造されたフコキサンチン抽出物のフコキサンチン濃度を決定する為にHPLC方法を利用した。分析カラムはSymmetry C18(4.6X250mm,Waters,Ireland)カラムを利用し、フコキサンチンはUV(Ultraviolet)を利用して450mm波長で検出した。カラムの移動相(Mobile phase)はヘキサンとアセトンを1:9(v/v)で混合したものを使用し、分当たり0.5mLの流出速度で約15分間溶出した。この際、標準物質としてCaroteNature(Switzwrland)社の94%フコキサンチンを基準にして面積比率で試料の含量を測定し、前記フコキサンチン抽出物に含有されたフコキサンチン濃度は3.5重量%であった。
【0035】
<実施例2>
高純度フコキサンチンの製造
高純度フコキサンチンを製造する為に、前記<実施例1>で得られたフコキサンチン抽出物をワットマン濾過紙第2番の上に乗せ、ヘキサンを抽出物の約2倍の嵩に注ぎ振動を掛けて濾過させる過程を2回繰返して高脂溶性物質等を除去した。この過程を介して純度約50%のフコキサンチン含有試料7.5gを得た。前記フコキサンチン含有試料を50mlのアセトンに溶解させ、この溶液を2,000mlのシリカゲルカラム(レジン:Merck Kieselgel 66;70-230 mesh,内径7.5cmx長さ60cm)に時間当り約2,000mlの流速で注入してフコキサンチン成分がシリカゲルに吸着するようにした。試料の吸着完了後にカラムにヘキサンとアセトンの比率が8:2(v/v)の溶媒約2,000mlを注入して吸着されていない不純物を除去し、カラムにヘキサンとアセトンを6:4(v/v)の比率で混合した溶出液を流してシリカゲルに吸着した成分を溶出させた。以降、前記の約2,000ml溶出液を蒸発管の内部温度40℃以下で真空濃縮機を利用して濃縮液の嵩が約10mlになるまで真空濃縮し、この濃縮液に3次蒸留水約10mlを添加して-20℃で約4時間放置し、赤色の沈殿物を得た。前記の沈殿物をワットマン濾過紙第2番を利用して濾過することにより、回収した後、40℃の真空乾燥機で約12時間乾燥させ、乾燥物3.6gを得た。この時収得された高純度のフコキサンチン試料に含有されたフコキサンチンの純度は97.5%であった。
【0036】
<参照例1>
実験動物管理及び実験式の組成
(株)オリエント社を介して体重14gの4週令の雄C57BL/6N/CriBriマウス70匹を購入し、温度24℃、相対湿度55%に維持させた動物飼育室で午前8時から午後8時まで照明を維持し、個々のケージで飼育した。以降、1週間ペレット型の食餌を提供して適応させた体重18.5乃至18.7gの5週令次マウスを乱塊法(randomized block design)で7個群に分けてそれぞれ下記の通り相異した実験食餌を提供した。
実験食餌は、Teklad(Madison,Wl,USA)社のAIN-76半合成食餌(semisynthetic diet)を“正常食餌群”に、正常食餌にトウモロコシ油とラード(lard)をそれぞれ10%ずつ含めたものを“高脂肪食餌群”に、前記高脂肪誘導食餌にフコキサンチン含量が0.05%になるように<実施例1>のフコキサンチン抽出物を添加したものを“実験群I”に、前記の高脂肪誘導食餌にフコキサンチン含量が0.2%になるように<実施例1>のフコキサンチン抽出物を添加したものを“実験群II”に、前記高脂肪誘導食餌にフコキサンチン含量が0.05%になるように<実施例2>の高純度フコキサンチンを添加したものを“実験群III”に、前記の高脂肪誘導食餌にフコキサンチン含量が0.2%になるように<実施例2>の高純度フコキサンチン抽出物を添加したものを“実験群IV”に分類した。前記6種の食餌(正常食餌群、高脂肪食餌群、実験群I、II、III及びIV)等を実験動物に6週間供給した。食餌摂取量は毎日測定して記録し、体重は毎週測定した。各実験食餌の組成は下記表2の通りである。
【0037】
【表2】

【0038】
<実験例1>
高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物の体重増加抑制効果
本実験例では前記<実施例1>又は<実施例2>の高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群が高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて体重増加が抑制されたか否かを確認した。実験食餌後6週間、週別体重を測定し、各群間の平均差に対する有意性検証は一方アノバ(one-way ANOVA)統計方法で実施し、他群間の検証はダンカン多重範囲テスト(Duncan's multiple range test)により、P<0.05水準で事後検証を実施し、その結果は、平均±標準偏差で表示して下記表3に記載した。
【0039】
【表3】

【0040】
前記表3に記載された通り、高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した全ての実験群において、高脂肪食餌のみを摂取した対照群に比べて体重増加率が低く示された。従って、フコキサンチン抽出物が体重増加を効果的に抑制することができて、代謝性疾患の一つである肥満の予防及び治療用組成物として効果的に利用し得るものとして思慮された。
【0041】
<実験例2>
高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物の中性脂肪及びコレステロール生成抑制効果
<2−1>肝組織内中性脂肪及びコレステロール含量変化
前記<参照例1>の6週間実験食餌を摂取した実験動物から肝を摘出し、これをPBS(phosphate buffered saline)溶液に複数回濯いで水気を除去して秤量した。肝組織0.2gをクロロホルム:メタノール(2:1)溶液3mlに均質化して脂質を抽出した後、同量の抽出溶媒で追加してさらに3回抽出した。抽出液を第2番ワットマン濾過紙で濾過させ、窒素ガスで乾燥させた後、同一な抽出溶媒1mlに再度溶解させ、この内100μlのみを再度窒素ガスで完全に乾燥させた。以降、5mlのエタノールを添加してコレステロールと中性脂肪を定量した。
【0042】
具体的に、先ず、コレステロールの定量は酵素法を利用した測定用試液(アサンキット、韓国)を使用して発色法の原理を応用して測定した。コレステロールはコレステリルエステル(cholesterylester,CE)及び遊離コレステロールの2種の形態で存在することにより、これら全てを定量する為にコレステロールエステラーゼ(cholesterol esterase)を利用してコレステリルエステルを脂肪酸と遊離コレステロールに転換させた。このように転換された遊離コレステロールをコレステロールオキシターゼで処理して、Δ4−コレステノン(Δ4−cholestenon)に転換させ、この際発生した過酸化水素をペルオキシダーゼ(peroxidase)、フェノール(phenol)及び4−アミノーアンチプトリン(4−amino-antiptrine)と混合して、赤色に発色させ、500nmで吸光度を測定し、これをコレステロール標準溶液(300mg/dL)と比較することにより定量してその結果を下記表4に記載した。
【0043】
一方、中性脂肪の定量は酵素法を利用した測定用試液(アサンキット、韓国)を使用して発色法の原理を応用することにより測定した。中性脂肪をリパーゼ(lipase)で処理してグリセリンと脂肪酸に分解させ、ATPとグリセロールキナーゼ(glycerol kinase, GK)を添加してL-α-ホスホグリセロール(L-α-phosphoglycerol)に転換させた。転換されたL-α-ホスホグリセロールに酸素(O2)及びグリセロホスホオキシダーゼ(glycerosphopo oxidase)を添加して反応させ過酸化水素を発生させて、発生した過酸化水素をペルオキシダーゼと4−アミノーアンチプトリンと混合して赤色に発色させ、550nmで吸光度を測定し、これをグリセロール標準溶液(300mg/dL)と比較することにより定量してその結果を下記表4に記載した。
【0044】
【表4】

【0045】
前記表4に記載された通り、高脂肪食餌を摂取した対照群の場合、正常食餌群に比較すると、肝組織内中性脂肪及びコレステロール含量が有意に高まった。しかしながら、高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群では、肝組織内中性脂肪及びコレステロール含量が正常食餌群と類似した水準で有意に減少することが分かった。従って、前記高純度フコキサンチン又はフコキサンチン抽出物は肝組織内中性脂肪及びコレステロール含量を減少させることにより、脂質代謝性疾患、特に、脂肪肝の予防及び治療用組成物として効果的に利用し得るものと思慮された。
【0046】
<2−2>:血漿内中性脂肪及びコレステロール含量変化
前記<参照例1>の6週間の実験食餌を摂取した実験動物を12時間絶食させ、エーテル吸込みを介して1次麻酔し、ケタミン(ketamone)-HCl(柳韓洋行)麻酔剤で筋肉注射して2次麻酔させた。以降、下大静脈から血液を採取してヘパリンが処理された試験管に直ぐに収集した後3,000rpmで15分間遠心分離して血漿を分離した。分離された血漿を-70℃に保管し、血漿内総コレステロール及び中性脂肪の含量を前記<実験例2-1>と同一な方法で定量してその結果を表5に記載した。
【0047】
【表5】

【0048】
前記表5に記載された通り、高脂肪食餌を摂取した対照群の場合、正常食餌群に比較すると、血漿内中性脂肪及びコレステロール含量が有意に高まった。しかしながら、高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群では、血漿内中性脂肪及びコレステロール含量が正常食餌群と類似した水準で有意に減少することが分かった。従って、前記高純度フコキサンチン又はフコキサンチン抽出物は、血漿内中性脂肪及びコレステロール含量を減少させることにより、脂質代謝性疾患、特に、高脂血症の予防及び治療用組成物として効果的に利用し得るものと思慮された。
【0049】
<2−3>糞便内コレステロール含量変化
前記<参照例1>6週間の実験食餌を摂取した実験動物の糞便を採取して排泄量及び糞便内コレステロール含量を測定し、その結果を表6に記載した。
【0050】
【表6】

【0051】
前記表6に記載された通り、高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群の場合、高脂肪食餌群である対照群に比べて糞便内コレステロール含量が有意に増加することが分った。従って、前記高純度フコキサンチン又はフコキサンチン抽出物はコレステロールの体内吸収を阻害することにより、脂質代謝性疾患の予防及び治療に極めて効果的に利用できることが分った。
【0052】
<実験例3>
フコキサンチン抽出物の脂肪酸合成抑制効果
<3−1>脂肪組織内脂肪酸合成抑制効果
前記<実験例2−2>で麻酔された実験動物の脂肪組織0.5gを0.1Mトリエタノールアミン(thriethanolamine)、0.02M EDTA(ethylenediamine tetracetate, pH7.4)及び0.002Mジチオトレイトール(dithiothreitol,DTT)が含まれた緩衝溶液で粉砕(Glascol,099CK44,USA)した後、10,000×gで15分間遠心分離して収得した上層液を再度12,000×gで15分間遠心分離した。前記遠心分離後、収得した上層液を再度100,000×gで1時間高速遠心分離(Beckman,Optima TLX-120,米国)して脂肪酸合成に関与する酵素等である脂肪酸合成酵素(fatty acid synthase,以下“FAS”と称す)グルコース−6−ホスフエートデヒドロゲナーゼ(glucose-6-phosphate dehydrogenase,以下“G6PD”と称す)及びリンゴ酸酵素(malic enzyme,以下“ME”と称す)活性度変化を測定した。
具体的にFAS活性度は500μM緩衝溶液(potassium phosphate buffer,pH7.0)、33nMアセチル−CoA(acetyl-CoA)、100nM NADPH,1μMβ−マカプトエタノール(β-mercaptoethanol)及び細胞質分画を混ぜて30℃で10分間反応させ、吸光度減少量を測定して計算し、この際、FAS活性度単位は前記条件で細胞内蛋白質1mg当り1分間酸化されたNADPHのnmolとして表した。
【0053】
さらに、前記G6PD酵素は脂肪酸合成過程で必要とする還元力を供給する酵素にして、つまり、NADHでNADPHに転換させる酵素として脂肪酸合成に関与する酵素の一つである。前記G6PD活性度はNADP+がG6PDによりNADPHに還元される程度を340nmで測定した。具体的に3.3mM塩化マグネシウム(MgCl2)を含有する55mMトリス-HCl(Tris-HCl,pH7.8)900μlに6mM NADP+40μl,0.1Mグルコース−6−ホスフエート(glucose-6-phosphate)40μl及びG6PD20μlを順に添加後、340nm(25℃)で90秒間NADPHの吸光度変化を測定した。この際、G6PD活性度単位は前記条件で細胞内蛋白質1mg当り1分間生成されたNADPHのnmolとして表した。
さらに、前記ME酵素は脂肪酸合成過程で必要とする還元力を供給する酵素にして、つまり、NADHでNADPHに転換させる酵素として脂肪酸合成に関与する酵素の一つである。前記ME活性度は0.4Mトリエタノールアミン(pH7.4)、30mMリンゴ酸(malic acid)、0.12M塩化マグネシウム、3.4mMNADPを含有した反応液1mlに酵素液を添加して27℃で2分間反応させ、340nmで吸光度を測定することにより計算した。この際、ME活性度単位は前記条件で1分間生成されたNADPH量で表した。
前記方法を介して脂肪組織内脂肪酸合成関連酵素等の活性度を測定してその結果を表7に表した。
【0054】
【表7】

【0055】
前記表7に記載された通り、脂肪組織内FAS,ME及びG6PD活性度は高脂肪食餌群である対照群に比べて、フコキサンチン抽出物を摂取した実験群で全て有意に減少することが分った。高純度フコキサンチンを摂取した実験群においてFAS活性度の場合、減少する傾向を呈し、MEとG6PD活性度は有意に減少することが分った。従って、高純度フコキサンチン又はフコキサンチン抽出物が脂肪組織内脂肪酸活性に関与する酵素の活性を抑制することにより、脂質代謝性疾患の予防及び治療に極めて効果的に利用し得ることが分った。
【0056】
<3−2>肝組織内脂肪酸合成抑制効果
前記<実験例2−2>で麻酔された実験動物の肝組織0.5gを前記<実施例3−1>と同一な方法で処理し、FAS,ME及びG6PD活性度変化を測定してその結果を下記表8に記載した。
【0057】
【表8】

【0058】
前記表8に記載された通り、脂肪組織内FAS活性度は高脂肪食餌群である対照群に比べて、高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群において全て減少する傾向を呈し、脂肪組織内ME及びG6PD活性度は高脂肪食餌群である対照群に比べて高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群において、有意に減少することが分った。従って、高純度フコキサンチン又はフコキサンチン抽出物が肝組織内脂肪酸合成に関与する酵素の活性を抑制することにより、脂質代謝性疾患の予防及び治療に極めて効果的に利用し得ることが分った。
【0059】
<実験例4>
高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物の中性脂肪合成抑制効果
肝組織で中性脂肪合成を触媒する酵素にして、脂肪酸分子と1,3-ジグリセリド(1,3-diglyceride)をホスファチジン酸(phosphatidic acid)経路を介して中性脂肪に変換させるPAP(phosphatidate phosphohydrolase)酵素の活性を下記の通り測定した。
具体的にPAP活性測定は、0.05Mトリス(Tris)-HCl(pH7.0)、1.25mM EDTA、1.0mM塩化マグネシウム(MgCl2)の反応液50μlに、0.9%NaCl溶液に1mMホスファチジン塩酸(phosphatidate)及びホスファチジルコリン(phosphatidylcholine)を溶解させた基質50μlを添加し、0.1mlの前記酵素を添加して37℃で15分間反応後、1.8M硫酸(H2SO4)0.1mlを添加して反応を停止させた。以降、1.25%アスコルビン酸(ascorbic acid)、0.32%アンモニウムモリブデン酸(ammonium molybdate)をそれぞれ0.25ml,0.13%ソジウムドデシルスルフェート(sodium dodecyl sulfate)を0.1ml添加して、45℃で20分間熱処理し、820nmで吸光度を測定してその結果を下記表9に記載した。
【0060】
【表9】

【0061】
前記表9に示した通り、高脂肪食餌を摂取した対照群の場合、正常食餌群と比較すれば肝組織内PAP活性度が高くなった。しかしながら、高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群の場合、肝組織内PAP活性度が減少する傾向を呈した。従って、高純度フコキサンチン又はフコキサンチン抽出物が中性脂肪合成に関与する酵素の活性を抑制することにより、脂質代謝性疾患の予防及び治療に極めて効果的に利用し得ることが分った。
【0062】
<実験例5>
高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物の脂肪酸酸化促進効果
<5−1>CPT(carnitine palmitoyltransferase)酵素活性変化
CTPは脂肪酸酸化過程に関与する酵素であって、脂肪酸酸化度を測定する為の指標に使用し得る。前記CPT活性度はDTNB(5,5-dithiobis-(2-nitrobenzoic acid))を使用してパルミトイル-CoA(palmitoyl-CoA)から生成されるCoASHを測定することにより計算した。具体的に116mMトリス-HCl(pH8.0),1.1mM EDTA、2.50mM L-カルニチン(L-carnitine),0.5mMDTNB,75mMパルミトイル-CoA,0.2%トリトンX-100(Triton x-100)反応液にミトコンドリア分画50μlを添加して反応を開始した後、25℃,412nmで2時間吸光度変化を測定した。前記測定後その結果を下記表10に記載した。
【0063】
【表10】

【0064】
前記表10に記載した通り、高脂肪食餌を摂取した対照群の場合、正常食餌群と比較すればCPT活性度が低くなったものの、高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群の場合、全てCPT活性が増加する傾向を呈した。従って、高純度フコキサンチン又はフコキサンチン抽出物が脂肪酸酸化に関与する酵素の活性を促進させることにより、脂質代謝性疾患の予防及び治療に極めて効果的に利用し得ることが分った。
【0065】
<5−2>β−酸化(oxidation)活性変化
パルミトイル-CoAを基質にしてNADがNADHに還元される程度を測定し、ミトコンドリアのβ−酸化活性を測定した。具体的に50mMトリス−HCl(pH8.0),20mM NAD,0.33M DTT,1.5% BSA(1.5g/100ml)、2%トリトンX-100(2g/100ml)、10mM CoA,1mM FAD,100mM KCN、5mMパルミトイル-CoA反応液にミトコンドリア分画10μlを添加して反応開始後37℃、340nmで5分間吸光度変化を測定した。この時、β−酸化の活性度単位はミトコンドリア内蛋白質1mg当り1分間生成されたNADHのnmolで表し、その結果を表11に記載した。
【0066】
【表11】

【0067】
前記表11に記載した通り、高脂肪食餌を摂取した対照群の場合、正常食餌群と比較すれば、脂肪酸酸化システムであるβ−酸化の活性が低かったものの、高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群の場合、全てβ−酸化の活性が増加する傾向を呈した。従って、高純度フコキサンチン又はフコキサンチン抽出物がβ−酸化の活性を促進させることにより、脂質代謝性疾患の予防及び治療に極めて効果的に利用し得ることが分かった。
【0068】
<実施例6>
高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物の脂肪酸合成及び酸化酵素のmRNA発現に及ぼす効果
<6−1>脂肪組織内脂肪酸合成及び酸化酵素のmRNA発現変化
白色脂肪組織0.5gにトリゾル(TRIZOL)5mlを添加して液体窒素内で乳鉢を利用して粉砕し、1mlクロロホルム(chloroform)を添加して15〜30秒間混合し、氷に5分間放置した後、12,000xg,4℃で15分間遠心分離した。前記遠心分離後水溶液層(aqueous phase)を分離して2.5mlイソプロパノール(isopropanol)を添加し、室温で15分間放置後、12,000xg,4℃で5分間再度遠心分離し、75%エタノールを全て除去した後、DEPC-H2Oに溶解させて-70℃に保管した。分離したRNAは希釈後UV分光光度計で260nmで吸光度を測定して定量し、アガロスゲル(agarose gel)に電気泳動してRNA状態を確認した。
【0069】
前記分離したRNAを利用して逆転写反応を行うことにより、first stand cDNAを合成した。具体的に前記分離したRNA5μgに1μlの500μg/μlオリゴ(dT)15(Invitrogen),1μlの10mM dNTPを添加して蒸留水を追加した。前記溶液を65℃で5分間加熱後、氷で冷却させて4μlの5xバッファ(250mM Tris-HCl,pH8.3,375mM KCl,15mM MgCl2),2μlの0.1M DTTを再度添加して42℃で2分間加熱後、1μl(200unit)の逆転写酵素(reverse transcriptase)を添加して42℃で50分間反応させた後、70℃で15分間加熱して逆転写酵素を不活性化させ、反応を停止させて3倍嵩の滅菌蒸留水に希釈して-70℃で保管した。
【0070】
前記方法により製造されたcDNAを10倍に希釈して使用し、各遺伝子(CPT,β-oxidation,FAS,ME及びG6PD)の発現を分析し得る各プライマーは(株)ゼノテック(大田、大韓民国)で合成した。反応液の組成は2xSYBR master mix 10.0μl、鋳型4μl、前記プライマーは最終400nMになるように添加して蒸留水で最終嵩を20μlになるようにした。反応条件は50℃で2分、95℃で10分、さらに、95℃で10秒と60℃で1分を1回として40回繰返して反応させた。この時、各回毎に蛍光信号をモニタリングして表れるthreshold cycle(Cr)を分析してそれぞれの実験群間のmRNAを定量分析(Applied biosystems社、SDS7000)した(Livak,2001)。この際、internal transcription markerにはGAPDHを使用してその結果を下記表12に記載した。
【0071】
【表12】

【0072】
前記表12に記載した通り、脂肪酸酸化過程の速度調節段階酸化酵素であるCPTのmRNA発現は、高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群で増加する傾向を示した。さらに、脂肪組織のβ−酸化mRNA発現は、高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群において有意的に増加した。
一方、脂肪酸合成酵素であるFASのmRNA発現は高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群において減少する傾向を示した。さらに、MEのmRNA発現は高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群において有意的に減少する傾向を示した。さらに、G6PDのmRNA発現は高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群において減少する傾向を示した。
前記実験結果を介して、高純度フコキサンチン又はフコキサンチン抽出物は脂肪酸酸化を促進する反面、脂肪酸合成は抑制することにより、脂質代謝性疾患の予防及び治療に極めて効果的に利用し得ることが分った。
【0073】
<6−2>肝組織内脂肪酸合成及び酸化酵素のmRNA発現変化
肝組織で前記<実験例6−1>の通り、RNAを分離してこれよりcDNAを合成してReal-Time PCRを行うことにより、PPARα(Peroxisome proliferator-activated receptor α)、LPL(lipoprotein lipase)及びME(malic enzyme)のRNA発現程度を分析してその結果を下記表13に記載した。
【0074】
【表13】

【0075】
前記表13に記載した通り、脂肪酸酸化に関与するPPARαの場合、高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群においてPPARα mRNAの発現が増加する傾向を示した。さらに、中性脂肪を加水分解するLPLの場合、高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群においてLPL mRNAの発現が増加する傾向を示した。さらに、脂肪酸合成に関与するMEの場合、高脂肪食餌を摂取した対照群に比べて高純度フコキサンチン及びフコキサンチン抽出物を摂取した実験群においてME mRNAの発現が減少する傾向を示した。
前記実験結果を介して、高純度フコキサンチン又はフコキサンチン抽出物は脂肪酸の酸化を促進する反面、脂肪酸合成は抑制することにより、脂質代謝性疾患の予防及び治療に極めて効果的に利用し得ることが分った。
【0076】
<製造例1>散剤
下記成分を混合した後、通常の散剤製造方法に従い、気密包に充填して散剤を製造した。
<実施例2>のフコキサンチン抽出物 50mg
結晶セルロース 2g
【0077】
<製造例2>錠剤 I
下記成分を混合した後、通常の錠剤製造方法に従い、打錠して錠剤を製造した。
<実施例2>のフコキサンチン抽出物 50mg
結晶セルロース 400mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0078】
<製造例3>錠剤 II
下記成分を混合した後、通常の錠剤製造方法に従い、打錠して錠剤を製造した。
<実施例1>のフコキサンチン抽出物 400mg
結晶セルロース 100mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0079】
<製造例4>錠剤 III
スピルリナ55重量%、グアガム酵素分解物10重量%、ビタミンB1塩酸塩0.01重量%、ビタミンB6塩酸塩0.01重量%、DL-メチオニン0.23重量%、ステアリン酸マグネシウム0.7重量%、乳糖22.2重量%及びトウモロコシ澱粉1.85重量%と<実施例1>のフコキサンチン抽出物10重量%を配合して通常の方法で打錠して錠剤を製造した。
【0080】
<製造例5>カプセル I
下記成分を混合した後、通常のカプセル製造方法に従い、ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
<実施例2>のフコキサンチン抽出物 30mg
乳清蛋白質 100mg
結晶セルロース 400mg
ステアリン酸マグネシウム 6mg
【0081】
<製造例6>カプセル II
下記成分を混合した後、通常のカプセル製造方法に従い、ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
<実施例1>のフコキサンチン抽出物 300mg
トウモロコシ澱粉 100mg
結晶セルロース 100mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0082】
<製造例7>注射剤
通常の注射剤製造方法に従い、活性成分を注射用蒸留水に溶解してpHを約7.5に調節した後、下記残りの成分全体を注射用蒸留水で 2ml容量のアンプルに充填して滅菌させて注射剤を製造した。
<実施例2>のフコキサンチン抽出物 100mg
注射用蒸留水 適量
pH調節剤 適量
【0083】
<製造例8>禅食
玄米、大麦、糯米、鳩麦を公知の方法でアルファ化させて乾燥したものを焙煎し、粉砕機で粒度60メッシュの粉末で作った。黒豆、黒胡麻、エゴマも公知の方法により蒸して乾燥させたものを焙煎した後、粉砕機で粒度60メッシュの粉末に作った。前記にて製造した穀物類、種実類及び<実施例1>のフコキサンチン抽出物を下記の比率で配合した。
穀物類:玄米30重量%、鳩麦15重量%、大麦20重量%、糯米9重量%、
種実類:エゴマ7重量%、黒大豆8重量%、黒胡麻7重量%、
<実施例1>のフコキサンチン抽出物3重量%、霊芝0.5重量%、地黄0.5重量%
【0084】
<製造例9>チューインガム
ガムベース20重量%、砂糖76.9重量%、香料1重量%及び水2重量%と<実施例1>のフコキサンチン抽出物0.1重量%を配合して通常の方法でチューインガムを製造した。
【0085】
<製造例10>キャンデー
砂糖60重量%、水飴39.8重量%及び香料0.1重量%と<実施例1>のフコキサンチン抽出物0.1重量%を配合して通常の方法でキャンデーを製造した。
【0086】
<製造例11>ビスケット
薄力粉1級25.59重量%、中力粉1級22.22重量%、精白糖4.80重量%、食塩0.73重量%、ブドウ糖0.78重量%、パームショートニング11.78重量%、アンモニウム1.54重量%、重曹0.17重量%、重亜硫酸ナトリウム0.16重量%、米粉1.45重量%、ビタミンB1 0.0001重量%、ビタミンB2 0.0001重量%、ミルク香0.04重量%、水20.6998重量%、全脂粉乳1.16重量%、代用粉乳0.29重量%、第1リン酸カルシウム0.03重量%、散布塩0.29重量%及び噴霧乳7.27重量%と<実施例1>のフコキサンチン抽出物1重量%を配合して通常の方法で製造した。
【0087】
<製造例12>飲料
蜂蜜0.26重量%、チオクト酸アミド0.0002重量%、ニコチン酸アミド0.0004重量%、塩酸リボフラビンナトリウム0.0001重量%、塩酸ピリドキシン0.0001重量%、イノシトール0.001重量%、オルト酸0.002重量%及び水98.7362重量%と<実施例1>のフコキサンチン抽出物1重量%を配合して通常の方法で健康飲料を製造した。
【産業上の利用可能性】
【0088】
フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物は、脂肪酸合成を抑制し、脂肪酸酸化を促進することにより、体重増加率、肝組織又は血漿内中性脂肪及びコレステロール含量を低める活性があって、本発明のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする組成物は脂質代謝性疾患の予防及び治療に効果的に利用し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする脂質代謝性疾患(lipid metabolic disorders)の予防又は治療用薬学組成物。
【化3】

【請求項2】
下記化学式1のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする脂質代謝性疾患の予防又は改善用食品組成物。
【化4】

【請求項3】
下記化学式1のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を有効成分として含有することを特徴とする飼料用組成物。
【化5】

【請求項4】
前記海藻類はわかめ、昆布、ほんだわら及びヒジキからなる群より選ばれた一つ以上であることを特徴とする第1項,第2項又は第3項の内いずれか一つの項に記載の組成物。

【請求項5】
前記海藻類抽出物が、海藻類を水、酒精、ヘキサン、酢酸エチル、イソプピルアルコール、アセトン又はこれらの混合物に入れて10℃乃至50℃で1乃至48時間抽出して得られたことを特徴とする第1項,第2項又は第3項の内いずれか一つの項に記載の組成物。
【請求項6】
前記脂質代謝性疾患が肥満(obesity)、糖尿病(diabetes)、脂肪肝(fatty liver)、高脂血症(hyperlipidemia)、動脈硬化症(arteriosclerosis)、粥状硬化症(atherosclerosis)、高血圧、脳卒中及び心筋梗塞からなる群より選ばれたことを特徴とする第1項,第2項又は第3項の内いずれか一つの項に記載の組成物。
【請求項7】
下記化学式1のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の脂質代謝性疾患に対する治療剤製造の為の用途。
【化6】

【請求項8】
下記化学式1のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の食品組成物製造の為の用途。
【化7】

【請求項9】
下記化学式1のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物の飼料用組成物製造の為の用途。
【化8】

【請求項10】
下記化学式1のフコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物を、これを必要とする個体に有効な量で投与することを特徴とする脂質代謝性疾患の予防及び治療方法。
【化9】

【請求項11】
前記フコキサンチン又はこれを含有する海藻類抽出物が脂肪酸の合成を抑制するか、又は脂肪酸の酸化を促進することを特徴とする第10項記載の脂質代謝性疾患の予防及び治療方法。

【公表番号】特表2011−500556(P2011−500556A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528796(P2010−528796)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005868
【国際公開番号】WO2009/048249
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(507326180)アミコゲン、インク (2)
【Fターム(参考)】