説明

フットコントローラを使用した制御装置

【課題】 従来のフットコントローラ装置の操作スイッチは、予めメーカー側で決められた一部の機能についてしか操作することができなかった。または、予め決められた一部の機能についてはユーザーが購入する前にメーカー側に要望し変更して購入することができたが、購入した後はユーザー側で自由に機能を変更するということはできないという問題があった。
【解決手段】 踏み込み量に応じて出力が変化するフットペダル11と、該フットペダルの近傍に設けられた少なくとも1つの操作スイッチ13とが組み込まれたフットコントローラ1装置と、各診療場面に応じた機能が記憶されているメモリを有し、該記憶されている複数の機能から少なくとも1つの機能を選択して前記1つの操作スイッチに割り当て、前記操作スイッチを踏むことで前記選択割り当てられた機能を実行する制御手段とから構成したフットコントローラ装置を利用した制御装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科等の治療時に使用するフットコントローラ装置に機能の切り換えを行うための足踏み用のスイッチを設け、該スイッチを足先で踏み込んでオン・オフすることで、機能切り換えを行い、例えば、歯科治療用器具以外の椅子の上下動や背凭れの起伏制御も行うことができるようにしたフットコントローラを使用した制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるフットコントローラ装置は、例えば、特開平10−127660号公報に開示されている発明がある。この発明はフットペダルが取付けられている歪曲板に歪ゲージを取付け、フットペダルを踏み込んで歪曲板が変形した時の変形量を歪ゲージで検出し、該検出した変化量に応じてハンドピースの回転数を制御するものである。
【特許文献1】特開平10−127660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記した従来のフットコントローラ装置は、ハンドピース等の施術器具の回転数等を制御することや予めメーカー側で決められた一部の機能、例えば、スプレーのオン・オフ切り換え、モータの正転・逆転切り換えしか操作することができなかった。または、予め決められた一部の機能についてはユーザーが購入する前にメーカー側に要望し変更して購入することができたが、購入した後はユーザー側で自由に機能を変更するということはできなかった。
【0004】
従って、前記一部の機能以外、例えば、デンタルライトのオン・オフや椅子の操作をする場合には、メンブレンスイッチ等を手で操作することとなるので不衛生であるといった問題があり、また、フットコントローラ装置に多くの機能を行うために多くのスイッチを設けた場合には、フットコントローラ装置の操作性が悪くなったり、フットコントローラ装置の形状、構造も複雑化するという問題もあった。
【0005】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、フットコントローラ装置に施術に必要な複数の機能を割り当てたスイッチを設け、施術者の近傍(例えば、ドクターテーブル)に設けられたモニター上で該スイッチが現在どの様な機能の状態にあるかの表示を行い、この表示を見ながら足先でスイッチを操作することで、該機能の制御を行うことができるフットコントローラを利用した制御装置を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフットコントローラを利用した制御装置は前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、踏み込み量に応じて出力が変化するフットペダルと、該フットペダルの近傍に設けられた少なくとも1つの操作スイッチとが組み込まれたフットコントローラ装置と、各診療場面に応じた機能が記憶されているメモリを有し、該記憶されている複数の機能から少なくとも1つの機能を選択して前記1つの操作スイッチに割り当て、前記操作スイッチを踏むことで前記選択にて割り当てられた機能を実行する制御手段とから構成したものである。
【0007】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記フットコントローラ装置に組み込まれている前記操作スイッチが2つ以上であり、かつ、それぞれの操作スイッチは前記制御手段において少なくとも2つの異なる機能が割り当てられ、また、何れの機能を前記各操作スイッチによって実行するかを決定するための機能切換スイッチを前記フットコントローラ装置に組み込んだことを特徴とする。
【0008】
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記フットコントローラ装置に組み込まれている前記操作スイッチが1つ以上であり、かつ、操作スイッチは前記制御手段において施術時に使用する施術器具に関連する機能と施術器具に関連しない機能とに割り当てられ、施術器具の収納時と外した時とを判別可能としたホルダーが、施術器具が外されていると判別すると前記施術時に使用する施術器具に関連する機能の実行を可能となし、また、施術器具が収納されていると判別すると前記施術に関連しない機能の実行を可能とすることを特徴とする。
【0009】
請求項4の手段は、前記した請求項1乃至3の何れかにおいて、前記機能切換スイッチによって切り換えた状態および施術器具をホルダーに収納した状態とホルダーから外した状態において、前記操作スイッチで実行可能な機能をアイコンによってモニターで表示するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項5の手段は、前記した請求項1乃至3の何れかにおいて、前記操作スイッチに割り当てられる機能は、使用する施術者毎に異ならしめて割り当てることが可能なようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項6の手段は、前記した請求項2において、前記フットコントローラ装置には、前記機能切換スイッチを切り換える毎に、どのセット状態であるかを表示するための表示器が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は前記したように、各種の機能を行うための操作スイッチにおける機能を施術者の求めに応じて簡単に変更することが可能であることにより、各診療場面に応じた必要な機能を得ることができ、従って、施術者が椅子の制御やライトの点灯・点滅等を手で行わずにフットコントローラ装置に設けられている操作スイッチを踏み込むことで行え、従来のように手で操作する必要が無く衛生的である。
【0013】
また、1つの操作スイッチに異なる機能が割り当てられている場合に、前記操作スイッチで割り当てられている何れの機能を実行させるかを決定する機能切換スイッチを設けたことにより、1つの操作スイッチで複数の機能を実行することができ、より手で操作する必要がなくなるものである。
【0014】
さらに、機能切換スイッチのセット状態に応じて操作スイッチによる機能をモニターで表示するので、モニターを見ることで簡単に操作スイッチの操作でどの様な機能が行われるかを確実に認識でき、従って、操作ミスをなくすことが可能である。
【0015】
また、フットコントローラ装置における機能切換スイッチを切り換える度に、フットコントローラ装置に設けられた表示器に操作スイッチがどの様なセット状態であるかを表示するため、足元において確認できる。
【0016】
さらに、前記操作スイッチに割り当てられる機能は、使用する施術者毎に異ならしめて割り当てることで、複数の施術者の各人が使用し易い状態でフットコントローラ装置を使用することができるという効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、各操作スイッチで行う機能が自由に機能変更を行うことができ、同じ施術者の場合および異なる施術者の場合でも、それぞれの施術者による施術が行い易いような機能に変更できる。
【実施例1】
【0018】
以下、本発明に係るフットコントローラを使用した制御装置の実施例を図面と共に説明する。
図1に本発明に採用されるフットコントローラ装置の斜視図を示し、1はフットコントローラ装置本体にして、筐体の前方には従来例で示した踏み込むことで歪ゲージからの出力が変化しハンドピース等の施術器具の回転数等を制御する大きなフットペダル11が配置され、また、後方には各診療場面に応じた必要な機能を得る時に操作する機能切換スイッチ12が配置されている。なお、本実施例では2つのセット状態に切り換え可能なスイッチとして説明するが、2つのセット状態以上の切り換えが可能なスイッチとしてもよい。
【0019】
さらに、本体1の前記フットペダル11と機能切換スイッチ12との中間における左右には、前記機能切換スイッチ12によって選択された各セット状態毎に異なる機能を実行するための左右操作スイッチ13,14が配置されている。また、前記機能切換スイッチ12の近傍には、該機能切換スイッチ12を操作する毎に発光ダイオードの色が変化するものであり、該発光ダイオードからの光は半透明あるいは透明のカバーを介して透光される表示器15が配置されている。
【0020】
次に、図2に示すシステムブロック図について説明する。なお、図1と同一符号は同一部材を示し、説明は省略する。
2はドクターテーブル等の施術者の近傍に取付けられたタッチパネル方式のモニター、3はドクターテーブルに取付けられハンドピース等の多数の施術器具4が抜き差し自在に吊り下げられているホルダーにして、前記施術器具4が収納あるいは外されるとオン・オフするスイッチが内蔵されている。
【0021】
5は座部が上下動し、背凭れが起伏する歯科用椅子等の施術椅子のモータや油圧シリンダ、6は施術時には点灯させ、施術が終了すると消灯させるデンタルライト、7はコップに水を給水するためのコップ給水装置にして、コップに給水するための電磁弁と給水を自動で行うためのセンサスイッチが組み込まれている。
【0022】
8は患者がうがいを行うためのスピットンボールにして、ボールを洗浄するための電磁弁が組み込まれている。9はドクターテーブル等に内蔵されたマイクロコンピュータの制御手段にして、内部にはプログラムが記憶されているリードオンリーメモリ(ROM)や書込み消去が可能な一時的に記憶させるためのランダムアクセスメモリ(RAM)、および、製品毎に設定値等を記憶させるためのEEPROMが含まれている。
【0023】
次に、本発明の概略を説明するに、機能切換スイッチ12は2つのセット状態に切り換え可能となっていて、セット1状態では、例えば、図4(e)に示すモニター2に表示されている状態にあっては、操作左スイッチ13を踏む毎にデンタルライトのオン・オフ制御が行われ、また、操作右スイッチ14を踏む毎にうがい位置と、うがいをする前の施術位置(ラストポジション位置)との間を往復するものである。なお椅子のポジション位置としては、前記ラストポジション位置の他に、患者が椅子に着座するのに適した位置、上顎の治療位置、下顎の治療位置等の各診療に合わせて自由に設定した制御位置は前記した制御手段9のEEPROMに記憶されている。
【0024】
また、前記機能切換スイッチ12を前記状態から踏んで切り換えてセット2状態に設定すると、例えば、コップへの給水とスピットンボールの洗浄という2つの機能であり、操作左スイッチ13を踏むとコップへの給水が開始され、操作右スイッチ14を踏むとスピットンボールの洗浄が開始されるという機能が設定されている。なお、コップへの給水量は前記操作左スイッチ13が踏まれてから一定時間後に停止するという設定値はEEPROMに記憶されている。また、前記給水量を検知する手段としては、水の量を重量で検出するものや光センサを水面に照射して行うもの等がある。
【0025】
ところで、複数の施術者が居る場合において、A施術者は前記した図4(e)に示す機能で満足していても、B施術者は前記機能では作業がし難いといったような場合、あるいは、同一の施術者であっても前記機能を変更したいといった場合がある。そこで、本発明は機能の一部である椅子のラストポジションから、例えば、椅子の1ポジション(治療位置の1つである上顎治療位置、すなわち、患者の後頭部を下降させて上顎の治療し易い位置等の各診療に合わせて自由に設定した位置の一つ)に機能変更が行えるようにしたことである。
【0026】
次に、前記した図2のシステムブロック図に基づいて前記した機能の変更を行うための手段を図3のフローチャートと図4、図5のモニターに表示される画像と共に説明する。
先ず、各種の施術器具4がホルダーに収納され、かつ、電源が投入されるとモニター2には図4(a)に示す画像が表示される。この画面における「seting」と表示されているタッチキーを選択すると(ステップS1)、図4(b)に示す設定メニューが表示される(ステップS2)。
【0027】
この設定メニューの画面において「フットコントローラ」と表示されているタッチキーを選択すると(ステップS3)、図4(c)に示すフットコントローラ設定メニューが表示される(ステップS4)。この画面において「機能設定」と表示されているタッチキーを選択すると(ステップS5)、図4(d)に示す機能設定メニューが表示される(ステップS6)。この画面においてハンドピース収納時を示す「診療」と表示されているタッチキーを選択すると(ステップS7)、図4(e)に示す現在ハンドピース収納時に設定されているフットコントローラの操作スイッチの機能が表示される(ステップS8)。
【0028】
すなわち、機能切換スイッチ12がセット1状態の場合には、操作左スイッチ13を踏むとデンタルライト6の点灯・消灯制御が可能となり、また、操作右スイッチ14を踏むと椅子を前記したラストポジションLPに移行でき、機能切換スイッチ12を踏んでセット2状態に切り換えた場合には、操作左スイッチ13を踏むとコップへの給水が行われ、また、操作右スイッチ14を踏むとスピットンボールを洗浄するための水が排出される機能となっている。この図4(e)で示したフットコントローラの操作スイッチの機能は一人の施術者が前回において設定した機能であったりメーカーの推薦機能として設定した機能である。
【0029】
ここで、椅子のラストポジションLPに移行するための機能に変えて上顎治療位置である椅子のプリセット1機能に変更する場合について説明するに、前記図4(e)の画像において、機能セット1における操作右スイッチ14に対応するラストポジションLPを選択すると(ステップS9)、図5(a)に示す操作右スイッチ14で操作可能となる機能一覧が表示される(ステップS10)。
【0030】
ここで、操作右スイッチ14で操作するための前記画面の椅子のプリセット1を選択すると(ステップS11)、図5(b)に示すようにプリセット1のボタンの周囲に確認のための枠が表示されるので、施術者は該枠で囲まれたプリセット1で良いか否かの確認を行い、プリセット1で良いならばOKボタンを選択すると、機能切換スイッチ12におけるセット1状態の操作右スイッチ14による機能が椅子のラストポジションLPから椅子のプリセット1の機能に変更され(ステップS12)、図5(c)が表示される。
【0031】
ここで、前記図5(c)の画面におけるストアスイッチ(図における画面下左側のボタン)を選択すると(ステップS13)、図5(d)の画面が表示され、次の設定変更が可能な画面(図4(d)と同じ)となり、ここで、クローズボタンを選択すると、図5(e)の画面になって、図4(a)の画面がフットコントローラのアイコンのセット1状態における操作右スイッチ14によって操作が可能な機能が椅子のプリセット1に変更され(ステップS14)、以下、全ての施術器具4がホルダーに収納されている時の機能として椅子のラストポジションから椅子のプリセット1に変更される。
【0032】
前記した機能設定変更は施術器具4をホルダー3に収納した状態時について説明したが、施術器具4をホルダー3から外した状態時における機能設定変更も同様にして行うことが可能である。
【0033】
次に、治療が終了して施術器具4をホルダーに収納した後、患者がうがいを行う動作と、治療を行うために施術器具4をホルダーから外した場合の動作を図6のフローチャートと図7のモニターに表示される画像と共に説明する。
先ず、マイクロコンピュータは施術器具4(以下、この動作説明では施術器具4としてハンドピースの場合として説明する)がホルダーから外されているか否かを監視する(ステップS15)。
【0034】
ここで、患者の施術が終了してうがいを行わせる場合には、ハンドピースがホルダーに収納された状態であることから、この状態において前記左右操作スイッチは図7(a)の画像で表示される機能の割当てになっており(ステップS16)、ホルダーの検出スイッチはオフの状態となっているので、モニター2には前記した動作説明における図4(a)と同じ画像である図7(b)の画像が表示される(ステップS17)。なお、この実施例では、機能の切り換えが行われておらず機能切換スイッチ12はセット1状態であるので操作右スイッチ14を踏むことで椅子は治療位置からうがい位置に移動するものである。
【0035】
この状態において、施術者が足で操作左スイッチ13を踏むと(ステップS18)、デンタルライト6が点灯し(ステップS19)、また、もう一度踏むと(ステップS20)、デンタルライト6は消灯する(ステップS21)。一方、操作右スイッチ14を踏むと(ステップS22)、椅子はうがい位置まで移動する(ステップS23)。
【0036】
次に、機能切換スイッチ12を踏むと(ステップS24)、表示器15の色が変更(例えば、緑色から青色)されると共に、モニター2には図7(c)に示すセット2の画面が表示される(ステップS25)。ここで、操作左スイッチ13を踏む(ステップS26)とコップへの給水が行われ(ステップS27)るので、患者はこのコップによりうがいを行い、うがいが終了したなら施術者は操作右スイッチ14を踏むと(ステップS28)、スピットンボールを洗浄するための水が流れ出して洗浄が予め設定された時間行われる(ステップS29)。また、図7(c)の状態において機能切換スイッチ12を踏むとセット1の状態である図7(b)に戻る。
【0037】
なお、ハンドピースが収められた状態では、図7(b)の画像が表示されるが、この画像上に設けられたコップ給水用スイッチでも給水は可能である。また、コップへの給水は、カスピダー側に別途設けられたスイッチ(アシスタント側スイッチ)およびコップ給水装置7に設けられたセンサスイッチでの自動給水も可能であるため、ハンドピースが外された状態でも給水は可能である。
【0038】
次に、前記したステップS15においてハンドピースがホルダーから外されていることを検出した場合の動作について説明するに、この状態において前記左右操作スイッチは図9(a)の画像で示される機能の割当てになっており(ステップS30)、この画像は、予め、機能切換スイッチ12のセット1状態における操作左スイッチ13で機能するものとしてスプレーのオン・オフ(ハンドピースを回転させた時やスケーラーの出力をオンにした時に、スプレーを出すか否を切り換える)であり、操作右スイッチ14で機能するものとしてはチップブローのオン・オフ(ハンドピースの先端からエアーを吹き出して削りカスを吹き飛ばす)であり、また、機能切換スイッチ12を踏んでセット2状態にした場合には、操作左スイッチ13で機能するものとして正逆回転切換(ハンドピースの回転方向を切り換える)であり、操作右スイッチ14で機能するものとしては前記セット1状態における操作右スイッチ14と同じ機能であり、これらの機能は予め前記した機能切り換え操作と同様によって設定されている。
【0039】
そして、ハンドピースがホルダーより外されている状態においては、モニターには図9(b)の画像が表示されている(ステップS31)。なお、この実施例では、機能の切り換えが行なわれておらず機能切換スイッチ2はセット1状態であるので、ハンドピースよりスプレーが吹き出ない状態にある場合には、操作左スイッチ13を踏むと(ステップS32)、ハンドピースよりスプレーが吹き出される状態となり(ステップS33)、再度、操作左スイッチ13を踏むと(ステップS34)、ハンドピースよりスプレーが吹き出ない状態となる(ステップS35)。また、操作右スイッチ14を踏むと(ステップS36)、踏んでいる間チップエアーが噴出される(ステップS37)。
【0040】
次に、機能切換スイッチ12を踏むと(ステップS38)、表示器15は緑色から青色に切り換えられ、また、モニターの画面は図9(c)に示すセット2状態の画像に変更される(ステップS39)。ここで、操作左スイッチ13を踏むと(ステップS40)、ハンドピースの回転が正回転から逆回転に変更され(ステップS41)、また、操作右スイッチ14を踏むと(ステップS42)、踏んでいる間ハンドピースの先端からチップエアーが噴出される(ステップS43)。
【0041】
また、フットペダル11を踏み込むと(ステップS44)、ハンドピースが回転を開始し、その回転数に応じてモニター2のモータの回転数変化を表示するインジケーター部と回転数を表示する数値表示部が変化する(ステップS45)。
【0042】
なお、前記した機能変更およびフットコントローラ装置を使用しての作業は1人の施術者が使用する場合の説明であるが、複数人の施術者が同じフットコントローラ装置を使用する場合もある。この場合には各施術者毎に使い方が異なるので、各施術者毎に機能の設定を変更する必要がある。この場合の設定方法としては、モニタ2の初期画面である図4(a)の左下に表示されるDrAに触れてDrBに変更し、この状態において前記した図3のフローチャートで示す操作を行なうことで、複数の施術者毎に操作スイッチの機能を設定することができる。そして、DrAが使用した後にDrBが使用する場合には、前記した図4(a)のDrAの部分に触れるとDrBに変更されるので、以降の機能はDrBが設定した機能によって実行されることとなる。
【0043】
また、前記した実施例では機能切換スイッチ12を踏み込むことで2つの操作左右スイッチ13,14に設定されている機能を切り換えて各種の機能を実行できるようにした場合について説明したが、機能切換スイッチ12を使用せずに1つまたは2つ以上の操作スイッチにそれぞれ異なる機能を記憶させて、該操作スイッチを踏み込むことで設定されている機能を実行するようにしてもよく、また、さらに、本発明の実施例のように操作スイッチはは2つに限定されるものではなく、3個以上であってもよい。
【0044】
また、前記した説明では、機能変更をハンドピース等の施術器具をホルダーに収納した状態において行う場合について説明したが、施術器具をホルダーから外した状態、すなわち、治療状態において、該治療に関連する機能を各操作スイッチに割り当てて実行できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
前記した実施例では、歯科治療の場合について説明したが、各種の治療においても本発明のフットコントローラ装置を応用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に使用されるフットコントローラ装置の斜視図である。
【図2】本発明のフットコントローラ装置を使用して制御を行うためのシステムブロック図である。
【図3】動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】同上のフットコントローラにおける動作中でモニターに表示される画面である。
【図5】同上の続きを示す画面である。
【図6】施術器具をホルダーに収納した状態時における動作を示すフローチャートである。
【図7】同上のフットコントローラにおける動作中でモニターに表示される画面である。
【図8】施術器具をホルダーから外した状態時における動作を示すフローチャートである。
【図9】同上のフットコントローラにおける動作中でモニターに表示される画面である。
【符号の説明】
【0047】
1 フットコントローラ装置
11 フットペダル
12 機能切換スイッチ
13 操作左スイッチ
14 操作右スイッチ
15 表示器
2 モニター
3 ホルダー
4 施術器具
5 椅子
6 デンタルライト
7 コップ給水装置
8 スピットンボール
9 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏み込み量に応じて出力が変化するフットペダルと、該フットペダルの近傍に設けられた少なくとも1つの操作スイッチとが組み込まれたフットコントローラ装置と、各診療場面に応じた機能が記憶されているメモリを有し、該記憶されている複数の機能から少なくとも1つの機能を選択して前記1つの操作スイッチに割り当て、前記操作スイッチを踏むことで前記選択割り当てられた機能を実行する制御手段とから構成したことを特徴とするフットコントローラを使用した制御装置。
【請求項2】
前記フットコントローラ装置に組み込まれている前記操作スイッチが2つ以上であり、かつ、それぞれの操作スイッチは前記制御手段において少なくとも2つの異なる機能が割り当てられ、また、何れの機能を前記各操作スイッチによって実行するかを決定するための機能切換スイッチを前記フットコントローラ装置に組み込んだことを特徴とする請求項1に記載のフットコントローラを使用した制御装置。
【請求項3】
前記フットコントローラ装置に組み込まれている前記操作スイッチが1つ以上であり、かつ、操作スイッチは前記制御手段において施術時に使用する施術器具に関連する機能と施術器具に関連しない機能とに割り当てられ、施術器具の収納時と外した時とを判別可能としたホルダーが、施術器具が外されていると判別すると前記施術時に使用する施術器具に関連する機能の実行を可能となし、また、施術器具が収納されていると判別すると前記施術に関連しない機能の実行を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のフットコントローラを使用した制御装置。
【請求項4】
前記機能切換スイッチによって切り換えた状態および施術器具をホルダーに収納した状態とホルダーから外した状態において、前記操作スイッチで実行可能な機能をアイコンによってモニターで表示するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のフットコントローラを使用した制御装置。
【請求項5】
前記操作スイッチに割り当てられる機能は、使用する施術者毎に異ならしめて割り当てることが可能なようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のフットコントローラを使用した制御装置。
【請求項6】
前記フットコントローラ装置には、前記機能切換スイッチを切り換える毎に、どのセット状態であるかを表示するための表示器が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のフットコントローラを使用した制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−263137(P2006−263137A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−85384(P2005−85384)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
【Fターム(参考)】