説明

フライアッシュの品質評価方法

【課題】 簡便な方法でフライアッシュの品質を確認できるフライアッシュの品質評価方法を提供する。
【解決手段】 フライアッシュとセメントと減水剤と水とを撹拌して混合物を作製し、作製した混合物を所定時間静置して懸濁粒子を沈降させる。次に、沈降させた懸濁粒子からなる沈殿物の体積を測定し、得られた体積からフライアッシュの品質を評価する。この評価に加え、別途以下に示す評価も勘案する。メチレンブルー溶液とフライアッシュとを撹拌して作製した混合物を濾過した濾液の吸光度を測定する。次に得られた吸光度を、別途求めたメチレンブルー濃度と吸光度との関係に適用して、メチレンブルー溶液の濃度を算出してフライアッシュと撹拌する前のメチレンブルー溶液の前記所定の濃度と、得られた濃度との差からフライアッシュの品質を評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメントペースト、モルタル、あるいはコンクリートに、所定割合で混合添加されるフライアッシュの品質評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、フライアッシュは、コンクリート用混和材としてコンクリートに混合することで、コンクリートの流動性の向上や水和熱の低減を目的としてコンクリート混和材として用いられている。フライアッシュは、その多くが火力発電所等における燃焼灰を捕集して得られたものであるため、燃焼条件や捕集方法等により、品質に変動があることが知られている。
【0003】
コンクリートの性能に悪影響を与えるフライアッシュの品質変動としては、未燃カーボン量の高含有、強熱減量、比表面積の変動等が挙げられる。例えば、フライアッシュの未燃カーボンは、AE剤や減水剤等の混和剤を吸着し、混和剤の働きを妨げる。また、フライアッシュの強熱減量や比表面積の変動は、コンクリートの空気量やワーカビリティーに大きな変動をきたす。
【0004】
そのため、従来、フライアッシュの品質を確認したり、あるいはフライアッシュの置換率を変更したりする度に、コンクリートの試し練りを行いフレッシュコンクリートの性能を確認しており、多大な労力を要してきた。このような状況から、フライアッシュの品質を確認することで、コンクリートの配合等の製造条件に反映することができる、フライアッシュの品質評価方法が求められてきた。
【0005】
特許文献1には、コンクリートの調製に用いられる混和剤水溶液と、フライアッシュとを混練した後、混和剤濃度を測定することで、フライアッシュの品質を判定できるとする発明が開示されている。
【特許文献1】特開2003−212619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1で提案されたフライアッシュの品質判定方法は、混和剤濃度を測定するため専用の測定機器を必要とする。また、従来のフライアッシュ評価指標である強熱減量や比表面積が判定結果に反映されないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、簡便な試験方法でフライアッシュの品質を確認でき、得られたフライアッシュの品質をコンクリートの配合等の製造条件に反映することができる、フライアッシュの品質評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るフライアッシュの品質評価方法は、フライアッシュとセメントと減水剤と練混ぜ水とを混合、撹拌して懸濁液を作製し、該懸濁液を所定時間静置して懸濁粒子を沈降させる前置工程と、前記懸濁粒子からなる沈殿物の体積を測定する沈殿物体積測定工程と、前記沈殿物の体積の変動から前記フライアッシュの品質を評価する評価工程とからなることを特徴とする。
【0009】
前記評価工程として、所定の濃度のメチレンブルー溶液と所定量のフライアッシュとを混合、撹拌して混合物を作製する混合物作製工程と、前記混合物を濾過して前記フライアッシュを除去した濾液の吸光度を測定する吸光度測定工程と、前記吸光度測定工程で得られた吸光度を、別途求めたメチレンブルー濃度と吸光度との関係に適用して、メチレンブルー溶液の濃度を算出する濃度算出工程とを経て、前記フライアッシュと撹拌する前のメチレンブルー溶液の前記所定の濃度と、前記濃度算出工程で得たメチレンブルー溶液の濃度との差からフライアッシュの品質を評価するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡便な方法でフライアッシュの品質を評価、確認でき、得られた評価から使用するフライアッシュの品質を、コンクリートの配合等の製造条件に適正に反映することができる、フライアッシュの品質評価方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るフライアッシュの品質評価方法について、図1乃至図7に示した試験手順のフローチャートを参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るフライアッシュの品質評価方法の一部であるシリンダ沈降試験の手順を示したフローチャートである。シリンダ沈降試験は、セメント等の粉体と、減水剤等を含んだ混練水とを混合した後、静置して、底部に沈殿した沈殿物のかさ高を読み取る試験である。以下、本明細書では、容積目盛のついた円筒形透明容器を「シリンダ」と称する。具体的には実験器具としてのメスシリンダのうち、適正な容量のものを使用して試験を行うことができる。
【0013】
まず、粉体であるセメント及びフライアッシュ(以下、FAと記す。)と、水に減水剤を添加した混練水とを計量する(S110)。
セメントは、費用あるいは入手性を考慮して、例えば、JIS R 5210に適合した普通ポルトランドセメントの使用が好ましい。FAは、シリンダ沈降試験(S100)でその品質が求められる被検査対象物である。シリンダ試験に用いるFAは、例えば、実際に現場で使用している(あるいは使用を予定している)品種(銘柄、グレード)を使用する。なお、「減水剤」は、本明細書では、セメント粒子に対する分散作用を持つ混和剤の総称を指している。シリンダ試験に用いる減水剤は、例えば、実際に現場で使用している(あるいは使用を予定している)品種(銘柄、グレード)を使用する。
【0014】
S110で計量する各材料の配合を表1に示す。ここで、Wは減水剤を含有した混練水、PはセメントとFAとをあわせた粉体を示している。なお、混練水に含有する減水剤の添加量は、使用する減水剤に応じて適宜決定する。
【0015】
[表1]

【0016】
次に、S110で計量したセメント、FA、及び減水剤を含んだ混練水をガラス製の200ml有栓形メスシリンダ(例えば、JIS R 3505規格品)に投入した後、メスシリンダ開口部に栓をして1分間撹拌する(S120)。
【0017】
続いて、メスシリンダを水平な場所に20時間静置する(S130)。
【0018】
次に、メスシリンダを20時間静置した後、メスシリンダの下部に堆積した沈殿物の体積を1ml単位で読み取る(S140)。
【0019】
図2左側はS130で静置した直後のメスシリンダの様子、図2右側は20時間静置後のメスシリンダの様子を示している。図中左側の撹拌直後のメスシリンダ10の内部は、セメントとFAとが混練水に浮遊した懸濁液11で満たされる。この状態でメスシリンダ10を20時間静置すると、図中右側に示したように、懸濁液11はメスシリンダ下部に堆積する沈殿物13と、その上部の液相12とに分離する。そして、作業者は、図中矢印で示した沈殿物13と液相との境界位置を、メスシリンダに刻まれた目盛りで読み取り、沈殿物13の体積を記録する。
【0020】
このようにして得られた沈殿物13の体積は、後述するように、コンクリートの流動性を予測する指標となり、この指標をコンクリートの配合条件に反映させることで所望のコンクリートの品質を確保することができる。さらに、本実施形態に係るフライアッシュの品質評価方法は、フライアッシュの品質評価精度を高めるため、以下に説明するメチレンブルー(3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジニウムクロリド。以下、MBと記す。)吸着試験を併用して、フライアッシュの品質を評価することができる。
【0021】
図3は、本発明の実施形態に係るFAの品質評価方法の一部であるMB吸着量試験の手順を示したフローチャートである。MB吸着量試験は、FAをMB水溶液に投入して撹拌し、撹拌後のMB濃度を測定する試験で、FA投入前のMB濃度とFA投入後のMB濃度とを比較することで、FAの品質を評価することを目的とする。
【0022】
MB吸着量試験は、まず、MB試薬25グラムが溶解したMB水溶液を1000ml作製する(S210)。
【0023】
次に、FA0.5gを例えば共栓付試験管に投入し、さらにS210で作製したMB水溶液を、50mlを示した標線まで共栓付試験管に注ぐ(S220)。
【0024】
続いて、共栓付試験管の開口部に栓をして、FAとMB水溶液とを1分間撹拌する(S230)。
【0025】
次に、S230においてFAとMB水溶液とを混合、撹拌した懸濁液を濾過する(S240)。図5は懸濁液の濾過方法を示した概要図である。図5に示すように、懸濁液25を投入する簡易式の注射器20の先端に濾過器21の一端が取付けられている。また、濾過器の他端には、濾過器を通過した濾液を受けるためのビーカ22が備えられている。
【0026】
濾過器21は、図示しないパッキンを備え、加圧濾過する際に濾過器21からの漏水が防止される。このような濾過器21として、例えば、型式KS25(アドバンテック東洋株式会社製)の濾過器が挙げられる。また、濾過器21の内部には、図示しない濾紙が介装されている。使用される濾紙としては、FA粒子を通過させず、加圧時の圧力に耐え得る程度の強度を有する、例えば、GC−50(東洋濾紙株式会社製)の、一般的な理化学実験用の濾紙を使用することができる。注射器20としては、ディスポーザルタイプの簡易式シリンジ(注射器)を用いている。これら注射器20と濾過器21との構成において、注射器20にS230で得た懸濁液25を投入し、注射器20のピストン27を押圧して懸濁液25を加圧濾過することで、従来、遠心分離器等の機器を用いて行っていた煩雑な濾過作業に比べ、きわめて簡易に濾液26を得ることができる。
【0027】
次に、S240で得た濾液26を5mlメスフラスコ等に投入し、さらに精製水を5mlを示す標線までメスフラスコ等に注ぎ、これらを軽く撹拌して検体とする(S250)。
【0028】
S250で得た検体をJIS K 0115に適合する吸光光度計にセットし、MBの青色が最も高く出る665nmの吸光度を測定する(S260)。
【0029】
次に、異なる複数の濃度のMB水溶液を吸光光度計にセットし、665nmの吸光度を測定する。得られた測定結果から、図6に示すようにMB水溶液の濃度0〜5mg/Lと波長665nmにおける吸光度との関係線を作成し、検量線とする(S270)。なお、S270については後述する。
【0030】
続いて、S260で得られた検体の吸光度を、S270で得られた検量線を参照して、検体のMB濃度mg/Lを算出する(S280)。
【0031】
次に、S280で得たMB濃度mg/Lから、FA1gあたりのMB吸着量を算出する(S290)。なお、FA1gあたりのMB吸着量は、次式より算出する(S290)。
d=2(25−5x)/40 (1)
ここで、dはFA1gあたりのMB吸着量mg/g、xは検体のMB濃度mg/Lを示す。
【0032】
ここで、前述したS270において作成した検量線の作成方法について、図4に示したフローチャートを参照して説明する。
【0033】
まず、6つのメスフラスコ等の容器を用意し、S210で作製したMB水溶液を異なる分量ずつ、各メスフラスコに注ぐ(S271)。ここで、異なる分量とは、0〜5mlの範囲で1ml毎に設定した分量である。
【0034】
次に、精製水を、25mlを示す標線まで各メスフラスコに注ぎ、検体を作製する(S272)。
【0035】
続いて、異なる濃度のMB水溶液をJIS K 0115に適合する吸光光度計にセットし、MBの青色が最も高く出る665nmの吸光度を測定する(S273)。
【0036】
次に、S273で得られたそれぞれのMB水溶液の吸光度と、得られた吸光度に対応するMB水溶液のMB濃度との関係線を作成し、検量線とする(S274)。作成した検量線の一例を図6に示す。図6の横軸はMB水溶液のMB濃度mg/L、縦軸は吸光光度計で得られる665nmの吸光度Absである。図6に記された6点は、S273で吸光度を測定した6つの検体のMB濃度と665nm吸光度との関係をプロットしたものである。図に示すように、MB水溶液のMB濃度と665nm吸光度とは線形関係にあるため、回帰直線を求めて検量線を算出する。
【0037】
図7は、シリンダ沈降試験において得られた沈殿物の容積mlと、コンクリートスランプとの関係を示したグラフである。図7は、表2に示す5種類のFAを容積置換率20%混合し、減水剤の添加量を変えて求めている。
【0038】
[表2]

【0039】
図7より、コンクリートスランプと沈殿物容積の間には、相関性が認められる。これは、コンクリート等の配合条件や材料が同じであれば、シリンダ沈降試験を行うことで簡易に流動性を把握できることを示している。この原因の1つとして、FAに含まれる未燃カーボンが、減水剤を吸着することが挙げられる。例えば、FAに含まれた未燃カーボンの減水剤吸着能が高い場合、FAに吸着される減水剤は多くなり、セメントやFA等の粒子分は集塊状態のままシリンダ底部に沈殿することとなる。つまり、沈殿物容積が多いということは、吸着された減水剤が多いということを示しており、その結果、コンクリートスランプは小さくなる。反対に、FAの減水剤吸着能が低い場合は、添加された減水剤が十分に働いてセメントやFA等の粒子分を分散させるため、沈殿物容量が少なくなる。
【0040】
FAの物理的性質である、粒子分布、密度、粒子形はコンクリートの流動性に大きな影響を与えるものである。一方、沈降容積においても、連続粒度と不連続粒度とでは、連続粒度の法が最密充填になることからも、粒度分布が広い方が沈降容積が小さくなる。また、粒子形においても、粒子径が同じ場合には球状粒子の方が空孔内の充填率が高まり、沈降容積は小さくなる。
【0041】
このようにシリンダ沈降試験で得られる沈殿物容積は、FAの粒子分布、密度、粒子形等の物理的性質や、FAの減水剤吸着能等の化学的性質が複雑に影響する。すなわち、シリンダ沈降試験を実施することでこれらすべての要素を含有した測定結果を求めることができる。そして、得られた測定結果をもとに所望のコンクリートを得るための配合等を決定することができる。また、上述したように、シリンダ沈降試験は複雑な試験装置が手順が必要なく、極めて簡便な方法でFAの品質を評価することができる。なお、シリンダ沈降試験はコンクリート空気量を加味した試験ではないため、別途、空気量の管理を行うことが必要となるが、その場合、コンクリートの配合(調合)にもよるが、評価の際、一般的な空気量(%)の変動によるスランプ値(cm)の変動の割合(2.5cm/%)を考慮する。実際にスランプ値の変動を管理する上では空気量の管理も重要であるため、沈降試験およびMB吸着量試験を行うことで、より高精度の品質管理を行うことができる。
【0042】
また上述したMB吸着量試験は、FAの化学的性質のみを評価することができる試験である。例えば、被検査対象物のFAが減水剤を全く吸着しないものであれば、図3に示したS280で得られるMB濃度は5mg/Lとなる。S280でMB濃度が5mg/Lよりも小さい値が得られれば、その差がFAの減水剤吸着能、すなわちFAの化学的性質を示している。このように、MB吸着量試験によりFAの化学的性質のみが求められると、シリンダ沈降試験で得られたFAの化学的性質と物理的性質とを包含した性質から、MB吸着量試験で得られた化学的性質を差し引くことで、FAの物理的性質のみを評価することが可能となる。
【0043】
本発明に係るフライアッシュの品質評価方法は、このようにして得られたFAの化学的性質及び物理的性質を把握した上で、コンクリートの配合(調合)を決定することが可能となる。すなわち、シリンダ沈降試験によって使用減水剤量を決定するとともに、メチレンブルー吸着量試験で空気量を決定し、これらのデータをもとにコンクリートの流動性を、より具体的に制御することができる。例えば、FAの減水剤の吸着能が高く化学的性質が良好でない場合には、減水剤やAE剤等の混和剤の効果を発揮することができない。その場合には、減水剤等の混和剤の添加量を増やしたり、細骨材率や粗骨材の最大寸法等を補正したりすることで、所望のフレッシュコンクリートの品質を確保することができる。また、例えば、FAの粒子濃度、粒子分布、密度、粒子形等の物理的性質が良好でない場合には、セメントの粉末度、粗骨材や細骨材の粒径等を補正し対応することができる。その結果、従来の現場における試し練り等の品質確認工程を省略することができる。
【0044】
上述したように、本実施形態に係るフライアッシュの品質評価方法は、シリンダ沈降試験、MB吸着量試験といった簡便な試験でフライアッシュの化学的性質、及び物理的性質を評価することができる。そのため、従来のように、コンクリートの試し練りによりフレッシュコンクリートの品質を評価するという手間が省け、作業効率を高めることができる。
【0045】
また、上述したようにシリンダ試験及びMB吸着量試験を実施することで、FAの化学的性質及び物理的性質といった個別の性質ごとに評価することができる。そのため、得られたFAの品質を、コンクリートの配合や製造等に細かく反映させることでコンクリート等の品質を確保することができる。
【0046】
本発明は上述した実施形態に限られず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上述した実施形態では、シリンダ沈降試験及びMB吸着量試験の両試験を実施する場合について説明したが、作業の簡略化のため、シリンダ沈降試験、またはMB吸着量試験のいずれかを実施してもよい。例えば、FAの物理的性質及び化学的な性質を包含した評価を得たい場合にはシリンダ沈降試験のみを実施するとよいし、FAの化学的性質のみを得たい場合には、MB吸着試験のみを実施するとよい。
【0047】
また、上述の実施形態では、主にコンクリートの品質について述べてきたが、当然のことながら、セメントペースト、モルタルの製造にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係るフライアッシュの品質評価方法の一部であるシリンダ沈降試験のフローチャート。
【図2】粉体を含んだ混練水の撹拌直後の様子と、20時間静置後の混練水の様子を示した概要図。
【図3】本発明の実施形態に係るMB吸着量試験のフローチャート。
【図4】検量線の作成方法を示したフローチャート。
【図5】懸濁液の濾過方法を示した概要図。
【図6】MB濃度と吸光度との関係の一例を示したグラフ。
【図7】シリンダ沈降試験における沈殿物容積とコンクリートスランプとの関係の一例を示したグラフ。
【符号の説明】
【0049】
10 メスシリンダ
11 懸濁液
12 液相
13 沈殿物
20 注射器
21 濾過器
22 ビーカ
25 懸濁液
26 濾水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライアッシュとセメントと減水剤と練混ぜ水とを混合、撹拌して懸濁液を作製し、該懸濁液を所定時間静置して懸濁粒子を沈降させる前置工程と、
前記懸濁粒子からなる沈殿物の体積を測定する沈殿物体積測定工程と、
前記沈殿物の体積の変動から前記フライアッシュの品質を評価する評価工程とからなることを特徴とするフライアッシュの品質評価方法。
【請求項2】
前記評価工程は、
所定の濃度のメチレンブルー溶液と所定量のフライアッシュとを混合、撹拌して混合物を作製する混合物作製工程と、
前記混合物を濾過して前記フライアッシュを除去した濾液の吸光度を測定する吸光度測定工程と、
前記吸光度測定工程で得られた吸光度を、別途求めたメチレンブルー濃度と吸光度との関係に適用して、メチレンブルー溶液の濃度を算出する濃度算出工程とを経て、
前記フライアッシュと撹拌する前のメチレンブルー溶液の前記所定の濃度と、前記濃度算出工程で得たメチレンブルー溶液の濃度との差からフライアッシュの品質を評価することを特徴とする請求項1に記載のフライアッシュの品質評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−43933(P2010−43933A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207929(P2008−207929)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年6月16日 社団法人日本コンクリート工学協会発行の「コンクリート工学年次論文集 第30巻(2008)」に発表
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(504173471)国立大学法人北海道大学 (971)
【出願人】(503044237)株式会社フローリック (9)
【Fターム(参考)】