説明

フライホイール式無停電電源装置の制御方法及びこれを用いた無停電電源装置

【課題】 遊転時における発電電動機の電気損失をなくしたフライホイール式無停電電源装置の制御方法及びこれを用いた無停電電源装置を提供する。
【解決手段】 発電電動機1に取り付けたフライホイール2にエネルギを回転エネルギとして蓄積するフライホイール式無停電電源装置の制御方法において、遊転時には上記発電電動機1を無励磁状態とし、遊転時から発電時に移行するときに、上記発電電動機1を励磁状態に切り換えることにより、遊転時における発電電動機1の電気損失をなくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フライホイール式無停電電源装置に係り、遊転時における発電電動機の電気損失をなくしたフライホイール式無停電電源装置の制御方法及びこれを用いた無停電電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
停電時の電源をバックアップするための無停電電源装置として、電池式の無停電電源装置が知られているが、この種の無停電電源装置は、一般的に鉛蓄電池を使用するものが多く、電池の寿命が短いことや電池の廃棄が環境破壊に繋がることが問題である。これに対し、フライホイール式の無停電電源装置は寿命が長く環境破壊に繋がる廃棄物も出ないことから近年注目されている。
【0003】
フライホイール式無停電電源装置は、発電電動機に取り付けたフライホイールにエネルギを回転エネルギとして蓄積しておき、停電時に回転エネルギを電気エネルギに変換して取り出すものである。
【0004】
図6に概略の構造を示す。フライホイール61は、適宜の回転質量を持つ円盤からなる。そのフライホイール61が回転軸62に取り付けられ、その回転軸62がスラスト磁気軸受63、ラジアル磁気軸受64によって軸承されている。また、タッチダウン軸受65も回転軸62を支持するものである。スラスト磁気軸受63は、スラスト磁気軸受コイル66とスラスト磁極67とからなり、回転軸62のディスク68を非接触で所定の高さ位置に支持することができる。ラジアル磁気軸受64は、ラジアル磁気軸受コイル69とラジアル磁極70とからなり、回転軸62を非接触で所定の軸位置に支持することができる。タッチダウン軸受65は、上記磁気軸受に給電されていないときにのみ回転軸62に接して回転軸62を支持するようになっている。
【0005】
発電電動機71としてのロータ72とステータ73は、回転軸62にロータ72が設けられ、そのロータ72に臨ませてステータ73が設けられている。ステータ73は、ステータコア74とステータコイル75とからなる。
【0006】
図示した以外に、磁気軸受の制御に用いる位置検出センサが適宜な位置に配置される。
【0007】
発電電動機を電動機として使用してフライホイールの回転速度を上げていくときを電動時、発電電動機を発電機として使用してフライホイールの回転速度を下げていくときを発電時、エネルギのやり取りをせずフライホイールの回転速度を維持しているときを遊転時と呼ぶ。
【0008】
フライホイール式無停電電源装置に用いる発電電動機には、ロータに永久磁石を設けた永久磁石式同期機と、ロータにかご形導体(または、それと同じ機能を持つ導体)を設けた誘導機などがある。誘導機では、ロータの回転速度と励磁周波数との差(すべり)を制御する。すなわち、ステータに発生する回転磁界がロータの導体を横切ることでロータに誘導電流が発生し、この誘導電流と回転磁界とによりトルクが発生するので、電動時には、フライホイールの回転速度に比例する周波数より高い周波数を持つ電圧をステータコイルに印加し、発電時には、フライホイールの回転速度に比例する周波数より低い周波数を持つ電圧をステータコイルに印加し、遊転時には、フライホイールの回転速度に比例する周波数と同じ周波数を持つ電圧をステータコイルに印加する。
【0009】
フライホイール式無停電電源装置は、下記の式に従うのでフライホイールの慣性を大きくするか回転速度を高くすると多くのエネルギを蓄えることができる。特に回転速度の項は二乗であるため、回転速度を高くするほうが効果が高い。また、小型化のためにはフライホイールの慣性を大きくしたくないので、回転速度を高くするのが好ましい。
【0010】
【数1】

【0011】
回転速度を高くした場合の問題として、回転体(フライホイール、ロータなど)に生じる空気摩擦によるエネルギ損失(空気摩擦損失という)が増える問題と、磁気軸受に生じる渦電流損によるエネルギ損失(軸受損失という)が増える問題と、発電電動機における電気損失が増える問題がある。
【0012】
空気摩擦損失は、回転体を真空又はHeなどの軽い気体中に置くという対策が知られており、空気摩擦損失が大きく低減できるという結果が得られている。
【0013】
軸受損失については、ゼロパワー制御(特許文献1)、新型ホモポーラ磁極(特許文献2)などの採用により、軸受損失が低減できるという結果が得られている。
【0014】
【特許文献1】特開2002−061646号公報
【特許文献2】特開2001−271836号公報
【特許文献3】特開2003−111494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述のように空気摩擦損失や軸受損失の問題は解決されたが、発電電動機の電気損失の問題は未解決である。また、空気摩擦損失や軸受損失の問題が解決されたことにより、発電電動機の電気損失の問題が解決しなければならない最大の問題となった。
【0016】
この問題を方式別に検討すると、永久磁石式同期機では界磁を張るための給電が不要であることから効率はよいものの、遊転時にも界磁が張られた状態であるから、渦電流などの発生により制動力が生じて損失が発生する。一方、誘導機では、遊転時にも回転速度と同期した励磁をするべくステータコイルに電圧を印加しているため、電気損失が発生する。
【0017】
特許文献3では、遊転時にステータコイルに印加する電圧を発電時、電動時に印加する電圧の0.4倍にする技術が開示されている。しかし、それでも電流が流れることに変わりはなく、電気損失が発生する。とはいえ、励磁を切ってしまうと、次に励磁を始めるときの周波数が定まらず、また、停電時には励磁電力が得られない。
【0018】
本発明の目的は、上記課題を解決し、遊転時における発電電動機の電気損失をなくしたフライホイール式無停電電源装置の制御方法及びこれを用いた無停電電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために本発明の方法は、発電電動機に取り付けたフライホイールにエネルギを回転エネルギとして蓄積するフライホイール式無停電電源装置の制御方法において、遊転時には上記発電電動機を無励磁状態とし、遊転時から発電時に移行するときに、上記発電電動機を励磁状態に切り換えるものである。
【0020】
遊転時から発電時に移行するときは、フライホイールの回転速度を検出し、この回転速度から発電用励磁周波数を求め、この発電用励磁周波数で上記発電電動機を励磁状態としてもよい。
【0021】
まずフライホイールの回転速度に対応する励磁周波数を発電開始用励磁周波数とし、いったんこの発電開始用励磁周波数で上記発電電動機を励磁状態とした後、徐々に発電用励磁周波数に変えていってもよい。
【0022】
充電器を用い、電動時又は発電時にこの充電器に充電しておき、遊転時から発電時に移行するときは、この充電器から放電して励磁電力を得てもよい。
【0023】
上記発電電動機を励磁状態に切り換えてから所望の量の電力が発電されるようになるまでの間、上記発電電動機が発電する電力に上記充電器から放電する電力を加えて所望の量の電力を得てもよい。
【0024】
また、本発明の装置は、発電電動機に取り付けたフライホイールにエネルギを回転エネルギとして蓄積する無停電電源装置であって、フライホイールの回転速度を検出する回転センサと、電動時又は発電時に充電される充電器と、コントローラとを備え、該コントローラは、遊転時には上記発電電動機を無励磁状態とし、遊転時から発電時に移行するときは、上記回転センサが検出する回転速度から求めた発電用励磁周波数を用い、上記充電器から放電させた励磁電力を上記発電電動機に与えるものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0026】
(1)遊転時における発電電動機の電気損失がなくなり、エネルギ資源が有効利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0028】
まず、本発明の原理を、本発明の特性図である図1と背景技術の特性図である図2とを比較しながら説明する。図1は、本発明においてフライホイールの回転速度に相当する周波数と発電電動機における励磁周波数とが時間的に変化していく様子と、これと同時に励磁電圧が時間的に変化していく様子を示したものである。図2は、背景技術において同様の様子を示したものである。なお、これらの図では「回転速度に相当する周波数」は単に「回転速度」と記してある。以下、明細書でも同様の表記をする。
【0029】
図2つまり背景技術では、遊転時に励磁周波数と回転速度は等しく(図では重なりを避けてずらせて描いてあるが実際は重なる)、そして発電電動機には所定の励磁電圧が印加されている。遊転時から発電時に移行するとき、励磁周波数は回転速度より小さい励磁周波数(発電用励磁周波数)に制御される。励磁電圧は遊転時と同じ値に一定に維持される。励磁周波数と回転速度の差がいわゆるすべり分である。発電時はすべりが−側に与えられる。つまり励磁周波数<回転速度とすることで、すべり分に相当する回転エネルギが電気エネルギの形で取り出される。回転エネルギが失われることで回転速度がしだいに低下すると、それに応じて発電用励磁周波数も低く算出される。その結果、励磁周波数が下げられ、すべり分の大きさが維持される。よって、所望した電力が継続して発電されることになる。図示しなかったが、電動時には、すべりが+側に与えられる。つまり励磁周波数>回転速度とすることで、すべり分に相当する電気エネルギが回転エネルギの形で蓄えられる。
【0030】
これに対し、図1つまり本発明では、遊転時には発電電動機を無励磁状態にするので、励磁周波数はゼロである。励磁電圧もゼロである。第一の実施形態として実線で示されるように、遊転時から発電時に移行するとき、回転速度よりすべり分だけ小さい励磁周波数が与えられる。この励磁周波数は、フライホイールの回転速度に基づいて所望の電力が取り出せるように設定した発電用励磁周波数である。励磁電圧は図2と同じ所定の値が与えられる。これにより、先述したすべりが生じて発電が行われる。図示しなかったが、電動時は背景技術と同じである。
【0031】
この方法の利点は、遊転時が無励磁状態であるため、電気損失が発生しないことである。ただし、無停電電源装置にあっては、遊転時から発電時に移行する時点は、上流が非停電から停電になった時点であり、励磁電圧が外からは得られない状態なので、予め充電しておいた充電器から励磁電力を取り出すようにするのがよい。
【0032】
図1には、第二の実施形態も併記されている。すなわち、破線で示されるように、励磁周波数は、遊転時から発電時に移行する瞬間にいきなり発電用励磁周波数に制御するのではなく、最初は励磁周波数を回転速度に等しい発電開始用励磁周波数とし、いったんこの発電開始用励磁周波数で発電電動機を励磁状態する。そして、励磁周波数を徐々に発電用励磁周波数に近づけていく。
【0033】
図1には、第三の実施形態も併記されている。すなわち、破線で示されるように、励磁電圧は、遊転時から発電時に移行する瞬間にいきなり図2と同じ所定の値に持っていくのではなく、最初は励磁電圧をゼロあるいはそれに近い十分小さい値とし、その後、励磁電圧を徐々に所定の値に近づけていく。
【0034】
第二の実施形態と第三の実施形態とを併用した第四の実施形態も可能である。
【0035】
第二〜第四の実施形態では、無励磁状態からの急激な励磁を回避することができる。その半面、励磁周波数あるいは励磁電圧が最終的な目標の値に到達するまでに時間を要する。この時間をタイムラグと呼ぶ。タイムラグの期間中は、すべり分が小さいので、所望した量の電気エネルギが取り出せない。そこで、その電気エネルギの不足分は充電器から取り出して補うのがよい。このようにすれば、負荷側から見れば、遊転時から発電時に移行した瞬間にも、上流が非停電であったときと変わらない量の電源供給を継続して受けることができる。
【0036】
次に、上記の方法を用いた無停電電源装置を説明する。
【0037】
図3に示されるように、本発明に係る無停電電源装置は、誘導機である発電電動機1と、その発電電動機1のロータと一体になって回転するフライホイール2と、フライホイール2の回転速度を検出する回転センサ3と、電動時又は発電時に充電される充電器4と、本発明の方法に基づいた制御を実行するコントローラ5とを備える。なお、本発明に係る無停電電源装置の機械的構造は、図6で説明した従来の構造とほぼ同じであり、これに回転センサ3を付加することになる。回転センサ3の設置場所は特に限定はなく、発電電動機のロータ(72)と一体回転する部分の回転を検出することができればよい。
【0038】
この実施の形態では、おおもとの電源を外部交流電源(商用電源)ライン6とし、本発明の無停電電源装置を介し、図示しない負荷につながる負荷電源ライン7にも同じ商用周波数の交流電力を供給するようになっている。また、発電電動機1を励磁する電力(発電する電力、電動に用いる電力)も交流である。その一方で、キャパシタで構成される充電器4は直流動作をする機器であるので、外部交流電源ライン6からの交流電力を内部直流電力に変換するコンバータ(AC/DC)8と、内部直流電力を負荷電源ライン7用の交流電力に変換するインバータ(DC/AC)9と、内部直流電力と発電電動機電力とを相互変換するインバータ(DC/AC)10とを備える。インバータ10は電力の流れる方向によってはコンバータ(AC/DC)といえる。図中では交流を実線で、直流を破線で示してある。
【0039】
コントローラ5は、外部交流電源ライン6の電流・電圧・位相を監視することにより、停電を検出することができる。また、コントローラ5は、内部直流電圧を監視すること、充電器4に対して充放電を指令すること、発電電動機1に現れている電流・電圧を監視すること、インバータ10に対して周波数及び電力を流す方向を指令すること、インバータ9から負荷電源ライン7に流れる電力を指令することなどができる。さらに、コントローラ5は、負荷電源ライン7の電流・電圧を監視することにより、負荷電源ライン7に対して十分な電力が供給されているかどうかを確認することができる。
【0040】
コントローラ5は、外部交流電源ライン6が停電か非停電かにより、また、充電器4の充電状態やフライホイール2の充電状態(回転速度で換算)により、本無停電電源装置の状態を電動時、発電時、遊転時に切り換えることができる。特に、本発明の特徴として、コントローラ5は、遊転時には発電電動機1を無励磁状態とし、遊転時から発電時に移行するときは、回転センサ3が検出する回転速度から求めた発電用励磁周波数を用い、充電器4から放電させた励磁電力を発電電動機1に与えるようになっている。
【0041】
次に、図3の無停電電源装置の動作を図4(a)〜(d)を用いて説明する。 図4(a)〜(d)は図3の無停電電源装置における電力の流れを矢印で示したものである。
【0042】
まず、この無停電電源装置を初めて起動したときは、図4(a)に示した電動時の状態となる。このとき、発電電動機1は電動を行い、フライホイール2は加速されることになる。電力は、外部交流電源ライン6からコンバータ8を通って、充電器4に充電されると共にインバータ10を通って、発電電動機1を介してエネルギ形態を変えてフライホイール2に貯蔵される。同時に、インバータ9から出た電力は、負荷電源ライン7に供給される。
【0043】
図4(b)は遊転時の状態を示している。充電器4にもフライホイール2にも十分な電力(エネルギ)が蓄積されており、フライホイール2は遊転し、発電電動機1は無励磁となる。電力は、外部交流電源ライン6からコンバータ8、インバータ9を通って負荷電源ライン7に供給されるのみで、発電電動機1に対しては無給電である。
【0044】
もし、充電器4の充電量が自然放電によって必要量以下になった場合は、再度充電を行って補充する。また、フライホイール2にエネルギ損失が生じた場合は、図4(a)の電動時に戻りフライホイール2を再度加速して補充する。このときは、発電電動機1を無励磁から励磁に切り換えるために、フライホイール2の回転速度から電動用の励磁周波数を求めて励磁電力を与えることになる。
【0045】
図4(c)は、外部交流電源ライン6が停電になってすぐの状態、すなわち遊転時から発電時に移行した瞬間を示している。このとき発電電動機1は無励磁から発電に変わる。電力は、充電器4から放電され、インバータ10を経て発電電動機1に励磁の立ち上げ用に供給されると共に、インバータ9を通って負荷電源ライン7に供給される。
【0046】
図4(d)は、遊転時の定常状態を示している。フライホイール2はエネルギを消費するため減速しており、発電電動機1は発電を行う。電力は、発電電動機1からインバータ10、インバータ9を通って負荷電源ライン7に供給される。このとき必要に応じて、充電器4へ充電を行ってもよい。
【0047】
図4(d)の後、外部交流電源ライン6が復旧したときには、図4(a)の電動時に戻る。
【0048】
図3の形態では外部交流電源ライン6からの交流電力をいったん直流電力に変換してから交流電力に戻して負荷電源ライン7に供給した。図5の形態では、図3の形態を一部変更してACスイッチ11を設けてある。すなわち、インバータ9の出力側がACスイッチ11の一方の入力側に接続されており、ACスイッチ11の他方の入力側が外部交流電源ライン6に接続されており、ACスイッチ11の出力側が負荷電源ライン7に接続されている。コントローラ5はACスイッチ11に対して切替指令を出すようになっている。
【0049】
図5の形態では、外部交流電源ライン6が停電になると、インバータ9からの電力がACスイッチ11を介して負荷電源ライン7に供給されるが、外部交流電源ライン6が非停電のときは、外部交流電源ライン6からの電力がACスイッチ11を介して負荷電源ライン7にバイパスされる。よって、外部交流電源ライン6が非停電のときは、コンバータ8、インバータ9における変換ロスがなくなり、いっそうエネルギ資源が有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明において遊転時から発電時に移行するときの回転速度、励磁周波数、励磁電圧の時間的変化を示す図である。
【図2】背景技術において遊転時から発電時に移行するときの回転速度、励磁周波数、励磁電圧の時間的変化を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す無停電電源装置の構成図である。
【図4】(a)〜(d)は図3の無停電電源装置における電力の流れを示した図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す無停電電源装置の構成図である。
【図6】背景技術のフライホイール式無停電電源装置の概略構造図である。
【符号の説明】
【0051】
1 発電電動機
2 フライホイール
3 回転センサ
4 充電器
5 コントローラ
6 外部交流電源ライン
7 負荷電源ライン
8 コンバータ
9 インバータ
10 インバータ
11 ACスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電電動機に取り付けたフライホイールにエネルギを回転エネルギとして蓄積するフライホイール式無停電電源装置の制御方法において、遊転時には上記発電電動機を無励磁状態とし、遊転時から発電時に移行するときに、上記発電電動機を励磁状態に切り換えることを特徴とするフライホイール式無停電電源装置の制御方法。
【請求項2】
遊転時から発電時に移行するときは、フライホイールの回転速度を検出し、この回転速度から発電用励磁周波数を求め、この発電用励磁周波数で上記発電電動機を励磁状態とすることを特徴とする請求項1記載のフライホイール式無停電電源装置の制御方法。
【請求項3】
まずフライホイールの回転速度に対応する励磁周波数を発電開始用励磁周波数とし、いったんこの発電開始用励磁周波数で上記発電電動機を励磁状態とした後、徐々に発電用励磁周波数に変えていくことを特徴とする請求項2記載のフライホイール式無停電電源装置の制御方法。
【請求項4】
充電器を用い、電動時又は発電時にこの充電器に充電しておき、遊転時から発電時に移行するときは、この充電器から放電して励磁電力を得ることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のフライホイール式無停電電源装置の制御方法。
【請求項5】
上記発電電動機を励磁状態に切り換えてから所望の量の電力が発電されるようになるまでの間、上記発電電動機が発電する電力に上記充電器から放電する電力を加えて所望の量の電力を得ることを特徴とする請求項4記載のフライホイール式無停電電源装置の制御方法。
【請求項6】
発電電動機に取り付けたフライホイールにエネルギを回転エネルギとして蓄積する無停電電源装置であって、フライホイールの回転速度を検出する回転センサと、電動時又は発電時に充電される充電器と、コントローラとを備え、該コントローラは、遊転時には上記発電電動機を無励磁状態とし、遊転時から発電時に移行するときは、上記回転センサが検出する回転速度から求めた発電用励磁周波数を用い、上記充電器から放電させた励磁電力を上記発電電動機に与えることを特徴とする無停電電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−67670(P2006−67670A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245513(P2004−245513)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】