説明

フラックス塗布システム

【課題】 1つの噴霧式フラックス塗布装置で、多種類のフラックス塗布方法を実現できるようにすること。
【解決手段】プリント配線板1にフラックスを塗布する噴霧ノズル22を有するフラックス塗布手段18と、水平面における任意の位置に任意の向きでプリント配線板を位置させるロボット搬送手段3と、ロボット搬送手段3によるプリント配線板1の位置と向きで規定されるプリント配線板1の搬送軌跡を制御する制御手段42とを備え、制御手段42によって、プリント配線板1をロボット搬送手段3でフラックス塗布手段18において搬送する場合に水平面における直交する座標の一方の座標での往復移動と他方の座標での直進移動と水平面における向きを組み合わせた搬送軌跡に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を搭載したプリント配線板のような板状の被はんだ付けワークのはんだ付け作業において、その被はんだ付け面にフラックスを塗布するフラックス塗布システムに関する。
【背景技術】
【0002】
リフローはんだ付け作業に伴う高温雰囲気に耐えることができないような非耐熱性の電子部品(例えば、樹脂ハウジングを備えたコネクタ等のようなリード型電子部品)は、部分はんだ付けシステムと呼称されている専用のフローはんだ付けシステムによりはんだ付けが行われている。
【0003】
他方で、当初からフローはんだ付けを行うように実装設計されたプリント配線板では、フローはんだ付けシステムによりその被はんだ付け面の全領域を溶融はんだの噴流波に接触させる一括フローはんだ付け作業が行われている。
【0004】
そして、このフローはんだ付けを行う際に、プリント配線板にフラックスを塗布することが行われている。
【0005】
フローはんだ付けは、フラックス塗布工程→予備加熱工程→はんだ付け工程の順に行われる。そして、フラックス塗布工程では噴霧式フラックス塗布装置が用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、1つの噴霧式フラックス塗布装置でプリント配線板の特定の領域すなわち部分はんだ付け領域にのみフラックスを塗布したりこのプリント配線板の被はんだ付け面の全領域にフラックスを塗布したり、プリント配線板の搬送軌跡のみでフラックスの塗布状態を制御する技術は無かった。
【0007】
本発明の目的は、1つの噴霧式フラックス塗布装置で多種類のフラックス塗布方法を実現できるようにすることにある。その結果、多様なプリント配線板の複雑なはんだ付け作業を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)プリント配線板にフラックスを塗布する噴霧ノズルを有するフラックス塗布手段と、水平面における任意の位置に任意の向きで前記プリント配線板を位置させるロボット搬送手段と、前記搬送手段による前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記プリント配線板を前記ロボット搬送手段で前記フラックス塗布手段において搬送する場合に前記水平面における直交する座標の一方の座標での往復移動と他方の座標での直進移動と前記水平面における向きを組み合わせた搬送軌跡に制御するようにフラックス塗布システムを構成する。
【0009】
これにより、プリント配線板の向きと直交座標における一方の座標の往復移動と他方の座標の直進移動で規定されるプリント配線板の搬送軌跡により、プリント配線板に対するフラックスの塗布パターンが任意に選択され、これによりフラックスの重ね塗布の態様も任意に選択される。したがって、フラックスの塗布を極めて均一に行うことができるようになる。また、往復移動の振幅を調節すればプリント配線板の目的とする領域にのみ前記の搬送軌跡を採ることが可能となり、この目的とする領域にのみ極めて均一にフラックスを塗布することができる。
【0010】
(2)プリント配線板にフラックスを塗布する噴霧ノズルを有するフラックス塗布手段と、水平面における任意の位置に任意の向きで前記プリント配線板を位置させるロボット搬送手段と、前記搬送手段による前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡と前記フラックス塗布手段の前記噴霧ノズルの水平面における位置を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記プリント配線板を前記ロボット搬送手段で前記フラックス塗布手段において搬送する場合に前記水平面における直交する座標の一方の座標での往復移動と他方の座標での直進移動と前記水平面における向きを組み合わせた搬送軌跡に制御すると共に前記フラックス塗布手段の前記噴霧ノズルの位置を前記プリント配線板の直進移動方向に往復移動制御するようにフラックス塗布システムを構成する。
【0011】
これにより、前記(1)のフラックス塗布パターンに噴霧ノズルの往復移動を加えることが可能になり、噴霧ノズルの往復移動位置とプリント配線板の搬送軌跡との相互作用によって、フラックスの重ね塗布の態様が細かくなって一層均一にフラックスを塗布することが可能になる。
【0012】
(3)プリント配線板にフラックスを塗布する噴霧ノズルを有するフラックス塗布手段と、水平面における任意の位置に任意の向きで前記プリント配線板を位置させるロボット搬送手段と、前記搬送手段による前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡と前記フラックス塗布手段の前記噴霧ノズルの水平面における位置を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記プリント配線板を前記ロボット搬送手段で前記フラックス塗布手段において搬送する場合に前記水平面における直交する座標の一方の座標での往復移動と他方の座標での直進移動と前記水平面における向きを組み合わせた搬送軌跡に制御すると共に前記フラックス塗布手段の前記噴霧ノズルの位置を前記水平面において旋回移動制御するようにフラックス塗布システムを構成する。
【0013】
これにより、前記(1)のフラックス塗布パターンに噴霧ノズルの旋回移動を加えることが可能になり、噴霧ノズルの旋回移動位置とプリント配線板の搬送軌跡との相互作用によって、フラックスの重ね塗布の態様がさらに細かくなってさらに均一にフラックスを塗布することが可能になる。
【0014】
(4)プリント配線板にフラックスを塗布する噴霧ノズルを有するフラックス塗布手段と、水平面における任意の位置に任意の向きで前記プリント配線板を位置させるロボット搬送手段と、前記搬送手段による前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記プリント配線板を前記ロボット搬送手段で前記フラックス塗布手段において搬送する場合に前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡を制御することでフラックスの塗布パターンを制御して前記プリント配線板においてフラックスを厚く塗布する部分と薄く塗布する部分を設けるようにフラックス塗布システムを構成する。
【0015】
これにより、例えばプリント配線板の向きと直交座標における一方の座標の往復移動と他方の座標の直進移動で規定されるプリント配線板の搬送軌跡において、プリント配線板の直進移動速度を可変し調節することで往復移動の搬送軌跡の密度(往復移動のピッチ間隔)を可変し調節することができるので、極めて均一にフラックスを塗布しつつプリント配線板の特定の部分にフラックスを厚く塗布したり逆に薄く塗布したりすることができる。
【0016】
(5)プリント配線板にフラックスを塗布する噴霧ノズルを有するフラックス塗布手段と、水平面における任意の位置に任意の向きで前記プリント配線板を位置させるロボット搬送手段と、前記搬送手段による前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記プリント配線板を前記ロボット搬送手段で前記フラックス塗布手段において搬送する場合に前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡における搬送速度を制御することでフラックス塗布の厚さを制御するようにフラックス塗布システムを構成する。
【0017】
これにより、例えばプリント配線板の向きと直交座標における一方の座標の往復移動と他方の座標の直進移動で規定されるプリント配線板の搬送軌跡において、この搬送軌跡上における(方向と大きさを有する)搬送ベクトルの大きさすなわち搬送速度を可変し調節することで、単位時間あたりにプリント配線板に塗布されるフラックスの量をプリント配線板の特定の部分において可変し調節することができるので、極めて均一にフラックスを塗布しつつプリント配線板の特定の部分にフラックスを厚く塗布したり逆に薄く塗布したりすることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明のフラックス塗布システムによれば、多品種で多様なプリント配線板の複雑なはんだ付け生産工程を1つの生産ラインで構成することができるようになるとともに、これらの作業態様の変更もソフトウェアやデータの変更や追加のみで対応できるようになる。また、生産コストも低くすることができるようになる。
【0019】
すなわち、プリント配線板1へのフラックス塗布領域を容易に選択することができるようになるとともに、噴霧ノズルを固定したままの簡素な構成で噴霧ノズルを往復移動させた場合と同様のフラックス塗布作業を行うことが可能となり、フラックスを極めて均一に塗布することができるようになる。また、プリント配線板にフラックスを塗布する場合の塗布パターン(塗布軌跡)を任意に選択することができるので、プリント配線板の或る部分にはフラックスを厚く塗布し他の部分には薄く塗布する等の作業選択も容易に行うことができるようになる。さらに、前記往復移動の振幅を調節することで部分的な塗布も可能に成る。
【0020】
また、噴霧ノズルから噴霧するフラックス流量を一定にしておいても、プリント配線板の搬送速度を遅くすることによりフラックス塗布厚さを厚くすることが可能であり、搬送速度を速くすることでフラックス塗布厚さを薄くすることが可能である。また、フラックスを塗布する際の重ね塗布(複数回重ねて塗布すること)の程度を調節することによっても塗布厚さを調節することができる。つまり、予め決めたこの塗布厚さデータとその座標データおよびプリント配線板の搬送速度と搬送方向(搬送ベクトル)そしてその搬送軌跡を主制御装置に格納しておくことにより、このような部分的なフラックス塗布厚さの制御すなわちフラックスの塗布位置による変調を行うことが可能となる。
【0021】
さらに、工業用ロボットを傾斜させることによりプリント配線板を仰角搬送するように構成しているので、少ない軸数(座標数)の工業用ロボットではんだ付け性の良好な一連のはんだ付け作業を行うことができるようになる。すなわち、軸数(座標数)の少ない分だけ搬送座標精度すなわち座標精度の良好なはんだ付け作業が可能となり、したがって、低価格の工業用ロボットにより繰り返し精度の高い一連のはんだ付け作業が可能となり、はんだ付け品質が安定したはんだ付け作業を行うことができるようになる。
【0022】
なお、以上のフラックス塗布システムでは、前記プリント配線板の特定の領域にのみ前記噴霧ノズルを対向させてフラックスを噴霧すれば当該特定の領域にのみフラックスを塗布することができる。この場合において、プリント配線板を搬送しながら噴霧すればさらに広い領域にフラックスを塗布することができる。また、噴霧ノズルとの距離を調節することによってもフラックスの塗布領域の大きさを調節することができる。したがって、フラックス塗布領域の形状が変則的な形状(例えば、台形形状や達磨状等の形状)であっても塗布できる。
【0023】
一方、前記噴霧ノズルの前記プリント配線板に対向する位置がこのプリント配線板の被はんだ付け面の全領域に及ぶようにこのプリント配線板を搬送すれば、このプリント配線板の全領域にフラックスを塗布することができる。例えば、プリント配線板を搬送方向と交差する方向に往復動作させながら搬送すれば、1つの噴霧ノズルから噴霧されるフラックスをプリント配線板の全領域に塗布することができる。
【0024】
したがって、プリント配線板の特定の領域にのみフラックスを塗布してはんだ付け作業が行えるとともに、全領域にフラックスを塗布してはんだ付け作業を行うことを切り換えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のフラックス塗布システムは、次のような実施形態例において実施することができる。なお、被はんだ付けワークは多数の電子部品を搭載したプリント配線板である。また、本実施形態例のフラックス塗布システムは、はんだ付けシステム内に組み込まれた実際の態様で説明する。
【0026】
(1)構成
図1および図2を参照して、本発明にかかるフラックス塗布システムが組み込まれたはんだ付けシステムの実施形態例を説明する。図1は、プリント配線板の搬送装置として工業用ロボットを使用したはんだ付けシステムの構成を示す平面図で、制御系はシンボル図で示してある。また、図2は、工業用ロボットおよびその搬送平面の仰角を調節する機構を説明するための図で、工業用ロボットを図1の右側から見た図である。
【0027】
すなわち、プリント配線板1はハンドリング装置2を備えた工業用ロボット3で搬送する。この場合、プリント配線板1上の位置はX−Yの直交座標平面で表わし、また、工業用ロボット3による搬送位置もX−Yの直交座標平面で表わすことができ、そして、搬送位置を3次元で表わすときは、X−Y平面に垂直なZ軸を用いて表わすことができる。この工業用ロボット3は、少なくともA軸4およびB軸5を有し、各軸4,5に対応して第1アーム6を矢印a方向に第2アーム7を矢印b方向に旋回させることにより水平面における任意の位置にプリント配線板1を搬送することができる。
【0028】
したがって、2軸の搬送手段として所謂X−Yロボットを使用することもできる。なお、図2に示すようにC軸(矢印c方向の旋回軸)8を設ければプリント配線板1の向きも任意に設定できる。さらにC軸8を矢印d方向に上下させるD軸9を設ければ、プリント配線板1の高さ位置も任意に設定することができるようになる。
【0029】
この工業用ロボット3は基台11の上に固定されていて、この基台11の一端側11aが軸受け12に挿通された支軸13を中心として図2の矢印f方向に旋回することにより、工業用ロボット3のA軸4を矢印e方向に傾斜させることができるように構成してある。すなわち、軸受け12と対向する側の基台11の他端側11bには減速用のギア14aおよび回転エンコーダ14b(絶対値検出型)を備える仰角調節用のモータ14に駆動された送りねじ15が設けてあり、この機構により、工業用ロボット3のA軸4を矢印e方向に傾斜させる程度を調節する構成である。
【0030】
そして、ローダ16に搬入されたプリント配線板1はハンドリング装置2に保持され、工業用ロボット3により噴霧式フラックス塗布装置18(フラックス塗布工程)→予備加熱装置19(予備加熱工程)→はんだ付け装置20(はんだ付け工程)の順に搬送し、一連のはんだ付け作業が終了した後にアンローダ17に搬出される。
【0031】
フラックス塗布システムを有するフラックス塗布工程において、噴霧式フラックス塗布装置18は、噴霧ノズル22の周囲を囲むようにして排気フード(不図示)と排気フィルタ23を設けてあり、フラックスの噴霧流量や噴霧タイミングは噴霧制御装置24により制御(制御信号Pf )される。そして、この噴霧制御装置24は主制御装置25との間の通信(通信信号Sf )により、前記噴霧流量や噴霧タイミングが制御される。
【0032】
予備加熱工程において、予備加熱装置19は、ヒータ27とファン28とから成る赤外線加熱と熱風加熱を併用した構成であるが、いずれか一方の加熱方式のみの構成でもよい。また、予備加熱工程は予備加熱装置19を2台1組で構成し、各予備加熱装置19にはそれぞれ図示しないホルダを設けてあり、このホルダ上にプリント配線板1を載置できるように構成されている。
【0033】
はんだ付け工程において、はんだ付け装置20は、溶融はんだの噴流波を形成する装置であり、図7を参照してその詳細を説明する。図7は、はんだ付け装置を示す図である。図7(a)は、はんだ付け装置の縦断面図であり、図7(b)は吹き口部分の構成を拡大して示した斜視図である。
【0034】
すなわち、図示しないヒータにより加熱されて溶融状態のはんだ(溶融はんだ)30がはんだ槽31内に収容してあり、これをモータ32に駆動されたポンプ33により吸い込み口34から吸い込んで吹き口体35へ供給し、この吹き口体35の吹き口36から溶融はんだ30を噴流させて噴流波37を形成する構成である。
【0035】
また、このはんだ付け装置20は、吹き口体35の吹き口36に2つのシャッタ39を備えていて、このシャッタ39をそれぞれの接続部40を介して各アクチュエータ41により駆動して吹き口36の長さおよび位置を可変することができるように構成してある。すなわち、吹き口36の長さを調節することにより噴流波37の長さ(図7(a)の横方向の長さ)を任意に調節することができるように構成してある。
【0036】
すなわち、第1のシャッタ39aと第2のシャッタ39bを吹き口36の両側から移動させて両開き調節できるように構成したものであり、それぞれのシャッタ39a,39bに対応する第1のアクチュエータ41aと第2のアクチュエータ41bでシャッタ39の開閉調節を行う構成である。40a,40bはそれぞれ接続部である。
【0037】
一方、工業用ロボット3はロボット制御装置42により制御信号PR でハンドリング装置2の搬送座標が制御され、予め教示されたかもしくはプログラミングされた作業手順に従って、その搬送軌跡と速度が制御され指示された位置にプリント配線板1を搬送する。なお、このプログラムを別途に設けたコンピュータシステムにより作成して主制御装置25の記憶部(不図示)に格納し、そのデータに沿った搬送動作を行わせることが可能である。
【0038】
主制御装置25はコンピュータシステムにより構成され、キーボード等の指示操作部25aと、LCD等の表示部25bとを備えている。そして、その通信ポートを介して外部機器と通信しながらその制御を行う。また、ロボット制御装置42との間においても通信(通信信号SR )により連係した制御が可能であり、ロボットへの搬送指示を行うことと併せてその搬送状態を把握し、プリント配線板1の搬送状態に連係してはんだ付け装置20や予備加熱装置19および噴霧式フラックス塗布装置18の制御を行う分散処理の構成である。なお、外部通信ポート25cはLANによりはんだ付けシステムを制御する場合に使用する。
【0039】
すなわち、主制御装置25はロボット制御装置42と通信しながらプリント配線板1を噴霧式フラックス塗布装置18に搬送し、このプリント配線板1が噴霧式フラックス塗布装置18に搬送されると噴霧制御装置24に噴霧タイミング制御信号(通信信号Sf )を与え、このプリント配線板1の目的領域にフラックスを塗布することができるように構成されている。なお、このフラックス塗布の態様例については後に説明する。
【0040】
同様に、主制御装置25はロボット制御装置42と通信しながらフラックス塗布の終了したプリント配線板1を予備加熱装置19に搬送し、プリント配線板1をこの予備加熱装置19のホルダ(不図示)上に載置させ、プリント配線板1の特にそのフラックス塗布面の予備加熱が行われる。通常は、プリント配線板1の温度が目的とする予備加熱温度(例えば120℃)まで上昇するまでに相当量の時間(数分程度)が必要なため、この間において工業用ロボット3には別の作業を遂行させる。
【0041】
すなわち、既に必要な時間あるいは目的の温度(別途に、図示しない赤外線放射温度計等により測定し主制御装置25に通信・通知する手段を設ける)まで予備加熱されたプリント配線板1をはんだ付け装置20に搬送したり、次のプリント配線板1をローダ16から噴霧式フラックス塗布装置18に搬送したりする作業を遂行する。
【0042】
予備加熱装置19に2台の予備加熱装置19a,19bを1組として設けた理由は、プリント配線板1の予備加熱に相当量の時間が必要なため、先入れ先出し方式により常にどちらか一方の予備加熱装置19a,19bのホルダ上にプリント配線板1を載置して予備加熱を行いながら待機させ、その待機中に後段のはんだ付け装置20における作業や前段の噴霧式フラックス塗布装置20における作業が連続して行えるようにするためである。
【0043】
すなわち、工業用ロボット3によるプリント配線板1の搬送は次のように行われる。
【0044】
(1)ローダ16→噴霧式フラックス塗布装置18→予備加熱装置19a
(2)ローダ16→噴霧式フラックス塗布装置18→予備加熱装置19b
(3)予備加熱装置19a→はんだ付け装置20→アンローダ17
(4)ローダ16→噴霧式フラックス塗布装置18→予備加熱装置19a
(5)予備加熱装置19b→はんだ付け装置20→アンローダ17
(6)ローダ16→噴霧式フラックス塗布装置18→予備加熱工程19b
以下(3)〜(6)を繰り返すことにより、工業用ロボット3の休止期間を最小にして一連のはんだ付け作業を行うことができるようになる。
【0045】
主制御装置25は、はんだ付け装置20の制御も行う。すなわち、このはんだ付け装置20のポンプ33を駆動するモータ32がインダクションモータでインバータ44により駆動され、その回転速度を調節し制御(制御信号Pfm)することができるように構成されていて、このインバータを通信信号Sfmにより制御することにより、主制御装置25がモータ32の回転速度を調節して吹き口体35に供給する溶融はんだ30の流量を調節する構成である。
【0046】
また、吹き口36の長さひいては噴流波37の長さを調節する第1シャッタ39aおよび第2のシャッタ39bは第1のアクチュエータ41aおよび第2のアクチュエータ41bにより開閉駆動されるが、これらのアクチュエータ41はアブソリュート型のリニアエンコーダ(不図示)を備えていて、主制御装置25との間の通信(通信信号Sw1,Sw2)により吹き口36の長さを直接にフィードバック制御することができる構成である。
【0047】
すなわち、予めプログラムにより指示された長さの噴流波37を形成させておいて、工業用ロボット3で保持したプリント配線板1の被はんだ付け領域(図3にて後述する)またはその被はんだ付け面の全領域を前記噴流波37に接触させ、このプリント配線板1のはんだ付け作業を行う仕組みである。
【0048】
このプリント配線板1と噴流波37との接触に際しては、主制御装置25が仰角調節用のモータ14を制御し、工業用ロボット3を傾斜させてこのプリント配線板1を仰角搬送するように構成してある。
【0049】
すなわち、仰角調節用のモータ14にはステッピングモータ等の制御容易なモータが駆動部45を介して制御されるように構成され、さらに送りねじ15と同軸に設けた絶対値型のエンコーダ14bにより工業用ロボット3の傾斜角度を容易に演算できるように構成されている。つまり、主制御装置25と駆動部45との通信信号Sθと、駆動部45によるモータ14の駆動信号Pθにより、工業用ロボット3は目的とする角度に傾斜するように制御される。
【0050】
(2)フラックス塗布態様
次に、図3ないし図6を参照して、フラックス塗布工程のフラックス塗布システムにおいてプリント配線板にどのようにしてフラックスが塗布されるかを説明する。
【0051】
図3は、フラックス塗布態様例−1を説明するための図で、(a)はプリント配線板が水平に保持されて噴霧ノズル上に搬送される状態を示す平面図、(b)は(a)を右側面から見た図、(c)はフラックスの噴霧を開始した時点を説明するための図で(a)に対応した平面図、(d)は(c)を右側面から見た図である。
【0052】
図3に示す塗布態様例−1は、プリント配線板1にコネクタ47を搭載してそのリード端子48と被はんだ付け面1aの図示しないはんだ付けランドとの間に形成された被はんだ付け部49にフラックス50を塗布する例であり、コネクタ47の搭載領域のみにフラックス50を塗布する例である。
【0053】
なお、コネクタ47の位置および噴霧ノズル22の位置はX−Y座標などの座標で示される。
【0054】
すなわち、プリント配線板1が搬送軌跡H方向に搬送されて噴霧ノズル22の座標に対応した位置にコネクタ47の搭載座標の前端座標が到達すると噴霧ノズル22からフラツクス50の噴霧を開始させ、コネクタの搭載座標の後端座標が到達すると噴霧を停止させ、当該コネクタ47の搭載領域にのみフラックス50を塗布するように作動する。なお、これらの座標は予めプログラムにより指示されている。
【0055】
この場合におけるプリント配線板1の搬送軌跡Hは図3に示すように噴霧ノズル22との間隔を一定に保ちながら垂直面においても直線状に搬送する。そして、噴霧ノズル22とプリント配線板1との間隔を調節することによってプリント配線板1上における噴霧領域51ひいてはフラックス50の塗布領域の幅(図3(c)の横幅)を調節することができる。したがって、噴霧ノズル22との間隔を変化させる搬送軌跡とすれば、プリント配線板1上におけるフラックス塗布領域の形状が変則的な形状(例えば台形形状や達磨状等の形状)であっても塗布することが可能である。
【0056】
次に、図4は、フラックス塗布態様例−2を説明するための図で、プリント配線板1の被はんだ付け面の全領域にフラックスを塗布する例である。図3と同様に、図4(a)はプリント配線板が水平に保持されて噴霧ノズル上に搬送される状態を示す平面図、(b)は(a)を右側面から見た図、(c)はフラックスの噴霧を開始した時点を説明する図で(a)に対応した平面図、(d)は(c)を右側面から見た図である。
【0057】
すなわち、図4(a)、(b)に示すように搬送軌跡Hで搬送されたプリント配線板1を、噴霧ノズル22上で図4(c)、(d)に示すように水平面で横方向に往復移動させながら搬送することにより、プリント配線板1上におけるフラックス50の噴霧領域51がこのプリント配線板1の被はんだ付け面1aの全域に及ぶように構成した塗布態様例である。この場合において、フラックス50の重ね塗布も可能であるので、塗布の均一性が格段に向上する。
【0058】
また、図5は、フラックス塗布態様例−3を説明するための図であり、プリント配線板の全領域にフラックスを塗布する場合を示し、図5(a)、(b)、(c)は水平面におけるプリント配線板1の搬送軌跡の例である。
【0059】
すなわち、図5(a)に示す例はプリント配線板1を水平面で縦方向に往復移動させながら搬送する例であり、図5(b)はプリント配線板1を水平面で横方向に角型に往復移動させながら搬送する例、図5(c)はプリント配線板1を水平面で縦方向に角型に往復移動させながら搬送する例である。
【0060】
なお、図4および図5のフラックス塗布態様例は、プリント配線板1の全領域にフラックス50を塗布する態様例を示すものであるが、例えば形状が大型のプリント配線板1において右側半分の領域や中央の領域にのみフラックス50を塗布する場合においても、図4および図5に示す往復移動による塗布態様例を適用することができる。すなわち、往復振幅を調節することによりそれが実現できる。
【0061】
また、図6は、フラックス塗布態様例−4を説明するための図であり、噴霧ノズルを移動させつつ、プリント配線板を移動させてフラックスを塗布する場合を示し、図6(a)は、噴霧ノズル22を矢印α方向に往復移動させつつ、プリント配線板1を搬送軌跡H方向に移動させる例、(b)は、噴霧ノズル22を矢印β方向に円形移動させつつ、プリント配線板1を搬送軌跡H方向に移動させる例である。これらに示すように、噴霧ノズル22とプリント配線板1の搬送軌跡Hとの組み合わせにより、一層均一にフラックス50を塗布することができるようになる。
【0062】
(3)予備加熱態様例
先の(1)で説明したように、フラックス50の塗布されたプリント配線板1は、工業用ロボット3により予備加熱装置19の図示しないホルダ上に載置しておくことにより、予め決めた所定の時間および温度で加熱される。そして、フラックス50の乾燥と前置的な活性化が行われる。
【0063】
この予備加熱時間および温度はプリント配線板1の種類により最適に選択される。予備加熱により加熱されるプリント配線板1の温度は、ヒータ27の温度や熱風の温度および予備加熱時間により決まり、これらのパラメータは、通常プリント配線板1の予備加熱時間や予備加熱温度に合わせて調節される。
【0064】
(4)はんだ付け態様例
次に、図8ないし図10を参照してはんだ付け作業における態様を説明する。
【0065】
図8は、はんだ付け態様例を説明するための平面図で、はんだ吹き口周辺を示す平面図である。そして、図8(a)は部分はんだ付けの態様例を示す平面図、図8(b)は一括フローはんだ付け態様例を示す平面図である。また、図9は、はんだ付け態様例を説明するための側面図で、図1を右側面から見た垂直面を示す図である。図10は、他のはんだ付け態様例を示す側面図で、図1において、C軸8がはんだ付け装置20の下側に位置するように第1アーム6が回転したところを右側面から見た図である。
【0066】
すなわち、図8(a)、(b)に示す上面から見たプリント配線板1の搬送軌跡Hと図9および図10に示す垂直面におけるプリント配線板1の搬送軌跡Hとの組み合わせにより、プリント配線板1のはんだ付けが行われる。
【0067】
図8(a)の例では、溶融はんだの吹き口36の長さひいては噴流波37の長さがプリント配線板1に搭載されたコネクタ47の幅と同様の長さに設定され、プリント配線板1を搬送軌跡H方向に搬送することによりコネクタ47のリード端子48とプリント配線板1のランドとを溶融はんだ30の噴流波37に接触させ、このコネクタ47のリード端子48とプリント配線板1のランド間すなわち被はんだ付け部49に溶融はんだを供給し、このコネクタ47のプリント配線板1への部分はんだ付け作業が行われる。
【0068】
このはんだ付け作業を行うはんだ付け工程においては、はんだ付け作業に伴って工業用ロボット3のA軸4を図9のように角度θS だけ傾け、プリント配線板1を仰角θC で搬送軌跡H方向に搬送しながら溶融はんだ30の噴流波37に接触させてはんだ付けが行われる。これにより、被はんだ付け部49が溶融はんだ30の噴流波37から離脱する離脱点の離脱角度が大きくなるとともにこの離脱角度も安定するようになり、はんだブリッジを生じることがなく、しかもフィレット形状の安定したはんだ付け品質の良好な部分はんだ付けを行うことができる。
【0069】
なお、この仰角θC はプリント配線板1の実装設計状態により最適な値が選択される。すなわち、プリント配線板1の種類により最適な値が選択され設定される。
【0070】
また、図10のようにC軸4の上下動すなわち図10の矢印c方向の移動を可能とすれば、コネクタ47が搭載された被はんだ付け部49の領域すなわち部分はんだ付け領域のみを噴流波37に接触させるようにプリント配線板1を上下移動して搬送させる搬送軌跡Hとすることもできる。
【0071】
一方、図8(b)の例では、吹き口36の長さひいては噴流波37の長さをプリント配線板1の幅よりも長くなるように設定し、プリント配線板1を搬送軌跡H方向に搬送することによりその被はんだ付け面を一括して噴流波37に接触させ、一括フローはんだ付け作業が行われる。
【0072】
また、先の図8(a)の例と同様に、はんだ付け作業に伴って工業用ロボットのA軸4を図9のように角度θS だけ傾け、プリント配線板1を仰角θC で搬送軌跡H方向に搬送しながら溶融はんだ30の噴流波37に接触させてはんだ付けが行われる。その理由も同様であり、被はんだ付け部48が溶融はんだ30の噴流波37から離脱する離脱点の離脱角度を大きくしてかつその離脱角度も安定させ、はんだブリッジを生じることがなく、しかもフィレット形状の安定したはんだ付け品質の良好な一括はんだ付けを行うためである。
【0073】
なお、一括フローはんだ付け作業では、プリント配線板1の被はんだ付け面(図9の下方側の面)の全領域を噴流波37に接触させるので、図10に例示するようにプリント配線板1の上下動を伴う搬送は行わなくてもよい。
【0074】
また、図8に示すプリント配線板1の搬送軌跡Hは直線状であり、図2に例示するようなアーム型の工業用ロボット3の場合においてはA軸4、B軸5およびC軸8の3つの旋回軸を必要とするが、直交座標型のX−Yロボットを使用すれば2軸のみで図8に例示するような直線状の搬送軌跡Hを実現することができる。もちろんこの場合においては、フラックス塗布工程および予備加熱工程そしてはんだ付け工程を平面状に配設する必要がある。
【0075】
なお、予備加熱作業後に工業用ロボット3のA軸4を角度θS だけ傾ければ、はんだ付け作業時のみ仰角θS でプリント配線板1を搬送させることができる。
【0076】
(5)噴流波の長さと噴流波高の制御態様例
図11を参照して、主制御装置がどのようにしてはんだ付け装置の吹き口の長さとモータの回転速度の制御を行うかを説明する。図11は、噴流波高を一定に制御するための吹き口の長さとモータの回転速度との関係を示すデータテーブルである。すなわち、吹き口36の長さを可変し調節しても噴流波37の高さを一定に保っためのモータ32ひいてはポンプ33の回転速度の条件を求めてデータ化し、主制御装置25にデータテーブルとして格納したものである。
【0077】
つまり、吹き口36の長さを可変した際においても噴流波37の波高を一定の値に保っためには、この吹き口36から噴流する溶融はんだ30の単位時間当たりの流量をこの吹き口36の長さに対応して可変する必要がある。例えば、吹き口36の長さを相対的に長くした場合には、この吹き口36から噴流する溶融はんだ30の単位時間当たりの流量を相対的に大きくしないと噴流波高を一定に保つことができない。
【0078】
この噴流波高を一定に保つための吹き口36の長さとモータ32の回転速度ひいてはポンプ33の回転速度(ポンプの送出能力のパラメータ)との関係は、ポンプ33の形式や吹き口体35の形状、吹き口36の大きさ等のパラメータが決まれば、それに固有の一定した関係になる。したがって、この関係を予め測定してデータテーブルを作成し、これを主制御装置25の記憶部(不図示)に予め格納しておくことにより、主制御装置25により噴流波高が一定となるように制御することができる。
【0079】
この関係は、概ね比例的な関係になるが、厳密のため関数で近似し、この関数にしたがってモータ32の回転速度を制御するように構成してもよい。
【0080】
すなわち、図1に例示するように、はんだ付け装置20の吹き口36の長さを調節し、また、ポンプ33すなわちモータ32の回転速度を調節・制御するのは主制御装置25であるので、この主制御装置25は前記データテーブルを参照しつつ吹き口36の長さに対応したモータ32の回転速度をインバータ44に指示(通信信号Sfm)することにより、噴流波高を一定に保ちながら噴流波37の長さを調節することが可能となる。
【0081】
(6)プリント配線板の種類に応じたはんだ付け手順の選択
主制御装置25には、プリント配線板1の種類毎にはんだ付け種類すなわち部分はんだ付け作業を行うプリント配線板1なのか、それとも一括フローはんだ付け作業を行うプリント配線板1なのかを示すデータや、部分はんだ付け作業を行うプリント配線板1ではこのプリント配線板1における部分はんだ付け領域の座標データ、一括フローはんだ付けを行うプリント配線板1ではこのプリント配線板1の幅や長さのデータ、等々のデータが予め主制御装置25の記憶部(不図示)に格納してある。
【0082】
そして、このはんだ付けシステムでは、主制御装置25の指示操作部25aでプリント配線板1の種類を指示することにより、そのプリント配線板1に対応したはんだ付け作業を行う。すなわち、フラックス塗布工程での塗布態様、予備加熱工程での加熱温度、はんだ付け工程でのはんだ付け態様が選択され、一連のはんだ付け作業が行われる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
この発明のフラックス塗布システムは、フラックスを極めて均一に塗布することが可能であると共に、プリント配線板の特定の領域にフラックスを塗布したり、その特定領域の形状が台形や達磨状等の変則的形状であってもフラックスを塗布することが可能であり、また、プリント配線板の全領域にフラックスを塗布することも可能であり、1枚のプリント配線板においてフラックスを厚く塗布する部分や薄く塗布する部分を設けたりすることも可能であるため、多品種で多様なプリント配線板の複雑なはんだ付け生産工程の構築を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】プリント配線板の搬送装置として工業用ロボットを使用したフラックス塗布システムを有するはんだ付けシステムの構成を示す図である。
【図2】工業用ロボットおよびその搬送平面の仰角を調節する機構を説明するための図である。
【図3】フラックス塗布態様例−1を説明するための図である。
【図4】フラックス塗布態様例−2を説明するための図である。
【図5】フラックス塗布態様例−3を説明するための図である。
【図6】フラックス塗布態様例−4を説明するための図である。
【図7】はんだ付け装置を示す図である。
【図8】はんだ付け態様例を説明するための平面図である。
【図9】はんだ付け態様例を説明するための側面図である。
【図10】他のはんだ付け態様例を説明するための側面図である。
【図11】噴流波高を一定に制御するための吹き口の長さとモータの回転速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 プリント配線板
1a 被はんだ付け面
2 ハンドリング装置
3 工業用ロボット
4 A軸
5 B軸
6 第1アーム
7 第2アーム
8 C軸
9 D軸
11 基台
11a 一端側
11b 他端側
12 軸受け
13 支軸
14 モータ
14a 減速用ギア
14b 回転エンコーダ
15 送りねじ
16 ローダ
17 アンローダ
18 噴霧式フラックス塗布装置
19 予備加熱装置
20 はんだ付け装置
22 噴霧ノズル
23 排気フィルタ
24 噴霧制御装置
25 主制御装置
25a 指示操作部
25b 表示部
25c 外部通信ポート
27 ヒータ
28 ファン
30 溶融はんだ
31 はんだ槽
32 モータ
33 ポンプ
34 吸い込み口
35 吹き口体
36 吹き口
37 噴流波
39 シャッタ
39a 第1のシャッタ
39b 第2のシャッタ
40 接続部
40a 第1の接続部
40b 第2の接続部
41 アクチュエータ
41a 第1のアクチュエータ
41b 第2のアクチュエータ
42 ロボット制御装置
44 インバータ
45 駆動部
47 コネクタ
48 リード端子
49 被はんだ付け部
50 フラックス
51 噴霧領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント配線板にフラックスを塗布する噴霧ノズルを有するフラックス塗布手段と、水平面における任意の位置に任意の向きで前記プリント配線板を位置させるロボット搬送手段と、前記搬送手段による前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記プリント配線板を前記ロボット搬送手段で前記フラックス塗布手段において搬送する場合に前記水平面における直交する座標の一方の座標での往復移動と他方の座標での直進移動と前記水平面における向きを組み合わせた搬送軌跡に制御するものであること、
を特徴とするフラックス塗布システム。
【請求項2】
プリント配線板にフラックスを塗布する噴霧ノズルを有するフラックス塗布手段と、水平面における任意の位置に任意の向きで前記プリント配線板を位置させるロボット搬送手段と、前記搬送手段による前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡と前記フラックス塗布手段の前記噴霧ノズルの水平面における位置を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記プリント配線板を前記ロボット搬送手段で前記フラックス塗布手段において搬送する場合に前記水平面における直交する座標の一方の座標での往復移動と他方の座標での直進移動と前記水平面における向きを組み合わせた搬送軌跡に制御すると共に前記フラックス塗布手段の前記噴霧ノズルの位置を前記プリント配線板の直進移動方向に往復移動制御するものであること、
を特徴とするフラックス塗布システム。
【請求項3】
プリント配線板にフラックスを塗布する噴霧ノズルを有するフラックス塗布手段と、水平面における任意の位置に任意の向きで前記プリント配線板を位置させるロボット搬送手段と、前記搬送手段による前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡と前記フラックス塗布手段の前記噴霧ノズルの水平面における位置を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記プリント配線板を前記ロボット搬送手段で前記フラックス塗布手段において搬送する場合に前記水平面における直交する座標の一方の座標での往復移動と他方の座標での直進移動と前記水平面における向きを組み合わせた搬送軌跡に制御すると共に前記フラックス塗布手段の前記噴霧ノズルの位置を前記水平面において旋回移動制御するものであること、
を特徴とするフラックス塗布システム。
【請求項4】
プリント配線板にフラックスを塗布する噴霧ノズルを有するフラックス塗布手段と、水平面における任意の位置に任意の向きで前記プリント配線板を位置させるロボット搬送手段と、前記搬送手段による前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記プリント配線板を前記ロボット搬送手段で前記フラックス塗布手段において搬送する場合に前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡を制御することでフラックスの塗布パターンを制御して前記プリント配線板においてフラックスを厚く塗布する部分と薄く塗布する部分を設けるものであること、
を特徴とするフラックス塗布システム。
【請求項5】
プリント配線板にフラックスを塗布する噴霧ノズルを有するフラックス塗布手段と、水平面における任意の位置に任意の向きで前記プリント配線板を位置させるロボット搬送手段と、前記搬送手段による前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記プリント配線板を前記ロボット搬送手段で前記フラックス塗布手段において搬送する場合に前記プリント配線板の位置と向きで規定される前記プリント配線板の前記搬送軌跡における搬送速度を制御することでフラックス塗布の厚さを制御するものであること、
を特徴とするフラックス塗布システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−36288(P2007−36288A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−278370(P2006−278370)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【分割の表示】特願2001−64457(P2001−64457)の分割
【原出願日】平成13年3月8日(2001.3.8)
【出願人】(000232450)日本電熱計器株式会社 (25)
【Fターム(参考)】