説明

フラットパネルディスプレイモジュール用検査装置、及び検査装置用撮像装置

【課題】装置を大型化することなく、FPDモジュールの画像表示面及び側面の双方から良好な画像を取得することによって外観を検査することができるFPDモジュール用検査装置、及び検査装置用撮像装置を提供する。
【解決手段】本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10aは、液晶表示パネル20の上面20aの上方にある、照明装置1と、第1群ミラー部4と、第2群ミラー部5a・5bとが、駆動手段によって主走査方向に沿って移動するように構成されており、第1群ミラー部4は一定速度で一方向に移動するのに対して、第2群ミラー部5a・5bは上記一軸上を双方向に、且つ速度を可変させて移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルディスプレイモジュールの表面及び側面を撮像し、得られた画像を用いてフラットパネルディスプレイモジュールの外観検査を行うためのフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置、及び検査装置用撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルのようなフラットパネルディスプレイモジュール(以下、FPDモジュールと記載する)には、表示品位不良としてムラ、黒点、白点などが生じる場合がある。これらの不良要素は、腕時計などに使用されている小型の表示パネルにおいてはさほど問題にはならないものの、大型の表示パネルにおいては拡大されて目につき易いため、その商品価値を著しく低下させることになる。
【0003】
ひと昔前までは、このような表示品位不良のチェックは検査員の目視によって行われていた。しかしながら、目視検査では検査員の身体的負担が大きく、また官能検査であるため定量的な判断が難しいといった問題があった。さらに、FPDの大型化に伴い、検査員の身体的負担がさらに増大することが懸念されていた。そこで、このような問題を解決し、且つ低コスト化も実現するべく、光学系装置を備えたFPDモジュール用検査装置の開発が求められていた。
【0004】
特許文献1は、表示パネルの表面を測定するための検査装置について開示している。この検査装置100は、図18に示すように、検査対象の液晶表示パネル101の下方に配置された光源装置105と、この光源装置105と液晶表示パネル101との間に配置された光拡散板106と、液晶表示パネル101の上方に配置された凹面鏡103と、凹面鏡103からの反射光Lの光路上に配置されたCCDカメラ102と、このCCDカメラ102の前方に、光軸中心にスリットを有し、凹面鏡103の焦点位置に配置されたスリット板104とを有している。また、検査装置100には、上記CCDカメラ102に接続された信号処理回路111及び演算処理回路112が設けられている。このような検査装置100において、光源装置105から発せられた照明光Lは、光拡散板106によって照度が均一にされた状態で液晶表示パネル101を透過し、続いて凹面鏡103で反射して光路を90゜曲げられて水平方向に光路をとる。そして、反射光Lの内、平行光線のみが光軸中心のスリットを通過し、平行光線以外の光はこのスリット板104によって遮光される。従って、CCDカメラ102には平行光線だけが導かれる。このような構成によれば、図18に示すように凹面鏡103を挟んでCCDカメラ102と反対側の位置に液晶表示パネル101の虚像が結ばれ、この虚像が縮小されてCCDカメラ102に撮像されることになる。そして、CCDカメラ102からの出力が信号処理回路111に入力され、ここで所定の信号処理が行われ演算処理回路112に入力される。演算処理回路112には、液晶表示パネルの表示品位が良品である場合のデータが予め入力されているため、このデータと信号処理回路111より与えられる液晶表示パネル101の画像のデータとを比較し、液晶表示パネル101にムラ、黒点、白点等の表示品位不良が存在するか否かを判定し、液晶表示パネル101の表示品位の良否が判定される。
【0005】
また、液晶表示パネルの側面を検査する方法としては、液晶表示パネルへの偏光板の貼付け精度を自動的に検査するための精度検査方法が特許文献2に開示されている。この方法では、図19に示すように、偏光板203を液晶パネル201に貼付けた後、液晶パネル201の側面の端部及びその付近をCCDカメラ228、229により撮影する。そして、撮影された画像中の液晶パネル201端部から偏光板203端部までの距離を画像処理により測定し、距離が規定範囲内にあれば液晶表示パネルへの偏光板の貼付け精度が良い、すなわち良品と判定する。
【0006】
また、特許文献3には、断線欠陥や短絡欠陥を検査するための検査装置であって、反射鏡を移動させることによって光源からの光の照射位置を順次変えて、液晶基板の全面にわたる検査を連続的に行う検査装置が開示されている。以下に、図20及び図21を用いて、この検査装置の構成について説明する。
【0007】
図20及び図21は、上記の検査装置の構成を説明するための図である。この検査装置では、図20に示すように、透明ケースの内部に液晶が封入されてなる液晶シート310aの底面に光反射体310bを設け、液晶シート310aの上面に薄膜透明電極310cを形成してなる電気光学素子310を用いている。具体的には、上記の検査装置においては、電源311により液晶基板301と電気光学素子310との間に通電すると、液晶基板301における欠陥の有無や状況に応じて各画素電極305が発生させる電場が変化し、それに伴って電気光学素子310の光学的性質が種々に変化することになる。従って、電気光学素子310に対して光源312から照射された光の反射光を受光器313で受光し、その反射光の状態をモニタ314により観察し、更に、その画像データを画像処理の手法を用いて解析することによって、電気光学素子310の光学的性質の変化を検知することができ、それに基づいて液晶基板301の欠陥の有無を検査することができる。
【0008】
そして、上記の検査装置には、図21に示すように、電気光学素子310の背面側において電気光学素子310に対して平行に設けられた一対のガイド部材325が設けられているとともに、電気光学素子310に対して平行状態を保持しつつガイド部材325に沿って移動自在とされた第1のスライダ326と、第1のスライダ326に取り付けられて第1のスライダ326の移動方向と直交する方向に移動自在された第2のスライダ327とが設けられている。また、第1のスライダ326上には、第1の反射鏡330が設けられており、第2のスライダ327上には第2の反射鏡331が設けられている。加えて、上記の検査装置には、図21に示すように、第1・第2の反射鏡330・331の位置を検知して電気光学素子310への光の照射位置を検知し、それに基づいて受光器313から照射位置までの距離を検知するための位置検査装置340と、第1・第2のスライダ326・327がそれぞれ移動して光の照射位置が刻々と変化しても、受光器313の焦点を合致させるための焦点調節装置321とが設けられている。尚、焦点調節装置321は、レンズ320を駆動させて焦点を調節する構成となっている。
【0009】
このような構成を備えた検査装置は、第1・第2のスライダ326・327を同期させて移動させることによって、第1・第2の反射鏡330・331を電気光学素子310の背面に沿って移動させて光源312からの光の照射位置を順次変えて、液晶基板301の全面にわたる検査を連続的に行うことができる。
【0010】
しかしながら、特許文献1ないし3の構成は何れも、液晶表示パネルの表面及び側面の何れか一方のみを検査するものであり、表面及び側面の双方を一度に検査することができないという欠点がある。さらに、特許文献3の場合は、液晶基板301の全面にわたる検査を連続的に行うことができる反面、焦点調節装置321を備える必要があるため、検査装置が大型化するという問題もある。
【0011】
パネルの表面及び側面の外観を検査することができる構成としては、特許文献4に開示された外観検査装置がある。図22に示す上記外観検査装置500は、トレー受け516と、処理ステージ518と、検査ステージ520とを有している。検査ステージ520に載せられたパネル512に光を指向させるべく、検査ステージ520の上方には光学系580が設けられており、光学系580からの光をパネル512の側面に指向させると共にパネル512の側面で反射した光を上方に反射させる2組の反射体582と、光学系580からの光をパネル512の上面に指向させると共に上面で反射した光を上方に反射させる2組の斜光発生器584と、パネル512の上面で反射した光、及び側面で反射した光を受けてパネル512の上面及び側面を撮影すべく検査ステージ520の上方に配置されたテレビカメラ586とを備えている。この外観検査装置500によれば、パネルの表面及び側面を検査することができる。このような外観検査装置としては、他にも特許文献5に開示されたものもある。
【特許文献1】特開平6−202060号公報(1994年7月22日公開)
【特許文献2】特開2004−233184号公報(2004年8月19日公開)
【特許文献3】特許第3273971号(2002年2月1日登録)
【特許文献4】特開2005−3488号公報(2005年1月6日公開)
【特許文献5】特開2006−64387号公報(2006年3月9日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献4及び5に開示された構成の外観検査装置の場合、パネル312の上面からテレビカメラ386までの撮像距離と、パネル312の側面からテレビカメラ386までの撮像距離とが互いに異なっているため、パネルの上面、及びパネルの側面の両方にピントの合った良好な画像を取得することは困難である。
【0013】
仮に、それを実現するためには2つの方法が考えられる。1つは、レンズの有効絞りを小さくして、被写界深度を深くとることで、パネルの上面、及びパネルの側面の両方にピントをあわせ、有効絞りを小さくしたことに対応可能な高感度のエリアセンサ(カメラ)を使用する方法である。もう1つは、結像面の大きな撮像素子とレンズを用いて、焦点が合っているとする最小錯乱円を大きくすることで、パネルの上面、及びパネルの側面の両方にピントを合わせる方法である。しかしながら、何れの方法も、高感度のエリアセンサや、結像面の大きな撮像素子とレンズといった非常に高価な構成を必要とするため、現実的な解決策とは言い難い。
【0014】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置を大型化することなく、FPDモジュールの画像表示領域の面(画像表示面)及び側面の双方から良好な画像を取得することによって外観を検査することができるFPDモジュール用検査装置、及び検査装置用撮像装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、上述した課題を解決するために、FPDモジュールの、配線及び電極が配されている画像表示面と、該画像表示面と接する側面のうちの少なくとも1つの側面とに光を照らす光源と、位置固定されており、上記画像表示面及び側面で反射した上記光の反射光を受光することによって、該画像表示面及び側面を撮像する撮像手段とを備えた、上記FPDモジュールの外観を検査するためのFPDモジュール用検査装置であって、上記側面から所定の間隔をあけて配され、該側面で反射した反射光を反射させることによって、該反射光の進行方向を上記画像表示面で反射した反射光の進行方向と平行にする反射手段と、上記反射手段で反射した反射光a、及び上記画像表示面で反射した反射光bを上記撮像手段に導く導光手段と、上記撮像手段に反射光aと反射光bとが順次受光されるように、上記導光手段及び上記光源を移動させる駆動手段とを備えており、上記導光手段には、反射光a及び反射光bを入射させるとともに、入射した反射光a及び反射光bを第2導光部へと導く第1導光部と、該第1導光部からの反射光a及び反射光bを上記撮像手段に導く第2導光部とが設けられており、上記光源と、上記第1導光部と、上記第2導光部とは、上記画像表示面に対して平行で、且つ直線である同じ移動軸上を移動できるように構成されており、上記駆動手段は、上記第1導光部及び上記光源と、上記第2導光部とを互いに異なる速度で上記移動軸上を移動させるように構成されており、上記撮像手段は、移動中の上記第2導光部から導かれる光を連続的に受光するように構成されていることを特徴としている。
【0016】
FPDモジュールは、その製造工程中に、例えば電気的接続が不良となったり、構成部材同士の位置ズレや構成部材にクラックが起こることなどの欠陥が生じる場合がある。このため、良好なFPDモジュールを提供するためには、製造中のある段階で、上記した欠陥を検出する必要がある。そこで従来では、上記した従来構成の装置を用いて、このようなFPDモジュールの外観を検査し、上記欠陥を検出する作業が行われていたが、上述したような問題があった。これに対して、本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、上記したように、FPDモジュールの画像表示面及び側面の各面で反射した光を入射させて第2導光部に向けて出射する第1導光部と、第1導光部から出射した光を入射させて撮像手段に向けて出射させる第2導光部とを有した導光手段が、各面で反射した光が撮像手段に届くまでの光路上に設けられており、且つ、第1導光部と第2導光部とが互いに異なる速度で上記移動軸上を画像表示面に沿って移動するように構成されている。このように構成することによって、側面(または画像表示面)からの反射光が撮像手段に届くまでの光路長を、画像表示面(または側面)からの反射光が撮像手段に届くまでの光路長と等しくすることができる。そのため、焦点調整機構や、高感度のエリアセンサや、結像面の大きな撮像素子とレンズといった非常に高価な構成を必要とすることはない。すなわち、上記の構成とすれば、第1導光部が、移動しながら、FPDモジュールの側面及び画像表示面から、または画像表示面と側面からの反射光を順次して受光することにより、装置を大型化せずに、FPDモジュールの画像表示面及び側面の双方の面の良好な画像を一度に得ることができる。
【0017】
具体的には、上記駆動手段は、上記第1導光部を上記移動軸上を一方向に一定速度Vで移動させている間に、上記第2導光部を、上記移動軸上を双方向に移動させ、且つその速度を可変させるように構成されている。換言すれば、上記第1導光部が、上記駆動手段によって、上記移動軸に沿って一定速度Vで該軸の一方の端部から他方の端部に至るまで移動するように構成されており、上記第2導光部は、第1導光部が該軸の一方の端部から他方の端部に至るまで移動する間に、上記駆動手段によって、上記移動軸に沿って双方向に移動するとともに、移動中にその速度を可変できるように構成されている。この構成によれば、第1導光部が側面からの反射光を直接受けているのか、それとも画像表示面からの反射光を直接受けているのかによって、第2導光部の移動速度を制御して、第2導光部と第1導光部との相対位置を変化させ、画像表示面及び側面から撮像手段に届くまでの反射光の光路長を等しくなるように調整することができる。
【0018】
このように第1導光部と第2導光部との相対位置を変化させることによって、画像表示面及び側面から撮像手段に届くまでの反射光の光路長を等しくすることができることから、別途、焦点調整機構を備える必要はない。
【0019】
加えて、上記のように構成すれば、撮像手段を位置移動させずに固定して配設することができるとともに、従来公知のレンズ及び受光部を使用して実現することができる。そのため、高感度のエリアセンサや、結像面の大きな撮像素子とレンズといった非常に高価な構成を必要とすることもない。
【0020】
また、本発明に係るFPDモジュール用検査装置によれば、FPDモジュールの2倍の面積を装置内に確保する必要がある、FPDモジュールを移動させて側面及び画像表示面の撮像を連続して行う構成と比較して、FPDモジュールを移動させる必要はなく、導光手段及び光源のみを移動すればよいため、装置をコンパクトに実現することができる。
【0021】
また、FPDモジュールを移動させる必要がある構成の場合、重量のあるFPDモジュールを加減速させなければならない。そのため、FPDモジュールを載置するための、強度とトルクの大きなステージを用いなければならない。これに対して、本発明の構成の場合、導光手段及び光源のみを移動させる構成であるため、比較的強度とトルクの小さなステージを用いることができる。
【0022】
すなわち、本発明の構成によれば、装置を大型化せずに、FPDモジュールの画像表示面及び側面の双方から、良好な画像を得ることができるFPDモジュール用検査装置を提供することができる。
【0023】
より具体的には、本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、 上記画像表示面が、互いに平行な少なくとも1組の辺を有する多角形である、フラットパネルディスプレイモジュールを撮像するように構成されており、上記1組の辺のうちの一方の辺Aから他方の辺Dに向かう方向を主走査方向とすると、上記移動軸は主走査方向に対して平行であり、上記反射手段は、上記辺Aを有する側面A、及び上記辺Dを有する側面Dの各々に、それぞれ上記所定の距離をあけて配設されており、上記第2導光部は、上記第1導光部から上記第2導光部に導かれる上記反射光a及び反射光bの光軸が主走査方向に対して平行となるように、上記第1導光部よりも主走査方向の下流に配設されており、上記第2導光部から上記撮像手段に導かれる上記反射光a及び反射光bは、上記光軸と平行な光軸を有し、且つ上記第1導光部から上記第2導光部に導かれる上記反射光a及び反射光bの進行方向とは逆方向に進行するように構成されている。
【0024】
また、本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、上記側面Aは、上記辺Aに対向する辺A’を有しており、上記側面Dは、上記辺Dに対向する辺D’を有しており、上記第1導光部は、上記側面Aにおける上記辺Aから上記辺A’に向けて順次上記反射光aを入射し、その後、上記画像表示面における辺Aから辺Dに向けて順次上記反射光bを入射し、更にその後、上記側面Dにおける上記辺D’から上記辺Dに向けて順次上記反射光aを入射するように構成されており、上記駆動手段が、(i)上記第1導光部に反射光a及び反射光bが入射している間は、上記第2導光部を速度V/2で主走査方向の上流から下流に移動させ、(ii)上記第1導光部に上記辺A’からの反射光aが入射した直後から、上記第1導光部に上記画像表示面における辺Aからの反射光bが入射する直前までの間は、上記第2導光部を、その移動速度がV/2よりも速い第1の所定速度で主走査方向の上流から下流に移動させ、(iii)上記第1導光部に上記画像表示面における辺Dからの反射光bが入射した直後から、上記第1導光部に上記辺D’からの反射光が入射する直前までの間は、上記第2導光部を第2の所定速度で主走査方向の下流から上流に移動させるように構成されている。
【0025】
これにより、画像表示面及び側面から撮像手段に届くまでの反射光の光路長を等しくすることができる。
【0026】
また、本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、上記多角形は四角形であり、上記1組の辺とは異なる1組の辺のうちの一方の辺Cに設けられた側面C、及び、他方の辺Bに設けられた側面Bの各々から所定の間隔をあけて配され、該側面C及び側面Bで反射した反射光cを反射させることによって、該反射光cの進行方向を上記画像表示面で反射した反射光の進行方向と平行にする、上記反射手段とは異なる第2反射手段を備えており、上記第1導光部は、上記反射光a及び反射光bを反射させる両用第1導光部と、上記両用第1導光部よりも主走査方向の下流に所定の間隔をあけて配設された、上記反射光cを反射させる側面用第1反射部とから構成されていることが好ましい。
【0027】
上記の構成とすれば、四角形を有する画像表示面に設けられた4つの側面を、導光手段及び光源の一度の走査で撮像可能なFPDモジュール用検査装置を提供することが可能となる。
【0028】
また、本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、上記第2反射手段は、上記側面C及び側面Bで反射した反射光cの一部を入射させることができるように構成されており、上記駆動手段は、上記第2反射手段を、上記側面C及び側面Bにおける主走査方向の上流側の端部から下流側の端部まで、上記第1導光部とともに移動させるように構成されていることが好ましい。
【0029】
上記の構成とすれば、第2反射手段の反射面が側面C及び側面Bの面積と同じまたはそれ以上であると比較して、第2反射手段を小型化することができる。
【0030】
また、本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、上述した課題を解決するために、FPDモジュールの、配線及び電極が配されている四角形を有する画像表示面と、該画像表示面と接する4つの側面のうちの少なくとも1つの側面とに光を照射する光源と、位置固定されており、上記光が上記画像表示面及び側面で反射した反射光を受光することによって、該画像表示面及び側面を撮像する撮像手段と、上記画像表示面及び側面から上記撮像手段までの間の上記反射光の光路上に設けられた、入射した光を入射方向とは異なる方向に反射させる反射体とを備えている、上記モジュールの外観を検査するためのFPDモジュール用検査装置であって、上記画像表示面の2組の対向辺のうち、一方の組の一方の辺Aから他方の辺Dに向かう方向を主走査方向とすると、上記反射体は、上記辺Aを有する側面Aと、上記辺Dを有する側面Dとでそれぞれ反射した上記光源からの光の反射光を反射させる第4反射部と、上記第4反射部で反射した反射光、及び上記画像表示面で光源から出射した光が反射した反射光を上記画像表示面に沿って主走査方向に反射させる第1反射部と、上記第1反射部で反射した反射光を反射させて、該反射光の光軸と平行な光軸を有し、且つ該反射光の進行方向とは逆向きに進行する反射光を生成する第2反射部とを備えており、上記光源、第1反射部及び第2反射部は、上記画像表示面のの近傍に配設されており、光源及び第1反射部を、上記画像表示面に沿って主走査方向の上流から下流に速度Vで移動させるとともに、上記第1反射部の移動中に、上記第2反射部を、上記画像表示面に沿って主走査方向の上流から下流に、及び下流から上流に速度Vとは異なる速度で移動させる駆動手段を備えており、上記撮像手段は、主走査方向に移動中の上記第2反射部が生成する反射光を連続して受光するように構成されていることを特徴としている。
【0031】
FPDモジュールは、その製造工程中に、例えば電気的接続が不良となったり、構成部材同士の位置ズレや構成部材にクラックが起こることなどの欠陥が生じる場合がある。このため、良好なFPDモジュールを提供するためには、製造中のある段階で、上記した欠陥を検出する必要がある。そこで従来では、上記した従来構成の装置を用いて、このようなFPDモジュールの外観を検査し、上記欠陥を検出する作業が行われていたが、上述したような問題があった。これに対して、本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、上記したように、画像表示面及び側面の各面で反射した光を直接入射させて第2導光部に向けて出射する第1導光部と、第1導光部から出射した光を撮像手段に向けて出射させる第2導光部とを有した導光手段が、各面で反射した光が撮像手段に届くまでの光路上に設けられており、且つ、第1導光部と第2導光部とが互いに異なる速度で画像表示面に沿って移動するように構成されている。このように構成することによって、側面からの反射光が撮像手段に届くまでの光路長を、画像表示面からの反射光が撮像手段に届くまでの光路長と等しくすることができる。そのため、焦点調整機構や、高感度のエリアセンサや、結像面の大きな撮像素子とレンズといった非常に高価な構成を必要とすることはない。すなわち、上記の構成とすれば、第1導光部が、側面に続いて画像表示面、または画像表示面に続いて側面から連続して反射光を受けることにより、装置を大型化せずに、FPDモジュールの画像表示面及び側面の双方の面の良好な画像を一度に得ることができる。
【0032】
具体的には、このように構成することによって、第1導光部が側面からの反射光を直接受けているのか、それとも画像表示面からの反射光を直接受けているのかによって、第2導光部の移動速度を制御して、第2導光部と第1導光部との相対位置を変化させ、画像表示面及び側面から撮像手段に届くまでの反射光の光路長を等しくなるように調整することができる。
【0033】
このように第1導光部と第2導光部との相対位置を変化させることによって、画像表示面及び側面から撮像手段に届くまでの反射光の光路長を等しくすることができることから、別途、焦点調整機構を備える必要はない。
【0034】
加えて、上記のように構成すれば、撮像手段を位置移動させることなく固定して配設することができるとともに、従来公知のレンズ及び受光部を使用して実現することができる。そのため、高感度のエリアセンサや、結像面の大きな撮像素子とレンズといった非常に高価な構成を必要とすることもない。
【0035】
また、上記のように、本発明に係るFPDモジュール用検査装置によれば、導光手段及び光源のみを移動させる構成であり、FPDモジュールを移動させることない。ここで、FPDモジュールを移動させて側面及び画像表示面の撮像を連続して行う構成の場合、FPDモジュールの2倍の面積を装置内に確保する必要がある。しかしながら、本発明の構成の場合、FPDモジュールの面積が確保されていればよい。そのため、装置をコンパクトに実現することができる。
【0036】
さらに、FPDモジュールを移動させる構成の場合、重量のあるFPDモジュールを加減速させなければならないため、FPDモジュールを載知するための、強度とトルクの大きなステージを用いなければならない。これに対して、本発明の構成の場合、導光手段及び光源のみを移動させる構成であるため、比較的強度とトルクの小さなステージを用いることができる。
【0037】
すなわち、上記の構成によれば、本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、装置を大型化せずに、FPDモジュールの画像表示面及び側面の双方から、良好な画像を得ることができる。
【0038】
また、本発明に係る検査装置用撮像装置は、上述した課題を解決するために、被検査対象物の主面と、該主面と接する側面のうちの少なくとも1つの側面とに光を照らす光源と、位置固定されており、上記主面及び上記側面で反射した上記光の反射光を受光することによって、該主面及び側面を撮像する撮像手段とを備えた、上記被検査対象物の外観を検査するための検査装置用撮像装置であって、上記側面から所定の間隔をあけて配され、該側面で反射した反射光を反射させることによって、該反射光の進行方向を上記主面で反射した反射光の進行方向と平行にする反射手段と、上記反射手段で反射した反射光a、及び上記主面で反射した反射光bを上記撮像手段に導く導光手段と、上記撮像手段に反射光aと反射光bとが順次受光されるように、上記導光手段及び上記光源を移動させる駆動手段とを備えており、上記導光手段には、反射光a及び反射光bを入射させるとともに、入射した反射光a及び反射光bを第2導光部へと導く第1導光部と、該第1導光部から導かれた反射光a及び反射光bを上記撮像手段に導く第2導光部とが設けられており、上記光源と、上記第1導光部と、上記第2導光部とは、上記主面に対して平行で、且つ直線である同じ移動軸上を移動できるように構成されており、上記駆動手段は、上記第1導光部及び上記光源と、上記第2導光部とを互いに異なる速度で上記移動軸上を移動させるように構成されており、上記撮像手段は、移動中の上記第2導光部から導かれる光を連続的に受光するように構成されていることを特徴としている。
【0039】
上記の構成によれば、第1導光部と第2導光部とが互いに異なる速度で同一の移動軸上で移動させることができるため、第1導光部と第2導光との相対位置を変化させることができる。よって、主面及び側面から撮像手段に届くまでの反射光の光路長を等しくなるように調整することができる。
【0040】
このように主面及び側面から撮像手段に届くまでの反射光の光路長を等しくすることができることから、第1導光部が、側面に続いて主面、または主面に続いて側面から連続して反射光を受けることにより、装置を大型化せずに、被検査対象物の主面及び側面の双方の面の良好な画像を一度に得ることができ、その際、別途、焦点調整機構を備える必要はない。
【0041】
加えて、上記のように構成すれば、撮像手段を位置移動させることなく固定して配設することができるとともに、従来公知のレンズ及び受光部を使用して実現することができる。そのため、高感度のエリアセンサや、結像面の大きな撮像素子とレンズといった非常に高価な構成を必要とすることもない。
【0042】
また、上記のように、本発明に係る検査装置用撮像装置によれば、導光手段及び光源のみを移動させる構成であり、被検査対象物を移動させることない。ここで、被検査対象物を移動させて側面及び主面の撮像を連続して行う構成の場合、被検査対象物の2倍の面積を装置内に確保する必要がある。しかしながら、本発明の構成の場合、被検査対象物の面積が確保されていればよい。そのため、装置をコンパクトに実現することができる。
【0043】
さらに、被検査対象物を移動させる構成の場合、被検査対象物が重量のあるものの際、その被検査対象物を加減速させなければならないため、被検査対象物を載知するための、強度とトルクの大きなステージを用いなければならない。これに対して、本発明の構成の場合、導光手段及び光源のみを移動させる構成であるため、比較的強度とトルクの小さなステージを用いることができる。
【0044】
すなわち、上記の構成によれば、本発明に係る検査装置用撮像装置は、装置を大型化せずに、被検査対象物の主面及び側面の双方から、良好な画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、以上のように、FPDモジュールの、配線及び電極が配されている画像表示面と、該画像表示面と接する側面のうちの少なくとも1つの側面とに光を照らす光源と、位置固定されており、上記画像表示面及び側面で反射した上記光の反射光を受光することによって、該画像表示面及び側面を撮像する撮像手段とを備えた、上記FPDモジュールの外観を検査するためのFPDモジュール用検査装置であって、上記側面から所定の間隔をあけて配され、該側面で反射した反射光を反射させることによって、該反射光の進行方向を上記画像表示面で反射した反射光の進行方向と平行にする反射手段と、上記反射手段で反射した反射光a、及び上記画像表示面で反射した反射光bを上記撮像手段に導く導光手段と、上記撮像手段に反射光aと反射光bとが順次受光されるように、上記導光手段及び上記光源を移動させる駆動手段とを備えており、上記導光手段には、反射光a及び反射光bを入射させるとともに、入射した反射光a及び反射光bを第2導光部へと導く第1導光部と、該第1導光部からの反射光a及び反射光bを上記撮像手段に導く第2導光部とが設けられており、上記光源と、上記第1導光部と、上記第2導光部とは、上記画像表示面に対して平行で、且つ直線である同じ移動軸上を移動できるように構成されており、上記駆動手段は、上記第1導光部及び上記光源と、上記第2導光部とを互いに異なる速度で上記移動軸上を移動させるように構成されており、上記撮像手段は、移動中の上記第2導光部から導かれる光を連続的に受光するように構成されていることを特徴としている。また、本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、以上のように、FPDモジュールの、配線及び電極が配されている四角形を有する画像表示面と、該画像表示面と接する4つの側面のうちの少なくとも1つの側面とに光を照射する光源と、位置固定されており、上記光が上記画像表示面及び側面で反射した反射光を受光することによって、該画像表示面及び側面を撮像する撮像手段と、上記画像表示面及び側面から上記撮像手段までの間の上記反射光の光路上に設けられた、入射した光を入射方向とは異なる方向に反射させる反射体とを備えている、上記モジュールの外観を検査するためのFPDモジュール用検査装置であって、上記画像表示面の2組の対向辺のうち、一方の組の一方の辺Aから、他方の辺Dに向かう方向を主走査方向とすると、上記反射体は、上記辺Aを有する側面Aと、辺Dを有する側面Dとでそれぞれ反射した上記光源からの光の反射光を反射させる第4反射部と、上記第4反射部で反射した反射光、及び上記画像表示面で光源から出射した光が反射した反射光を上記画像表示面に沿って主走査方向に反射させる第1反射部と、上記第1反射部で反射した反射光を反射させて、該反射光の光軸と平行な光軸を有し、且つ該反射光の進行方向とは逆向きに進行する反射光を生成する第2反射部とを備えており、光源、第1反射部及び第2反射部は、上記画像表示面の近傍に配設されており、光源及び第1反射部を、上記画像表示面に沿って主走査方向の上流から下流に速度Vで移動させるとともに、上記第1反射部の移動中に、上記第2反射部を、上記画像表示面に沿って主走査方向の上流から下流に、及び下流から上流に速度Vとは異なる速度で移動させる駆動手段を備えており、上記撮像手段は、主走査方向に移動中の上記第2反射部が生成する反射光を連続して受光するように構成されていることを特徴としていると換言することもできる。
【0046】
以上の構成とすれば、装置を大型化せずに、FPDモジュールの画像表示面及び側面の双方から、良好な画像を得ることができるFPDモジュール用検査装置を提供することができる。
【0047】
また、本発明に係る検査装置用撮像装置は、以上のように、被検査対象物の主面と、該主面と接する側面のうちの少なくとも1つの側面とに光を照らす光源と、位置固定されており、上記主面及び上記側面で反射した上記光の反射光を受光することによって、該主面及び側面を撮像する撮像手段とを備えた、上記被検査対象物の外観を検査するための検査装置用撮像装置であって、上記側面から所定の間隔をあけて配され、該側面で反射した反射光を反射させることによって、該反射光の進行方向を上記主面で反射した反射光の進行方向と平行にする反射手段と、上記反射手段で反射した反射光a、及び上記主面で反射した反射光bを上記撮像手段に導く導光手段と、上記撮像手段に反射光aと反射光bとが順次受光されるように、上記導光手段及び上記光源を移動させる駆動手段とを備えており、上記導光手段には、反射光a及び反射光bを入射させるとともに、入射した反射光a及び反射光bを第2導光部へと導く第1導光部と、該第1導光部から導かれた反射光a及び反射光bを上記撮像手段に導く第2導光部とが設けられており、上記光源と、上記第1導光部と、上記第2導光部とは、上記主面に対して平行で、且つ直線である同じ移動軸上を移動できるように構成されており、上記駆動手段は、上記第1導光部及び上記光源と、上記第2導光部とを互いに異なる速度で上記移動軸上を移動させるように構成されており、上記撮像手段は、移動中の上記第2導光部から導かれる光を連続的に受光するように構成されていることを特徴としている。
【0048】
以上の構成とすれば、装置を大型化せずに、被検査対象物の主面及び側面の双方から、良好な画像を得ることができる検査装置用撮像装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
〔実施の形態1〕
本発明に係るFPDモジュール用検査装置(検査装置用撮像装置)についての一実施形態を図1ないし図16に基づいて説明する。尚、以下の説明では、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲が以下の実施形態および図面に限定されるものではない。
【0050】
図1は、本実施形態における液晶表示パネル用検査装置の構成を示す斜視図である。本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10aは、液晶表示パネルにおけるムラ、黒点、白点などのいわゆる表示品位不良の有無を検査するために、液晶表示パネルの外観を撮像することができるように構成されている。そのため、液晶表示パネル用検査装置10aは、図1に示すように、照明装置1(光源)と、ラインセンサ2及びレンズ3(撮像手段)と、第1群ミラー部4(導光手段、第1導光部)と、第2群ミラー部5a・5b(導光手段、第2導光部)と、第3群ミラー部6a・6b(第2反射手段)と、第4群ミラー部7a・7b(反射手段)と、図示しない駆動手段とを備えている。
【0051】
本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10aは、検査対象(撮像対象)である液晶表示パネル20(FPDモジュール)を図示しない載置台に載置できるように構成されており、その際、液晶表示パネル20は、図示しない配線及び電極が配されている上面(画像表示面、主面)20aが、載置台の載置面に対向する面とは反対側の面になるように載置される。
【0052】
ここで、本実施形態における液晶表示パネル用検査装置10aは、四角形の画像表示面を有する液晶表示パネル20を対象とする形態となっている。そこで、以下の説明では、液晶表示パネル用検査装置10aを構成する各構成部材の位置関係などを、載置台に載置した四角形の上面20aの4辺(辺A〜D)及び各該辺を有する4つの側面(側面A〜D)を基準にして説明する。尚、辺Aと辺Dとが互いに平行な1組の辺であり、辺Bと辺Dとが互いに平行な1組の辺である。そして、辺Aから辺Dに向かう方向であって、且つ上面20aと平行な方向を、液晶表示パネル用検査装置10aの「主走査方向」と規定する。また、辺Cから辺Bに向かう方向であって、且つ上面20aと平行な方向を、液晶表示パネル用検査装置10aの「副走査方向」と規定する。各方向は、図1にも示している。
【0053】
本実施形態では、上記載置台が、上面20aが水平になるように液晶表示パネル20を載置できる構成となっている。そして、ラインセンサ2と、レンズ3と、照明装置1と、第1群ミラー部4と、第2群ミラー部5a・5bとは、上面20aの上方に配設されている。また、第4群ミラー部7aは、図1に示すように、液晶表示パネル20の側面Aから所定の間隔をあけた位置に配設されており、第4群ミラー部7bは、側面Dから所定の間隔をあけた位置に配設されている。また、第3群ミラー部6aは、側面Bから所定の間隔をあけて位置に配設されており、第3群ミラー部6bは、側面Cから所定の間隔をあけた位置に配設されている。
【0054】
図2は、本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10aの斜視図であって、図1のものとは異なる時点における状態を示している。また、図3も、本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10aの斜視図であって、図1及び図2とは異なる時点における状態を示している。図1〜図3に示すように、本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10aは、上面20aの上方にある照明装置1と、第1群ミラー部4と、第2群ミラー部5a・5bとが、図示しない駆動手段によって図1に示す状態から図2に示す状態に移動できるように構成されており、更に、図2に示す状態から図3に示す状態に移動することができるように構成されている。詳細は後述する。
【0055】
以下に、上記した各構成部材について詳述する。
【0056】
上記ラインセンサ2及びレンズ3は、図示しない固定手段によって位置固定されているおり、第2群ミラー部5a・5bで反射した反射光を受光している間に、その位置が移動することはない。ラインセンサ2は、上面20a及び側面A・B・C・Dで反射した後に第1群ミラー部4と第2群ミラー部5a・5bとによって反射して最後に上記レンズ3で集光された反射光を受光できるように構成されており、受光した光に基づいて、各面の画像信号を生成することができるように構成されている。
【0057】
上記照明装置1は、第1群ミラー部4と一体となって、図1〜図3に示すように主走査方向に上流から下流に、すなわち、第4群ミラー部7aの位置から第4群ミラー部7bの位置までを、移動することができるように構成されている。照明装置1は、従来公知のものを用いることができ、図示しない上記駆動手段によって、図示しないガイドレールに沿って上記のように移動することができる。上記のように移動する照明装置1は、側面A、次に上面20a及び側面B・C、そして次に、側面Dに対して光を順次照射することができる。
【0058】
照明装置1には、光を出射するための開口部(不図示)が設けられており、この開口部は、上面20aの辺Aに沿って細長い形状を有している。上記照明装置1は、具体的には、辺Aに沿って並んだ3つの照明部1a〜1cから構成されており、この3つの照明部1a〜1cが一体となって既述のように移動する。
【0059】
3つの照明部のうちの中央に位置する照明部1bは、既述のように移動することによって、側面A、上面20a、側面Dに向けて光を順に照射することができる。また、照明部1bの一端側にある照明部1aは、側面Bに向けて光を照射することができ、照明部1bの他端側にある照明部1cは、側面Cに向けて光を照射することができる。本実施形態は、このように照明部を複数設け、各照明部から出射する出射光の角度及び強度(明度)を、照射対象の面と、出射口から各面までの距離に応じて変えている。これにより、何れの面からも均一な強度の反射光を得ることができる。
【0060】
上記照明部1a〜1cは、各々独立して出射光の強度を調整することができる。例えば、照明部1bは、側面A及び側面Dに照射する場合と、上面20aに照射する場合とで、出射光の強度を可変させることができる。具体的には、側面A及び側面Dに照射する場合には、上面20aに照射する場合よりも光の強度を高くすることができる。
【0061】
また、照明部1bが側面Aまたは側面Dに照射する間は、照明部1a・1cを消灯させることも可能である。このように必要のない間だけ照明部1a・1cを消灯させることにより、液晶表示パネル用検査装置10aの消費電力量を抑制することができる。
【0062】
ところで、照明装置1とともに移動しながら、上面20aで反射した反射光、及び各側面で反射した反射光を入射できるように構成されている第1群ミラー部4は、上面20aの上方にある。そのため、図2に示すように中央に位置する照明部1bが上面20aに対して光を照射できる位置にあって、照明部1bから出射した出射光が上面20aで反射するときには、その反射光(図2の反射光C)は、上面20aに対して略垂直方向の光軸を有しているので、上面20aの上方にある第1群ミラー部4にそのまま入射できる。一方、照明部1bが図1に示すように側面Aに対して光を照射できる位置にあるとき、側面Aで反射した反射光Aは側面Aに対して垂直または略垂直方向の光軸を有している。また同じく、照明部1bが図3に示すように側面Dに対して光を照射できる位置にあるとき、側面Dで反射した反射光Aも側面Dに対して垂直または略垂直方向の光軸を有している。そこで、側面A及び側面Dで反射した反射光Aを、上面20aの上方にある第1群ミラー部4に入射させるために、液晶表示パネル用検査装置10aは、上記第4群ミラー部7a・7bを備えている。
【0063】
上記第4群ミラー部7aは、側面Aから所定の間隔をあけた位置に配設されており、辺Aに沿って細長い形状を有している。また、第4群ミラー部7bは、側面Dから所定の間隔をあけた位置に配設されており、辺Dに沿って細長い形状を有している。第4群ミラー部7a及び第4群ミラー部7bの具体的な配設位置については後述する。第4群ミラー部7aに入射した側面Aで反射した反射光Aは、反射して上記反射光Cの光軸と平行な光軸を有する反射光Bとなって第1群ミラー部4に入射する。また、第4群ミラー部7bに入射した側面Dで反射した反射光Aも、反射して上記反射光Cの光軸と平行な光軸を有する反射光Bとなって第1群ミラー部4に入射する。尚、ここで「平行」とは、反射光Cの光軸に対して完全に平行である状態のことを示す以外に、反射光Cと同様に上面20aの上方にある第1群ミラー部4に入射させることができる程度の光の光軸のことも示すこととする。
【0064】
また、照明部1bが図2に示すように上面20aに対して光を照射できる位置にあるとき、照明部1aは側面Bに対して光を照射できる位置にあり、且つ、照明部1cは側面Cに対して光を照射できる位置にある。このとき、側面B・Cで反射した反射光Sは、側面B・Cに対して略垂直方向の光軸を有する。そこで、第4群ミラー部7a・7bと同様に、側面B・Cに対して略垂直方向の光軸を、上面20aに対して略垂直方向の光軸を有する上記反射光Cの光軸と平行にするために、液晶表示パネル用検査装置10aは、上記第3群ミラー部6a・6bを備えている。尚、ここで「平行」とは、反射光Cの光軸に対して完全に平行である状態のことを示す以外に、反射光Cと同様に上面20aの上方にある第1群ミラー部4に入射させることができる程度の光の光軸のことも示すこととする。
【0065】
上記第3群ミラー部6aは、図2に示すように、側面Bから所定の間隔をあけた位置に配設されており、辺Bに沿って辺Bよりも僅かに長い細長形状の反射面を有している。また、上記第3群ミラー部6bは、側面Cから所定の間隔をあけた位置に配設されており、辺Cに沿って辺Bよりも僅かに長い細長形状の反射面を有している。第3群ミラー部6a・6bに入射した反射光Sは、反射され、上記反射光Cの光軸と平行な光軸を有する反射光Tとなり、反射光Cとともに第1群ミラー部4に入射する。
【0066】
上記のような機能を果たす第3群ミラー部6a・6b及び第4群ミラー部7a・7bとして、具体的には、図1〜図3に示すような、液晶表示パネルの側面と対向する面が反射面となっているミラー体を用いることができる。この反射面は、反射面における上記載置面と近接している側を中心として、側面に対して約45°傾斜している。
【0067】
ここで、上記第3群ミラー部6a・6b及び上記第4群ミラー部7a・7bの配設位置について詳述する。
【0068】
図5は、第3群ミラー部6a・6bの液晶表示パネル20との相対位置について示したものであり、図1に示した液晶表示パネル用検査装置10aを、主走査方向の下流から上流に向けて見た状態を示している。尚、説明の便宜上、図5では、第3群ミラー部6a・6bと、液晶表示パネル20との相対位置のみを示しているため、他の構成部材は省略している。
【0069】
図5に示すように、第3群ミラー部6a・6bは共に、側面に最も近い反射面の端部jが、側面における上記載置面と近接した端部kから式(1)で示される距離uほど副走査方向に沿って離されており、且つ、側面の端部kから式(2)で示される距離vほど載置台の載置面よりも沈下している。
【0070】
【数1】

【0071】
【数2】

【0072】
尚、このときtanθは、下記の式(3)を満たすものとする。
【0073】
【数3】

【0074】
ここで、式(3)中のw,d,tについて図6(a)・(b)を用いて説明する。尚、図6(b)は、図6(a)に示した構成の一部を拡大した図である。図6に示すように、wは、液晶表示パネル20の上面20aの半幅を示し、dは、液晶表示パネル20の面からレンズ3に至るまでの光路長、すなわち撮像距離を示し、hは、液晶表示パネル20の高さ(つまり側面の短辺側の長さ)を示している。図6(b)から、tは、u+vで示され、角度θを有する4つの三角形について(h+v):u = u:v = (h+v+u):(v+u) = d:(w+u+v)という関係となり、そのうちの(h+v+u):(v+u) = d:(w+u+v)に、u+v=tを代入して、(h+t):t = d:(w+t)が導出され、ここから、図6(a)・(b)のtは、下記の式(4)で示される隙間の距離となる。
【0075】
【数4】

【0076】
このように第3群ミラー部6a・6bを配設することによって、液晶表示パネルの上面20aと側面B・Dとを隙間なく撮像することができ(図15を参照)、よって、ラインセンサの素子の長さを最低限短くすることができる。
【0077】
すなわち、ラインセンサ2及びレンズ3は、図6に示すように液晶表示パネル20の上面20aの半幅wと、液晶表示パネル20の高さ(つまり側面の短辺側の長さ)hと、上記式(4)で示した隙間tとを加えた幅の2倍の幅を撮像できるように構成されていればよく、この条件を満たすことができるものであれば、レンズ3及びラインセンサ2は共に、従来公知のものを用いることができる。
【0078】
また、第4群ミラー部7a及び第4群ミラー部7bの具体的な配設位置について、図7に基づいて説明する。図7は、第4群ミラー部7a及び第4群ミラー部7bの配設位置を示した側面図であり、第4群ミラー部7a及び第4群ミラー部7bを、副走査方向の下流から上流に向けて見た状態の側面図である。尚、図7は、第4群ミラー部7a及び第4群ミラー部7bと、液晶表示パネル20との相対位置のみを示しているため、他の構成部材は省略している。
【0079】
第4群ミラー部7a及び第4群ミラー部7bは、図1〜図3に示すような液晶表示パネルの側面と対向する面が反射面となっているミラー体を用いることができる。この反射面は、反射面における上記載置面と近接している側を中心として、側面に対して約45°傾斜している。そして、図7に示すように、第4群ミラー部7aにおける側面Aに最も近い端部は、側面Aから距離pだけ離されている。そして、第4群ミラー部7bにおける側面Dに最も近い端部は、側面Dから距離qだけ離されている。距離pと距離qとは異なる距離を有しており、距離pはt+hより長い距離を有している。尚、t及びhは上記の通りである。
【0080】
第3群ミラー部6a・6b及び第4群ミラー部7a・7bで反射された反射光B、及び上記反射光Cが入射する上記第1群ミラー部4は、図1に示すように、辺Aに沿って並んだ3つのミラー4a〜4cから構成されており、この3つのミラー4a〜4cが一体となって既述のように移動するように構成されている。3つのミラー4a〜4cのうちの中央に位置するミラー4b(両用第1導光部)は、辺Aの長さと同じもしくは辺Aの長さよりも長い細長形状の反射体であり、既述のように移動することによって、側面Aと第4群ミラー部7aとで反射した反射光B(図1)、上面20aで反射した反射光C(図2)、側面Dと第4群ミラー部7bとで反射した反射光B(図3)を順次入射させることができる。また、ミラー4bの一端側にあるミラー4a(側面用第1導光部)は、側面Bと第3群ミラー部6aとで反射した反射光T(図2)を入射させることができる。また、ミラー4bの他端側にあるミラー4c(側面用第1導光部)は、側面Cと第3群ミラー部6bとで反射した反射光T(図2)を入射させることができる。そして、第1群ミラー部4は、これらを反射させることによって、主走査方向を上流から下流に向けて進む反射光Dを生成するように構成されている。
【0081】
第1群ミラー部4も、照明装置1と同じく図示しない上記駆動手段によって、図示しないガイドレールに沿って移動する構成となっている。尚、第1群ミラー部4と照明装置1とが図示しない接続部材によって互いに固定されている場合は、例えば、照明装置1に駆動手段を配設し、駆動手段によって照明装置1が移動するのに伴って、第1群ミラー部4が移動するように構成してもよい。また、その逆であってもよい。駆動手段の機能については後で詳述する。
【0082】
図4は、第1群ミラー部4を、主走査方向の下流から上流に向けて見た状態を示している。尚、説明の便宜上、図4では、第1群ミラー部4のミラー4a及びミラー4cと、液晶表示パネル20との相対位置のみを示しているため、他の構成部材は省略している。
【0083】
上記ミラー4aは、図4に示すように、第3群ミラー部6aの真上の位置よりもミラー4b側に寄った位置に配設されており、ミラー4cも、第3群ミラー部6bの真上の位置よりもミラー4b側に寄った位置に配設されている。
【0084】
また、ミラー4a・4cは、その反射面が、ミラー4bの反射面に比べて主走査方向下流にずれた位置にある(図8を参照)。このずれ量は、上面20aで反射した反射光がラインセンサ2に至るまでの距離(撮像距離)と、側面B・Cで反射した反射光がラインセンサ2に至るまでの距離(撮像距離)とが一致する条件を満たす量である。具体的には、図8に示すように、ミラー4a(ミラー4c)と、ミラー4bとの間(図8のe−e’間)の距離がt+hを満たしている。尚、t及びhは上記の通りである。
【0085】
第1群ミラー部4の各ミラーで反射して生成された反射光Dは、次に、第2群ミラー部5a・5bに入射する。
【0086】
上記第2群ミラー部5a・5bは、図1〜3に示すように、第1群ミラー部4及び照明装置1よりも主走査方向下流に配置されており、第1群ミラー部4及び照明装置1と同じ移動軸上で、主走査方向を上流から下流へ、及び下流から上流へ移動することができるように構成されている。この移動は、第1群ミラー部4及び照明装置1と同じく、図示しない上記駆動手段によって、図示しないガイドレールに沿って行う。
【0087】
第2群ミラー部5a・5bは、移動しながら、同じく移動する第1群ミラー部4によって生成される上記反射光Dを入射させ、これを反射させることによって、主走査方向を下流から上流に向けて進む反射光E(図1〜図3)を生成することができる。
【0088】
具体的には、第2群ミラー部5a・5bは、図1〜3に示すように辺Aに沿って細長い形状を有している。この第2群ミラー部5aは、反射光Dを入射させ、これを反射させることによって、上面20aに対して垂直方向で、且つ上面20aの上方に向けて進む反射光D’を生成することができる。また、第2群ミラー部5bは、上記反射光D’を入射できるように、第2群ミラー部5aの上方、すなわち上面20aに対して垂直で、且つ上面20aから更に離れた位置に配設されている。そして、第2群ミラー部5bは、入射した反射光D’を入射させ、これを反射させることによって、主走査方向を下流から上流に進む反射光Fを生成する。
【0089】
尚、本実施形態では、第2群ミラー部5a及び第2群ミラー部5bという各々別体の2つの反射部材を設けている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、内部に第2群ミラー部5a及び第2群ミラー部5bと同じ機能を有した面を備えた1つの部材から構成してもよい。1つの部材から構成すれば、互いの位置決めが不要であり、位置ズレが生じる虞もなくなる。また、本実施形態では、反射光Dから反射光Fが生成されるまでの間に、2つの反射部材を用いているが、反射部材同士の相対的な位置が変化しなければ2つに限定されるものではなく、3つ以上の反射部材を用いてもよい。
【0090】
上記駆動手段は、第1群ミラー部4及び照明装置1を主走査方向の上流から下流に一定速度で移動させることができるとともに、第2群ミラー部5a・5bを、移動速度を可変させながら主走査方向の上流から下流に、及び下流から上流に移動させることができ、第1群ミラー部4と第2群ミラー部5a・5bとの相対位置、すなわち第1群ミラー部4と第2群ミラー部5a・5bとの間の距離を調整することができる。その調整は、撮像する間の第1群ミラー部4と第2群ミラー部5a・5bとの相対位置を駆動手段に予め設定しておき、その設定に応じて、駆動手段が第1群ミラー部4と第2群ミラー部5a・5bと移動させる構成とすればよい。また他にも、例えば、一定速度で移動する第1群ミラー部4の位置を駆動手段によって検出し、この位置に応じて、駆動手段が第2群ミラー部5a・5bの移動速度及び移動方向を調整する構成であってもよい。
【0091】
尚、本実施形態では、第1群ミラー部4(及び照明装置1)と、第2群ミラー部5a・5bとを1つの駆動手段によって駆動しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1群ミラー部4と第2群ミラー部5a・5bとをそれぞれ別の駆動手段によって駆動してもよい。
【0092】
第2群ミラー部5bから反射した反射光Fは、既述したレンズ3によって集光され、ラインセンサ2で受光される。
【0093】
ラインセンサ2は、レンズ3によって集光された光を受けて、電気信号を生成することができるものであれば既述したように従来公知のものを用いて構成することができる。また、例えば、該電気信号に基づいて形成された各面の画像を表示できる表示装置がラインセンサ2に接続されていてもよい。
【0094】
また、ラインセンサ2もしくはラインセンサ2に配設された他の装置に、予め液晶表示パネルの表示品位不良の有無を判別するためのデータを設定しておき、上記電気信号に基づいて、検査中の液晶表示パネルの表示品位不良の有無を判定させるように構成することも可能である。
【0095】
以下に、上記の構成を備えた液晶表示パネル用検査装置10aを用いた撮像方法を説明する。
【0096】
図8〜図13は、液晶表示パネル20の上面及び4つの側面A〜Dを液晶表示パネル用検査装置10aを用いて撮像する間の、第1群ミラー部4と第2群ミラー部5a・5bとの相対位置を各工程に沿って示した液晶表示パネル用検査装置10aの側面図である。尚、図8〜図13は何れも、図1〜図3に示した液晶表示パネル用検査装置10aを、副走査方向の下流から上流に向けて見た状態を示している。
【0097】
図8は、撮像を開始した時点の状態を示している。撮像が開始された時点では、照明装置1及び第1群ミラー部4は、第4群ミラー部7aの上方に位置しており、第1群ミラー部4には、図8に示すように、第4群ミラー部7aにおけるL1の位置で反射した反射光Bがミラー4bに入射する。このL1の位置で反射した反射光は、側面Aにおける辺A付近で反射した光に由来する。このとき、第2群ミラー部5a・5bは、液晶表示パネルの上面20aの上方に位置している。
【0098】
そして、駆動手段は、第1群ミラー部4と照明装置1を、図8に示す位置から主走査方向に沿って上流から下流に、一定速度Vで駆動(移動)させる。一定速度Vで移動することによって、第1群ミラー部4に入射する反射光Bは、第4群ミラー部7aにおけるL1の位置で反射した反射光Bから、側面Aの面内で反射した反射光に由来するL1−L2間で反射した反射光Bを経て、側面Aにおける辺Aの対辺である辺A’付近の反射光に由来した、第4群ミラー部7aにおけるL2の位置で反射した反射光Bに順次変化する。また、駆動手段は、第1群ミラー部4を移動させるのと同時に、主走査方向に沿って上流から下流に上記速度Vの半分の速度(速度V/2)で第2群ミラー部5a・5bを移動させる。このように第1群ミラー部4及び第2群ミラー部5a・5bが移動することによって、側面Aの辺A付近で反射した反射光がラインセンサ2に受光され始めた時点から、側面Aの辺A’付近で反射した反射光がラインセンサ2に受光され終わる時点までの間の、側面Aからラインセンサ2までの反射光の光路長(これを撮像距離Rとする)を一定にすることができる。
【0099】
図9は、第1群ミラー部4のミラー4bに第4群ミラー部7aにおけるL2の位置で反射した反射光が入射している状態であり、側面Aの撮像が完了した時点を示している。この状態から第1群ミラー部4は、更に一定速度Vで移動して後述する液晶表示パネルの上面20a及び側面B・Cを撮像する工程(図10)に入るわけだが、図9に示す状態から、第1群ミラー部4のミラー4a・4cが第3群ミラー部6aで反射した反射光T(側面B・Cで反射したものに由来)を入射するまで、すなわちL4の位置での反射光を入射するまでの間は、第2群ミラー部5a・5bが移動速度を変化させ、速度V/2よりも速い第1の所定速度で主走査方向の上流から下流に移動する。
【0100】
ここで、上記第1の所定速度とは、上面20a及び側面B・Cで反射した反射光がラインセンサ2に受光され始める時点での撮像距離が、上記撮像距離Rと等しくなる速度である。
【0101】
尚、本実施形態では、第1群ミラー部4が主走査方向の上流から下流まで移動する間に上面20aとともに側面A〜Dの全ての側面を撮像する構成について説明している。しかしながら、全ての側面を撮像する構成に限定されるものではなく、上面20aとともに、主走査方向の上流と下流に位置する側面A・Dの2つの側面を撮像する構成であってもよい。この場合は、図9に示した時点から、第1群ミラー部4のミラー4bに上面20aの辺A付近(すなわち、図9におけるL4の位置)で反射した反射光Cを入射するまでの間、第2群ミラー部5a・5bを上記第1の所定速度で主走査方向の上流から下流に移動させる。
【0102】
図10は、第1群ミラー部4のミラー4a・4cに、第3群ミラー部6aで反射した反射光T(側面B・Cで反射したものに由来)が入射し始めた時点を示している。第1群ミラー部4のミラー4a・4cに、第3群ミラー部6aで反射した反射光Tが入射し始めるとすぐに、第2群ミラー部5a・5bは再び移動速度を速度V/2に変化させて主走査方向の上流から下流に移動し始める。そして、上面20aでの反射光Cは第1群ミラー部4のミラー4bと第2群ミラー部5a・5bとを経て、そして、側面Bでの反射光Tは、第1群ミラー部4のミラー4aと第2群ミラー部5a・5bとを経て、また、側面Cでの反射光Tは、第1群ミラー部4のミラー4cと第2群ミラー部5a・5bとを経て、それぞれラインセンサ2に受光される。上面20a及び側面B・Dの各々からラインセンサ2までの撮像距離は互いに等しく、且つ、上記撮像距離Rとも等しい。
【0103】
図11は、上面20aと側面B・Cとの撮像が完了した時点を示しており、具体的には、第1群ミラー部4のミラー4bが、L5の位置にあって、上面20aの辺D付近での反射光Cを受光した直後の状態を示している。この状態から第1群ミラー部4は、更に一定速度Vで移動して後述する液晶表示パネルの側面Dを撮像する工程(図12)に入るわけだが、図11に示す状態から、第1群ミラー部4のミラー4bが第4群ミラー部7bで反射した反射光B(側面Dで反射したものに由来)を入射するまで、すなわちL6の位置での反射光を入射するまでの間は、第2群ミラー部5a・5bが移動速度を変化させ、速度V/2よりも遅い第2の所定速度で主走査方向の下流から上流に移動する。
【0104】
ここで、上記第2の所定速度とは、側面Dで反射した反射光がラインセンサ2に受光され始める時点での撮像距離が、上記撮像距離Rと等しくなる速度である。
【0105】
図12は、第1群ミラー部4のミラー4bに、第4群ミラー部7bにおけるL6で反射した反射光B(側面Dの辺Dの対辺(辺D’)付近で反射した反射光に由来)が入射し始めた時点を示している。ミラー4bに、第4群ミラー部7bにおけるL6で反射した反射光Bが入射し始めるとすぐに、第2群ミラー部5a・5bは再び移動速度を速度V/2に変化させて主走査方向の上流から下流に移動し始める。そして、第1群ミラー部4に入射する反射光Bは、側面Dの辺Dの対辺(辺D’)付近の反射光に由来した、第4群ミラー部7aにおけるL6の位置で反射した反射光Bから、側面Dの面内で反射した反射光に由来するL6−L7間で反射した反射光Bを経て、図13に示す側面Dにおける辺D付近の反射光に由来した、第4群ミラー部7bにおけるL7の位置で反射した反射光Bに順次変化する。このように第1群ミラー部4及び第2群ミラー部5a・5bが移動することによって、側面Dの辺D’付近で反射した反射光がラインセンサ2に受光され始めた時点から、側面Dの辺D付近で反射した反射光がラインセンサ2に受光され終わる時点までの間の、側面Dからラインセンサ2までの反射光の撮像距離が一定になり、且つ、上記撮像距離Rと等しくなる。
【0106】
このように、本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10aを用いることによって、例えば、液晶表示パネル20の各面に図14に示すように文字Fが印字されているならば、図15に示すような状態の画像を得ることができる。尚、図15におけるL1〜L7は、図8〜図13に示したL1〜L7である。
【0107】
また、図16に、第1群ミラー部4及び第2群ミラー部5a・5bの位置と速度との関係についてダイアグラムにまとめている。尚、図16の縦軸のL1〜L7は、図8〜図13に示したL1〜L7である。
【0108】
以上のように、本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10aは、上面20aの上方において第1群ミラー部4及び照明装置1の移動軸と、第2群ミラー部5a・5bの移動軸とが一致した状態で、第1群ミラー部4(及び照明装置1)と第2群ミラー部5a・5bとを互いに異なる速度で移動させる駆動手段を備えており、ラインセンサ2及びレンズ3は、位置固定されており、移動中の第2群ミラー部5a・5bから導かれる各面からの反射光を連続的に受光するように構成されている。これにより、従来構成のような焦点調整機構や、高感度のエリアセンサや、結像面の大きな撮像素子とレンズといった非常に高価な構成を必要とすることはなく、液晶表示パネルの上面及び側面の双方の面の良好な画像を一度に得ることができる。
【0109】
尚、本実施形態では、FPDモジュールとして液晶表示パネルを挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、EL(エレクトロルミネセンス)表示体や、FED(電解放出ディスプレイ)やPFP(プラズマディスプレイパネル)等であっても適用できる。
【0110】
また、本実施形態では、上記載置台が、上面20aが水平になるように液晶表示パネル20を載置できる構成となっている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、上面20aが水平面に対して所定の角度を有して傾斜するように液晶表示パネル20を載置する構成であってもよく、また、上面20aが水平面に対して垂直になるように載置できる構成であってもよい。
【0111】
また、本実施形態では、第1群ミラー部4が、主走査方向の上流から下流まで移動した時点で撮像を終了しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、主走査方向の下流まで移動した後に、また下流から上流へ移動するように構成していても良い。また、主走査方向の下流から撮像を開始し、上流まで移動した時点で撮像を完了させる構成であってもよい。
【0112】
また、本実施形態では、上面20aとともに側面A〜Dの全ての側面を撮像する構成について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1群ミラー部4が主走査方向の上流から下流まで移動する間に上面20aとともに側面A・Dの2つの側面を撮像する構成であってもよい。この場合は、第3群ミラー部6a・6bは不要となり、側面B・Cの撮像は、上面20a及び側面A・Dの撮像が終わった後に、液晶表示パネルを載置台上で回転させ、側面A・Dを撮像した方法で側面B・Cを撮像すればよい。
【0113】
更に、本実施形態では四角形の液晶表示パネル(上面)を対象とする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、互いに平行な2つの辺(本実施形態の場合は辺A及び辺D)を有する形状の多角形であれば適用することができる。例えば、正六角形の上面を有するものであっても適用することができる。この場合は、上記と同じように第3群ミラー部6a・6bは不要である。
【0114】
また、本発明の検査装置は、FPDモジュールの外観を検査する用途以外にも、例えば液晶パネルの点灯検査を行うための検査装置としても適用することができる。液晶パネルのようなFPDモジュールには、一般的に、多数の画素電極や走査線や信号線が配されているが、製造過程でこれらが断線したり短絡したりする場合があるので、その有無を検査するために、本実施形形態で説明した構成部材に加えて、液晶表示パネルを点灯させるための電源回路や制御回路、並びにバックライトを配設することによって、液晶表示パネルの外観の検査と同時に、液晶表示パネルの点灯検査を行うことが可能となる。
【0115】
また本発明の構成は、フラットパネルディスプレイモジュール以外にも、上面(主面)及び側面を有する物体(被検査対象物)であれば撮像対象とすることができる。すなわち、本発明の構成は、上面及び側面を有する物体を検査するための検査装置用撮像装置としても適用することができる。このような物体としては、外面に印刷が施された箱や、ノートパソコンなどを挙げることができる。
【0116】
また、本発明に係るFPDモジュール用検査装置は、以下の構成を特徴としていると換言することができる。
すなわち、FPDモジュール用検査装置は、FPDモジュールの表面と平行な平面上を副走査方向に一定速度vで移動する第1群ミラー部と、第1群ミラー部に対しV/2の速度で移動する第2群ミラー部と、FPDモジュールの表面からの光を第1群ミラー部、第2群ミラー部を経由し集光する結像レンズによって主走査方向に伸びたラインセンサに導光し、FPDモジュールの表面全体を撮像するFPDモジュール用検査装置において、FPDモジュールの主走査方向の側面を撮像するための第3群ミラー部と、FPDモジュールの側面からの光を第3群ミラー部、第1群ミラー部、第2群ミラー部、結像レンズを解しラインセンサに導光する際に、前記表面からの光を導光する光路長と、FPDモジュールの側面からの光を導光する光路長が等しくなるように、第1群ミラー部の一部を副走査方向へ移動させたことを特徴としていると換言することができる。また、上記の構成において、第3群ミラー部が被撮像物側面全体を反射するよう構成されていることが好ましい。
【0117】
〔実施の形態2〕
本発明にかかる他の実施の形態について、図17に基づいて説明すれば以下の通りである。尚、本実施の形態では、上記実施の形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
【0118】
図17は、本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10bの構成を示す斜視図である。
【0119】
上記実施の形態1における液晶表示パネル用検査装置10aでは、第3群ミラー部6aは、図1〜図3に示したように、側面Bから所定の間隔をあけた位置に配設されており、辺Bに沿って辺Bよりも僅かに長い細長形状の反射面を有している。また、第3群ミラー部6bは、側面Cから所定の間隔をあけた位置に配設されており、辺Cに沿って辺Bよりも僅かに長い細長形状の反射面を有している。これに対して、本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10bに設けられた第3群ミラー部6a’・6b’は、図17に示すように、その長さが何れも辺B及び辺Cよりも短い矩形の反射面を有している。
【0120】
そして、本実施形態の液晶表示パネル用検査装置10bでは、上記第3群ミラー部6a’・6b’が、上記実施の形態1で説明した第1群ミラー部4と一体となっており、第1群ミラー部4が主走査方向の上流から下流へ移動するのに伴って、主走査方向の上流から下流へ移動するように構成されている。
【0121】
すなわち、上記第3群ミラー部6a’は、第1群ミラー部4の移動に伴って、側面Bにおける側面Aと隣接している端部から、側面Bにおける側面Dと隣接している端部まで移動し、図17に示すように、反射光Sを第1群ミラー部4のミラーaに向けて反射させる。また、上記第3群ミラー部6b’は、第1群ミラー部4の移動に伴って、側面Cにおける側面Aと隣接している端部から、側面Cにおける側面Dと隣接している端部まで移動し、図17に示すように、反射光Sを第1群ミラー部4のミラーcに向けて反射させる。
【0122】
以上のように構成した液晶表示パネル用検査装置10bを用いて、液晶表示パネル20を撮像した場合であっても、上記実施の形態1における液晶表示パネル用検査装置10aと同様に、図15に示した画像を得ることができる。
【0123】
このように、本実施形態の構成によれば、上記実施の形態1の場合と比較して、第3群ミラー部の大きさを小さくすることができる。
【0124】
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明のFPDモジュール用検査装置(検査装置用撮像装置)は、装置を大型化せずに、FPDモジュール上面及び側面の双方から、良好な画像を得ることができる。
【0126】
従って、液晶表示パネルや、EL(エレクトロルミネセンス)表示体といったFPDモジュールを検査するための検査装置として適用できる他、外面に印刷が施された箱の該印刷を検査するための検査装置や、ノートパソコンの外観検査装置として適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置の構成を示す斜視図であり、図1に示したものとは第1群ミラー部及び第2群ミラー部の位置が異なっている状態を示している。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置の構成を示す斜視図であり、図1及び図2に示したものとは第1群ミラー部及び第2群ミラー部の位置が異なっている状態を示している。
【図4】図1に示した液晶表示パネル用検査装置に設けられた第1群ミラー部の具体的な構成を示した側面図である。
【図5】図1に示した液晶表示パネル用検査装置に設けられた第3群ミラー部の配設位置について示した側面図である。
【図6】(a)・(b)ともに、図1に示した液晶表示パネル用検査装置の撮像範囲を説明した図である。
【図7】図1に示した液晶表示パネル用検査装置に設けられた第4群ミラー部の配設位置について示した側面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置を用いて液晶表示パネルを撮像する過程を示した側面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置を用いて液晶表示パネルを撮像する過程を示した側面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置を用いて液晶表示パネルを撮像する過程を示した側面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置を用いて液晶表示パネルを撮像する過程を示した側面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置を用いて液晶表示パネルを撮像する過程を示した側面図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置を用いて液晶表示パネルを撮像する過程を示した側面図である。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置で撮像される液晶表示パネルを示した斜視図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置で撮像された図14の液晶表示パネルの画像を示した図である。
【図16】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置に設けられた第1群ミラー部及び第2群ミラー部の位置と速度との関係をダイアグラムにまとめた図である。
【図17】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネル用検査装置の構成を示した斜視図である。
【図18】従来技術の構成を示した図である。
【図19】従来技術の構成を示した図である。
【図20】従来技術の構成を示した図である。
【図21】従来技術の構成を示した図である。
【図22】従来技術の構成を示した図である。
【符号の説明】
【0128】
1 照明装置(光源)
1a〜1c 照明部(光源)
2 ラインセンサ(撮像手段)
3 レンズ(撮像手段)
4 第1群ミラー部(導光手段、第1導光部)
4a,4c ミラー(側面用第1導光部)
4b ミラー(両用第1導光部)
5a・5b 第2群ミラー部(導光手段、第2導光部)
6a・6b・6a’・6b’ 第3群ミラー部(第2反射手段)
7a・7b 第4群ミラー部(反射手段)
10a・10b 液晶表示パネル用検査装置(フラットパネルディスプレイモジュール用検査装置、検査装置用撮像装置)
20 液晶表示パネル(フラットパネルディスプレイモジュール、被検査対象物)
20a 上面(画像表示面、主面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットパネルディスプレイモジュールの、配線及び電極が配されている画像表示面と、該画像表示面と接する側面のうちの少なくとも1つの側面とに光を照らす光源と、
位置固定されており、上記画像表示面及び側面で反射した上記光の反射光を受光することによって、該画像表示面及び側面を撮像する撮像手段とを備えた、上記モジュールの外観を検査するためのフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置であって、
上記側面から所定の間隔をあけて配され、該側面で反射した反射光を反射させることによって、該反射光の進行方向を上記画像表示面で反射した反射光の進行方向と平行にする反射手段と、
上記反射手段で反射した反射光a、及び上記画像表示面で反射した反射光bを上記撮像手段に導く導光手段と、
上記撮像手段に反射光aと反射光bとが順次受光されるように、上記導光手段及び上記光源を移動させる駆動手段とを備えており、
上記導光手段には、反射光a及び反射光bを入射させるとともに、入射した反射光a及び反射光bを第2導光部へと導く第1導光部と、該第1導光部からの反射光a及び反射光bを上記撮像手段に導く第2導光部とが設けられており、
上記光源と、上記第1導光部と、上記第2導光部とは、上記画像表示面に対して平行で、且つ直線である同じ移動軸上を移動できるように構成されており、
上記駆動手段は、上記第1導光部及び上記光源と、上記第2導光部とを互いに異なる速度で上記移動軸上を移動させるように構成されており、
上記撮像手段は、移動中の上記第2導光部から導かれる光を連続的に受光するように構成されていることを特徴とするフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置。
【請求項2】
上記駆動手段は、上記第1導光部を上記移動軸上を一方向に一定速度Vで移動させている間に、上記第2導光部を、上記移動軸上を双方向に移動させ、且つその速度を可変させることを特徴とする請求項1に記載のフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置。
【請求項3】
上記画像表示面が、互いに平行な少なくとも1組の辺を有する多角形である、フラットパネルディスプレイモジュールを撮像するように構成されており、
上記1組の辺のうちの一方の辺Aから他方の辺Dに向かう方向を主走査方向とすると、上記移動軸は主走査方向に対して平行であり、
上記反射手段は、上記辺Aを有する側面A、及び上記辺Dを有する側面Dの各々に、それぞれ上記所定の距離をあけて配設されており、
上記第2導光部は、上記第1導光部から上記第2導光部に導かれる上記反射光a及び反射光bの光軸が主走査方向に対して平行となるように、上記第1導光部よりも主走査方向の下流に配設されており、
上記第2導光部から上記撮像手段に導かれる上記反射光a及び反射光bは、上記光軸と平行な光軸を有し、且つ上記第1導光部から上記第2導光部に導かれる上記反射光a及び反射光bの進行方向とは逆方向に進行するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置。
【請求項4】
上記側面Aは、上記辺Aに対向する辺A’を有しており、上記側面Dは、上記辺Dに対向する辺D’を有しており、
上記第1導光部は、上記側面Aにおける上記辺Aから上記辺A’に向けて順次上記反射光aを入射し、その後、上記画像表示面における辺Aから辺Dに向けて順次上記反射光bを入射し、更にその後、上記側面Dにおける上記辺D’から上記辺Dに向けて順次上記反射光aを入射するように構成されている請求項3に記載のフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置。
【請求項5】
上記駆動手段は、
(i)上記第1導光部に反射光a及び反射光bが入射している間は、上記第2導光部を速度V/2で主走査方向の上流から下流に移動させ、
(ii)上記第1導光部に上記辺A’からの反射光aが入射した直後から、上記第1導光部に上記画像表示面における辺Aからの反射光bが入射する直前までの間は、上記第2導光部を、その移動速度がV/2よりも速い第1の所定速度で主走査方向の上流から下流に移動させ、
(iii)上記第1導光部に上記画像表示面における辺Dからの反射光bが入射した直後から、上記第1導光部に上記辺D’からの反射光が入射する直前までの間は、上記第2導光部を第2の所定速度で主走査方向の下流から上流に移動させることを特徴とする請求項4に記載のフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置。
【請求項6】
上記多角形は四角形であり、上記1組の辺とは異なる1組の辺のうちの一方の辺Cに設けられた側面C、及び、他方の辺Bに設けられた側面Bの各々から所定の間隔をあけて配され、該側面C及び側面Bで反射した反射光cを反射させることによって、該反射光cの進行方向を上記画像表示面で反射した反射光の進行方向と平行にする、上記反射手段とは異なる第2反射手段を備えており、
上記第1導光部は、
上記反射光a及び反射光bを反射させる両用第1導光部と、
上記両用第1導光部よりも主走査方向の下流に所定の間隔をあけて配設された、上記反射光cを反射させる側面用第1反射部とから構成されていることを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載のフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置。
【請求項7】
上記第2反射手段は、上記側面C及び側面Bで反射した反射光cの一部を入射させることができるように構成されており、
上記駆動手段は、上記第2反射手段を、上記側面C及び側面Bにおける主走査方向の上流側の端部から下流側の端部まで、上記第1導光部とともに移動させるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置。
【請求項8】
フラットパネルディスプレイモジュールの、配線及び電極が配されている四角形を有する画像表示面と、該画像表示面と接する4つの側面のうちの少なくとも1つの側面とに光を照射する光源と、
位置固定されており、上記光が上記画像表示面及び側面で反射した反射光を受光することによって、該画像表示面及び側面を撮像する撮像手段と、
上記画像表示面及び側面から上記撮像手段までの間の上記反射光の光路上に設けられた、入射した光を入射方向とは異なる方向に反射させる反射体とを備えている、上記モジュールの外観を検査するためのフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置であって、
上記画像表示面の2組の対向辺のうち、一方の組の一方の辺Aから他方の辺Dに向かう方向を主走査方向とすると、
上記反射体は、
上記辺Aを有する側面Aと、上記辺Dを有する側面Dとでそれぞれ反射した上記光源からの光の反射光を反射させる第4反射部と、
上記第4反射部で反射した反射光、及び上記画像表示面で光源から出射した光が反射した反射光を上記画像表示面に沿って主走査方向に反射させる第1反射部と、
上記第1反射部で反射した反射光を反射させて、該反射光の光軸と平行な光軸を有し、且つ該反射光の進行方向とは逆向きに進行する反射光を生成する第2反射部とを備えており、
上記光源、第1反射部及び第2反射部は、上記画像表示面の近傍に配設されており、
光源及び第1反射部を、上記画像表示面に沿って主走査方向の上流から下流に速度Vで移動させるとともに、上記第1反射部の移動中に、上記第2反射部を、上記画像表示面に沿って主走査方向の上流から下流に、及び下流から上流に速度Vとは異なる速度で移動させる駆動手段を備えており、
上記撮像手段は、主走査方向に移動中の上記第2反射部が生成する反射光を連続して受光するように構成されていることを特徴とするフラットパネルディスプレイモジュール用検査装置。
【請求項9】
被検査対象物の主面と、該主面と接する側面のうちの少なくとも1つの側面とに光を照らす光源と、
位置固定されており、上記主面及び上記側面で反射した上記光の反射光を受光することによって、該主面及び側面を撮像する撮像手段とを備えた、上記被検査対象物の外観を検査するための検査装置用撮像装置であって、
上記側面から所定の間隔をあけて配され、該側面で反射した反射光を反射させることによって、該反射光の進行方向を上記主面で反射した反射光の進行方向と平行にする反射手段と、
上記反射手段で反射した反射光a、及び上記主面で反射した反射光bを上記撮像手段に導く導光手段と、
上記撮像手段に反射光aと反射光bとが順次受光されるように、上記導光手段及び上記光源を移動させる駆動手段とを備えており、
上記導光手段には、反射光a及び反射光bを入射させるとともに、入射した反射光a及び反射光bを第2導光部へと導く第1導光部と、該第1導光部から導かれた反射光a及び反射光bを上記撮像手段に導く第2導光部とが設けられており、
上記光源と、上記第1導光部と、上記第2導光部とは、上記主面に対して平行で、且つ直線である同じ移動軸上を移動できるように構成されており、
上記駆動手段は、上記第1導光部及び上記光源と、上記第2導光部とを互いに異なる速度で上記移動軸上を移動させるように構成されており、
上記撮像手段は、移動中の上記第2導光部から導かれる光を連続的に受光するように構成されていることを特徴とする検査装置用撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−145198(P2008−145198A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331058(P2006−331058)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】