説明

フルオロエラストマーの凝固法

フルオロエラストマーの製造方法において、少なくとも2つの第四級オニウム中心を有する水溶性ポリマーである凝固剤が用いられる。かかる凝固剤の具体的な例には、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリ(エピクロロヒドリン−コ−ジメチルアミン)、およびポリ(アクリルアミド−コ−塩化ジアリルジメチルアンモニウム)が挙げられるが、これらに限定されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロエラストマーの新規凝固法であって、ある種のクラスの陽イオン性ポリマーが凝固剤として用いられる、より具体的には少なくとも2つの第四級オニウム中心を有する水溶性ポリマーが凝固剤として用いられる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
優れた耐熱性、耐油性、および耐化学薬品性を有するフッ化ビニリデンの弾性ポリマーは、シーリング材、容器およびホース用に広く使用されてきた。
【0003】
乳化重合法によるかかるフルオロエラストマーの製造は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第4,214,060号明細書および米国特許第4,281,092号明細書を参照されたい。重合の結果は、ポリマーの分散系またはラテックスである。一般に、フルオロエラストマーは次に、凝固剤の添加によって分散系から分離されてスラリーを形成する。スラリーは次に洗浄され、乾燥され、次に商業用途向けの最終形態へ成形される。
【0004】
これまで用いられた凝固剤は典型的には無機多価陽イオンの塩である(A.L.Logothetis、Prog.Polym.Sci、14、251−296(1989))。これらには、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩、硫酸カリウムアルミニウムなどのミョウバン、塩化カルシウムおよび硝酸カルシウムなどのカルシウム塩、および塩化マグネシウムおよび硝酸マグネシウムなどのマグネシウム塩が含まれる。これらの塩は凝固剤として非常に有効に働くが、残留量のこれらの塩がポリマー中に残る。これらの塩の存在はポリマーを、半導体製造におけるシールなどの汚染に敏感な用途での使用に不適当なものにする。従って、フルオロエラストマーの乳化重合で使用するのに有効な他の凝固剤を見いだすことが望ましい。
【0005】
塩化ナトリウムなどの一価陽イオンの塩が、フルオロエラストマーの製造のための凝固剤として提案されてきた。残留量のこれらの塩は、幾つかの最終使用用途において比較的無害であると考えられる。しかしながら、過度に大量の一価陽イオンの塩がフルオロエラストマーを完全に凝固させるために必要とされる。結果として生じたポリマーは完全に乾燥させるのが困難である。加えて、ポリマーを凝固させるために必要とされる大量のこれらの塩は、大きな、高価な水処理施設を必要とする。
【0006】
有機凝固剤の使用は、ポリマー汚染を回避するための別の方法である。残留量の有機凝固剤は、半導体プロセスを汚染しないであろうし、幾つかの場合には、硬化プロセス中にポリマーから揮発するかもしれない。米国特許第3,598,794号明細書は、フルオロエラストマーのための凝固剤としてポリアミンを開示している。フルオロエラストマー分散系へのポリアミンの添加は、水相から分離することができるゲルを形成する。しかしながら、このゲルの洗浄は困難であり、フルオロエラストマー中に残る残留ポリアミンは硬化操作を妨げる。
【0007】
米国特許第3,997,705号明細書は、加硫促進剤としての機能を果たす有機塩基または塩でのフルオロエラストマーの凝固を開示している。しかしながら、かかる凝固剤の使用は、早過ぎる硬化またはスコーチを受けるフルオロエラストマーをもたらす。加えて、かかる凝固剤の使用は、加硫促進剤がポリマー中に既に存在するので、フルオロエラストマーのその後の配合の選択肢を限定する。
【0008】
国際公開第2005/066218 A1号パンフレットは、オニウム化合物が凝固剤として用いられるパーフルオロエラストマーの凝固法を開示している。好適なオニウム化合物は、フルオロエラストマー組成物で有用な触媒または硬化剤として以前に記載されたものを含むと言われる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
意外にも、ある種の有機陽イオン性ポリマーが、ゲルをもたらすことなく、かつ、エラストマーを時期尚早に硬化させることなくフルオロエラストマーを凝固させるために使用できることが分かった。本発明の一態様は、少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマーの製造のための凝固法であって、
(A)少なくとも2つの共重合性モノマーの共重合単位を含むフルオロエラストマーであって、フッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレンからなる群から選択された第1モノマーが前記フルオロエラストマーの総重量を基準として25〜70重量パーセントの量で存在するフルオロエラストマーを含む水性分散系を提供する工程と、
(B)少なくとも2つの第四級オニウム中心を含む水溶性ポリマーの水溶液を前記水性分散系に加え、それによって前記フルオロエラストマーを凝固させる工程と
を含む方法を提供する。
【0010】
本発明の別の態様は、
(A)少なくとも2つの共重合性モノマーの共重合単位を含むフルオロエラストマーであって、フッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレンからなる群から選択された第1モノマーが前記フルオロエラストマーの総重量を基準として25〜70重量パーセントの量で存在するフルオロエラストマーを含む水性分散系を提供する工程と、
(B)少なくとも2つの第四級オニウム中心を有する水溶性ポリマーの水溶液を前記水性分散系に加え、それによって前記フルオロエラストマーを凝固させる工程と
含む方法によって製造されたフルオロエラストマーである。
【0011】
本発明の別の態様は、
(A)ポリヒドロキシ硬化剤と、
(B)(i)少なくとも2つの共重合性モノマーの共重合単位を含むフルオロエラストマーであって、フッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレンからなる群から選択された第1モノマーが前記フルオロエラストマーの総重量を基準として25〜70重量パーセントの量で存在するフルオロエラストマーを含む水性分散系を提供する工程と、
(ii)少なくとも2つの第四級オニウム中心を有する水溶性ポリマーの水溶液を前記水性分散系に加え、それによって前記フルオロエラストマーを凝固させる工程と
を含む方法によって製造されたフルオロエラストマーと
を含む硬化性組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、フルオロエラストマーを製造するための凝固法に、ならびにフルオロエラストマーおよびそれから製造された硬化性組成物に関する。「フルオロエラストマー」とは、非晶質の弾性フルオロポリマーを意味する。フルオロポリマーは、少なくとも53重量パーセントのフッ素、好ましくは少なくとも64重量パーセントのフッ素を含有する限り、部分フッ素化かまたは過フッ素化であってもよい。本発明の方法で製造されるフルオロエラストマーは、フルオロエラストマーの総重量を基準として、25〜70重量パーセントのフッ化ビニリデン(VF2)またはテトラフルオロエチレン(TFE)であってもよい第1モノマーの共重合単位を含有する。フルオロエラストマー中の残りの単位は、フッ素含有オレフィン、フッ素含有ビニルエーテル、炭化水素オレフィンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、前記第1モノマーとは異なる、1つ以上の追加の共重合モノマーを含んでなる。
【0013】
本発明によれば、第1モノマーと共重合できるフッ素含有オレフィンには、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1−HPFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)およびフッ化ビニルが含まれるが、それらに限定されない。
【0014】
本発明に用いられるフッ素含有ビニルエーテルには、パーフルオロ(アルキルビニル)エーテルが含まれるが、それらに限定されない。モノマーとしての使用に好適なパーフルオロ(アルキルビニル)エーテル(PAVE)には、式
CF2=CFO(Rf'O)n(Rf''O)mf (I)
(式中、Rf'およびRf''は、2〜6個の炭素原子の異なる線状または分岐のパーフルオロアルキレン基であり、mおよびnは独立して0〜10であり、そしてRfは1〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキル基である)
を有するものが含まれる。
【0015】
好ましいクラスのパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルには、式
CF2=CFO(CF2CFXO)nf (II)
(式中、XはFまたはCF3であり、nは0〜5であり、そしてRfは1〜6個の炭素原子のパーフルオロアルキル基である)
の組成物を含む。
【0016】
最も好ましいクラスのパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルには、nが0または1であり、そしてRfが1〜3個の炭素原子を含有するそれらのエーテルが含まれる。かかる過フッ素化エーテルの例には、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)およびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE)が挙げられる。他の有用なモノマーには、式
CF2=CFO[(CF2mCF2CFZO]nf (III)
(式中、Rfは、1〜6個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基であり、m=0または1、n=0〜5、そしてZ=FまたはCF3である)
の化合物が含まれる。このクラスの好ましいメンバーは、式中RfがC37であり、m=0、そしてn=1であるものである。
【0017】
追加のパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルモノマーには、式
CF2=CFO[(CF2CF{CF3}O)n(CF2CF2CF2O)m(CF2p]Cx2x+1 (IV)
(式中、mおよびnは独立して=0〜10、p=0〜3、そしてx=1〜5である)の化合物が含まれる。
【0018】
このクラスの好ましいメンバーには、式中n=0〜1、m=0〜1、そしてx=1である化合物が含まれる。
【0019】
有用なパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の他の例には、
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2O)mn2n+1 (V)
(式中、n=1〜5、m=1〜3、そして式中、好ましくは、n=1である)が挙げられる。
【0020】
PAVEの共重合単位が本発明の方法によって製造されたフルオロエラストマー中に存在する場合、PAVE含有率は一般に、フルオロエラストマーの総重量を基準として、25〜75重量パーセントの範囲である。パーフルオロ(メチルビニル)エーテルが使用される場合、フルオロエラストマーは好ましくは30〜55重量%の共重合PMVE単位を含有する。
【0021】
本発明の方法によって製造されるフルオロエラストマーに有用な炭化水素オレフィンには、エチレン(E)およびプロピレン(P)が含まれるが、それらに限定されない。炭化水素オレフィンの共重合単位が本発明の方法によって製造されたフルオロエラストマー中に存在する場合、炭化水素オレフィン含有率は一般に4〜30重量%である。
【0022】
本発明の方法によって製造されるフルオロエラストマーはまた、任意選択的に、1つ以上の硬化部位モノマーの単位を含んでもよい。好適な硬化部位モノマーの例には、i)臭素含有オレフィン、ii)ヨウ素含有オレフィン、iii)臭素含有ビニルエーテル、iv)ヨウ素含有ビニルエーテル、v)ニトリル基を有するフッ素含有オレフィン、vi)ニトリル基を有するフッ素含有ビニルエーテル、vii)1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(2−HPFP)、viii)パーフルオロ(2−フェノキシプロピルビニル)エーテル、およびix)非共役ジエンが挙げられる。
【0023】
臭素化硬化部位モノマーは、他のハロゲン、好ましくはフッ素を含有してもよい。臭素化オレフィン硬化部位モノマーの例は、CF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF2Br、ブロモトリフルオロエチレン、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB)、ならびに臭化ビニル,1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレン、臭化パーフルオロアリル、4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロブテン−1、4−ブロモ−1,1,3,3,4,4−ヘキサフルオロブテン、4−ブロモ−3−クロロ−1,1,3,4,4−ペンタフルオロブテン、6−ブロモ−5,5,6,6−テトラフルオロヘキセン、4−ブロモパーフルオロブテン−1および臭化3,3−ジフルオロアリルなどの他のものである。本発明で有用な臭素化ビニルエーテル硬化部位モノマーには、2−ブロモ−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルおよびCF2BrCF2O−CF=CF2などのクラスCF2Br−Rf−O−CF=CF2(Rfはパーフルオロアルキレン基である)のフッ素化化合物、ならびにCH3OCF=CFBrまたはCF3CH2OCF=CFBrなどのグラスROCF=CFBrまたはROCBr=CF2(式中、Rは低級アルキル基またはフルオロアルキル基である)のフルオロビニルエーテルが含まれる。
【0024】
好適なヨウ化硬化部位モノマーには、式:CHR=CH−Z−CH2CHR−I(式中、Rは−Hまたは−CH3であり、Zは線状もしくは分岐の、任意選択的に1つまたは複数のエーテル酸素原子を含有するC1〜C18の(パー)フルオロアルキレン基、または米国特許第5,674,959号明細書に開示されているような(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である)のヨウ化オレフィンが含まれる。有用なヨウ化硬化部位モノマーの他の例は、米国特許第5,717,036号明細書に開示されているように、式:I(CH2CF2CF2nOCF=CF2およびICH2CF2O[CF(CF3)CF2O]nCF=CF2など(式中、n=1〜3である)の不飽和エーテルである。加えて、ヨードエチレン、4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(ITFB)、3−クロロ−4−ヨード−3,4,4−トリフルオロブテン、2−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(ビニルオキシ)エタン、2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエチレン、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨード−1−(パーフルオロビニルオキシ)プロパン、2−ヨードエチルビニルエーテル、3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−ヨードペンテン、およびヨードトリフルオロエチレンをはじめとする好適なヨウ化硬化部位モノマーが米国特許第4,694,045号明細書に開示されている。ヨウ化アリルおよび2−ヨード−パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルもまた有用な硬化部位モノマーである。
【0025】
有用なニトリル含有硬化部位モノマーには、下に示される式
CF2=CF−O(CF2n−CN (VI)
(式中、n=2〜12、好ましくは2〜6である)
CF2=CF−O[CF2−CF(CF3)−O]n−CF2−CF(CF3)−CN (VII)
(式中、n=0〜4、好ましくは0〜2である)
CF2=CF−[OCF2CF(CF3)]x−O−(CF2n−CN (VIII)
(式中、x=1〜2、そしてn=1〜4である)、および
CF2=CF−O−(CF2n−O−CF(CF3)CN (IX)
(式中、n=2〜4である)
を有するものが含まれる。式(VIII)を有するものが好ましい。特に好ましい硬化部位モノマーは、ニトリル基とトリフルオロビニルエーテル基とを有する過フッ素化ポリエーテルである。最も好ましい硬化部位モノマーは、
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN (X)
すなわちパーフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)または8−CNVEである。
【0026】
非共役ジエン硬化部位モノマーの例には、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジエン、ならびにカナダ国特許第2,067,891号明細書および欧州特許出願公開第0784064A1号明細書に開示されているものなどの他のものが挙げられるが、それらに限定されない。好適なトリエンは8−メチル−4−エチリデン−1,7−オクタジエンである。
【0027】
上に挙げた硬化部位モノマーのうち、フルオロエラストマーが過酸化物で硬化させられる状況に好ましいモノマーには、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(BTFB)、4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1(ITFB)、ヨウ化アリル、ブロモトリフルオロエチレンおよび8−CNVEが含まれる。フルオロエラストマーがポリオールで硬化させられるとき、2−HPFPまたはパーフルオロ(2−フェノキシプロピルビニル)エーテルが好ましい硬化部位モノマーである。フルオロエラストマーがテトラアミン、ビス(アミノフェノール)またはビス(チオアミノフェノール)で硬化させられるとき、8−CNVEが好ましい硬化部位モノマーである。
【0028】
硬化部位モノマーの単位は、本発明のフルオロエラストマー中に存在するとき、典型的には0.05〜10重量%(フルオロエラストマーの総重量を基準として)、好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.05〜3重量%のレベルで存在する。
【0029】
本発明の方法によって製造されてもよい具体的なフルオロエラストマーには、少なくとも58重量%フッ素を有し、かつ、i)フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレン;ii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレン;iii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;iv)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;v)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;vi)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;vii)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン;viii)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよびエチレン;ix)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、エチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;x)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、エチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;xi)テトラフルオロエチレンおよびプロピレン;xii)テトラフルオロエチレン、プロピレンおよび3,3,3,−トリフルオロプロパン;xiii)テトラフルオロエチレン、プロピレンおよびフッ化ビニリデン;xiv)テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(メチルビニル)エーテル;xv)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよびパーフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン);xvi)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;xvii)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;ならびにxviii)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよびパーフルオロ(2−フェノキシプロピルビニル)エーテルの共重合単位を含むものが含まれるが、それらに限定されない。
【0030】
さらに、ヨウ素含有末端基、臭素含有末端基またはそれらの混合物が任意選択的に、フルオロエラストマーの製造中に連鎖移動剤または分子量調整剤の使用の結果としてフルオロエラストマー・ポリマー鎖端の片方または両方に存在してもよい。用いられるとき、連鎖移動剤の量は、0.005〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の範囲でフルオロエラストマー中のヨウ素または臭素レベルをもたらすように計算される。
【0031】
連鎖移動剤の例には、ポリマー分子の片方または両方で結合ヨウ素の組み入れをもたらすヨウ素含有化合物が挙げられる。ヨウ化メチレン、1,4−ジヨードパーフルオロ−n−ブタン、および1,6−ジヨード−3,3,4,4−テトラフルオロヘキサンがかかる試剤を代表するものである。他のヨウ素化連鎖移動剤には、1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,2−ジ(ヨードジフルオロメチル)−パーフルオロシクロブタン、モノヨードパーフルオロエタン、モノヨードパーフルオロブタン、2−ヨード−1−ヒドロパーフルオロエタンなどが含まれる。欧州特許出願公開第0868447A1号明細書に開示されているシアノ−ヨウ素連鎖移動剤もまた含まれる。ジヨウ素化連鎖移動剤が特に好ましい。
【0032】
臭素化連鎖移動剤の例には、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ヨード−2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタンおよび米国特許第5,151,492号明細書に開示されているなどの他のものが挙げられる。
【0033】
本発明の方法での使用に好適な他の連鎖移動剤には、米国特許第3,707,529号明細書に開示されているものが含まれる。かかる試剤の例には、イソプロパノール、マロン酸ジエチル、酢酸エチル、四塩化炭素、アセトンおよびドデシルメルカプタンが挙げられる。
【0034】
硬化部位モノマーおよび連鎖移動剤は、ニートでまたは溶液として反応器に加えられてもよい。重合の開始近くに反応器へ導入されることに加えて、製造中のフルオロエラストマーの所望の組成、用いられている連鎖移動剤、および全反応時間に依存して、多量の連鎖移動剤は、全重合反応期間の全体にわたって加えられてもよい。
【0035】
本発明に用いられるフルオロエラストマー分散系は、乳化重合によって製造される。乳化重合法は、連続、半回分式または回分式プロセスであってもよい。
【0036】
半回分式乳化重合プロセスでは、所望の組成のガス状モノマー混合物(初期のモノマー装入物)が、水溶液を含有する反応器へ導入される。水溶液は任意選択的に界面活性剤を含有してもよい。反応器は典型的には、蒸気空間が残るように、水溶液で完全に満たされるわけではない。水溶液は、上に議論されたタイプの直鎖炭化水素ホスフェートエステル界面活性剤分散剤を含む。任意選択的に、水溶液は、重合反応のpHを調節するためのリン酸塩または酢酸塩緩衝剤などの、pH緩衝剤を含有してもよい。緩衝剤の代わりに、NaOHなどの塩基がpHを調節するために使用されてもよい。一般に、pHは、製造中のフルオロエラストマーのタイプに依存して、1〜7に調節される。あるいはまた、またはさらに、pH緩衝剤または塩基は、単独で、あるいは重合開始剤、液体硬化部位モノマー、追加の直鎖炭化水素ホスフェートエステル界面活性剤または連鎖移動剤などの他の原料と組み合わせて重合反応の全体にわたって様々な時間に反応器に加えられてもよい。また任意選択的に、初期の水溶液は、水溶性の無機過酸化物重合開始剤を含有してもよい。加えて、初期の水溶液は、フルオロエラストマーラテックス粒子形成を促進し、こうして重合プロセスを加速させるために、前に製造されたフルオロエラストマー種ポリマーなどの核形成剤を含有してもよい。
【0037】
初期のモノマー装入物は、ある量のTFEかVF2かのどちらかの第1モノマーと、第1モノマーとは異なる1つ以上の追加のモノマーとを含有する。初期の装入物に含有されるモノマー混合物の量は、0.5〜10MPaの反応器圧力をもたらすように設定される。
【0038】
モノマー混合物は水性媒体中に分散され、そして、任意選択的に、連鎖移動剤がまた、反応混合物が典型的には機械撹拌によってかき混ぜられながら、この時点で加えられてもよい。初期のガス状モノマー装入物において、各モノマーの相対的な量は反応速度論によって決定され、共重合モノマー単位の所望の比を有するフルオロエラストマーをもたらすように設定される(すなわち、非常に遅く反応するモノマーは、製造されるべきフルオロエラストマーの組成物中で望まれるより、他のモノマーに対して高い量で存在しなければならない)。
【0039】
半回分式反応混合物の温度は25℃〜130℃、好ましくは50℃〜120℃の範囲に維持される。重合は、開始剤が熱分解するか、還元剤と反応するかのいずれかを経て、生じたラジカルが分散されたモノマーと反応するときに開始する。
【0040】
ガス状の主要モノマーと硬化部位モノマーとの追加量(増分フィード)は、調節された温度で一定の反応器圧力を維持するために、重合の間中調節された速度で加えられる。増分フィード中に含有されるモノマーの相対的な比は、生じるフルオロエラストマー中の共重合モノマー単位の所望の比とおおよそ同じものであるように設定される。従って、増分フィードは、モノマー混合物の総重量を基準として、25〜70重量パーセントの、TFEかVF2かのどちらかの第1モノマーと、第1モノマーとは異なる75〜30重量パーセントの1つ以上の追加のモノマーとを含有する。連鎖移動剤もまた、任意選択的に、重合のこの段階中の任意の時点で反応器へ導入されてもよい。典型的には、追加の重合開始剤もまた、重合のこの段階中に反応器にフィードされる。形成されるポリマーの量は、増分モノマーフィードの累積量におおよそ等しい。当業者は、初期の装入物の組成が正確には、選択される最終フルオロエラストマー組成物について必要とされるものではないかもしれないので、または増分フィード中のモノマーの一部が反応することなく既に形成されたポリマー粒子中に溶解するかもしれないので、増分フィード中のモノマーのモル比が生じたフルオロエラストマー中の所望の(すなわち、選択された)共重合モノマー単位組成物のものと必ずしも正確に同じものではないことを認めるであろう。2〜30時間の範囲の重合時間が本半回分式重合法で典型的には用いられる。
【0041】
連続乳化重合プロセスは、以下の方法で半回分式プロセスとは異なる。反応器は、蒸気空間が全くないように水溶液で完全に満たされる。ガス状モノマーと、水溶性モノマー、連鎖移動剤、緩衝剤、塩基、重合開始剤、界面活性剤などの他の原料の溶液とが一定速度で、別の流れで反応器に供給される。供給速度は、反応器での平均ポリマー滞留時間が一般に0.2〜4時間であるように調節される。短い滞留時間は反応性のモノマーについて用いられるが、パーフルオロ(アルキルビニル)エーテルなどの反応性の低いモノマーはより多くの時間を必要とする。連続プロセス反応混合物の温度は、25℃〜130℃、好ましくは80℃〜120℃の範囲に維持さえる。また、フルオロエラストマーラテックス粒子は連続プロセスではより容易に形成されるので、核形成剤は典型的には重合反応を開始させるために必要とされない。
【0042】
重合圧力は、0.5〜10MPa、好ましくは1〜6.2MPaの範囲に調節される。半回分式プロセスで、所望の重合圧力は初期には、初期の装入物中のガス状モノマーの量を調節することによって達成され、そして反応が開始した後は、圧力は増分ガス状モノマーフィードを調節することによって調整される。連続プロセスでは、圧力は、分散系流出ラインにある背圧調整器によって調節される。重合圧力は、それが1MPaより下である場合、重合反応系中のモノマー濃度が満足できる反応速度を得るためには低すぎるので、上記の範囲に設定される。加えて、分子量も十分に増加しない。圧力が10MPaより上である場合、必要とされる高圧設備のコストが非常に高い。
【0043】
形成されたフルオロエラストマーコポリマーの量は、装入された増分フィードの量におおよそ等しく、水性媒体の100重量部当たり10〜30重量部のコポリマーの範囲、好ましくは20〜25重量部のコポリマーの範囲にある。それが10重量部未満である場合には、生産性が不適切なほど低いので、一方、それが30重量部より上である場合には、固形分含有率が満足できる撹拌にとって余りにも高くなるので、コポリマー形成の程度は上記の範囲に設定される。
【0044】
重合を開始させるために使用されてもよい水溶性の過酸化物には、例えば、過硫酸水素のアンモニウム、ナトリウムまたはカリウム塩が含まれる。レドックス−タイプ開始剤では、亜硫酸ナトリウムなどの還元剤が過酸化物に加えて存在する。これらの水溶性の過酸化物は、単独でかまたは2つ以上のタイプの混合物として使用されてもよい。使用されるべき量は、ポリマーの100重量部当たり0.01〜0.4重量部、好ましくは0.05〜0.3重量部の範囲で一般に選択される。重合中にフルオロエラストマー・ポリマー鎖端の一部は、これらの過酸化物の分解によって発生した断片でキャップされる。
【0045】
界面活性剤が任意選択的にこれらのプロセスに用いられる。界面活性剤の例には、パーフルオロオクタン酸、オクチルスルホン酸ナトリウム、およびパーフルオロヘキシルエチルスルホン酸が挙げられる。しかしながら、界面活性剤は必ずしも必要とされない。
【0046】
フルオロエラストマーゴムまたは小片は、分散系へのポリマー凝固剤の添加によってフルオロエラストマー分散系から単離される。この凝固剤は、水溶性ポリマー中に少なくとも2つのオニウム中心を含む。オニウム中心は、主ポリマー鎖の一部かまたは主ポリマー鎖からのペンダント基であってもよい。オニウム原子Qは、窒素またはリンであってもよい。オニウム中心は、(R1234Q)+-(式中、R1、R2、R3、およびR4は同じまたは異なるアルキル、アルケニルまたはアリール基である)と定義される。3つ以下のR基(例えば、R1、R2、R3)およびQは複素環構造の一部であってもよい。陰イオンXは、塩化物、臭化物、メチルスルホネートなどの任意の一価陰イオンであってもよい。少なくとも2つのオニウム中心を有する水溶性ポリマーの具体的な例には、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリ(エピクロロヒドリン−コ−ジメチルアミン)、ポリ(アクリルアミド−コ−塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリクオタニウム−5およびポリクオタニウム−47などの(トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレートのコポリマー、ポリ(塩化ビニルN−メチルイミダゾリウム)、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−46、およびポリクオタニウム−68などの第四級化ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリ(塩化N−メチル−2−ビニルピリジニウム)、ポリ(塩化N−メチル−4−ビニルピリジニウム)、ならびにポリビオローゲンが挙げられるが、それらに限定されない。命名「ポリクオタニウム−#」は、International Nomenclature for Cosmetic Ingredientsによる。
【0047】
本発明の方法によって製造されたフルオロエラストマーおよびそれの硬化性組成物は、シール、ワイヤーコーティング、チューブ材料およびラミネートをはじめとする多くの工業的用途に有用である。
【0048】
特に有用な硬化性組成物は、ポリヒドロキシ硬化剤と本発明の方法によって製造されたフルオロエラストマーとを含む。本発明のこれらの硬化性組成物は、100部フルオロエラストマー当たり0.1〜20重量部(好ましくは1〜3部)のポリヒドロキシ架橋剤(またはそれの誘導体)を含有する。典型的なポリヒドロキシ架橋剤には、ジ−、トリ−、およびテトラヒドロキシベンゼン、ナフタレン、およびアントラセン、ならびに式
【0049】
【化1】

【0050】
(式中、Aは、1〜13個の炭素原子の二官能性脂肪族、脂環式、もしくは芳香族基、またはチオ、オキシ、カルボニル、スルフィニル、またはスルホニル基であり、Aは任意選択的に、少なくとも1つの塩素もしくはフッ素原子で置換されていてもよく、xは0または1であり、nは1または2であり、ポリヒドロキシ化合物の任意の芳香環は任意選択的に、少なくとも1つの塩素もしくはフッ素原子、アミノ基、−CHO基、またはカルボキシルもしくはアシル基で置換されていてもよい)のビスフェノール類が含まれる。好ましいポリヒドロキシ化合物には、ヘキサフルオロイソプロピリデン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)(すなわち、ビスフェノールAFまたはBPAF);4,4’−イソプロピリデンジフェノール(すなわち、ビスフェノールA);4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン;および4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス(2−アミノフェノール)(すなわち、ジアミノビスフェノールAF)が含まれる。上に示されたビスフェノール式について言及すると、Aがアルキレンであるとき、それは、例えばメチレン、エチレン、クロロエチレン、フルオロエチレン、ジフルオロエチレン、プロピリデン、イソプロピリデン、トリブチリデン、ヘプタクロロブチリデン、ヘプタフルオロブチリデン、ペンチリデン、ヘキシリデン、および1,1−シクロヘキシリデンであることができる。Aがシクロアルキレン基であるとき、それは、例えば、1,4−シクロヘキシレン、2−クロロ−1,4−シクロヘキシレン、シクロペンチレン、または2−フルオロ−1,4−シクロヘキシレンであることができる。さらに、Aは、m−フェニレン、p−フェニレン、o−フェニレン、メチルフェニレン、ジメチルフェニレン、1,4−ナフチレン、3−フルオロ−1,4−ナフチレン、および2,6−ナフチレンなどのアリーレン基であることができる。式
【0051】
【化2】

【0052】
(式中、RはHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基もしくは6〜10個の炭素原子を含有するアリール基であり、R’は1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基である)のポリヒドロキシフェノールもまた有効な架橋剤としての機能を果たす。かかる化合物の例には、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2−メチルヒドロキノン、2,5−ジメチルヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、ならびに1,5−ジヒドロキシナフタレンおよび2,6−ジヒドロキシナフタレンなどの化合物が挙げられる。
【0053】
追加のポリヒドロキシ硬化剤には、ビスフェノール陰イオンのアルカリ金属塩、ビスフェノール陰イオンの第四級アンモニウム塩、ビスフェノール陰イオンの第三級スルホニウム塩およびビスフェノール陰イオンの第四級ホスホニウム塩が含まれる。例えば、ビスフェノールAおよびビスフェノールAFの塩。具体的な例には、ビスフェノールAFのジナトリウム塩、ビスフェノールAFのジカリウム塩、ビスフェノールAFのモノナトリウムモノカリウム塩およびビスフェノールAFのベンジルトリフェニルホスホニウム塩が挙げられる。
【0054】
ビスフェノール陰イオンの第四級アンモニウムおよびホスホニウム塩は、米国特許第4,957,975号明細書および米国特許第5,648,429号明細書で議論されている。式R1234+(式中、R1〜R4はC1〜C8アルキル基であり、R1〜R4の少なくとも3つはC3またはC4アルキル基である)の第四級アンモニウムイオンとのビスフェノールAF塩(1:1モル比)が好ましい。これらの好ましい組成物の具体的な例には、テトラプロピルアンモニウム−、メチルトリブチルアンモニウム−およびテトラブチルアンモニウムビスフェノールAFの1:1モル比塩が挙げられる。かかる塩は、様々な方法によって製造することができる。例えば、ビスフェノールAFのアルコール溶液が第四級アンモニウム塩のメタノール溶液と混合されてもよく、次にpHがナトリウムメトキシドで上げられ、無機ナトリウム塩を沈澱させる。濾過後に、テトラアルキルアンモニウム/BPAF塩は、メタノールの蒸発によって溶液から単離することができる。あるいはまた、水酸化テトラアルキルアンモニウムのメタノール溶液を第四級アンモニウム塩の溶液の代わりに用い、こうして溶液の蒸発の前の無機塩の沈澱およびその除去の必要性を排除することができる。
【0055】
加えて、モノ−またはジエステル、およびトリメチルシリルエーテルなどの誘導体化ポリヒドロキシ化合物も有用な架橋剤である。かかる組成物の例には、レゾルシノールモノベンゾエート、ビスフェノールAFのジアセテート、スルホニルジフェノールのジアセテート、およびヒドロキノンのジアセテートが挙げられるが、それらに限定されない。
【0056】
本発明の硬化性組成物は典型的にはまた、100部フルオロエラストマー当たり1〜30重量部(好ましくは1〜7部)の酸受容体を含有する。酸受容体は典型的には、Proton Sponge(登録商標)(Aldrichから入手可能な)などの強い有機塩基もしくはオキシラン、または金属酸化物、金属水酸化物、もしくは後者の2つ以上の混合物などの無機塩基である。有用な酸受容体である金属酸化物または水酸化物には、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化亜鉛および酸化カルシウムが含まれる。水酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムが好ましい。
【0057】
本発明の硬化性組成物に使用されてもよい加硫促進剤には、[(C652+(C613)][Cl]-、および[(C6132S(C65)]+[CH3CO2-などの第三級スルホニウム塩、ならびに式R5678+-(式中、Yはリン、窒素、ヒ素、またはアンチモンであり、R5、R6、R7、およびR8は個々にC1〜C20アルキル、アリール、アラルキル、アルケニル、ならびにそれらの塩素、フッ素、臭素、シアノ、RがC1〜C20アルキル、アリール、アラルキル、アルケニルである−OR、および−COOR置換類似体であり、かつ式中Xはハロゲン化物、水酸化物、スルフェート、スルフィット、カーボネート、ペンタクロロチオフェノレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロシリケート、ヘキサフルオロホスフェート、ジメチルホスフェート、およびC1〜C20アルキル、アリール、アラルキル、およびアルケニルカルボキシレートおよびジカルボキシレートである)の第四級アンモニウム、ホスホニウム、アルソニウム、およびスチボニウム塩が含まれる。塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム、臭化ベンジルトリフェニルホスホニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化トリブチルアリルホスホニウム、塩化トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−ン、および塩化ベンジルジフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムが特に好ましい。他の有用な加硫促進剤には、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化メチルトリブチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、臭化ベンジルトリオクチルホスホニウム、塩化ベンジルトリオクチルホスホニウム、酢酸メチルトリオクチルホスホニウム、臭化テトラオクチルホスホニウム、メチルトリフェニルアルソニウムテトラフルオロボレート、臭化テトラフェニルスチボニウム、塩化4−クロロベンジルトリフェニルホスホニウム、塩化8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセノニウム、塩化ジフェニルメチルトリフェニルホスホニウム、塩化アリルトリフェニルホスホニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、塩化m−トリフルオロメチルベンジルトリオクチルホスホニウム、ならびに米国特許第5,591,804号明細書、米国特許第4,912,171号明細書、米国特許第4,882,390号明細書、米国特許第4,259,463号明細書、米国特許第4,250,278号明細書、および米国特許第3,876,654号明細書に開示されている他の第四級化合物が含まれる。使用される加硫促進剤の量は、百重量部フルオロエラストマー当たり0.1〜20重量部である。好ましくは、百部フルオロエラストマー当たり0.5〜3.0部の加硫促進剤が使用される。
【実施例】
【0058】
試験方法
ムーニー(Mooney)粘度、ML(1+10)は、1分の予熱時間および10分の回転子運転時間を用いて、121℃でL(大きい)タイプ回転子を使ってASTM D1646に従って測定した。
【0059】
O−リング上での圧縮永久歪みは、ASTM D395の(方法B)に従って測定した。
【0060】
ムーニー(Mooney)スコーチは、ASTM D1646、121℃で小回転子に従って測定した。
【0061】
硬化特性は、ASTM D5289に従ってAlpha Technologies Moving Disc Rheometer(MDR)で測定した。
本発明は以下の実施例によってさらに例示されるが、それらに限定されない。
【0062】
実施例1
この実施例に用いるフルオロエラストマーは、次の手順によって製造した。
【0063】
ラテックス1。フッ化ビニリデン(VF2)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)ダイポリマーラテックスは、24000グラムの脱イオンした脱酸素水を33.3リットルの撹拌反応器に加えることによって製造した。窒素でパージすることによって酸素を除去し、次に反応器を80℃の温度で、38重量パーセント(重量%)VF2と62重量%HFPとの混合物で0.66MPaゲージに加圧した。550mLの10重量%ペルオキシ二硫酸アンモニウム溶液を加えることによって重合を開始させた。60重量%VF2と40重量%HFPとの混合物を反応器に供給することによって反応器圧力を0.66MPaゲージに維持した。6000グラムの60重量%VF2/40重量%HFP混合物を反応器に供給した後、反応器を脱圧し、それを冷却することによって重合を停止した。30,418グラムの19.51重量%固形分ラテックスが得られた。
【0064】
ラテックス2。第2のVF2/HFPダイポリマーラテックスは、反応器圧力を0.62MPaに維持したことを除いてはラテックス1のそれと同様な方法で製造した。30,610グラムの19.47重量%固形分ラテックスが得られた。
【0065】
2つのVF2/HFPダイポリマーラテックスを一緒にブレンドした。幾つかの5000グラム部分を量り分け、1667グラムの脱イオン水で15重量%固形分に希釈し、次に、表1に従った凝固剤溶液を点滴注入することによって凝固させた。サンプル1は、本発明の方法に従って凝固させた。対照サンプルA〜Gは先行技術の方法に従って強固させた。
【0066】
【表1】

【0067】
サンプル1、A〜DおよびGでは、水中のポリマーのスラリーが、凝固剤溶液を添加するとすぐに生成した。最小量の凝固剤溶液を、透明な上澄み液が得られるまで加えた。
【0068】
サンプルEおよびFでは、望ましくないポリマーゲルが、凝固剤を添加するとすぐに生成した。さらなる凝固剤は、ラテックスのゲル化後には全く加えず、ゲルを撹拌で壊してバラバラにした。
【0069】
サンプル1およびA〜Gから結果として生じたポリマーを、凝固後に5000グラムの脱イオン水で洗浄し、70℃で乾燥させた。ポリマーを次に、次のレシピに従って配合原料とミルにかけた。
【0070】
【表2】

【0071】
配合ポリマーの121℃でのムーニースコーチを次に測定した。
【0072】
【表3】

【0073】
これらのムーニースコーチデータは、ポリマー凝固剤が二次加工中にスコーチおよび早過ぎる架橋からの望ましくも長い保護を提供することを実証する。
【0074】
配合ポリマーの硬化特性を次に、177℃で移動ディスクレオメーターを用いて測定した。
【0075】
【表4】

【0076】
硬化(177℃で7分プレス硬化させ、空気オーブン中232℃で16時間後硬化させた)ポリマーの圧縮永久歪み(O−リング)を次に測定した。
【0077】
【表5】

【0078】
これは、本発明に従ったポリマーの単離が、過度にスコーチィではなく、それでも良好な圧縮永久歪みを示すポリマーをもたらすことを実証する。
【0079】
実施例2
VF2/HFPコポリマーフルオロエラストマーは、十分に撹拌される4.0リットルのステンレススチール液体充満反応容器中115℃で実施される、連続乳化重合プロセスによって製造した。脱イオン水中の4.37g/時(g/h)の過硫酸アンモニウム開始剤、5.24g/hのリン酸二ナトリウム七水和物、3.37g/hのオクチルスルホン酸ナトリウム、および1.50g/hのイソプロパノール連鎖移動剤からなる水溶液を、10L/時の速度で反応器に供給した。反応器を、流出ラインにある背圧調整弁を用いて6.2MPaの圧力で液体充満レベルに維持した。30分後に、ダイアフラム圧縮機によって供給される、1537g/hのフッ化ビニリデン(VF2)と、1151g/hのヘキサフルオロプロピレン(HFP)とからなるガス状モノマー混合物の導入によって重合を開始させた。2.0時間後に、流出分散系の収集を開始し、収集を6時間続行した。3.24のpHを有し、25.5重量%固形分を含有する流出ポリマーラテックスを、大気圧の脱ガス容器中で残存モノマーから分離した。フルオロエラストマーポリマーを下記の通り単離した。
【0080】
ポリマー2。このポリマーを本発明の方法によって凝固させた。10.0kgのラテックスを3300グラムの脱イオン水と混合した。30.5グラムの6重量%ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)溶液を、希釈ラテックスに点滴注入して凝塊を形成した。凝固ポリマーを沈降させ、上澄み液を除去し、濾過する前にポリマーを9.0kg部分の脱イオン水に4回再スラリー化することによって洗浄した。湿った小片を、1重量%未満の含水率までおおよそ50℃〜65℃の空気オーブン中で乾燥させた。61重量%VF2単位と39重量%HFP単位とを含んでなる生成物は、示差走査熱量測定法(加熱モード、10℃/分、転移の変曲点)によって測定されるように、−19.4℃のガラス転移温度を有する非晶質エラストマーであった。エラストマーの固有粘度は、メチルエチルケトン中30℃で測定されて、1.05dL/gであり、ムーニー粘度、121℃でのML(1+10)は82.5であった。
【0081】
ポリマーH。このポリマーを先行技術の方法によって凝固させた。10.0kgのラテックスを3300グラムの脱イオン水と混合した。1450グラムの6重量%酢酸テトラエチルアンモニウム溶液を、希釈ラテックスに点滴注入して凝塊を形成した。凝固ポリマーを沈降させ、上澄み液を除去し、濾過する前にポリマーを9.0kg部分の脱イオン水に4回再スラリー化することによって洗浄した。湿った小片を、1重量%未満の含水率までおおよそ50℃〜65℃の空気オーブン中で乾燥させた。61重量%VF2単位と39重量%HFP単位とを含んでなる生成物は、示差走査熱量測定法(加熱モード、10℃/分、転移の変曲点)によって測定されるように、−18.8℃のガラス転移温度を有する非晶質エラストマーであった。エラストマーの固有粘度は、メチルエチルケトン中30℃で測定されて、1.05dL/gであり、ムーニー粘度、121℃でのML(1+10)は88.8であった。
【0082】
実施例3
VF2/HFP/TFEコポリマーフルオロエラストマーは、十分に撹拌される2.0リットルのステンレススチール液体充満反応容器中110℃で実施される、連続乳化重合プロセスによって製造した。脱イオン水中の2.16g/時(g/h)の過硫酸アンモニウム開始剤、0.87g/hの水酸化ナトリウム、1.31g/hのオクチルスルホン酸ナトリウム、および0.98g/hのイソプロパノール連鎖移動剤からなる水溶液を、4.8L/時の速度で反応器に供給した。反応器を、流出ラインにある背圧調整弁を用いて6.2MPaの圧力で液体充満レベルに維持した。30分後に、ダイアフラム圧縮機によって供給される395g/hのフッ化ビニリデン(VF2)と、507g/hのヘキサフルオロプロピレン(HFP)と、309g/hのテトラフルオロエチレン(TFE)とからなるガス状モノマー混合物の導入によって重合を開始させた。2.0時間後に、流出分散系の収集を開始し、収集を5時間続行した。3.15のpHを有し、18.2重量%固形分を含有する流出ポリマーラテックスを、大気圧の脱ガス容器中で残存モノマーから分離した。
【0083】
本発明の凝固法を利用してフルオロエラストマーを単離した。ラテックスを脱イオン水の添加によって15重量%固形分に希釈した。1kgの希釈ラテックスに対して15グラムの溶液の比での1重量%ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)溶液の添加によって凝塊を形成した。結果として生じた湿った小片を、1重量%未満の含水率までおおよそ50℃〜65℃の空気オーブン中で乾燥させた。36重量%VF2単位と、36重量%HFP単位と、28重量%TFEとを含んでなる生成物は、示差走査熱量測定法(加熱モード、10℃/分、転移の変曲点)によって測定されるように、−6.6℃のガラス転移温度を有する非晶質エラストマーであった。エラストマーの固有粘度は、メチルエチルケトン中30℃で測定されて、0.49dL/gであり、ムーニー粘度、121℃でのML(1+10)は57.5であった。
【0084】
実施例4
VF2/HFPコポリマーフルオロエラストマーは、十分に撹拌される4.0リットルのステンレススチール液体充満反応容器中115℃で実施される、連続乳化重合プロセスによって製造した。脱イオン水中の4.37g/時(g/h)の過硫酸アンモニウム開始剤、10.48g/hのリン酸二ナトリウム七水和物、2.69g/hのオクチルスルホン酸ナトリウム、および4.20g/hのイソプロパノール連鎖移動剤からなる水溶液を、10L/時の速度で反応器に供給した。反応器を、流出ラインにある背圧調整弁を用いて6.2MPaの圧力で液体充満レベルに維持した。30分後に、ダイアフラム圧縮機によって供給される、1537g/hのフッ化ビニリデン(VF2)と、1151g/hのヘキサフルオロプロピレン(HFP)とからなるガス状モノマー混合物の導入によって重合を開始させた。2.0時間後に、流出分散系の収集を開始し、収集を6時間続行した。4.58のpHを有し、20.6重量%固形分を含有する流出ポリマーラテックスを、大気圧の脱ガス容器中で残存モノマーから分離した。
【0085】
本発明の凝固法を利用してフルオロエラストマーを単離した。10.0kgのラテックスを脱イオン水の添加によって15重量%固形分に希釈した。凝固溶液は、10グラムのSuperflocTMC−577(エピクロロヒドリンとジメチルアミンとの50%A.I.コポリマー)を490グラムの脱イオン水に溶解させて1重量%溶液を形成することによって調製した。凝固溶液を希釈ラテックスに滴加した。178グラムの凝固溶液を加えるとすぐに、ポリマーが透明な上澄みのスラリーを形成した。水相をスラリーから除去し、結果として生じた湿った小片を、1重量%未満の含水率までおおよそ50℃〜65℃の空気オーブン中で乾燥させた。60重量%VF2単位と、40重量%HFP単位とを含んでなる生成物は、示差走査熱量測定法(加熱モード、10℃/分、転移の変曲点)によって測定されるように、−19.2℃のガラス転移温度を有する非晶質エラストマーであった。エラストマーの固有粘度は、メチルエチルケトン中30℃で測定されて、0.66dL/gであり、ムーニー粘度、121℃でのML(1+10)は34.2であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも53重量パーセントのフッ素を有するフルオロエラストマーの製造のための凝固法であって、
(A)少なくとも2つの共重合性モノマーの共重合単位を含むフルオロエラストマーであって、フッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレンからなる群から選択された第1モノマーが前記フルオロエラストマーの総重量を基準として25〜70重量パーセントの量で存在するフルオロエラストマーを含む水性分散系を提供する工程と、
(B)少なくとも2つの第四級オニウム中心を有する水溶性ポリマーの水溶液を前記水性分散系に加え、それによって前記フルオロエラストマーを凝固させる工程と
を含む方法。
【請求項2】
少なくとも2つの第四級オニウム中心を有する前記水溶性ポリマーが、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリ(エピクロロヒドリン−コ−ジメチルアミン)、ポリ(アクリルアミド−コ−塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリクオタニウム−5およびポリクオタニウム−47、ポリ(塩化ビニルN−メチルイミダゾリウム)、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−46、およびポリクオタニウム−68、ポリ(塩化N−メチル−2−ビニルピリジニウム)、ポリ(塩化N−メチル−4−ビニルピリジニウム)、ならびにポリビオローゲンからなる群から選択される請求項1に記載の凝固法。
【請求項3】
前記フルオロエラストマーが、i)フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレン;ii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレン;iii)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;iv)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;v)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;vi)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;vii)フッ化ビニリデン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、テトラフルオロエチレンおよび1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン;viii)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよびエチレン;ix)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、エチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;x)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、エチレンおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;xi)テトラフルオロエチレンおよびプロピレン;xii)テトラフルオロエチレン、プロピレンおよび3,3,3−トリフルオロプロペン;xiii)テトラフルオロエチレン、プロピレンおよびフッ化ビニリデン;xiv)テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(メチルビニル)エーテル;xv)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよびパーフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン);xvi)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;xvii)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよび4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1;ならびにxviii)テトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニル)エーテルおよびパーフルオロ(2−フェノキシプロピルビニル)エーテルからなる群から選択された共重合単位を含む請求項1に記載の凝固法。

【公表番号】特表2010−522250(P2010−522250A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549115(P2009−549115)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/001692
【国際公開番号】WO2008/097639
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(597035953)デュポン パフォーマンス エラストマーズ エルエルシー (44)
【Fターム(参考)】