説明

フルオロビニルエーテル官能基化芳香族部分を含むポリアラミド

本発明は、フルオロビニルエーテル官能基化芳香族二酸クロリドと芳香族ジアミンとの縮合生成物の反復ユニットを含むポリアラミドポリマーおよび前記ポリアラミドポリマーの製造方法に関する。本発明に係るポリマーは、油に対して低減された表面感受性を有する高強度繊維または溶液キャストフィルムとして有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロビニルエーテル官能基化芳香族二酸クロリドと芳香族ジアミンとの縮合生成物の反復ユニットを含むポリアラミドポリマーおよび前記ポリアラミドポリマーの製造方法に関する。本発明に係るポリマーは、油に対して低減された表面感受性を有する高強度繊維または溶液キャストフィルムとして有用である。
【背景技術】
【0002】
フッ素化材料は多くの用途を有する。特定的には、それらは、高分子関連工業で、より特定的には繊維関連工業で、防汚性および耐油性を付与するために使用される。一般的には、これらの材料は、局所処理材として適用されるが、それらの有効性は、摩耗および洗浄による材料損失に起因して経時的に減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
改良された防汚性および耐油性を有する高分子材料を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、本発明は、構造(I)
【化1】

〔ここで、
Arは、ベンゼン基またはナフタレン基を表し、
各Rは、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキル、OH、または構造(II)
【化2】

で表される基であり、付帯条件として、1個のRのみがOHまたは構造(II)で表される基であることが可能であるものとし、
各R1は、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキルであり、
Xは、OまたはCF2であり、
Zは、H、Cl、またはBrであり、
a=0または1、
かつ
Qは、構造(Ia)
【化3】

{ここで、
q=0〜10、
Yは、OまたはCF2であり、
Rf1は、(CF2n(ここで、nは0〜10である)であり、
かつ
Rf2は、(CF2p(ここで、pは0〜10である)であり、付帯条件として、pが0であるとき、YはCF2であるものとする}
で表される〕
で表されるフルオロビニルエーテル官能基化芳香族反復ユニットを含むポリマーを提供する。
【0005】
他の態様では、本発明は、フルオロビニルエーテル官能基化芳香族二酸クロリドと芳香族ジアミンとを混合して反応混合物を形成することと、約−70℃と前記反応混合物の還流温度との間の温度で前記反応混合物を撹拌して構造(I)を有する反復ユニットを含むポリマーを形成することと、を含む方法を提供する。ただし、前記フルオロビニルエーテル官能基化芳香族二酸クロリドは、構造(III)
【化4】

〔ここで、
Arは、ベンゼン基またはナフタレン基を表し、
各Rは、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキル、OH、または構造(II)
【化5】

で表される基であり、付帯条件として、1個のRのみがOHまたは構造(II)で表される基であることが可能であるものとし、
Xは、OまたはCF2であり、
Zは、H、Cl、またはBrであり、
a=0または1、
かつ
Qは、構造(Ia)
【化6】

{ここで、
q=0〜10、
Yは、OまたはCF2であり、
Rf1は、(CF2n(ここで、nは0〜10である)であり、
かつ
Rf2は、(CF2p(ここで、pは0〜10である)であり、付帯条件として、pが0であるとき、YはCF2であるものとする}
で表される〕
で表される。
【0006】
他の態様では、本発明は、構造(I)
【化7】

〔ここで、
Arは、ベンゼン基またはナフタレン基を表し、
各Rは、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキル、OH、または構造(II)
【化8】

で表される基であり、付帯条件として、1個のRのみがOHまたは構造(II)で表される基であることが可能であるものとし、
各R1は、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキルであり、
Xは、OまたはCF2であり、
Zは、H、Cl、またはBrであり、
a=0または1、
かつ
Qは、構造(Ia)
【化9】

{ここで、
q=0〜10、
Yは、OまたはCF2であり、
Rf1は、(CF2n(ここで、nは0〜10である)であり、
かつ
Rf2は、(CF2p(ここで、pは0〜10である)であり、付帯条件として、pが0であるとき、YはCF2であるものとする}
で表される〕
で表されるフルオロビニルエーテル官能基化芳香族反復ユニットを含むポリマーを含むフィルムを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明では、値の範囲が提供された場合、とくに明記されていないかぎり、それは範囲の端点を包含するとみなされるものとする。数値は、ASTM E29−08の第6節に概説される有効数字に対する化学での標準的プロトコルに従って、提供された有効桁数の精度を有するとみなされるものとする。たとえば、40という数は、35.0〜44.9の範囲を包含するとみなされるものとし、一方、40.0という数は、39.50〜40.49の範囲を包含するとみなされるものとする。
【0008】
本明細書中で用いられるパラメーターn、p、およびqは、それぞれ独立して、1〜10の範囲内の整数であると本明細書中ではみなされるものとする。
【0009】
本発明の目的では、「フルオロビニルエーテル官能基化芳香族ジエステル」という用語は、R2がC1〜C10アルキルである構造(III)で示される化合物のサブクラスを意味するものとする。「フルオロビニルエーテル官能基化芳香族二酸」という用語は、R2がHである構造(III)で示される化合物のサブクラスを意味するものとする。さらに本発明の目的では、「ペルフルオロビニル化合物」という用語は、以下の構造(VII)で表されるオレフィン性不飽和化合物を意味するものとする。
【0010】
本発明の目的では、「コポリマー」という用語は、ジポリマー、ターポリマー、テトラポリマーなどをはじめとする2種以上の化学的に異なる反復ユニットを含むポリマーを意味するものとする。さらに本発明の目的では、当技術分野の慣例に従って、「ホモポリマー」という用語は、互いに化学的に区別できない複数の反復ユニットよりなるポリマーを意味する。
【0011】
本発明の目的では、末端化学基が指定されずに「−」として示される末端結合が存在する本明細書中の化学構造のいずれにおいても、末端結合「−」は、基を表すとみなされるものとする。たとえば、−CH3は、メチル基を表すとみなされるものとする。
【0012】
一態様では、本発明は、構造(I)で表されるフルオロビニルエーテル官能基化芳香族反復ユニットを含むポリマーを提供する。
【化10】

〔ここで、
Arは、ベンゼン基またはナフタレン基を表し、
各Rは、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキル、OH、または構造(II)
【化11】

で表される基であり、付帯条件として、1個のRのみがOHまたは構造(II)で表される基であることが可能であるものとし、
各R1は、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキルであり、
Xは、OまたはCF2であり、
Zは、H、Cl、またはBrであり、
a=0または1、
かつ
Qは、構造(Ia)
【化12】

{ここで、
q=0〜10、
Yは、OまたはCF2であり、
Rf1は、(CF2n(ここで、nは0〜10である)であり、
かつ
Rf2は、(CF2p(ここで、pは0〜10である)であり、付帯条件として、pが0であるとき、YはCF2であるものとする}
で表される〕
【0013】
本発明のポリマーの一実施形態では、Arはベンゼン基である。
【0014】
本発明のポリマーの一実施形態では、1個のRはOHである。
【0015】
本発明のポリマーの一実施形態では、各RはHである。
【0016】
本発明のポリマーの一実施形態では、1個のRはOHでありかつ残りの2個のRはそれぞれHである。
【0017】
本発明のポリマーの一実施形態では、1個のRは構造(II)で表されかつ残りの2個のRはそれぞれHである。
【0018】
本発明のポリマーの一実施形態では、各R1はHである。
【0019】
本発明のポリマーの一実施形態では、XはOである。他の実施形態では、XはCF2である。
【0020】
本発明のポリマーの一実施形態では、YはOである。他の実施形態では、YはCF2である。
【0021】
本発明のポリマーの一実施形態では、ZはClまたはBrである。さらなる実施形態では、ZはClである。他の実施形態では、1個のRは構造(II)で表されかつ1個のZはHである。さらなる実施形態では、1個のRは構造(II)で表され、1個のZはHであり、かつ1個のZはClである。
【0022】
本発明のポリマーの一実施形態では、Rf1はCF2である。
【0023】
本発明のポリマーの一実施形態では、Rf2はCF2である。
【0024】
本発明のポリマーの一実施形態では、Rf2は結合であり(すなわちp=0)かつYはCF2である。
【0025】
一実施形態では、a=0。
【0026】
一実施形態では、a=1、q=0、かつn=0。
【0027】
本発明のポリマーの一実施形態では、Arはベンゼン基であり、各RはHであり、ZはClであり、各R1はHであり、XはOであり、YはOであり、Rf1はCF2であり、Rf2はペルフルオロプロペニルであり、かつq=1。
【0028】
本発明のポリマーの一実施形態では、本発明に係るポリマーはホモポリマーである。
【0029】
本発明のポリマーの一実施形態では、本発明に係るポリマーは、その反復ユニットが構造(I)で示される反復ユニットの複数の実施形態を表すコポリマーである。一実施形態では、構造(I)で表される反復ユニットは、さらに、構造(IVa)
【化13】

〔ここで、Z、X、Q、およびaは、以上に明記されたとおりである〕
で表される。
【0030】
一実施形態では、構造(I)で表される反復ユニットは、さらに、構造(IVb)
【化14】

〔ここで、Z、X、Q、およびaは、以上に明記されたとおりである〕
で表される。
【0031】
他の実施形態では、本発明に係るポリマーは、構造(IVa)で表されるフルオロビニルエーテル官能基化芳香族反復ユニットと構造(IVb)で表されるフルオロビニルエーテル官能基化芳香族反復ユニットとを含むコポリマーである。一実施形態では、前記コポリマーはランダムコポリマーである。一実施形態では、前記コポリマーはブロックコポリマーである。
【0032】
他の実施形態では、本発明に係るポリマーは、構造(V)
【化15】

〔ここで、各R2は、独立して、Hまたはアルキルであり、かつ各R3は、独立して、Hまたはアルキルである〕
で表されるアラミド反復ユニットをさらに含むコポリマーである。一実施形態では、R2はすべてHでありかつR3はすべてHである。一実施形態では、構造(V)で表される反復ユニットはテレフタレート基である。他の実施形態では、この構造で表される反復ユニットはイソフタレート基である。
【0033】
他の実施形態では、本発明に係るポリマーは、構造(V)で表されるテレフタレート反復ユニットとイソフタレート反復ユニットとをさらに含むコポリマーである。一実施形態では、前記コポリマーはランダムコポリマーである。一実施形態では、前記コポリマーはブロックコポリマーである。
【0034】
他の態様では、本発明は、フルオロビニルエーテル官能基化芳香族二酸クロリドと芳香族ジアミンとを混合して反応混合物を形成することと、180〜240℃の温度に加熱することと、続いて、250〜300℃に加熱することと、前記混合物を減圧に付すことにより揮発性物質を取り除くことと、を含む方法を提供する。ただし、フルオロビニルエーテル官能基化芳香族二酸クロリドは、構造(III)
【化16】

〔ここで、
Arは、ベンゼン基またはナフタレン基を表し、
各Rは、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキル、OH、または構造(II)
【化17】

で表される基であり、付帯条件として、1個のRのみがOHまたは構造(II)で表される基であることが可能であるものとし、
Xは、OまたはCF2であり、
Zは、H、Cl、またはBrであり、
a=0または1、
かつ
Qは、構造(Ia)
【化18】

{ここで、
q=0〜10、
Yは、OまたはCF2であり、
Rf1は、(CF2n(ここで、nは0〜10である)であり、
かつ
Rf2は、(CF2p(ここで、pは0〜10である)であり、付帯条件として、pが0であるとき、YはCF2であるものとする}
で表される〕
で表される。
【0035】
本発明の方法の一実施形態では、1個のRはOHである。
【0036】
本発明の方法の一実施形態では、各RはHである。
【0037】
本発明の方法の一実施形態では、1個のRはOHでありかつ残りの2個のRはそれぞれHである。
【0038】
本発明の方法の一実施形態では、1個のRは構造(II)で表されかつ残りの2個のRはそれぞれHである。
【0039】
本発明の方法の一実施形態では、芳香族ジアミンは1,4−ジアミノベンゼンである。
【0040】
本発明の方法の一実施形態では、XはOである。他の実施形態では、XはCF2である。
【0041】
本発明の方法の一実施形態では、YはOである。他の実施形態では、YはCF2である。
【0042】
本発明の方法の一実施形態では、ZはClまたはBrである。さらなる実施形態では、ZはClである。他の実施形態では、1個のRは構造(II)で表されかつ1個のZはHである。さらなる実施形態では、1個のRは構造(II)で表され、1個のZはHであり、かつ1個のZはClである。
【0043】
本発明の方法の一実施形態では、Rf1はCF2である。
【0044】
本発明の方法の一実施形態では、Rf2はCF2である。
【0045】
本発明の方法の一実施形態では、Rf2は結合であり(すなわちp=0)かつYはCF2である。
【0046】
一実施形態では、a=0。
【0047】
一実施形態では、a=1、q=0、かつn=0。
【0048】
本発明の方法の一実施形態では、芳香族ジアミンは1,4−ジアミノベンゼンであり、Arはベンゼン基であり、各RはHであり、ZはClであり、XはOであり、YはOであり、Rf1はCF2であり、かつRf2はペルフルオロプロペニルであり、かつq=1。
【0049】
本発明で使用するのに好適な芳香族ジアミンとしては、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、または2−(4−アミノフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−アミンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
本発明の方法の一実施形態では、以上に述べた成分を反応槽に添加することにより混合物を形成し、前記反応混合物を約−70℃と前記反応混合物の還流温度との間の温度で撹拌してポリマーを形成する。こうして得られたポリマーは、真空蒸留で過剰のアミンを除去することにより分離可能である。
【0051】
一実施形態では、反応混合物は、構造(III)に包含されるモノマーの2つ以上の実施形態を含む。他の実施形態では、反応混合物は、構造(VI)
【化19】

〔ここで、Arは、芳香族基であり、各Rは、独立して、HまたはC1〜C10アルキルである〕
で表される芳香族二酸クロリドをさらに含む。さらなる実施形態では、各RはHである。一実施形態では、Arはベンゼン基である。他の実施形態では、Arはナフタレン基である。
【0052】
構造(VI)で示される好適な芳香族二酸クロリドは、ジエステルをSO2Cl、PCl3、PCl5、またはオキサリルクロリドで処理することにより対応する二酸から誘導される。構造(VI)で示される好適な芳香族二酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホニルビス安息香酸、4−スルホフタル酸、およびビフェニル−4,4’−ジカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態では、芳香族二酸はテレフタル酸である。他の実施形態では、芳香族二酸はイソフタル酸である。
【0053】
好適なフルオロビニルエーテル官能基化芳香族ジエステルは、構造(VII)
【化20】

〔ここで、
Xは、OまたはCF2であり、a=0または1、かつQは、構造(Ia)
【化21】

{ここで、
q=0〜10、
Yは、OまたはCF2であり、
Rf1は、(CF2n(ここで、nは0〜10である)であり、
Rf2は、(CF2p(ここで、pは0〜10である)であり、付帯条件として、pが0であるとき、YはCF2であるものとする}
で表される〕
で表されるペルフルオロビニル化合物と共に溶媒および触媒の存在下でヒドロキシ芳香族ジエステルを含む反応混合物を約−70℃と前記反応混合物の還流温度との間の温度で形成することにより調製可能である。
【0054】
好ましくは、反応は、室温超ただし反応混合物の還流温度未満の温度で撹拌を用いて行われる。反応混合物は反応後に冷却される。
【0055】
ハロゲン化溶媒を利用した場合、構造(III)で表される得られたフルオロビニルエーテル芳香族ジエステル中の「Z」として示される基は、対応するハロゲンである。好適なハロゲン化溶媒としては、テトラクロロメタン、テトラブロモメタン、ヘキサクロロエタン、およびヘキサブロモエタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。溶媒が非ハロゲン化型である場合、ZはHである。好適な非ハロゲン化溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、およびジメチルホルムアミド(DMF)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
反応は塩基により触媒される。さまざまな塩基性触媒、すなわち、フェノールを脱プロトン化しうる任意の触媒を使用することが可能である。言い換えれば、好適な触媒は、フェノールのpKa(9.95、参照として25℃の水を使用)よりも大きいpKaを有する任意の触媒である。好適な触媒としては、ナトリウムメトキシド、水素化カルシウム、ナトリウム金属、カリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド、炭酸カリウム、または炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましいのは、カリウムt−ブトキシド、炭酸カリウム、または炭酸ナトリウムである。
【0057】
反応は、酸(限定されるものではないがたとえば10%HClなど)の添加により任意の望ましい時点で終了させることが可能である。他の選択肢として、炭酸塩触媒などの固体触媒を用いた場合、反応混合物を濾過して触媒を除去することにより反応を終了させることが可能である。
【0058】
好適なヒドロキシ芳香族ジエステルとしては、1,4−ジメチル−2−ヒドロキシテレフタレート、1,4−ジエチル−2−5−ジヒドロキシテレフタレート、1,3−ジメチル4−ヒドロキシイソフタレート、1,3−ジメチル−5−ヒドロキシイソフタレート、1,3−ジメチル2−ヒドロキシイソフタレート、1,3−ジメチル2,5−ジヒドロキシイソフタレート、1,3−ジメチル2,4−ジヒドロキシイソフタレート、ジメチル3−ヒドロキシフタレート、ジメチル4−ヒドロキシフタレート、ジメチル3,4−ジヒドロキシフタレート、ジメチル4,5−ジヒドロキシフタレート、ジメチル3,6−ジヒドロキシフタレート、ジメチル4,8−ジヒドロキシナフタレン−1,5−ジカルボキシレート、ジメチル3,7−ジヒドロキシナフタレン−1,5−ジカルボキシレート、ジメチル2,6−ジヒドロキシナフタレン−1,5−ジカルボキシレート、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
好適なペルフルオロビニル化合物としては、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−3−(1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−(1,2,2−トリフルオロビニルオキシ)プロパン−2−イルオキシ)プロパン、ヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル、ペルフルオロペント−1−エン、ペルフルオロヘキス−1−エン、ペルフルオロヘプト−1−エン、ペルフルオロオクト−1−エン、ペルフルオロノン−1−エン、ペルフルオロデク−1−エン、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
好適なフルオロビニルエーテル官能基化芳香族ジエステルを調製するために、反応が所望の転化度に達するまで好適なヒドロキシ芳香族ジエステルと好適なペルフルオロビニル化合物(perfluovinyl compound)とを好適な溶媒および好適な触媒の存在下で混合する。反応は、ある所定の時間にわたりさらなる生成物が生成されなくなるまで継続可能である。所望の転化度に達するのに要する反応時間は、反応温度、特定の反応混合物成分の化学反応性、および反応混合物(reaction mixutre)に適用される混合度に依存する。反応の進行は、核磁気共鳴分光、薄層クロマトグラフィー、およびガスクロマトグラフィー(ただし、これらに限定されるものではない)をはじめとするさまざまな確立された分析方法のいずれか1つを用いてモニター可能である。
【0061】
所望の転化レベルに達した時、以上に記載したように反応混合物をクエンチする。こうしてクエンチされた反応混合物を真空下で濃縮し溶媒で濯ぐことが可能である。いくつかの状況下では、構造(III)に包含される複数の化合物を単一の反応混合物中で作製することが可能である。そのような場合、こうして生成された生成物の分離を蒸留やカラムクロマトグラフィー(ただし、これらに限定されるものではない)などの当業者に公知の任意の方法により行うことが可能である。
【0062】
そのように形成されたジエステルから対応する二酸を調製するために、こうして生成されたフルオロビニルエーテル官能基化芳香族ジエステルを水性塩基、好ましくはKOHやNaOHなどの強塩基に還流状態で接触させ、続いて、室温に冷却し、続いて、pHが0〜2になるまで、好ましくはHClやH2SO4などの強酸を用いて、混合物を酸性化することが可能である。好ましくはpHは1である。こうして行われた酸性化によりフルオロビニルエーテル官能基化芳香族二酸の沈殿が引き起こされる。次に、こうして沈殿させた二酸を濾過により単離し、エチルアセテートなどの溶媒に再溶解させ、次に、再結晶させることが可能である。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、およびNMR(ただし、これらに限定されるものではない)をはじめとする任意の便利な方法により追跡可能である。
【0063】
フルオロビニルエーテル芳香族二酸が調製された時点で、それは、以上に記載したように、対応する二酸クロリドへの転化に好適である。
【0064】
他の態様では、本発明は、構造(I)
【化22】

〔ここで、
Arは、ベンゼン基またはナフタレン基を表し、
各Rは、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキル、OH、または構造(II)
【化23】

で表される基であり、付帯条件として、1個のRのみがOHまたは構造(II)で表される基であることが可能であるものとし、
各R1は、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキルであり、
Xは、OまたはCF2であり、
Zは、H、Cl、またはBrであり、
a=0または1、
かつ
Qは、構造(Ia)
【化24】

{ここで、
q=0〜10、
Yは、OまたはCF2であり、
Rf1は、(CF2n(ここで、nは0〜10である)であり、
かつ
Rf2は、(CF2p(ここで、pは0〜10である)であり、付帯条件として、pが0であるとき、YはCF2であるものとする}
で表される〕
で表されるフルオロビニルエーテル官能基化芳香族反復ユニットを含むポリマーのフィルムを提供する。
【0065】
本発明に係るフィルムは、当該フィルムのフルオロビニルエーテル部分を含有しないポリアラミドと比較して低減された表面エネルギーを呈するポリアラミドフィルムを提供する。たとえば、DuPont Companyから入手可能なKevlar(登録商標)ポリアラミドの表面エネルギーの文献値は44ダイン/cmであるが、以下の実施例11に示されるように、本発明に係るフィルムは30ダイン/cmを十分に下回る表面エネルギーを呈した。
【0066】
以下の特定の実施形態により本発明をさらに説明するが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0067】
以下の化学品および試薬は、Sigma−Aldrich(Milwaukee,WI)から入手したままの状態で使用した。
・ カリウムt−ブトキシド
・ ジメチル5−ヒドロキシイソフタレート
・ テトラヒドロフラン
・ ジメチルホルムアミド
・ ジクロロメタン
・ ヘキサン
・ テトラクロロメタン
・ 無水硫酸ナトリウム
・ 四臭化炭素(テトラブロモメタン)
・ 塩酸(HCl)
・ 1,4−ジメチル−2−ヒドロキシテレフタレート
・ 水酸化カリウム(KOH)
・ エチルアセテート
・ チオニルクロリド
・ 2−(4−アミノフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−アミン
・ パラフェニレンジアミン
・ メタフェニレンジアミン
【0068】
以下の化学品は、SynQuest Labs.(Alachua,FL)から入手したままの状態で使用した。
・ 1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−3−(1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−(1,2,2トリフルオロビニルオキシ)プロパン−2−イルオキシ)プロパン
・ ヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル
【0069】
ジメチル5−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシイソフタレートの調製
【化25】

撹拌機を備えたオーブン乾燥済み丸底反応フラスコ中でテトラヒドロフラン(THF、1000mL)とジメチル5−ヒドロキシイソフタレート(42.00g、0.20mol)とを混合することによりドライボックス内で反応混合物を調製した。カリウムt−ブトキシド(6.16g、0.055mol)をフラスコに添加した。次に、添加漏斗を介して1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−3−(1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−(1,2,2トリフルオロビニルオキシ)プロパン−2−イルオキシ)プロパン(216g、0.50mol)を反応混合物に添加し、混合物を室温で撹拌した。24時間後、80mLの10%HClの添加により反応を終了させた。得られた混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンで希釈し、10%HCl(2×100mL)で次に水(2×100mL)で洗浄し、水相および有機相を形成した。有機相を分離し、次に、無水硫酸ナトリウムで脱水し、続いて、減圧下で濃縮して粗生成物を形成した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して86.07g(67.32%)の収量の所望の材料ジメチル5−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)イソフタレートを得た。
【0070】
ジメチル2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタレートの調製
【化26】

ドライボックス内で、撹拌子および均圧(PE)添加漏斗を備えたオーブン乾燥済み多口500mL反応フラスコ中でテトラヒドロフラン(THF、288mL)を1,4−ジメチル−2−ヒドロキシテレフタレート(30.25g、0.144mol)と混合した。そのように形成された混合物を均一溶液が得られるまで撹拌した。次に、カリウムt−ブトキシド(4.435g、0.040mol)を添加して不均一混合物を得た。次に、PE漏斗を介して1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−3−(1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−(1,2,2−トリフルオロビニルオキシ)プロパン−2−イルオキシ)プロパン(155.52g、0.36mol)を添加し、反応混合物を形成させた。反応混合物を室温(約25℃)で約40時間攪拌した。得られた混合物を5mLの10%HClの添加によりクエンチした。反応フラスコ中の生成物を減圧下で濃縮し、次に、ジクロロメタン(約300mL)に溶解させ、続いて、10%HCl(2×75mL)でその後に水(約75mL)で洗浄し、有機相および水相を得た。次に、分離された有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。次に、硫酸ナトリウムを濾別し、得られた材料を減圧下で濃縮し、次に、分別真空蒸留した。1.4〜1.1torrで134〜136℃の沸点を有する留分(84.55g、収率91.4%)および1.1torrで136〜138℃の沸点を有する留分(3.35g)(合計収率:95.04%)を捕集した。これらサンプルのNMR(核磁気共鳴)は、ジメチル2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタレートと一致した。
【0071】
ジメチル2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタレートの調製
【化27】

ドライボックス内で、撹拌子および均圧(PE)添加漏斗を備えたオーブン乾燥済み100mL反応フラスコ中でジメチルホルムアミド(DMF、10.0mL)およびテトラクロロメタン(50mL)を1,4−ジメチル−2−ヒドロキシテレフタレート(1.05g、0.005mol)と混合した。次に、そのように形成された混合物を均一溶液が得られるまで撹拌した。カリウムt−ブトキシド(0.154g、0.001375mol)を反応フラスコに添加して不均一混合物を得た。PE漏斗を介して1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−3−(1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−(1,2,2トリフルオロビニルオキシ)プロパン−2−イルオキシ)プロパン(5.40g、0.0125mol)を添加し反応混合物を形成した。反応混合物を室温(約25℃)で約24時間攪拌した。2mLの10%HClの添加により反応をクエンチした。得られた混合物を減圧下で濃縮し、続いて、ジクロロメタン(約150mL)に溶解させた。次に、こうして調製された溶液を10%HCl(2×25mL)で洗浄し、続いて、水(約25mL)で洗浄し、有機相および水相を形成した。次に、分離された有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。次に、硫酸ナトリウムを濾別し、濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を生成させた。粗生成物のNMRは、少量のジメチルホルムアミドが存在する高純度の所望の材料ジメチル2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタレートと一致した。次に、粗材料をカラムクロマトグラフィー(Rf0.,50 ジクロロメタン(1)/ヘキサン(1))により精製して透明油として2.60g(収率76.92%)の精製ジメチル2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタレートを得た。
【0072】
ジメチル2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)エトキシ)テレフタレートの調製
【化28】

ドライボックス内で、撹拌子および均圧(PE)添加漏斗を備えたオーブン乾燥済み100mL反応フラスコ中でジメチルホルムアミド(20.0mL)および四臭化炭素(12.5g)を1,4−ジメチル−2−ヒドロキシテレフタレート(1.05g、0.005mol)と混合した。そのように調製された混合物を均一溶液が得られるまで撹拌した。次に、カリウムt−ブトキシド(0.154g、0.001375mol)を反応フラスコに添加して不均一混合物を得た。PE漏斗を介してヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル(3.325g、0.0125mol)を添加し反応混合物を生成させた。こうして調製された反応混合物を室温(約25℃)で約24時間攪拌した。2mLの10%HClの添加により反応をクエンチした。得られた混合物を減圧下で濃縮し、次に、ジクロロメタン(約150mL)に溶解させ、続いて、10%HCl(2×25mL)で次に水(約25mL)で洗浄し、有機相および水相を形成した。次に、分離された有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。次に、硫酸ナトリウムを濾別し、濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を形成した。粗生成物のNMRは、少量のジメチルホルムアミドおよび四臭化炭素が存在する高純度のジメチル2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)エトキシ)テレフタレートと一致した。次に、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して透明油として2.280g(収率82.31%)の精製生成物ジメチル2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)エトキシ)テレフタレートを得た。
【0073】
2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタル酸の調製
【化29】

ジメチル2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)−プロポキシ)エトキシ)テレフタレート(2.25g、0.035mol)を反応フラスコ中の水(50mL)および水酸化カリウム(KOH、1.96g)の溶液に添加した。反応フラスコ中の得られた溶液を5時間加熱し、室温(約25℃)に冷却し、次に、反応フラスコ中で沈殿物の形成を伴って約1のpHに達するまで濃HClを反応フラスコに添加することにより酸性化した。沈殿物を濾過して真空下で乾燥させた。この沈殿物のプロトンNMRは、2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタル酸と一致した。次に、沈殿物をエチルアセテート(EtOAc、約1部)およびヘキサン(約4部)から結晶化させた。濾過して真空下で乾燥させた後、得られた白色の二酸である2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタル酸は、236〜239℃の融点を有していた。
【0074】
2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタル酸の調製
【化30】

ジメチル2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタレート(10.00g、0.0148mol)を反応フラスコ中の水(100mL)および水酸化カリウム(KOH、8.0g)の溶液に添加した。反応フラスコ中の得られた溶液を加熱して一晩還流し、室温(約25℃)に冷却し、次に、反応フラスコ中で沈殿物の形成を伴って約1のpHに達するように濃HClを反応フラスコに添加することにより酸性化した。沈殿物を濾過して真空下で乾燥させた。この沈殿物のNMRは、2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタル酸と一致した。
【0075】
2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタル酸の調製
【化31】

ジメチル2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタレート(10.9g、0.15mol)を反応フラスコ中の水(100mL)および水酸化カリウム(KOH、8.0g)の溶液に添加した。反応フラスコ中の得られた溶液を加熱して一晩還流し、室温(約25℃)に冷却し、次に、沈殿物の形成を伴って約1のpHに達するまで濃HClを反応フラスコに添加することにより酸性化した。沈殿物を濾過して真空下で乾燥させ、10.90gを得た。この材料のNMR(プロトンおよびカーボン)は、2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタル酸と一致した。
【0076】
2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリドの調製
【化32】

還流冷却器および撹拌機を備えかつ窒素下に保持された丸底反応フラスコに2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタル酸(1.129g)を入れた。チオニルクロリド(5.8mL)を反応フラスコに添加し、反応溶液を加熱して穏やかに一晩還流した。得られた溶液を室温(約25℃)に冷却し、過剰のチオニルクロリドを真空により除去した。NMRは、2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリドと一致した。生成物は油であった。
【0077】
2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリドの調製
【化33】

撹拌機および還流冷却器を備えかつ窒素下に保持されたオーブン乾燥済み丸底反応フラスコに反応混合物を形成すべく2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)エトキシ)テレフタル酸(50.99g、0.1056mol)を入れた。チオニルクロリド(423mL)を反応フラスコに添加し、得られた反応混合物を加熱して一晩還流した。得られた混合物を室温に冷却し、そして過剰のチオニルクロリドを真空下で除去した。次に、得られた材料を真空蒸留により精製した。NMRは、1.1torrで124〜126℃の沸点を有する2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド(46.04g、収率74.5%)と一致した。
【0078】
5−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)イソフタロイルジクロリドの調製
【化34】

撹拌機および還流冷却器を備えかつ窒素下に保持されたオーブン乾燥済み丸底反応フラスコに5−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)イソフタル酸(46.63g、0.076mol)を入れた。チオニルクロリド(304mL)をフラスコに添加して反応混合物を形成し、こうして調製された反応混合物を加熱して一晩還流した。得られた混合物を室温(約25℃)に冷却し、そして過剰のチオニルクロリドを真空下で混合物から除去して反応生成物を形成した。次に、得られた生成物を真空蒸留して生成物:5−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)イソフタロイルジクロリド(38.96g、収率78.8%、0.60torrで116〜123℃の沸点を有する)を精製した。
【0079】
2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド((A)約87%)および2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド((B)約13%)の調製
【化35】

撹拌機および還流冷却器を備えかつ窒素下に保持されたオーブン乾燥済み丸底反応フラスコに反応混合物を形成すべく約13%の2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタル酸を含有する2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタル酸(57.70g)を入れた。チオニルクロリド(334mL)を添加して反応混合物を形成した。そのように形成された反応混合物を加熱して一晩還流した。得られた混合物を室温(約25℃)に冷却し、そして過剰のチオニルクロリドを真空下で混合物から除去して反応生成物を形成した。次に、得られた生成物を真空蒸留して約0.30torrで150〜165℃の沸点を有する生成物(38.96g、収率78.8%)を得た。プロトンNMRは、2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド(約87%)と2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリドとの混合物と一致した。
【0080】
実施例1: m−フェニレンジアミンと2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリドとの重合
【化36】

ジメチルアセトアミド(28.84g)を含有するオーブン乾燥済み反応バイアルにm−フェニレンジアミン(0.424、3.9208mmol)を添加して溶液を形成した。溶液を冷却し、次に、2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ2−(ペルフルオロプロポキシ)−プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド(2.862g、3.9208mmol)(注、NMRによればこの酸クロリドは約13%の2−(1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ヘキサデカフルオロオクチルオキシ)テレフタロイルジクロリドを含有する)を反応バイアルに添加し、そして急速撹拌して反応混合物を形成した。溶液は薄色を呈し、この色は反応バイアル中で出現した後に消失した。4時間後、約150mLの水を含有するワーリングブレンダー中に得られた均一溶液を注加し、白色繊維状材料を形成した。得られた白色繊維状材料を真空下で乾燥させた。得られた材料のプロトンNMRは、得られたポリアラミド、すなわち、m−フェニレンジアミンと2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)−プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリドとのポリマーの特徴的な2個のアミドプロトンを示した。
【0081】
実施例2: p−フェニレンジアミンと2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリドとの重合
【化37】

ジメチルアセトアミド(28.84g)を含有するオーブン反応バイアルにp−フェニレンジアミン(0.424、3.9208mmol)を添加して溶液を形成した。この溶液を冷却し、次に、2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)−プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド(2.862g、3.9208mmol)(注、NMRによればこの酸クロリドは約13%の2−(1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ヘキサデカフルオロオクチルオキシ)テレフタロイルジクロリドを含有する)をバイアルに添加し、そして急速撹拌して反応混合物を形成した。得られた溶液は薄色を呈し、この色は反応バイアル中で出現した後に消失した。4時間後、約150mLの水を含有するワーリングブレンダー中に得られた粘性溶液を注加し、灰白色固体生成物を形成した。得られた灰白色固体生成物を真空下で乾燥させた。生成物は、p−フェニレンジアミンと2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)−プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリドとのポリマーとして同定された。
【0082】
実施例3: 2−(4−アミノフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−アミンとパラフェニレンジアミンとを有するアラミドコポリマー
【化38】

フラスコ中で、2−(4−アミノフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−アミン(0.8766g、3.913mmol)およびパラフェニレンジアミン(0.212g、1.963mmol)を室温でDMAC(約100mL)に溶解させて溶液を形成した。そのように調製された溶液に2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド(2.862g、3.9208mmol)(注、NMRによればこの酸クロリドは約13%の2−(1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ヘキサデカフルオロオクチルオキシ)テレフタロイルジクロリドを含有する)(4.2319g)を添加することにより反応混合物を形成した。反応混合物を室温(約25℃)で一晩攪拌した。次に、約200mLの水を含有するワーリングブレンダー中に反応混合物を注加し、次に、ポリマー沈殿物を形成した。この沈殿させたポリマーを追加の水で洗浄し、そして真空下で乾燥させて約4.5gのポリマー生成物を得た。生成物は、2−(4−アミノフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−アミンとパラフェニレンジアミンとを有するアラミドコポリマーとして同定された。
【0083】
実施例4: 2−(4−アミノフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−アミンとメタフェニレンジアミンとを有するアラミドコポリマー
【化39】

フラスコ中で、2−(4−アミノフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−アミン(0.8766g、3.913mmol)およびメタフェニレンジアミン(0.212g 1.963mmol)を室温でDMAC(約100mL)に溶解させて溶液を形成した。そのように形成された溶液に2−(2−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド(2.862g、3.9208mmol)(注、NMRによればこの酸クロリドは約13%の2−(1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ヘキサデカフルオロオクチルオキシ)テレフタロイルジクロリドを含有する)(4.2319g)を添加することにより反応混合物を調製した。得られた反応混合物を室温(約25℃)で一晩攪拌した。次に、約200mLの水を含有するワーリングブレンダー中に反応混合物を注加してポリマー沈殿物を形成した。沈殿させたポリマーを追加の水で洗浄し、そして真空下で乾燥させて2−(4−アミノフェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−アミンおよびメタフェニレンジアミンの約5.45gのアラミドコポリマーを得た。
【0084】
実施例5: アラミド
【化40】

ドライボックス内で機械撹拌機を備えたオーブン乾燥済み250mL反応フラスコにパラフェニレンジアミン(1.08g、0.01mol)を入れた。反応フラスコ中のこの溶液に2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド(6.66g、0.01023mol)を添加して反応溶液を形成した。得られた反応溶液を室温(約25℃)で一晩攪拌し、次に、得られたポリマーを水中で沈殿させた。得られたポリマーを追加の水で洗浄し、次に、60℃で真空乾燥させた。
【0085】
実施例6: アラミド
【化41】

ドライボックス内で機械撹拌機を備えたオーブン乾燥済み250mL反応フラスコにメタフェニレンジアミン(1.08g、0.01mol)を入れた。この溶液に5−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)イソフタロイルジクロリド(6.66g、0.01023mol)を添加して反応溶液を形成した。得られた反応溶液を室温(約25℃)で一晩攪拌し、次に、得られたポリマーを水中で沈殿させた。得られたポリマーを追加の水で洗浄し、次に、60℃で真空乾燥させた。
【0086】
実施例7: アラミド
【化42】

ドライボックス内で機械撹拌機を備えたオーブン乾燥済み250mL反応フラスコにパラフェニレンジアミン(1.08g、0.01mol)を入れた。この反応溶液に2−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド(6.66g、0.01023mol)を添加して反応溶液を形成した。得られた反応溶液を室温(約25℃)で一晩攪拌し、次に、得られたポリマーを水中で沈殿させた。得られたポリマーを追加の水で洗浄し、次に、60℃で真空乾燥させた。
【0087】
実施例8: アラミド
【化43】

ドライボックス内で機械撹拌機を備えたオーブン乾燥済み250mL反応フラスコにパラフェニレンジアミン(1.08g、0.01mol)を入れた。この溶液に5−(1,1,2−トリフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)イソフタロイルジクロリド(6.66g、0.01023mol)を添加して反応溶液を形成した。反応溶液を室温(約25°)で一晩攪拌し、次に、得られたポリマーを水中で沈殿させた。得られたポリマーを追加の水で洗浄し、次に、60℃で真空乾燥させた。
【0088】
実施例9: アラミド
【化44】

ドライボックス内で機械撹拌機を備えたオーブン乾燥済み250mL反応フラスコにメタフェニレンジアミン(1.08g、0.01mol)を入れた。この溶液に2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド(5.19g、0.010mol)を添加して反応溶液を形成した。得られた反応溶液を室温(約25℃)で一晩攪拌し、次に、得られたポリマーを水中で沈殿させた。得られたポリマーを追加の水で洗浄し、次に、60℃で真空乾燥させた。
【0089】
実施例10: アラミド
【化45】

ドライボックス内で機械撹拌機を備えたオーブン乾燥済み250mL反応フラスコにパラフェニレンジアミン(1.08g、0.01mol)を入れた。この溶液に2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)エトキシ)テレフタロイルジクロリド(5.19g、0.010mol)を添加して反応溶液を形成した。得られた反応溶液を室温(約25°)で一晩攪拌し、次に、得られたポリマーを水中で沈殿させた。得られたポリマーを追加の水で洗浄し、次に、60℃で真空乾燥させた。
【0090】
例11
【化46】

指定の二酸クロリドをドライボックス内で250mLフラスコに秤取した。THF(150mL)を添加し、均一溶液が得られるまで混合物を撹拌した。水(150mL)を含有するワーリングブレンダーにジアミンおよび炭酸ナトリウム(10.6g)を添加した。得られた溶液を急速撹拌し、THF酸クロリド溶液を添加した。得られた混合物を約5分間撹拌し、ポリマーを濾過し、そして水(1リットル)で次にアセトン(1リットル)で洗浄した。得られたポリマーを60℃で約24時間真空乾燥させた。得られたポリマーは、1.177のIV(H2SO4)を有していた。
【0091】
得られたポリマーの1グラムをNMP(25mL)に溶解させ、ガラスキャストプレートに注加し、少量のブリードを行いながら真空下で60℃のオーブンに約72時間入れ、得られたフィルムを試験して接触角および表面エネルギーを決定した。こうして作製されたフィルムを真空下150℃で5時間加熱することにより追加の試験片を作製した。結果を表1に示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造(I)
【化1】

〔ここで、
Arは、ベンゼン基またはナフタレン基を表し、
各Rは、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキル、OH、または構造(II)
【化2】

で表される基であり、付帯条件として、1個のRのみがOHまたは構造(II)で表される基であることが可能であるものとし、
各R1は、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキルであり、
Xは、OまたはCF2であり、
Zは、H、Cl、またはBrであり、
a=0または1、
かつ
Qは、構造(Ia)
【化3】

{ここで、
q=0〜10、
Yは、OまたはCF2であり、
Rf1は、(CF2n(ここで、nは0〜10である)であり、
かつ
Rf2は、(CF2p(ここで、pは0〜10である)であり、付帯条件として、pが0であるとき、YはCF2であるものとする}
で表される〕
で表されるフルオロビニルエーテル官能基化芳香族反復ユニットを含むポリマー。
【請求項2】
Arがベンゼン基である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
各RがHである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
1個のRが構造(II)で表されかつ残りの2個のRがそれぞれHである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
各R1がHである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
XがOである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
XがCF2である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項8】
YがOである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項9】
YがCF2である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項10】
ZがClである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項11】
1個のRが構造(II)で表され、1個のZがHであり、かつ1個のZがClである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項12】
Rf1がCF2である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項13】
Rf2がCF2である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項14】
p=0かつYがCF2である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項15】
Arがベンゼン基であり、各RがHであり、ZがClであり、各R1がHであり、XがOであり、YがOであり、Rf1がCF2であり、かつRf2がペルフルオロプロペニルであり、かつq=1である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項16】
構造(V)
【化4】

〔式中、各R2は、独立して、Hまたはアルキルであり、かつ各R3は、独立して、Hまたはアルキルである〕
で表されるアラミド反復ユニットをさらに含む、請求項1に記載のポリマー
【請求項17】
2がすべてHでありかつR3がすべてHである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項18】
フルオロビニルエーテル官能基化芳香族二酸クロリドと芳香族ジアミンとを混合して反応混合物を形成することと、180〜240℃の温度に加熱することと、続いて、250〜300℃に加熱することと、前記混合物を減圧に付すことにより揮発性物質を取り除くことと、を含む方法であって、前記フルオロビニルエーテル官能基化芳香族二酸クロリドが、構造(III)
【化5】

〔ここで、
Arは、ベンゼン基またはナフタレン基を表し、
各Rは、独立して、H、C1〜C10アルキル、C5〜C15アリール、C6〜C20アリールアルキル、OH、または構造(II)
【化6】

で表される基であり、付帯条件として、1個のRのみがOHまたは構造(II)で表される基であることが可能であるものとし、
Xは、OまたはCF2であり、
Zは、H、Cl、またはBrであり、
a=0または1、
かつ
Qは、構造(Ia)
【化7】

{ここで、
q=0〜10、
Yは、OまたはCF2であり、
Rf1は、(CF2n(ここで、nは0〜10である)であり、
かつ
Rf2は、(CF2p(ここで、pは0〜10である)であり、付帯条件として、pが0であるとき、YはCF2であるものとする}
で表される〕
で表される、上記方法。
【請求項19】
本発明の方法の一実施形態であって、各RがHであるもの。
【請求項20】
本発明の方法の一実施形態であって、1個のRが構造(II)で表されかつ残りの2個のRがそれぞれHであるもの。
【請求項21】
本発明の方法の一実施形態であって、XがOであるもの。
【請求項22】
他の実施形態であって、XがCF2であるもの。
【請求項23】
本発明の方法の一実施形態であって、YがOであるもの。
【請求項24】
他の実施形態であって、YがCF2であるもの。
【請求項25】
さらなる実施形態であって、ZがClであるもの。
【請求項26】
他の実施形態であって、1個のRが構造(II)で表され、1個のZがHであり、かつ1個のZがClであるもの。
【請求項27】
本発明の方法の一実施形態であって、Rf1がCF2であるもの。
【請求項28】
本発明の方法の一実施形態であって、Rf2がCF2であるもの。
【請求項29】
本発明の方法の一実施形態であって、p=0かつYがCF2であるもの。
【請求項30】
本発明の方法の一実施形態であって、芳香族ジアミンが1,4−ジアミノベンゼンであり、Arがベンゼン基であり、各RがHであり、ZがClであり、XがOであり、YがOであり、Rf1がCF2であり、かつRf2がペルフルオロプロペニルであり、かつq=1であるもの。
【請求項31】
他の実施形態であって、前記反応混合物が構造(VI)
【化8】

〔式中、Arは、芳香族基であり、各Rは、独立して、HまたはC1〜C10アルキルである〕
で表される芳香族二酸クロリドをさらに含むもの。
【請求項32】
さらなる実施形態であって、各RがHであるもの。
【請求項33】
一実施形態であって、Arがベンゼン基であるもの。

【公表番号】特表2013−503943(P2013−503943A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528007(P2012−528007)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/047514
【国際公開番号】WO2011/028791
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】