説明

フルオロポリマーのための薄フィルムの積層−離層方法

受けシートへの薄フルオロポリマーフィルムの薄フィルム積層体を形成させる方法、より詳細には非常に薄く移転しうるフルオロポリマーフィルムの生産。薄フルオロポリマー基層を支持層上に施用し、ここで該支持層はより厚いフィルムであってもよい。その後、支持層/薄基層を受けシートに積層し、続いて支持層をはぎ取ると、受けシート上に基体フィルムが残る。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、ポリマー受けシート(polymeric receiver sheet)への薄フルオロポリマーフィルムのフィルム積層に関する。より詳細には、本発明は、改善された熱安定性を有し非常に薄い移転しうる(transferable)フルオロポリマーフィルムの生産に関係する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
単層および多層フルオロポリマーフィルムの生産は当分野で周知である。例えば、米国特許第4677017号;第4659625号および第5139878号参照。多くのフルオロポリマー材料は、一般にその優れた湿分および蒸気のバリヤー性で知られ、したがって包装用フィルム、とりわけ蓋用フィルム(lidding film)およびブリスターパッケージの望ましい成分である。いくつかの用途では、フィルムの性質をさらに増強するために、フィルムを配向させることも望ましい。例えば、包装医薬品に用いられるプッシュスルー(push through)式の蓋の場合、製品の一方向でのプッシュスルーを達成するために、フィルムを一軸配向させることが望ましい可能性がある。高強度の蓋の場合、二軸配向フィルムが望ましいであろう。配向フルオロポリマーフィルムはまた、非配向フルオロポリマーフィルムに比べ改善された湿分バリヤー性を示すことがわかっている。
【0003】
ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)のようなフルオロポリマーは、その極めて速い結晶化速度および熱的に誘導される自己配向に起因して、ことのほか配向させにくい。PCTFEの速い結晶化速度は配向を妨害する高結晶質構造を引き起こし、ある点を超えると実際にさらなる配向を妨げる。その熱的に誘導される自己配向は、条件のない加熱(unconstrained heating)により、機械方向すなわち縦に伸張した方向に自己延長し横断方向に収縮するフィルムをもたらす。米国特許第4510301号には、40〜60モル%のエチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマーを含有する配向フィルムが開示されている。米国特許第4519969号には、少なくとも90モル%のエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーを含有する二軸的に伸張させたフィルムおよびその製造方法が開示されている。フルオロポリマーの薄層を用いて多層フルオロポリマーフィルム構造体を生産するために、さまざまな試みもなされてきた。重要視されている点の大部分は、接着材料の選択に集中している。米国特許第4677017号には、フルオロポリマーと熱可塑性フィルムを含み接着性ポリマーの使用により接合されている同時押出多層フィルムが開示されている。米国特許第4659625号には、酢酸ビニルポリマー接着層を利用するフルオロポリマー多層フィルム構造体が開示されている。本明細書中で参考として援用する米国特許第5139878号には、改質ポリオレフィンの接着層を用いたフルオロポリマーフィルム構造体が開示されている。しかしながら、当分野では、多層化包装用フィルムでの使用に適した薄フルオロポリマーフィルムが必要とされている。
【0004】
当分野では、伸張および移転しうる薄フルオロポリマーフィルムを従来型設備を用いて低コストで作成する能力を有することも必要とされている。現行のフルオロポリマー薄フィルム積層体は、積層加工と非常に薄いフィルムの取扱いに関連するコストとにより制限されており、したがって受けシート上に厚いフルオロポリマーフィルムを形成させることが必要とされている。具体的には、現在知られている技術では、押出および積層法の制限に起因して、フルオロポリマーフィルムが少なくとも約50ゲージ(0.5ミル;12.5μm)の最小厚さを有することが必要である。詳細には、同時押出または押出コーティング法で必要とされる高い融解温度により、薄フルオロポリマーフィルムを特定のポリマー受け材料、例えばポリ塩化ビニル(PVC)上に導入することは不可能である。したがって、特定のフルオロポリマーフィルムをPVCと積層、同時押出または押出コーティングするためには、より厚いフルオロポリマーフィルムを用いることが必要である。しかしながら、多くの用途では、より薄いフルオロポリマーフィルム、すなわち約4ゲージ(0.04ミル;1μm)〜約40ゲージ(0.4ミル;10.2μm)の厚さを有するフルオロポリマーフィルムを有することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、配向フルオロポリマーフィルムは改善された性質を示すことが知られているが、現行の加工の制限はまた、支持されていない薄フルオロポリマーフィルム上で導くことができる配向の程度を制限する。したがって、当分野では、良好な湿分バリヤー性を有し、約40ゲージ(0.4ミル;10.2μm)未満の厚さを有するフルオロポリマーフィルム積層体を形成させることが、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明は、薄フィルムの積層−離層方法であって、
a)第1および第2の表面を有する支持層を提供し;
b)第1および第2の表面を有する少なくとも1種の薄フルオロポリマー基層を、前記支持層の少なくとも1表面上に、前記少なくとも1種の基層の第1表面を前記支持層の表面に接触させて施用し;
c)接着層を前記基層の第2表面上に施用し;
d)基層を受けシートに接着層を介して付着させ;そして
e)支持層を基層から、基層が受けシートに付着したままになるように分離する;
工程を含む前記方法を提供する。
【0007】
本発明はまた、
a)第1および第2の表面を有する支持層;
b)前記支持層の少なくとも1表面上の第1および第2の表面を有する少なくとも1種の薄フルオロポリマー基層、ここにおいて、前記少なくとも1種の基層の第1表面は前記支持層の表面に接触しており、前記基層は約0.4ミル(10.2μm)以下の厚さを有する;
c)前記基層の第2表面上の接着層;そして
d)受けシートであって、前記基層に、前記接着層が前記受けシートに接触するように付着している、受けシート;
を含む多層化フィルムを提供する。
【0008】
本発明はさらに、
a)表面を有する受けシート;ならびに
b)受けシートに付着している薄フルオロポリマー基層;
を含む多層化フィルムを提供し、ここにおいて、前記基層は約0.4ミル(10.2μm)以下の厚さを有し、前記薄基層は中間接着層を介して積層により受けシートに付着している。
【0009】
本発明は、薄フルオロポリマー基層を支持層と一緒に同時押出する方法であって、同時押出がフルオロポリマー層とキャリヤー層との間の低い中間層結合強度を示す方法を提供する。本発明のフルオロポリマー基層は、少なくとも50ゲージ(約12.5μm)のフィルム厚を必要とする現在当分野で知られている方法と比較して、好ましくは約4ゲージ(約1μm)〜約40ゲージ(約10.2μm)の厚さを有する。支持層はより厚いフィルムであることができ、約1ミル(約25μm)以上の厚さを有していてもよい。中間層結合強度は、同時押出フィルムを受けシートに離層することなく接着的に積層し、続いて支持層から機械的に離層して、受けシート上に非常に薄いフルオロポリマー基層を残すことを可能にするのに充分なものである。
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、薄フィルムの積層−離層方法であって、自己支持性(self-supporting)の薄フルオロポリマー基層とポリマー性支持層との同時押出物を中間接着層を介して受けシートに積層した後、支持層を離層して、受けシート上に薄フルオロポリマー基層を残す方法を提供する。支持層は第1および第2の表面を有し、フルオロポリマー材料と同時押出して、第1および第2の表面を有する薄フルオロポリマー基層を、該基層の第1表面を該支持層の第2表面上にして形成させる。その後、接着層を基層の第2表面上に施用する。次に、この構造体を、受けシートに、接着層が受けシートの表面と接触するように積層する。この積層工程の後、受けシートと支持層を分離し、基層および接着層を受けシート上に残す。
【0010】
フルオロポリマー材料は、一般にその優れた耐薬品性および剥離性ならびに湿分および蒸気のバリヤー性で知られ、したがって包装用フィルムの望ましい成分である。薄基層は、ある基材から他の基材へ全体的に移転させることができる自己支持性フィルムであることを、理解すべきである。本発明の好ましい態様において、薄フルオロポリマー層は、当分野で周知であり例えば米国特許第4510301号、第4544721号および第5139878号に記載されているように、フルオロポリマーのホモポリマーもしくはコポリマーまたはそのブレンドから構成されることができる。好ましいフルオロポリマーとしては、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、フッ素化エチレン−プロピレンコポリマー、ペルフルオロアルコキシエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンならびにそれらのコポリマーおよびブレンドが挙げられるが、これに限定されない。もっとも好ましいフルオロポリマーとしては、ポリクロロトリフルオロエチレンのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。とりわけ好ましいものは、ニュージャージー州モリスタウンのHoneywell International Inc.から市販され商標ACLAR(登録商標)で販売されているPCTFE材料である。
【0011】
本発明の多層化フィルムの生産では、薄フルオロポリマー基層を支持層と同時押出する。基層および支持層はそれぞれ第1および第2の表面を有し、これらを基層の第1表面が支持層の第2表面と接触するように付着させる。適切な支持層材料としては、ポリアミド;ポリオレフィン;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリウレタン;エチレン酢酸ビニル(EVA);ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル;シクロオレフィンポリマー(ホモポリマーとコポリマーの両方);および前述のものの1種以上のブレンドからなる群より選択される材料が挙げられる。
【0012】
本明細書中での使用に適したポリオレフィンには、約2〜約6個の炭素原子を有するα−オレフィンモノマーのポリマーが含まれ、α−オレフィンのホモポリマー、コポリマー(グラフトコポリマーを含む)およびターポリマーが含まれる。例示的なホモポリマーの例としては、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン線状低密度ポリエチレン(m−LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)または高密度ポリエチレン(HDPE);ポリプロピレン;ポリブチレン;ポリブテン−1;ポリ−3−メチルブテン−1;ポリ−ペンテン−1;ポリ−4−メチルペンテン−1;ポリイソブチレン;ポリヘキセンおよびそれらの組合わせが挙げられる。
【0013】
ポリエチレンのようなポリオレフィンは一般に密度に基づき区別されており、密度は、分子構造中のポリエチレン主鎖における炭素原子1000個あたりのその鎖の分枝数に起因する。分枝は典型的にはC−Cオレフィンであり、好ましくはブテン、ヘキセンまたはオクテンである。例えば、HDPEは非常に少数の短鎖分枝(炭素原子1000個あたり20未満)を有し、結果的に比較的高密度、すなわち約0.94g/cc〜約0.97g/ccの密度である。LLDPEは、炭素原子1000個あたり20〜60のより多くの短鎖分枝を有し、約0.91〜約0.93g/ccの密度を有する。約0.91〜約0.93g/ccの密度を有するLDPEは、LLDPEおよびHDPEにおける短鎖分枝の代わりに長鎖分枝(炭素原子1000個あたり20〜40)を有する。ULDPEは、LLDPEおよびHDPEより高濃度、すなわち炭素原子1000個あたり約80〜約250の短鎖分枝を有し、約0.88〜約0.91g/ccの密度を有する。例示的なコポリマーおよびターポリマーとしては、α−オレフィンと他のオレフィンとのコポリマーおよびターポリマー、例えばエチレン−プロピレンコポリマー;エチレン−ブテンコポリマー;エチレン−ペンテンコポリマー;エチレン−ヘキセンコポリマー;およびエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー(EPDM)が挙げられる。本明細書中で用いるポリオレフィンという用語には、アクリロニトリルブタジエン−スチレン(ABS)ポリマーならびに酢酸ビニル、アクリレートおよびメタクリレートとのコポリマーなども含まれる。好ましいポリオレフィンはα−オレフィンから調製されたものであり、もっとも好ましくはエチレンのポリマー、コポリマーおよびターポリマーである。上記ポリオレフィンは、任意の公知の方法により得ることができる。ポリオレフィンは、約1000〜約1000000、好ましくは約10000〜約500000の重量平均分子量を有することができる。好ましいポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンならびにそれらのコポリマーおよびブレンドである。もっとも好ましいポリオレフィンはポリエチレンである。もっとも好ましいポリエチレンは低密度ポリエチレンである。
【0014】
本発明の範囲内に適したポリアミド(ナイロン)には、約10000〜約100000の分子量を有する脂肪族ポリアミドおよび脂肪族/芳香族ポリアミドから選択されるホモポリマーまたはコポリマーが包括的に含まれる。ポリアミドの調製に有用な一般的手順は当分野で周知であり、ラクタムの自己縮合および二酸とジアミンの反応生成物が含まれる。
【0015】
有用なポリアミドホモポリマーとしては、ポリ(4−アミノ酪酸)(ナイロン4)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)(ナイロン6、ポリ(カプロラクタム)としても知られる)、ポリ(7−アミノヘプタン酸)(ナイロン7)、ポリ(8−アミノオクタン酸)(ナイロン8)、ポリ(9−アミノノナン酸)(ナイロン9)、ポリ(10−アミノデカン酸)(ナイロン10)、ポリ(11−アミノウンデカン酸)(ナイロン11)、ポリ(12−アミノドデカン酸)(ナイロン12)、ナイロン4,6、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(ナイロン6,10)、ポリ(ヘプタメチレンピメラミド(pimelamide))(ナイロン7,7)、ポリ(オクタメチレンスベラミド(suberamide))(ナイロン8,8)、ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)(ナイロン6,9)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(ナイロン9,9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン10,9)、ポリ(テトラメチレンジアミン−コ−シュウ酸)(ナイロン4,2)、n−ドデカン二酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミド(ナイロン6,12)、ドデカメチレンジアミンとn−ドデカン二酸とのポリアミド(ナイロン12,12)などが挙げられる。有用な脂肪族ポリアミドコポリマーとしては、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6,6/6)、ヘキサメチレンアジパミド/カプロラクタムコポリマー(ナイロン6/6,6)、トリメチレンアジパミド/ヘキサメチレンアゼライアミド(azelaiamide)コポリマー(ナイロントリメチル6,2/6,2)、ヘキサメチレンアジパミド−ヘキサメチレン−アゼライアミドカプロラクタムコポリマー(ナイロン6,6/6,9/6)などが挙げられる。ここで詳細に述べていない他のナイロンも含まれる。これらのポリアミドのうち、好ましいポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/6,6、ナイロン6,6/6ならびにそれらの混合物が挙げられる。もっとも好ましいポリアミドはナイロン6である。
【0016】
本発明の実施に用いられる脂肪族ポリアミドは、商業的供給源から得ることができ、または公知の予備技術に従って調製することができる。例えば、ポリ(カプロラクタム)は、商標CAPRON(登録商標)でニュージャージー州モリスタウンのHoneywell International Inc.から得ることができる。
【0017】
代表的な脂肪族/芳香族ポリアミドとしては、ポリ(テトラメチレンジアミン−コ−イソフタル酸)(ナイロン4,I)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6,I)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレン−イソフタルアミド(ナイロン6,6/6I)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6,6/6T)、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(m−キシレンアジパミド)(MXD6)、ポリ(p−キシリレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド6T/6I、ポリアミド6/MXDT/I、ポリアミドMXDIなどが挙げられる。2種以上の脂肪族/芳香族ポリアミドのブレンドを用いることもできる。脂肪族/芳香族ポリアミドは、公知の準備技術により調製することができ、または商業的供給源から得ることができる。他の適したポリアミドは米国特許第4826955号および第5541267号に記載されており、これらを本明細書中で参考として援用する。
【0018】
適したシクロオレフィンポリマー(ホモポリマー、コポリマーまたはブレンド)は、例えば米国特許第5218049号;第5783273号および第5912070号に記載されており、これらを本明細書中で参考として援用する。米国特許第5218049号には、シクロオレフィンから構成されるフィルムが開示されている。米国特許第5783273号には、シクロオレフィンコポリマーのシートを含むプレススルー式ブリスター包装材料が開示されている。米国特許第5912070号には、シクロオレフィン層、ポリエステル層および中間接着剤を含む包装材料が開示されている。好ましいものには、エチレンとノルボルネンのコポリマーがある。
【0019】
本発明の好ましい一態様において、支持層とフルオロポリマー基層を、所望により、支持層と基層との間に位置決めされる中間接着層と一緒に同時押出してもよい。この所望による接着層は、無水物改質αオレフィン、ポリプロピレン、エチレン酸コポリマー樹脂、アクリル酸またはメタクリル酸改質コポリマー、メタロセン重合エチレンコポリマー(例えば、エチレン/シクロオレフィンコポリマー、エチレン/スチレン、エチレン/長側鎖)、エチレン酢酸ビニルコポリマー、酸および無水物改質ポリアクリレートおよびオレフィン−アクリレートコポリマー、エポキシ改質ポリオレフィンならびに酸および無水物改質エラストマー、スチレンブタジエンスチレン(SBS)ゴムならびにそれらのブレンドを含むことができる。
【0020】
フルオロポリマー基層と支持層を接合した後、接着層を基層の第2表面上に施用する。上記のものを含む任意の適した接着材料を用いることができる。追加的な適した接着性ポリマーとしては、ポリウレタン;エポキシ樹脂;ポリエステル;アクリル樹脂;不飽和ポリカルボン酸およびその無水物からなる群より選択される少なくとも1種の官能性部分を有する改質ポリオレフィン組成物、が挙げられる。これらの材料のブレンドも適している。そのような不飽和カルボン酸および無水物としては、マレイン酸および無水物、フマル酸および無水物、クロトン酸および無水物、シトラコン酸および無水物、イタコン酸および無水物などが挙げられる。本発明での使用に適した改質ポリオレフィンとしては、米国特許第3481910号;第3480580号;第4612155号および第4751270号に記載されている組成物が挙げられる。他の接着層には、米国特許第5139878号に記載されているような、オレフィンとα,β−エチレン的不飽和カルボン酸のアルキルエステルとのアルキルエステルコポリマーが包括的に含まれる。好ましい改質ポリオレフィン組成物は、改質ポリオレフィンの全量に基づき約0.001〜約20重量%の官能性部分を含む。より好ましくは、官能性部分は約0.05〜約10重量%、もっとも好ましくは約0.1〜約5重量%を構成する。改質ポリオレフィン組成物はまた、米国特許第5139878号に記載されているように、最大約40重量%の熱可塑性エラストマーおよびアルキルエステルを含有していてもよい。好ましいポリウレタン接着剤としては、二液型ウレタン系(溶剤型と水性の両方)または一液型が挙げられる。好ましいエポキシ接着剤は、エポキシとアミンの反応から形成される二液型エポキシ接着系である。好ましいアクリル接着剤には、感圧性接着剤が含まれる。UVまたは電子線硬化に付した100%固形接着剤も適している。接着剤は、コーティングまたは同時押出のような当分野の任意の適した手段により施用することができる。これらの接着材料のいずれかを支持層とフルオロポリマー基層との間に位置決めされる中間接着層として用いてもよいことも、本発明の好ましい態様の範囲内である。
【0021】
接着層を基層に施用するとすぐに、支持体/基体/接着剤構造体を受けシートに、好ましくは以下に記載する積層技術により付着させる。適した受けシートとしては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、エチレンアクリル酸エチル、エチレンアクリル酸または環状オレフィンポリマーからなる群より選択される材料が挙げられる。適したポリオレフィンには上記ポリオレフィンが含まれる。これらの層を、当分野で公知のように金属化してもよい。受けシートはまた、任意の他の適切なポリマー性フィルム、布帛(織布もしくは不織布)または紙基材を含んでいてもよい。受けシートは好ましくはプラスチック材料、より好ましくはPVC、ポリオレフィンまたはシクロオレフィンであり、好ましくは押出により形成される。基層への接着を改善するために受けシートをこの積層工程に先立ち所望によりコロナ処理に付してもよいことは、本発明の範囲内である。コロナ処理は、材料の層をコロナ放電ステーションに通して層の表面に電荷を与えて、隣接層へのその結合能力を改善する方法である。実施する場合、受けシートの形成後すぐに行うことが好ましい。
【0022】
支持体/基体/接着剤構造体を受けシートに積層した後、当分野で周知の技術を用いて、支持体を離層により、すなわち支持層と受けシートをはがすことにより、基層から分離する。この離層工程により、薄フルオロポリマー基層が受けシート上に残される。したがって、基層を受けシート上に残存させるためには、基層と受けシートとの間の接着剤結合強度が、基層と支持層との間の中間層結合強度より強いことが極めて重要である。好ましくは、基層と受けシートとの間の結合強度は、基層と支持層との間の中間層結合強度の少なくとも約2倍、より好ましくは少なくとも約3倍である。より好ましい態様において、基層と支持層との間の中間層結合強度は約90g/インチ(35g/cm)未満であるのに対し、基層と受けシートとの間の中間層結合強度は好ましくは約200g/インチ(79g/cm)を超え、より好ましくは約300g/インチ(118g/cm)を超える。したがって、受けシートと支持層をはがすと、基層と支持層との間の結合が破壊し、受けシート上に基層が残る。
【0023】
支持層、フルオロポリマー基層、接着層および受けシートのそれぞれはまた、用途が当業者によく知られている1種以上の従来の添加剤を所望により含んでいてもよい。そのような添加剤の使用は、組成物の加工を向上させるばかりでなく、製品またはそれから形成される物品を改善するのに望ましい可能性がある。そのようなものの例には、酸化および熱安定剤;潤滑剤;剥離剤;難燃剤;酸化防止剤;酸化脱除剤;染料、顔料および他の着色剤;紫外線吸収剤および安定剤;微粒子および繊維充填剤を含む有機または無機充填剤;強化剤;核剤;可塑剤;ならびに当分野で公知の他の従来の添加剤が含まれる。そのようなものは、例えば層組成物全体の最大約10重量%の量で用いることができる。
【0024】
本発明の多層フィルムは、同時押出および積層の技術を含む、多層の生産に有用な従来法により生産することができる。本発明の好ましい態様では、支持層とフルオロポリマー基層を好ましくは同時押出により付着させる。例えば、個々の層のためのポリマー性材料を同数の押出機の送り込み(infeed)ホッパーに供給し、各押出機で1種以上の層のための材料を取り扱う。個々の押出機からの溶融し可塑化した流れを、単一マニホールド同時押出ダイに供給する。ダイの中にある間に層は並列して組み合わされ、その後ポリマー性材料の単一多層フィルムとしてダイから出てくる。ダイから出た後、フィルムを第1の制御温度キャスティングロール上に流延し、第1のロールの周囲に通した後、通常第1のロールより低温の第2の制御温度ロール上に流延する。制御温度ロールは、ダイから出た後のフィルムの冷却速度をおもに制御する。追加的なロールを用いてもよい。他の方法において、フィルム形成装置は、当分野で吹込フィルム装置とよばれ気泡吹込フィルム用のマルチマニホールドサーキュラーダイヘッドを包含するものであることができ、このヘッドを通して可塑化フィルム組成物は強制されてフィルム気泡を形成し、この気泡が最終的に崩壊してフィルムを形成する。フィルムとシートの積層体を形成するための同時押出法は一般に知られている。典型的な同時押出技術は、米国特許第5139878号および第4677017号に記載されている。
【0025】
同時押出フィルムの利点の一つは、支持層およびフルオロポリマー基層の各フィルム層ならびに任意の他の所望によるフィルム層の溶融層を、一体のフィルム構造体に組み合わせることによる、1プロセス工程での多層フィルムの形成である。
【0026】
従来技術の方法ではこれまで、厚いフルオロポリマーフィルム(0.5ミル;約12.5μmを超える)と適切な受けシートとの積層が必要とされてきた。本発明の積層−離層方法により、約0.04ミル(約1μm)〜約0.4ミル(約10.2μm)の厚さを有する比較的薄いフィルムを上記のような望ましい受けシート上に施用することが可能になる。
【0027】
支持層と接合されたフルオロポリマー基層の組合わせを、受けシートに付着させる前に配向させてもよい。本発明の目的では、延伸比という用語は、延伸方向での寸法における増大の指標である。層を少なくとも一方向、すなわちその縦方向か横方向に一軸的に、またはその縦および横方向のそれぞれに二軸的に、1.5:1〜5:1の延伸比まで延伸させてもよい。層を同時に二軸配向させてもよく、例えば、フィルムを機械方向と横方向の両方に同時に配向させてもよい。これは、透明度、強度および靱性の性質、ならびに改善された透湿度において劇的な改善をもたらす。
【0028】
多層フィルム構造体の各層は異なる厚さを有することができるが、支持層は、好ましくは約1ミル(25μm)〜約6ミル(150μm)、より好ましくは約2ミル(50μm)〜約5ミル(125μm)、もっとも好ましくは約3ミル(75μm)〜約4ミル(100μm)の厚さを有する。薄基層は、約0.04ミル(1μm)〜約0.4ミル(10.2μm)、好ましくは約0.08ミル(2μm)〜約0.4ミル(10.2μm)、より好ましくは約0.21ミル(5μm)〜約0.31ミル(8μm)の厚さを有する。接着層は、好ましくは約0.04ミル(1μm)〜約0.4ミル(10.2μm)、より好ましくは約0.12ミル(3μm)〜約0.31ミル(8μm)の厚さを有する。受けシートは、好ましくは約0.2ミル(5μm)〜約12ミル(300μm)、より好ましくは約0.4ミル(10.2μm)〜約8ミル(200μm)、もっとも好ましくは約0.6ミル(15μm)〜約4ミル(100μm)の厚さを有する。このような厚さを挙げたが、特定の必要性を満たすために他の層厚を作り出してもよく、そのことは本発明の範囲内にあることを、理解すべきである。
【0029】
本発明の多層化フィルムは平坦な構造体として有用であり、または熱成形などにより所望の形状に成形することができる。該フィルムは、いろいろな最終用途、例えば医療用包装、医薬品用包装および他の工業的用途に有用である。本発明の多層化フィルムは、医薬品用のブリスター包装のような熱成形された三次元的形状の物品、または任意の他のバリヤー包装にとりわけ有用である。これは、当分野で周知の方法で適切な型の周囲でフィルムを成形して加熱することにより行うことができる。
【0030】
本発明のそのようなフィルムの透湿度(MVTR)は、ASTM F1249に説明されている手順により決定することができる。好ましい態様において、本発明による多層化フィルム全体は、例えばMoconから入手可能な機器で測定する透湿度により決定されるように、37.8℃、100%RHにおいてフィルム全体で約1.0g以下/100in/日(15.5g/m/日)、好ましくはフィルム全体で0.1〜約0.7g/100in/日(1.5〜約10.5g/m/日)、より好ましくはフィルム全体で0.01〜約0.06g/100in/日(0.15〜約0.93g/m/日)のMVTRを有する。
【0031】
本発明のフィルムの酸素透過度(OTR)は、Moconにより製造されたOX-TRAN 2/20測定器を23℃、0%RHで操作して用い、ASTM D-3985の手順により決定することができる。好ましい態様において、本発明による多層化フィルム全体は、約50cc以下/100in/日(775g/m/日)、好ましくは約0.001〜約20cc/100in/日(0.015〜約310g/m/日)、より好ましくは約0.001〜約10cc/100in/日(0.015〜約150cc/m/日)のOTRを有する。
【0032】
薄フルオロポリマー基層を支持層の相対する両表面上に付着させてもよいことも、本発明の範囲内である。この態様では、上記と同じ工程を、第2の基層を第2の受けシートに接着的に積層して繰り返した後、前記支持層を離層する。
【0033】
以下の非限定的な実施例は、本発明を例示するのに役立つ。
【実施例】
【0034】
実施例1
フルオロポリマー/ポリオレフィンフィルムを、キャストフィルム法により2層で同時押出した。押出フィルムは、基層および/または支持層に、押出後にロール形に粘着するのを妨げるのに足る粘着防止剤を含有する。基フルオロポリマー層は約0.3ミル(7.62μm)の平均厚さを有する。支持フィルムは約2ミル(50μm)の平均厚さを有する。フルオロポリマーフィルムはPCTFEホモポリマーである。支持フィルムは低密度ポリエチレン(LDPE)であり、2層を結合させるための結束樹脂(tie resin)は用いない。受けシートへのPCTFE層の接着を改善するために、基層のフリー部をコロナ処理して、表面エネルギーペン(surface energy pen)または水接触角の技術により試験して45ダインの最小表面エネルギーを有するフィルムを生産した。
【0035】
基フルオロポリマー層のフリー側に、100部のエポキシ/アミンと12部のポリオール/イソシアネートからなる二液型ウレタン接着剤を、1リーム(3000平方フィート)あたり1.5lb.(2.4g/m)の割合で施用してコーティングした。この接着剤をFaustalコーター/ラミネーター機によるグラビア塗布法により施用した。
【0036】
接着剤を160°F(71℃)の従来型強制通風トンネル炉で20秒間乾燥した後、1.5ミル(38μm)のPVC受けシートに接着するのに足る圧力を用いて、室温に設定したコンバイナーニップ(combiner nip)で直接積層した。その後、次の積層を芯に巻き付けた。
【0037】
24時間硬化した後、接着的に積層した基層をスリッティングプロセス中に支持層から分離した。積層したフルオロポリマー(基体):PVC(受け)積層体を1本の芯に巻き付け、ポリエチレン(支持)層を同時に別の芯に巻き付けた。
【0038】
薄フィルム積層体は0.06g/100in/日(0.93g/m/日)のMVTR(透湿度)を有していた。
実施例2
別個の樹脂層を含有する同時押出支持フィルムを作成した点を除き、実施例1を繰り返した。支持フィルムは、ポリエチレンと混合したエチレン酢酸ビニルで構成される0.2ミル(5μm)の結束層および1ミル(25μm)の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)の別個の層であった。結束層表面は、0.3ミル(7.62μm)のPCTFE層樹脂とLLDPE層に接触していた。結束層とフルオロポリマーフィルムとの間の中間層接着は、結束層とLLDPEとの間の中間層接着より十分に弱く、スリッター機で分離するときに結束層/LLDPE支持フィルムからのフルオロポリマーフィルムの分離をもたらした。得られた積層体は0.06g/100in/日(0.93g/m/日)のMVTRを有していた。
実施例3
フルオロポリマーフィルムの第2側面を実施例1の接着剤でコーティングし、オーブンで乾燥し、0.7ミル(17.8μm)の透明PVCフィルムに直接積層した点を除き、実施例2を繰り返した。PVCフィルムへの積層により、結束層とLLDPEからなる支持層がフルオロポリマーフィルムの第1側面から容易に取り除かれることがわかった。該積層体は0.06g/100in/日(0.93g/m/日)のMVTRを有していた。
実施例4
押出プロセス中に1.5〜1の延伸比でインラインの機械方向の配向を実施した点を除き、実施例2を繰り返した。支持フィルムからのフルオロポリマー基体フィルムの分離により、フルオロポリマーフィルムは0.2ミル(5μm)の厚さおよび0.03g/100in/日(0.47g/m/日)のMVTRを有していた。
【0039】
本発明が、単純かつコスト効果の高い方法で受けシート上に非常に薄いフルオロポリマーフィルムを提供することを、理解することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄フィルムの積層−離層方法であって、
a)第1および第2の表面を有する支持層を提供し;
b)第1および第2の表面を有する少なくとも1種の薄フルオロポリマー基層を、前記支持層の少なくとも1表面上に、前記少なくとも1種の基層の前記第1表面を前記支持層の表面に接触させて施用し;
c)接着層を前記基層の前記第2表面上に施用し;
d)基層を、受けシートに前記接着層を介して付着させ;そして
e)前記支持層を前記基層から、前記基層が前記受けシートに付着したままになるように分離する;
工程を含む方法。
【請求項2】
さらに、工程b)〜e)を前記支持層の前記第2表面上で実施することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基層が約0.4ミル(10.2μm)未満の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基層が約0.04ミル(1μm)〜約0.4ミル(10.2μm)の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記支持層と前記フルオロポリマー層を中間接着層を介して付着させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基層と前記支持層との間の中間層結合強度が、前記基層と前記受けシートとの間の結合強度より小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基層と前記受けシートとの間の結合強度が、前記基層と前記支持層との間の中間層結合強度の少なくとも約2倍である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基層と前記受けシートとの間の結合強度が、前記基層と前記支持層との間の中間層結合強度の少なくとも約3倍である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基層と前記受けシートとの間の結合強度が約200g/インチ(79g/cm)を超え、前記基層と前記支持層との間の中間層結合強度が約90g/インチ(35g/cm)未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記支持層が、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、シクロオレフィンポリマーおよびそれらのブレンドからなる群より選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記フルオロポリマーフィルム層が、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、フッ素化エチレン−プロピレンコポリマー、ペルフルオロアルコキシエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンならびにそれらのコポリマーおよびブレンドからなる群より選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記フルオロポリマーフィルム層がポリクロロトリフルオロエチレンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記受けシートが、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、エチレンアクリル酸エチル、エチレンアクリル酸、環状オレフィンポリマー、布帛および紙からなる群より選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記受けシートがポリ塩化ビニルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記支持シートが、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンおよびそれらの組合わせからなる群より選択されるポリエチレンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記支持シートが線状低密度ポリエチレンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記接着層が、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂、無水物改質ポリオレフィン、無水物改質αオレフィン、ポリプロピレン、エチレン酸コポリマー樹脂、アクリル酸またはメタクリル酸改質コポリマー、メタロセン重合エチレンコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、酸および無水物改質ポリアクリレートおよびオレフィン−アクリレートコポリマー、エポキシ改質ポリオレフィンならびに酸および無水物改質エラストマー、スチレンブタジエンスチレンゴムならびにそれらのブレンドからなる群より選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記基層および前記支持層を同時押出する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記接着層をコーティングにより前記基層に施用する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記受けシートを、前記接着層を介して積層により前記基層に付着させる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記支持層を、前記支持層と前記シートをはがすことにより前記基層から分離する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
薄フィルムの積層−離層方法であって、
a)ポリオレフィンを含み第1および第2の表面を有する支持層を提供し;
b)第1および第2の表面を有する少なくとも1種の薄ポリクロロトリフルオロエチレン基層を、前記支持層の少なくとも1表面上に、前記少なくとも1種の基層の前記第1表面を前記支持層の表面に接触させて施用し、前記基層は0.4ミル(10.2μm)以下の厚さを有し;
c)接着層を前記基層の前記第2表面上に施用し;
d)基層をポリ塩化ビニル受けシートに前記接着層を介して付着させ;そして
e)前記支持層を前記基層から、前記基層が前記受けシートに付着したままになるように分離する;
工程を含む方法。
【請求項23】
前記基層と前記受けシートとの間の結合強度が、前記基層と前記支持層との間の中間層結合強度の少なくとも約2倍である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
以下を含む多層化フィルム:
a)第1および第2の表面を有する支持層;
b)前記支持層の少なくとも1表面上の第1および第2の表面を有する少なくとも1種の薄フルオロポリマー基層、ここにおいて、前記少なくとも1種の基層の第1表面は前記支持層の表面に接触しており、前記基層は約0.4ミル(10.2μm)以下の厚さを有する;
c)前記基層の第2表面上の接着層;そして
d)受けシートであって、前記基層に、前記接着層が前記受けシートに接触するように付着している、受けシート。
【請求項25】
さらに、前記支持層と前記フルオロポリマー層との間に位置決めされた中間接着層を含む、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項26】
前記基層と前記受けシートとの間の結合強度が、前記基層と前記支持層との間の中間層結合強度の少なくとも約2倍である、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項27】
前記基層と前記受けシートとの間の結合強度が約200g/インチ(79g/cm)を超え、前記基層と前記支持層との間の中間層結合強度が約90g/インチ(35g/cm)未満である、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項28】
前記基層が、約0.04ミル(1μm)〜約0.4ミル(10.2μm)の厚さを有する、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項29】
前記基層が、約0.08ミル(2μm)〜約0.4ミル(10.2μm)の厚さを有する、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項30】
前記支持層が、約1ミル(25μm)〜約6ミル(150μm)の厚さを有する、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項31】
前記支持層が、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、シクロオレフィンポリマーおよびそれらのブレンドからなる群より選択される材料を含む、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項32】
前記フルオロポリマーフィルム層が、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、フッ素化エチレン−プロピレンコポリマー、ペルフルオロアルコキシエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンならびにそれらのコポリマーおよびブレンドからなる群より選択される材料を含む、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項33】
前記フルオロポリマーフィルム層がポリクロロトリフルオロエチレンを含む、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項34】
前記基層と前記受けシートとの間の結合強度が、前記基層と前記支持層との間の中間層結合強度の少なくとも約2倍である、請求項33に記載の多層化フィルム。
【請求項35】
前記受けシートが、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、エチレンアクリル酸エチル、エチレンアクリル酸、環状オレフィンポリマー、布帛および紙からなる群より選択される材料を含む、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項36】
前記受けシートが、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンおよびそれらの組合わせからなる群より選択されるポリエチレンを含む、請求項35に記載の多層化フィルム。
【請求項37】
前記受けシートがポリ塩化ビニルを含む、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項38】
前記接着層が、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂、無水物改質ポリオレフィン、無水物改質αオレフィン、ポリプロピレン、エチレン酸コポリマー樹脂、アクリル酸またはメタクリル酸改質コポリマー、メタロセン重合エチレンコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、酸および無水物改質ポリアクリレートおよびオレフィン−アクリレートコポリマー、エポキシ改質ポリオレフィンならびに酸および無水物改質エラストマー、スチレンブタジエンスチレンゴムならびにそれらのブレンドからなる群より選択される材料を含む、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項40】
前記基層および前記支持層を同時押出する、請求項24に記載の多層化フィルム。
【請求項41】
以下を含む多層化フィルム:
a)第1および第2の表面を有するポリオレフィン支持層;
b)前記支持層の少なくとも1表面上の第1および第2の表面を有する少なくとも1種の薄ポリクロロトリフルオロエチレンフルオロポリマー基層、ここにおいて、前記少なくとも1種の基層の第1表面は前記支持層の表面に接触しており、前記基層は約0.04ミル(1μm)〜約0.4ミル(10.2μm)の厚さを有する;
c)前記基層の第2表面上の接着層;そして
d)ポリ塩化ビニル受けシートであって、前記基層に、前記接着層が前記受けシートに接触するように付着している、受けシート。

【公表番号】特表2006−517880(P2006−517880A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502963(P2006−502963)
【出願日】平成16年1月26日(2004.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/001872
【国際公開番号】WO2004/069533
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】