説明

フルバスタチンナトリウム医薬組成物

種々のフルバスタチン組成物及びそれらを調製するための方法が記載される。1つの例は、フルバスタチン及び少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーを含んで成る、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さない調節された開放性の医薬組成物である。もう1つの例は、フルバスタチン、好ましくはフルバスタチンナトリウムを含んで成る、アルカリ安定剤を実質的に有さない安定した医薬組成物である。もう1つの例は、フルバスタチン、好ましくはフルバスタチンナトリウムを含んで成る、3.5重量%以上の水含有率で安定する、調節された開放性の安定医薬製剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、フルバスタチン(fluvastatin)、好ましくはフルバスタチンナトリウム、及び親水性ポリマーを含んで成る、ヒドロキシプロピルメチルセルリースを実質的に有さない、調節された開放性の医薬組成物に向けられる。本発明はさらに、フルバスタチン、好ましくはフルバスタチンナトリウムを含んで成る調節された開放性の安定した医薬製剤に向けられ、ここで前記製剤はアルカリ安定剤を実質的に有さず、その結果、本発明の調節された開放性のフルバスタチン製剤は、8以下のpHで安定性である。本発明はさらに、3.5重量%以上の水含有率で安定性である、フルバスタチン、好ましくはフルバスタチンナトリウムを含んで成る調節された開放性の安定した医薬製剤にも向けられる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
フルバスタチンは、化学名称[R*, S*−(E)]−(±)−7−[3−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルエチル)−1H−インドール−2−イル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸を有し、そして下記化学構造Iにより表され得る:
【0003】
【化1】

【0004】
フルバスタチンナトリウムは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素Aを阻害する合成HMG−CoAレダクターゼインヒビターである。フルバスタチンナトリウムは、LESCOL(商標) 及び LESCOL XL(商標)としてNovartisにより市販されている。コレステロールを治療的に低めるためへのフルバスタチンナトリウムの使用は、特に高リポタンパク血症及びアテローム硬化症の処理において報告されている。
【0005】
フルバスタチンナトリウムの調節された開放性の錠剤の配合物が、アメリカ特許出願公開番号2002/0169145号として公開されたアメリカ特許出願番号10/100,656号、及びアメリカ特許第6,242,003号に報告されている。たぶん、公開される錠剤は、1日1度、投与され、12時間以上、効果的血漿レベルを達成する。
【0006】
アメリカ特許出願公開番号2002/0169145A1号は、有意な量の活性成分の早まった開放を妨げるために、非イオン性親水性ポリマーと共にヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、HMG−CoAレダクターゼ化合物を含んで成る市販できる用量形の製剤を報告している。前記非イオン性親水性ポリマーはたぶん、ヒドロキシエチルセルロース(MW:約90,00〜約1,300,000)、ヒドロキシプロピルセルロース(MW:約370,000〜約1,500,000)及びポリ(酸化エチレン)(MW:約100,000〜約500,000)から成る群から選択される。
【0007】
アメリカ特許第6,242,003号は、着色安定性、持効性製剤を得るために、定義された顆粒粒度を有する、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びフルバスタチンの使用を報告している。
【0008】
高リポタンパク血症及びアテローム硬化症の処理のための医薬組成物に使用される、スタチンとしても知られている多くのHMG−CoAレダクターゼインヒビターが、約8以下のpHでの分解を特に受けやすいことは、従来技術において良く知られている。従って、そのような従来技術の医薬組成物はさらに、pHを維持し、そしてHMG−CoAレダクターゼインヒビターの分解を回避するためにアルカリ性化安定剤を含んで成る。典型的には、HMG−CoAレダクターゼインヒビターはまた、湿気及び光の存在下で不安定であることが見出されており、そして従って、そのようなインヒビターは典型的には、低い水含有率で生成されている。
【0009】
アメリカ特許第5,356,896号、第6,531,507号及び第6,558,659号、及びアメリカ特許出願公開番号2003/0109584A1号は、酸不安定スタチン化合物を安定化するための種々の方法を開示する。
SANDOZに譲渡されたアメリカ特許第5,356,896号は、組成物の水溶液又は分散液に、少なくとも8のpHを付与できるアルカリ安定媒体を含んで成る安定医薬組成物を開示している。
【0010】
HMB−CoAレダクターゼインヒビターを安定化するためのほかのアプローチが、LEK Pharmaceuticalsに譲渡されたアメリカ特許第6,531,507号に報告されている。その報告される方法においては、レダクターゼインヒビターが、緩衝又は塩基性化物質による酸不安定活性成分の同時結晶化又は同時沈殿により安定化される。
国際特許出願番号WO2004/071402号は、pH感受性である1又は複数の活性物質、及び1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る安定した医薬用量形を開示し、ここで水含有率は約3.5%(w/w)以下であり、そしてアルカリ性化又は緩衝物質又はその組合せは存在しない。
【発明の開示】
【0011】
発明の要約
本発明は、HMG−GoAレダクターゼインヒビター、例えばフルバスタチン、及び親水性ポリマーを含んで成る、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さない医薬組成物を供給する。本発明の組成物によれば、有意な量の活性剤の早まった開放が実質的に妨げられる。HMG−CoAレダクターゼインヒビター、例えばフルバスタチン及び親水性ポリマーを含んで成る、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さない本発明の好ましい組成物は、アルキル化剤の不在下で安定している。
【0012】
本発明は、好ましくは調節された開放性のマトリックスシステムを含んで成る医薬組成物に向けられる。本発明の医薬組成物は、フルバスタチン、最も好ましくはフルバスタチンナトリウム及び親水性ポリマー、好ましくは非イオン性親水性ポリマーを含んで成り、ここで前記親水性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースではなく、そしてヒドロキシプロピルメチルセルロースは本発明の組成物には存在せず、但し、たぶん、非機能的量で存在することができる不純物として微量での不在を除く。
【0013】
好ましくは、組成物は、約10〜約50重量%のフルバスタチンナトリウム、約5〜約40重量%の非イオン性親水性ポリマー、約20〜約70重量%の微晶性セルロース、約0〜約40重量%の架橋されたポリビニルピロリドン、及び約0.5〜約2重量%の滑剤を含んで成る、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さない、ノルバスタチンナトリウムの調節された開放性の製剤である。
【0014】
他の好ましい態様においては、組成物は、フルバスタチン又はその塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースではない親水性ポリマー、好ましくは非イオン性親水性ポリマー、及び任意には、充填剤、滑剤、及び/又は砕解剤から実質的に成る、フルバスタチン又はその塩の調節された開放性の製剤である。
【0015】
他の好ましい態様においては、組成物は、フルバスタチン又はその塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースではない親水性ポリマー、好ましくは非イオン性親水性ポリマー、及び任意には、充填剤、滑剤、及び/又は砕解剤から成る、フルバスタチン又はその塩の調節された開放性の製剤である。
【0016】
好ましくは、前記非イオン性親水性ポリマーは、ポリ(酸化エチレン)、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース、多糖類、例えばキサンタンガム、イヌリン、グアーガム、キトサン、サートニア(certonia)、カラギーナン、澱粉、澱粉誘導体及びそれらの組合せの少なくとも1つの含んで成る。
【0017】
より好ましくは、非イオン性親水性ポリマーは、約90,000ドルトン〜約1,300,000ドルトンの分子量を有するヒドロキシエチルセルロース、約80,000ドルトン〜約1,150,000ドルトンの分子量を有するヒドロキシエチルセルロース、及び約100,000ドルトン〜約7,000,000の分子量を有するポリ(酸化エチレン)ポリマーから成る群から選択される。最も好ましくは、非イオン性親水性ポリマーは、、約300,000ドルトン〜約1,000,000ドルトンの分子量を有するヒドロキシエチルセルロース、約370,000ドルトン〜約1,150,000ドルトンの分子量を有するヒドロキシエチルセルロース及び約1,000,000ドルトン〜約5,000,000ドルトンの分子量を有するポリ(酸化エチル)から成るセルロース誘導体の群から選択される。
【0018】
本発明において有用なヒドロキシエチルセルロースは好ましくは、2%濃度で約250〜約6,500mPas, 1%濃度で約1,500〜約5,500mPas、及び/又は5%濃度で約75〜約150mPasの水溶液における粘度を有する。本発明において有用なヒドロキシプロピルセルロースは、2%濃度で約150〜約6,500mPas, 1%濃度で約1,500〜約3,000mPas, 5%濃度で約75〜約400mPas, 及び/又は10%濃度で約300〜約600mPasの水溶液における粘度を有する。本発明において有用なポリ(酸化エチレン)は好ましくは、2%濃度で約400〜約4,000mPas、1%濃度で約1,650〜約10,000mPas、及び/又は5%濃度で約30〜約17,600mPasの水溶液における粘度を有する。
【0019】
本発明は、HMG−CoAレダクターゼインヒビター、好ましくはフルバスタチン、及び最も好ましくはフルバスタチンナトリウムを含んで成る、3.5重量%以上の水含有率で安定性である安定した医薬調節された開放性の製剤を供給する。
【0020】
本発明は、HMG-CoAレダクターゼインヒビター、好ましくはフルバスタチン、及び最も好ましくはフルバスタチンナトリウムを含んで成る安定した医薬調節された開放性の製剤であり、ここで塩基性環境による安定化を必要としない。すなわち、好ましくはフルバスタチンナトリウムを含んで成る本発明のHMG−CoAレダクターゼインヒビター製剤は、いずれのアルカリ安定化媒体又はアルキル化剤の添加なしで安定している。好ましくは、本発明のそのようなHMG−CoAレダクターゼインヒビター製剤は、比較的高い水含有率で安定している。特に、約3.5%以上の水含有率を有する本発明のHMG−CoAレダクターゼインヒビター製剤は安定している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
発明の特定の記載:
本発明はフルバスタチン、好ましくはフルバスタチンナトリウムに関して、本明細書において特に記載されているが、当業者は、本発明がまた、他のHMG−CoAレダクターゼインヒビターの組成物及び製剤によっても有用であることを認識するであろう。
【0022】
本明細書において使用される場合、用語“フルバスタチン”とは、化合物フルバスタチン及び医薬的に許容できるその塩を言及する。それはまた、フルバスタチン及びその塩のすべての固体形、例えば非晶形、多形体、水和物及び溶媒化合物も包含する。フルバスタチンの好ましい塩は、フルバスタチンナトリウムである。
【0023】
本明細書において使用される場合、用語“安定したフルバスタチン”及び“安定したNMG−CoAレダクターゼインヒビター”とは、下記のものを有する、フルバスタチン又はHMG−CoAレダクターゼインヒビターを言及する:
a)40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、安定したフルバスタチン又はHMG−CoAレダクターゼインヒビターの約95%以上の定量:
b)40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、組成物の合計重量の約1%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体の不純物の分解プロフィール;
c)40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、組成物の合計重量の約1%以下のフルバスタチンヒドロキシジエンの不純物分解プロフィール;
d)40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、組成物の合計重量の約0.2%以下の合計の分解不純物(フルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外)の不純物分解プロフィール。
【0024】
本明細書において使用される場合、用語“アルカリ安定剤”及び“アルキル性化剤”とは、所定の組成物におけるすべての他の賦形剤が組成物の水溶液又は分散液に、8又はそれ以上のpHを付与する医薬賦形剤を言及する。アルカリ安定剤及びアルキル性化剤を“実質的に有さない”本発明の組成物は、不純物としてそのような剤を微量含む。すなわち、アルカリ安定剤及びアルキル性化剤を“実質的に有さない”本発明の組成物においては、そのような剤は、本発明の組成物において存在しないが、但し非機能的量でたぶん存在することができる微量の不純物を除く。いずれかのアルカリ安定剤又はアルキル性化剤も実質的に有さない本発明の組成物及び製剤は好ましくは、8以下のpHを提供する賦形剤の混合物を含んで成る。
【0025】
本明細書において使用される場合、用語“水含有率”とは、乾燥減量法(“LOD”方法)に基づく水の含有率を言及する。
【0026】
本発明は、フルバスタチン、及び少なくとも1つの親水性ポリマー、好ましくは非イオン性親水性ポリマーを含んで成る、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を実質的に有さない調節された開放性の医薬製剤を供給する。すなわち、前記非イオン性親水性ポリマーはヒドロキシプロピルメチルセルロースではなく、そしてヒドロキシプロピルメチルセルロースは本発明の組成物には存在せず、但したぶん、非機能的量で存在できる微量の不純物を除く。
【0027】
本発明はまた、アルカリ安定剤の不在下でフルバスタチンを含んで成る調節された開放性の安定医薬製剤も供給する。
本発明はまた、比較的高い水含有率を有する、フラバスタチンを含んで成る調節された開放性の安定医薬製剤も供給し;好ましくは前記水含有率は約3.5%以上である。
【0028】
好ましくは、親水性ポリマーを含んで成り、そしてヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さない本発明の製剤は、アルキル安定剤の不在下で安定している。
好ましくは、親水性ポリマーを含んで成り、そしてヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さない本発明の製剤は、約3.5重量%以上の水含有率で安定している。
【0029】
フルバスタチンの好ましい形は、フルバスタチンナトリウムである。フルバスタチンは好ましくは、非晶性、結晶性、又はそれらの組合せであり得る。好ましくは、本発明の調節された開放性の医薬製剤は、約10〜約50重量%、より好ましくは約10〜約40重量%及び最も好ましくは約15〜約35重量%のフルバスタチン、例えばフルバスタチンナトリウムを含んで成る。
【0030】
好ましくは、親水性ポリマーを含んで成り、そしてヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さない本発明の製剤は、約5〜約40重量%、より好ましくは約10〜約35重量%及び最も好ましくは約10〜約30重量%の親水性ポリマー、好ましくは非イオン性親水性ポリマーを含んで成る。
【0031】
本発明において有用な親水性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースではない、非イオン性親水性ポリマーを包含するが、但しそれらだけには限定されない。好ましくは非ヒドロキシプロピルメチルセルロースの親水性ポリマーは、セルロース誘導体を包含する。好ましくは、本発明において有用なセルロース誘導体は、約80,000〜約1,300,000ドルトン、及び最も好ましくは約300,000〜約1,150,000ドルトンの範囲の分子量を有する。好ましい非イオン性親水性ポリマーはまた、ポリ(酸化エチレン)ポリマーも包含する。本発明において有用なポリ(酸化エチレン)ポリマーは好ましくは、約100,000〜約7,000,000及びより好ましくは約1,000,000〜約5,000,000ドルトンの範囲分子量を有する。
【0032】
好ましくは、本発明において有用な非イオン性親水性ポリマーは、2重量%の水溶液において、約150〜約6500mPas、及びより好ましくは約2000〜約6500mPasの粘度を有する。
好ましくは、本発明において有用な非イオン性親水性ポリマーは、1重量%の水溶液において、約1500〜約10,000mPas、及びより好ましくは約1500〜約7500mPasの粘度を有する。
好ましくは、非イオン性親水性ポリマーは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(酸化エチレン)又はそれらの組合せである。
【0033】
好ましくは、本発明においては有用なヒドロキシエチルセルロースポリマーは好ましくは、約90,000〜約1,300,000ドルトン及びより好ましくは、約300,000〜客1,000,000ドルトンの範囲の分子量を有する。好ましくは、本発明において有用なヒドロキシエチルセルロースポリマーは、2%水溶液において、約250〜約6,500mPas、及びより好ましくは約4,500〜約6,500mPasの粘度を有する。好ましくは、本発明において有用なヒドロキシエチルセルロースポリマーは、1%溶液において約1,500〜約5,500mPas及びより好ましくは、約1,500〜約2,500mPasの粘度を有する。
【0034】
好ましくは、本発明においては有用なヒドロキシプロピルセルロースポリマーは好ましくは、約80,000〜約1,150,000ドルトン及びより好ましくは、約370,000〜客1,150,000ドルトンの範囲の分子量を有する。好ましくは、本発明において有用なヒドロキシプロピルセルロースポリマーは、2%水溶液において、約150〜約6,500mPas、及びより好ましくは約4,000〜約6,500mPasの粘度を有する。好ましくは、本発明において有用なヒドロキシプロピルセルロースポリマーは、1%溶液において約1,500〜約3,000mPasの粘度を有する。
【0035】
好ましくは、本発明において有用なポリ(酸化エチレン)ポリマーは、約100,000〜約7,000,000ドルトン、及びより好ましくは、約1,000,000〜約5,000,000ドルトンの範囲の分子量を有する。
好ましくは、ポリ(酸化エチレン)の2%溶液は、約400〜約4,000mPas、及びより好ましくは、約2,000〜約4,000mPasの粘度を有する。好ましくは、ポリ(酸化エチレン)の1%溶液は、約1,650〜約10,000mPas及びより好ましくは、約1,650〜約7,500mPasの粘度を有する。
【0036】
本発明の製剤は、1又は複数の追加の賦形剤、例えば砕解剤、結合剤、充填剤、滑剤及び界面活性剤を含んで成り、ここで追加の賦形剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースではない。好ましくは砕解剤は次のものを包含するが、但しそれらだけには制限されない:カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、架橋されたポリビニルピロリドン、澱粉、ポラクリリンカリウム、ヒドロキシプロピルセルロース低置換された、粉末化されたセルロース、及びポビドン。架橋されたポリビニルピロリドンが特に好ましい。
【0037】
好ましい充填剤は次のものを包含するが、但しそれらだけには制限されない:微晶性セルロース、ラクトース、澱粉、マンニトール、セルロース、ソルビトール及び二塩基性リン酸カルシウム。微晶性セルロースが特に好ましい。
好ましい界面活性剤は次のものを包含するが、但しそれらだけには制限されない:ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュセートナトリウム、グリセリルモノオレエート及びセトリミド。ラウリル硫酸ナトリウムが特に好ましい。
【0038】
好ましくは、本発明の製剤は、親水性ポリマーの他に、少なくとも1つの親水性賦形剤を含んで成る。有用な親水性賦形剤は次のものを包含するが、但しそれらだけには制限されない:微晶性セルロース、ラクトース、マンニトール、還元糖、非還元糖及び架橋されたポリビニルピロリドン。微晶性セルロース及び架橋されたポリビニルピロリドンが特に好ましい。
【0039】
好ましくは、本発明の製剤は、約20〜約70重量%、より好ましくは約25〜約65重量%、及び最も好ましくは、約30〜約60重量%の親水性賦形剤を含んで成る。
好ましくは、本発明の製剤は、約10〜約50重量%のフルバスタチンナトリウム、約5〜約40重量%の1又は複数の非イオン性親水性ポリマー(ヒドロキシプロピルメチルセルロースを除く)、約20〜約70重量%の微晶性セルロース、約0〜約40重量%の架橋されたポリビニルピロリドン及び約0.5〜約2重量%の滑剤を含んで成る。
【0040】
本発明の好ましい調節された開放性の製剤は、アルカリ安定剤の不在下で安定している。そのような製剤は好ましくは、組成物の水性懸濁液又は溶液に8以下のpHを付与する賦形剤の混合物を含んで成る。
本発明の好ましい調節された開放性の製剤は、約3.5重量%以上の水含有率でさえ安定していることが見出された。
【0041】
本発明のフルバスタチンナトリウム製剤の安定性が、約40℃及び約75%の相対湿度での3ヶ月の促進された貯蔵条件下で、医薬産業標準に従ってモニターされた。最終製剤は、それらの条件下で製剤についての満足した安定性を示した。好ましくは、そのような条件下での3ヶ月の貯蔵の後、本発明に従っての経口用量形は、純粋なフルバスタチンナトリウムの用量形に比較して、約95%以上、より好ましくは約97%、及び最も好ましくは約100%のアッセイ純度を有する。それらの安定性測定の結果が下記表12に示されている。
【0042】
さらに、そのような条件下での3ヶ月の貯蔵の後、本発明の経口用量形は、約1重量%以下の及びより好ましくは、約0.5重量%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体の不純物分解プロフィールを有する。フルバスタチンナトリウム抗−異性体の構造式は、下記の通りである:
【0043】
【化2】

【0044】
さらに、そのような条件下での3ヶ月貯蔵の後、本発明の経口用量形は好ましくは、約1重量%以下、及びより好ましくは約0.5重量%以下のフルバスタチンヒドロキシルジエンの不純物分解プロフィールを有する。フルバスタチンヒドロキシルジエンの構造式は、下記の通りである。
【0045】
【化3】

【0046】
好ましくは、本発明の調節された開放性の製剤は、USP Apparatus I(バスケット)、回転速度:50rpm, 媒体:37℃での水、及び体積:1000mlの溶解条件下で、約12時間以内に薬剤の約80%以上を徐々に開放するであろう。他方では、本発明の製剤は、同じ条件下で約12時間以内に薬剤の約90%以上、好ましくは約95%以上を開放するであろう。
【0047】
本発明は、フルバスタチン又はその塩と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースではない少なくとも1つの親水性ポリマーとを組合すことを含んで成る、上記調節された開放性の医薬組成物の調製方法も提供する。
【0048】
本発明はまた、上記調節された開放性の製剤の製造方法も提供する。前記方法は好ましくは、高剪断ミキサーにおける粒状化、続く流動層における乾燥の段階を含んで成る。形成される顆粒は、乾燥の後、好ましくは超粒状賦形剤とを組み合わされ、そして錠剤に圧縮される。好ましくは、製造方法の最後の段階は、化粧目的ための錠剤被覆工程である。
次の非制限的例は、本発明の好ましい態様の単なる例示であり、そして本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0049】
例1
【表1】

【0050】
製造方法:微晶性セルロース、フルバスタチンナトリウム及びヒドロキシエチルセルロースを、高剪断ミキサーに移し、そしてアルコールを用いて粒状化した。次に粒状化された混合物を、出口温度が35℃に達するまで、50℃の標的入口温度を用いて、流動層ドライヤーにおいて乾燥した。次に、乾燥された顆粒を、振動ミルを用いて、0.8mmのスクリーンに通した。微粉砕された顆粒及び微晶性セルロースを、ミキサーにおいて乾燥ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムを、50メッシュスクリーンを通してプレスクリーンし、そして次にミキサーにおいてブレンドした。次に、最終粒状化ブレンドを錠剤に圧縮した。
【0051】
例2
【表2】

【0052】
製造方法:微晶性セルロース、フルバスタチンナトリウム、架橋されたポリビニルピロリドン及びヒドロキシエチルセルロースを、高剪断ミキサーに移し、そしてアルコールを用いて粒状化した。次に粒状化された混合物を、出口温度が35℃に達するまで、50℃の標的入口温度を用いて、流動層ドライヤーにおいて乾燥した。次に、乾燥された顆粒を、振動ミルを用いて、0.8mmのスクリーンに通した。微粉砕された顆粒及び微晶性セルロースを、ミキサーにおいて乾燥ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムを、50メッシュスクリーンを通してプレスクリーンし、そして次にミキサーにおいてブレンドした。次に、最終粒状化ブレンドを錠剤に圧縮した。
【0053】
例3
【表3】

【0054】
製造方法:微晶性セルロース、フルバスタチンナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース及びラウリル硫酸ナトリウムを、高剪断ミキサーに移し、そしてアルコールを用いて粒状化した。次に粒状化された混合物を、出口温度が35℃に達するまで、50℃の標的入口温度を用いて、流動層ドライヤーにおいて乾燥した。次に、乾燥された顆粒を、振動ミルを用いて、0.8mmのスクリーンに通した。微粉砕された顆粒及び微晶性セルロースを、ミキサーにおいて乾燥ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムを、50メッシュスクリーンを通してプレスクリーンし、そして次にミキサーにおいてブレンドした。次に、最終粒状化ブレンドを錠剤に圧縮した。
【0055】
例4
【表4】

製造方法:例2と同じ。
【0056】
例5
【表5】

製造方法:例2と同じ。
【0057】
例6
【表6】

【0058】
製造方法:例1と同じ、但し、圧縮された錠剤のフィルム被覆を除く。
被覆方法:OPADRY II(高性能)Whiteを、必要とされる量の精製された水と共に混合し20%w/wの懸濁液を得た。錠剤をコーチングパンに移し、そして約35〜約65℃に予備加熱した。OPADRY II(高性能)懸濁液を、錠剤当たり3〜5%w/wの固体重量増加が達成されるまで、噴霧した。
【0059】
例7
【表7】

製造方法:例2と同じ。
フィルム被覆された、圧縮された錠剤の製造方法:例6と同じ。
【0060】
例8
【表8】

製造方法:例7と同じ。
【0061】
例9
【表9】

製造方法:例7と同じ。
【0062】
例10
【表10】

製造方法:例7と同じ。
【0063】
例11
【表11】

製造方法:例7と同じ。
【0064】
例1,7,10及び11の生成物についての安定性データを表12に示す。(例2〜6,8及び9の生成物の安定性は試験されなかった)。
【0065】
安定性データ
【表12】

【0066】
好ましくは、本発明の組成物は、約0.2%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外の不純物及び分解生成物を含む。本発明の製剤のすべての分析されたサンプルは、時間ゼロで及び約40℃の温度及び約75%の相対湿度の促進された条件下での3ヶ月の貯蔵の後、約0.1以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外の不純物及び分解生成物を有することが見いだされた。フルバスタチンラクトン不純物は、分析された本発明の組成物のいずれのサンプルにおいて検出されなかった。
【0067】
乾燥減量(LOD)により測定される場合、分析された組成物の合計水含有率は例13に提供された。乾燥減量(LOD)により測定される場合、合計水含有率は、例6〜11の組成物について測定された。LODは、モード3を用いて、105℃の温度でMettler Toledo HR73 Moisture Content Analyzerにより測定された。
【0068】
【表13】

【0069】
例1〜3及び6〜11の溶解プロフィールについてのデータが表14に提供され、そして図1に示される。溶解方法は、USP装置I:50rpm及び1000mlの水に従う。表14に示されるように、“平均[%]”とは、所定の時間が経過した後、組成物から開放される活性医薬成分の%の平均結果を言及する。
【0070】
【表14】

【0071】
本明細書に開示される発明が上記に言及される目的を実現するために十分に計算されていることは明らかであるが、多くの修飾及び態様が当業者により変更され得ることは理解されるであろう。従って、請求項は本発明の範囲内のすべてのそのような修飾及び態様を保護すること思われる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、フルバスタチンナトリウムを含んで成る、本発明の調節された開放性の組成物の溶解プロフィールを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルバスタチン(fluvastatin)又はその塩、及びヒドロキシプロピル メチルセルロースではない少なくとも1つの親水性ポリマーを含んで成る、ヒドロキシプロピル メチルセルロースを実質的に有さない、調節された開放性の医薬組成物。
【請求項2】
前記親水性ポリマーが、非イオン性親水性ポリマーを含んで成る請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、アルカリ性化安定剤を実質的に有さない請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
前記フルバスタチンが、フルバスタチンナトリウムを含んで成る請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記フルバスタチン又はその塩が、フルバスタチンの水和物、溶媒化合物又は非晶形を含んで成る請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
前記フルバスタチン又はその塩が、前記組成物中に約10〜約50重量%の量で存在する請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、前記組成物中に約5〜約40重量%の量で存在する請求項2〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、セルロース誘導体、ポリ(酸化エチレン)、多糖類及びそれらの組合せから成る群から選択される請求項2〜7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
前記セルロース誘導体が、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びそれらの組合せから成る群から選択される請求項8記載の組成物。
【請求項10】
前記多糖類が、キサンタンガム、イヌリン、グアーガム、キトサン、サートニア(certonia)、カラギーナン、澱粉、澱粉誘導体及びそれらの組合せから成る群から選択される請求項8記載の組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約80,000ドルトン〜約1,300,000ドルトンの分子量を有するセルロース誘導体、約100,000ドルトン〜約7,000,000の分子量を有するポリ(酸化エチレン)ポリマー、又はそれらの混合物を含んで成る請求項8記載の組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約90,000ドルトン〜約1,300,000ドルトンの分子量を有するヒドロキシエチルセルロースを含んで成る請求項8記載の組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約300,000ドルトン〜約1,000,000ドルトンの分子量を有するヒドロキシエチルセルロースを含んで成る請求項8記載の組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、2重量%水溶液において、約250〜約6,500mPasの粘度を有するヒドロキシエチルセルロースを含んで成る請求項8,12及び13のいずれか1項記載の組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、1重量%水溶液において、約1,500〜約5,500mPasの粘度を有するヒドロキシエチルセルロースを含んで成る請求項8,12及び13のいずれか1項記載の組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約80,000ドルトン〜約1,150,000ドルトンの分子量を有するヒドロキシプロピルセルロースを含んで成る請求項8記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約370,000ドルトン〜約1,150,000ドルトンの分子量を有するヒドロキシプロピルセルロースを含んで成る請求項8記載の組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、2重量%水溶液において、約150〜約6,500mPasの粘度を有するヒドロキシプロピルセルロースを含んで成る請求項8,16及び17のいずれか1項記載の組成物。
【請求項19】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、1重量%水溶液において、約1,500〜約3,000mPasの粘度を有するヒドロキシプロピルセルロースを含んで成る請求項8,16及び17のいずれか1項記載の組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約1,000,000ドルトン〜約5,000,000ドルトンの分子量を有するポリ(酸化エチル)を含んで成る請求項8記載の組成物。
【請求項21】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、2重量%水溶液において、約400〜約4,000mPasの粘度を有するポリ(酸化エチル)を含んで成る請求項8記載の組成物。
【請求項22】
前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、1重量%水溶液において、約1,650〜約7,500mPasの粘度を有するポリ(酸化エチル)を含んで成る請求項8,20及び21のいずれか1項記載の組成物。
【請求項23】
砕解剤、結合剤、充填剤、滑剤及び界面活性剤から成る群から選択された少なくとも1つの賦形剤をさらに含んで成る請求項1〜22のいずれか1項記載の組成物。
【請求項24】
前記賦形剤が、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、架橋されたポリビニルピロリドン、澱粉、ポラクリリンカリウム、ヒドロキシプロピルセルロース低置換された、粉末化されたセルロース、及びポビドンから成る群から選択された砕解剤;
微晶性セルロース、ラクトース、澱粉、マンニトール、セルロース、ソルビトール及び二塩基性リン酸カルシウムから成る群から選択された充填剤;及び
ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュセートナトリウム、グリセリルモノオレエート及びセトリミドから成る群から選択された界面活性剤の少なくとも1つを含んで成る請求項23記載の組成物。
【請求項25】
少なくとも1つの親水性賦形剤をさらに含んで成る請求項1〜22のいずれか1項記載の組成物。
【請求項26】
前記親水性賦形剤が、澱粉、微晶性セルロース、架橋されたポリビニルピロリドン、ラクトース、マンニトール、還元糖及び非還元糖から成る群から選択される請求項25記載の組成物。
【請求項27】
前記フルバスタチンが、約10〜約50重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約5〜約40%の量で存在し、そして前記調節された開放性組成物がさらに、約20〜約70%の微晶性セルロース、0〜約40%の架橋されたポリビニルピロリドン及び約0.5〜約2%の滑剤を含んで成る請求項2〜22のいずれか1項記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物が、37℃の温度を有する水1000mlにおいて約50rpmの回転速度を有するバスケットに配置される場合、約12時間以内に80%までのフルバスタチンを開放する請求項27記載の組成物。
【請求項29】
前記非イオン性親水性ポリマーが、2重量%の水溶液において約150〜約6,500mPasの粘度を有するポリマー、1重量%の水溶液において約1,650〜約10,000mPasの粘度を有するポリマー、及びそれらの混合物から選択され、ここで前記組成物がヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さない請求項2〜7及び23〜28のいずれか1項記載の組成物。
【請求項30】
フルバスタチン又はその塩と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを有さない、少なくとも1つの親水性ポリマーとを組合すことを含んで成る、請求項1〜29のいずれか1項記載の調節された開放性の医薬組成物の調製方法。
【請求項31】
フルバスタチン、及び2重量%の水溶液において約150〜約6,500mPasの粘度を有するポリマー、1重量%の水溶液において約1,650〜約10,000mPasの粘度を有するポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択された非イオン性親水性ポリマーを組合すことを含んで成る、請求項2〜7及び23〜28のいずれか1項記載の組成物の製造方法。
【請求項32】
フルバスタチン又はその塩を含んで成る、アルカリ性化安定剤を実質的に有さない、調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項33】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースではない、少なくとも1つの親水性ポリマーをさらに含んで成り、そして前記組成物がヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さない請求項32記載の組成物。
【請求項34】
前記フルバスタチン又はその塩が、約10〜約50重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約5〜約40%の量で存在し、そして前記調節された開放性の組成物がさらに、約20〜約70%の微晶性セルロース、0〜約40%の架橋されたポリビニルピロリドン及び約0.5〜約2%の滑剤を含んで成る請求項33記載の組成物。
【請求項35】
3.5%以上の水含有率を有する請求項32〜34のいずれか1項記載の組成物。
【請求項36】
前記フルバスタチン又はその塩が、約10〜約50重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約5〜約40%の量で存在し、そして前記調節された開放性の組成物がさらに、約20〜約70%の微晶性セルロース、0〜約40%の架橋されたポリビニルピロリドン及び約0.5〜約2%の滑剤を含んで成る請求項33及び35記載の組成物。
【請求項37】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースではない、少なくとも1つの親水性ポリマーをさらに含んで成り、そして前記組成物がヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さず、ここで前記組成物が3.5%以上の水含有率で安定性である請求項32記載の組成物。
【請求項38】
前記フルバスタチン又はその塩が、約10〜約50重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約5〜約40%の量で存在し、そして前記調節された開放性の組成物がさらに、約20〜約70%の微晶性セルロース、0〜約40%の架橋されたポリビニルピロリドン及び約0.5〜約2%の滑剤を含んで成る請求項37記載の組成物。
【請求項39】
約10〜約50%(w/w%)のフルバスタチンを含んで成る請求項32, 33, 35及び37のいずれか1項記載の生成物。
【請求項40】
前記フラバスチンがフラバスチンナトリウムを含んで成る請求項32〜39のいずれか1項記載の組成物。
【請求項41】
前記フラバスチンが、固体形のフルバスタチンを含んで成る請求項32〜40のいずれか1項記載の組成物。
【請求項42】
前記フルバスタチン又はその塩が約95重量%以上のアッセイ純度を有する請求項32〜41のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項43】
前記フルバスタチン又はその塩が、40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、約95%以上のアッセイ純度を有する請求項32〜41のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項44】
前記組成物が、約1重量%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体を含んで成る請求項32〜43のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項45】
前記組成物が、約0.5重量%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体を含んで成る請求項32〜43のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項46】
前記組成物が、約1重量%以下のフルバスタチンヒドロキシルジエンを含んで成る請求項32〜45のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項47】
前記組成物が、約0.5重量%以下のフルバスタチンヒドロキシルジエンを含んで成る請求項32〜45のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項48】
前記組成物が、40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、約1重量%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体又はフルバスタチンヒドロキシルジエンを含んで成る請求項32〜43のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項49】
前記組成物が、40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、約0.5重量%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体又はフルバスタチンヒドロキシルジエンを含んで成る請求項32〜43のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項50】
前記組成物が、0.2重量%以下の不純物、及びフルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外の分解生成物を含む請求項32〜43のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項51】
前記組成物が、0.1重量%以下の不純物、及びフルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外の分解生成物を含む請求項32〜43のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項52】
前記組成物が、40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、0.2重量%以下の不純物、及びフルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外の分解生成物を含む請求項32〜43のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項53】
前記組成物が、40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、0.1重量%以下の不純物、及びフルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外の分解生成物を含む請求項52記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項54】
フルバスタチン又はその塩、及び3.5重量%以上の水を含んで成る調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項55】
約10〜約50重量%のフルバスタチンを含んで成る請求項54記載の組成物。
【請求項56】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースではない、少なくとも1つの親水性ポリマーをさらに含んで成り、そして前記組成物がヒドロキシプロピルメチルセルロースを実質的に有さない請求項54及び55記載の組成物。
【請求項57】
前記フルバスタチンが、約10〜約50重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの非イオン性親水性ポリマーが、約5〜約40%の量で存在し、そして前記調節された開放性の組成物がさらに、約20〜約70%の微晶性セルロース、0〜約40%の架橋されたポリビニルピロリドン及び約0.5〜約2%の滑剤を含んで成る請求項56記載の組成物。
【請求項58】
前記フルバスタチン又はその塩が約95重量%以上のアッセイ純度を有する請求項54〜57のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項59】
前記フルバスタチン又はその塩が、40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、約95%以上のアッセイ純度を有する請求項54〜57のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項60】
前記組成物が、約1重量%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体又はフルバスタチンヒドロキシルジエンを含んで成る請求項54〜59のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項61】
前記組成物が、約0.5重量%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体又はフルバスタチンヒドロキシルジエンを含んで成る請求項54〜59のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項62】
前記組成物が、40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、約1重量%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体又はフルバスタチンヒドロキシルジエンを含んで成る請求項54〜59のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項63】
前記組成物が、40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、約0.5重量%以下のフルバスタチンナトリウム抗−異性体又はフルバスタチンヒドロキシルジエンを含んで成る請求項54〜59のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項64】
前記組成物が、0.2重量%以下の不純物、及びフルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外の分解生成物を含む請求項54〜59のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項65】
前記組成物が、0.1重量%以下の不純物、及びフルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外の分解生成物を含む請求項54〜59のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項66】
前記組成物が、40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、0.2重量%以下の不純物、及びフルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外の分解生成物を含む請求項54〜59のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項67】
前記組成物が、40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月間の貯蔵の後、0.1重量%以下の不純物、及びフルバスタチンナトリウム抗−異性体及びフルバスタチンヒドロキシルジエン以外の分解生成物を含む請求項54〜59のいずれか1項記載の調節された開放性の安定した医薬組成物。
【請求項68】
フルバスタチン又はその塩と医薬賦形剤とを組合すことを含んで成る、請求項32〜67のいずれか1項記載の医薬組成物の調製方法。
【請求項69】
請求項1〜29のいずれか1項記載の組成物を、粒状化し、乾燥し、混合し、そして錠剤に圧縮し、そして前記錠剤をフィルム被覆することを含んで成る、調節された開放性の錠剤の製造方法。
【請求項70】
前記粒状化が湿式粒状化を包含する請求項69記載の組成物の製造方法。
【請求項71】
請求項32〜53のいずれか1項記載の組成物を、粒状化し、乾燥し、混合し、そして錠剤に圧縮し、そして前記錠剤をフィルム被覆する段階を含んで成る、安定した錠剤の製造方法。
【請求項72】
前記粒状化が湿式粒状化を包含する請求項71記載の組成物の製造方法。
【請求項73】
請求項54〜67のいずれか1項記載の組成物を、粒状化し、乾燥し、混合し、そして錠剤に圧縮し、そして前記錠剤をフィルム被覆する段階を含んで成る、安定した錠剤の製造方法。
【請求項74】
前記粒状化が湿式粒状化を包含する請求項73記載の組成物の製造方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−527577(P2009−527577A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556479(P2008−556479)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/005076
【国際公開番号】WO2007/100822
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】