説明

フレキシブルプリント配線板

【課題】回路上部に存在する開口部に設けられたメッキやはんだから導通が生じることを防止した、絶縁信頼性に優れたフレキシブルプリント配線板。
【解決手段】導電層2の第1の面に硬化樹脂層が積層され、導電層2の第2の面に絶縁フィルム層が積層され、接着剤層4が、前記硬化樹脂層の導電層2が積層された面とは反対側の面に積層されているか、又は、前記絶縁フィルム層の導電層2が積層された面とは反対側の面に積層されている、カバーレイフィルム20と、絶縁性フィルム上6に回路5が形成されたフレキシブルプリント配線板本体と、を含み、カバーレイフィルム20がフレキシブルプリント配線板本体に貼着されており、カバーレイフィルム20とフレキシブルプリント配線板本体とを貼着する際に形成される、回路5の上部にあるカバーレイフィルム20中の開口部において、前記開口部の側面に絶縁性被膜7が形成された、フレキシブルプリント配線板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフレキシブルプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気絶縁性を有するポリイミドフィルムやポリアミドフィルムなどの樹脂層;エポキシ樹脂又はポリイミド樹脂を主成分とする接着剤層;導電性を有する銅箔、銀箔、アルミ箔などの金属箔層;などを適宜組み合わせた、カバーレイフィルムや金属張り積層板などのフレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」ともいう。)が用いられている。
FPCは、小型化、高機能化が急速に進む携帯電話、ビデオカメラ、ノートパソコンなどの電子機器において、複雑な機構の中に回路を組み込むために多用されている。これらの電子機器では、電磁波シールド対策が必須となっており、装置内で使用されるFPCにおいても、電磁波シールド対策を施したFPCが用いられるようになってきている。
例えば、特許文献1には、絶縁性プラスチックフィルム層、接着剤層、保護層を有するカバーレイフィルムであって、絶縁性プラスチックフィルム層の少なくとも一面に電気抵抗値が500Ω/□以下である導電層を有するカバーレイフィルムが開示されている。
また、特許文献2には、ベースフィルム上に所定の回路が形成されるとともに、該回路側にカバーレイフィルムが設けられたフレキシブル回路基板において、フレキシブル回路基板の少なくとも片面に金属層が形成されたフレキシブル回路基板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−361770号公報
【特許文献2】特開平8−153940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたカバーレイフィルムは、例えば、その構成が、絶縁性プラスチックフィルム層/導電層/接着剤層である場合、このカバーレイフィルムを回路面に熱圧着したときに接着剤層が溶融するため、回路と導電層が接触することにより導通するおそれがあり、絶縁信頼性に劣るという問題がある。また、特許文献1に開示されたカバーレイフィルムの別の構成として、導電層/絶縁性プラスチックフィルム層/接着剤層があり、この場合はカバーレイフィルムの表面に導電層が存在している。しかしながら、この構成を有するカバーレイフィルムを用いたFPCを使用した場合(例えば、携帯電話内部)、筐体や他の部材との接触(こすれ)により導電層が剥がれたり、削れたりして、電磁波シールド機能が失われてしまうという問題がある。
また、特許文献2に開示されたフレキシブル回路基板も、上記と同様の問題を有している。
本発明者らは、上記課題を解決し得るカバーレイフィルムとして、硬化樹脂層と、第1の面と第2の面とを有する導電層と、絶縁フィルム層と、接着剤層と、を含むカバーレイフィルムであって、前記導電層の第1の面に前記硬化樹脂層が積層され、前記導電層の第2の面に前記絶縁フィルム層が積層され、前記接着剤層が、前記硬化樹脂層の前記導電層が積層された面とは反対側の面に積層されているか、又は、前記絶縁フィルム層の前記導電層が積層された面とは反対側の面に積層されている、カバーレイフィルムを開発した。
しかしながら、上記構成を有するカバーレイフィルムをフレキシブルプリント配線板に用いた場合、絶縁性フィルム上に形成された回路上部に存在する開口部に設けられたメッキやはんだから導通が生じて絶縁性が損なわれるリスクがあることが分かった。具体的には、例えば開口部がランド部上部である場合、開口部をはんだで充填した際に、はんだとカバーレイフィルム中の導電層が接触して導通が生じるという問題がある。また、開口部が端子部上部である場合、開口部を金属メッキ処理した際に、金属メッキとカバーレイフィルム中の導電層が接触して導通が生じるという問題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、回路上部に存在する開口部に設けられたメッキやはんだから導通が生じることを防止した、絶縁信頼性に優れたフレキシブルプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カバーレイフィルムと前記フレキシブルプリント配線板本体とを貼着する際に形成される、前記回路の上部にあるカバーレイフィルム中の開口部において、前記開口部の側面に絶縁性被膜を形成することにより、開口部に設けられたメッキやはんだからの導通を防止し、絶縁信頼性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]
(A)硬化樹脂層と、第1の面と第2の面とを有する導電層と、絶縁フィルム層と、接着剤層と、を含むカバーレイフィルムであって、前記導電層の第1の面に前記硬化樹脂層が積層され、前記導電層の第2の面に前記絶縁フィルム層が積層され、前記接着剤層が、前記硬化樹脂層の前記導電層が積層された面とは反対側の面に積層されているか、又は、前記絶縁フィルム層の前記導電層が積層された面とは反対側の面に積層されている、カバーレイフィルムと、
(B)絶縁性フィルム上に回路が形成されたフレキシブルプリント配線板本体と、
を含み、
前記(A)カバーレイフィルムが前記(B)フレキシブルプリント配線板本体に貼着されており、
前記(A)カバーレイフィルムと前記(B)フレキシブルプリント配線板本体とを貼着する際に形成される、前記回路の上部にあるカバーレイフィルム中の開口部において、前記開口部の側面に絶縁性被膜が形成された、フレキシブルプリント配線板。
[2]
前記開口部は、フレキシブルプリント配線板に含まれるランド部又は端子部の上部に存在する空間である、上記[1]記載のフレキシブルプリント配線板。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、絶縁性フィルム上に形成された回路上部に存在する開口部に設けられたメッキやはんだから導通が生じることを防止した、絶縁信頼性に優れたフレキシブルプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】絶縁性被膜を形成する前のフレキシブルプリント配線板の断面図を示す。
【図2】本実施形態におけるフレキシブルプリント配線板の断面図を示す。
【図3】開口部をはんだで充填した後のフレキシブルプリント配線板の断面図を示す。
【図4】実施例1で得られた電磁波シールドカバーレイフィルムを用いたFPCの模式図を示す。
【図5】実施例2で得られた電磁波シールドカバーレイフィルムを用いたFPCのランド部を拡大した模式図を示す。
【図6】ランド部及び端子部の上部に存在する開口部の側面にレジストを形成したFPCの模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に記載する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、本実施形態及び後述する実施例において「質量部」とは、固形分換算による質量部のことを示す。
【0010】
本実施形態のフレキシブルプリント配線板は、
(A)硬化樹脂層と、第1の面と第2の面とを有する導電層と、絶縁フィルム層と、接着剤層と、を含むカバーレイフィルムであって、前記導電層の第1の面に前記硬化樹脂層が積層され、前記導電層の第2の面に前記絶縁フィルム層が積層され、前記接着剤層が、前記硬化樹脂層の前記導電層が積層された面とは反対側の面に積層されているか、又は、前記絶縁フィルム層の前記導電層が積層された面とは反対側の面に積層されている、カバーレイフィルムと、
(B)絶縁性フィルム上に回路が形成されたフレキシブルプリント配線板本体と、
を含み、
前記(A)カバーレイフィルムが前記(B)フレキシブルプリント配線板本体に貼着されており、
前記(A)カバーレイフィルムと前記(B)フレキシブルプリント配線板本体とを貼着する際に形成される、前記回路の上部にあるカバーレイフィルム中の開口部において、前記開口部の側面に絶縁性被膜が形成されている。
【0011】
本実施形態における「開口部」とは、フレキシブルプリント配線板において、絶縁性フィルム上に形成された回路の上部に存在する空間のことを示し、通常は、フレキシブルプリント配線板のランド部や端子部の上部に存在する空間のことをいう。
図1は、「開口部」がランド部の上部に存在するときのフレキシブルプリント配線板を示す。本実施形態におけるフレキシブルプリント配線板10は、図2に示すように、カバーレイフィルム20とフレキシブルプリント配線板本体30とを貼着する際に形成される、回路5の上部にあるカバーレイフィルム中の開口部において、前記開口部の側面に絶縁性被膜7が形成されている。これにより、図3に示すように、開口部に導電性のはんだ8を充填した場合でも、カバーレイフィルム中の導電層2とはんだ8が直接接触することがないため、導電を防止することができる。
また、特に図示していないが、「開口部」が端子部の上部に存在するときも同様に、開口部の側面に絶縁性被膜を形成することにより、開口部にはんだやメッキを施した場合でも、カバーレイフィルム中の導電層とはんだやメッキが直接接触することがないため、導電を防ぐことができる。
【0012】
[カバーレイフィルム]
本実施形態のカバーレイフィルムの構成としては、以下の構成(1)又は(2)が挙げられる。
構成(1):硬化樹脂層/導電層/絶縁フィルム層/接着剤層
構成(2):絶縁フィルム層/導電層/硬化樹脂層/接着剤層
本実施形態のカバーレイフィルムは、上記構成のとおり、導電層と接着剤層との間に絶縁フィルム層又は硬化樹脂層を有しているため、カバーレイフィルムを回路面に熱圧着したときに、接着剤層が溶融して回路と導電層が接触して導通することがなく、絶縁信頼性に優れるという特徴を有している。
さらに、本実施形態のカバーレイフィルムは、上記構成のとおり、導電層の外側に硬化樹脂層又は絶縁フィルム層を有しているため、筐体や他の部材との接触(こすれ)により導電層が剥がれたり、削れたりすることがなく、優れた電磁波シールド特性を維持することができる。
上述したとおり、本実施形態のカバーレイフィルムは、上記構成(1)又は(2)を有することにより、長期間に亘って、優れた絶縁信頼性と電磁波シールド特性を両立することができる。
なお、本実施形態のカバーレイフィルムは、上記構成を含んでいれば、必要に応じて保護フィルム層等の上記以外の層を任意の場所に含んでいてもよい。
【0013】
[硬化樹脂層]
本実施形態における硬化樹脂層を構成する樹脂としては、特に限定されず、熱硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを混合した熱硬化型の樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、シアン酸エステル樹脂等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。上記の中でも、耐熱性や可撓性の観点から、エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。
【0014】
また、接着性や可撓性をより向上させる観点から、アクリルゴム等のゴム系樹脂を添加することが好ましい。この場合、ゴム系樹脂の配合量は、硬化樹脂層を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは30〜80質量部である。
【0015】
硬化樹脂層には、上記樹脂の他にも、硬化剤、硬化促進剤、その他の添加剤等が配合されていてもよい。
硬化剤及び硬化促進剤としては、特に限定されるものではなく、各種公知のものを適宜選択して用いることができる。硬化剤としては、具体的には、例えば、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、酸無水物等が挙げられる。硬化剤の配合量は、硬化樹脂層を構成する樹脂の反応性官能基に対する硬化剤官能基のモル比(硬化剤官能基/樹脂の反応性官能基)として、好ましくは0.1〜1.5、より好ましくは0.3〜1.2、さらに好ましくは0.5〜1.0である。硬化促進剤としては、具体的には、例えば、3フッ化ホウ素モノエチルアミン、イミダゾール化合物等が挙げられる。硬化促進剤の配合量は、硬化樹脂層を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.05〜2質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部である。
その他の添加剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、アルミナなどの無機フィラー、界面活性剤、分散剤、リン系難燃剤等の各種公知の添加剤を用いることができる。添加剤の配合量は、目的に応じて適宜調整できる。
【0016】
硬化樹脂層の厚さとしては、特に限定されないが、好ましくは1〜30μm、より好ましくは5〜10μmである。硬化樹脂層の厚さが5μm以上であると、絶縁信頼性が良好となる傾向にあり、10μm以下であると、可撓性が良好となる傾向にある。
【0017】
[導電層]
本実施形態における導電層は、導電性材料を含む層である。導電性材料としては、金属(金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等);導電性粒子(金属粒子等)、導電性繊維(金属繊維等)を樹脂に混合した導電性樹脂(導電ペースト等)等が挙げられる。
導電層の形態としては、金属蒸着膜(メッキ)、金属箔、導電性樹脂からなるフィルム又は塗膜等が挙げられ、屈曲性、薄肉化、耐久性、導電性の観点から、金属蒸着膜が好ましい。
【0018】
[絶縁フィルム層]
本実施形態における絶縁フィルム層を構成する樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。中でも、絶縁性や耐熱性の観点から、ポリイミド樹脂が好ましい。
【0019】
絶縁フィルム層の厚さは、好ましくは4〜50μm、より好ましくは7〜25μmである。絶縁フィルム層の厚さが7μm以上であると、絶縁信頼性が良好となる傾向にあり、25μm以下であると、可撓性が良好となる傾向にある。
【0020】
[接着剤層]
本実施形態における接着剤層を構成する樹脂としては、特に限定されず、上述した硬化樹脂層を構成する樹脂と同様の樹脂が挙げられる。接着剤層を構成する樹脂としては、耐熱性や可撓性の観点から、エポキシ樹脂が好ましい。
【0021】
また、接着剤層には、上記樹脂の他にも、硬化剤、硬化促進剤、その他の添加剤等が配合されていてもよい。硬化剤、硬化促進剤、その他の添加剤の種類については、上述した硬化樹脂層に含まれるものと同様なものが挙げられる。
【0022】
接着剤層の厚さは、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜20μmである。接着剤層の厚さが10μm以上であると、フレキシブルプリント配線板本体との接着性、回路埋め込み性が良好となる傾向にあり、20μm以下であると、可撓性が良好となる傾向にある。
【0023】
[保護フィルム層]
本実施形態における保護フィルム層としては、例えば、接着剤層の硬化樹脂層又は絶縁フィルム層が積層された面とは反対側の面に設けられた離型フィルム層等が挙げられる。保護フィルム層を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂等が挙げられる。
【0024】
さらに、本実施形態のカバーレイフィルムは、硬化樹脂層及び接着剤層の弾性率を特定範囲に調整することにより、スライド摺動特性及び耐はぜ折性を向上させることができる。
カバーレイフィルムが、構成(1):硬化樹脂層/導電層/絶縁フィルム層/接着剤層を有する場合、耐はぜ折性を向上させる観点から、硬化樹脂層の弾性率は、好ましくは0.05〜2GPa、より好ましくは0.1〜1.5GPaであり、スライド摺動特性を向上させる観点から、接着剤層の弾性率は、好ましくは1〜5GPa、より好ましくは2〜4GPaである。
また、カバーレイフィルムが、構成(2):絶縁フィルム層/導電層/硬化樹脂層/接着剤層を有する場合、スライド摺動特性を向上させる観点から、接着剤層の弾性率は、好ましくは1〜5GPaであり、より好ましくは2〜4GPaである。
なお、上記硬化樹脂層及び接着剤層の弾性率は、各層を完全硬化させた後の状態(Cステージ)の弾性率のことを示す。
【0025】
また、カバーレイフィルムが、構成(1):硬化樹脂層/導電層/絶縁フィルム層/接着剤層を有する場合、耐はぜ折性を向上させる観点から、硬化樹脂層の伸び率は、好ましくは10〜100%、より好ましくは40〜70%である。伸び率は、引張り弾性率の測定方法と同じ方法により測定し、算出することができる。
【0026】
硬化樹脂層の弾性率、伸び率及び接着剤層の弾性率は以下の方法により測定することができる。
厚さ30μmの離型PETの離型面に、各樹脂層を形成するワニスを乾燥後の厚さが20μmになるように塗布し、150℃で5分間乾燥後、160℃で1時間加熱硬化する。その後、離型フィルムを剥がし、硬化した樹脂単体の樹脂膜を得る。
得られた樹脂膜を10mmx140mmサイズにカットする。
引張試験機(島津製作所社製オートグラフ)のつかみ部とつかみ部との間の距離が100mmになるように、カットした樹脂膜をセットし、引張速度50mm/minの速度で樹脂膜が破壊するまで引っ張る。
得られたチャートより引張弾性率及び伸び率を算出する。
【0027】
FPCのスライド摺動特性は以下の方法により評価することができる。
FPCをスライド屈曲試験機(有沢製作所社製)にて、屈曲半径0.65mmR、速度60rpm、ストローク50mm、カバーレイフィルムが外側になる状態で繰り返しスライド屈曲を行い、端子間の抵抗値が屈曲前の抵抗値の20%上昇するまでの屈曲回数を測定する。
通常、スライド屈曲回数が20万回以上である場合に、スライド摺動特性は良好であると判断できる。
【0028】
FPCの耐はぜ折り性は以下の方法により評価することができる。
FPCをカバーレイフィルムが外側になる状態で180°折曲げ、200gf/cmの荷重をかける。一度、フラットに戻した後、さらに、その折曲げた部分をカバーレイフィルムが内側になる状態で180°折曲げ、200gf/cmの荷重をかける。これを5回繰り返した後に、硬化樹脂層にひびや割れなどの異常がないかを拡大鏡で確認する。
【0029】
硬化樹脂層及び接着剤層の弾性率や伸び率を上記範囲に調整する方法としては、硬化剤の量や、ゴム、無機フィラーの量、硬化条件を適宜設定して、各層の硬化状態を調整する方法等が挙げられる。
【0030】
[カバーレイフィルムの製造方法]
本実施形態におけるカバーレイフィルムの製造方法としては、特に限定されず、例えば以下の(a)〜(c)の工程を有する方法により製造することができる。
(a)絶縁フィルム層の片面に金属メッキ処理を施して、導電層付き絶縁フィルムを得る工程、
(b)前記導電層付き絶縁フィルムの導電層面側に硬化樹脂層を形成するワニスAを塗布し、加熱硬化させることにより、硬化樹脂層及び導電層付き絶縁フィルムを得る工程、
(c)前記(b)工程で得られた絶縁フィルムの硬化樹脂層が積層された面とは反対側の面に、接着剤層を形成するワニスBを塗布し、乾燥する工程。
以下、各工程について説明する。
【0031】
[(a)工程]
(a)工程は、(a)絶縁フィルム層の片面に金属メッキ処理を施して、導電層付き絶縁フィルムを得る工程である。
(a)工程における金属メッキ処理は、物理的蒸着法(EB蒸着法、イオンビーム蒸着法、スパッタ法等)、真空蒸着法等により行うことができ、中でも、真空蒸着法が好ましい。
【0032】
[(b)工程]
(b)工程は、前記導電層付き絶縁フィルムの導電層面側に硬化樹脂層を形成するワニスAを塗布し、加熱硬化させることにより、硬化樹脂層及び導電層付き絶縁フィルムを得る工程である。
(b)工程におけるワニスAは、硬化樹脂層に含まれる樹脂、硬化剤等と、溶剤とを含むものである。ワニスAに用いられる溶剤としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
【0033】
ワニスAを塗布する方法としては、塗布厚さに応じて、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーターなどを適宜採用することができる。
【0034】
導電層付き絶縁フィルムに塗布されたワニスAを加熱硬化する方法としては、特に限定されないが、一定の硬化・乾燥条件で半硬化状態(以下、「Bステージ」ともいう。)になるまで硬化・乾燥させた後、より高い温度で乾燥してほぼ完全に硬化させることが好ましい。例えば、ワニスAに含まれる樹脂がビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤がジアミノジフェニルスルホンである場合、150℃で5分間乾燥した後、160℃で1時間加熱硬化することにより完全硬化させることができる。
【0035】
[(c)工程]
工程(c)は、前記(b)工程で得られた絶縁フィルムの硬化樹脂層が積層された面とは反対側の面に、接着剤層を形成するワニスBを塗布し、乾燥する工程である。
(c)工程におけるワニスBは、接着剤層に含まれる樹脂、硬化剤等と、溶剤とを含むものである。ワニスBに用いられる溶剤としては、上述したワニスAと同様のものが挙げられる。また、ワニスBを塗布する方法としては、上記と同様の方法を用いることができる。
【0036】
硬化樹脂及び導電層付き絶縁フィルムに塗布されたワニスBを乾燥する方法としては、特に限定されないが、一定の硬化・乾燥条件でBステージまで硬化・乾燥させることが好ましい。例えば、ワニスAに含まれる樹脂がビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤がジアミノジフェニルスルホンである場合、150℃で5分間乾燥することによりBステージにすることができる。
なお、上述した(b)工程及び(c)工程における硬化条件は、主剤の樹脂、硬化剤の量等により適宜調整することができる。
【0037】
本実施形態のカバーレイフィルムが、保護フィルム層を有する場合、例えば、以下の(d)工程により保護フィルム層を更に設けることができる。
(d)前記(c)工程により設けられた接着剤層の硬化樹脂層又は絶縁フィルム層が積層された面とは反対側の面に、保護フィルム層を構成する樹脂フィルムを対向して貼り合わせる工程。
ここで、樹脂フィルムを貼り合わせる方法としては、プレスによる方法、熱ロールを使用したラミネート方法等を用いることができる。貼り合わせ条件は、例えば、温度40〜120℃、圧力0.1〜3MPaの範囲で行うことができる。
【0038】
[フレキシブルプリント配線板]
フレキシブルプリント配線板は、本実施形態の(A)カバーレイフィルムと、(B)絶縁性フィルム上に回路が形成されたフレキシブルプリント配線板本体と、を含み、前記(A)カバーレイフィルムが前記(B)フレキシブルプリント配線板本体に貼着されており、さらに、前記(A)カバーレイフィルムと前記(B)フレキシブルプリント配線板本体とを貼着する際に形成される、前記回路の上部にあるカバーレイフィルム中の開口部において、前記開口部の側面に絶縁性被膜が形成されたものである。
【0039】
ここで、フレキシブルプリント配線板本体とは、金属張り積層板の金属箔を既存のエッチング手法により所望の形状のパターンに形成したものである。
本実施形態におけるフレキシブルプリント配線板は、例えば、金属箔上に露出した回路形成面にカバーレイフィルムを積層し、所定の条件で加熱加圧して貼着し、さらに回路上部の開口部の側面に絶縁性被膜を形成することにより作製することができる。
【0040】
金属張り積層板とは、ポリイミド樹脂等からなる絶縁性の樹脂層が、金属箔上に積層されたものである。金属張り積層板としては、金属箔、樹脂層、及び接着剤層から構成される3層フレキシブル金属積層板でも、金属箔と樹脂層から構成される2層フレキシブル金属積層板のいずれでもよい。
【0041】
樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。
【0042】
金属箔としては、銅箔、SUS箔、アルミ箔等が挙げられるが、導電性、回路加工性の観点から、銅箔が好ましい。また、金属箔を使用する場合は、亜鉛メッキ、クロムメッキ等による無機表面処理、シランカップリング剤等による有機表面処理を施してもよい。
【0043】
接着剤層を構成する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂から選択される1種以上の樹脂を含むことができる。また、接着剤層には、硬化度合いを調整する目的で前記樹脂の種類に合わせて硬化剤などの添加剤を加えることができる。
【0044】
本実施形態のフレキシブルプリント配線板の回路の上部にあるカバーレイフィルム中の開口部とは、絶縁フィルム上に形成された回路の上部に存在する空間を示し、通常は、フレキシブルプリント配線板のランド部や端子部の上部に存在する空間のことをいう。ここで、フレキシブルプリント配線板のランド部や端子部は、例えば、金型による打ち抜きやルーターによりカバーレイフィルムを開口した得た後、得られた開口カバーレイフィルムの接着剤層面を回路形成面に合わせて熱プレスを行うことにより作成することができる。カバーレイを開口する方法としては、特に限定されず、ドリル穴あけ、パンチ穴あけ、レーザー穴あけ等のいずれの方法でもよい。
【0045】
本実施形態においては、前記回路の上部にあるカバーレイフィルム中の開口部において、前記開口部の側面に絶縁性被膜が形成されている。これにより、開口部に導電性のはんだやメッキを設けた場合でも、カバーレイフィルム中の導電層と、はんだやメッキが直接接触することがないため、導電を防ぐことができる。
開口部の側面に絶縁性被膜を形成する方法としては、例えば、上述した開口カバーレイフィルムを用いたFPCに、所定の部分(レジストを塗布したい部分)がメッシュ構造になったスクリーン印刷版(例えばメッシュスクリーン)を用いて、レジストを塗布した後、露光、加熱することにより形成することができる。なお、露光後、必要に応じて現像を行ってもよい。
【0046】
絶縁性被膜を形成するレジストとしては、特に限定されないが、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系等のフォトレジストが挙げられる。
【0047】
フォトレジストを露光する際の光源としては、特に限定されず、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の、紫外線、可視光等の活性光源を有効に放射するものを用いることができる。また、レーザー直接描画露光法によって露光を行ってもよい。
【0048】
本実施形態において、開口部に設けられるはんだやメッキは公知の方法により行うことができる。
開口部にはんだを設ける方法としては、例えば、FPCを溶解したはんだ浴へ浸漬するか、或いは、FPCへ溶解したはんだを吹付けて付着させることにより行うことができる。また、ペースト状のはんだをメッシュスクリーンでFPCに印刷し、加熱炉を通す方法によっても行うことができる。
開口部にメッキを設ける方法としては、例えば、FPCを所定の金属を含有した電解液に浸し、回路側を一つの電極として通電させ、回路表面に金属を析出させる電解メッキ法や、触媒となる物質(パラジウム等)を付着させて回路表面に金属を析出させる無電解メッキ法等により行うことができる。
【0049】
本実施形態のフレキシブルプリント配線板は、例えば、携帯電話内部の可動部分フレキシブルプリント配線板として好適に適用される。
【0050】
なお、本明細書中の各物性の測定及び評価は、特に明記しない限り、以下の実施例に記載された方法に準じて行うことができる。
【実施例】
【0051】
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例において、各物性の測定及び評価は以下の方法により行った。
【0052】
(各層の厚さ)
導電層以外の各層の厚さは、膜厚計(ミツトヨ社製LITEMATIC VL−50)により測定した。
導電層の厚さは、蛍光X線(リガク社製RIX―2000)により測定した。
【0053】
(端子部メッキ又はランド部はんだ後の回路間抵抗値の評価方法)
回路間の絶縁抵抗値を絶縁抵抗測定器(アドバンテスト社製R8340A)にて測定した。通常、1E+10Ω以上の抵抗値があれば絶縁性は保たれていると判断される。
【0054】
(ワニスAの調製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂「JER1001(三菱化学社製)」100質量部、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン8質量部、3フッ化ホウ素モノエチルアミン0.5質量部、アクリルゴム「ベイマックG(三井デュポンポリケミカル社製)」80質量部をトルエン180質量部、メチルエチルケトン100質量部に溶解し、ワニスAを得た。
【0055】
(ワニスBの調製)
トリス・ヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂「JER1032(三菱化学社製)」30質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂「JER828(三菱化学社製)」70質量部、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン20質量部、3フッ化ホウ素モノエチルアミン0.5質量部、フェノキシ樹脂「YX8100(三菱化学社製)」30質量部をシクロヘキサノン70質量部、メチルエチルケトン80質量部に溶解し、ワニスBを得た。
【0056】
(導電層付き絶縁フィルムの作製)
ポリイミドフィルム「カプトン50EN(東レデュポン社製)」の片面に真空蒸着法により、Cuメッキを行い100nmのメッキ層を形成した導電層付き絶縁フィルムを得た。
【0057】
(実施例1)
上記で得られた導電層付き絶縁フィルムの導電層面にワニスAを乾燥後の厚さが5μmとなるよう塗布し、150℃で5分間乾燥し、その後、160℃で1時間加熱硬化し、硬化樹脂層(A)及び導電層付き絶縁フィルムを得た。
さらに硬化樹脂層面側にワニスBを乾燥後の厚さが10μmとなるよう塗布し、150℃で5分間乾燥し、接着剤層(B)を形成した。
この接着剤層(B)に、保護フィルム層として離型PETフィルムの離型面を対向し、ロールラミネートにより貼りあわせ、電磁波シールドカバーレイフィルムを得た。
【0058】
ポリイミド層12.5μm、圧延銅箔12μmからなる片面銅張り板「PNS H0512RAH(有沢製作所社製)」にライン/スペース=100μm/100μmの回路を形成し、この回路形成面に、上記で得られた電磁波シールドカバーレイフィルムの保護フィルムを剥離した接着剤層面を合わせ、160℃、3Mpaで1時間のプレスを行い、電磁波シールドカバーレイフィルムを貼り合わせたFPCを得た。図4は、得られた電磁波シールドカバーレイフィルムを用いたFPCの模式図を示す。
このFPCのカバーレイフィルムと銅回路の境界部にレジストインク「NPR−80/ID60(日本ポリテック社製)」を150メッシュスクリーン印刷により乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、80℃で30分乾燥、露光機にて500mJ/cmのUV光を照射、150℃で30分加熱を順次行い、絶縁性被膜(レジスト)を形成したFPCを得た。
得られたFPCの端子部の上部に、電解メッキ法により、厚さ10μmのNiメッキを形成した。
【0059】
(比較例1)
実施例1と同様の方法により電磁波シールドカバーレイフィルム付きFPCを作製した。
得られたFPCの端子部の上部に、電解メッキ法により、厚さ10μmのNiメッキを形成した。
実施例1及び比較例1で得られたFPCの断面構成(イメージ)、各層の厚さ、及び端子部メッキ後の回路間抵抗値を表1に示した。
【0060】
【表1】

【0061】
(実施例2)
片面銅張り板「PNS H0512RAH(有沢製作所社製)」に、600μmφの円形と100μmのラインが接続された回路で、且つ円形が400μm間隔の回路を形成した。
実施例1で得られた電磁波シールドカバーレイフィルムに、金型での打ち抜きにより400μmφの開口部を形成した。
次に、片面銅張り板の回路形成面に、開口部400μmφを形成した電磁波シールドカバーレイの接着剤面を合わせて、160℃、3Mpaで1時間のプレスを行い、電磁波シールドカバーレイを貼り合わせたFPCを得た。図5は、得られた電磁波シールドカバーレイフィルムを用いたFPCのランド部を拡大した模式図を示す。
このFPCのカバーレイフィルムと銅回路の境界部にレジストインク「NPR−80/ID60(日本ポリテック社製)」を150メッシュスクリーン印刷により乾燥後厚さ20μmとなるように塗布し、80℃で30分乾燥、露光機にて500mJ/cmのUV光を照射、150℃で30分加熱を順次行い、絶縁性被膜(レジスト)を形成したFPCを得た。
上記で作製したFPCを、溶解したはんだ浴へ浸漬してランド部にはんだを充填した。
【0062】
(比較例2)
実施例2と同様の方法により電磁波シールドカバーレイフィルムを用いたFPCを作製した。
上記で作製したFPCを、溶解したはんだ浴へ浸漬してランド部にはんだを充填した。
実施例2及び比較例2で得られたFPCの断面構成(イメージ)、各層の厚さ、及びランド部はんだ後の回路間抵抗値を表2に示した。
【0063】
【表2】

【0064】
図6は、ランド部及び端子部の上部に存在する開口部の側面にレジストを形成したFPCの模式図を示す。
表1及び表2の結果から、本実施形態のフレキシブルプリント配線板は、絶縁性フィルム上に形成された回路上部に存在する開口部に設けられたメッキやはんだから導通が生じることがなく、絶縁信頼性に極めて優れていることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明により、絶縁性フィルム上に形成された回路上部に存在する開口部に設けられたメッキやはんだから導通が生じることを防止した、絶縁信頼性に優れたフレキシブルプリント配線板を提供することができる。
【符号の説明】
【0066】
1:硬化樹脂層又は絶縁フィルム層
2:導電層
3:硬化樹脂層又は絶縁フィルム層
4:接着剤層
5:回路
6:絶縁フィルム
7:絶縁性被膜
8:はんだ
10:フレキシブルプリン配線板
20:カバーレイフィルム
30:フレキシブルプリント配線板本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)硬化樹脂層と、第1の面と第2の面とを有する導電層と、絶縁フィルム層と、接着剤層と、を含むカバーレイフィルムであって、前記導電層の第1の面に前記硬化樹脂層が積層され、前記導電層の第2の面に前記絶縁フィルム層が積層され、前記接着剤層が、前記硬化樹脂層の前記導電層が積層された面とは反対側の面に積層されているか、又は、前記絶縁フィルム層の前記導電層が積層された面とは反対側の面に積層されている、カバーレイフィルムと、
(B)絶縁性フィルム上に回路が形成されたフレキシブルプリント配線板本体と、
を含み、
前記(A)カバーレイフィルムが前記(B)フレキシブルプリント配線板本体に貼着されており、
前記(A)カバーレイフィルムと前記(B)フレキシブルプリント配線板本体とを貼着する際に形成される、前記回路の上部にあるカバーレイフィルム中の開口部において、前記開口部の側面に絶縁性被膜が形成された、フレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
前記開口部は、フレキシブルプリント配線板に含まれるランド部又は端子部の上部に存在する空間である、請求項1記載のフレキシブルプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−49369(P2012−49369A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190824(P2010−190824)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000155698)株式会社有沢製作所 (117)
【Fターム(参考)】