説明

フレキシブル多層配線板およびその製造方法

【課題】耐屈曲性に優れるケーブル部分を有し、薄くかつ高密度な部品実装に対応可能な多層フレキシブルプリント配線板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】絶縁ベース材5の少なくとも一方の面に導電パターン6が形成された内層配線体111,121,131を利用して形成された、実装部およびケーブル部を有する多層フレキシブル配線板において、前記実装部は、剛性材と接着性樹脂との複合体層4が前記導電パターン1を被覆するように形成され、前記ケーブル部は、前記剛性材を含まない接着剤層3が形成され、前記複合体層および前記接着剤層における前記導電パターンと接しない面が1枚の連続する絶縁フィルム2で被覆される、ことを特徴とする多層フレキシブル配線板、およびその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐屈曲性に優れるケーブル部分を有し、薄くかつ高密度な部品実装に対応可能な多層フレキシブルプリント配線板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やデジタルカメラ、ノートパソコンなどに代表されるモバイル電子機器には、軽薄短小化が特に強く要求されている。そのため、モバイル電子機器を軽薄短小化し、かつ使い易くするためには、折り畳み型やスライド型などの筺体デザインが多く採用されている。
【0003】
このような優れたデザインの実現には、折り畳み動作やスライド動作で稼動するヒンジ構造と、そのヒンジ構造の内部を通して電気信号を伝送できる配線が必要である。
【0004】
稼動するヒンジ内部の電気信号の伝送には、動的屈曲状態でも信号伝送が可能なフレキシブルプリント配線板が主に用いられており、ヒンジ部に使用されるフレキシブルプリント配線板には、10万回レベルの繰り返しの屈曲動作において、機械的、電気的に耐えることが要求されている。
【0005】
一方、モバイル電子機器では、高画質の静止画/動画データなど、処理するデータのサイズは急速に大きくなっており、また情報処理の高速化も求められている。一方で、高度な機能を有する半導体を低コストに提供するために半導体の微細化が進み、合わせてBGA、CSPなどの半導体パッケージも小型化している。BGA・CSPのバンプピッチも、ピッチ0.8mm、0.5mm、0.4mm、0.3mmと小さくなってきており、フレキシブルプリント配線板を含む配線板には、上記の狭ピッチの半導体の半導体パッケージを実装できることが必須として求められてきている。
【0006】
さらに、モバイル電子機器には、モバイルするための軽薄短小化が非常に強く求められており、使用される基板自体にも0.1mm単位、1g単位での薄型軽量化が常に求められている。
【0007】
上記を纏めると、現在および将来において、フレキシブルプリント配線板には、以下の3つの条件を満たすことが必要となっている。
1) 耐屈曲性を有するフレキシブルな電気配線ケーブル部を有すること。
2) 高密度な狭ピッチの半導体パッケージを実装できること。
3) 薄型軽量であること。
【0008】
現在、耐屈曲性を有するフレキシブルなケーブル部を形成し、かつ高密度なCSPを実装するための多層FPCの構造としては、図6に示す構造が用いられている。
【0009】
この図6に示すように、従来の多層フレキシブル配線板の構造においては、耐屈曲性を有するフレキシブルなケーブル部を形成するため、ケーブル部となる内層FPCのカバーにカバーフィルムを用いており、またCSP等の高密度パッケージを実装可能とする配線設計のビルドアップ層の形成を、先述の内層カバーフィルム上の上に更にプリプレグ層等の積層接着剤を用いて片面FPCや両面FPCを積層、ビア加工を行なう構造としている。
【0010】
しかし、上記の従来構造には以下の課題がある。
(1) 実装部となるビルドアップ部の厚みが厚くなり、基板の軽薄短小化を妨げている。
(2) ビルドアップ部が厚いためレーザーにてビアを形成する際、レーザー加工に時間がかかるばかりでなく、ビア深さが深くなるため、ビアめっきにも時間がかかる。
(3) またビアフィルをめっきしない場合、ビア中の空洞の体積が増えることより、ビア穴上で部品実装を行うビアオンチップの際に、部品に付くべきはんだがビア穴に喰われてはんだ接続が不均一になる現象や、ボイド残りといった、実装品質上好ましくない現象が発生し易くなっている。
【特許文献1】特許第2708980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1には、多層フレキシブル配線板を薄く低コストにするための発明がなされている。しかし、薄型の多層フレキシブル配線板に求められる実装部分の剛性とケーブル部分の柔らかさおよび耐屈曲性との両立については一切言及されておらず、また解決策が示されていない。
【0012】
本発明は上述の点を考慮してなされたもので、耐屈曲性に優れるケーブル部分を有し、薄くかつ高密度な部品実装に対応可能な多層フレキシブルプリント配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的達成のため、本願では、次の物および製法の発明を提供する。
【0014】
まず物の発明として、請求項1記載の、
絶縁ベース材の少なくとも一方の面に導電パターンが形成された内層配線体を利用して形成された実装部およびケーブル部を有する多層フレキシブル配線板において、
前記実装部は、剛性材と接着性樹脂との複合体層が前記導電パターンを被覆するように形成され、
前記ケーブル部は、前記剛性材を含まない接着剤層が形成され、
前記複合体層および前記接着剤層における前記導電パターンと接しない面が1枚の連続する絶縁フィルムで被覆される、
ことを特徴とする多層フレキシブル配線板、
があり、次に製法の発明として、請求項4ないし6記載の発明がある。
【0015】
すなわち、
(a)請求項4記載の、
絶縁フィルムの一方の面に導電パターンが、他方の面に剛性材と接着性樹脂との複合体層および前記剛性材を含まない前記接着性樹脂による接着層が形成された外層積層材を用意し、
絶縁ベース材の少なくとも一面に導電層が形成された内層配線体を用意し、
前記内層配線体の少なくとも一面に、少なくとも一つの前記外層積層材を前記複合体および前記接着層を有する面と重ね合わせて積層することにより積層配線板を形成し、
前記積層配線板にビアおよびスルーホールの少なくとも一方を形成し、
前記積層配線板に必要なめっき層を形成し、
前記接着層が形成された部分に対応する部分の前記めっき層を除去してケーブル部を形成する
実装部とケーブル部とを有する多層フレキシブル配線板の製造方法、
であり、
(b)請求項5記載の、
絶縁フィルムの一方の面に導電層が形成された外層積層材を用意し、
絶縁ベース材の少なくとも一面に導電パターン、ならびにこの導電パターンに重ねて剛性材と接着性樹脂との複合体層および前記剛性材を含まない前記接着性樹脂による接着層が形成された内層配線体を用意し、
前記内層配線体の少なくとも一面に、少なくとも一つの前記外層積層材を前記複合体および前記接着層を有する面と重ね合わせて積層することにより積層配線板を形成し、
前記積層配線板にビアおよびスルーホールの少なくとも一方を形成し、
前記積層配線板に必要なめっき層を形成し、
前記接着層が形成された部分に対応する部分の前記めっき層を除去してケーブル部を形成する
実装部とケーブル部とを有する多層フレキシブル配線板の製造方法、
であり、
(c)請求項6記載の、
絶縁フィルムの一方の面に導電層、およびこの導電層を覆う剥離可能なカバーが設けられ、他方の面に剛性材と接着性樹脂との複合体層および前記剛性材を含まない前記接着性樹脂による接着層が形成された外層積層材を用意し、
絶縁ベース材の少なくとも一面に導電パターンが形成された内層配線体を用意し、
前記内層配線体の少なくとも一面に、前記外層積層材を前記複合体および前記接着層を有する面と接するように積層することにより積層配線板を形成し、
前記積層配線板にビアおよびスルーホールの少なくとも一方を形成し、
前記積層配線板に必要なめっき層を形成し、
前記接着層が形成された部分に対応する部分の前記めっき層を除去してケーブル部を形成する
実装部とケーブル部とを有する多層フレキシブル配線板の製造方法、
である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように、実装部を構成する絶縁フィルムおよび接着剤の層数を減らすことができ、基板の薄型化が容易となる。この結果、層間導通のためのビア加工用のレーザー穴開け加工やビアめっき、ビアフィルめっきのための加工時間およびコストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1ないし図6に基づいて本発明の実施形態について説明する。図1および図2は、本発明に係る多層フレキシブル配線板の2つの構造例を示している。図3ないし図6は、本発明に係る4つの製造方法例を示している。
【0018】
(第1の構造例)
図1に本発明の基本構造の一つとなる、4層構造による多層フレキシブルプリント配線板の断面構造を示す。
【0019】
(第2の構造例)
図2に本発明の基本構造の他の一つとなる、6層構造による多層フレキシブルプリント配線板の断面構造を示す。
【0020】
(製造方法)
図3ないし図6に、本発明による多層フレキシブルプリント配線板の製造方法を示す。
【0021】
(製造方法1)
図3は、本発明に係る製造方法の第1の実施例を示している。この第1の実施例は、下記(1)ないし(5)の工程により構成される。
(1) 絶縁フィルム2の片側に導電金属箔1が形成され、絶縁フィルム2を挟んで導電金属箔1とは反対側の面上で、少なくとも実装部の構成要素となる部分には剛性材としてのガラスクロスおよび接着性樹脂を構成要素とするプリプレグ層4が形成され、ケーブル部の構成要素となる部分にはガラスクロスを構成要素として含まない有機接着剤3が形成されている外層積層材111を用意する。
絶縁フィルム2の材質としては、ポリイミド、ポリアミド、LCP(液晶ポリマー)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、などのフレキシブルプリント配線板で使用される絶縁フィルムを用いることができる。導電金属箔1の材質としては、各種圧延銅箔、電解銅箔が可能である。
接着剤3の材質としては、片面FPCや両面FPCを製造する際に用いるカバーフィルム用接着剤などの、ガラスクロスを含まず曲げ易く耐屈曲性に優れる接着材が利用可能である。プリプレグ層4としては、ガラスクロスを含むエポキシ系やイミド系、BTレジン(登録商標)系等のプリプレグが利用可能である。
(2) 絶縁ベース材5に導電パターン6が形成された内層配線体112を用意する。
(3) この内層配線体112の導電パターン面と、上記工程(1)により形成された外層積層材111のリリースを剥離した接着剤面とが対面する向きに重ね合わせて、内層配線体112と外層積層材111とを真空ラミネートプレスで積層して積層配線板100を形成する。
(4) 上記工程(3)で作製した積層配線板100の導電層1のある面から、導電層1、絶縁フィルム2およびプリプレグ層4をCO2レーザー等で部分的に除去し、内層配線体112の上に形成された導電パターン6の表面を露出させる。
次いで、デスミア処理などの必要なクリーニング工程を経てビアとする下穴7を形成する。レーザー加工と前後して、ドリル加工によるスルーホールの下穴7の加工およびデスミア処理を行うことも可能である。
(5) 上記工程(4)の後、積層配線板100の露出面に導電化処理および電解銅めっき等を行い、めっき層8を形成する。このめっき層8が、ビアやスルーホールの層間導通を行う。めっきとして、ビアフィルめっきや、スルーホールフィルめっきなどの、フィルドめっき技術を用いることで、ビア穴内及びスルーホール穴内を導電金属で埋めることも可能である。
【0022】
上記工程(5)の積層配線板100のケーブル部に相当するめっき層8の上に、エッチング用のドライフィルム(図示せず)を形成し、不要の金属部分をエッチングにより除去して導電層8を形成する。
【0023】
この最外層の導電層8の形成方法としては、先の工程(4)の後、セミアディティブ用のめっきレジストにて逆パターンを形成し、電気銅めっきで導電パターンおよび層間導通路を同時に形成し、先の金属層1を、ソフトエッチングにより除去して形成することも可能である。
【0024】
この後、実装部の導電層8の上に、ソルダーレジストを形成し、金めっきやはんだめっき等の必要な表面処理を施した後、部品実装する。
【0025】
(製造方法1の効果)
これらの特徴により、製造方法1は次のような効果を有する。
【0026】
まず、実装部となるビルドアップ部の絶縁材の材料構成層数を減らすことができ、基板の薄型化が容易となる。
【0027】
また、ビルドアップ部絶縁材をより薄くできることは、層間導通のためのビア加工用のレーザー穴開け加工やビアめっき、ビアフィルめっきのための加工時間およびコストの削減を可能とする。
【0028】
さらに、ビアフィルめっきや穴埋めを行わない場合の、ビア中の空洞の体積を減らすことができ、ビア穴上で部品実装を行うビアオンチップの際に、部品に付くべきはんだがビア穴に喰われてはんだ接続が不均一になる現象や、ボイド残りといった、実装品質上好ましくない現象を減らす効果が期待できる。
【0029】
さらにこの製造方法においては、ガラスクロスを含む高剛性なプリプレグ層の厚みおよび適用箇所を最適化することで、多層フレキシブル基板の製造工程をロールツーロール化できるようになり、多層フレキシブル配線板の製造工程の自動化、歩留まりの向上および低コスト化が可能となる。
【0030】
(製造方法2)
図4は、本発明に係る製造法の第2の実施例を示している。この第2の実施例は、下記(1a)ないし(6)の工程により構成される。
(1a) 絶縁フィルム2の片側に導電パターン1としての金属箔が形成された外層積層材121を用意する。絶縁フィルム2の材質としては、ポリイミド、ポリアミド、LCP、PEN、などのフレキシブルプリント配線板で用いられる絶縁フィルム材の適用が可能である。導電金属箔1の材質としては、各種圧延銅箔、電解銅箔が可能である。
(2a) 導電パターン1が形成された内層配線体122の導電パターン面の、少なくとも実装部となる部分には、剛性材としてのガラスクロスおよび接着性樹脂を構成要素とするプリプレグ層4が形成され、少なくともケーブル部の構成要素となる部分にはガラスクロスを構成要素として含まない接着性樹脂3が形成されている内層配線体122を用意する。
(3) 上記内層配線体122上に、外層積層材121を、真空熱プレス等で積層する。
(4) 上記工程(3)における外層積層材122の最外層の導電層1の面から、導電層(金属箔)1と絶縁フィルム2および接着剤層3をCO2レーザー等で部分的に除去し、内層配線体122に形成された導電パターン6の表面を露出させ、ビアとなる下穴7を形成する。レーザー加工と前後して、ドリル加工によるスルーホールの下穴加工を行うこともできる。
(5) 上記工程(4)の後、デスミア処理などの必要なクリーニング工程を実施した後、さらに導電化処理および電解銅めっきを行い、めっき層8を形成し、層間導電構造であるビアやスルーホールを形成する。めっき方法として、いわゆるビアフィルめっきや、スルーホールフィルめっきなどの、フィルドめっき技術を用いることで、ビア穴内及びスルーホール穴内を導電金属で埋めることも可能である。
(6) 上記工程(5)の積層配線板100のめっき層8の上に、エッチング用のドライフィルムを形成し、不要の金属部分をエッチング除去し、導電パターン8を形成する。
【0031】
(製造方法2の効果)
この後、部品実装部の導電パターン8の上に、ソルダーレジストを形成し、金めっきやはんだめっき等に必要な表面処理を施した後、部品実装することが可能である。これらの特徴により、図3で説明した製造方法1と同等の効果を有する。
【0032】
(製造方法3)
図5は、本発明に係る製造方法の第3の実施例を示している。この第3の実施例は、下記の工程により構成される。
【0033】
この図5に示した実施例では、図3の工程(1)で用いた導電パターン1に替えていわゆる剥離可能な(「ピーラブル」と呼ばれる)金属箔を用いる。この金属箔は、薄い導電金属箔のハンドリング性を向上させるために、薄い金属箔とそのカバーとしての厚い金属箔が積層され、必要に応じて厚い金属箔を容易に剥離除去できる多層構造の積層金属箔として構成されている。
【0034】
工程(1b)では、絶縁フィルム2の一方の面に、導電パターン1となる薄い金属箔およびカバー9としての厚い金属箔が積層され、他方の面に、少なくとも実装部の構成要素となる部分には剛性材としてのガラスクロスおよび接着性樹脂を構成要素とするプリプレグ層4が形成され、ケーブル部の構成要素となる部分には剛性材であるガラスクロスを構成要素として含まない有機接着剤3が形成されている外層積層材131を用意する。
【0035】
工程(2)は、内層配線体132を形成する工程であり、製造方法1における工程(2)と同じである。
【0036】
工程(3-1)および(3-2)は、製造方法1および同2における工程(3)に相当するが、外層積層材131としてピーラブルな材料を用いており、その剥離前後を示すために2工程として図示している。
【0037】
図5の工程(4)以降は、図3および図4の工程(4)以降と同様である。
【0038】
(製造方法3の効果)
製造方法3では、製造工程でハンドリングして形成できるめっき前の最外層銅箔の厚みを製造方法1に比較して薄くできるため、レーザー加工の負荷の低減、めっき後の導体総厚の低減によりサブトラクティブ法での微細パターンの加工性の向上、まためっき前の銅箔をセミアディティブ法のシード層として用いることで、セミアディティブ法による微細配線およびビアを同時めっき形成した後の、シード層のソフトエッチング除去がより効率的に行える。
【0039】
図6は、本発明に係る製造方法の第4の実施例を示している。この第4の実施例は、下記の工程により構成される。
【0040】
工程(1)では、製造方法1の工程(1)と同じ外層積層材141を用意する。
【0041】
工程(2b)では、図3に示した製造方法1の内層配線体112に替えて層間導通をスルーホールで形成した内層配線体142を用意する。
【0042】
工程(3)では、外層積層材141と内層配線体142とを製造方法1の工程3と同様に積層し、積層配線板100を形成する。
【0043】
工程(4b)では、積層配線板100を構成する内層配線体142のスルーホールの中心位置に合わせて外層積層材141に層間導通用の下穴7を、図3に示した製造方法1の工程4と同様にレーザー加工により形成する。
【0044】
工程(5)以降は、図3ないし図5の工程(5)以降と同様である。
【0045】
(製造方法4の効果)
製造方法4では、層間導通構造として最外層間をスルーホールで導通する、いわゆる貫通スルーホール構造の下穴を、ドリル加工ではなくレーザー加工で形成できる。これにより、ビアと貫通スルーホールとを混在させた設計も可能となり、配線板設計の自由度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る多層フレキシブル配線板の第1の実施例の構造を示す断面図。
【図2】本発明に係る多層フレキシブル配線板の第2の実施例の構造を示す断面図。
【図3】本発明に係る製造方法の第1の実施例を示す工程図。
【図4】本発明に係る製造方法の第2の実施例を示す工程図。
【図5】本発明に係る製造方法の第3の実施例を示す工程図。
【図6】本発明に係る製造方法の第4の実施例を示す工程図。
【図7】従来の構造を示す断面構成図。
【符号の説明】
【0047】
1 導電パターン(導電箔)、2 絶縁フィルム、3 接着剤層、4 プリプレグ層、
5 絶縁ベース材、6 導電パターン、7 ビア下穴、8 導電パターン、9 導電パターン、
100 積層配線板、111,121,131,141 外層積層材、
112,122,132,142 内層配線体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁フィルムの少なくとも一方の面に導電パターンが形成された内層配線体を利用して形成された、実装部およびケーブル部を有する多層フレキシブル配線板において、
前記実装部は、剛性材と接着性樹脂との複合体層が前記導電パターンを被覆するように形成され、
前記ケーブル部は、前記剛性材を含まない接着剤層が形成され、
前記複合体層および前記接着剤層における前記導電パターンと接しない面が1枚の連続する絶縁フィルムで被覆される、
ことを特徴とする多層フレキシブル配線板。
【請求項2】
請求項1記載の多層フレキシブル配線板において、
前記複合体層は、ガラスクロスと接着性樹脂との複合体としてのプリプレグ層であることを特徴とする多層フレキシブル配線板。
【請求項3】
請求項2記載の多層フレキシブル配線板において、
前記プリプレグ層と前記絶縁フィルムとの間に、更なる内層導電パターンが形成されたことを特徴とする多層フレキシブル配線板。
【請求項4】
絶縁フィルムの一方の面に導電層が、他方の面に剛性材と接着性樹脂との複合体層および前記剛性材を含まない前記接着性樹脂による接着層が形成された外層積層材を用意し、
絶縁ベース材の少なくとも一面に導電パターンが形成された内層配線体を用意し、
前記内層配線体の少なくとも一面に、少なくとも一つの前記外層積層材を前記複合体および前記接着層を有する面と重ね合わせて積層することにより積層配線板を形成し、
前記積層配線板にビアおよびスルーホールの少なくとも一方を形成し、
前記積層配線板に必要なめっき層を形成し、
前記接着層が形成された部分に対応する部分の前記めっき層を除去してケーブル部を形成する
実装部とケーブル部とを有する多層フレキシブル配線板の製造方法。
【請求項5】
絶縁フィルムの一方の面に導電層が形成された外層積層材を用意し、
絶縁ベース材の少なくとも一面に導電パターン、ならびにこの導電パターンに重ねて剛性材と接着性樹脂との複合体層および前記剛性材を含まない前記接着性樹脂による接着層が形成された内層配線体を用意し、
前記内層配線体の少なくとも一面に、少なくとも一つの前記外層積層材を前記複合体および前記接着層を有する面と重ね合わせて積層することにより積層配線板を形成し、
前記積層配線板にビアおよびスルーホールの少なくとも一方を形成し、
前記積層配線板に必要なめっき層を形成し、
前記接着層が形成された部分に対応する部分の前記めっき層を除去してケーブル部を形成する
実装部とケーブル部とを有する多層フレキシブル配線板の製造方法。
【請求項6】
絶縁フィルムの一方の面に導電層、およびこの導電層を覆う剥離可能なカバーが設けられ、他方の面に剛性材と接着性樹脂との複合体層および前記剛性材を含まない前記接着性樹脂による接着層が形成された外層積層材を用意し、
絶縁ベース材の少なくとも一面に導電パターンが形成された内層配線体を用意し、
前記内層配線体の少なくとも一面に、前記外層積層材を前記複合体および前記接着層を有する面と接するように積層することにより積層配線板を形成し、
前記積層配線板にビアおよびスルーホールの少なくとも一方を形成し、
前記積層配線板に必要なめっき層を形成し、
前記接着層が形成された部分に対応する部分の前記めっき層を除去してケーブル部を形成する
実装部とケーブル部とを有する多層フレキシブル配線板の製造方法。
【請求項7】
請求項4ないし6の何れかに記載の多層フレキシブル配線板の製造方法において、
前記複合体層として、ガラスクロスと接着性樹脂との複合体としてのプリプレグ層を用いて前記外層積層材を形成することを特徴とする多層フレキシブル配線板。
【請求項8】
請求項7記載の多層フレキシブル配線板の製造方法において、
前記プリプレグ層と前記絶縁フィルムとの間に、更なる導電パターンを配して前記積層配線板を形成することを特徴とする多層フレキシブル配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−140989(P2010−140989A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314074(P2008−314074)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000230249)日本メクトロン株式会社 (216)
【Fターム(参考)】