フレーム伝送装置及びフレーム廃棄数測定方法
【課題】ネットワークを介してフレーム伝送を行うフレーム伝送装置及びフレーム廃棄数測定方法に関し、リンク集約伝送径路を含む場合も正確なフレーム廃棄数を求める。
【解決手段】端末又は他のフレーム伝送装置との間を接続する複数のポート(通信ポート群12)と、保守機能点(MEP)設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間で送受信する保守フレームが通過するリンク集約の物理リンクと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部17によりカウントし、送受信フレームのカウント値を、保守フレームによりMEP設定ポート間で相互に通知する制御処理を行うフレームスイッチ機構部16と、受信した送受信フレームのカウント値、フレームカウンタ部17からのカウント値とを基に、設定制御部13により、フレーム廃棄数を求める。
【解決手段】端末又は他のフレーム伝送装置との間を接続する複数のポート(通信ポート群12)と、保守機能点(MEP)設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間で送受信する保守フレームが通過するリンク集約の物理リンクと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部17によりカウントし、送受信フレームのカウント値を、保守フレームによりMEP設定ポート間で相互に通知する制御処理を行うフレームスイッチ機構部16と、受信した送受信フレームのカウント値、フレームカウンタ部17からのカウント値とを基に、設定制御部13により、フレーム廃棄数を求める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のフレーム伝送装置をネットワークにより接続し、設定したフレームの送受信点間のフレーム伝送に於けるフレーム廃棄数を測定して、フレーム伝送径路の信頼性を運用中に於いても監視可能とするフレーム伝送装置及びフレーム廃棄数測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して複数のフレーム伝送装置を接続し、フレーム伝送装置に接続した端末間でネットワークを介してフレーム伝送を行う場合、送信する宛先アドレスと、送信元アドレスとを含むヘッダを所定長のデータに付加したフレーム構成で送受信する場合が一般的である。この場合のフレーム構成としては既に各種知られており、例えば、イーサネット(登録商標)方式のフレーム構成が一般的である。このようなフレームの伝送過程で、伝送径路の輻輳等によりフレームが廃棄される場合がある。このようにフレーム廃棄が増加すると、フレーム伝送径路の信頼性が低下することになる。そこで、フレーム伝送径路の信頼性を評価する為に、フレームの廃棄数を測定する手段が適用されている。このようなフレーム廃棄数測定手段として、例えば、イーサネット(登録商標)方式のOAM(Operations, Administration, and Maintenance)機能の一つのLM(Frame Loss Measurement)手段が知られている。
【0003】
図13は、従来例のフレーム伝送処理の説明図であり、(A)は概略のシステム構成と送受信のシーケンスチャートとを示し、(B)は保守フレームとしてのLMM(Loss Measurement Message)フレームの伝送順の例を示し、101,102はフレーム伝送装置としてのレイヤ2スイッチ(L2SW;Layer 2 Switch)、103は中継ネットワーク、104はコアネットワーク、105はLANサイト、106は監視制御網、107は保守端末、P1〜P4はポートを示す。保守者は、保守端末107を操作して、例えば、L2SW101のポートP2とL2SW102のポートP3とに、MEP(Maintenance Entity group end Point;保守機能点)を設定する。このMEP設定により、L2SW101,102は、MEP設定(保守機能点設定)ポートP2,P3を通過するフレームのカウントを開始する。このMEP設定ポートは、通過フレームのカウント値を収集する為の保守フレームであるOAMフレームのLMM(Loss Measurement Message)フレームとLMR(Loss Measurement Reply)フレームとを送受信する終端点となる(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
次に、LM機能の概略シーケンス(1)〜(12)について説明する。
(1).保守者は、保守端末107から監視制御網106を介してL2SW102のポートP3にMEP−b(保守機能点)を設定し、対象のポートで受信したフレーム数(RxFCf)と、送信するフレーム数(TxFCb)とのカウントを開始するように指示する。L2SW102では、送信フレーム数及び受信フレーム数のカウントを開始すると共に、MEPが設定されたポートでLMMの受信を待機する。
(2).保守者は、保守端末107から監視制御網106を介してL2SW101のポートP2にMEP−a(保守機能点)を設定する。そして、MEP−aを起点としてMEP−bとの間でのLM試験を開始するように指示する。この時、L2SW101は、計測対象のポートで送信するフレーム数(TxFCf)と、受信するフレーム数(RxFCl)とのカウントを開始する。
(3).LMM送信側のL2SW101は、LM試験を指示されたので、LMMを送信した時点の送信カウンタ(TxFCf)の値をLMMフレームの中のカウンタ用領域に書き込んで送信する。
【0005】
(4).LMM受信側の装置L2SW102は、前述のLMMを受信した時に、その時点のMEP−bの受信カウンタRxFCfの値を記憶しておく。
(5).LMM受信側の装置L2SW102は、LMMに対する応答であるLMRを生成して送信する。この時、LMRのカウンタ用領域に以下の値を書き込んで送信する。
TxFCf:直前に受信したLMMの中のTxFCfの値をそのままコピーする。
RxFCf:直前のLMMを受信した時に、記憶しておいた受信カウンタRxFCfの値を設定する。
TxFCb:LMR送信時点の送信カウンタTxFCbの値を取得して設定する。
(6).LMR受信側の装置(LMMを送信した装置)は、LMR内の上記3つのカウンタ値を、計測の基準点として保持する。又LMR受信時の受信カウンタRxFClの値を取得して保持する。ここで得られた値を、TxFCfp,RxFCfp,TxFCbp,RxFClpとする(なお、小文字の“p”は、previousの略)。
【0006】
(7).(8).(9).LMM送信側の装置は指定された送信間隔の経過後(前回のLMM送信からの所定の時間間隔)に、再びLMM送信からLMR受信までのシーケンス(上記の(3)〜(6)と同様)を繰り返す。この時、新たに得られた値を、TxFCfc,RxFCfc,TxFCbc,RxFClcとする(小文字の“c”は、currentの略)。
(10).LMM送信側の装置は、LMR受信後、以下を計算して、フレームのロス数(1回目)とする。
フレームのロス数(far end)=(TxFCfc−TxFCfp)−(RxFCfc−RxFCfp)
フレームのロス数(near end)=(TxFCbc−TxFCbp)−(RxFClc−RxFClp)
この時のTxFCfc,RxFCfc,TxFCbc,RxFClcは次の測定のためのPrevious値として保持しておく。
(11).LM試験を指示する時には、LMMを送信する回数も指定されるので、その指定された送信回数分、上記の処理を繰り返す。最後に、このLM試験結果を保守者へ通知する。LMM送信側の装置は送受信フレーム数のカウントを停止する。
(12).LMM受信側の装置でも保守者の指示で、送受信フレーム数のカウントを停止し、LMM受信機能をDisableにする。
【0007】
LANのサイト間でフレームが転送されていて、図13の(B)に示すように、MEP−aからMEP−bの方向へ、1番目から6番目のようなフレームが伝送され、LMMが図示のように挿入され、1番目のLMMと2番目のLMMの間のフレームの中の何れか一つがMEP−bまで伝送されずに廃棄されたとすると、フレームのロス数(far end)の計算で、送信側のカウンタと受信側のカウンタとの差分が生じることになり、1フレーム廃棄されたことが判る。このようにして、サービス運用中のままで、ネットワーク内のある任意の中継区間に於けるフレームの廃棄数を調べることができる。
【0008】
又フレーム伝送を行う伝送装置間の伝送品質を向上させる手段として、リンク集約(Link Aggregation;リンクアグリゲーション)の技術が知られている。このリンク集約は、フレーム伝送装置間にケーブル等の物理リンクを複数設置し、これらの物理リンクを束ねて1つの仮想的な論理リンクを構成する技術である。このようなリンク集約を行うことにより、高価なケーブルや通信インタフェースを用意することなく、帯域を増やした伝送径路を実現できる。又複数の物理リンクを同時に使用する為、一部の物理リンクが故障した場合でも、伝送径路が完全に切断されることを防止できる。このようなリンク集約によりフレーム伝送を行う場合、複数の物理リンクの中の選択した1物理リンクにより伝送し、受信側は、何れの物理リンクによる受信フレームも有効なフレームとして処理する。
【0009】
その場合に、1つの“送信元と宛先のアドレスのペア”(以降、「カンバセーション」と称する)について、フレームの送信順序は途中の伝送径路に於いて変更されないことが要求されており、同一のカンバセーションに属するフレームは、以下に述べる理由により、同じ物理リンクを使用して送信する必要がある。即ち、イーサネット(登録商標)のフレーム長は64バイト〜1518バイト(VLANタグを付加した場合は1522バイト)の間で可変であるから、各種の長さのフレームが混在することになり、カンバセーションを意識せずにリンク集約のポートへそれぞれのフレームを振分けると、或るカンバセーションに属するフレーム群の順序が維持されない場合がある。具体例を、図14により説明する。なお、図14に於けるリンク上を流れるフレームの様子を示す部分では、フレームの順番を示し、且つ、フレームの間隔や位置は、送信されるタイミングを示し、右方向に位置するフレームが時間的に前に送信された状態を示す。
【0010】
図14に於いて、100,110,120,121は端末、201〜203はレイヤ2スイッチL2SWを示し、P01〜P03,P11,P14,P15,P24,P25,P27,P28はそれぞれポートを示す。端末100と端末120との間と、端末101と端末121との間でフレーム伝送を行う場合に、端末100は、端末120宛てのフレームを、例えば、64バイトのフレーム長で、「ア−1」、「ア−2」、「ア−3」、「ア−4」のような順番とタイミングで送信し、端末110は、端末121宛てのフレーム「イ−1」を、例えば、1518バイトのフレーム長で、図に示すタイミングで送信し、L2SW201は、それらのフレームを、それぞれポートP01,P02により受信すると、フレームの到着順に次に転送すべきポートを求めて転送処理を行う。
【0011】
この場合、L2SW201のポートP01,P02によるフレームの受信順に応じて、ポートP03から、「ア−1」、「イ−1」、「ア−2」、「ア−3」、「ア−4」の順番でL2SW202へ向けて送信する。L2SW201と端末100,110との間は、1Gbpsの伝送速度で接続され、一方、L2SW201とL2SW202とを接続するリンクは、10Gbpsの高速の伝送速度であるとすると、L2SW201からL2SW202へ到着するフレームの間隔は1Gbpsの場合より短くなる。前述のように、端末100からそれぞれ64バイト長のフレーム「ア−1」を送信し、次に間隔をおいて、順次フレーム「ア−2」、「ア−3」、「ア−4」を送信し、端末110からは1518バイト長のフレーム「イー1」を、フレーム「ア−1」の送信後のタイミングで送信した場合、L2SW−202は、ポートP11でフレームを受信した順に、次に転送すべきポートP14,P15を求める。次のL2SW202,203間は、二つのリンクで構成されたリンク集約を使用して出力する。例えば、ラウンドロビンによる順番で、二つのリンクへ交互に振分けたとすると、ポートP14から、「ア−1」、「ア−2」、「ア−4」の順番で送信され、ポートP15からは、「イ−1」、「ア−3」の順番で送信される。その為に、L2SW203のポートP27から端末120へのフレームは、「ア−1」、「ア−2」、「ア−4」、「ア−3」の順番となり、端末120へ転送すべきフレームの順番が「ア−3」と「ア−4」で逆転することがある。
【0012】
このような問題を回避する為に、前述のように、リンク集約へ転送する場合は、同じカンバセーションに属するフレームは同じ物理リンクを通るように振分ける。その為に、例えば、フレームの送信元MACアドレスや宛先MACアドレスの下位の1バイトのデータを基にXOR演算した結果を、リンク集約しているポート数で割って得られる剰余によって、使用するリンクを決定するような方法を適用することができる。それによって、同じカンバセーションに属するフレームは同じ物理リンクで転送される。この場合の例を、図15により示すもので、端末100,110,120,121のアドレスを、それぞれ端末を示す符号と同一の100,110,120,121とした場合について示し、前述のように、XOR演算結果を、リンク集約しているポート数、この場合2であるから、2によって除算すると、端末100,120間は“1”、端末110,121間は“0”となる。それにより端末100から端末120へのフレームを、L2SW202のポートP14から出力し、端末110から端末120へのフレームを、L2SW202のポートP15から出力するように制御することができる。従って、L2SW203のポートP27から端末120に対して、端末100からの送信順序を維持して送信することができる。
【0013】
図16は、MACフレームの一例を示すもので、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、識別子(VID)を含むVLAN(Virtual Local Area Network)タグ、ペイロード、FCS(Frame Check Sequence)を含む場合のフレーム構成を示し、宛先MACアドレスは、送信先の装置が有する通信インタフェースを一意に識別できる例えば6バイト構成のアドレスであり、又送信元MACアドレスは、送信元の装置が有する通信インタフェースを一意に識別できる例えば6バイト構成のアドレスである。又VLANタグは、1つのネットワークを複数の論理的なネットワークに分割して運用する場合に、個々の論理的なネットワークに割り当てられる一意な値であり、例えば、4バイト構成である。又ペイロードは、送受信するデータ本体であり、例えば、IP(Internet Protocol)パケットを所定のデータ長に分割したもので、46〜1500バイト長とする場合が一般的である。又FCSは、宛先MACアドレスからペイロードのデータまでの受信誤りを検出する為のものであり、例えば、4バイト構成である。なお、フレームのデータ構造は、ネットワークの運用形態等に応じて、種々の変形例が適用されるもので、例えば、VLANタグが省略される場合や、更に図示と異なるヘッダ情報が付加される場合もある。
【0014】
図17は、従来例のLMMの伝送説明図であり、前述の図14及び図15と同一符号は同一名称部分を示し、L2SW201のポートP03にMEP−cを設定し、L2SW204のポートP31にMEP−dを設定し、L2SW201のポートP03に設定したMEP−cを起点にLMの測定を起動したとする。この時、L2SW201がLMMを挿入する位置が、図示のように、「イ−1」のフレームの直後だったとすると、L2SW202はリンク集約への転送で、LMMも振分け対象とする。従って、LMMはポートP14の方へ振分けられたものとすると、LMMが次のL2SW203へ到着するのは、「イ−1」よりも早くなるので、このL2SW203からL2SW204へフレームを転送する時の順番は、LMMが「イ−1」の前になる。即ち、MEP−cで送信したときのフレームの順番と、MEP−dで受信したときのフレームの順番とが異なっている。その結果、LMMが到着した側での受信カウンタの値は、LMMを送信した時の送信カウンタよりも少なくなり、廃棄が発生したように見える。しかし、実際にはフレーム廃棄は発生していないので、LMの測定結果が正しく得られないということが判る。
【0015】
又図17と同一構成の図18のLMM伝送説明図に於いて、L2SW201からのLMMを、L2SW202はリンク集約のポートP15へ振分けたとすると、LMMが次のL2SW203へ到着するのは、フレーム「ア−4」よりも後になるので、その結果、LMMが到着した側での受信カウンタの値は、LMMを送信した時の送信カウンタよりも多くなるという矛盾した結果となる。この場合も、LMの測定結果が正しく得られないということが判る。
【0016】
そこで、端末間のフレームを中継伝送する各中継装置に於いても、中継伝送するフレームのカウント値を、端末の送受信フレームのカウント値と共にLMMの領域に書込んで転送することにより、端末間で中継伝送される中継区間毎の送受信フレーム数のカウント値を収集して、端末間の送信フレームの総数と受信フレームの総数とを用いて、フレーム廃棄数を求める手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2008−244870号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】ITU−T Recommendation Y.1731
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
端末間でフレーム伝送を行う場合、前述のように、複数の中継装置や複数の伝送径路を経由する場合が一般的であり、又異なる端末間のフレームが同一中継伝送径路を介して伝送され、且つフレーム長が異なるフレームが混在して伝送される場合や、前述の図17、図18に示すように、リンク集約伝送径路を介して伝送される場合がある。このリンク集約伝送径路を介して伝送される場合は、前述のように、同一端末間のフレームは、同一の物理リンクを介して伝送する手段を適用することにより、フレームの到着順は、送信順と同一となるようにすることが可能である。しかし、前述の図18により説明したように、フレーム数のカウント値を収集して伝送径路の品質監視を行う場合のLMMフレームと他のフレームとの受信順序が送信順序と異なることにより、フレーム到着数のカウント値が送信数と異なり、実際にはフレーム損失が発生しないにも拘わらず、フレーム損失発生として誤検出する問題がある。又前述の特許文献1に示されているように、フレームの中継区間を含めて、総ての伝送区間でそれぞれフレーム数のカウントを行い、そのカウント値を総て測定用のOAMフレームの領域に設定して収集し、集計処理を行ってフレーム廃棄数を求める手段を適用した場合は、各中継装置の処理量の増大とカウント値を収集するシステムコストの上昇を招く問題がある。
【0020】
本発明は、前述の従来の問題点を解決することを目的とするものであり、保守機能点設定ポート間にリンク集約のフレーム伝送径路を含む場合に於いても、送受信フレーム数のカウント値を収集するOAMフレーム(LMMフレーム及びLMRフレーム)により、正確なフレーム数のカウント値を収集可能とし、フレーム伝送径路の信頼性の正確な判定を可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明のフレーム伝送装置は、ネットワークを介してフレーム伝送を行うフレーム伝送装置であって、端末又は他のフレーム伝送装置との間を接続する為の複数のポートと、これらの複数のポートの中の保守機能点(MEP)設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間で送受信する保守フレームが通過するリンク集約の物理リンクと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部によりカウントさせ、このフレームカウンタ部による送受信フレームのカウント値を、保守フレームにより保守機能点設定ポート間で相互に通知する制御処理を行うフレームスイッチ機構部と、装置内各部を制御すると共に、フレームスイッチ機構部からの保守フレームにより通知された送信フレーム数と、フレームカウンタ部による受信フレーム数とを基にフレーム廃棄数を求める制御処理を実行する設定制御部とを含む構成を有するものである。
【0022】
又前記保守機能点設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間のリンク集約の複数の物理リンク対応に通過させる複数の保守フレームと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを、保守フレームが通過する物理リンク対応にカウントするフレームカウンタ部と、保守フレームが通過する物理リンク対応のカウント値を、物理リンク対応の保守フレームに付加して送受信し、物理リンク対応にフレーム廃棄数を求める制御処理を実行する設定制御部とを含む構成を有するものである。
【0023】
又本発明のフレーム廃棄数測定方法は、ネットワークを介してフレーム伝送装置間でフレーム伝送を行い、このフレームの伝送過程に於けるフレーム廃棄数を測定するフレーム廃棄数測定方法であって、フレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポートと他のフレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポートとの間に、リンク集約の物理リンクを経由して伝送する保守フレームと同一の物理リンクを経由する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部によりカウントし、このフレームカウンタ部によるカウント値を、保守フレームにより、保守機能点設定ポート間で通知し、その保守フレームが通過するリンク集約の物理リンク対応の受信フレーム数と、保守フレームにより通知された送信フレーム数とにより、フレーム廃棄数を求める処理過程を含むものである。
【0024】
又フレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポートと、この保守機能点設定ポート間で伝送する保守フレームを通過させるリンク集約の物理リンクとを保守端末側から設定し、設定した物理リンクを経由して伝送する送受信フレームをカウントする処理過程を含むものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、ネットワークを介してフレーム伝送を行うフレーム伝送装置の保守機能点設定ポート間に、リンク集約の複数の物理リンクを経由する保守フレームと同一の物理リンクを経由して伝送されるフレームについて、物理リンク対応にカウントすることにより、正確な送受信フレーム数を求めることができるから、保守機能点設定ポート間のフレーム伝送径路の信頼性の正確な判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1の説明図である。
【図2】保守フレームの説明図である。
【図3】本発明の実施例1のフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1のフローチャートである。
【図5】本発明の実施例1の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図である。
【図6】本発明の実施例2の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図である。
【図7】本発明の実施例2のフレームカウンタ部の説明図である。
【図8】本発明の実施例2のフローチャートである。
【図9】本発明の実施例2のフローチャートである。
【図10】本発明の実施例3の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図である。
【図11】本発明の実施例3のフローチャートである。
【図12】本発明の実施例3のフローチャートである。
【図13】従来例のフレーム伝送処理の説明図である。
【図14】従来例のフレーム伝送制御の説明図である。
【図15】従来例のフレーム伝送制御の説明図である。
【図16】MACフレームの説明図である。
【図17】従来例のLMMの伝送説明図である。
【図18】従来例のLMMの伝送説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のフレーム伝送装置は、図1を参照すると、ネットワークを介してフレーム伝送を行うフレーム伝送装置であって、端末又は他のフレーム伝送装置との間を接続する為の複数のポート(通信ポート群12)と、これらの複数のポートの中の保守機能点(MEP)設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間で送受信する保守フレームが通過するリンク集約の物理リンクと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部17によりカウントさせ、このフレームカウンタ部17による送受信フレームのカウント値を、保守フレーム(OAMフレーム)により保守機能点設定ポート(MEP設定ポート)間で相互に通知する制御処理を行うフレームスイッチ機構部16と、装置内各部を制御すると共に、フレームスイッチ機構部16からの保守フレームにより通知された送信フレーム数と、フレームカウンタ部17による受信フレーム数とを基にフレーム廃棄数を求める制御処理を実行する設定制御部13とを含む構成を有するものである。
【0028】
本発明のフレーム廃棄数測定方法は、ネットワークを介してフレーム伝送装置間でフレーム伝送を行い、このフレームの伝送過程に於けるフレーム廃棄数を測定するフレーム廃棄数測定方法であって、フレーム伝送装置の複数のポート(通信ポート群12)の中の保守機能点設定ポート(MEP設定ポート)と他のフレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポート(MEP設定ポート)との間に、リンク集約の物理リンクを経由して伝送する保守フレームと同一の物理リンクを経由する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部17によりカウントし、このフレームカウンタ部17によるカウント値を、保守フレームにより、保守機能点設定ポート間で通知し、その保守フレームが通過するリンク集約の物理リンク対応の受信フレーム数と、保守フレームにより通知された送信フレーム数とにより、フレーム廃棄数を求める処理過程を含むものである。
【実施例1】
【0029】
図1は、本発明の実施例1の説明図であり、フレーム伝送を行う端末間の伝送径路に位置し、ネットワークを介してそれぞれ接続されるフレーム伝送装置の一例のレイヤ2スイッチL2SWの要部を示すもので、10はバス、11は保守端末、12は通信ポート群(P1〜P8はポート)、13は設定制御部、14はテーブル格納メモリ、15は学習テーブル、16はフレームスイッチ機構部、17はカウンタ部を示す。設定制御部13は、プロセッサ(CPU)21とメモリ22と通信インタフェース部(通信IF)23とを含む構成を有し、メモリ22に格納したプログラムをプロセッサ21が実行して、L2SWの各部を制御する。又通信インタフェース部23と、保守端末11とは、例えば、図13に示す監視制御網を介して接続し、保守者が操作する保守端末11からのコマンドを受信してプロセッサ21に通知し、又このコマンドに従ったプロセッサ21の処理結果を、通信インタフェース部23を介して保守端末11に転送する。
【0030】
又通信ポート群12は、8個のポートP1〜P8を有する場合を示し、各ポートP1〜P8にはそれぞれ物理リンクを接続することができるものであり、それらのポート数は、装置規模に応じた個数とするもので、学習機能を有する場合、少なくとも3以上のポート数とする場合が一般的である。又テーブル格納メモリ14は、例えば、フレーム廃棄数を測定する為に、保守端末11からMEP(Maintenance Entity guoup end Point;保守機能点)が設定された場合、その保守機能点設定ポート情報を格納する。その場合の設定情報には、通信ポート群12の中の保守機能点設定ポートを示すポート指定情報も含まれ、フレームスイッチ機構部16は、テーブル格納メモリ14にMEP設定ポート情報が設定されたことを認識すると、LMMフレームやLMRフレームを受信した場合に、バス10経由で設定制御部13へ通知し、設定制御部13は、保守端末11に対する応答作成や試験結果送出の処理を行う。又フレームスイッチ機構部16は、通信ポート群12又はバス10を介して入力されたフレームの受信ポート番号とフレームの送信元アドレスのMACアドレスとを対応付けて、学習テーブル15に格納するもので、随時更新する。更に、フレームスイッチ機構部16は、受信フレームの種別や、学習テーブル15の内容を参照して、フレームの転送先(通信ポート群12の中のポートP1〜P8)を決定する。又カウンタ部17は、“MEP通過した送信フレーム数”として示すMEP設定ポートからの送信フレーム数をカウントするカウンタと、“MEP通過した受信フレーム数”として示すMEP設定ポートによる受信フレーム数をカウントするカウンタとを含む構成を備えている。
【0031】
図2は、保守フレームの説明図であり、宛先MACアドレスDAと、送信元MACアドレスSAと、VLANタグと、OAM(Operations,Administration,and Maintenance)用として設定されたタイプOAM Typeと、オペレーションコードOpecode(0x2bはLMM、0x2aはLMR)と、LMM送信側の送信カウンタの内容TxFCfと、LMM受信カウンタの内容RxFCfと、LMR送信側の送信カウンタの内容TxFCbと、リザーブ領域と、誤り検出用のFCS(Frame Check Sequence)とを含む場合を示す。
【0032】
図3は、本発明の実施例1のフローチャートを示し、フレームスイッチ機構部のフレーム送信時の処理を示すフローチャートであり、フレームを受信したポートにMEP設定済みか否かを判定し(S9−1)、設定されていなければ、そのフレームを送信する宛先アドレスDAに従った送信ポートを求める処理(S9−7)へ移行する。又MEP設定済みの場合は、その受信フレームは、保守フレームのLMM又はLMRか否かを、オペレーションコードOpeCodeの“0x2b”又は“0x2a”の何れであるかによって判定し(S9−2)、LMM又はLMRの場合は、受信カウンタのカウント値をRxFCf又はRxFCbとして取込み、LMM又はLMRと共に、設定制御部13へ通知する(S9−3)。又LMMとLMRとの何れでもない場合は、伝送径路の途中にリンク集約の区間が存在するか否かを判定し(S9−5)、リンク集約の区間が存在する場合は、そのリンク集約の物理リンクへフレームを振分ける時に、LMM又はLMRと同じ物理リンクへ振分けるか否かを判定し(S9−5)、同じ物理リンクへ振分けない場合は、送信ポートを求める処理(S9−7)へ移行する。又ステップ(S9−4)に於いてリンク集約の区間がない場合、及びステップ(S9−5)に於いて同じ物理リンクへ振分ける場合、カウンタ部17によるMEPを通過した受信フレームとしてカウントアップし(S9−6)、送信ポートを求める処理(S9−7)へ移行する。
【0033】
前述のステップ(S9−5)に於けるフレームをリンク集約の物理リンクへ振分けるアルゴリズムについては示していないが、例えば、従来例に於けるMACアドレスによるアルゴリズムを適用することができる。なお、リンク集約の振分けについては、他のアルゴリズムを適用することも可能であり、本発明に於いては、リンク集約の振分け方法には依存しないので、他の振分けアルゴリズムを適用することも可能である。又前述のステップ(S9−4)による伝送途中にリンク集約の区間があるか否かの判定処理は、例えば、保守端末11から指示し、それによって、設定制御部13からテーブル格納メモリ14に設定し、フレームスイッチ機構部16は、テーブル格納メモリ14を参照して判定することも可能である。又LMM及びLMRが何れの物理リンクを経由して転送するかについて、保守者が保守端末11から予め指示しておくことも可能である。即ち、リンク集約の物理リンクに対するフレームの振分け処理は、既に知られている各種の手段を適用することが可能である。
【0034】
図4は、本発明の実施例1のフローチャートであり、送信ポート決定後のフレーム送信処理のフローチャートを示し、図1のフレームスイッチ機構部16による処理に関するものであって、送信ポート決定後、その送信ポートから送信するフレームは、自装置発のLMM又はLMRかを判定し(S10−1)、自装置発のLMM又はLMRの場合は、送信カウンタのカウント値をTxFCf又はTxFCb(図2参照)として取込み、送信するフレームに書込み(S10−3)、ポートから送信する処理(S10−7)へ移行する。又ステップ(S10−1)に於いて、送信フレームは自装置発のLMM又はLMRでない場合は、送信ポートにMEP設定済みか否かを判定し(S10−2)、設定済みでない場合は、ポートから送信する処理(S10−7)へ移行する。又設定済みの場合は、フレームの伝送途中にリンク集約の区間があるか否かを判定し(S10−4)、リンク集約の区間がある場合は、フレームをリンク集約の物理リンクへ振分ける時に、そのフレームがLMM(自MEPがLMM送信側の場合)又はLMR(自MEPがLMR送信側の場合)と同じ物理リンクで伝送されるか否かを判定し(S10−5)、同じ物理リンクで伝送されない場合は、ポートから送信する処理(S10−7)へ移行する。又フレームの伝送途中にリンク集約の区間が存在しない場合、又はリンク集約の区間が存在し、且つフレームをリンク集約の物理リンクへ振分ける時に、LMM又はLMRと同じ物理リンクに振分ける場合、送信フレーム数カウンタにより加算し(S10−6)、ポートから送信する処理(S10−7)へ移行する。
【0035】
前述のステップ(S10−4)のリンク集約の区間があるか否かの判定処理や、ステップ(S10−5)のリンク集約の物理リンクへの振分けの場合に、LMM又はLMRと同じ物理リンクか否かの判定処理は、図3のステップ(S9−4)と、ステップ(S9−5)と同様の処理で実行することができる。又フレームスイッチ機構部16(図1参照)は、送信フレームを、フレームカウンタ部17によりカウントすべきか否かを判定し、カウントアップすべき時は、前述のステップ(S9−6)及びステップ(S10−6)によりカウントアップする。保守者が保守端末11(図1参照)を操作して、LM試験の実行要求を行うと、設定制御部11のプロセッサ21によりフレームスイッチ機構部16を制御し、フレームがLMMであることを認識すると、ステップ(S10−3)に示すように、指定されたMEPに対応する送信カウンタのカウント値をLMMの中のTxFCf又はTxFCbとして設定し、ステップ(S10−7)へ移行して、MEP設定ポートから送信する。
【0036】
フレームスイッチ機構部16(図1参照)は、前述のステップ(S9−1)及び(S9−2)により、受信ポートにMEPが設定されていて、LMRを受信した場合は、ステップ(S9−3)に従って、それに対応する受信カウンタの値を取り出す。この値が、RxFCfとなる。そして、設定制御部13へ、受信したLMRのフレームと、RxFCfをバス10経由で通知する。設定制御部13は、前回のLMR受信時に取得した情報と、今回のLMR受信で取得した情報とを基に以下の計算を行ってフレーム廃棄数を求め、このフレーム廃棄数を保守端末11へ通知する。
フレームの廃棄数(far end)=(TxFCfc−TxFCfp)−(RxFCfc−RxFCfp)
フレームの廃棄数(near end)=(TxFCbc−TxFCbp)−(RxFClc−RxFClp)
このようにして、フレームの送受信地点間に於けるフレームの廃棄数を測定することができる。
【0037】
図5は、本発明の実施例1の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図であり、図18の従来例と同一符号は同一名称部分を示し、複数のフレーム伝送装置としてのレイヤ2スイッチ(L2SW)を介した伝送径路により、端末間でフレーム伝送し、L2SW202,L2SW203との間にリンク集約伝送径路が形成されている場合を示す。この場合、端末100からフレーム「ア−1」、「ア−2」、「ア−3」、「ア−4」を端末120宛に送信し、端末110からフレーム「イー1」を端末121宛に送信し、リンク集約伝送径路の一方の物理リンクに端末100,120間のフレームを振分け、他方の物理リンクに端末110,121間のフレームを振分け、L2SW201のポートP03にMEP−cを設定し、L2SW204のポートP31にMEP−dを設定し、ポートP03からのLMMを、リンク集約のポートP15,P25間の物理リンクに、フレーム「イ−1」と共に伝送する。従って、ポートP03から送信するフレームの中で、ポートP15,P25間のリンクに伝送するフレーム、この場合、フレーム「イー1」を送信フレームとしてカウントする。又L2SW204のポートP31に於いて受信するフレームに中で、ポートP15,P25間のリンクを介して伝送されたフレーム、この場合、フレーム「イー1」を受信フレームとしてカウントする。即ち、LMMと同一径路で伝送されるフレームを送信フレームとしてカウントし、同様にLMMと同一径路で伝送される受信フレームもカウントする。それにより、LMMと同一伝送径路のフレームの送受信数をLMMにより収集して、伝送径路の正常性を監視することができる。なお、複数のフレーム伝送装置をそれぞれ接続してフレーム伝送を行うネットワークは、既に知られている各種の構成を適用することができる。
【実施例2】
【0038】
図6は、本発明の実施例2の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図であり、前述の図5と同一符号は同一名称部分を示し、端末100から端末120へフレーム「ア−1」、「ア−2」、「ア−3」、「ア−4」を送信し、端末110から端末121へフレーム「イ−1」を送信する場合に、L2SW202,203間にリンク集約伝送径路が形成され、L2SW201のポートP03にMEP−cを設定し、L2SW204のポートP31にMEP−dを設定し、リンク集約伝送径路の物理リンクの数に対応したLMMを形成して、MEP−c設定のL2SW201のポートP03から端末120,121への送信フレームと共に送信し、リンク集約伝送径路の各物理リンクにLMMをそれぞれ伝送し、MEP−c設定側では、物理リンク対応に送信フレーム数をカウントし、MEP−d設定側では、物理リンク対応に受信フレーム数をカウントする。この場合のリンク集約伝送径路のリンク対応の振分けは、例えば、前述のMACアドレスを基にXOR演算してリンクを求める手段を適用することができる。そして、1番目のLMMは、リンク集約の1番目の物理リンクを通るようにし、2番目のLMMは、リンク集約の2番目の物理リンクを通るようにすると、L2SW202,203間のリンク集約の1番目の物理リンクに1番目のLMMが通過し、2番目の物理リンクに2番目のLMMが通過するように制御することができる。
【0039】
この場合の物理リンク対応の送信フレーム数と受信フレーム数とをそれぞれカウントするカウンタ部17(図1参照)は、例えば、図7に示すように、1〜n個の物理リンク対応の送信フレーム数をカウントする送信フレームカウンタ部17aと、受信フレーム数をカウントする受信フレームカウンタ部17bとにより構成し、フレームスイッチ機構部16(図1参照)により送受信処理するフレームがLMMか否かと、リンク集約を含む場合のフレーム通過の物理リンク識別とに従って、物理リンク対応の送信フレーム数と受信フレーム数とをそれぞれカウントすることができる。この場合、例えば、図6に於けるポートP03,P11間のLMMと他のフレームとの送信順と、ポートP26,P31間のLMMと他のフレームとの受信順序とが相違しても、物理リンク対応のLMMによって物理リンク対応にフレーム数をカウントすることができる。
【0040】
図8は、本発明の実施例2のフローチャートを示し、送信ポートを決定する送信フレーム決定後の送信フレームの処理に於いて、先ず、送信ポートに、MEP設定済みか否かを判定する(S15−1)。送信ポートにMEPが設定されていない場合は、送信処理に移行する。又MEPが設定されている場合、送信フレームは、設定制御部13(図1参照)からのLMMか否かを判定する(S15−2)。LMMの場合はステップ(S15−3)へ移行し、LMMでない場合は、ステップ(S15−5)へ移行する。LMMの場合の処理を行うステップ(S15−3)に於いては、LMMを転送する途中にリンク集約の区間が存在するか否かを判定する処理を行うもので、リンク集約の区間がない場合は、送信処理に移行し、又リンク集約がある場合、例えば、2個の物理リンクの場合、第1のLMMをリンク集約の1番目の物理リンクを通るフレームとして作成し、その物理リンクに対応する送信カウンタとしてTxFCf(図2参照)をLMMに書込み、又第2のLMMをリンク集約の2番目の物理リンクを通るフレームとして作成し、その物理リンクに対応する送信カウンタとして、TxFCfをLMMに書込み(S15−4)、そして、送信処理に移行する。
【0041】
又ステップ(S15−2)に於いて、送信フレームがLMMでない場合、途中にリンク集約の区間があるか否かを判定し(S15−5)、リンク集約がない場合、送信フレーム数カウンタに加算し(S15−8)、送信処理に移行する。又ステップ(S15−5)に於いて、リンク集約の区間ありの判定の場合、フレームをリンク集約の物理リンクへ振分ける時に、振分け先物理リンクを求め(S15−6)、その振分け先物理リンクに対応する送信フレーム数カウンタに加算し(S15−7)、送信処理へ移行する。
【0042】
図9は、本発明の実施例2のフローチャートを示し、LMMを受信する側のフレーム伝送装置としてのL2SWに於けるフレーム受信処理として、その受信フレームはLMMか否かを判定し(S16−1)、LMMの場合は、ステップ(S16−2)に移行し、LMMでない場合は、ステップ(S16−7)に移行する。ステップ(S16−2)では、受信ポートにMEP設定済みか否かを判定し、MEPが設定されていない場合は、送信ポートを求める処理に移行する。又MEPが設定されている場合は、フレームの伝送径路にリンク集約の区間があるか否かを判定し(S16−3)、リンク集約の区間がある場合は、LMMをリンク集約の物理リンクへ振分ける振分け先の物理リンクを求め、その物理リンク対応の受信カウンタのカウント値をRxFCfとして取込む(S16−4)。又リンク集約の区間がない場合は、受信カウンタのカウント値をRxFCfとして取込む(S16−6)。そして、ステップ(S16−4)又はステップ(S16−6)の後に、取込んだRxFCfとLMMとを設定制御部13(図1参照)へ通知し(S16−5)、送信ポートを求める処理へ移行する。
【0043】
又MEP設定済みか否かの判定ステップ(S16−7)に於いて、MEP設定済みでないと判定した場合、送信ポートを求める処理へ移行する。又MEP設定済みの判定の場合は、フレーム伝送径路にリンク集約の区間があるか否かを判定し(S16−8)、ない場合は、受信フレーム数カウンタに加算して(S16−11)、送信ポートを求める処理へ移行する。又リンク集約の区間がある場合は、フレームをリンク集約の物理リンクへ振分ける時の振分け先物理リンクを求め(S16−9)、その振分け先物理リンクに対応する受信フレーム数カウンタに加算して(S16−10)、送信ポートを求める処理へ移行する。従って、LMMが通過するリンク集約の物理リンクに振分けられたフレームを、その物理リンク対応にカウントすることができる。
【実施例3】
【0044】
図10は、本発明の実施例3の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図であり、前述の図5及び図6と同一符号は同一名称部分を示し、MEP−cをL2SW202のポートP11に設定した場合を示す。この場合、前述の図6に於いては、L2SW201のフレーム送信ポートに相当するポートP03にMEP−cを設定しているが、図10に示す実施例3に於いては、そのMEP−cをL2SW202の受信ポートに相当するポートP11に設定した場合を示す。このL2SW202は、L2SW201から受信したフレームに対して、矢印で示すLMM挿入位置に挿入する。なお、L2SW202,203間にリンク集約の伝送径路が形成されているから、リンク対応のLMMを生成する。それによって、ポートP15,P25間は、フレーム「イ−1」の後にLMMが転送され、ポートP14,P24間は、フレーム「ア−1」の後にLMMが転送される場合を示している。又この場合、ポートP26,P31間に於いては、ポートP26からのフレーム送信処理に対応して、フレーム「ア−1」の後にLMMが転送され、フレーム「イ−1」,「ア−4」の後にLMMが転送される場合を示している。MEP−c設定のポートP11に於いては、リンク集約の物理リンク対応のLMM間のフレーム数をカウントする。従って、MEP−cを設定したポートP11に於いて、リンク振分けに対応した送信フレームをカウントし、MEP−d設定のポートP31に於いて、リンク振分けに対応した受信フレームをカウントすることにより、ポートP11,P31間のフレームロスの有無を監視することができる。
【0045】
図11は、本発明の実施例3のフローチャートであり、フレームの受信ポートにMEP設定済みか否かを判定し(S17−1)、設定されていない場合は、送信ポートを求める処理へ移行し、設定されている場合は、受信フレームは設定制御部13(図1参照)からのLMMか否かを判定し(S17−2)、LMMの場合はステップ(S17−3)へ移行し、LMMでない場合はステップ(S17−5)へ移行する。ステップ(S17−3)に於いては、LMMを転送する途中にリンク集約の区間があるか否かを判定し、リンク集約の区間が存在しない場合は、送信ポートを求める処理へ移行し、リンク集約の区間が存在する場合は、LMMをリンク集約の1番目の物理リンクを通るフレームとして作成し、該当物理リンクに対応する受信カウンタを取込み、TxFCfとしてLMMに書込み、又LMMをリンク集約の2番目の物理リンクを通るフレームとして作成し、該当リンクに対応する受信カウンタを取込み、TxFCfとしてLMMに書込む。なお、3番目、4番目の物理リンクが存在する場合は、それぞれの物理リンクに対応して前述の処理を行うことになり、処理終了により、送信ポートを求める処理へ移行する。又ステップ(S17−5)に於いては、途中にリンク集約の区間があるか否かを判定し、リンク集約の区間がある場合は、フレームをリンク集約の物理リンクへ振分けるときの振分け先物理リンクを求め(S17−6)、その振分け先物理リンクに対応する受信フレーム数カウンタに加算し(S17−7)、送信ポートを求める処理へ移行する。又途中にリンク集約の区間がない場合は、受信フレーム数カウンタに加算して(S17−8)、送信ポートを求める処理へ移行する。
【0046】
図12は、本発明の実施例3のフローチャートであり、送信ポートを決定した後のフレーム送信処理を示し、送信フレームはLMR(Loss Measurement Reply)か否かを判定し(S18−1)、LMRの場合は、ステップ(S18−2)へ移行し、又LMRでなかった場合は、ステップ(S18−7)へ移行する。LMRの場合は、送信ポートにMEP設定済みか否かを判定し(S18−2)、MEPが設定されていない場合は、ポートからフレームを送信する処理へ移行する。又MEPが設定されている場合は、そのフレームが伝送された径路にリンク集約の区間が存在したか否かを判定し(S18−3)、リンク集約の区間が存在しない場合は、送信カウンタをFxFClとして取込み(S18−6)、次のステップ(S18−5)へ移行する。又リンク集約の区間が存在する場合は、LMRフレームをリンク集約の物理リンクへ振分けるときの振分け先物理リンクを求め、その物理リンク対応の送信カウンタをRxFClとして取込み(S18−4)、取込んだRxFClとLMRとを設定制御部13(図1参照)へ通知し(S18−5)、ポートから送信する処理を行う。又送信フレームがLMRでない時のステップ(S18−7)に於いては、フレームの伝送径路にリンク集約の区間が存在したか否かを判定し、リンク集約の区間が存在しない場合は、送信フレーム数カウンタに加算し(S18−8)、ポートから送信する処理へ移行する。又リンク集約の区間が存在する場合は、リンク集約区間の複数の物理リンクの何れの物理リンクへ振分けるか、その振分け先物理リンクを求め(S18−9)、その振分け先物理リンクに対応する送信フレーム数カウンタに加算して(S18−10)、ポートから送信する処理を行う。前述の処理により、フレームを送信するポートによる保守フレームLMRを受信して、廃棄フレーム数の測定を行うことができる。
【符号の説明】
【0047】
10 バス
11 保守端末
12 通信ポート群
13 設定制御部
14 テーブル格納メモリ
15 学習テーブル
16 フレームスイッチ機構部
17 カウンタ部
21 プロセッサ(CPU)
22 メモリ
23 通信インタフェース部(通信IF)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のフレーム伝送装置をネットワークにより接続し、設定したフレームの送受信点間のフレーム伝送に於けるフレーム廃棄数を測定して、フレーム伝送径路の信頼性を運用中に於いても監視可能とするフレーム伝送装置及びフレーム廃棄数測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して複数のフレーム伝送装置を接続し、フレーム伝送装置に接続した端末間でネットワークを介してフレーム伝送を行う場合、送信する宛先アドレスと、送信元アドレスとを含むヘッダを所定長のデータに付加したフレーム構成で送受信する場合が一般的である。この場合のフレーム構成としては既に各種知られており、例えば、イーサネット(登録商標)方式のフレーム構成が一般的である。このようなフレームの伝送過程で、伝送径路の輻輳等によりフレームが廃棄される場合がある。このようにフレーム廃棄が増加すると、フレーム伝送径路の信頼性が低下することになる。そこで、フレーム伝送径路の信頼性を評価する為に、フレームの廃棄数を測定する手段が適用されている。このようなフレーム廃棄数測定手段として、例えば、イーサネット(登録商標)方式のOAM(Operations, Administration, and Maintenance)機能の一つのLM(Frame Loss Measurement)手段が知られている。
【0003】
図13は、従来例のフレーム伝送処理の説明図であり、(A)は概略のシステム構成と送受信のシーケンスチャートとを示し、(B)は保守フレームとしてのLMM(Loss Measurement Message)フレームの伝送順の例を示し、101,102はフレーム伝送装置としてのレイヤ2スイッチ(L2SW;Layer 2 Switch)、103は中継ネットワーク、104はコアネットワーク、105はLANサイト、106は監視制御網、107は保守端末、P1〜P4はポートを示す。保守者は、保守端末107を操作して、例えば、L2SW101のポートP2とL2SW102のポートP3とに、MEP(Maintenance Entity group end Point;保守機能点)を設定する。このMEP設定により、L2SW101,102は、MEP設定(保守機能点設定)ポートP2,P3を通過するフレームのカウントを開始する。このMEP設定ポートは、通過フレームのカウント値を収集する為の保守フレームであるOAMフレームのLMM(Loss Measurement Message)フレームとLMR(Loss Measurement Reply)フレームとを送受信する終端点となる(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
次に、LM機能の概略シーケンス(1)〜(12)について説明する。
(1).保守者は、保守端末107から監視制御網106を介してL2SW102のポートP3にMEP−b(保守機能点)を設定し、対象のポートで受信したフレーム数(RxFCf)と、送信するフレーム数(TxFCb)とのカウントを開始するように指示する。L2SW102では、送信フレーム数及び受信フレーム数のカウントを開始すると共に、MEPが設定されたポートでLMMの受信を待機する。
(2).保守者は、保守端末107から監視制御網106を介してL2SW101のポートP2にMEP−a(保守機能点)を設定する。そして、MEP−aを起点としてMEP−bとの間でのLM試験を開始するように指示する。この時、L2SW101は、計測対象のポートで送信するフレーム数(TxFCf)と、受信するフレーム数(RxFCl)とのカウントを開始する。
(3).LMM送信側のL2SW101は、LM試験を指示されたので、LMMを送信した時点の送信カウンタ(TxFCf)の値をLMMフレームの中のカウンタ用領域に書き込んで送信する。
【0005】
(4).LMM受信側の装置L2SW102は、前述のLMMを受信した時に、その時点のMEP−bの受信カウンタRxFCfの値を記憶しておく。
(5).LMM受信側の装置L2SW102は、LMMに対する応答であるLMRを生成して送信する。この時、LMRのカウンタ用領域に以下の値を書き込んで送信する。
TxFCf:直前に受信したLMMの中のTxFCfの値をそのままコピーする。
RxFCf:直前のLMMを受信した時に、記憶しておいた受信カウンタRxFCfの値を設定する。
TxFCb:LMR送信時点の送信カウンタTxFCbの値を取得して設定する。
(6).LMR受信側の装置(LMMを送信した装置)は、LMR内の上記3つのカウンタ値を、計測の基準点として保持する。又LMR受信時の受信カウンタRxFClの値を取得して保持する。ここで得られた値を、TxFCfp,RxFCfp,TxFCbp,RxFClpとする(なお、小文字の“p”は、previousの略)。
【0006】
(7).(8).(9).LMM送信側の装置は指定された送信間隔の経過後(前回のLMM送信からの所定の時間間隔)に、再びLMM送信からLMR受信までのシーケンス(上記の(3)〜(6)と同様)を繰り返す。この時、新たに得られた値を、TxFCfc,RxFCfc,TxFCbc,RxFClcとする(小文字の“c”は、currentの略)。
(10).LMM送信側の装置は、LMR受信後、以下を計算して、フレームのロス数(1回目)とする。
フレームのロス数(far end)=(TxFCfc−TxFCfp)−(RxFCfc−RxFCfp)
フレームのロス数(near end)=(TxFCbc−TxFCbp)−(RxFClc−RxFClp)
この時のTxFCfc,RxFCfc,TxFCbc,RxFClcは次の測定のためのPrevious値として保持しておく。
(11).LM試験を指示する時には、LMMを送信する回数も指定されるので、その指定された送信回数分、上記の処理を繰り返す。最後に、このLM試験結果を保守者へ通知する。LMM送信側の装置は送受信フレーム数のカウントを停止する。
(12).LMM受信側の装置でも保守者の指示で、送受信フレーム数のカウントを停止し、LMM受信機能をDisableにする。
【0007】
LANのサイト間でフレームが転送されていて、図13の(B)に示すように、MEP−aからMEP−bの方向へ、1番目から6番目のようなフレームが伝送され、LMMが図示のように挿入され、1番目のLMMと2番目のLMMの間のフレームの中の何れか一つがMEP−bまで伝送されずに廃棄されたとすると、フレームのロス数(far end)の計算で、送信側のカウンタと受信側のカウンタとの差分が生じることになり、1フレーム廃棄されたことが判る。このようにして、サービス運用中のままで、ネットワーク内のある任意の中継区間に於けるフレームの廃棄数を調べることができる。
【0008】
又フレーム伝送を行う伝送装置間の伝送品質を向上させる手段として、リンク集約(Link Aggregation;リンクアグリゲーション)の技術が知られている。このリンク集約は、フレーム伝送装置間にケーブル等の物理リンクを複数設置し、これらの物理リンクを束ねて1つの仮想的な論理リンクを構成する技術である。このようなリンク集約を行うことにより、高価なケーブルや通信インタフェースを用意することなく、帯域を増やした伝送径路を実現できる。又複数の物理リンクを同時に使用する為、一部の物理リンクが故障した場合でも、伝送径路が完全に切断されることを防止できる。このようなリンク集約によりフレーム伝送を行う場合、複数の物理リンクの中の選択した1物理リンクにより伝送し、受信側は、何れの物理リンクによる受信フレームも有効なフレームとして処理する。
【0009】
その場合に、1つの“送信元と宛先のアドレスのペア”(以降、「カンバセーション」と称する)について、フレームの送信順序は途中の伝送径路に於いて変更されないことが要求されており、同一のカンバセーションに属するフレームは、以下に述べる理由により、同じ物理リンクを使用して送信する必要がある。即ち、イーサネット(登録商標)のフレーム長は64バイト〜1518バイト(VLANタグを付加した場合は1522バイト)の間で可変であるから、各種の長さのフレームが混在することになり、カンバセーションを意識せずにリンク集約のポートへそれぞれのフレームを振分けると、或るカンバセーションに属するフレーム群の順序が維持されない場合がある。具体例を、図14により説明する。なお、図14に於けるリンク上を流れるフレームの様子を示す部分では、フレームの順番を示し、且つ、フレームの間隔や位置は、送信されるタイミングを示し、右方向に位置するフレームが時間的に前に送信された状態を示す。
【0010】
図14に於いて、100,110,120,121は端末、201〜203はレイヤ2スイッチL2SWを示し、P01〜P03,P11,P14,P15,P24,P25,P27,P28はそれぞれポートを示す。端末100と端末120との間と、端末101と端末121との間でフレーム伝送を行う場合に、端末100は、端末120宛てのフレームを、例えば、64バイトのフレーム長で、「ア−1」、「ア−2」、「ア−3」、「ア−4」のような順番とタイミングで送信し、端末110は、端末121宛てのフレーム「イ−1」を、例えば、1518バイトのフレーム長で、図に示すタイミングで送信し、L2SW201は、それらのフレームを、それぞれポートP01,P02により受信すると、フレームの到着順に次に転送すべきポートを求めて転送処理を行う。
【0011】
この場合、L2SW201のポートP01,P02によるフレームの受信順に応じて、ポートP03から、「ア−1」、「イ−1」、「ア−2」、「ア−3」、「ア−4」の順番でL2SW202へ向けて送信する。L2SW201と端末100,110との間は、1Gbpsの伝送速度で接続され、一方、L2SW201とL2SW202とを接続するリンクは、10Gbpsの高速の伝送速度であるとすると、L2SW201からL2SW202へ到着するフレームの間隔は1Gbpsの場合より短くなる。前述のように、端末100からそれぞれ64バイト長のフレーム「ア−1」を送信し、次に間隔をおいて、順次フレーム「ア−2」、「ア−3」、「ア−4」を送信し、端末110からは1518バイト長のフレーム「イー1」を、フレーム「ア−1」の送信後のタイミングで送信した場合、L2SW−202は、ポートP11でフレームを受信した順に、次に転送すべきポートP14,P15を求める。次のL2SW202,203間は、二つのリンクで構成されたリンク集約を使用して出力する。例えば、ラウンドロビンによる順番で、二つのリンクへ交互に振分けたとすると、ポートP14から、「ア−1」、「ア−2」、「ア−4」の順番で送信され、ポートP15からは、「イ−1」、「ア−3」の順番で送信される。その為に、L2SW203のポートP27から端末120へのフレームは、「ア−1」、「ア−2」、「ア−4」、「ア−3」の順番となり、端末120へ転送すべきフレームの順番が「ア−3」と「ア−4」で逆転することがある。
【0012】
このような問題を回避する為に、前述のように、リンク集約へ転送する場合は、同じカンバセーションに属するフレームは同じ物理リンクを通るように振分ける。その為に、例えば、フレームの送信元MACアドレスや宛先MACアドレスの下位の1バイトのデータを基にXOR演算した結果を、リンク集約しているポート数で割って得られる剰余によって、使用するリンクを決定するような方法を適用することができる。それによって、同じカンバセーションに属するフレームは同じ物理リンクで転送される。この場合の例を、図15により示すもので、端末100,110,120,121のアドレスを、それぞれ端末を示す符号と同一の100,110,120,121とした場合について示し、前述のように、XOR演算結果を、リンク集約しているポート数、この場合2であるから、2によって除算すると、端末100,120間は“1”、端末110,121間は“0”となる。それにより端末100から端末120へのフレームを、L2SW202のポートP14から出力し、端末110から端末120へのフレームを、L2SW202のポートP15から出力するように制御することができる。従って、L2SW203のポートP27から端末120に対して、端末100からの送信順序を維持して送信することができる。
【0013】
図16は、MACフレームの一例を示すもので、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、識別子(VID)を含むVLAN(Virtual Local Area Network)タグ、ペイロード、FCS(Frame Check Sequence)を含む場合のフレーム構成を示し、宛先MACアドレスは、送信先の装置が有する通信インタフェースを一意に識別できる例えば6バイト構成のアドレスであり、又送信元MACアドレスは、送信元の装置が有する通信インタフェースを一意に識別できる例えば6バイト構成のアドレスである。又VLANタグは、1つのネットワークを複数の論理的なネットワークに分割して運用する場合に、個々の論理的なネットワークに割り当てられる一意な値であり、例えば、4バイト構成である。又ペイロードは、送受信するデータ本体であり、例えば、IP(Internet Protocol)パケットを所定のデータ長に分割したもので、46〜1500バイト長とする場合が一般的である。又FCSは、宛先MACアドレスからペイロードのデータまでの受信誤りを検出する為のものであり、例えば、4バイト構成である。なお、フレームのデータ構造は、ネットワークの運用形態等に応じて、種々の変形例が適用されるもので、例えば、VLANタグが省略される場合や、更に図示と異なるヘッダ情報が付加される場合もある。
【0014】
図17は、従来例のLMMの伝送説明図であり、前述の図14及び図15と同一符号は同一名称部分を示し、L2SW201のポートP03にMEP−cを設定し、L2SW204のポートP31にMEP−dを設定し、L2SW201のポートP03に設定したMEP−cを起点にLMの測定を起動したとする。この時、L2SW201がLMMを挿入する位置が、図示のように、「イ−1」のフレームの直後だったとすると、L2SW202はリンク集約への転送で、LMMも振分け対象とする。従って、LMMはポートP14の方へ振分けられたものとすると、LMMが次のL2SW203へ到着するのは、「イ−1」よりも早くなるので、このL2SW203からL2SW204へフレームを転送する時の順番は、LMMが「イ−1」の前になる。即ち、MEP−cで送信したときのフレームの順番と、MEP−dで受信したときのフレームの順番とが異なっている。その結果、LMMが到着した側での受信カウンタの値は、LMMを送信した時の送信カウンタよりも少なくなり、廃棄が発生したように見える。しかし、実際にはフレーム廃棄は発生していないので、LMの測定結果が正しく得られないということが判る。
【0015】
又図17と同一構成の図18のLMM伝送説明図に於いて、L2SW201からのLMMを、L2SW202はリンク集約のポートP15へ振分けたとすると、LMMが次のL2SW203へ到着するのは、フレーム「ア−4」よりも後になるので、その結果、LMMが到着した側での受信カウンタの値は、LMMを送信した時の送信カウンタよりも多くなるという矛盾した結果となる。この場合も、LMの測定結果が正しく得られないということが判る。
【0016】
そこで、端末間のフレームを中継伝送する各中継装置に於いても、中継伝送するフレームのカウント値を、端末の送受信フレームのカウント値と共にLMMの領域に書込んで転送することにより、端末間で中継伝送される中継区間毎の送受信フレーム数のカウント値を収集して、端末間の送信フレームの総数と受信フレームの総数とを用いて、フレーム廃棄数を求める手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2008−244870号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】ITU−T Recommendation Y.1731
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
端末間でフレーム伝送を行う場合、前述のように、複数の中継装置や複数の伝送径路を経由する場合が一般的であり、又異なる端末間のフレームが同一中継伝送径路を介して伝送され、且つフレーム長が異なるフレームが混在して伝送される場合や、前述の図17、図18に示すように、リンク集約伝送径路を介して伝送される場合がある。このリンク集約伝送径路を介して伝送される場合は、前述のように、同一端末間のフレームは、同一の物理リンクを介して伝送する手段を適用することにより、フレームの到着順は、送信順と同一となるようにすることが可能である。しかし、前述の図18により説明したように、フレーム数のカウント値を収集して伝送径路の品質監視を行う場合のLMMフレームと他のフレームとの受信順序が送信順序と異なることにより、フレーム到着数のカウント値が送信数と異なり、実際にはフレーム損失が発生しないにも拘わらず、フレーム損失発生として誤検出する問題がある。又前述の特許文献1に示されているように、フレームの中継区間を含めて、総ての伝送区間でそれぞれフレーム数のカウントを行い、そのカウント値を総て測定用のOAMフレームの領域に設定して収集し、集計処理を行ってフレーム廃棄数を求める手段を適用した場合は、各中継装置の処理量の増大とカウント値を収集するシステムコストの上昇を招く問題がある。
【0020】
本発明は、前述の従来の問題点を解決することを目的とするものであり、保守機能点設定ポート間にリンク集約のフレーム伝送径路を含む場合に於いても、送受信フレーム数のカウント値を収集するOAMフレーム(LMMフレーム及びLMRフレーム)により、正確なフレーム数のカウント値を収集可能とし、フレーム伝送径路の信頼性の正確な判定を可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明のフレーム伝送装置は、ネットワークを介してフレーム伝送を行うフレーム伝送装置であって、端末又は他のフレーム伝送装置との間を接続する為の複数のポートと、これらの複数のポートの中の保守機能点(MEP)設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間で送受信する保守フレームが通過するリンク集約の物理リンクと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部によりカウントさせ、このフレームカウンタ部による送受信フレームのカウント値を、保守フレームにより保守機能点設定ポート間で相互に通知する制御処理を行うフレームスイッチ機構部と、装置内各部を制御すると共に、フレームスイッチ機構部からの保守フレームにより通知された送信フレーム数と、フレームカウンタ部による受信フレーム数とを基にフレーム廃棄数を求める制御処理を実行する設定制御部とを含む構成を有するものである。
【0022】
又前記保守機能点設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間のリンク集約の複数の物理リンク対応に通過させる複数の保守フレームと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを、保守フレームが通過する物理リンク対応にカウントするフレームカウンタ部と、保守フレームが通過する物理リンク対応のカウント値を、物理リンク対応の保守フレームに付加して送受信し、物理リンク対応にフレーム廃棄数を求める制御処理を実行する設定制御部とを含む構成を有するものである。
【0023】
又本発明のフレーム廃棄数測定方法は、ネットワークを介してフレーム伝送装置間でフレーム伝送を行い、このフレームの伝送過程に於けるフレーム廃棄数を測定するフレーム廃棄数測定方法であって、フレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポートと他のフレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポートとの間に、リンク集約の物理リンクを経由して伝送する保守フレームと同一の物理リンクを経由する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部によりカウントし、このフレームカウンタ部によるカウント値を、保守フレームにより、保守機能点設定ポート間で通知し、その保守フレームが通過するリンク集約の物理リンク対応の受信フレーム数と、保守フレームにより通知された送信フレーム数とにより、フレーム廃棄数を求める処理過程を含むものである。
【0024】
又フレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポートと、この保守機能点設定ポート間で伝送する保守フレームを通過させるリンク集約の物理リンクとを保守端末側から設定し、設定した物理リンクを経由して伝送する送受信フレームをカウントする処理過程を含むものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、ネットワークを介してフレーム伝送を行うフレーム伝送装置の保守機能点設定ポート間に、リンク集約の複数の物理リンクを経由する保守フレームと同一の物理リンクを経由して伝送されるフレームについて、物理リンク対応にカウントすることにより、正確な送受信フレーム数を求めることができるから、保守機能点設定ポート間のフレーム伝送径路の信頼性の正確な判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1の説明図である。
【図2】保守フレームの説明図である。
【図3】本発明の実施例1のフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1のフローチャートである。
【図5】本発明の実施例1の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図である。
【図6】本発明の実施例2の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図である。
【図7】本発明の実施例2のフレームカウンタ部の説明図である。
【図8】本発明の実施例2のフローチャートである。
【図9】本発明の実施例2のフローチャートである。
【図10】本発明の実施例3の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図である。
【図11】本発明の実施例3のフローチャートである。
【図12】本発明の実施例3のフローチャートである。
【図13】従来例のフレーム伝送処理の説明図である。
【図14】従来例のフレーム伝送制御の説明図である。
【図15】従来例のフレーム伝送制御の説明図である。
【図16】MACフレームの説明図である。
【図17】従来例のLMMの伝送説明図である。
【図18】従来例のLMMの伝送説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のフレーム伝送装置は、図1を参照すると、ネットワークを介してフレーム伝送を行うフレーム伝送装置であって、端末又は他のフレーム伝送装置との間を接続する為の複数のポート(通信ポート群12)と、これらの複数のポートの中の保守機能点(MEP)設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間で送受信する保守フレームが通過するリンク集約の物理リンクと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部17によりカウントさせ、このフレームカウンタ部17による送受信フレームのカウント値を、保守フレーム(OAMフレーム)により保守機能点設定ポート(MEP設定ポート)間で相互に通知する制御処理を行うフレームスイッチ機構部16と、装置内各部を制御すると共に、フレームスイッチ機構部16からの保守フレームにより通知された送信フレーム数と、フレームカウンタ部17による受信フレーム数とを基にフレーム廃棄数を求める制御処理を実行する設定制御部13とを含む構成を有するものである。
【0028】
本発明のフレーム廃棄数測定方法は、ネットワークを介してフレーム伝送装置間でフレーム伝送を行い、このフレームの伝送過程に於けるフレーム廃棄数を測定するフレーム廃棄数測定方法であって、フレーム伝送装置の複数のポート(通信ポート群12)の中の保守機能点設定ポート(MEP設定ポート)と他のフレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポート(MEP設定ポート)との間に、リンク集約の物理リンクを経由して伝送する保守フレームと同一の物理リンクを経由する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部17によりカウントし、このフレームカウンタ部17によるカウント値を、保守フレームにより、保守機能点設定ポート間で通知し、その保守フレームが通過するリンク集約の物理リンク対応の受信フレーム数と、保守フレームにより通知された送信フレーム数とにより、フレーム廃棄数を求める処理過程を含むものである。
【実施例1】
【0029】
図1は、本発明の実施例1の説明図であり、フレーム伝送を行う端末間の伝送径路に位置し、ネットワークを介してそれぞれ接続されるフレーム伝送装置の一例のレイヤ2スイッチL2SWの要部を示すもので、10はバス、11は保守端末、12は通信ポート群(P1〜P8はポート)、13は設定制御部、14はテーブル格納メモリ、15は学習テーブル、16はフレームスイッチ機構部、17はカウンタ部を示す。設定制御部13は、プロセッサ(CPU)21とメモリ22と通信インタフェース部(通信IF)23とを含む構成を有し、メモリ22に格納したプログラムをプロセッサ21が実行して、L2SWの各部を制御する。又通信インタフェース部23と、保守端末11とは、例えば、図13に示す監視制御網を介して接続し、保守者が操作する保守端末11からのコマンドを受信してプロセッサ21に通知し、又このコマンドに従ったプロセッサ21の処理結果を、通信インタフェース部23を介して保守端末11に転送する。
【0030】
又通信ポート群12は、8個のポートP1〜P8を有する場合を示し、各ポートP1〜P8にはそれぞれ物理リンクを接続することができるものであり、それらのポート数は、装置規模に応じた個数とするもので、学習機能を有する場合、少なくとも3以上のポート数とする場合が一般的である。又テーブル格納メモリ14は、例えば、フレーム廃棄数を測定する為に、保守端末11からMEP(Maintenance Entity guoup end Point;保守機能点)が設定された場合、その保守機能点設定ポート情報を格納する。その場合の設定情報には、通信ポート群12の中の保守機能点設定ポートを示すポート指定情報も含まれ、フレームスイッチ機構部16は、テーブル格納メモリ14にMEP設定ポート情報が設定されたことを認識すると、LMMフレームやLMRフレームを受信した場合に、バス10経由で設定制御部13へ通知し、設定制御部13は、保守端末11に対する応答作成や試験結果送出の処理を行う。又フレームスイッチ機構部16は、通信ポート群12又はバス10を介して入力されたフレームの受信ポート番号とフレームの送信元アドレスのMACアドレスとを対応付けて、学習テーブル15に格納するもので、随時更新する。更に、フレームスイッチ機構部16は、受信フレームの種別や、学習テーブル15の内容を参照して、フレームの転送先(通信ポート群12の中のポートP1〜P8)を決定する。又カウンタ部17は、“MEP通過した送信フレーム数”として示すMEP設定ポートからの送信フレーム数をカウントするカウンタと、“MEP通過した受信フレーム数”として示すMEP設定ポートによる受信フレーム数をカウントするカウンタとを含む構成を備えている。
【0031】
図2は、保守フレームの説明図であり、宛先MACアドレスDAと、送信元MACアドレスSAと、VLANタグと、OAM(Operations,Administration,and Maintenance)用として設定されたタイプOAM Typeと、オペレーションコードOpecode(0x2bはLMM、0x2aはLMR)と、LMM送信側の送信カウンタの内容TxFCfと、LMM受信カウンタの内容RxFCfと、LMR送信側の送信カウンタの内容TxFCbと、リザーブ領域と、誤り検出用のFCS(Frame Check Sequence)とを含む場合を示す。
【0032】
図3は、本発明の実施例1のフローチャートを示し、フレームスイッチ機構部のフレーム送信時の処理を示すフローチャートであり、フレームを受信したポートにMEP設定済みか否かを判定し(S9−1)、設定されていなければ、そのフレームを送信する宛先アドレスDAに従った送信ポートを求める処理(S9−7)へ移行する。又MEP設定済みの場合は、その受信フレームは、保守フレームのLMM又はLMRか否かを、オペレーションコードOpeCodeの“0x2b”又は“0x2a”の何れであるかによって判定し(S9−2)、LMM又はLMRの場合は、受信カウンタのカウント値をRxFCf又はRxFCbとして取込み、LMM又はLMRと共に、設定制御部13へ通知する(S9−3)。又LMMとLMRとの何れでもない場合は、伝送径路の途中にリンク集約の区間が存在するか否かを判定し(S9−5)、リンク集約の区間が存在する場合は、そのリンク集約の物理リンクへフレームを振分ける時に、LMM又はLMRと同じ物理リンクへ振分けるか否かを判定し(S9−5)、同じ物理リンクへ振分けない場合は、送信ポートを求める処理(S9−7)へ移行する。又ステップ(S9−4)に於いてリンク集約の区間がない場合、及びステップ(S9−5)に於いて同じ物理リンクへ振分ける場合、カウンタ部17によるMEPを通過した受信フレームとしてカウントアップし(S9−6)、送信ポートを求める処理(S9−7)へ移行する。
【0033】
前述のステップ(S9−5)に於けるフレームをリンク集約の物理リンクへ振分けるアルゴリズムについては示していないが、例えば、従来例に於けるMACアドレスによるアルゴリズムを適用することができる。なお、リンク集約の振分けについては、他のアルゴリズムを適用することも可能であり、本発明に於いては、リンク集約の振分け方法には依存しないので、他の振分けアルゴリズムを適用することも可能である。又前述のステップ(S9−4)による伝送途中にリンク集約の区間があるか否かの判定処理は、例えば、保守端末11から指示し、それによって、設定制御部13からテーブル格納メモリ14に設定し、フレームスイッチ機構部16は、テーブル格納メモリ14を参照して判定することも可能である。又LMM及びLMRが何れの物理リンクを経由して転送するかについて、保守者が保守端末11から予め指示しておくことも可能である。即ち、リンク集約の物理リンクに対するフレームの振分け処理は、既に知られている各種の手段を適用することが可能である。
【0034】
図4は、本発明の実施例1のフローチャートであり、送信ポート決定後のフレーム送信処理のフローチャートを示し、図1のフレームスイッチ機構部16による処理に関するものであって、送信ポート決定後、その送信ポートから送信するフレームは、自装置発のLMM又はLMRかを判定し(S10−1)、自装置発のLMM又はLMRの場合は、送信カウンタのカウント値をTxFCf又はTxFCb(図2参照)として取込み、送信するフレームに書込み(S10−3)、ポートから送信する処理(S10−7)へ移行する。又ステップ(S10−1)に於いて、送信フレームは自装置発のLMM又はLMRでない場合は、送信ポートにMEP設定済みか否かを判定し(S10−2)、設定済みでない場合は、ポートから送信する処理(S10−7)へ移行する。又設定済みの場合は、フレームの伝送途中にリンク集約の区間があるか否かを判定し(S10−4)、リンク集約の区間がある場合は、フレームをリンク集約の物理リンクへ振分ける時に、そのフレームがLMM(自MEPがLMM送信側の場合)又はLMR(自MEPがLMR送信側の場合)と同じ物理リンクで伝送されるか否かを判定し(S10−5)、同じ物理リンクで伝送されない場合は、ポートから送信する処理(S10−7)へ移行する。又フレームの伝送途中にリンク集約の区間が存在しない場合、又はリンク集約の区間が存在し、且つフレームをリンク集約の物理リンクへ振分ける時に、LMM又はLMRと同じ物理リンクに振分ける場合、送信フレーム数カウンタにより加算し(S10−6)、ポートから送信する処理(S10−7)へ移行する。
【0035】
前述のステップ(S10−4)のリンク集約の区間があるか否かの判定処理や、ステップ(S10−5)のリンク集約の物理リンクへの振分けの場合に、LMM又はLMRと同じ物理リンクか否かの判定処理は、図3のステップ(S9−4)と、ステップ(S9−5)と同様の処理で実行することができる。又フレームスイッチ機構部16(図1参照)は、送信フレームを、フレームカウンタ部17によりカウントすべきか否かを判定し、カウントアップすべき時は、前述のステップ(S9−6)及びステップ(S10−6)によりカウントアップする。保守者が保守端末11(図1参照)を操作して、LM試験の実行要求を行うと、設定制御部11のプロセッサ21によりフレームスイッチ機構部16を制御し、フレームがLMMであることを認識すると、ステップ(S10−3)に示すように、指定されたMEPに対応する送信カウンタのカウント値をLMMの中のTxFCf又はTxFCbとして設定し、ステップ(S10−7)へ移行して、MEP設定ポートから送信する。
【0036】
フレームスイッチ機構部16(図1参照)は、前述のステップ(S9−1)及び(S9−2)により、受信ポートにMEPが設定されていて、LMRを受信した場合は、ステップ(S9−3)に従って、それに対応する受信カウンタの値を取り出す。この値が、RxFCfとなる。そして、設定制御部13へ、受信したLMRのフレームと、RxFCfをバス10経由で通知する。設定制御部13は、前回のLMR受信時に取得した情報と、今回のLMR受信で取得した情報とを基に以下の計算を行ってフレーム廃棄数を求め、このフレーム廃棄数を保守端末11へ通知する。
フレームの廃棄数(far end)=(TxFCfc−TxFCfp)−(RxFCfc−RxFCfp)
フレームの廃棄数(near end)=(TxFCbc−TxFCbp)−(RxFClc−RxFClp)
このようにして、フレームの送受信地点間に於けるフレームの廃棄数を測定することができる。
【0037】
図5は、本発明の実施例1の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図であり、図18の従来例と同一符号は同一名称部分を示し、複数のフレーム伝送装置としてのレイヤ2スイッチ(L2SW)を介した伝送径路により、端末間でフレーム伝送し、L2SW202,L2SW203との間にリンク集約伝送径路が形成されている場合を示す。この場合、端末100からフレーム「ア−1」、「ア−2」、「ア−3」、「ア−4」を端末120宛に送信し、端末110からフレーム「イー1」を端末121宛に送信し、リンク集約伝送径路の一方の物理リンクに端末100,120間のフレームを振分け、他方の物理リンクに端末110,121間のフレームを振分け、L2SW201のポートP03にMEP−cを設定し、L2SW204のポートP31にMEP−dを設定し、ポートP03からのLMMを、リンク集約のポートP15,P25間の物理リンクに、フレーム「イ−1」と共に伝送する。従って、ポートP03から送信するフレームの中で、ポートP15,P25間のリンクに伝送するフレーム、この場合、フレーム「イー1」を送信フレームとしてカウントする。又L2SW204のポートP31に於いて受信するフレームに中で、ポートP15,P25間のリンクを介して伝送されたフレーム、この場合、フレーム「イー1」を受信フレームとしてカウントする。即ち、LMMと同一径路で伝送されるフレームを送信フレームとしてカウントし、同様にLMMと同一径路で伝送される受信フレームもカウントする。それにより、LMMと同一伝送径路のフレームの送受信数をLMMにより収集して、伝送径路の正常性を監視することができる。なお、複数のフレーム伝送装置をそれぞれ接続してフレーム伝送を行うネットワークは、既に知られている各種の構成を適用することができる。
【実施例2】
【0038】
図6は、本発明の実施例2の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図であり、前述の図5と同一符号は同一名称部分を示し、端末100から端末120へフレーム「ア−1」、「ア−2」、「ア−3」、「ア−4」を送信し、端末110から端末121へフレーム「イ−1」を送信する場合に、L2SW202,203間にリンク集約伝送径路が形成され、L2SW201のポートP03にMEP−cを設定し、L2SW204のポートP31にMEP−dを設定し、リンク集約伝送径路の物理リンクの数に対応したLMMを形成して、MEP−c設定のL2SW201のポートP03から端末120,121への送信フレームと共に送信し、リンク集約伝送径路の各物理リンクにLMMをそれぞれ伝送し、MEP−c設定側では、物理リンク対応に送信フレーム数をカウントし、MEP−d設定側では、物理リンク対応に受信フレーム数をカウントする。この場合のリンク集約伝送径路のリンク対応の振分けは、例えば、前述のMACアドレスを基にXOR演算してリンクを求める手段を適用することができる。そして、1番目のLMMは、リンク集約の1番目の物理リンクを通るようにし、2番目のLMMは、リンク集約の2番目の物理リンクを通るようにすると、L2SW202,203間のリンク集約の1番目の物理リンクに1番目のLMMが通過し、2番目の物理リンクに2番目のLMMが通過するように制御することができる。
【0039】
この場合の物理リンク対応の送信フレーム数と受信フレーム数とをそれぞれカウントするカウンタ部17(図1参照)は、例えば、図7に示すように、1〜n個の物理リンク対応の送信フレーム数をカウントする送信フレームカウンタ部17aと、受信フレーム数をカウントする受信フレームカウンタ部17bとにより構成し、フレームスイッチ機構部16(図1参照)により送受信処理するフレームがLMMか否かと、リンク集約を含む場合のフレーム通過の物理リンク識別とに従って、物理リンク対応の送信フレーム数と受信フレーム数とをそれぞれカウントすることができる。この場合、例えば、図6に於けるポートP03,P11間のLMMと他のフレームとの送信順と、ポートP26,P31間のLMMと他のフレームとの受信順序とが相違しても、物理リンク対応のLMMによって物理リンク対応にフレーム数をカウントすることができる。
【0040】
図8は、本発明の実施例2のフローチャートを示し、送信ポートを決定する送信フレーム決定後の送信フレームの処理に於いて、先ず、送信ポートに、MEP設定済みか否かを判定する(S15−1)。送信ポートにMEPが設定されていない場合は、送信処理に移行する。又MEPが設定されている場合、送信フレームは、設定制御部13(図1参照)からのLMMか否かを判定する(S15−2)。LMMの場合はステップ(S15−3)へ移行し、LMMでない場合は、ステップ(S15−5)へ移行する。LMMの場合の処理を行うステップ(S15−3)に於いては、LMMを転送する途中にリンク集約の区間が存在するか否かを判定する処理を行うもので、リンク集約の区間がない場合は、送信処理に移行し、又リンク集約がある場合、例えば、2個の物理リンクの場合、第1のLMMをリンク集約の1番目の物理リンクを通るフレームとして作成し、その物理リンクに対応する送信カウンタとしてTxFCf(図2参照)をLMMに書込み、又第2のLMMをリンク集約の2番目の物理リンクを通るフレームとして作成し、その物理リンクに対応する送信カウンタとして、TxFCfをLMMに書込み(S15−4)、そして、送信処理に移行する。
【0041】
又ステップ(S15−2)に於いて、送信フレームがLMMでない場合、途中にリンク集約の区間があるか否かを判定し(S15−5)、リンク集約がない場合、送信フレーム数カウンタに加算し(S15−8)、送信処理に移行する。又ステップ(S15−5)に於いて、リンク集約の区間ありの判定の場合、フレームをリンク集約の物理リンクへ振分ける時に、振分け先物理リンクを求め(S15−6)、その振分け先物理リンクに対応する送信フレーム数カウンタに加算し(S15−7)、送信処理へ移行する。
【0042】
図9は、本発明の実施例2のフローチャートを示し、LMMを受信する側のフレーム伝送装置としてのL2SWに於けるフレーム受信処理として、その受信フレームはLMMか否かを判定し(S16−1)、LMMの場合は、ステップ(S16−2)に移行し、LMMでない場合は、ステップ(S16−7)に移行する。ステップ(S16−2)では、受信ポートにMEP設定済みか否かを判定し、MEPが設定されていない場合は、送信ポートを求める処理に移行する。又MEPが設定されている場合は、フレームの伝送径路にリンク集約の区間があるか否かを判定し(S16−3)、リンク集約の区間がある場合は、LMMをリンク集約の物理リンクへ振分ける振分け先の物理リンクを求め、その物理リンク対応の受信カウンタのカウント値をRxFCfとして取込む(S16−4)。又リンク集約の区間がない場合は、受信カウンタのカウント値をRxFCfとして取込む(S16−6)。そして、ステップ(S16−4)又はステップ(S16−6)の後に、取込んだRxFCfとLMMとを設定制御部13(図1参照)へ通知し(S16−5)、送信ポートを求める処理へ移行する。
【0043】
又MEP設定済みか否かの判定ステップ(S16−7)に於いて、MEP設定済みでないと判定した場合、送信ポートを求める処理へ移行する。又MEP設定済みの判定の場合は、フレーム伝送径路にリンク集約の区間があるか否かを判定し(S16−8)、ない場合は、受信フレーム数カウンタに加算して(S16−11)、送信ポートを求める処理へ移行する。又リンク集約の区間がある場合は、フレームをリンク集約の物理リンクへ振分ける時の振分け先物理リンクを求め(S16−9)、その振分け先物理リンクに対応する受信フレーム数カウンタに加算して(S16−10)、送信ポートを求める処理へ移行する。従って、LMMが通過するリンク集約の物理リンクに振分けられたフレームを、その物理リンク対応にカウントすることができる。
【実施例3】
【0044】
図10は、本発明の実施例3の保守機能点設定ポート間のフレーム伝送の説明図であり、前述の図5及び図6と同一符号は同一名称部分を示し、MEP−cをL2SW202のポートP11に設定した場合を示す。この場合、前述の図6に於いては、L2SW201のフレーム送信ポートに相当するポートP03にMEP−cを設定しているが、図10に示す実施例3に於いては、そのMEP−cをL2SW202の受信ポートに相当するポートP11に設定した場合を示す。このL2SW202は、L2SW201から受信したフレームに対して、矢印で示すLMM挿入位置に挿入する。なお、L2SW202,203間にリンク集約の伝送径路が形成されているから、リンク対応のLMMを生成する。それによって、ポートP15,P25間は、フレーム「イ−1」の後にLMMが転送され、ポートP14,P24間は、フレーム「ア−1」の後にLMMが転送される場合を示している。又この場合、ポートP26,P31間に於いては、ポートP26からのフレーム送信処理に対応して、フレーム「ア−1」の後にLMMが転送され、フレーム「イ−1」,「ア−4」の後にLMMが転送される場合を示している。MEP−c設定のポートP11に於いては、リンク集約の物理リンク対応のLMM間のフレーム数をカウントする。従って、MEP−cを設定したポートP11に於いて、リンク振分けに対応した送信フレームをカウントし、MEP−d設定のポートP31に於いて、リンク振分けに対応した受信フレームをカウントすることにより、ポートP11,P31間のフレームロスの有無を監視することができる。
【0045】
図11は、本発明の実施例3のフローチャートであり、フレームの受信ポートにMEP設定済みか否かを判定し(S17−1)、設定されていない場合は、送信ポートを求める処理へ移行し、設定されている場合は、受信フレームは設定制御部13(図1参照)からのLMMか否かを判定し(S17−2)、LMMの場合はステップ(S17−3)へ移行し、LMMでない場合はステップ(S17−5)へ移行する。ステップ(S17−3)に於いては、LMMを転送する途中にリンク集約の区間があるか否かを判定し、リンク集約の区間が存在しない場合は、送信ポートを求める処理へ移行し、リンク集約の区間が存在する場合は、LMMをリンク集約の1番目の物理リンクを通るフレームとして作成し、該当物理リンクに対応する受信カウンタを取込み、TxFCfとしてLMMに書込み、又LMMをリンク集約の2番目の物理リンクを通るフレームとして作成し、該当リンクに対応する受信カウンタを取込み、TxFCfとしてLMMに書込む。なお、3番目、4番目の物理リンクが存在する場合は、それぞれの物理リンクに対応して前述の処理を行うことになり、処理終了により、送信ポートを求める処理へ移行する。又ステップ(S17−5)に於いては、途中にリンク集約の区間があるか否かを判定し、リンク集約の区間がある場合は、フレームをリンク集約の物理リンクへ振分けるときの振分け先物理リンクを求め(S17−6)、その振分け先物理リンクに対応する受信フレーム数カウンタに加算し(S17−7)、送信ポートを求める処理へ移行する。又途中にリンク集約の区間がない場合は、受信フレーム数カウンタに加算して(S17−8)、送信ポートを求める処理へ移行する。
【0046】
図12は、本発明の実施例3のフローチャートであり、送信ポートを決定した後のフレーム送信処理を示し、送信フレームはLMR(Loss Measurement Reply)か否かを判定し(S18−1)、LMRの場合は、ステップ(S18−2)へ移行し、又LMRでなかった場合は、ステップ(S18−7)へ移行する。LMRの場合は、送信ポートにMEP設定済みか否かを判定し(S18−2)、MEPが設定されていない場合は、ポートからフレームを送信する処理へ移行する。又MEPが設定されている場合は、そのフレームが伝送された径路にリンク集約の区間が存在したか否かを判定し(S18−3)、リンク集約の区間が存在しない場合は、送信カウンタをFxFClとして取込み(S18−6)、次のステップ(S18−5)へ移行する。又リンク集約の区間が存在する場合は、LMRフレームをリンク集約の物理リンクへ振分けるときの振分け先物理リンクを求め、その物理リンク対応の送信カウンタをRxFClとして取込み(S18−4)、取込んだRxFClとLMRとを設定制御部13(図1参照)へ通知し(S18−5)、ポートから送信する処理を行う。又送信フレームがLMRでない時のステップ(S18−7)に於いては、フレームの伝送径路にリンク集約の区間が存在したか否かを判定し、リンク集約の区間が存在しない場合は、送信フレーム数カウンタに加算し(S18−8)、ポートから送信する処理へ移行する。又リンク集約の区間が存在する場合は、リンク集約区間の複数の物理リンクの何れの物理リンクへ振分けるか、その振分け先物理リンクを求め(S18−9)、その振分け先物理リンクに対応する送信フレーム数カウンタに加算して(S18−10)、ポートから送信する処理を行う。前述の処理により、フレームを送信するポートによる保守フレームLMRを受信して、廃棄フレーム数の測定を行うことができる。
【符号の説明】
【0047】
10 バス
11 保守端末
12 通信ポート群
13 設定制御部
14 テーブル格納メモリ
15 学習テーブル
16 フレームスイッチ機構部
17 カウンタ部
21 プロセッサ(CPU)
22 メモリ
23 通信インタフェース部(通信IF)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してフレーム伝送を行うフレーム伝送装置に於いて、
端末又は他のフレーム伝送装置との間を接続する為の複数のポートと、
該複数のポートの中の保守機能点設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間で送受信する保守フレームが通過するリンク集約の物理リンクと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部によりカウントさせ、該フレームカウンタ部による送受信フレームのカウント値を前記保守フレームにより前記保守機能点設定ポート間で相互に通知する制御処理を行うフレームスイッチ機構部と、
装置内各部を制御すると共に、前記フレームスイッチ機構部からの前記保守フレームにより通知された送信フレーム数と前記フレームカウンタ部による受信フレーム数とを基にフレーム廃棄数を求める制御処理を実行する設定制御部と
を含む構成を有することを特徴とするフレーム伝送装置。
【請求項2】
前記保守機能点設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間のリンク集約の複数の物理リンク対応に通過させる複数の保守フレームと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを、前記保守フレームが通過する物理リンク対応にカウントするフレームカウンタ部と、前記保守フレームが通過する物理リンク対応のカウント値を該物理リンク対応の保守フレームに付加して送受信し、前記物理リンク対応にフレーム廃棄数を求める制御処理を実行する設定制御部とを含む構成を有することを特徴とする請求項1記載のフレーム伝送装置。
【請求項3】
ネットワークを介してフレーム伝送装置間でフレーム伝送を行い、該フレームの伝送過程に於けるフレーム廃棄数を測定するフレーム廃棄数測定方法に於いて、
前記フレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポートと他のフレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポートとの間に、リンク集約の物理リンクを経由して伝送する保守フレームと同一の物理リンクを経由する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部によりカウントし、該フレームカウンタ部によるカウント値を前記保守フレームにより前記保守機能点設定ポート間で通知し、前記保守フレームが通過する前記リンク集約の物理リンク対応の受信フレーム数と前記保守フレームにより通知された送信フレーム数とにより、フレーム廃棄数を求める処理過程を含む
ことを特徴とするフレーム廃棄数測定方法。
【請求項4】
前記フレーム伝送装置の複数のポートの中の前記保守機能点設定ポートと、該保守機能点設定ポート間で伝送する保守フレームを通過させる前記リンク集約の物理リンクとを保守端末側から設定し、設定した該物理リンクを経由して伝送する送受信フレームをカウントする処理過程を含むことを特徴とする請求項3記載のフレーム廃棄数測定方法。
【請求項1】
ネットワークを介してフレーム伝送を行うフレーム伝送装置に於いて、
端末又は他のフレーム伝送装置との間を接続する為の複数のポートと、
該複数のポートの中の保守機能点設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間で送受信する保守フレームが通過するリンク集約の物理リンクと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部によりカウントさせ、該フレームカウンタ部による送受信フレームのカウント値を前記保守フレームにより前記保守機能点設定ポート間で相互に通知する制御処理を行うフレームスイッチ機構部と、
装置内各部を制御すると共に、前記フレームスイッチ機構部からの前記保守フレームにより通知された送信フレーム数と前記フレームカウンタ部による受信フレーム数とを基にフレーム廃棄数を求める制御処理を実行する設定制御部と
を含む構成を有することを特徴とするフレーム伝送装置。
【請求項2】
前記保守機能点設定ポートと他のフレーム伝送装置の保守機能点設定ポートとの間のリンク集約の複数の物理リンク対応に通過させる複数の保守フレームと同一の物理リンクを通過する送受信フレームを、前記保守フレームが通過する物理リンク対応にカウントするフレームカウンタ部と、前記保守フレームが通過する物理リンク対応のカウント値を該物理リンク対応の保守フレームに付加して送受信し、前記物理リンク対応にフレーム廃棄数を求める制御処理を実行する設定制御部とを含む構成を有することを特徴とする請求項1記載のフレーム伝送装置。
【請求項3】
ネットワークを介してフレーム伝送装置間でフレーム伝送を行い、該フレームの伝送過程に於けるフレーム廃棄数を測定するフレーム廃棄数測定方法に於いて、
前記フレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポートと他のフレーム伝送装置の複数のポートの中の保守機能点設定ポートとの間に、リンク集約の物理リンクを経由して伝送する保守フレームと同一の物理リンクを経由する送受信フレームを識別してフレームカウンタ部によりカウントし、該フレームカウンタ部によるカウント値を前記保守フレームにより前記保守機能点設定ポート間で通知し、前記保守フレームが通過する前記リンク集約の物理リンク対応の受信フレーム数と前記保守フレームにより通知された送信フレーム数とにより、フレーム廃棄数を求める処理過程を含む
ことを特徴とするフレーム廃棄数測定方法。
【請求項4】
前記フレーム伝送装置の複数のポートの中の前記保守機能点設定ポートと、該保守機能点設定ポート間で伝送する保守フレームを通過させる前記リンク集約の物理リンクとを保守端末側から設定し、設定した該物理リンクを経由して伝送する送受信フレームをカウントする処理過程を含むことを特徴とする請求項3記載のフレーム廃棄数測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−287939(P2010−287939A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138091(P2009−138091)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】
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