説明

フレーム

【課題】下フレーム材における縦フレーム材の荷重の分散化を図りつつ、リベット止めを他の枠材の接合部と同一平面内で行うことができて作業効率を向上させることのできるフレームを提供する。
【解決手段】縦フレーム材2に複数の横フレーム材3を接合してなり、下フレーム材3bの一方の側面には端部に係合片20が形成され、他方の側面には端部から長手方向に延設される延長壁25が形成され、縦フレーム材の前面10と内周面11とで形成される角部の下端部には下フレーム材の延長壁を跨ぐ切欠部12が形成され、内周面には下フレーム材の係合片と係合する被係合部13が形成され、縦フレーム材と下フレーム材は係合片と被係合部が係合すると共に、切欠部が延長壁を跨いだ状態で、当接する前面と延長壁とをリベット止めしてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦フレーム材と横フレーム材を接合してなるフレームに関し、特にサッシを取付けることのできる開口を有したパネルユニットに用いられるフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サッシを取付ける開口を有したパネルユニットに用いる金属製のフレームにおいて、フレームを構成する各枠材は、溶接によって接合されていた。しかし、溶接による接合は、作業者の熟練度により品質にばらつきがあることや、熱によるひずみ等が発生することなど、問題を有していた。このため、溶接によらない接合、例えばリベットによる接合が行われるようになっている。
【0003】
しかし、溶接によらない接合を行うためには、接合される枠材が互いに面と面で当接している必要がある。ここで、パネルユニットにおいては、一方の枠材の端面が面状で、この端面を他方の枠材の側面に突き当てるように接合する必要のある部位が存在する。このような部位においては、溶接によらない接合を行うことは困難であるが、枠材の形状を大きく変更することなくこのような枠材同士を溶接によらない方法で接合するようにしたフレームが知られている。このようなフレームとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【特許文献1】特開2006−336333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に挙げるような従来のフレームにおいては、リベット止めを行う際の作業性が良好とは言えなかった。パネルユニットは、縦方向に2本設けられる縦フレーム材間に、横方向に3本の横フレーム材を渡して形成される。このうち、サッシを取付ける開口を構成する横フレーム材は、縦フレーム材に対してパネルユニットにより形成される面と垂直な方向からリベット止めされる。一方、縦フレーム材の下端部付近に取付けられる横方向の下フレーム材は、従来のフレームにおいては、パネルユニットにより形成される面と平行な方向からリベット止めされる。すなわち、枠材を全て接合するには平面方向が異なる2方向からリベット止めを行う必要がある。このため、重量の大きいリベット止め装置の向きを変えるように回転させなければならず、作業効率を悪化させることとなっていた。
【0005】
また、従来のフレームにおいては、断面略L字状に形成された縦フレーム材の一面が下フレーム材に対して取付けられるために、荷重が一面に集中して充分な強度を得ることが困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、下フレーム材における縦フレーム材の荷重の分散化を図りつつ、リベット止めを他の枠材の接合部と同一平面内で行うことができて作業効率を向上させることのできるフレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るフレームは、縦フレーム材に複数の横フレーム材を接合して構成され、前記横フレーム材のうち最下部に配置される下フレーム材が、前記縦フレーム材の下端部に接合されたフレームにおいて、
前記下フレーム材は、互いに対向する2つの側面と該側面を繋ぐ上面とで断面略コ字状に形成され、一方の側面には端部に係合片が形成され、他方の側面には端部から長手方向に延設される延長壁が形成され、
前記縦フレーム材は、下端部において前記下フレーム材の延長壁と当接する前面と該前面と直交する内周面とで断面略L字状に形成され、前記前面と内周面とで形成される角部の下端部には前記下フレーム材の延長壁を跨ぐ切欠部が形成され、前記内周面には前記下フレーム材の係合片と係合する被係合部が形成され、
前記縦フレーム材と下フレーム材は前記係合片と被係合部が係合すると共に、前記切欠部が前記延長壁を跨いだ状態で、当接する前記前面と延長壁とをリベット止めしてなることを特徴として構成されている。
【0008】
また、本発明に係るフレームは、前記前面と延長壁とのリベット止めは前記下フレーム材の長手方向に2箇所なされることを特徴として構成されている。
【0009】
さらに、本発明に係るフレームは、前記縦フレーム材の被係合部は前記係合片を跨ぐ切欠状に形成され、前記下フレーム材の係合片は先端部が前記延長壁側に折り曲げられて折返し部を形成することを特徴として構成されている。
【0010】
さらにまた、本発明に係るフレームは、前記下フレーム材以外の横フレーム材は前記縦フレーム材の前面に対して当接しリベット止めされる接合面を有し、全ての前記横フレーム材の前記縦フレーム材に対するリベット止めが同一面内でなされることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るフレームによれば、下フレーム材は、互いに対向する2つの側面と該側面を繋ぐ上面とで断面略コ字状に形成され、一方の側面には端部に係合片が形成され、他方の側面には端部から長手方向に延設される延長壁が形成され、縦フレーム材は、下端部において下フレーム材の延長壁と当接する前面と該前面と直交する内周面とで断面略L字状に形成され、前面と内周面とで形成される角部の下端部には下フレーム材の延長壁を跨ぐ切欠部が形成され、内周面には下フレーム材の係合片と係合する被係合部が形成され、縦フレーム材と下フレーム材は係合片と被係合部が係合すると共に、切欠部が延長壁を跨いだ状態で、当接する前面と延長壁とをリベット止めしてなることにより、縦フレーム材と下フレーム材を溶接によらずに接合でき、また一方の側面と、それと対向する側面を長手方向に延設した延長壁とで縦フレーム材の荷重を支えることができるので、下フレーム材における縦フレーム材の荷重の分散化を図ることができる。また、延長壁は下フレーム材以外の横フレーム材のリベット止め面と同一平面内に配置できるので、リベット止めの作業性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係るフレームによれば、前面と延長壁とのリベット止めは下フレーム材の長手方向に2箇所なされることにより、縦フレーム材の荷重を下フレーム材においてさらに分散させることができると共に、縦フレーム材の回転方向の荷重を確実に受けることができる。
【0013】
さらに、本発明に係るフレームによれば、縦フレーム材の被係合部は係合片を跨ぐ切欠状に形成され、下フレーム材の係合片は先端部が延長壁側に折り曲げられて折返し部を形成することにより、係合片によって縦フレーム材の内周面を抱き込んで、縦フレーム材の下フレーム材長手方向に対する荷重を確実に受けることができる。
【0014】
さらにまた、本発明に係るフレームによれば、下フレーム材以外の横フレーム材は縦フレーム材の前面に対して当接しリベット止めされる接合面を有し、全ての横フレーム材の縦フレーム材に対するリベット止めが同一面内でなされることにより、リベット装置の平面内の移動によりリベットを順次打ち込んでいくことができ、作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、本実施形態におけるフレーム1の斜視図を示している。この図においては、紙面の手前側が室外側、紙面の奥側が室内側である。図1に示すように、本実施形態のフレーム1は、鉛直方向に互いに平行となるように所定間隔を有して配置された2本の縦フレーム材2と、縦フレーム材2と垂直な水平方向に配置され、2本の縦フレーム材2間を渡すように設けられた3本の横フレーム材3とが接合されることによって構成されている。フレーム1を構成する縦フレーム材2及び横フレーム材3は、いずれもスチール材によって形成される。
【0016】
縦フレーム材2は、断面形状が略L字状となるように形成されており、図1における手前側の面として前面部10が、前面部10と直交する面として内周面部11が、それぞれ形成されている。内周面部11は、2本の縦フレーム材2を平行に配置した状態で、縦フレーム材2間で互いに対向する面となる。
【0017】
横フレーム材3は、縦フレーム材2の上部と中間部に平行となるように配置される2本のサッシ取付部横フレーム材3aと、縦フレーム材2の最下部にサッシ取付部横フレーム材3aと平行となるように配置される下フレーム材3bとからなっている。2本のサッシ取付部横フレーム材3aと2本の縦フレーム材2によって、フレーム1の上下方向中間より上部寄りには、方形状の開口部1aが形成される。この開口部1aに対して窓サッシが取付固定される。
【0018】
サッシ取付部横フレーム材3aは、上下いずれも断面略L字状に形成され、縦フレーム材2の前面部10側の面である縦面部30には、前面部10に面接する接合面31が両端部に形成されている。接合面31は、縦面部30のその他の部分に対して段差を介して室内側寄りに形成されており、縦フレーム材2の前面部10に面接して、それぞれ2つずつのリベット4によって縦フレーム材2と接合される。ここで、各リベット4は、図1における奥側(室内側)から挿入されてリベット止めがなされる。
【0019】
下フレーム材3bと縦フレーム材2との接合部分については、拡大図によってより詳細に説明する。図2には、下フレーム材3bと縦フレーム材2との接合部分の拡大斜視図を示している。この図は、フレーム1を図1とは反対側から見た状態、すなわち室内側から室外側に向かうように見た状態を示している。
【0020】
下フレーム材3bは、その端面が縦フレーム材2の内周面部11に当接し、接合されている。また、下フレーム材3bは、係合片20及び延長壁25が端部から延設され、これらが縦フレーム材2と連係し、縦フレーム材2の前面部10と延長壁25とがリベット止めされることで、下フレーム材3bと縦フレーム材2とが連結されている。
【0021】
図3には、下フレーム材3bと縦フレーム材2との接合部分における分解斜視図を示している。この図は、フレーム1を図2と同じ側から見た状態、すなわち室内側から室外側に向かうように見た状態を示している。下フレーム材3bは、互いに対向する室内面15と室外面16、及びこれらを繋ぐように設けられる上面17とで断面略コ字状に形成され、また室内面15が室外面16より上下方向に長くなるように形成されている。また、下フレーム材3bには、室内面15の端部から係合片20が、室外面16の端部から延長壁25が、それぞれ延設されている。
【0022】
係合片20は、全体としては断面略L字状となるように形成される。具体的には、室内面15の端部から、下フレーム材3bの長手方向に向かって突出する延設基部21が形成され、さらに延設基部21から延長壁25側、すなわち室外側に向かって略直角に折り曲げられた折り曲げ部22が延設される。折り曲げ部22より先端側は、室内側から室外側に向かって略直線状に形成され、折返し部23を構成する。
【0023】
延長壁25は、全体としては、下フレーム材3bの室外面16の略全幅が、当該下フレーム材3bの長手方向に向かって延設されている。具体的には、室外面16の端部から、下フレーム材3bの長手方向に向かって突出する延設基部26が形成され、さらに延設基部26から室外側に向かって若干の段差を有するように形成される段部27が折り曲げ状に形成される。また、段部27より先端側は、下フレーム材3bの長手方向と平行な向きに突出して接合面28が形成される。
【0024】
縦フレーム材2の下端部は、下フレーム材3b端部の形状と適合し、連結できるように形成されている。具体的には、下フレーム材3bの係合片20の延設基部21を跨いでこれと係合する切欠状の被係合部13と、下フレーム材3bの延長壁25の延設基部26を跨ぐ切欠部12とが形成される。被係合部13は、縦フレーム材2の内周面部11の室内端部付近に形成され、また切欠部12は、縦フレーム材2の内周面部11と前面部10との角部に形成される。
【0025】
図2に示すように、係合片20は、延設基部21が縦フレーム材2の被係合部13の内側を通り、折り曲げ部22を介して延設基部21と直交する折返し部23が、縦フレーム材2の内周面部11をその長手方向に直交する向きから抱え込む形状とされている。これによって下フレーム材3bは、縦フレーム材2を下フレーム材3bの長手方向に対して固定している。
【0026】
また、図2に示すように延長壁25は、延設基部21が縦フレーム材2の切欠部12の内側を通り、段部27を介して延設された接合面28は、下フレーム材3bの長手方向と平行な方向に向かって延設される。そして、接合面28は、室外側からリベット4によって接合される。これによって、下フレーム材3bと縦フレーム材2とが連結固定される。このように縦フレーム材2が下フレーム材3bに対して、内周面部11は係合片20との係合により、また内周面部11と直交する面である前面部10は接合面28とのリベット止めにより、さらに前面部10と内周面部11との角部は延長壁25との係合により、それぞれ固定されるので、互いに直交する2面及びその角部で縦フレーム材2の荷重を分散することができ、連結強度を充分に確保することができる。
【0027】
このフレーム1は、リベット作業台の上で各フレーム材を縦横に組み、それらをリベット装置により接合することで形成される。具体的な手順は以下のとおりである。まず、リベット作業台に下フレーム材3bをセットする。次に、縦フレーム材2の切欠部12を下フレーム材3bの延長壁25に、縦フレーム材2の被係合部13を下フレーム材3bの係合片20に、それぞれ挿入して、左右の縦フレーム材2を下フレーム材3bに対して位置決めする。さらに、2本のサッシ取付部横フレーム材3aを縦フレーム材2の所定の位置に載置する。そして、リベット作業台に設けられる位置出し治具によって各フレーム材間の位置がずれないように固定する。このように各フレーム材をリベット作業台の上に配置した上で、リベット装置によりリベット4を打ち込んで接合がなされる。
【0028】
図4には、サッシ取付部横フレーム材3aと縦フレーム材2の接合部分の横断面及びリベット装置を表した図を示している。本実施形態におけるリベット4には、下穴を設けることなくリベット接合を行うことのできる自己窄孔リベットを用いている。図4のリベット装置40は、当接する2つの接合面に対して一方側からリベット4を打ち込むものであって、リベット4の先端部は断面略ハ字状に変形しつつ圧入され、それに伴って2つの接合面の他方側が隆起するように変形しカシメられた状態となることで、2つの接合面が接合されるものである。また、リベット4は2つの接合面を貫通することなくこれらを接合する。リベット装置40は、2つの接合面を跨ぐように配置される。また、リベット4を打ち込む側には接合面に向かってスライド自在なパンチ部41が、パンチ部41とは反対側にはダイ部42が、それぞれ配置される。
【0029】
図4に示すように、縦フレーム材2の前面部10の室外側にサッシ取付部横フレーム材3aの接合面31が当接した状態で、縦フレーム材2の前面部10側にパンチ部41が、サッシ取付部横フレーム材3aの接合面31側にダイ部42が、それぞれ配置されるようにリベット装置40がセットされる。そして、パンチ部41によって前面部10側、すなわち室内側からリベット4が打ち込まれる。これによってサッシ取付部横フレーム材3aの接合面31側は、リベット4の先端部により室外側に向かって隆起した状態となる。一方で前述のようにサッシ取付部横フレーム材3aの接合面31は、縦面部30のその他の部分に対して段差を介して室内側寄りに形成されているので、リベット4により隆起した部分は、縦面部30よりも室外側に突出しないようにすることができる。
【0030】
図5には、下フレーム材3bと縦フレーム材2の接合部分の横断面及びリベット装置を表した図を示している。この図に示すように、下フレーム材3bの係合片20は、折返し部23が縦フレーム材2の内周面部11に対して当接し、重合状態となっている。また、下フレーム材3bの延長壁25は、接合面28が段部27によって下フレーム材3bの室外面16よりも若干室外側に位置していることで、縦フレーム材2の前面部10に対して当接し、重合状態となっている。
【0031】
下フレーム材3bと縦フレーム材2の接合の場合、縦フレーム材2の前面部10の室内側に下フレーム材3bの接合面28が当接した状態で、下フレーム材3bの接合面28側にダイ部42が、縦フレーム材2の前面部10側にパンチ部41が、それぞれ配置されるようにリベット装置40がセットされる。そして、パンチ部41によって前面部10側、すなわち室外側からリベット4が打ち込まれる。これによって下フレーム材3bの接合面28側は、リベット4の先端部により室内側に向かって隆起した状態となる。一方で打ち込み側の面である縦フレーム材2の前面部10側は、リベット4の頭部が面内に埋設された状態となるので、リベット4が室外側に突出することがない。
【0032】
このように、下フレーム材3bの延長壁25が下フレーム材3bの端部から当該下フレーム材3bの長手方向と略同じ方向へ略直線状となるように形成され、縦フレーム材2の前面部10に対して当接していることにより、フレーム1を組んだ際に、リベット4を他の横枠であるサッシ取付部横フレーム材3aと同じ面内でリベット止めすることができる。これによって、リベット装置40を水平移動させることでフレーム1の全てのリベットを取付けることができるので、フレーム1を組み立てる施工性を向上させることができる。
【0033】
また、下フレーム材3bと縦フレーム材2の接合の際には、サッシ取付部横フレーム材3aと縦フレーム材2の接合とは逆方向にリベット4を打ち込むこととしている。したがって、リベット接合の作業を行う際に、リベット装置40を反転させる必要があるが、横フレーム材3の縦フレーム材2に対するリベット止めは、フレーム1の同一面内で行われるため、単にリベット装置40を180度反転させるだけでよく、作業効率には大きな影響を与えない。
【0034】
次に、フレーム1内に窓サッシを納め、さらに外壁パネルを設けた際の配置関係について説明する。図6には、縦フレーム材2と上側のサッシ取付部横フレーム材3aとの接合部分付近の縦断面図を示している。縦フレーム材2と上側のサッシ取付部横フレーム材3aとの接合部分には、窓サッシの枠体60を構成する上枠61が取付けられる。また、上枠61の上方には、外壁パネル63が設けられる。この外壁パネル63の室内側面は、サッシ取付部横フレーム材3aの縦面部30と当接している。
【0035】
前述のように、縦フレーム材2とサッシ取付部横フレーム材3aとを接合するリベット4は、室内側から室外側に向かって打ち込まれているため、サッシ取付部横フレーム材3aの接合面31から室外側に隆起した突出部5が形成されている。ただし、接合面31はサッシ取付部横フレーム材3aの縦面部30よりも室内側となるように形成されているので、突出部5が外壁パネル63と干渉しないようにすることができる。
【0036】
図7には、縦フレーム材2と下側のサッシ取付部横フレーム材3aとの接合部分付近の縦断面図を示している。この図に示すように、縦フレーム材2と下側のサッシ取付部横フレーム材3aとの接合部分には、窓サッシの枠体60を構成する下枠62が取付けられる。また、下枠62の下方には外壁パネル63が設けられ、その室内側面はサッシ取付部横フレーム材3aの縦面部30と当接している。
【0037】
この部分においても、リベット4は室内側から室外側に向かって打ち込まれているため、接合面31から室外側に隆起した突出部5が形成されている。しかし、接合面31は
サッシ取付部横フレーム材3aの縦面部30よりも室内側となるように形成されているので、突出部5は外壁パネル63と干渉することがない。
【0038】
図8には、縦フレーム材2と下フレーム材3bとの接合部分付近の縦断面図を示している。この図に示すように、縦フレーム材2の下端よりも下方まで外壁パネル63が設けられ、またその室内面は縦フレーム材2の前面部10と近接対向している。外壁パネル63の下端部付近には、外壁パネル63を建物躯体と固定するための躯体取付材63が設けられており、その上端部が互いに対向する外壁パネル63の室内面と縦フレーム材2の前面部10との間に配置されている。したがって、躯体取付材63と縦フレーム材2の前面部10は、極めて近接した状態となっている。
【0039】
ここで、縦フレーム材2と下フレーム材3bとを接合するリベット4は、室外側から室内側に向かって打ち込まれている。また、前述のようにリベット4は、打ち込まれる側については頭部が接合面内に埋設されるため、前面部10より室外側に突出することがない。したがって、躯体取付材63と縦フレーム材2の前面部10が極めて近接していても、リベット4が干渉することがないようにすることができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態に限られるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施形態におけるフレームの斜視図である。
【図2】下枠と縦枠の接合部分の拡大斜視図である。
【図3】下枠と縦枠の接合部分の分解斜視図である。
【図4】サッシ取付部横フレーム材と縦フレーム材の接合部分の横断面及びリベット装置を表した図である。
【図5】下フレーム材と縦フレーム材の接合部分の横断面及びリベット装置を表した図である。
【図6】縦フレーム材と上側のサッシ取付部横フレーム材との接合部分付近の縦断面図である。
【図7】縦フレーム材と下側のサッシ取付部横フレーム材との接合部分付近の縦断面図である。
【図8】縦フレーム材と下フレーム材との接合部分付近の縦断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 フレーム
2 縦フレーム材
3 横フレーム材
3a サッシ取付部横フレーム材
3b 下フレーム材
4 リベット
10 前面部
11 内周面部
12 切欠部
13 被係合部
20 係合片
23 折返し部
25 延長壁
28 接合面
30 縦面部
31 接合面
40 リベット装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦フレーム材に複数の横フレーム材を接合して構成され、前記横フレーム材のうち最下部に配置される下フレーム材が、前記縦フレーム材の下端部に接合されたフレームにおいて、
前記下フレーム材は、互いに対向する2つの側面と該側面を繋ぐ上面とで断面略コ字状に形成され、一方の側面には端部に係合片が形成され、他方の側面には端部から長手方向に延設される延長壁が形成され、
前記縦フレーム材は、下端部において前記下フレーム材の延長壁と当接する前面と該前面と直交する内周面とで断面略L字状に形成され、前記前面と内周面とで形成される角部の下端部には前記下フレーム材の延長壁を跨ぐ切欠部が形成され、前記内周面には前記下フレーム材の係合片と係合する被係合部が形成され、
前記縦フレーム材と下フレーム材は前記係合片と被係合部が係合すると共に、前記切欠部が前記延長壁を跨いだ状態で、当接する前記前面と延長壁とをリベット止めしてなることを特徴とするフレーム。
【請求項2】
前記前面と延長壁とのリベット止めは前記下フレーム材の長手方向に2箇所なされることを特徴とする請求項1記載のフレーム。
【請求項3】
前記縦フレーム材の被係合部は前記係合片を跨ぐ切欠状に形成され、前記下フレーム材の係合片は先端部が前記延長壁側に折り曲げられて折返し部を形成することを特徴とする請求項1または2記載のフレーム。
【請求項4】
前記下フレーム材以外の横フレーム材は前記縦フレーム材の前面に対して当接しリベット止めされる接合面を有し、全ての前記横フレーム材の前記縦フレーム材に対するリベット止めが同一面内でなされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−214963(P2008−214963A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54084(P2007−54084)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【Fターム(参考)】