説明

フロスト調印刷層を有するボトル状容器又はキャップ及びその製造方法

【課題】外周面を擦りガラスのようなフロスト調外観と成したボトル容器を安価に提供する。
【解決手段】容器1の外周面にフロスト調印刷層10が形成されている。フロスト調印刷層10は、メジウムを基剤としてこれにつや消しパウダーと腰切剤とを混ぜ合せたインキを用いたスクリーン印刷によって形成されている。つや消しパウダーの添加によってフロスト調外観となり、腰切剤の添加によってインキがスクリーン21の目から垂れ落ちることが防止される。フロスト調印刷層10をスクリーン印刷法で簡単に能率よく加工できるため、美感に優れたフロスト調容器1を安価に提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、外周面に擦りガラスのようなフロスト調印刷層が設けられたボトル状容器又はキャップ、及びその製造方法に関するものである。なお、フロスト調の外観は、つや消し、シボ、ぼかし、という名で呼ぶことも可能である。また、ボトル状容器とは上部に口がある中空容器という意味であり、当然ながらボトルそのものも含まれる。
【背景技術】
【0002】
ガラス製や樹脂製のボトル状容器の外周面に擦りガラスのようなフロスト調外観を施すと、容器の高級感が増して付加価値(商品価値)を向上させることができる。そして、容器の外周面にフロスト調外観を施す手段には、一般に、エッチング処理や研磨材を吹き付けるブラスト加工、あるいは吹き付け塗装などの方法が採られている。
【0003】
また、特許文献1、2の技術も提案されている。このうち特許文献1には、ガラスのボトル表面にガラス粉末と無機顔料を含むインキを塗布して地色を形成するステップと、地色のインキ上にガラス粉末と5重量%未満の無機顔料を含む凹凸形成インキを斑状に塗布して表面に凹凸を形成するステップと、凹凸形成インキの上にガラス粉末と無機顔料を含むインキを塗布することによって任意の文字又は模様を形成するステップと、ボトルを加熱して各インキを焼き付けるステップとを有するガラス印刷方法が開示されている。
【0004】
他方、特許文献2は、成形品表面に布目模様をスクリーン印刷により印刷して、その上から塗料を塗布することで表面に布感触を形成するものであり、表面にしぼ模様やなし地模様を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−055150号公報
【特許文献2】特許4187943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これら従来の技術のうちエッチング処理するものは、容器の表面を腐食させる設備や洗浄のための設備が必要となるためコストが嵩むとともに、洗浄水を無害化処理する必要があるので環境に与える負担が大きいという問題がある。また、人が手で触ると脂に起因して指の跡が残り、美感を損ないやすいという問題もある。
【0007】
又、研磨剤を吹き付けるブラスト加工では、ブラスト部材が必要であるとともに、圧縮空気を使用した吹き付け装置も必要となるため、設備が大掛かりなものとなってこれもコストが高いものとなる。
【0008】
他方、特許文献1の技術は、塗装設備や乾燥設備、焼き付け設備が必要になるので装置が大掛かりとなり、これもコストの高いものとなる。また、ボトル状容器の多くは樹脂製であるが、特許文献1は焼き付け工程が必要であるため樹脂製容器には適用できないという問題もある。
【0009】
これに対して特許文献2は樹脂製容器に適用できるものの、スクリーン印刷工程の後にさらに塗装工程を施すものであるため、工程が複雑でそれだけコストが高くなる。
【0010】
本願発明は、このような現状を改善することを課題とするものであり、外周面にフロスト調外観が施されたボトル状容器を安価に提供できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を達成するために、本出願の発明者は、スクリーン印刷によるとボトル状容器に簡単にフロスト調外観を付与できると考え、メジウムを基剤としてこれにつや消しパウダーを混ぜ合せたインキを用いてスクリーン印刷を行ってみた。しかし、単にメジウムにパウダーを混ぜただけのインキでは、スクリーン紗の目からインキがこぼれ落ちて実用には至らなかった。
【0012】
そこで、本出願の発明者は、インキの構成に創意工夫を行いインキの構成を色々変えてスクリーン印刷の実験を行った結果、腰切剤に注目して本願発明を完成させた。
【0013】
本願発明はボトル状容器とその製法とを含んでいる。このうちボトル状容器は、請求項1に記載したように、外周面の少なくとも一部に擦りガラスのような外観のフロスト調印刷層が形成されており、前記フロスト調印刷層が、メジウムを基剤としてこれに少なくともつや消しパウダーと腰切剤とを混ぜ合せたインキを用いたスクリーン印刷によって形成されている。
【0014】
製法は請求項2で特定している。すなわち、製法は、ボトル状容器を用意して、その外周面の少なくとも一部にメジウムにつや消しパウダーと腰切剤とを混ぜ合せたインキを用いてスクリーン印刷することにより、擦りガラスのような外観のフロスト調印刷層を形成するものである。
【0015】
本願発明の対象の一つであるボトル状容器は様々の形態と成すことができる。例えば胴部とこれより小径の口部とを有する形態でも良いし、口部を有していない広口タイプであっても良い。口部を有する場合、ねじキャップがねじ込まれる方式でも良いし、キャップが着脱自在又は取り外し不能に嵌着するものであってもよい。キャップもねじ式のものや単なる嵌め込み式のものなど、様々の嵌合方式を採用できる。
【発明の効果】
【0016】
本願発明によると、腰切剤の増粘作用により、インキがスクリーン紗の目から落ちることが防止されると共に、インキを印刷作業に適したコンディションに長く保つことができる。
【0017】
すなわち、メジウムは一般にインキの希釈材として使用されているもので、メジウムのみで印刷すると乾燥後にはつやが出るが、本願発明では、まず、メジウムにつや消しパウダーを混ぜ合わせたことで容器にフロスト調の外観が表れる。そして、腰切剤はスクリーンからのインク(或いはメジウム)の「切れ」を良くするためのものであり、この腰切剤を配合したことにより、インキは適度の流動性を維持しつつスクリーンの目からの垂れ落ちが防止される。
【0018】
腰切剤は上記のようにスクリーンからのインキの切れを良くするためのものであるが、この効果は本願発明においても発揮されており、印刷層はシャープな輪郭になる。そして、スクリーン印刷法はスクリーンを使用して簡単に印刷することができるものであり、設備も高価でなくて生産性にも優れている。従って、本願発明によると、シャープな輪郭のフロスト調印刷層が施されたボトル状容器又はキャップを低コストで製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係る容器1を示す図である。
【図2】図1で表示した容器の印刷工程を示す図である。
【図3】第1実施形態の変形例である第2実施形態を示す図である。
【図4】容器形状のバリエーションである他の実施形態示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(1).第1実施形態の構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、第1実施形態から説明する。まず、図1に基づいて第1実施形態に係る容器の構造を説明する。図1のうち(A)は印刷後の容器1の斜視図、(B)は容器1の正面図、(C)は印刷前の容器1の平面図、(D)は印刷前の容器1の斜視図、(E)はパーティングライン11の部分を表示した斜視図、(G)は容器の模式的な断面図である。
【0021】
容器(ボトル)1はPP等の樹脂を材料にしたブロー成型法で製造されており、透明又は半透明である。容器1は、底と肩部とを有する円形の胴部とその上端に設けた口部とで構成されている。胴部の上端と下端とは正面視において丸みを帯びている。ブロー成型法では容器の軸線と直交した方向に相対動する割り型が使用されるため、容器1の胴部には軸方向に延びる2本のパーティングライン11が残っている。パーティングライン11は容器の肩部と口部にも延びている。
【0022】
図1の(E)に明示するように、容器の外面のうち胴部の外周面に、パーティングライン11を避けた状態でフロスト調印刷層10が施されている。従って、胴部の外周面のうちパーティングライン11を中心にした部分は、容器の地肌が露出した縦長の露出部13になっている。
【0023】
パーティングライン11もフロスト調印刷層10で覆うことは可能であるが、パーティングライン11をフロスト調印刷層10で覆うと、パーティングライン11が却って目立つことがある。これに対して本実施形態のようにパーティングライン11の箇所を露出部13に構成すると、パーティングライン11が目立つことを防止できる。また、露出部13がアクセント効果を発揮して意匠的にも優れている。
【0024】
図1(G)に模式的に示すたように、フロスト調印刷層10は基材としての透明メジウムにつや消しパウダーが配合された構造になっており、つや消しパウダーの存在により、擦りガラスのような外観のフロスト調印刷層10になっている。図面では表示を省略しているが、フロスト調印刷層10は材料として腰切剤も配合されている。
【0025】
既述のように、エッチングで微小な凹凸を形成することでフロスト調外観と成した場合には、指で触ると脂が転移して指の跡が残ることが多い。これは、例えば擦りガラスに透明テープを貼ると透けて見えるのと同じ原理であり、表面の凹みに脂が入って平坦状になることで光の屈折性が変化するためと解され、美感を損なうため問題になっていた。特に、化粧品用容器ではせっかくの高級感が低下するため、指の跡が表出しないフロスト調容器に対する潜在的需要は高いと推測される。
【0026】
他方、本実施形態ではフロスト調印刷層10はスクリーンによって形成されるものであり、表面の平坦度はエッチング処理したものや塗装処理したものに比べて格段に高いため、人が触って指の脂が転移しても光の屈折性には影響はなく、このため指の跡が残ることを防止又は著しく抑制できる。つまり、フロスト調印刷層10は表面を高い平坦度とした状態でフロスト調になっているのであり、従って、脂がついた指で触ってその脂が転移しても、転移した脂が目立つことはないのである。その結果、指で触った跡が見えることによる美感の悪化を防止して商品価値を高めることができる。
【0027】
(2).第1実施形態の工程
次に、フロスト調印刷層10の印刷工程(フロスト調印刷層付き容器の製造工程)を図2に基づいて説明する。本願発明ではスクリーン印刷機が使用されるが、本実施形態で使用するスクリーン印刷機は一般的なものであり、枠25に固定されたスクリーン21とその上面に当接したスキージ22とを水平方向に相対動させることにより、スクリーン21の上面に供給されたインキ23をスクリーン21の下面に当接した容器1の外周面に転移させるものである。
【0028】
枠25は平面視で長方形(四角形)の形態であり、図示しない往復動機構によって水平方向に往復移動する。本実施形態では、スキージ22は木枠に固定されている。容器1は、その軸線が枠25の往復動方向と直交した方向に延びるように水平姿勢で配置されており、口部を掴持する第1クランプ体(図示せず)と、底部に当接する第2クランプ体(図示せず)とで前後から挟むことにより、水平姿勢に保持されている。
【0029】
容器1の底面には、パーティングライン11に対する位置を一定にした位置決め部(例えば凹み:図示せず)が形成されており、第2クランプ体を位置決め部に嵌め込むことにより、容器1は印刷前のセット状態でパーティングライン11が一定姿勢(真上と真下に向いた状態)になるように姿勢が揃えられる。
【0030】
容器1を保持するクランプ体は回転自在であり、枠25(スクリーン21)の往復動に同期してクランプ体が回転する。いうまでもないが、枠25(スクリーン21)の移動速度Vsと容器1の周速度Vkとは一致している。枠25の往復動と容器1の回転とを同期させる手段としては、例えば、枠25をラックとピニオンギアとからなる機構で駆動すると共に、ピニオンギアに噛合する従動ギアに第2クランプ体を固定し、ピニオンギアと従動ギアとの外径と歯数とを同じにする、といった手段を採用できる。
【0031】
枠25の往復動と容器1の回転とを別々の駆動手段で行い、エンコーダやマイコンを使用して両者を同期させることも可能であるが、上記のようなギアによる機械的な同期手段を採用すると、簡単な構造で確実に同期させることができる利点がある。
【0032】
スクリーン21は周知のとおり織地の両面に樹脂膜をコーティングした構造になっており、樹脂膜付き織地はフレーム24に固定されており、このフレーム24が枠25に固定されている。そして、樹脂膜を除去することで印刷パターンが形成され、この印刷パターンをインキが透過して対象物に転移することで印刷が行われる。
【0033】
本実施形態では容器1における胴部の外周面のうち2本の露出部13を除いた2つのフロスト調印刷層10があるので、スクリーン21は2つのフロスト調印刷層10に対応した2つの印刷パターン21a,21bを有しており、両パターン21a,21bの間は、容器1における1つの露出部13に対応してインキ非透過部21cになっている。
【0034】
次に、具体的な印刷手順を説明する。枠25を後退させ切った状態で容器1をクランプ体で固定するが、例えば、容器1を1つのパーティングライン11が真上に位置した状態でクランプ体にセットする。この状態で、スクリーン21におけるパターン21a,21bの始端21a′は、パーティングライン11の少し後ろ(正確には、パーティングライン11よりも露出部13の幅の半分の寸法だけ後ろ)に位置している。従って、1つのパーティングライン11を回避した状態で印刷が開始される。
【0035】
敢えて述べるまでもないが、スキージ22がスクリーン21の上面に当接していることにより、インキ23はスキージ22が当たっている箇所において一定の厚さ(スクリーン21の厚さ)に掻き取られ、かつ、スキージ22による押圧作用により、インキ23は一定の厚さに均された状態で容器1の外周に転移する。
【0036】
容器1における他方のパーティングライン11が真上に来ると、当該他方のパーティングライン11の真上にスクリーン21のインキ非透過部21cが位置し、このため、他方のパーティングライン11の箇所は露出部13になる。更に、容器が360回転して一方のパーティングライン11が真上に位置するが、一方のパーティングライン11が真上に位置するよりも少し前にスクリーン21におけるパターン21a,21bの終端21b′が容器1の真上を通過しており、このため、一方のパーティングライン11の箇所に露出部13が形成される。インキ23を転移し終えたら容器1を乾燥装置に入れて、インキを乾燥させてフロスト調印刷層10と成す。
【0037】
スクリーン21の粗さは必要に応じて選択したら良いが、本願発明者の実験によると、300メッシュ〜345メッシュの範囲のものを使用すると、フロスト調印刷層10を分厚さが無くて綺麗な状態に仕上げることができて好適であった。特に最も目が詰まっている345メッシュを使用すると、厚さが目立たず輪郭もシャープで特に優れた外観を実現できた。スクリーンの厚さに特に限定はないが、0.6〜0.8μm程度にするとフロスト調印刷層10の厚さが目立たずに好適であった。
【0038】
(3).スクリーン・つや消しパウダー・腰切剤
本願発明では各種のメジウムを使用できる。例えばエチレン系、ビニル系、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル系などである。異なる種類を混ぜ合わせて使用することも可能である。具体例として、酢酸エチルとトルエンとシンクロヘキサノンとから成る油性のもの使用できる。つや消しパウダーとしては炭酸マグネシュームや微粉状シリカ化合物などが挙げられるが、樹脂系のものも使用できる。
【0039】
腰切剤は微粉末のシリカ粉が好適であるが、セルロース系の樹脂、ひまし油類等も使用できる。腰切剤の添加により、インキのチキソ性が増加し、インキのレベリング性は多少低下するが、よりシャープなライン印刷が可能となる。
【0040】
メジウムとつや消しパウダーと腰切剤との配合割合の例としては、メジウム88〜98重量%、つや消しパウダー2〜7重量%、腰切剤1〜5重量%といった割合を採用できる。特に、メジウム92〜94重量%、つや消しパウダー4〜5重量%、腰切剤2〜3重量%の配合割合が好適であった。
【0041】
インキには必要に応じて溶剤や助剤を添加できる。例えば溶剤を外掛けで7〜13重量%程度加えることが可能である。完成品の容器をダンボール箱にく入れて運搬する場合、容器同士の外周面が当たって傷つくことがあるが、これを防止するための耐摩補強剤(フロスト調印刷層の硬度を高める助剤)を添加することも可能である。添加割合は外掛けで3〜4重量%で足りる。顔料や染料を加えて着色することも可能である。
【0042】
(4).第2実施形態
さて、容器1のパーティングライン11は突出しているため、パーティングライン11をフロスト調印刷層10で覆うと、スクリーン21に傷がついたり、パーティングライン11に沿ってインクが厚く溜る現象が生じて却って目立ったりすることがある。そこで、第1実施形態のようにパーティングライン11の部分を露出部13とすると、スクリーン21の傷付き等を防止でき、しかも意匠的にも優れていると言える。
【0043】
図3では、パーティングライン11の部分の処理態様の別例である第2実施形態を示している。容器1の外観形状は第1実施形態と同じである。このうち(B)に示す例では、露出部13の箇所にフロスト調印刷層10によって目盛りをつけており、このように構成すると、内容物の減り具合を数値で把握できる。数字を表示することも可能である(数字はフロスト調印刷層10の一部として印刷表示しても良いし、フロスト調印刷層10に白抜きの状態で(非印刷部として)表示してもよい。)。
【0044】
図3(C)に示す例では、露出部13とフロスト調印刷層10との境界部を凹凸状に形成している。このように、パーティングライン11の箇所を利用して露出部13と成し、これによって利便性や美感のアップを図っている。この点、本実施形態の利点の一つである。露出部13は更に様々の態様に具体化できる。
【0045】
(5).他の実施形態
図4では、主として容器の形状に関する別実施形態を示している。このうち(A)に示すのは第1実施形態と同様に胴部をストレート状と成したものであるが、胴部の上端と下端とは正面視で角張っている。(B)に示す例では胴部はくびれ部を有する鼓形になっており、(C)に示す例では胴部は外向きに膨らんだ太鼓形になっている。これら(B)(C)ではスキージ22を胴部の外形に応じて形状に形成して、スクリーン21を変形させて印刷することになる。
【0046】
(D)に示す例では容器はテーパ形状になっている。本願発明は、(E)(F)に示すように、四角形や六角形等の多角形の容器にも適用できる。これら多角形の容器1に適用する場合は、印刷は、胴部における複数の側面を1回ずつスクリーン21の下面に重ねて、スキージ22を移動させるという手順で行われる。
【0047】
(G)(H)にように、インナーボトル1とアウターカバー1′とからなる二重筒式の容器にも適用できる。この場合は、フロスト調印刷層10はインナーボトル1とアウターカバー1′とのうちのいずれにも適用できる(アウターカバー1′もボトル状容器の範疇に入る。)。(I)に示す例ではフロスト調印刷層10に濃淡を形成している。この例では円周方向に向かって濃淡を変化させているが、上から下に薄くなったり、下から上に薄くなったりと言うように、濃淡を上下方向に変化させてもよい。
【0048】
(6).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、フロスト調印刷層は容器の胴部の外周の一部に形成することも可能である。或いは、水玉模様や縦縞模様、横縞模様、斜め縞模様といった縞模様と成したり、花柄や風景等の各種の模様・図形となすことも可能である。文字や商標類をフロスト調印刷層(或いは抜き態様で)で表示することも可能である。
【0049】
容器は樹脂製には限らず、ガラス製や陶器製であってもよい。容器に複数回印刷を施すことも可能である。この場合、フロスト調印刷層を複数回施しても良いし、通常の印刷層にフロスト調印刷層を重ね印刷したり、フロスト調印刷層に通常の印刷層を重ね印刷することも可能である。敢えて述べるまでもないが、本願発明は射出成形法で製造された容器にも適用できる。ねじ式等のキャップの外周面に本願発明を適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
ボトル容器の外周面に擦りガラスのようなフロスト調外観を簡単かつ能率よく形成できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0051】
1 容器
10 フロスト調印刷層
11 パーティングライン
21 スクリーン
22 スキージ
23 インキ
25 枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面の少なくとも一部に擦りガラスのような外観のフロスト調印刷層が形成されており、前記フロスト調印刷層が、メジウムを基剤としてこれに少なくともつや消しパウダーと腰切剤とを混ぜ合せたインキを用いたスクリーン印刷によって形成されている、
フロスト調印刷層を有するボトル状容器又はキャップ。
【請求項2】
ボトル状容器を用意して、その外周面の少なくとも一部に、メジウムにつや消しパウダーと腰切剤とを混ぜ合せたインキを用いてスクリーン印刷することにより、擦りガラスのような外観のフロスト調印刷層を形成することを特徴とする、
フロスト調印刷層を有するボトル状容器又はキャップの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−255900(P2011−255900A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129303(P2010−129303)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(501004095)ジュテック株式会社 (3)
【Fターム(参考)】