説明

フロントフォーク用ブラケットの製造方法、蓋付構造体の製造方法、フロントフォーク用ブラケットおよび蓋付構造体

【課題】美観を損なうことなくブラケット本体と蓋部材の一体化を図ることが可能なフロントフォーク用ブラケットの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ブラケット本体の素となる素形材2の一面に凹設された凹部に蓋部材3を覆設する準備工程と、素形材2の凹部の開口縁部と蓋部材3の周縁部との境界線Pを含むように設定された摩擦攪拌のルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールTを相対移動させる摩擦攪拌接合工程と、ブラケット本体を貫通するフォーク取付孔およびステアリングシャフト挿通孔12を形成する孔形成工程と、を含むフロントフォーク用ブラケットの製造方法であって、摩擦攪拌接合工程では、ステアリングシャフト挿通孔12の仕上げ代22sで摩擦攪拌を終了し、孔形成工程では、仕上げ代22sを取り除く加工を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントフォーク用ブラケットおよびその製造方法、並びに、蓋付構造体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バーハンドル車両のフロントフォーク用ブラケットとして、特許文献1に開示されたものが知られている。このフロントフォーク用ブラケットは、左右一対のボス部(割り締部)と、両ボス部を繋ぐブリッジ部とを備えて構成されている。
【0003】
ところで、特許文献1のフロントフォーク用ブラケットは、ブリッジ部をリブ構造とすることで軽量化を図っているが、リブによって形成される凹部等が露出することから、美観を損ねる虞がある。
【0004】
このような問題は、凹部を覆い隠す蓋部材(化粧部材)を接合することで解決することができる。なお、蓋部材は、その周縁部と凹部の開口縁部との境界線に沿って摩擦攪拌接合を行うことにより一体化することができる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2007−302109号公報(図4)
【特許文献2】特許第3409674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
摩擦攪拌接合を利用すれば、蓋部材の接合作業を簡易迅速に行うことが可能になるものの、回転ツールを離脱させる際に、プローブ(攪拌ピン)と略同形の抜き穴が不可避的に形成されてしまうので、摩擦攪拌接合の終了位置を最終製品内に設ける場合には、その美観を損ねる虞がある。なお、このような問題は、フロントフォーク用ブラケットだけでなく、凹部または開口部を有するベース部材に蓋部材を覆設してなる蓋付構造体を摩擦攪拌接合により製造する場合にも共通して当てはまる問題である。
【0007】
このような観点から、本発明は、凹部または開口部を有するブラケット本体に蓋部材を覆設してなるフロントフォーク用ブラケットの製造方法であって、美観を損なうことなくブラケット本体と蓋部材の一体化を図ることが可能なフロントフォーク用ブラケットの製造方法を提供することを課題とし、さらには、凹部または開口部を有するベース部材に蓋部材を覆設してなる蓋付構造体の製造方法であって、美観を損なうことなくベース部材と蓋部材の一体化を図ることが可能な蓋付構造体の製造方法を提供することを課題とする。加えて、本発明は、良好な美観を有するフロントフォーク用ブラケットおよび蓋付構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決する本発明に係るフロントフォーク用ブラケットの製造方法は、 ブラケット本体の素となる素形材の一面に凹設された有底凹部に蓋部材を覆設する準備工程と、前記有底凹部の開口縁部と前記蓋部材の周縁部との境界線を含むように設定された摩擦攪拌のルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールを相対移動させる摩擦攪拌接合工程と、前記ブラケット本体を貫通するフォーク取付孔およびステアリングシャフト挿通孔を形成する孔形成工程と、を含むフロントフォーク用ブラケットの製造方法であって、前記摩擦攪拌接合工程では、前記フォーク取付孔または前記ステアリングシャフト挿通孔の仕上げ代で摩擦攪拌を終了し、前記孔形成工程では、前記仕上げ代を取り除く加工を行うことを特徴とする。
【0009】
要するに、本発明は、フォーク取付孔またはステアリングシャフト挿通孔の仕上げ代(孔形成工程において取り除かれる部位)で、回転ツールを離脱させるところに特徴がある。このようにすると、摩擦攪拌の終了位置を素形材内に設けているにも関わらず、回転ツールの抜き穴の痕跡を無きものにすることができるので、美観を損なうことなく素形材と蓋部材の一体化を図ることが可能になる。なお、本発明の製造方法により製造されたフロントフォーク用ブラケットは、有底凹部を蓋部材で閉塞して形成した閉空間を具備することになるので、軽量でありながらも剛性が高い。
【0010】
前記素形材の他面に、前記フォーク取付孔または前記ステアリングシャフト挿通孔の下穴を凹設しておき、前記摩擦攪拌接合工程では、前記仕上げ代となる前記下穴の底壁で摩擦攪拌を終了するとよい。このようにすると、仕上げ加工用の工具に掛かる負担を小さくすることが可能となる。
【0011】
前記摩擦攪拌接合工程では、前記仕上げ代から摩擦攪拌を開始するとよい。このようにすると、摩擦攪拌の開始位置に初期不良等が生じたとしても、フォーク取付孔またはステアリングシャフト挿通孔を形成する際に除去されることになるので、高品質のフロントフォーク用ブラケットを得ることが可能となる。
【0012】
なお、摩擦攪拌のルートには、前記蓋部材を取り囲むように設けられた環状ルートを含めることが望ましい。このようにすると、蓋部材の全周に亘って摩擦攪拌接合が施されることになるので、閉空間内への水等の浸入を防ぐことが可能となる。
【0013】
また、前記環状ルートの始端部と終端部とを重複させれば、閉空間を確実に密閉することが可能となるので、閉空間内への水等の浸入をより一層確実に防ぐことが可能となる。
【0014】
前記した課題を解決する本発明に係る他のフロントフォーク用ブラケットの製造方法は、ブラケット本体の素となる素形材に形成された開口部の一方の開口端に第一蓋部材を覆設する第一準備工程と、前記開口部の開口縁部と前記第一蓋部材の周縁部との境界線を含むように設定された摩擦攪拌のルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールを相対移動させる一面側摩擦攪拌接合工程と、前記開口部の他方の開口端に第二蓋部材を覆設する第二準備工程と、前記開口部の開口縁部と前記第二蓋部材の周縁部との境界線を含むように設定された摩擦攪拌のルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールを相対移動させる他面側摩擦攪拌接合工程と、フォーク取付孔およびステアリングシャフト挿通孔を形成する孔形成工程と、を含むフロントフォーク用ブラケットの製造方法であって、前記一面側摩擦攪拌接合工程および前記他面側摩擦攪拌接合工程では、それぞれ、前記フォーク取付孔または前記ステアリングシャフト挿通孔の仕上げ代で摩擦攪拌を終了し、前記孔形成工程では、前記仕上げ代を取り除く加工を行うことを特徴とする。
【0015】
このようにすると、摩擦攪拌の終了位置を素形材内に設けているにも関わらず、回転ツールの抜き穴の痕跡を無きものにすることができるので、美観を損なうことなく素形材と蓋部材の一体化を図ることが可能になる。なお、本発明の製造方法により製造されたフロントフォーク用ブラケットは、開口部の開口端を第一蓋部材および第二蓋部材で閉塞して形成した閉空間を具備することになるので、軽量でありながらも剛性が高い。
【0016】
前記した課題を解決する本発明に係る蓋付構造体の製造方法は、ベース部材の素となる素形材に形成された有底凹部または開口部に蓋部材を覆設する準備工程と、前記有底凹部の開口縁部または前記開口部の開口縁部と前記蓋部材の前記周縁部との境界線を含むように設定された摩擦攪拌ルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールを相対移動させる摩擦攪拌接合工程と、前記ベース部材に貫通孔を形成する孔形成工程と、を含む蓋付構造体の製造方法であって、前記摩擦攪拌接合工程では、前記貫通孔の仕上げ代で摩擦攪拌を終了し、前記孔形成工程では、前記仕上げ代を取り除く加工を行うことを特徴とする。
【0017】
このようにすると、摩擦攪拌の終了位置を素形材内に設けているにも関わらず、回転ツールの抜き穴の痕跡を無きものにすることができるので、美観を損なうことなく素形材と蓋部材の一体化を図ることが可能となる。なお、蓋付構造体の用途に制限はなく、車両用部品、建築用部品、密閉容器などとして使用することができる。また、貫通孔の使用目的にも制限はない。
【0018】
前記した課題を解決する本発明に係るフロントフォーク用ブラケットは、凹部または開口部を有するブラケット本体と、前記凹部または前記開口部に覆設される蓋部材と、を備え、前記凹部の開口縁部または前記開口部の開口縁部と前記蓋部材の周縁部とが摩擦攪拌接合されたフロントフォーク用ブラケットであって、前記ブラケット本体は、フォーク取付孔およびステアリングシャフト挿通孔を有し、フォーク取付孔およびステアリングシャフト挿通孔の少なくとも一方は、摩擦攪拌の終了位置を包含する部位に形成されていることを特徴とする。
【0019】
このような構成のフロントフォーク用ブラケットであれば、回転ツールの抜き穴の痕跡が目立たなくなるので、その美観が良好なものとなる。なお、前記ブラケット本体の材質や製造方法に制限はないが、アルミニウム合金製の鋳造品または鍛造品であることが望ましい。ブラケット本体を鋳造品または鍛造品とすれば、凹部等を容易に形成することが可能となる。なお、鋳造品または鍛造品には、鋳造後に鍛造してなるアルミニウム合金部材も含まれる。
【0020】
また、前記した課題を解決する本発明に係る蓋付構造体は、凹部または開口部を有するベース部材と、前記凹部または前記開口部に覆設される蓋部材と、を備え、前記凹部の開口縁部または前記開口部の開口縁部と前記蓋部材の周縁部とが摩擦攪拌接合された蓋付構造体であって、前記ベース部材は、貫通孔を有し、前記貫通孔は、摩擦攪拌の終了位置を包含する部位に形成されていることを特徴とする。
【0021】
このような構成の蓋付構造体であれば、回転ツールの抜き穴の痕跡が目立たなくなるので、その美観が良好なものとなる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るフロントフォーク用ブラケットの製造方法によれば、閉空間の中空部を容易に形成することが可能になるので、その軽量化を図ることが可能になるとともに、ステアリングシャフト挿通孔やフォーク取付孔の仕上げ代に摩擦攪拌接合の終了位置を設けることとしたので、良好な外観のフロントフォーク用ブラケットを得ることが可能になる。
【0023】
本発明に係る蓋付構造体の製造方法によれば、その軽量化を図ることが可能になるとともに、貫通孔の仕上げ代に摩擦攪拌接合の終了位置を設けることとしたので、良好な外観の蓋付構造体を得ることが可能となる。
【0024】
また、本発明に係るフロントフォーク用ブラケットおよび蓋付構造体によれば、回転ツールの抜き穴の痕跡が目立たなくなるので、その美観が良好なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の一実施形態に係るフロントフォーク用ブラケットBは、図9に示すように、左右一対のフロントフォークF,F同士を連結するとともに、図示せぬステアリングシャフトを支持する中空の部品(蓋付構造体)である。ちなみに、フロントフォークFは、バーハンドル車両の前輪Wを支持するものであり、ステアリングシャフトは、ヘッドパイプに回動自在に挿通されるものである。なお、以下では、フロントフォーク用ブラケットBが、アンダーブラケットBである場合を例示するが、フロントフォークF,Fの上端部同士を連結するアッパーブラケットB’への適用を排除する趣旨ではない。
【0026】
フロントフォーク用ブラケットB(以下、単に「ブラケットB」という。)は、図1に示すように、ブラケット本体1と、このブラケット本体1に接合される蓋部材3,3と、を備えている。
【0027】
なお、図1乃至図5においては、蓋部材3を上にした状態を図示しており、以下の説明中においては、図示の状態の上面を「一面」とし、下面を「他面」としているが、便宜的なものであって、実際の使用状態でどちらを上側にして利用するかとは必ずしも一致していない。
【0028】
ブラケット本体1は、その長手方向の両端部に設けられた一対のフォーク取付孔11,11と、これらフォーク取付孔11,11の間に設けられたステアリングシャフト挿通孔12と、このステアリングシャフト挿通孔12の周囲に形成された凹部13,13(図1の(c)参照)と、ブラケット本体1の外周面からフォーク取付孔11に至るスリット14と、このスリット14を跨ぐように形成された締付孔15とを備えている。すなわち、ブラケット本体1は、フォーク取付孔11の孔壁であるサイドボス1a,1aと、ステアリングシャフト挿通孔12の孔壁であるセンターボス1bと、左右のサイドボス1a,1aおよびセンターボス1bを繋ぐウェブ1c(図1の(c)参照)と、ウェブ1cに立設されたリブ1d,1d,…と、を備えている。
【0029】
フォーク取付孔11およびステアリングシャフト挿通孔12は、ブラケット本体1を上下方向に貫通する貫通孔である。なお、フォーク取付孔11には、フロントフォークF(図9参照)が挿入され、ステアリングシャフト挿通孔12には、図示せぬステアリングシャフトが挿入される。
【0030】
締付孔15は、図1の(b)に示すように、スリット14と交差するように設けられた段付き孔であって、サイドボス1aの側面に凹設されたザグリ15aと、ザグリ部15aの底から凹部13(図1の(c)参照)に向って形成された雌ネジ15bとを備えている。なお、雌ネジ15bには、フォーク取付孔11を縮径させるための図示せぬ締付ネジが螺入される。
【0031】
ブラケット本体1は、図2に示す素形材2を利用して形成される。素形材2は、ブラケット本体1の素となる部材であって、本実施形態のものは、アルミニウム合金製の鋳造品、鍛造品、または、鋳造後に鍛造してなるアルミニウム合金部材からなる。
【0032】
素形材2は、ブラケット本体1と略同一の外形に成形されているとともに、フォーク取付孔11の下穴である取付孔用下穴21、ステアリングシャフト挿通孔12の下穴である挿通孔用下穴22、凹部13(図1参照)となる有底凹部23などを備えている。
【0033】
取付孔用下穴21は、フォーク取付孔11となる領域の内側に形成された有底穴であり、フォーク取付孔11と同軸上に形成されているが、素形材2を鋳造あるいは鍛造する際に形成されることから、取付孔用下穴21の穴壁面(側面)には、所定の抜き勾配が設けられている。図2の(c)に示すように、本実施形態の取付孔用下穴21には、素形材2の一面に凹設されたものと他面に凹設されたものとがある。すなわち、本実施形態においては、一のフォーク取付孔11につき、表裏二つの取付孔用下穴21,21が形成されている。
【0034】
取付孔用下穴21の穴径は、フォーク取付孔11よりも小径であり、取付孔用下穴21の周囲には、取付孔用仕上げ代21s(図2の(b)および(c)において薄墨を付した部分)が確保されている。取付孔用仕上げ代21sは、フォーク取付孔11を形成する際に取り除かれる部位であって、取付孔用下穴21の穴壁(側壁)となる円筒状部分21aと、底壁となる平面視円形状の底部分21bとからなり、断面H字状を呈している。なお、円筒状部分21aは、寸法精度の高いフォーク取付孔11を形成するために必要な肉厚を具備している。
【0035】
挿通孔用下穴22は、ステアリングシャフト挿通孔12となる領域の内側に形成された有底穴であり、ステアリングシャフト取付孔12と同軸上に形成されているが、素形材2を鋳造あるいは鍛造する際に形成されることから、その穴壁面(側壁面)には、所定の抜き勾配が設けられている。なお、本実施形態の挿通孔用下穴22は、素形材2の他面に凹設されている。
【0036】
挿通孔用下穴22の穴径は、ステアリングシャフト挿通孔12よりも小径であり、挿通孔用下穴22の周囲には、挿通孔用仕上げ代22s(図2の(b)および(c)において薄墨を付した部分)が確保されている。挿通孔用仕上げ代22sは、ステアリングシャフト挿通孔12を形成する際に取り除かれる部位であって、挿通孔用下穴22の穴壁(側壁)となる円筒状部分22aと、底壁となる平面視円形状の底部分22bとからなり、断面逆U字状を呈している。円筒状部分22aは、寸法精度の高いステアリングシャフト挿通孔12を形成するために必要な肉厚を具備している。底部分22bは、後記する回転ツールT(図5参照)の挿入位置もしくは離脱位置となる部位であり、摩擦攪拌時に塑性流動化する深さよりも大きな厚さ寸法を具備している。
【0037】
有底凹部23は、本実施形態では、左右二箇所に形成されている。有底凹部23の開口端には、その全周に亘って、素形材2の一面と平行な載置面23aが形成されている。載置面23aは、素形材2の一面から蓋部材3(図2の(a)参照)の肉厚分だけ下がったところに形成されている。なお、有底凹部23の大部分は、素形材2を鋳造あるいは鍛造する際に形成されるが、載置面23aは、素形材2の鋳造あるいは鍛造後に形成される。載置面23aは、例えば、エンドミル等を用いて素形材2の一面に段差加工を施すことにより形成することができる。また、本実施形態の有底凹部23には、その底面から立ち上がる仕切り壁23bが形成されている。仕切り壁23bは、蓋部材3を支持するものであり、その上端面は載置面23aと面一になっている。
【0038】
図1に示す蓋部材3は、ブラケット本体1の凹部13(図1の(c)参照)に覆設されるものであり、凹部13の開口縁部に摩擦攪拌接合されている。図2の(a)に示すように、蓋部材3は、ブラケット本体1の素となる素形材2の有底凹部23の開口形状と略同一の外形を具備していて、蓋部材3の外周面は、実質的に隙間のない状態で有底凹部23の開口端の穴壁面に対向する。蓋部材3の材質は摩擦攪拌接合が可能で且つ必要な強度を備えるものであれば制限はないが、本実施形態では、素形材2の材質に合わせてアルミニウム合金としている。
【0039】
次に、ブラケットBの製造方法を詳細に説明する。
本実施形態に係る製造方法は、準備工程と、摩擦攪拌接合工程と、孔形成工程と、を含んでいる。
【0040】
準備工程は、図3に示すように、素形材2の有底凹部23に蓋部材3を覆設する工程である。本実施形態では、有底凹部23の載置面23aに蓋部材3を載置するだけでよい。蓋部材3を載置面23aに載せ置くと、素形材2の表面と蓋部材3の表面とが面一となり、有底凹部23の内周面と蓋部材3の外周面とが突き合わされることになる。
【0041】
摩擦攪拌接合工程は、有底凹部23の開口縁部2a(図2の(a)参照)と蓋部材3の周縁部3a(図2の(a)参照)とを摩擦攪拌接合する工程である。摩擦攪拌接合工程では、図4の(a)および(b)に示すように、有底凹部23の開口縁部と蓋部材3の周縁部との境界線Pを含むように設定された摩擦攪拌のルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールTを相対移動させることで、両者を摩擦攪拌接合する。なお、素形材2等を移動させずに、回転ツールTを移動させて摩擦攪拌接合を行ってもよいし、回転ツールTを移動させずに、素形材2等を支持する架台を移動させて摩擦攪拌接合を行ってもよい。
【0042】
本実施形態における摩擦攪拌の開始位置(回転ツールTの挿入位置)および終了位置(回転ツールTの離脱位置)は、挿通孔用仕上げ代22sの底部分22bの中央部Cであり(図5の(a)および(b)参照)、摩擦攪拌のルートは、挿通孔用仕上げ代22sの中央部Cから一方(本実施形態では左側)の蓋部材3に至る直線状のルートと、一方の蓋部材3を取り囲むように設けられた環状ルート(境界線Pに沿うルート)と、一方の蓋部材3から挿通孔用仕上げ代22sの中央部Cを経由して他方(本実施形態では右側)の蓋部材3に至るV字状のルートと、他方の蓋部材3を取り囲むように設けられた環状ルートと、他方の蓋部材3から挿通孔用仕上げ代22sの中央部Cに至る直線状のルートとからなる。すなわち、本実施形態の摩擦攪拌接合工程には、図5の(a)に示すように、素形材2の他面側に開口する挿通孔用下穴22の底壁(底部分22b)に素形材2の一面側から回転ツールTを挿入する過程と、図4の(a)および(b)に示すように、一筆書きの移動軌跡(ビード)を形成するように回転ツールTを移動させて左右二つの蓋部材3,3を一工程で接合する過程と、図5の(b)に示すように、挿通孔用下穴22の底壁(底部分22b)から回転ツールTを上方に離脱させる過程とが含まれている。
【0043】
なお、本実施形態では、環状ルートの始端部S(図4の(a)参照)と終端部E(図4の(b)参照)とを重複(オーバーラップ)させている。重複させる範囲(長さ)に制限はないが、回転ツールTのショルダ径以上とすることが望ましい。
【0044】
孔形成工程は、図1の(c)に示すように、フォーク取付孔11,11およびステアリングシャフト挿通孔12を形成する工程である。すなわち、孔形成工程は、ドリルやエンドミルなどを取付孔用下穴21および挿通孔用下穴22に挿入し、取付孔用仕上げ代21sおよび挿通孔用仕上げ代22sを取り除く加工(例えば切削加工)を行う工程である。取付孔用下穴21および挿通孔用下穴22を設けているので、加工工具に掛かる負荷は小さいものとなる。なお、本実施形態では、挿通孔用仕上げ代22sで摩擦攪拌を終了させているので、挿通孔用仕上げ代22sを取り除くと、回転ツールTの抜き穴Hも取り除かれることになり、摩擦攪拌の終了位置を包含する部位にステアリングシャフト挿通孔12が形成されることになる。
【0045】
その後、素形材2の適所に図1の(b)に示すスリット14や締付孔15を形成すると、図1に示すブラケット本体1が形成され、ブラケットBが完成する。なお、必要に応じて表面研磨や表面処理等を行ってもよい。
【0046】
以上説明した本実施形態に係るフロントフォーク用ブラケットの製造方法によれば、摩擦攪拌の終了位置をブラケット本体1(素形材2)内に設けているにも関わらず、回転ツールTの抜き穴Hの痕跡を無きものにすることができるので、美観を損なうことなくブラケット本体1(素形材2)と蓋部材3の一体化を図ることが可能になる。
【0047】
また、本実施形態では、挿通孔用仕上げ代22sから摩擦攪拌を開始しているので、摩擦攪拌の開始位置に初期不良等が生じたとしても、ステアリングシャフト挿通孔22を形成する際に除去されることになり、ひいては、高品質のブラケットBを得ることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態によれば、蓋部材3の全周に亘って摩擦攪拌接合が施されることになるので、ブラケットBの中空部への水等の浸入を防ぐことが可能となる。加えて、本実施形態では、環状ルートの始端部Sと終端部Eとを重複させているので、接合部の水密性が高まり、ひいては、中空部への水等の浸入をより一層確実に防ぐことが可能となる。
【0049】
また、本実施形態に係る製造方法により得られたブラケットBは、ブラケット本体1の凹部13を蓋部材3で閉塞して形成した閉空間を具備することになるので、軽量でありながらも剛性が高い。加えて、ブラケットBによれば、回転ツールTの抜き穴Hの痕跡が目立たなくなるので、その美観が良好なものとなる。また、ブラケットBには、軽量化のための凹部13が形成されているが、蓋部材3によって凹部13が覆い隠されているので、ステアリングシャフトを大きく傾斜させた場合であっても、凹部13が露出するようなことはなく、したがって、外観が良好なブラケットBを得ることができる。
【0050】
製造方法の手順や素形材2の構成等は、適宜変更しても差し支えない。
例えば、前記した実施形態の摩擦攪拌接合工程では、一筆書きの移動軌跡(ビード)を形成するように回転ツールTを移動させて左右二つの蓋部材3,3を一工程で接合する場合を例示したが、図6の(a)に示すように、二工程に分けて接合しても勿論差し支えない。
【0051】
前記した実施形態では、摩擦攪拌の開始位置と終了位置とを一致させた場合を例示したが、摩擦攪拌の開始位置と終了位置とを異ならせてもよい。また、摩擦攪拌の開始位置の痕跡が目立たないような場合であれば、摩擦攪拌の開始位置を取付孔用仕上げ代21sおよび挿通孔用仕上げ代22s以外の部位に設定してもよい。
【0052】
前記した実施形態では、環状ルート(境界線Pに沿うルート)に沿って摩擦攪拌を行う際に、その始端部Sと終端部Eとを回転ツールTのショルダ径の数倍程度の範囲で重複させたが、図6の(a)に示すように、回転ツールTのショルダ径程度の範囲で重複させても差し支えない。
【0053】
前記した実施形態では、挿通孔用下穴22を有底穴とした場合を例示したが、図6の(b)に示す素形材2のように、上下に貫通する貫通孔としてもよい。この場合、挿通孔用仕上げ代22sは、挿通孔用下穴22の穴壁となる円筒状部分のみとなるので、当該円筒状部分内に設けた点C1,C2を回転ツールT(図6の(a)参照)の挿入位置もしくは離脱位置とすればよい。なお、素形材2の鋳造工程もしくは鍛造工程の際に挿通孔用下穴22を形成する場合には、抜き勾配の関係上、挿通孔用下穴22は円錐台状を呈することになり、その開口径も素形材2の表裏で異なることとなる。つまり、挿通孔用仕上げ代22sの肉厚が素形材2の一面側と他面側とで異なることになる。挿通孔用仕上げ代22sの円筒状部分に回転ツールTの挿入位置および離脱位置を確保するためには、円筒状部分の肉厚を回転ツールTのショルダ径以上に設定する必要があるので、素形材2の一面側(すなわち、有底凹部23が開口する面側)に向うに従って挿通孔用下穴22の内径が漸減するように、言い換えれば、素形材2の一面側に向うに従って挿通孔用仕上げ代22sの円筒状部分の肉厚が漸増するように、挿通孔用下穴22を形成するとよい。このようにすると、素形材2の一面側に向うに従って挿通孔用仕上げ代の肉厚が漸減するように形成した場合よりも大径の挿通孔用下穴22を形成することができるので、孔形成工程における加工量を低減することが可能となる。
【0054】
前記した実施形態では、左右二つの蓋部材3,3を用いる形態を例示したが、蓋部材3の枚数等を限定する趣旨ではない。図7の(a)および(b)に示すように、一つの蓋部材3を用いるものであっても勿論差し支えないし、図示は省略するが、三つ以上の蓋部材を用いるものであっても差し支えない。
【0055】
前記した実施形態では、ステアリングシャフト挿通孔22の仕上げ代(挿通孔用仕上げ代22s)に摩擦攪拌の開始位置および終了位置を設けた場合を例示したが、図7の(a)および(b)に示すように、フォーク取付孔21の仕上げ代(取付孔用仕上げ代21s)に摩擦攪拌の開始位置および終了位置を設けてもよい。なお、摩擦攪拌の開始位置および終了位置が設けられる方(図7においては左側)の取付孔用仕上げ代21sの形態に制限はないが、図7の(b)に示すものは、取付孔用下穴21の穴壁となる円筒状部分21aと、底壁となる平面視円形の底部分21bとからなり、断面逆U字状を呈している。
【0056】
前記した実施形態では、素形材2(ブラケット本体1)に有底凹部23(凹部13)を設け、素形材2の一面側から蓋部材3を覆設した場合を例示したが、図8に示すように、素形材2に上下に貫通する開口部を形成し、素形材2の表裏両面側から蓋部材31,32を覆設してもよい。
【0057】
この場合には、前記した製造方法を素形材2の一面側と他面側とで繰り返せばよい。すなわち、 素形材2に形成された開口部23’の一方の開口端に第一蓋部材31を覆設する第一準備工程と、開口部23’の開口縁部と第一蓋部材31の周縁部との境界線を含むように設定された摩擦攪拌のルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールを相対移動させる一面側摩擦攪拌接合工程と、開口部23’の他方の開口端に第二蓋部材32を覆設する第二準備工程と、開口部23’の開口縁部と第二蓋部材32の周縁部との境界線を含むように設定された摩擦攪拌のルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールを相対移動させる他面側摩擦攪拌接合工程と、フォーク取付孔11およびステアリングシャフト挿通孔12を形成する孔形成工程と、を含む製造方法とし、一面側摩擦攪拌接合工程および他面側摩擦攪拌接合工程では、それぞれ、ステアリングシャフト挿通孔12の仕上げ代で摩擦攪拌を終了し、孔形成工程では、仕上げ代を取り除く加工を行えばよい。
【0058】
このようにすると、摩擦攪拌の終了位置を素形材2内に設けているにも関わらず、回転ツールの抜き穴の痕跡を無きものにすることができるので、美観を損なうことなく素形材2と蓋部材3の一体化を図ることが可能になる。また、この製造方法により製造されたブラケットBは、開口部23’の開口端を第一蓋部材31および第二蓋部材32で閉塞して形成した閉空間を具備することになるので、軽量でありながらも剛性が高い。なお、図示は省略するが、開口部を備える素形材は、アルミニウム合金製の押出形材で構成することができる。素形材を押出形材とする場合には、取付孔用下穴や挿通孔用下穴も貫通孔となる。
【0059】
なお、前記したフロントフォーク用ブラケットBの構成および製造方法は、凹部または開口部を有するベース部材と、凹部または開口部に覆設される蓋部材と、を備え、凹部の開口縁部または開口部の開口縁部と蓋部材の周縁部とが摩擦攪拌接合された蓋付構造体にも応用することができる。この場合には、ベース部材の素となる素形材と蓋部材とを準備し、前記した製造方法を適用すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係るフロントフォーク用ブラケットを示す斜視図、(b)は同じく平面図、(c)は(b)のX1−X1断面図である。
【図2】(a)は素形材および蓋部材を示す斜視図、(b)は素形材の平面図、(c)は(b)のX2−X2断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るフロントフォーク用ブラケットの製造方法を説明するための断面図である。
【図4】(a)および(b)は図3に続く工程を説明するための平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るフロントフォーク用ブラケットの製造方法を説明するための拡大断面図であって、(a)は摩擦攪拌の開始位置の様子を示す図、(b)は摩擦攪拌の終了位置の様子を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るフロントフォーク用ブラケットの製造方法の変形例を説明するための図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のX3−X3断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るフロントフォーク用ブラケットの製造方法の他の変形例を説明するための図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のX4−X4断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るフロントフォーク用ブラケットおよびその製造方法のさらに他の変形例を説明するための断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係るフロントフォーク用ブラケットの使用箇所を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0061】
B フロントフォーク用ブラケット(蓋付構造体)
1 ブラケット本体(ベース部材)
11 フォーク取付孔
12 ステアリングシャフト挿通孔(貫通孔)
2 素形材
21 取付孔用下穴
21s 取付孔用仕上げ代
22 挿通孔用下穴
22s 挿通孔用仕上げ代
3 蓋部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラケット本体の素となる素形材の一面に凹設された有底凹部に蓋部材を覆設する準備工程と、
前記有底凹部の開口縁部と前記蓋部材の周縁部との境界線を含むように設定された摩擦攪拌のルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールを相対移動させる摩擦攪拌接合工程と、
前記ブラケット本体を貫通するフォーク取付孔およびステアリングシャフト挿通孔を形成する孔形成工程と、を含むフロントフォーク用ブラケットの製造方法であって、
前記摩擦攪拌接合工程では、前記フォーク取付孔または前記ステアリングシャフト挿通孔の仕上げ代で摩擦攪拌を終了し、
前記孔形成工程では、前記仕上げ代を取り除く加工を行うことを特徴とするフロントフォーク用ブラケットの製造方法。
【請求項2】
前記素形材の他面に、前記フォーク取付孔または前記ステアリングシャフト挿通孔の下穴を凹設しておき、
前記摩擦攪拌接合工程では、前記仕上げ代となる前記下穴の底壁で摩擦攪拌を終了することを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク用ブラケットの製造方法。
【請求項3】
前記摩擦攪拌接合工程では、前記仕上げ代から摩擦攪拌を開始することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフロントフォーク用ブラケットの製造方法。
【請求項4】
前記ルートに、前記蓋部材を取り囲むように設けられた環状ルートが含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のフロントフォーク用ブラケットの製造方法。
【請求項5】
前記環状ルートの始端部と終端部とを重複させることを特徴とする請求項4に記載のフロントフォーク用ブラケットの製造方法。
【請求項6】
ブラケット本体の素となる素形材に形成された開口部の一方の開口端に第一蓋部材を覆設する第一準備工程と、
前記開口部の開口縁部と前記第一蓋部材の周縁部との境界線を含むように設定された摩擦攪拌のルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールを相対移動させる一面側摩擦攪拌接合工程と、
前記開口部の他方の開口端に第二蓋部材を覆設する第二準備工程と、
前記開口部の開口縁部と前記第二蓋部材の周縁部との境界線を含むように設定された摩擦攪拌のルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールを相対移動させる他面側摩擦攪拌接合工程と、
フォーク取付孔およびステアリングシャフト挿通孔を形成する孔形成工程と、を含むフロントフォーク用ブラケットの製造方法であって、
前記一面側摩擦攪拌接合工程および前記他面側摩擦攪拌接合工程では、それぞれ、前記フォーク取付孔または前記ステアリングシャフト挿通孔の仕上げ代で摩擦攪拌を終了し、
前記孔形成工程では、前記仕上げ代を取り除く加工を行うことを特徴とするフロントフォーク用ブラケットの製造方法。
【請求項7】
ベース部材の素となる素形材に形成された有底凹部または開口部に蓋部材を覆設する準備工程と、
前記有底凹部の開口縁部または前記開口部の開口縁部と前記蓋部材の前記周縁部との境界線を含むように設定された摩擦攪拌ルートに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールを相対移動させる摩擦攪拌接合工程と、
前記ベース部材に貫通孔を形成する孔形成工程と、を含む蓋付構造体の製造方法であって、
前記摩擦攪拌接合工程では、前記貫通孔の仕上げ代で摩擦攪拌を終了し、
前記孔形成工程では、前記仕上げ代を取り除く加工を行うことを特徴とする蓋付構造体の製造方法。
【請求項8】
凹部または開口部を有するブラケット本体と、
前記凹部または前記開口部に覆設される蓋部材と、を備え、前記凹部の開口縁部または前記開口部の開口縁部と前記蓋部材の周縁部とが摩擦攪拌接合されたフロントフォーク用ブラケットであって、
前記ブラケット本体は、フォーク取付孔およびステアリングシャフト挿通孔を有し、
フォーク取付孔およびステアリングシャフト挿通孔の少なくとも一方は、摩擦攪拌の終了位置を包含する部位に形成されていることを特徴とするフロントフォーク用ブラケット。
【請求項9】
前記ブラケット本体が、アルミニウム合金製の鋳造品または鍛造品であることを特徴とする請求項8に記載のフロントフォーク用ブラケット。
【請求項10】
凹部または開口部を有するベース部材と、
前記凹部または前記開口部に覆設される蓋部材と、を備え、前記凹部の開口縁部または前記開口部の開口縁部と前記蓋部材の周縁部とが摩擦攪拌接合された蓋付構造体であって、
前記ベース部材は、貫通孔を有し、
前記貫通孔は、摩擦攪拌の終了位置を包含する部位に形成されていることを特徴とする蓋付構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−255874(P2009−255874A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110293(P2008−110293)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】