説明

フローセル

【課題】所望の流速で試料を流すことができるフローセルを提供する。
【解決手段】抵抗流路15は、導入口14と液溜まり16を介した測定流路17との間に設けられる。これにより、抵抗流路15を構成する蛇行溝132の長さ、幅、平面形状、内面の濡れ性を適宜設定することによって、抵抗流路15を通過する試料の流速を制御することができるので、結果として、導入口14に注入された試料溶液を所望の流速で流すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置により測定が行われる所定の流路とこの流路に試料溶液を流すためのポンプとを備えたフローセルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
抗原抗体反応やDNA断片(DNAプローブ)とDNAとの結合などの高度な生体分子の識別機能を利用した測定は、臨床検査,生化学分野での測定,および環境汚染物質の測定で重要な技術となっている。この測定としては、例えば、マイクロTAS(Total Analysis Systems),マイクロコンビナトリアルケミストリ,化学IC,化学センサ,バイオセンサ,微量分析,電気化学分析,QCM測定,SPR測定,ATR測定などがあるが、このような測定の分野では、測定対象の試料溶液は微量な場合が多い。
【0003】
このため、上述したような測定においては、微量な試料溶液をこのまま検出部まで移送することで、検体の濃度を低下させることなくより高感度,高効率に測定を行うようにしている。微量な試料溶液の移送を実現する技術としては、基板の上に幅が数百μmの流路を作製し、シリンジポンプ等による外部からの圧力で溶液を移送させる方法,静電気力で溶液を移送させる方法,エレクトロウエッティング法,加熱による体積変化や気泡の生成により溶液を移送させる方法,および電気浸透流を利用する方法などがある。
【0004】
しかしながら、これらの方法で微量な試料溶液を移送させるためには、例えば、基板(チップ)の上に微細な溝を流路や検出部として形成するとともに、同じ基板の上に電極や加熱器などの構成部品が設ける必要があり、作製が容易ではない。また、外部からの圧力で試料溶液を移送する場合、検出部を構成するチップ以外に、ポンプや配管などの部品が必要となり、加えて、その配管などの移送経路のために試料溶液の無駄が発生することになり、試料溶液の微量化には限界があった。そこで、近年では、上述した測定の分野では、微細なチップの中に、検出部とともにポンプの機能を有する(代替する)移送部を形成することが提案されている。
【0005】
また、従来より微量な試料溶液を分析する方法として、濾紙を用いたペーパークロマトグラフィー分析方法が知られている。例えば、生体関連物質の測定としては、簡便で安価な手段として、改良したイムノクロマト法や、イムノコンセントレーション法などが提案されている(特許文献1,2参照)。また、プラスチックの構造体に形成された流路に濾紙を配置した測定チップもある(非特許文献1参照)。しかしながら、これらのようなペーパークロマトグラフィー法では、流路の形状などに制限があり、複雑な化学分析が行えないという問題がある。
【0006】
そこで、近年では、微細加工技術により基板上または基板と基板との間に毛細管現象により試料溶液を移送する流路やポンプとなる領域を形成することが提案されている(非特許文献2参照)。この技術により作成された測定チップは、試料溶液が導入される導入口と、その試料溶液を吸引する毛細管ポンプと、導入口と毛細管ポンプとの間に設けられた測定流路とを備えている。このような測定チップでは、導入口に試料溶液が導入されると、この導入口から測定流路およびポンプへと順次試料溶液が流出し、毛細管ポンプに試料溶液が到達すると毛細管ポンプに生じる毛細管現象により当該試料溶液が吸引される。これにより、導入口に貯留された試料溶液は、毛細管ポンプの吸引力によって、測定流路を介してポンプへと流れていく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平7−036017号公報
【特許文献2】特開2000−329766号公報
【特許文献3】特開2001−194298号公報
【特許文献4】特開2002−214131号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Amal. Chem. 2005, 77, 7901-7907.
【非特許文献2】Martin Zimmermann, Heinz Schmid, Patrick Hunziker and Emmanuel Delamarche, “Capillary pumps for autonomous capillary systems”, The Royal Society of Chemistry 2007, Lab Chip, 2007, 7, 119-125, First published as an Advance Article on the web 17th October 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般に、抗原抗体反応の検出など、試料溶液や測定装置の種類によっては、所望する試料溶液の流速や流速のプロファイルが異なる。しかしながら、従来の毛細管ポンプを用いた技術では、試料溶液の流速や流速のプロファイルを制御することが困難であった。
【0010】
そこで、本願発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであり、所望の流速で試料溶液を流すことができるフローセルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述したような課題を解決するために、本発明に係るフローセルは、光が透過する第1の基板と、この第1の基板の上に配設された第2の基板と、第2の基板に形成された開口部と、第1の基板と第2の基板との間に形成され、開口部に一端が接続された流路と、第1の基板と第2の基板との間に形成され、流路の他端が接続されて、開口部より流路を経て到達した液体を表面張力により吸引するポンプ部とを備え、流路は、液体に対して測定が行われる測定部と、この測定部よりも開口部側およびポンプ側の一方に設けられ、この流路を流れる流体に対して抵抗として作用し、測定部と流路の幅が異なる抵抗部とを有するようにしたものである。
【0012】
上記フローセルにおいて、抵抗部は、蛇行した流路から構成されるようにしてもよい。ここで、上記蛇行した流路は、略直角または円弧状に曲げられた屈曲部を有するようにしてもよい。
【0013】
上記フローセルにおいて、第1の基板と第2の基板との間に介在させた第3の基板をさらに備え、抵抗部およびポンプ部は、第1の基板および第2の基板のうち少なくとも一方に形成され、測定部は、第3の基板に形成されるようにしてもよい。
【0014】
上記フローセルにおいて、ポンプ部は、第1の基板および第2の基板のうち少なくとも一方に形成された凹部と、この凹部内に垂設された複数の柱状部材とからなり、この柱状部材は、第1の基板または第2の基板と接触しないようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、測定部よりも開口部側およびポンプ側の一方に抵抗部を設けたことにより、抵抗部を通過する液体の流速を制御することができるので、結果として、所望の流速で液体を流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態のフローセルの構成例を示す平面図である。
【図2】図1のI-I線断面図である。
【図3】図1のフローセルを下面方向から見た場合の分解斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のフローセルの構成例を示す平面図である。
【図5】図4のII-II線断面図である。
【図6】図4のIII-III線断面図である。
【図7】図4のIV-IV線断面図である。
【図8】図4のフローセルを下面方向から見た場合の分解斜視図である。
【図9】本発明の参考例のフローセルの構成例を示す平面図である。
【図10】図9のV-V線断面図である。
【図11】図9のフローセルを下面方向から見た場合の分解斜視図である。
【図12】(a)〜(c)蛇行溝の変形例を模式的に示す平面図である。
【図13】SPR測定装置の構成例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
<フローセルの構成>
図1〜図3に示すように、本実施の形態に係るフローセル1は、平面視略矩形の第1の基板11と、この第1の基板11上に配設されるシート状部材12と、このシート状部材12上に配設される第2の基板13とから構成されている。これらを積層したフローセル1には、第2の基板13を貫通し試料溶液が導入される導入口14と、シート状部材12と第2の基板13との間に形成された吸入ポンプ18と、この吸入ポンプ18と導入口14と接続する流路とが設けられている。この流路は、一端が導入口14に接続しシート状部材12と第2の基板13との間に形成された抵抗流路15と、この抵抗流路15の他端に接続し第1の基板11と第2の基板13との間にあるシート状部材12内に形成された空間部16と、一端が空間部16に他端が吸入ポンプ18に接続し空間部16と同様にシート状部材12内に形成され外部装置により測定光等が照射される測定流路17とから構成されている。
【0019】
≪第1の基板≫
第1の基板11は、例えばBK7などの光学ガラスから構成され、板厚が1mm程度で一辺が16mm程度の平面視略矩形の板状の形状を有している。また、第1の基板11の上面、すなわち第1の基板11のシート状部材12が載置される側の表面には、蒸着、スパッタ、メッキ加工などによりAu層11aが選択的に設けられている。なお、Au層11aは、上記測定流路17に対応する部分のみに形成するようにしてもよいが、全面に形成してもよいことは言うまでもない。
【0020】
≪シート状部材≫
シート状部材12は、10μm〜150μm程度の厚さを有する例えば公知の粘着テープなどから構成され、第1の基板11に対応した平面形状を有している。このようなシート状部材12には、略中央部に設けられた平面視略矩形のスリット121と、このスリット121の一端に接続された平面視略円形の開口部122とが形成されている。ここで、スリット121は、長手方向がシート状部材12の何れかの側部と略平行になるように形成されている。
【0021】
上述したスリット121は、第1の基板11の上面および第2の基板13の下面とともに、略直方体状の空間からなる測定流路17を形成する。この測定流路17の長手方向に垂直な断面は、水溶液に対して毛細管現象が発現する範囲の寸法とされる。
【0022】
また、上述した開口部122は、第1の基板11の上面および第2の基板13の下面とともに、略円柱状の空間からなる空間部16を形成する。この空間部16は、水溶液に対して毛細管現象が発現する範囲の断面寸法とされる。
【0023】
このようなシート状部材12は、例えば、粘着テープをカッターやレーザなどで所望の形状に加工することにより、作製することができる。
【0024】
≪第2の基板≫
第2の基板13は、0.5〜5mm程度の厚さを有する例えばアクリルなどから構成され、第1の基板11およびシート状部材12に対応した平面形状を有する。このような第2の基板13の一側寄りの略中央部には、上記導入口14を形成する貫通孔131が形成されている。また、第2の基板13の下面には、一端がその貫通孔131に接続し上記抵抗流路15を形成する蛇行溝132と、上記一側とは反対側の他側寄りに上記吸入ポンプ18を形成する空洞部133とが設けられている。
【0025】
蛇行溝132は、複数の屈曲部を有し、両端を結ぶ方向に対して垂直な方向に繰り返し折り曲げられたクランク状の平面形状を有している。その屈曲部は、略直角に折り曲げられている。なお、上記両端を結ぶ方向は、第2の基板13の上記一側と上記他側との距離方向と略平行とされている。
【0026】
空洞部133は、第2の基板13の下面から上面に向けて設けられ、この空洞内にはその天井から下方に向かって突出した略円柱状の複数の突出部133bが設けられている。複数の突出部133bの間隔を毛細管現象が発現する範囲とすることにより、この空洞部133は、吸引ポンプとして作用する。このような空洞部133は、第2の基板13の中央部の周囲を取り囲むように平面視略「コ」の字状に形成され、第2の基板13における上記一側寄りの両端部と上記他側寄りの両角には、第2の基板13を貫通する空気孔133c〜133fが形成されている。
【0027】
上述した貫通孔131は、シート状部材12の上面を底とする略円柱状の空間からなる導入口14を形成する。
【0028】
また、上述した蛇行溝132は、第2の基板13とシート状部材12とが接することにより蛇行した抵抗流路15を形成する。この抵抗流路15は、水溶液に対して毛細管現象が発現する範囲の断面寸法とされる。
【0029】
また、上述した空洞部133における突出部133bの間隔,幅,高さなど、吸入ポンプ18の内部の各寸法は、毛細管現象が発現する範囲の値とされる。
【0030】
上述したような第2の基板13は、例えば、所定のパターンが形成された金型を用いた射出成形加工、レーザ加工、エンドミル等による切削加工などによって、作製することができる。
【0031】
<フローセルの製造方法>
次に、本実施の形態に係るフローセル1の製造方法の一例について説明する。まず、第1の基板11上にシート状部材12を載置する。ここで、Au層11aを第1の基板11の一部のみに設けた場合、測定流路17を形成するスリット121が上記Au層11a上に位置するように、第1の基板11上にシート状部材12を載置する。
【0032】
次に、蛇行溝132の他端がシート状部材12の開口部122内部に位置し、かつ空洞部133内部にシート状部材12のスリット121の他端が位置するように、シート状部材2上に第2の基板13を載置する。
【0033】
スリット121と蛇行溝132は、図1等によく示されるように幅が細く形成されているため、互いを直接に接続することが困難である。そこで、本実施の形態では、スリット121の一端に開口部122を設けている。この開口部122は、スリット121よりも幅が広い平面視略円形の形状を有するため、蛇行溝132の他端をその内部に容易に配置することができる。これにより、スリット121と蛇行溝132とを、開口部122を介して容易に接続することができる。
【0034】
このように第1の基板11,シート状部材12および第2の基板13を積層し、これらを第1の基板11の上面側と第2の基板13の下面側から押圧する。これにより、両面テープなどからなるシート状部材12を介して第1の基板11と第2の基板13が互いに固定され、導入口14,抵抗流路15,空間部16,測定流路17および吸入ポンプ18を備えたフローセル1が完成する。
【0035】
<フローセルの動作>
次に、本実施の形態に係るフローセル1の動作について説明する。
【0036】
まず、導入口14に試料溶液が注入されると、この試料溶液は、毛細管現象により抵抗流路15、空間部16および測定流路17の順で進み、吸入ポンプ18に流入する。この吸入ポンプ18の内部は、複数の突出部133bが形成されているので、この突出部133bが形成されていない場合よりも単位体積当たりの表面積が大きくなっており、毛細管現象が発現する寸法となっている。したがって、吸入ポンプ18内部に流入した試料溶液は、その内部を進行していく。なお、この進行する速度は、突出部133bの外形や間隔などの空洞部133の形状や試料溶液にかかる抵抗等によって変化する。
【0037】
したがって、導入口14に注入された試料溶液は、抵抗流路15,空間部16および測定流路17を通って吸入ポンプ18に流入し、この吸入ポンプ18内部を進行していく。
【0038】
ここで、本実施の形態では、導入口14と測定流路17との間に抵抗流路15を設けている。これにより、抵抗流路15内部を通過する試料溶液は、その形状などに応じた抵抗がかかり流速が変化する。例えば、折り曲げ回数を多くする、すなわち屈曲部を多数設けたり、流路の幅を狭くしたりすると、これらの部分による圧力損失が大きくなるので、流速が下がる。また、内面に疎水処理を施したり、抵抗流路15を長くすると、壁面からの摩擦力が大きくなるので、流速が下がる。逆に、折り曲げ回数を少なくしたり、流路の幅を広くしたり、流路を短くしたり、内面に親水処理を施したりすると、上述した場合よりも流速を上げることができる。したがって、所望する試料溶液の流速や流速のプロファイルに応じて抵抗流路15を形成することにより、抵抗流路15を通過する試料溶液の流速を制御することができるので、この前段および後段、ひいてはフローセル1内部の各構成要素を流れる試料溶液の流速をも制御することができる。これにより、試料溶液や測定装置の種類に応じた所望する試料溶液の流速や流速のプロファイルで、測定流路17内部に試料溶液を流すことができる。
【0039】
また、測定流路17の前段に抵抗流路15を設けたので、試料溶液が測定流路17から直接吸入ポンプ18に流れるため、測定流路17に試料溶液が流入するのと吸入ポンプ18に試料溶液が流入するのとに大きな時間差が生じない。これにより、低い流速の試料溶液が測定流路17に流れることを極力防ぐことができる。
【0040】
また、測定流路の前段に抵抗流路15を設けたので、導入口14に注入直後の付勢された試料溶液が抵抗流路15を通過するとその勢いが緩和されるため、インジェクションショックが生じるのを防ぐことができる。これにより、フローセル1に順次複数の試料溶液を注入する場合であっても、インジェクションショックが生じないので、その試料溶液の測定を正確に行うことができる。
【0041】
なお、本実施の形態では、スリット121が平面視略矩形の形状を有し、かつシート状部材12の略中央部に設けた場合を例に説明したが、スリット121がAu層11a上を通過するのであれば、スリット121の形状および設ける位置については上述した場合に限定されず、適宜自由に設定することができる。したがって、スリット121により構成される測定流路17の形状および位置についても、適宜自由に設定することができる。
【0042】
また、本実施の形態では、開口部122が平面視略円形の形状を有する場合を例に説明したが、開口部122が第2の基板13の貫通口131と連続する位置に存在するのであれば、開口部122の形状は平面視略円形に限定されず、適宜自由に設定することができる。
【0043】
また、本実施の形態では、空洞部133が平面視略「コ」の字状の形状を有する場合を例に説明したが、空洞部133の平面形状は略「コ」の字状に限定されず、適宜自由に設定することができる。同様に、空洞部133内部に形成された突出部133bの形状についても、空洞部133内部の表面積が増加するのであれば略円柱状の形状に限定されず、適宜自由に設定することができる。
【0044】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、測定流路と吸引ポンプとの間に抵抗流路を設けたものである。したがって、本実施の形態において、上述した第1の実施の形態と同等の構成要素については、同じ名称を付し、適宜説明を省略する。
【0045】
<フローセルの構成>
図4〜図8に示すように、本実施の形態に係るフローセル2は、平面視略矩形の第1の基板21と、この第1の基板21上に配設されるシート状部材22と、このシート状部材22上に配設される第2の基板23とから構成されている。これらを積層したフローセル2には、第2の基板23を貫通し試料溶液が導入される導入口24と、シート状部材22と第2の基板23との間に形成された2つの吸入ポンプ27と、この吸入ポンプ27と導入口24とを接続する流路とが設けられている。この流路は、一端が導入口24に接続し第1の基板21と第2の基板23との間にあるシート状部材22内に形成された測定流路25と、一端がこの測定流路25の他端に接続しシート状部材22と第2の基板23との間に形成された抵抗流路26とから構成されている。このように本実施の形態は、抵抗流路26を測定流路25と吸入ポンプ27との間に設けたものである。
【0046】
≪第1の基板≫
第1の基板21は、上述した第1の実施の形態の第1の基板11と同等の形状および構成を有し、上面には、Au層21aが選択的に設けられている。
【0047】
≪シート状部材≫
シート状部材22は、上述した第1の実施の形態のシート状部材12と同等の形状および構成を有し、略中央部に設けられた平面視略矩形のスリット221と、このスリット221の一端に接続された平面視略円形の開口部222とを有している。ここで、スリット221は、長手方向がシート状部材22の何れかの側部と略平行になるように形成されている。
【0048】
上述したスリット221は、第1の基板21の上面および第2の基板23の下面とともに、略直方体状の空間からなる測定流路25を形成する。この測定流路25の長手方向に垂直な断面は、水溶液に対して毛細管現象が発現する範囲の寸法とされる。
【0049】
≪第2の基板の構成≫
第2の基板23は、上述した第1の実施の形態の第2の基板13と同等の形状および構成を有し、一側寄りの略中央部には、貫通孔231が形成されている。また、第2の基板23の下面には、略中央から上記一側とは反対側の他側近傍にかけて形成された蛇行溝232と、この蛇行溝232の両側に形成された2つの空洞部233とが設けられている。
【0050】
貫通孔231は、開口部222と同等の平面形状に形成されている。
【0051】
蛇行溝232は、複数の屈曲部を有し、上記一側と上記他側との距離方向に対して垂直な方向に繰り返し折り曲げられたクランク状の平面形状を有している。その屈曲部は、略円弧状に、すなわち曲線状になだらかに曲げられている。また、蛇行溝232の他端は、第2の基板23の上記他側近傍で分岐しており、それぞれ上記垂直な方向に沿って反対側に延在し隣接する空洞部233に接続している。
【0052】
空洞部233は、第2の基板23の下面から上面に向けて設けられ、この空洞内にはその天井から下方に向かって突出した略円柱状の複数の突出部233bが設けられている。この空洞部233は、平面視略矩形に形成され、上記一側寄りの端部および上記他側寄りの蛇行溝132の他端が接続されたのと反対側の角部に、第2の基板23を貫通する空気孔233c〜233fが形成されている。
【0053】
上述した貫通孔231は、開口部222および第1の基板21の上面とともに、第1の基板21の上面を底とする略円柱状の空間からなる導入口24を形成する。
【0054】
また、上述した蛇行溝232は、第2の基板23とシート状部材22とが接することにより蛇行した抵抗流路26を形成する。この抵抗流路26は、水溶液に対して毛細管現象が発現する範囲の断面寸法とされる。
【0055】
また、上述した空洞部233における突出部233bの間隔,幅,高さなど、吸入ポンプ27の内部の各寸法は、毛細管現象が発現する範囲の値とされる。
【0056】
<フローセルの製造方法>
次に、本実施の形態に係るフローセル2の製造方法の一例について説明する。まず、第1の基板21上にシート状部材22を載置する。ここで、Au層21aを第1の基板21の一部のみに設けた場合、測定流路25を形成するスリット221が上記Au層21a上に位置するように、第1の基板21上にシート状部材22を載置する。
【0057】
次に、貫通孔231と開口部222とが連続し、かつ蛇行溝232の一端がスリット221の他端内部に位置するように、シート状部材22上に第2の基板23を載置する。
【0058】
このように第1の基板21、シート状部材22および第2の基板23を積層し、これらを第1の基板21の上面側と第2の基板13の下面側から押圧する。これにより、両面テープなどからなるシート状部材22を介して第1の基板21と第2の基板23が互いに固定され、導入口24,測定流路25,抵抗流路26および吸入ポンプ27を備えたフローセル2が完成する。
【0059】
<フローセルの動作>
次に、本実施の形態に係るフローセル2の動作について説明する。
【0060】
本実施の形態においても、上述した第1の実施の形態と同様、吸入ポンプ27内部に複数の突出部233bが形成されているので、導入口24に注入された試料溶液は、吸入ポンプ27に吸引されて、測定流路25および抵抗流路26を通過し、吸引ポンプ27に到達する。
【0061】
ここで、本実施の形態では、測定流路25と吸入ポンプ27との間に抵抗流路26を設けている。これにより、抵抗流路26内部を通過する試料溶液は、その形状などに応じた抵抗がかかり流速が変化する。したがって、第1の実施の形態の場合と同様、所望する試料溶液の流速や流速のプロファイルに応じて抵抗流路26を形成することにより、抵抗流路26を通過する試料溶液の流速を制御することができるので、この前段および後段ひいてはフローセル1内部の各構成要素を流れる試料溶液の流速をも制御することができる。これにより、試料溶液や測定装置の種類に応じた所望する試料溶液の流速や流速のプロファイルで、測定流路25内部に試料溶液を流すことができる。
【0062】
また、蛇行溝232の屈曲部を、円弧を描くなだらかな曲線状に形成したので、抵抗流路26内部における試料溶液の接触角の急激な変化を防ぐことができ、試料溶液が流路にトラップされるのを防ぐことができる。
【0063】
また、従来では、始めに緩衝液等を注入して測定装置から出力される信号のベースラインを測ったのち、実際に測定する試料溶液を注入することによって抗原抗体反応などを測定している。しかしながら、イムノクロマトのように始めから試料溶液のみを注入して測定を行うことができれば、緩衝液を用いなくて済むので、測定を容易に行うことができる。この場合、本格的な抗原抗体反応が始まるまでにベースラインの測定を行わなければならないが、本実施の形態のように、抵抗流路26を測定流路25の後段に設けることにより、その測定を実現することができる。すなわち、本実施の形態に係るフローセル2において、例えば試料溶液の流速が抵抗流路26内部よりも吸入ポンプ27内部の方が速くなるように空洞部233の形状を設定することにより、試料溶液の流速を、測定流路25までは早く、抵抗流路26では遅く、吸入ポンプ27に達すると再び早くなるといった流速のプロファイルを実現できる。これにより、試料溶液が抵抗流路26でゆっくり流れている間にベースラインを測ることにより、試料溶液のみを用いた測定を行うことができる。
【0064】
具体例として、本実施の形態に係るフローセル2において、幅が約200μm、深さが約150μm、全長が約14.6mmの抵抗流路26を作成した。この場合、試料が導入口24に注入されてから測定流路25まで到達するのに要した時間より、抵抗流路26から吸入ポンプ27に到達するのに要した時間の方が長くなることを確認することができた。このとき、抵抗流路26の内面への抵抗部材の導入や材料の濡れ性を変更することによって、数十μlの試料を数分程度で送液したり、1時間以上かけて送液したりできることも確認することができた。
【0065】
なお、本実施の形態では、空洞部233が平面視略矩形の形状を有する場合を例に説明したが、空洞部233の平面形状は略矩形に限定されず、適宜自由に設定することができる。
【0066】
[参考例]
次に、本発明に係る参考例について説明する。なお、本参考例は、測定流路の前段および後段に抵抗流路を設けたものである。したがって、本参考例において、上述した第1,第2の実施の形態と同等の構成要素には、同じ名称を付し、適宜説明を省略する。
【0067】
<フローセルの構成>
図9〜図11に示すように、本参考例に係るフローセル3は、平面視略矩形の第1の基板31と、この第1の基板31上に配設されるシート状部材32と、このシート状部材32上に配設される第2の基板33とから構成されている。これらを積層したフローセル3には、第2の基板33を貫通し試料溶液が導入される導入口34と、シート状部材32と第2の基板33との間に形成された2つの吸入ポンプ38と、この吸入ポンプ38と導入口34とを接続する流路とが設けられている。この流路は、一端が導入口34に接続しシート状部材32と第2の基板33との間に形成された第1の抵抗流路35と、一端がこの第1の抵抗流路35に接続し第1の基板31と第2の基板33との間にあるシート状部材32内に形成された測定流路36と、一端がこの測定流路36の他端に接続しシート状部材32と第2の基板33との間に形成された第2の抵抗流路37とから構成されている。このように本参考例では、第1の抵抗流路35と第2の抵抗流路37とが測定流路36の前段または後段に設けられている。
【0068】
≪第1の基板≫
第1の基板31は、上述した第1の実施の形態の第1の基板11と同等の形状および構成を有し、上面には、Au層31aが選択的に設けられている。
【0069】
≪シート状部材≫
シート状部材32は、上述した第1の実施の形態のシート状部材12と同等の形状および構成を有し、略中央部に設けられた平面視略矩形のスリット321を有している。このスリット321は、長手方向がシート状部材32の何れかの側部と略平行になるように形成されている。
【0070】
上述したスリット321は、第1の基板31の上面および第2の基板33の下面とともに、略直方体状の空間からなる測定流路36を形成する。この測定流路36の長手方向に垂直な断面は、水溶液に対して毛細管現象が発現する範囲の寸法とされる。
【0071】
≪第2の基板の構成≫
第2の基板33は、上述した第1の実施の形態の第2の基板13と同等の形状および構成を有し、第2の基板33の一側寄りの略中央部には、貫通孔331が形成されている。また、第2の基板33の下面には、一端が貫通孔331に接続した第1の蛇行溝332と、略中央から上記一側とは反対側の他側近傍にかけて形成された第2の蛇行溝333と、この第2の蛇行溝333の両側に形成された2つの空洞部334とが設けられている。
【0072】
第1の蛇行溝332は、複数の屈曲部を有し、両端を結ぶ方向に対して垂直な方向に繰り返し折り曲げられたクランク状の平面形状を有している。その屈曲部は、略円弧状に、すなわち曲線状になだらかに曲げられている。また、上記両端を結ぶ方向は、第2の基板13の上記一側と上記他側との距離方向に対して略平行とされている。
【0073】
第2の蛇行溝333は、複数の屈曲部を有し、上記距離方向に対して垂直な方向に繰り返し折り曲げられたクランク状の平面形状を有している。その屈曲部は、略円弧状に、すなわち曲線状になだらかに曲げられている。また、第2の蛇行溝333の他端は、第2の基板33の上記他側近傍で分岐しており、それぞれ上記垂直な方向に沿って反対側に延在して隣接する空洞部334に接続している。
【0074】
空洞部334は、第2の基板33の下面から上面に向けて設けられ、この空洞内にはその天井から下方に向かって突出した略円柱状の複数の突出部334bが設けられている。この空洞部334は、平面視略矩形に形成され、上記一側寄りの端部および上記他側寄りの第2の蛇行溝333の他端が接続されたのと反対側の角部に、第2の基板33を貫通する空気孔334c〜334fが形成されている。
【0075】
上述した貫通孔331は、シート状部材32の上面を底とする略円柱状の空間からなる導入口34を形成する。
【0076】
また、上述した第1の蛇行溝332は、第2の基板33とシート状部材32とが接することにより蛇行した第1の抵抗流路35を形成する。この第1の抵抗流路35は、水溶液に対して毛細管現象が発現する範囲の断面寸法とされる。
【0077】
また、上述した第2の蛇行溝333は、第2の基板33とシート状部材32とが接することにより、蛇行した第2の抵抗流路37を形成する。この第2の抵抗流路37は、水溶液に対して毛細管現象が発現する範囲の断面寸法とされる。
【0078】
また、上述した空洞部334における突出部334bの間隔,幅,高さなど,吸入ポンプ38の内部の各寸法は、毛細管現象が発現する範囲の値とされる。
【0079】
<フローセルの製造方法>
次に、本参考例に係るフローセル3の製造方法の一例について説明する。まず、第1の基板31上にシート状部材32を載置する。ここで、Au層31aを第1の基板31の一部のみに設けた場合、測定流路36を形成するスリット321が上記Au層31a上に位置するように、第1の基板31上にシート状部材32を載置する。
【0080】
次に、第1の蛇行溝332の他端がスリット321の一端内部に位置し、かつ第2の蛇行溝333の一端がスリット321の他端内部に位置するように、シート状部材32上に第2の基板33を載置する。
【0081】
このようにして、第1の基板31、シート状部材32および第2の基板33を積層すると、これらを第1の基板31の上面側と第2の基板33の下面側から押圧する。これにより、両面テープなどからなるシート状部材32を介して第1の基板31と第2の基板23が互いに固定され、導入口34、第1の抵抗流路35、測定流路36、第2の抵抗流路37および吸入ポンプ38を備えたフローセル3が完成する。
【0082】
<フローセルの動作>
次に、本参考例に係るフローセル3の動作について説明する。
【0083】
本参考例においても、上述した第1,第2の実施の形態と同様、吸入ポンプ38内部に複数の突出部334bが形成されているので、導入口34に注入された試料溶液は、吸入ポンプ38に吸引されて、第1の抵抗流路35,測定流路36および第2の抵抗流路37を通過し、吸引ポンプ38に到達する。
【0084】
ここで、本参考例では、第1の実施の形態と同様に導入口34と測定流路36との間に第1の抵抗流路35を設け、かつ第2の実施の形態と同様に測定流路36と吸入ポンプ38との間に第2の抵抗流路を設けている。したがって、上述した第1,第2の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0085】
[フローセルの適用例]
ここで、上述した第1,第2の実施の形態および参考例に例示したフローセルの適用例について簡単に説明する。上述したフローセルは、よく知られた表面プラズモン共鳴現象を利用した測定に用いられる(特許文献3,4参照)。表面プラズモン共鳴現象を利用した測定は、測定対象の検体が接触した金属の表面における、エバネッセント波と表面プラズモン波との共鳴を用いるものである。
【0086】
この測定では、図13に示すように、光源1001から出射された光を入射側レンズ1002で集光してプリズム1003に入射させ、プリズム1003の上面部1004に密着させているフローセル1005の測定部として機能するAu膜に照射する。フローセル1005にはAuの薄膜が形成されており、このAuの薄膜の表面に検体が接触して配置され、Auの薄膜の裏面に、フローセル1005を透過してきた集光光が照射される。このようにして照射された集光光は、Auの薄膜の裏面で反射し、いわゆるCCDイメージセンサなどの撮像素子よりなる光検出部1006で強度(光強度)が測定され、上記共鳴が起こる角度で反射率が低くなる谷が観測される。
【0087】
このような測定では、Au膜の表面(検出部側)に固定された抗体やDNA断片に、選択的に結合する検体の有無を検出するものであるが、検出部に試料溶液を配置した状態では、対象となる検体と抗体とが反応したことによる変化と、検出部に異物が沈降して堆積した状態による変化との区別がない。これに対し、検出部において試料溶液が流れているようにすることで、異物の沈降が抑制されるようになり、上述した反応による変化を選択的に検出できるようになる。
【0088】
なお、上述した第1,第2の実施の形態および参考例で示したフローセルでは、シート状部材を設けるようにしたが、これを設けずに第1の基板および第2の基板から構成するようにしてもよい。この場合、シート状部材に形成された各スリットを第1の基板または第2の基板に形成し、これらの側部に係着する部材を設けて互いを接合したり、接着剤などにより互いを接着したりすることにより実現することができる。
【0089】
また、第1の実施の形態では、抵抗流路15を形成する蛇行溝132の屈曲部は、略直角に折り曲げられているが、第2の実施の形態および参考例と同様に、略円弧状に、すなわち曲線状になだらかに曲げられるようにしてもよい。同様に、第2の実施の形態および参考例では、抵抗流路26,第1の抵抗流路35,第2の抵抗流路37を構成する蛇行溝232,第1の蛇行溝332,第2の蛇行溝333の屈曲部は、略円弧状に曲げられているが、第1の実施の形態と同様に、略直角に曲げられるようにしてもよい。さらに、蛇行溝、すなわち抵抗流路の形状は、第1,第2の実施の形態および参考例で示した形状に限定されず、他の構成要素と干渉しない領域に設けられるのであれば、例えば、図12(a)〜(c)に示す形状など適宜自由に設定することができる。ここで、図12(a)〜(c)に示すように、同様の形状を繰り返して設けることにより、長い抵抗流路を設けることができる。なお、図12(b),(c)において、屈曲部は略円弧状に曲げるようにしてもよい。
【0090】
また、上述した第1,第2の実施の形態および参考例では、空洞部133,233,334の内部に形成された突出部133b,233b,334bの端部が、シート状部材12,22,32と接触する場合を例に説明したが、その端部はシート状部材と接触しないようにしてもよい。これにより、突出部を短くした分だけ吸入ポンプ内部の容積が大きくなるので、吸入ポンプの容量を大きくすることができる。また、突出部の端部およびこの端部と当接していたシート状部材の部分が露出することとなるので、大きな表面積を保つのみならず、場合によっては表面積をさらに大きくすることが可能となり、この場合には吸引力をさらに大きくすることができる。また、例えば、飲食物や体液など夾雑物を含む試料流体をフローセルに注入する場合、従来では、その夾雑物が吸入ポンプ内部に詰まってしまうことがあった。しかしながら、上述したように突出部の端部がシート状部材に接触しないようにすることにより、これらの間に空隙が形成されるので、この空隙を夾雑物が通過することが可能となり、結果として、その夾雑物が吸入ポンプ17内部に詰まるのを防ぐことができる。なお、シート状部材を用いずに、第1の基板と第2の基板とで構成される場合においても、上記突出部の端部は、第1の基板と接触しないようにしてもよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0091】
例えば、マイクロTAS、Lab on a chip、マイクロコンビナトリアルケミストリ、化学IC、化学センサ、バイオセンサ、微量分析、電気化学分析、クロマトグラフィー、QCM測定、SPR測定、ATR測定など、試料溶液をハンドリングする分野において適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1,2,3…フローセル、11,21,31…第1の基板、11a,21a,31a…Au層、12,22,32…シート状部材、13,23,33…第2の基板、14,24,34…導入口、15,26…抵抗流路、16…空間部、17,25,36…測定流路、18,27,38…吸入ポンプ、35…第1の抵抗流路、37…第2の抵抗流路、121,221…スリット、122,222…開口部、131,231,331…貫通孔、132,232…蛇行溝、133,233,334…空洞部、133b,233b,334b…突出部、133c〜133f,233c〜233f,334c〜334f…空気孔、321…スリット、332…第1の蛇行溝、333…第2の蛇行溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が透過する第1の基板と、
この第1の基板の上に配設された第2の基板と、
前記第2の基板に形成された開口部と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に形成され、前記開口部に一端が接続された流路と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に形成され、前記流路の他端が接続されて、前記開口部より前記流路を経て到達した液体を表面張力により吸引するポンプ部と
を備え、
前記流路は、
前記液体に対して測定が行われる測定部と、
この測定部よりも前記開口部側および前記ポンプ側の一方に設けられ、この流路を流れる流体に対して抵抗として作用し、前記測定部と流路の幅が異なる抵抗部と
を有することを特徴とするフローセル。
【請求項2】
前記抵抗部は、蛇行した流路から構成される
ことを特徴とする請求項1記載のフローセル。
【請求項3】
前記蛇行した流路は、略直角に曲げられた屈曲部を有することを特徴とする請求項2記載のフローセル。
【請求項4】
前記蛇行した流路は、円弧状に曲げられた屈曲部を有することを特徴とする請求項2記載のフローセル。
【請求項5】
前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在させた第3の基板をさらに備え、
前記抵抗部および前記ポンプ部は、前記第1の基板および第2の基板のうち少なくとも一方に形成され、
前記測定部は、前記第3の基板に形成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のフローセル。
【請求項6】
前記ポンプ部は、前記第1の基板および前記第2の基板のうち少なくとも一方に形成された凹部と、この凹部内に垂設された複数の柱状部材とからなり、
この柱状部材は、前記第1の基板または前記第2の基板と接触しない
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のフローセル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−141299(P2011−141299A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96904(P2011−96904)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【分割の表示】特願2008−22566(P2008−22566)の分割
【原出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】