説明

ブリッジフェイズプラグを備えた電気音響変換器

電気音響変換器は電磁駆動の可動式ドームと、本体およびドームインターフェイス面を備えたフェイズプラグと、ドームとドームインターフェイス面との間に形成された圧縮キャビティと、を備えている。フェイズプラグは少なくとも第1および第2環状スロットを具備し、スロットはドームインターフェイス面を開始端とし且つフェイズプラグの本体内部に第1深さまで延在している。第1および第2環状スロットはブリッジ要素によってドームインターフェイス面において離間され、ドームインターフェイス面の下の第1深さにおいて第1ブリッジ通路に結合されている。フェイズプラグは、フェイズプラグの本体内の第2深さにおいて、ブリッジ通路をスロートに連結した出口スロットも含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はブリッジフェイズプラグ(bridged phase plug)を備えた電気音響変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮ドライバは電気音響変換器の一種であり、その内部では空気が可動式のダイヤフラムと固定フェイズプラグとの間の圧縮キャビティ内において圧縮される。フェイズプラグ内の通路はスロットとして言及されるが、空気を圧縮キャビティから聴取環境まで、一般的にはスローとおよびホーンを通じて空気を伝動する。ホーンはスロート内の空気と聴取環境の自由空間における空気との間のインピーダンス整合に寄与し、放射された音の指向性を制御している。
【0003】
いくつかの語句は図1および2を参照するとともに定義されている。参照のために、「頂点」および「底部」または「上に」および「下に」等の方向は、「上」および「下」を定義した図面の頂点および底部の余白を伴った、図面自身を参照している。組み込まれているように、フェイズプラグは任意の方向に向けることが可能である。圧縮ドライバにおいて、一次作動要素はドーム10として参照されている。いくつかの例において、ドームは単純な球状セクションである。いくつかの例において、ドームは複雑な曲率を備えている。ドームの端部はスカート12と称される円筒セクション内に形成され、または結合されている。スカートは音声コイルまたはボビン14およびサラウンド16に結合されており、順に外部構造18に固定されている。いくつかの例において、サラウンドはドームの延長から形成されており、分離されていない。音声コイル20はボビンの周囲に巻付けられ、電流または電圧が音声コイルに負荷された場合に、磁石22と極片24に反応してボビンとドームとを作動させる。ドームの上は後方キャビティ壁28によって境界を画定された後方キャビティ26である。ドームの下はフェイズプラグ34のドームインターフェイス面32によって境界を画定された前方または圧縮キャビティである。ドームの動作は圧縮キャビティ内の空気を圧縮する。図1および2の例において、ドーム、スカート、ボビン、サラウンド、音声コイル、磁石、および極片は抽象的に図示されており、任意の特別なデザインまたは技術を現すように意図されていない。
【0004】
図1および2に例示された典型的なフェイズプラグにおいて、1つ以上のスロット36a、36b、36cはフェイズプラグのドームインターフェイス面を開始端とし、スロート38に結合して、圧縮キャビティ30からスロート38まで圧縮空気を伝達している。スロートは、複数のスロットが単一の通路に完全に結合される位置を始点とするものとして定義されている。一方で、我々はこれらの通路をスロットとして言及し、2次元セクションにおけるそれらの存在(例えば図1)のために、それらは3次元フェイズプラグにおいて現実に円錐形状の空間であり、(この例において実施されているように、スロットが幅においてテーパとなっている場合)円錐のわずかに異なった半径および/または垂直位置によって頂点と底部とで境界が画定されている。図2において、各スロット36a、36b、36cは2つ見られている。与えられたスロットの形状においては、フェイズプラグ34はいくつかの同心の円錐形状のソリッド34a〜34cおよび外側円筒ソリッド34dから成り、すべてはスロット内のサポート(図示略)によって相対位置に結合され且つ保持されている。スロット36a〜36cは圧縮キャビティ30をスロート38に連結しており、スロートは順にホーンにつながっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、圧縮ドライバの全作動範囲に亘って、高効率なレベルでの滑らかな出力応答を提供する、ブリッジフェイズプラグを備えた電気音響変換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般的に、いくつかの態様において、電気音響変換器は電磁駆動の可動式ドームと、本体およびドームインターフェイス面を備えたフェイズプラグと、ドームとドームインターフェイス面との間に形成された圧縮キャビティと、を備えている。フェイズプラグは少なくとも第1および第2環状スロットを具備し、スロットはドームインターフェイス面を開始端とし且つフェイズプラグの本体内部に第1深さまで延在している。第1および第2環状スロットはブリッジ要素によってドームインターフェイス面において離間され、ドームインターフェイス面の下の第1深さにおいて第1ブリッジ通路に結合されている。フェイズプラグは、フェイズプラグの本体内の第2深さにおいて、ブリッジ通路をスロートに連結した出口スロットも含んでいる。
【0007】
実施形態は1つ以上の以下の特徴を含んでいてもよい。第1および第2スロットはほぼ均等な断面積を有する。出口スロットは前記第1ブリッジ通路において前記第1および第2スロットの断面積の総和とほぼ等しい断面積を有していてもよい。出口スロットは第1ブリッジ通路を開始端とし、ブリッジ通路からスロートまで出口スロットの長さに亘って指数関数的に増大した断面積を有する。第1および第2スロットはフェイズプラグの中心軸から第1および第2半径距離に対応した位置に配置されており、第1および第2半径距離はドームの動作によって圧縮キャビティ内において発生した定常波をゼロにする第1および第2位置に対応していてもよい。出口スロットは第1ブリッジ通路に沿った位置を開始端とし、この位置は第1ブリッジ通路、第1および第2スロットならびに第1および第2スロットに結合した圧縮キャビティの一部を含んだループ内の定常波をゼロにする位置に対応していてもよい。
【0008】
音声コイルがドームに連結され、且つ弾性サラウンドがドームを周囲構造に連結していてもよい。ドームフェイス面(dome-facing surface)を含んだハウジングが、ドームとドームフェイス面との間に後方キャビティを形成してもよい。ホーンがフェイズプラグの出力開口に連結されていてもよい。フェイズプラグは第3スロットも含み、第3スロットはドームインターフェイス面を開始端としており、且つフェイズプラグの本体内に第3深さで延在しており、第3スロットは、ドームインターフェイス面において第2スロットから第2ブリッジ要素によって離間され、且つ第2ブリッジ通路によって第3深さで第1ブリッジ通路に結合されており、出口スロットは第2ブリッジ通路を開始端としている。フェイズプラグは第3および第4スロットも含み、第3および第4スロットはドームインターフェイス面を開始端としており、且つフェイズプラグの本体内に第3深さで延在しており、第3および第4スロットは第2ブリッジによってドームインターフェイス面において離間され、且つ第2ブリッジ通路によってドームインターフェイス面の下の第3深さにおいて結合されており、第2スロットと第1ブリッジ通路とはドームインターフェイス面において第3ブリッジ要素によって第3スロットと第2ブリッジ通路とから離間され、且つ第3ブリッジ要素の下の第4深さにおいて第3ブリッジ通路によって結合されている。第1深さと第3深さとはほぼ均等である。ドームはフェイズプラグに対して凸形状または凹形状である。
【0009】
利点は、圧縮ドライバの全作動範囲に亘って、高効率なレベルでの滑らかな出力応答を提供することを含んでいる。
【0010】
他の特徴および利点は明細書および特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来の圧縮ドライバの正面の断面を示した図である。
【図2】従来の圧縮ドライバの断面の等角図を示している。
【図3A】ブリッジフェイズプラグを備えた圧縮ドライバの正面の断面を示した図である。
【図3B】ブリッジフェイズプラグを備えた圧縮ドライバの正面の断面を示した図である。
【図4】ブリッジフェイズプラグを備えた圧縮ドライバの断面の等角図を示している。
【図5】ブリッジフェイズプラグを備えた圧縮ドライバの代替的な実施形態の正面の断面を示した図である。
【図6】ブリッジフェイズプラグを備えた圧縮ドライバの代替的な実施形態の正面の断面を示した図である。
【図7】組み立てられた圧縮ドライバとホーンとを示した図である。
【図8】ブリッジフェイズプラグと逆転ドームとを備えた圧縮ドライバの正面の断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ブリッジフェイズプラグ(bridged phase plug)102を備えた改良された圧縮ドライバ100が図3A、3Bおよび4に示されている。図3Aはドライバを特定しており、一方で図3Bは寸法および部品の幾何形状を記載するために使用された参照点を指示している。参照符号は、他の部品の幾何形状の議論において参照されていない部品に関して、図3Bにおいては省略されている。フェイズプラグの両側に存在している要素は、明確化のために図3Bにおいては一方の側にのみ示されている。ブリッジフェイズプラグ102において、2つのスロット104,106はドームインターフェイス面108にあり、フェイズプラグ内に浅い深さ108aにおいて延在し、ブリッジ通路110においてそれらは結合している。ブリッジ通路は圧縮空間30から離間されており、2つのスロットはブリッジ要素112によって互いに離間されている。出口スロット114はブリッジ通路110を起点とし、フェイズプラグの本体を通じてスロート116に続いている。スロートは開口118で終端となっている。参照の点を規定するために、出口スロット114の開始端が開口部110aであると考え、そこでは、出口スロット114が無い場合には、ブリッジ空間110の低壁110bが続いている。出口スロット114の終端およびスロート116の開始端は面108の下の深さ108bにおけるセクション114aであり、そこでは、(横断面において図示されたように)出口スロット114の半分の2つが結合している。
【0013】
ドーム10、ボビン14、サラウンド16、音声コイル20、およびフェイズプラグの外部の他の部品は従来の圧縮ドライバのデザインから変化していないか、またはブリッジフェイズプラグから独立した他の方法において改良されてもよい。可動部および外部構造の改良はこの開示の範囲を超えている。
【0014】
様々な設計パラメータが改良されて、ブリッジフェイズプラグ102を特に性能を狙って、後方キャビティ、圧縮キャビティ、および可動部(ドーム、スカート、ボビン、サラウンド)の音響特性に基づいて、最適化してもよい。特に、スロット104および106の半径104c、106c(フェイズプラグの中心線100aからスロットの中心線104a、106aまで測定された)、スロットの幅104b、106b、出口スロット114がブリッジ通路110に結合した位置の半径114c、ならびにスロットの曲率は、所望の性能を得るために全て変化され得る。
【0015】
いくつかの例において、スロット104および106は、圧縮キャビティ内でドームの動作によって誘起された、低次の軸対象またはラジアルモード定常波をゼロにするように選択された半径において中心を合わせられている。そのようなゼロ値にスロットを配置することは、圧縮キャビティ内のキャビティモードに起因した圧力を最小化する。スロット104および106の幅は、2つのスロットの総断面積間の関係を制御するように選択されている。いくつかの実施形態において、幅は、2つのスロットが均等、またはほぼ均等な面積を備えるように選択されており、我々はその面積をバランスブリッジと称している。2つのスロットの面積の固有の関係は、所望の性能を得るために変化されることが可能である。それに対して、いくつかの従来の複数スロットのフェイズプラグにおいては、各々のスロット幅は同一であり、各スロットの総面積はその半径に比例している。バランスブリッジデザインは、圧縮キャビティ内の圧力ピークを、スロット位置を変更することなく制御している。それは、圧縮キャビティの中心における圧力応答を、ブリッジが共鳴する周辺の広い周波数に亘って減少している。ブリッジ要素112の厚さはテーパ付けされており、2つのスロット104と106との間の断面積は、ドームインターフェイス面108からスロットが出口スロット114と一体となって結合する領域までの個々の長さに沿ってほぼ一定とされている。図3Bに示されたように、我々はスロット104および106の断面領域を、それぞれの長さに沿った様々な位置における断面のスロットの幅104bおよび106bによって参照している。幅104b、106bはスロット104、106の開始端と終端とにおいて図示されている。同様に、出口スロット114の幅114bは出口スロットの開始端と終端とにおいて図示されている。これらの線はフェイズプラグ100aの中心線に関して回転されて、領域を形成している。ブリッジ通路110と結合する位置(すなわち、図3aの110a)の出口スロット114の断面積は、ドライバの圧縮比を設定している。いくつかの実施形態において、面108におけるスロット104および106の面積は、それらがブリッジ空間内に続いているので、組み合わせてブリッジ通路110と結合する位置の出口スロット114の面積に一致するように選択されており、面108から出口スロット114の開始端(110a)までのスロットの総断面積は一定であり、ドライバの圧縮比に対応している。
【0016】
出口スロット114がブリッジ通路110と結合する位置の半径114cは、ブリッジ通路110内の定常波を低次、例えば一次でゼロにするように選択されている。また、図3Aおよび3Bの例に示されたように、出口スロット114の側壁は、ブリッジ通路110からスロート116まで滑らかに変化した湾曲を備えている。また、この実施形態において、出口スロット114の断面積は、ドライバの目標とした遮蔽周波数に基づいて、ブリッジからスロートまで指数関数的に増大している。指数関数曲線は、圧縮ドライバに追加される任意の音響経路の長さをホーンの回折スロットに到達する前に減少することを補助する。より一般的には、スロットの総面積は圧縮キャビティからスロートまで長さに沿って滑らかに変化し、スロートに向かって全体的に一定であるか、または単調に増加している。配置、比率および曲率のこの組み合わせは、スロートにおける周波数の広い範囲に亘った、少なくともドーム10がピストンとして動作する場合の滑らかな周波数応答に帰結する。
【0017】
バランスブリッジフェイズプラグ(balanced bridge phase plug)は、従来の複数スロットフェイズプラグと比較して、ループ共鳴の制御のさらなる利点を備えている。図1の従来のフェイズプラグにおいては、ループ共鳴波はスロット間に存在してもよく、すなわち、共鳴波はスロット36aと36bとの間に存在してもよく、それらのスロットは2つのスロットの開口部の間の圧縮キャビティ30の短領域によって結合されている。そのような「ループ」およびその内部の共鳴波は複雑な3次元形状であり、議論された2次元断面によって暗示された単純な経路ではない。スロット104と106との間のブリッジ通路110は、それらの2つのスロットの間のループを大幅に短縮し、ループの共鳴周波数を上昇している。ループの共鳴周波数の上昇は、周波数を、ループ共鳴が変換器の応答の原因となるピークおよびディップ(dips)に人間がより鈍感な範囲に移動させる傾向にある。ループ共鳴が強力でないので、より高い周波数においてより多くの偶発的な減衰となる傾向も存在する。さらに、任意のループ共鳴の共鳴周波数を上昇させることで、バランスブリッジデザインも最初の場所においてループ共鳴を励起するスロット間の圧力不均衡も減少させている。
【0018】
2つの代替的なブリッジフェイズプラグのデザイン200および201が個々に図5および6に図示されている(各々のセクションの右半分のみが図示されている)。図5aにおいて、第1スロット204と第2スロット206とは第1ブリッジ要素210によって形成されており、第1ブリッジ通路214と結合し、第2ブリッジ要素212の周りの第2ブリッジ通路216を通じて第3スロット208と順に結合している。出口スロット218は第2ブリッジ通路に結合されている。あるいは、2つの内部スロット206および208は最初に結合されてもよい。図6において、ブリッジされた最初のスロット204と206とはブリッジ要素210によって形成され、これまでのように、第1ブリッジ通路214と結合し、一方で第3スロット220と第4スロット222とは追加のブリッジ要素224によって形成されており、第2ブリッジ通路228と結合している。2つのブリッジ通路214および228は第3ブリッジ要素226によって離間されており、出口スロット218に結合された第3ブリッジ通路230と結合している。これらの各デザインは特に有利に圧縮ドライバのデザインであってもよく、重要な軸対称定常波内のノードと数とに依存しており、それはドームおよび圧縮キャビティの直径の関数となる傾向にある。
【0019】
組み立てられたラウドスピーカ300の断面が図7に示されている。ラウドスピーカは、エクスポネンシャルホーン302に連結された圧縮ドライバ100を含んでいる。コニカル、ハイパボリック、およびトラクトリック(tractric)などの他のホーン形状も適切である。上述のブリッジフェイズスロット102は圧縮ドライバ100内に配置されており、ホーンの開始端と連通したフェイズプラグのスロートを備えている。上述の通り、スロートはホーンの湾曲と互換性のある指数曲線を備え、完成したラウドスピーカの目標とされた遮蔽周波数に基づいている。
【0020】
別の実施形態400が図8に示されている。いくつかの例において、ドームとモータとの構造は逆転されており、ドーム10の凸面はフェイズプラグ402の凹面に面している。図8の例において、ドーム全体とモータとの構造は逆転されている。他の例においては、ドームは逆転され、モータ構成は構造のフェイズプラグの側に残っている。ドーム逆転デザインにおいて、ドームインターフェイス面408の面法線は発散し、一方で、従来のフェイズプラグにおいては、図3に示されたように、面法線はドームインターフェイス面がセクションとなった球面の中心において一点に集中している。各スロットが面408からスロート416まで比較的直線的な経路を形成している場合、それらの長さはスロット半径の増加に伴って増加する。図示されたようなブリッジフェイズプラグにおいて、スロット404と406とは面において開始端とされ、ブリッジ通路410において結合し、ブリッジ要素412によって離間されている。出口スロット414はブリッジされたスロットを開口418において終端となったスロート416に接続している。スロットを曲げてブリッジを形成することによって、中心線に近接したスロットの有効長は増大し、全てのスロットは同様の長さとなり、それぞれの開始半径と無関係である。
【0021】
他の実施は、以下のクレームおよび出願人が権利を与えられてもよい他のクレームの範囲内である。
【符号の説明】
【0022】
10 ・・・ドーム、 12 ・・・スカート、 14 ・・・ボビン、 16 ・・・サラウンド、 20 ・・・音声コイル、 22 ・・・磁石、 24 ・・・極片、 26 ・・・後方キャビティ、 28 ・・・後方キャビティ壁、 30 ・・・圧縮空間、 32 ・・・ドームインターフェイス面、 34 ・・・フェイズプラグ、 38 ・・・スロート、 100 ・・・圧縮ドライバ、 102,200,201 ・・・ブリッジフェイズプラグ、 104,106 ・・・スロット、 108,408 ・・・ドームインターフェイス面、 110,410 ・・・ブリッジ通路、 112 ・・・ブリッジ要素、 114,218,414 ・・・出口スロット、 116,416 ・・・スロート、 118 ・・・開口、 204 ・・・第1スロット、 206 ・・・第2スロット、 208,220 ・・・第3スロット、 210 ・・・第1ブリッジ要素、 212 ・・・第2ブリッジ要素、 214 ・・・第1ブリッジ通路、 216,228 ・・・第2ブリッジ通路、 222 ・・・第4スロット、 224 ・・・追加のブリッジ要素、 226 ・・・第3ブリッジ要素、 230 ・・・第3ブリッジ通路、 300 ・・・ラウドスピーカ、 302 ・・・エクスポネンシャルホーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁的に駆動される可動式ドーム(10)と、
本体(102a,102b)およびドームインターフェイス面(108)を備えたフェイズプラグ(102)と、
前記ドームとドームインターフェイス面との間に形成された圧縮キャビティ(30)と、を備えた電気変換器(100)を具備した装置であって、
前記フェイズプラグは少なくとも第1および第2環状スロット(104,106)を具備し、該スロットは前記ドームインターフェイス面を開始端とし且つ前記フェイズプラグの本体内部に第1深さまで延在しており、
前記第1および第2環状スロットはブリッジ要素によって前記ドームインターフェイス面において離間され、前記ドームインターフェイス面の下の第1深さにおいて第1ブリッジ通路(110)に結合されており、
前記フェイズプラグは、該フェイズプラグの本体内の第2深さにおいて、前記ブリッジ通路をスロート(116)に連結した出口スロット(114)をさらに具備していることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1および第2スロットはほぼ均等な断面積を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記出口スロットは前記第1ブリッジ通路において前記第1および第2スロットの断面積の総和とほぼ等しい断面積を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記出口スロットは前記第1ブリッジ通路を開始端とし、前記ブリッジ通路からスロートまで前記出口スロットの長さに亘って指数関数的に増大した断面積を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1および第2スロットは前記フェイズプラグの中心軸から第1および第2半径距離に対応した位置に配置されており、前記第1および第2半径距離は前記ドームの動作によって前記圧縮キャビティ内において発生した定常波をゼロにする第1および第2位置に対応していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記出口スロットは前記第1ブリッジ通路に沿った位置を開始端とし、当該位置は前記第1ブリッジ通路、前記第1および第2スロットならびに該第1および第2スロットに結合した圧縮キャビティの一部を具備したループ内の定常波をゼロにする位置に対応していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ドームに連結された音声コイルと、前記ドームを周囲構造に連結した弾性サラウンドと、をさらに具備していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
ドームフェイス面(dome-facing surface)を含み、前記ドームとドームフェイス面との間に後方キャビティを形成したハウジングを具備していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記フェイズプラグの出力開口に連結されたホーンをさらに具備していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記フェイズプラグは第3スロットをさらに具備し、該第3スロットは前記ドームインターフェイス面を開始端としており、且つ前記フェイズプラグの本体内に第3深さで延在しており、
前記第3スロットは、前記ドームインターフェイス面において前記第2スロットから第2ブリッジ要素によって離間され、且つ第2ブリッジ通路によって前記第3深さで前記第1ブリッジ通路に結合されており、
前記出口スロットは前記第2ブリッジ通路を開始端としていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記フェイズプラグは第3および第4スロットをさらに具備し、該第3および第4スロットは前記ドームインターフェイス面を開始端としており、且つ前記フェイズプラグの本体内に第3深さで延在しており、
前記第3および第4スロットは第2ブリッジによって前記ドームインターフェイス面において離間され、且つ第2ブリッジ通路によって前記ドームインターフェイス面の下の第3深さにおいて結合されており、
前記第2スロットと第1ブリッジ通路とは前記ドームインターフェイス面において第3ブリッジ要素によって前記第3スロットと第2ブリッジ通路とから離間され、且つ前記第3ブリッジ要素の下の第4深さにおいて第3ブリッジ通路によって結合されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1深さと第3深さとはほぼ均等であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ドームは前記フェイズプラグに対して凸形状であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ドームは前記フェイズプラグに対して凹形状であることを特徴とする請求項1に記載の装置。

【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−531809(P2012−531809A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517552(P2012−517552)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/037387
【国際公開番号】WO2010/151414
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(591009509)ボーズ・コーポレーション (121)
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
【Fターム(参考)】