説明

ブレーキ制御装置

【課題】本体ユニットに対して、メンテナンスが必要となる応荷重弁が、外部からアクセスして取り外し可能に取り付けられていることで、本体ユニットの構成を分解することなく、応荷重弁のみを独立して取り外してメンテナンスを行うことができるブレーキ制御装置を提供する。
【解決手段】本発明は、中継弁33,34、複式逆止弁35,36、第一の電磁弁群及び第二の電磁弁群が、一体的に本体ユニット50として構成されているとともに、応荷重弁15が本体ユニットの外部からアクセス可能な外面31に外部から取り外し可能に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両に搭載されて空制ブレーキを作動させるブレーキ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄道車両のブレーキ制御装置には、ブレーキ指令信号(電気信号)を出力する圧力制御部と、そのブレーキ指令信号に応じたブレーキ指令圧(空気圧)を出力する電磁弁と、この電磁弁が出力するブレーキ指令圧を制御圧として、これに基づく容量増幅を行ってブレーキシリンダに出力する中継弁とを、通常時のブレーキ系統として備えたものが知られている。この際、非常用のブレーキ系統としては、乗客や貨物等の積載荷重を含む車両の全重量に応じた圧力変化を検出し、その検出出力を中継弁に提供するための応荷重弁を備えている。
【0003】
一般に、ブレーキ制御装置は、車両における設置空間が狭いことから、その性能を維持しつつ、いかに小型化するかが課題となっており、管座にそれぞれ中継弁、複式逆止弁、応荷重弁を固定して筐体(ケースなど)の内部に収容したものや、応荷重弁を中継弁に内蔵する等の工夫を施している。また、上述した各種構成要素をできるだけ関連するものでブロック化するように重畳している(たとえば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4310149号公報
【特許文献2】特許第4485347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、各ブロックは、独立して(ブロック単位等で)順次ボルト等で固定しているため、組み付け作業が煩雑化するうえ、メンテナンス時においてもボルトの取り外しが面倒であるという問題が生じていた。
【0006】
特に、応荷重弁は、乗客や貨物等の積載荷重を検出する空気バネから入力される圧力(積載荷重)に対して、適正な圧力が出力されるように、入力値に対する出力値を定期的、あるいは、必要に応じて校正(メンテナンス)を行う必要がある。
【0007】
しかしながら、上述したブレーキ制御装置にあっては、応荷重弁を校正する際には、応荷重弁の周囲に配置された各構成要素の全部又は一部を取り外さなければ応荷重弁にアクセスすることができず、校正作業が煩雑化していた。
【0008】
そこで、本発明は、本体ユニットの構成を分解することなく、応荷重弁のみを独立して取り外してメンテナンスを行うことができるブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のブレーキ制御装置は、入力されるパイロット圧に基づいて、第一空気供給源で生成された空気圧から、ブレーキを駆動する駆動圧を生成する中継弁と、該中継弁と、前記第一空気供給源とは別に駆動圧を生成する第二空気供給源と、が接続され、かつ、いずれか一方からの駆動圧を前記ブレーキと連通させる複式逆止弁と、車両側に取り付けられた空気バネの圧力に応じた圧力を出力する応荷重弁と、通常時に、前記第一空気供給源で生成された空気圧から、前記パイロット圧を生成する第一の電磁弁群と、非常時に、前記応荷重弁から出力された圧力に応じた圧力を、前記パイロット圧として出力する第二の電磁弁群と、を備え、前記中継弁、前記複式逆止弁、前記第一の電磁弁群及び前記第二の電磁弁群が、一体的に本体ユニットとして構成されているとともに、前記応荷重弁が、前記本体ユニットの外部からアクセス可能な外面に、外部から取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明のブレーキ制御装置によれば、本体ユニットに対して、メンテナンスが必要となる応荷重弁が、外部からアクセスして取り外し可能に取り付けられていることで、本体ユニットの構成を分解することなく、応荷重弁のみを独立して取り外してメンテナンスを行うことができる。
【0011】
また、本発明のブレーキ制御装置は、請求項1に記載のブレーキ制御装置において、前記応荷重弁には、入力値に対して出力値を調整する調整機構が、前記本体ユニットに取り付けられた状態でアクセス可能に設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明のブレーキ制御装置によれば、応荷重弁の周辺機器を取り外すことなく、調整機構によって校正を行うことが可能となる。
【0013】
さらに、本発明のブレーキ制御装置は、請求項1または請求項2に記載のブレーキ制御装置において、前記中継弁と前記複式逆止弁とは一体的に弁ブロックとして構成され、該弁ブロックに前記第一の電磁弁群及び前記第二の電磁弁群が取り付けられて前記本体ユニットが構成され、前記弁ブロックの一面に、前記外面として前記応荷重弁が取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明のブレーキ制御装置によれば、中継弁と複式逆止弁とが一体として弁ブロックを構成していることでさらにコンパクト化が図れるとともに、応荷重弁が当該弁ブロックに取り付けられていることで、弁ブロックや応荷重弁と、第一空気供給源やブレーキ側とを接続する管座の大きさを最小限にすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のブレーキ制御装置は、本体ユニットに対して、メンテナンスが必要となる応荷重弁が、外部からアクセスして取り外し可能に取り付けられていることで、本体ユニットの構成を分解することなく、応荷重弁のみを独立して取り外してメンテナンスを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置の底面方向の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のブレーキ制御装置の平面方向の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置の概略の正面図である。
【図4】本発明の一実施形態のブレーキ制御装置の模式的な配管経路の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置に搭載される電空プレートの平面図である。
【図6】本発明の一実施形態のブレーキ制御装置における要部の拡大断面図である。
【図7】本発明の一実施形態のブレーキ制御装置におけるブレーキ系統の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置について、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施形態は本発明のブレーキ制御装置における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置の底面方向の斜視図、図2は本発明の一実施形態のブレーキ制御装置の平面方向の斜視図、図3は本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置の概略の正面図、図4は本発明の一実施形態のブレーキ制御装置の模式的な配管経路の説明図、図5は本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置に搭載される電空プレートの平面図、図6は本発明の一実施形態のブレーキ制御装置における要部の拡大断面図、図7は本発明の一実施形態のブレーキ制御装置におけるブレーキ系統の説明図である。
【0019】
なお、本発明のブレーキ制御装置は、鉄道車両を制動(空制)するためのブレーキ装置の制御装置であり、各車軸に対応して設置されるブレーキ装置であるブレーキシリンダに供給される圧縮空気の流通を制御する。また、本実施の形態においては、ブレーキ制御装置は、1つの台車(車両)に設けられる前後2つの車軸を同時に制動するので、上述したブレーキシリンダへの圧縮空気の流通制御は、ブレーキシリンダの個々に対して行われる。
【0020】
図1乃至図3において、ブレーキ制御装置10は、図示しない車両に固定するためのブラケット11を備えたフレーム12に保持されている。また、ブレーキ制御装置10は、底面に開放する筐体形状のケーシング13と、フレーム12に固定された管座20と、管座20に固定された弁ブロック30と、常時はケーシング13に覆われて弁ブロック30の上面に固定された電空プレート(プレート)40と、弁ブロック30にボルト14を介して固定された応荷重弁15と、制動に関する各種制御を行うコントローラ16と、を備えている。また、管座20、弁ブロック30、電空プレート40、は本体ユニット50を構成し、この本体ユニットに応荷重弁15及びコントローラ16を含めて空制部60を構成している。なお、弁ブロック30に対する応荷重弁15の固定方法は、シール性を確保することができる固定方法であれば、ボルト14を用いた固定以外でも良い。また、管座20は、本実施の形態においては、例えば鉄により形成されているが、アルミなど、他の材料で構成しても良い。
【0021】
管座20は、本実施の形態においては、図4に示すように、その第一面(外面側)21に、通常時及び非常時に第一空気供給源SRからブレーキ制動用の空気圧が入力される入力ポート、ブレーキBC1,BC2を駆動する駆動圧を出力する出力ポート、車両に取り付けられた空気バネAS1,AS2の圧力が入力される入力ポート、各種排気口EXから排気する出力ポート、第二空気供給源REBからブレーキ制動用の空気圧が入力される入力ポート、を備えている。また、管座20は、弁ブロック30を支持する第二面(内面側)22に、これら各入出力ポートと弁ブロック30の流路(支持部材内空気通路)とを連通させる入出力ポートとを備えている。したがって、管座20の内部には、第一面21と第二面22との各ポート間を接続する流路(支持部材内空気通路)が弁ブロック30の配置に応じて所定経路に形成されている。なお、図4においては、上述した第一空気供給源SR、ブレーキBC1,BC2、空気バネAS1,AS2、各種排気口EXは、その具体的な構成等は本発明の主たる構成ではないので、単なる丸記号で省略して図示する。また、図4では、本発明のブレーキ制御装置10を模式的に示したもので、その配置等を限定するものではない。このように、本発明のブレーキ制御装置10に搭載された管座20は、各入出力ポートと流路とが形成されているのみなので、簡素な構成とすることができる。なお、管座20には、例えば、排気口EXから排気する際の騒音を抑制するための消音器17が設けられている。
【0022】
弁ブロック30は、金属(例えば、アルミ)のブロック体(筐体)から構成され、その表面31には応荷重弁15を設置するための凹陥部32が形成されている。なお、凹陥部32の天面にはボルト14が螺合する雌螺子孔(図示せず)が形成されている。これにより、応荷重弁15は外部からボルト14を直接を取り外すことにより、交換作業等を容易に行うことができる。また、弁ブロック30は、その底面側から一対の中継弁33,34を着脱可能に挿入する弁体挿入部30aと、その側面側から一対の複式逆止弁35,36を着脱可能に挿入する弁体挿入部30bと、が形成されている。また、弁ブロック30の背面には、管座20との接続用の脚部37が突出されている。なお、弁ブロック30の背面には、上述した管座20の各入出力ポート(第二面22側)と連通するポート等(図示せず)を備えている。
【0023】
電空プレート40は、図5に示すように、プレート本体41と、プレート本体41の四隅付近から立接されてケーシング13を支持するガイドシャフト42と、プレート本体41に固定された複数の電磁弁51〜57と、複数の圧力センサ61〜66及びコネクタ67を配置した電装ブロック43と、を備えている。なお、各電磁弁51〜57は、図3に示す電磁弁制御用配線45が接続される接続ボルト58を備えている。また、プレート本体41には、各電磁弁51〜57と弁ブロック30とを連通する電磁弁接続用空気通路44が形成されている。
【0024】
電磁弁接続用空気通路44は、例えば、図6に示すように、各電磁弁51〜57(図6では、電磁弁55,54,52)と弁ブロック30(又は管座20)との間に跨るようにプレート本体41の上面と底面との間を貫通して形成されている。この際、例えば、弁ブロック30の中継弁33等が設置されている箇所では、中継弁33等を避けるように、屈曲等により迂回して形成されている。これにより、弁ブロック30(又は管座20)の支持部材内空気通路38と連通することができる。また、中継弁33,34を挿入する弁体挿入部30aは、弁ブロック30の上面(一面)に開口30cを有するように弁ブロック30を貫通している。
【0025】
図3に示すように、各電磁弁51〜57には電磁弁制御用配線45が接続されている。また、電磁弁制御用配線45は中継コネクタ46に接続されている。そして、その中継コネクタ46とコントローラ16とが制御用配線18で接続されている。この際、中継コネクタ46には、少なくとも2つ以上の電磁弁51〜57の電磁弁制御用配線45を接続し、必要に応じて複数の中継コネクタ46を用いることができる。
【0026】
圧力センサ61〜66は、電装ブロック43に設けられたコネクタ47とコントローラ16のコネクタ19とが圧力検出用配線(例えば、フレキシブルケーブル)48を介して接続されている。さらに、電空プレート40には圧力センサ61〜66に接続されるセンサ用空気通路49が形成されている。なお、図3,図6に示した電磁弁接続用空気通路44、支持部材内空気通路38、センサ用空気通路49は、説明の便宜上のものであり、実際の配管経路を示すものではない。また、図4においては、電磁弁接続用空気通路44、支持部材内空気通路38、センサ用空気通路49は、模式的な配管経路(通路)の線図で示している。なお、図4において、各流出入ポートを三角(出入は向き)で示す。
【0027】
応荷重弁15は、乗客の重量等を含む車両の全重量に応じた圧力変化を示す空気バネAS1,AS2からの応荷重信号圧に応じて非常制御圧を出力する。また、応荷重弁15には、空気バネSA1,AS2からの入力値に対して出力値(非常制御圧)を調整する調整ネジ(調整機構)15aが側面に設けられており、外部からのアクセスが容易となっている。
【0028】
次に、圧縮空気の流通調整等するための各弁体の機能を図7の接続経路の説明図に基づいて説明する。本実施の形態においては、ブレーキ制御装置10は、通常時・非常時・保安時の三つのブレーキ系統71,72,73を備えている。
【0029】
上述した各電磁弁51〜57は、本実施の形態では、非常電磁弁51、切換電磁弁52、増幅電磁弁53、を各一つ備えている。また、一対二組の吸気弁54と排気弁55及び吸気弁56と排気弁57を備えている。各組の吸気弁54と排気弁55及び吸気弁56と排気弁57とは、各対で中継弁33,34と対応している。
【0030】
図7の太実線で示す通常時のブレーキ系統71は、第一空気供給源SRから供給された空気圧を切換電磁弁52に供給し、この切換電磁弁52から各組の吸気弁54と排気弁55及び吸気弁56と排気弁57へと供給され、この吸気弁54と排気弁55及び吸気弁56と排気弁57とで所定のパイロット圧(例えば、880kPa)に調圧されて中継弁33,34へと供給される。
【0031】
図7の太点線で示す非常時のブレーキ系統72は、空気バネAS1,AS2から出力された空気圧を参照して第一空気供給源SRから供給された空気圧を応荷重弁15が調圧する。この際、応荷重弁15には、増圧電磁弁53が接続されており、非常電磁弁52から出力される所定パイロット圧(例えば、400kPa)の空気圧が増幅される。
【0032】
非常電磁弁52、切換電磁弁54、各組の吸気弁54と排気弁55及び吸気弁56と排気弁57とは、非常時(例えば、メイン電源がOFFした場合等)には開弁状態となって応荷重弁15から出力された増幅後の空気圧(パイロット圧)は、そのまま機能的にスルーして中継弁33,34へと供給される。
【0033】
中継弁33,34は、対応するブレーキBC1,BC2に供給される圧縮空気量(圧縮空気圧)を調整するものであり、通常時には各中継弁33,34には第一空気供給源SRから圧縮空気が直接供給される。各組の吸気弁54,56と排気弁55,56は、中継弁33,34の弁体を移動させるためのパイロット圧を発生(調圧)するものであり、中継弁33,34毎に設けられている。
【0034】
複式逆止弁35,36は、中継弁33,34と接続されて通常時のブレーキ系統71及び非常時のブレーキ系統72で共用しているとともに、図7の太二点差線で示す保安用のブレーキ系統73とも接続されており、第二空気供給源REBからの空気圧が直接供給される。
【0035】
これにより、複式逆止弁35,36は、通常時はブレーキ系統71により中継弁33,34に供給されたパイロット圧の空気圧を駆動圧としてブレーキBC1,BC2へと供給する。また、複式逆止弁35,36は、非常時はブレーキ系統72により中継弁33,34に供給されたパイロット圧の空気圧を駆動圧としてブレーキBC1,BC2へと供給する。さらに、保安時にはブレーキ系統73により第二空気供給源REBから供給された空気圧を駆動圧としてブレーキBC1,BC2へと供給する。
【0036】
一方、各圧力センサ61〜66は、空気バネAS1,AS2の出力圧を圧力センサ61,62で検出し、各組の吸気弁54と排気弁55及び吸気弁56と排気弁57とから出力圧(パイロット圧)を圧力センサ63,64で検出し、複式逆止弁35,36の駆動圧を圧力センサ65,66で検出する。また、その検出信号(圧力信号)はコントローラ16へと出力される。コントローラ16は、その検出信号に基づいて、例えば、増圧電磁弁53による増幅や各組の吸気弁54と排気弁55及び吸気弁56と排気弁57との調圧を制御する。
【0037】
ところで、各組の吸気弁54と排気弁55及び吸気弁56と排気弁57とは通常時に第一空気供給源SRで生成された空気圧からパイロット圧を生成する第一の電磁弁群74を構成し、非常電磁弁52、増圧電磁弁53、切換電磁弁54は非常時に応荷重弁15から出力された圧力に応じた圧力をパイロット圧として出力する第二の電磁弁群75を構成している。ここで、増圧電磁弁53で応荷重弁15から出力された圧力を増圧させる場合には、応荷重弁15から出力された圧力が増圧電磁弁53に入力して増圧され、この増圧した圧力が応荷重弁15に入力され、入力した圧力に応じて増圧された圧力が応荷重弁15より出力されパイロット圧となる。また、増圧電磁弁53で増圧させない場合には、応荷重弁15から出力された圧力がそのままパイロット圧となる。
【0038】
このように、本実施形態のブレーキ制御装置10にあっては、第一空気供給源SRで生成された空気圧からブレーキBC1,BC2を駆動する駆動圧を生成する一対の中継弁33,34と、中継弁33,34及び第一空気供給源SRとは別に駆動圧を生成する第二空気供給源REBが接続されて中継弁33,34又は第二空気供給源REBのいずれか一方からの駆動圧をブレーキBC1,BC2と連通させる一対の複式逆止弁35,36と、空気バネAS1,AS2の圧力に応じた圧力を出力する応荷重弁15と、通常時に第一空気供給源SRで生成された空気圧からパイロット圧を生成する第一の電磁弁群74と、非常時に応荷重弁15から出力された圧力に応じた駆動圧をパイロット圧として出力する第二の電磁弁群75と、を備えていることで、第一の電磁弁群74で制御してブレーキBC1,BC2の駆動圧を出力するブレーキ系統71(通常用ブレーキ)と、第二の電磁弁群75及び応荷重弁15で制御してブレーキBC1,BC2の駆動圧を出力するブレーキ系統72(非常用ブレーキ)と、保安用空気供給現REBから供給される空気の圧力をブレーキBC1,BC2の駆動圧として出力するブレーキ系統73(保安用ブレーキ)と、の3種類の系統によりブレーキ装置を制御できる。そして、本実施形態のブレーキ制御装置10にあっては、中継弁33,34、複式逆止弁35,36、第一の電磁弁群74及び第二の電磁弁群75が、一体的に本体ユニット50として構成されているとともに、応荷重弁15が本体ユニット50の外部からアクセス可能な外面31に外部から取り外し可能に取り付けられていることにより、本体ユニット50に対して、メンテナンスが必要となる応荷重弁15が、外部からアクセスして取り外し可能に取り付けられていることで、本体ユニット50の構成を分解することなく、応荷重弁15のみを独立して取り外してメンテナンスを行うことができる。
【0039】
また、応荷重弁15には、入力値に対して出力値を調整する調整ネジ(調整機構)15aが本体ユニット50に取り付けられた状態でアクセス可能に設けられていることにより、応荷重弁15の周辺機器を取り外すことなく、調整ネジ15aによって校正を行うことが可能となる。
【0040】
さらに、中継弁33,34と複式逆止弁35,36とは一体的に弁ブロック30として構成され、弁ブロック30に第一の電磁弁群74及び第二の電磁弁群75が取り付けられて本体ユニットが構成され、弁ブロック30の一面に、外面31として応荷重弁15が取り付けられていることにより、中継弁33,34と複式逆止弁35,36とが一体として弁ブロック30を構成していることでさらにコンパクト化が図れるとともに、応荷重弁15が弁ブロック30に取り付けられていることで、弁ブロック30や応荷重弁15と、第一空気供給源SRやブレーキBC1,BC2側とを接続する管座20の大きさを最小限にすることができる。
【符号の説明】
【0041】
AS1…空気バネ
AS2…空気バネ
SR…第一空気供給源
REB…第二空気供給源
EX…排気口
BC1…ブレーキ
BC2…ブレーキ
10…ブレーキ制御装置
11…ブラケット
12…フレーム
13…ケーシング
14…ボルト
15…応荷重弁
15a…調整ネジ(調整機構)
16…コントローラ
17…消音器
18…制御用配線
19…コネクタ
20…管座
21…第一面
22…第二面
30…弁ブロック
30a…弁体挿入部
30b…弁体挿入部
30c…開口
31…表面
32…凹陥部
33…中継弁
34…中継弁
35…複式逆止弁
36…複式逆止弁
37…脚部
38…支持部材内空気通路
40…電空プレート(プレート)
41…プレート本体
42…ガイドシャフト
43…電装ブロック
44…電磁弁接続用空気通路
45…電磁弁制御用配線
46…中継コネクタ
47…コネクタ
48…圧力検出用配線
49…センサ用空気通路
50…本体ユニット
51…非常電磁弁
52…切換電磁弁
53…増幅電磁弁
54…吸気弁
55…排気弁
56…吸気弁
57…排気弁
58…配線
60…空制部
61…圧力センサ
62…圧力センサ
63…圧力センサ
64…圧力センサ
65…圧力センサ
66…圧力センサ
67…コネクタ
71…通常時のブレーキ系統
72…非常時のブレーキ系統
73…保安用のブレーキ系統
74…第一の電磁弁群
75…第二の電磁弁群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されるパイロット圧に基づいて、第一空気供給源で生成された空気圧から、ブレーキを駆動する駆動圧を生成する中継弁と、
該中継弁と、前記第一空気供給源とは別に駆動圧を生成する第二空気供給源と、が接続され、いずれか一方からの駆動圧を前記ブレーキと連通させる複式逆止弁と、
車両側に取り付けられた空気バネの圧力に応じた圧力を出力する応荷重弁と、
通常時に、前記第一空気供給源で生成された空気圧から、前記パイロット圧を生成する第一の電磁弁群と、
非常時に、前記応荷重弁から出力された圧力に応じた圧力を、前記パイロット圧として出力する第二の電磁弁群と、
を備え、
前記中継弁、前記複式逆止弁、前記第一の電磁弁群及び前記第二の電磁弁群が、一体的に本体ユニットとして構成されているとともに、
前記応荷重弁が、前記本体ユニットの外部からアクセス可能な外面に、外部から取り外し可能に取り付けられていることを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記応荷重弁には、入力値に対して出力値を調整する調整機構が、前記本体ユニットに取り付けられた状態でアクセス可能に設けられている
ことを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
前記中継弁と前記複式逆止弁とは一体的に弁ブロックとして構成され、該弁ブロックに前記第一の電磁弁群及び前記第二の電磁弁群が取り付けられて前記本体ユニットが構成され、
前記弁ブロックの一面に、前記外面として前記応荷重弁が取り付けられている
ことを特徴とするブレーキ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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