ブロック舗装
【課題】本発明は木製ブロックの伸縮を効率よく吸収して、平坦性の維持や耐久性の向上を図るとともに、軽量かつ施工性がよく、滑りずらく、歩行性を良好にすることができ、かつ間伐材の有効利用を図ることができるブロック舗装を得るにある。
【解決手段】スペーサを配置して木製ブロックの周囲に間隔を有するように敷設された木製ブロック層と、この木製ブロック層の木製ブロックの周囲の間隔部に充填された舗装材とでブロック舗装を構成している。
【解決手段】スペーサを配置して木製ブロックの周囲に間隔を有するように敷設された木製ブロック層と、この木製ブロック層の木製ブロックの周囲の間隔部に充填された舗装材とでブロック舗装を構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車場、工場構内の通路、遊歩道、公園園路、建物の屋上等に使用することができるブロック舗装に関する。
【背景技術】
【0002】
間伐材が多く発生し、この間伐材を活用することによる再生利用の促進や環境負荷の低減に寄与できるといった観点から、様々な提案がなされているが、その一つとして木製ブロックが考えられている。
この木製ブロックは0〜5mm程度の間隔に敷設していき、目地に砂等を充填して、ブロック舗装を行っている。
【0003】
しかし、このブロック舗装は木製ブロックの伸縮が他の材質のブロックに比べて大きく、乾燥により割れが生じて形状が変形し、平坦性や耐久性にかかわる木製ブロック同士の噛み合わせに影響を与えてしまうという欠点があった。
また、雨等でブロック舗装の表面が濡れた場合、滑りやすく、歩行性に問題があり、コストの面でも一般の舗装に比べて高価になるという欠点があった。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、木製ブロックの伸縮を効率よく吸収して、平坦性の維持や耐久性の向上を図るとともに、軽量かつ施工性がよく、滑りずらく、歩行性を良好にすることができ、かつ間伐材の有効利用を図ることができるブロック舗装を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明はスペーサを配置して木製ブロックの周囲に間隔を有するように敷設された木製ブロック層と、この木製ブロック層の木製ブロックの周囲の間隔部に充填された舗装材とでブロック舗装を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以下の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0008】
(1)スペーサを配置して木製ブロックの周囲に間隔を有するように敷設された木製ブロック層と、この木製ブロック層の木製ブロックの周囲の間隔部に充填された舗装材とで構成されているので、スペーサを配置することにより木製ブロックの周囲に形成される間隔で、木製ブロックの膨張を吸収することができる。
したがって、平坦性の維持や耐久性の向上を図ることができる。
【0009】
(2)前記(1)によって、木製ブロックの周囲の間隔に充填された舗装材によって、歩行者は木製ブロックと舗装材上に靴が位置して、滑るのを効率よく阻止することができる。
【0010】
(3)前記(1)によって、木製ブロックは間伐材を用いて形成することができるので、間伐材の有効利用を図ることができるとともに、軽量で施工性の向上を図ることができ、建物の屋上等にも使用することができる。
【0011】
(4)請求項2は前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、スペーサの木製ブロックと当接する部位でも、木製ブロックの膨張を吸収することができ、無理なく木製ブロックの膨張を完全に吸収することができる。
【0012】
(5)請求項3は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、上面に位置する木口で滑り止めを図ることができるとともに、比較的小さな間伐材で木製ブロックを作ることができる。
【0013】
(6)請求項4は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、上面の滑り止め部で滑り止めを図ることができる。
【0014】
(7)請求項5は前記(1)〜(6)と同様な効果が得られるとともに、緑化ブロック舗装にでき、かつ植栽基盤に木製ブロックの伸縮作用によって空気を送りこむことができ、植物を効率よく育成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に示す実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0016】
図1ないし図10に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は本発明のブロック舗装で、このブロック舗装1は路床2の上面に形成した路盤層3の上面あるいはこの路盤層3の上面に砂を用いて形成したサンドクッション層4の上面に、スペーサ5を配置して木製ブロック6の周囲に間隔7を有するように敷設された木製ブロック層8と、この木製ブロック層8の周囲の間隔7部に充填された舗装材としての植栽基盤9とで構成されている。
【0017】
前記スペーサ5は図5ないし図7に示すように、合成樹脂材で形成されたもので、ベース板10と、このベース板10の一端部のブロック支持部11を除く部位に、前記木製ブロック6の高さ寸法のほぼ4分の3の高さとなるように突出する木製ブロック3との当接面に複数個の弾性片12を形成した一対の側面支持片13、13と、この一対の側面支持片13、13と前記間隔7と同じ間隔を介した部位の前記ベース板10に前記木製ブロック6、6の角部の側面を支持できるように、該一対の側面支持片13、13と同じ高さに突出形成された木製ブロック6との当接面に複数個の弾性片12を形成した角部支持片14、14と、前記ベース板10の他端部の両側部を除く部位で、前記間隔7を維持できるように前記角部支持片14、14と同じ高さに上方へ突出形成された木製ブロック6、6の端面を支持する木製ブロック6との当接面に複数個の弾性片12を形成した端面支持片15、15とで構成されている。
【0018】
前記木製ブロック6は間伐材を用いて形成されたもので、図3および図4に示すように、間伐材の木口16が上下面に位置する2個の正方形や長方形の方体17、17と、この2個の方体17、17を固定する上面を除く3面部位で複数本の釘18を用いて固定した固定手段19とで構成されている。
【0019】
上記構成のブロック舗装1は、敷設される各木製ブロック6はスペーサ5の側面支持片13、13、角部支持片14、14および端面支持片15、15の弾性片12、12、12、12、12、12によって側面、角部および端面が位置決めされるとともに、ベース板10上に支持されるため、上面に荷重が加わっても木製ブロック6が沈下したり、前後方向に移動するのを確実に阻止することができる。
また、木製ブロック6が膨張した場合には、スペーサ5の側面支持片13、13、角部支持片14、14および端面支持片15、15の複数個の弾性片12が撓んで、その膨張を吸収することができる。
さらに、各木製ブロック6の周囲の間隔7部に充填された植栽基盤9に植えられた芝等の植物20は、図9および図10に示すように木製ブロック6の伸縮によって植栽基盤9内へ空気の供給ができ、効率よく芝等の植物の育成ができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0020】
次に、図11ないし図30に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図11ないし図14に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、方体17、17の両側面にほぼ水平方向の凹部21、21、21、21を形成し、該凹部21、21、21、21に挿入され、接着剤で方体17、17を固定するバー部材22、22を使用した固定手段19Aを用いる木製ブロック6Aを用いた点で、このような木製ブロック6Aを用いて構成したブロック舗装1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、バー部材22、22は接着剤で固定することなく、嵌合で固定させたり、
複数本の釘で固定するものであってもよい。
【0022】
図15ないし図18に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、方体17、17の対向面にピン挿入孔23、23、23、23を形成し、該ピン挿入孔23、23、23、23に挿入されるピン24、24で方体17、17を一体化する固定手段19Bを用いる木製ブロック6Bを用いた点で、このような木製ブロック6Bを用いて構成したブロック舗装1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0023】
図19ないし図22に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、方体17、17の外周部を締付けリング25で締付けて固定する固定手段19Cを用いる木製ブロック6Cを用いた点で、このような木製ブロック6Cを用いて構成したブロック舗装1Cにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、締付けリング25は金属材製、合成樹脂材製のいずれでもよく、紐状やベルト形状のものであってもよい。
また、締付けリング25の取付部位の方体17、17の外周部に凹部を形成し、この凹部内に締付けリングを位置させて締付け固定してもよい。
【0024】
図23ないし図25に示す本発明を実施するための第5の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、間伐材の縦断面が上面に位置するように形成した木製ブロック本体26と、この木製ブロック本体26の上面に形成した凹凸形状の滑り止め部27とからなる木製ブロック6Dを用いた点で、このような木製ブロック6Dを用いて構成したブロック舗装1Dにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0025】
図26ないし図30に示す本発明を実施するための第6の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、側面支持片13、13、角部支持片14、14および端面支持片15、15にそれぞれ突状の弾性片28、28、28、28、28、28を形成したスペーサ5Aを用いた点で、このようなスペーサ5Aを用いて構成したブロック舗装1Eにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、前記突状の弾性片28は円錐台形状の突部29と、この突部29の先端中央部に一体形成された当接片30とからなり、該当接片30に押し圧力が作用すると、当接片30の外周部の突部29の先端外周部31が弾性変形するものを用いている。
また、このような突状の弾性片28以外にも円弧状の突起や、ゴムを用いた弾性片であってもよい。
【0026】
なお、前記本発明を実施するための各形態では路盤層3やサンドクッション層4の上に木製ブロック層8を設けるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、排水性路盤構造や建物の屋上等では路盤層の下部に防水処理、排水処理、防根処理等を行なってもよい。
また、前記本発明を実施するための各形態では合成樹脂材製のスペーサ5、5Aを用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、どんな材質で形成したスペーサを用いてもよい。
さらに、舗装材として植栽基盤9を用いたが、これに限らず、玉石、再生骨材、人工軽量骨材、改良土、砂等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明はブロックの舗装を施工する産業や、ブロック舗装材を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う拡大断面図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態の木製ブロックの斜視図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の木製ブロックの横断面図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態のスペーサの平面図。
【図6】本発明を実施するための最良の第1の形態のスペーサの側面図。
【図7】本発明を実施するための最良の第1の形態のスペーサの正面図。
【図8】本発明を実施するための最良の第1の形態の木製ブロックの敷設状態の説明図。
【図9】本発明を実施するための最良の第1の形態の木製ブロックが収縮した状態の説明図。
【図10】本発明を実施するための最良の第1の形態の木製ブロックが膨張した状態の説明図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図12】図11の12−12線に沿う拡大断面図。
【図13】本発明を実施するための第2の形態の木製ブロックの斜視図。
【図14】本発明を実施するための第2の形態の木製ブロックの分解斜視図。
【図15】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図16】図15の16−16線に沿う拡大断面図。
【図17】本発明を実施するための第3の形態の木製ブロックの斜視図。
【図18】本発明を実施するための第3の形態の木製ブロックの分解斜視図。
【図19】本発明を実施するための第4の形態の平面図。
【図20】図19の20−20線に沿う拡大断面図。
【図21】本発明を実施するための第4の形態の木製ブロックの斜視図。
【図22】本発明を実施するための第4の形態の木製ブロックの分解斜視図。
【図23】本発明を実施するための第5の形態の平面図。
【図24】図23の24−24線に沿う拡大断面図。
【図25】本発明を実施するための第5の形態の木製ブロックの斜視図。
【図26】本発明を実施するための第6の形態の平面図。
【図27】図26の27−27線に沿う拡大断面図。
【図28】本発明を実施するための第6の形態のスペーサの平面図。
【図29】本発明を実施するための第6の形態のスペーサの側面図。
【図30】図29の30−30線に沿う断面図。
【符号の説明】
【0029】
1、1A、1B、1C、1D、1E:ブロック舗装、
2:路床、 3:路盤層、
4:サンドクッション層、 5、5A:スペーサ、
6、6A、6B、6C、6D:木製ブロック、
7:間隔、 8:木製ブロック層、
9:舗装材としての植栽基盤、 10:ベース板、
11:ブロック支持部、 12:弾性片、
13:側面支持片、 14:角部支持片、
15:端面支持片、 16:木口、
17:方体、 18:釘、
19、19A、19B、19C:固定手段、
20:植物、 21:凹部、
22:バー部材、 23:ピン挿入孔、
24:ピン、 25:締付けリング、
26:木製ブロック本体、27:滑り止め部、
28:突状の弾性片、 29:突部、
30:当接片、 31:先端外周部。
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車場、工場構内の通路、遊歩道、公園園路、建物の屋上等に使用することができるブロック舗装に関する。
【背景技術】
【0002】
間伐材が多く発生し、この間伐材を活用することによる再生利用の促進や環境負荷の低減に寄与できるといった観点から、様々な提案がなされているが、その一つとして木製ブロックが考えられている。
この木製ブロックは0〜5mm程度の間隔に敷設していき、目地に砂等を充填して、ブロック舗装を行っている。
【0003】
しかし、このブロック舗装は木製ブロックの伸縮が他の材質のブロックに比べて大きく、乾燥により割れが生じて形状が変形し、平坦性や耐久性にかかわる木製ブロック同士の噛み合わせに影響を与えてしまうという欠点があった。
また、雨等でブロック舗装の表面が濡れた場合、滑りやすく、歩行性に問題があり、コストの面でも一般の舗装に比べて高価になるという欠点があった。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、木製ブロックの伸縮を効率よく吸収して、平坦性の維持や耐久性の向上を図るとともに、軽量かつ施工性がよく、滑りずらく、歩行性を良好にすることができ、かつ間伐材の有効利用を図ることができるブロック舗装を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明はスペーサを配置して木製ブロックの周囲に間隔を有するように敷設された木製ブロック層と、この木製ブロック層の木製ブロックの周囲の間隔部に充填された舗装材とでブロック舗装を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以下の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0008】
(1)スペーサを配置して木製ブロックの周囲に間隔を有するように敷設された木製ブロック層と、この木製ブロック層の木製ブロックの周囲の間隔部に充填された舗装材とで構成されているので、スペーサを配置することにより木製ブロックの周囲に形成される間隔で、木製ブロックの膨張を吸収することができる。
したがって、平坦性の維持や耐久性の向上を図ることができる。
【0009】
(2)前記(1)によって、木製ブロックの周囲の間隔に充填された舗装材によって、歩行者は木製ブロックと舗装材上に靴が位置して、滑るのを効率よく阻止することができる。
【0010】
(3)前記(1)によって、木製ブロックは間伐材を用いて形成することができるので、間伐材の有効利用を図ることができるとともに、軽量で施工性の向上を図ることができ、建物の屋上等にも使用することができる。
【0011】
(4)請求項2は前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、スペーサの木製ブロックと当接する部位でも、木製ブロックの膨張を吸収することができ、無理なく木製ブロックの膨張を完全に吸収することができる。
【0012】
(5)請求項3は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、上面に位置する木口で滑り止めを図ることができるとともに、比較的小さな間伐材で木製ブロックを作ることができる。
【0013】
(6)請求項4は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、上面の滑り止め部で滑り止めを図ることができる。
【0014】
(7)請求項5は前記(1)〜(6)と同様な効果が得られるとともに、緑化ブロック舗装にでき、かつ植栽基盤に木製ブロックの伸縮作用によって空気を送りこむことができ、植物を効率よく育成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に示す実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0016】
図1ないし図10に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は本発明のブロック舗装で、このブロック舗装1は路床2の上面に形成した路盤層3の上面あるいはこの路盤層3の上面に砂を用いて形成したサンドクッション層4の上面に、スペーサ5を配置して木製ブロック6の周囲に間隔7を有するように敷設された木製ブロック層8と、この木製ブロック層8の周囲の間隔7部に充填された舗装材としての植栽基盤9とで構成されている。
【0017】
前記スペーサ5は図5ないし図7に示すように、合成樹脂材で形成されたもので、ベース板10と、このベース板10の一端部のブロック支持部11を除く部位に、前記木製ブロック6の高さ寸法のほぼ4分の3の高さとなるように突出する木製ブロック3との当接面に複数個の弾性片12を形成した一対の側面支持片13、13と、この一対の側面支持片13、13と前記間隔7と同じ間隔を介した部位の前記ベース板10に前記木製ブロック6、6の角部の側面を支持できるように、該一対の側面支持片13、13と同じ高さに突出形成された木製ブロック6との当接面に複数個の弾性片12を形成した角部支持片14、14と、前記ベース板10の他端部の両側部を除く部位で、前記間隔7を維持できるように前記角部支持片14、14と同じ高さに上方へ突出形成された木製ブロック6、6の端面を支持する木製ブロック6との当接面に複数個の弾性片12を形成した端面支持片15、15とで構成されている。
【0018】
前記木製ブロック6は間伐材を用いて形成されたもので、図3および図4に示すように、間伐材の木口16が上下面に位置する2個の正方形や長方形の方体17、17と、この2個の方体17、17を固定する上面を除く3面部位で複数本の釘18を用いて固定した固定手段19とで構成されている。
【0019】
上記構成のブロック舗装1は、敷設される各木製ブロック6はスペーサ5の側面支持片13、13、角部支持片14、14および端面支持片15、15の弾性片12、12、12、12、12、12によって側面、角部および端面が位置決めされるとともに、ベース板10上に支持されるため、上面に荷重が加わっても木製ブロック6が沈下したり、前後方向に移動するのを確実に阻止することができる。
また、木製ブロック6が膨張した場合には、スペーサ5の側面支持片13、13、角部支持片14、14および端面支持片15、15の複数個の弾性片12が撓んで、その膨張を吸収することができる。
さらに、各木製ブロック6の周囲の間隔7部に充填された植栽基盤9に植えられた芝等の植物20は、図9および図10に示すように木製ブロック6の伸縮によって植栽基盤9内へ空気の供給ができ、効率よく芝等の植物の育成ができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0020】
次に、図11ないし図30に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図11ないし図14に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、方体17、17の両側面にほぼ水平方向の凹部21、21、21、21を形成し、該凹部21、21、21、21に挿入され、接着剤で方体17、17を固定するバー部材22、22を使用した固定手段19Aを用いる木製ブロック6Aを用いた点で、このような木製ブロック6Aを用いて構成したブロック舗装1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、バー部材22、22は接着剤で固定することなく、嵌合で固定させたり、
複数本の釘で固定するものであってもよい。
【0022】
図15ないし図18に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、方体17、17の対向面にピン挿入孔23、23、23、23を形成し、該ピン挿入孔23、23、23、23に挿入されるピン24、24で方体17、17を一体化する固定手段19Bを用いる木製ブロック6Bを用いた点で、このような木製ブロック6Bを用いて構成したブロック舗装1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0023】
図19ないし図22に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、方体17、17の外周部を締付けリング25で締付けて固定する固定手段19Cを用いる木製ブロック6Cを用いた点で、このような木製ブロック6Cを用いて構成したブロック舗装1Cにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、締付けリング25は金属材製、合成樹脂材製のいずれでもよく、紐状やベルト形状のものであってもよい。
また、締付けリング25の取付部位の方体17、17の外周部に凹部を形成し、この凹部内に締付けリングを位置させて締付け固定してもよい。
【0024】
図23ないし図25に示す本発明を実施するための第5の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、間伐材の縦断面が上面に位置するように形成した木製ブロック本体26と、この木製ブロック本体26の上面に形成した凹凸形状の滑り止め部27とからなる木製ブロック6Dを用いた点で、このような木製ブロック6Dを用いて構成したブロック舗装1Dにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0025】
図26ないし図30に示す本発明を実施するための第6の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、側面支持片13、13、角部支持片14、14および端面支持片15、15にそれぞれ突状の弾性片28、28、28、28、28、28を形成したスペーサ5Aを用いた点で、このようなスペーサ5Aを用いて構成したブロック舗装1Eにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、前記突状の弾性片28は円錐台形状の突部29と、この突部29の先端中央部に一体形成された当接片30とからなり、該当接片30に押し圧力が作用すると、当接片30の外周部の突部29の先端外周部31が弾性変形するものを用いている。
また、このような突状の弾性片28以外にも円弧状の突起や、ゴムを用いた弾性片であってもよい。
【0026】
なお、前記本発明を実施するための各形態では路盤層3やサンドクッション層4の上に木製ブロック層8を設けるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、排水性路盤構造や建物の屋上等では路盤層の下部に防水処理、排水処理、防根処理等を行なってもよい。
また、前記本発明を実施するための各形態では合成樹脂材製のスペーサ5、5Aを用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、どんな材質で形成したスペーサを用いてもよい。
さらに、舗装材として植栽基盤9を用いたが、これに限らず、玉石、再生骨材、人工軽量骨材、改良土、砂等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明はブロックの舗装を施工する産業や、ブロック舗装材を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う拡大断面図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態の木製ブロックの斜視図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の木製ブロックの横断面図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態のスペーサの平面図。
【図6】本発明を実施するための最良の第1の形態のスペーサの側面図。
【図7】本発明を実施するための最良の第1の形態のスペーサの正面図。
【図8】本発明を実施するための最良の第1の形態の木製ブロックの敷設状態の説明図。
【図9】本発明を実施するための最良の第1の形態の木製ブロックが収縮した状態の説明図。
【図10】本発明を実施するための最良の第1の形態の木製ブロックが膨張した状態の説明図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図12】図11の12−12線に沿う拡大断面図。
【図13】本発明を実施するための第2の形態の木製ブロックの斜視図。
【図14】本発明を実施するための第2の形態の木製ブロックの分解斜視図。
【図15】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図16】図15の16−16線に沿う拡大断面図。
【図17】本発明を実施するための第3の形態の木製ブロックの斜視図。
【図18】本発明を実施するための第3の形態の木製ブロックの分解斜視図。
【図19】本発明を実施するための第4の形態の平面図。
【図20】図19の20−20線に沿う拡大断面図。
【図21】本発明を実施するための第4の形態の木製ブロックの斜視図。
【図22】本発明を実施するための第4の形態の木製ブロックの分解斜視図。
【図23】本発明を実施するための第5の形態の平面図。
【図24】図23の24−24線に沿う拡大断面図。
【図25】本発明を実施するための第5の形態の木製ブロックの斜視図。
【図26】本発明を実施するための第6の形態の平面図。
【図27】図26の27−27線に沿う拡大断面図。
【図28】本発明を実施するための第6の形態のスペーサの平面図。
【図29】本発明を実施するための第6の形態のスペーサの側面図。
【図30】図29の30−30線に沿う断面図。
【符号の説明】
【0029】
1、1A、1B、1C、1D、1E:ブロック舗装、
2:路床、 3:路盤層、
4:サンドクッション層、 5、5A:スペーサ、
6、6A、6B、6C、6D:木製ブロック、
7:間隔、 8:木製ブロック層、
9:舗装材としての植栽基盤、 10:ベース板、
11:ブロック支持部、 12:弾性片、
13:側面支持片、 14:角部支持片、
15:端面支持片、 16:木口、
17:方体、 18:釘、
19、19A、19B、19C:固定手段、
20:植物、 21:凹部、
22:バー部材、 23:ピン挿入孔、
24:ピン、 25:締付けリング、
26:木製ブロック本体、27:滑り止め部、
28:突状の弾性片、 29:突部、
30:当接片、 31:先端外周部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペーサを配置して木製ブロックの周囲に間隔を有するように敷設された木製ブロック層と、この木製ブロック層の木製ブロックの周囲の間隔部に充填された舗装材とからなることを特徴とするブロック舗装。
【請求項2】
スペーサは木製ブロックと当接する部位に、該木製ブロックの膨張を吸収することができる弾性片が設けられていることを特徴とする請求項1記載のブロック舗装。
【請求項3】
木製ブロックは木口が上下面に位置する方体を2個固定手段で固定したものであることを特徴とする請求項1、2いずれかに記載のブロック舗装。
【請求項4】
木製ブロックは木の縦断面が上面に位置するように形成された木製ブロック本体と、この木製ブロック本体の上面に凹凸形状に形成した滑り止め部とからなることを特徴とする請求項1、2いずれかに記載のブロック舗装。
【請求項5】
舗装材は植物を育成することができる植栽基盤であることを特徴とする請求項1、2、3、4いずれかに記載のブロック舗装。
【請求項1】
スペーサを配置して木製ブロックの周囲に間隔を有するように敷設された木製ブロック層と、この木製ブロック層の木製ブロックの周囲の間隔部に充填された舗装材とからなることを特徴とするブロック舗装。
【請求項2】
スペーサは木製ブロックと当接する部位に、該木製ブロックの膨張を吸収することができる弾性片が設けられていることを特徴とする請求項1記載のブロック舗装。
【請求項3】
木製ブロックは木口が上下面に位置する方体を2個固定手段で固定したものであることを特徴とする請求項1、2いずれかに記載のブロック舗装。
【請求項4】
木製ブロックは木の縦断面が上面に位置するように形成された木製ブロック本体と、この木製ブロック本体の上面に凹凸形状に形成した滑り止め部とからなることを特徴とする請求項1、2いずれかに記載のブロック舗装。
【請求項5】
舗装材は植物を育成することができる植栽基盤であることを特徴とする請求項1、2、3、4いずれかに記載のブロック舗装。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2006−316508(P2006−316508A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140385(P2005−140385)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000100687)アイエルビー株式会社 (3)
【出願人】(590002482)株式会社NIPPOコーポレーション (130)
【出願人】(505118970)ミロモックル産業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000100687)アイエルビー株式会社 (3)
【出願人】(590002482)株式会社NIPPOコーポレーション (130)
【出願人】(505118970)ミロモックル産業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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