説明

ブロモ置換キノリンの調製方法

C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の治療薬の調製で中間体として有用な、式(I)(式中、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル又はアルキニルである)のブロモ置換キノリンの調製方法を開示する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
1. 技術分野
本出願は、C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の治療薬の調製で中間体として有用なブロモ置換キノリンの改良された調製方法の記述を含む。
【背景技術】
【0002】
2. 背景情報
ブロモ置換キノリンの調製方法では下記スキームが知られている。
【0003】
【化1】

【0004】
【化2】

【0005】
例えば、米国特許第7514557号、第7585845号及び第7608614号を参照されたい。前記スキームは、ブロモ置換キノリンに到達するために多数の工程を必要とする。化学開発におけるブロモ置換キノリンの既知の合成は、リチオ化-臭素化及びSugasawa反応に基づいており、冗長であるのみならず、低温貯蔵条件及び/又は徹底した仕上げ手順を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
3. 発明の概要
本発明が取り組む課題には、経済的試薬の使用を可能とし、かつ少数の工程しか必要としないブロモ置換キノリンの調製方法の提供がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ブロモ置換キノリンは、C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の治療に有用なHCVプロテアーゼ阻害薬の構造設計の有用な中間体である。本発明は、これらの中間体の合成を含み、この合成では、2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリンを用いてブロモ置換キノリンに迅速に到達する。m-アルコキシアニリン、例えばm-アニシジンから、マロン酸を用いて既知の環化反応によって2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリンを作ることができる(例えば、Heterocyclic Communications, vol. 7, no. 4, pp. 353-358 (2001)参照)。次に2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリンから、臭素化工程によって直接ブロモ置換キノリンを作る。結果として生じる臭素化キノリンを、ボロン酸、ボロン酸エステル、トリフルオロホウ酸カリウム又は有機ボランとの多くの型のSuzukiカップリング反応に供して、2位のクロロ基を種々の置換基と置き換えることができる。結果として、m-アルコキシアニリンから出発して、たった三工程でさまざまな置換キノリンを効率的に作ることができる。さらに、臭素化及びSuzukiカップリング工程を例えば、以下に示すように、臭素化及びカップリングの位置が方向づけられるように、これらの物質について位置選択的様式で行なうことができる。このことは、種々の置換パターンを有する下記式(I)のキノリンのずっ容易かつフレキシブルな方法を提供する。
【0008】
【化3】

【0009】
式中、Rは、アリール、アルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、前記アリール基は、好ましくは5〜10個の環原子を有し、単環式又は二環式でよく、前記アルキル基は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、前記アルケニル又はアルキニル基は、好ましくは2〜10個の炭素原子を有し;かつAlkは、低級アルキル基、例えばC1-C6アルキルである。好ましくはRは、アリール、特にフェニル、ナフチル、フラニル、チオフェニル、インドリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル又はチアゾリルであり、それぞれ任意に1回以上ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、-NH-アルキル又は-NP-アルキル(Pは、アミノ保護基、例えばtert-ブチルエステル(Boc)である)で置換されていてもよい。好ましくはAlkはメチルである。
本発明の方法は、安価な出発原料及び試薬の使用を可能とし、かつ以前の合成で利用された危険なリチオ化-臭素化及びSugasawa工程を回避することができる。加えて、この手順は、全体的な速いサイクル時間のために試薬数と反応数を最小限にする。
【発明を実施するための形態】
【0010】
4. 発明の詳細な説明
本明細書で特に定義しない用語は、本開示及び文脈に照らして当業者がそれらに与えるであろう意味が与えられるものとする。しかし、本明細書で使用する場合、反対に特定されていない限り、以下の用語は示した意味を有し、かつ以下の慣例を順守する。
上記及び以下に定義する基、遊離基、又は成分では、多くの場合、該基に先だって炭素原子数が指定され、例えば、(C1-10)アルキルは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基又は遊離基を意味し、(C3-7)シクロアルキルは、環内に3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。一般に、2つ以上のサブ基を含む基では、最後に命名された基が該遊離基の結合点である。例えば、「シクロアルキルアルキル」は、式シクロアルキル-アルキル-の一価遊離基を意味し、フェニルアルキルは、式フェニル-アルキル-の一価遊離基を意味する。以下に特に指定しない限り、用語の通常の定義が支配し、全ての式及び基において通常の安定した原子価が仮定かつ達成される
【0011】
単独又は別の置換基と組み合わせて本明細書で使用する用語「アルキル」は、非環式の直鎖又は分岐鎖アルキル置換基を意味する。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。単独又は別の置換基と組み合わせて本明細書で使用する用語「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む非環式の直鎖又は分岐鎖アルケニル置換基を意味する。単独又は別の置換基と組み合わせて本明細書で使用する用語「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含む非環式の直鎖又は分岐鎖アルキニル置換基を意味する。
単独又は別の置換基と組み合わせて本明細書で使用する用語「アルコキシ」は、酸素原子によって置換基として連結された上記定義どおりのアルキル基:アルキル-O-を意味する。
単独又は別の置換基と組み合わせて本明細書で使用する用語「アリール」は、いずれかの芳香族環系を意味する。例えば、アリールには、フェニル若しくはナフチル環系又は芳香族ヘテロ環式環若しくは環系が含まれ、下記「ヘテロアリール」を参照されたい。
単独又は別の置換基と組み合わせて本明細書で使用する用語「Het」は、炭素原子と、窒素、酸素及びイオウから選択される1〜4個の環ヘテロ原子とを含む5員、6員、又は7員の飽和若しくは不飽和(芳香族を含む)ヘテロ環から水素を除去して得られる一価置換基を意味する。Het基を与えるのに適したヘテロ環の例として、テトラヒドロフラン、チオフェン、ジアゼピン、イソオキサゾール、ピペリジン、ジオキサン、モルフォリン、ピリミジン又は下記基が挙げられる。
【0012】
【化4】

【0013】
用語「Het」は、1つ以上の他の環状成分、すなわちヘテロ環又は炭素環(それぞれ飽和又は不飽和であってよい)に縮合した上記定義どおりのヘテロ環由来の当該基をも包含する。このような一例としてチアゾロ[4,5-b]-ピリジンが挙げられる。
一般的に用語「Het」に包含されるが、本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」は、二重結合が芳香族系を形成し、かつ用語「アリール」に包含される不飽和ヘテロ環を正確に定義する。ヘテロアリールの好適な例として、キノリン、インドール、ピリジン、下記基が挙げられる。
【0014】
【化5】

【0015】
一般に、化合物の名称又は構造に具体的に特定の立体化学又は異性形が指定されていない限り、化学構造又は化合物の全ての互変異性形及び異性形及び混合物(個々の幾何異性体若しくは光学異性体であろうと異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物であろうと)を意図している。
以下の化学薬品をこれらの略語で称することがある。
【0016】

【0017】
下記合成スキームでは、特に断らない限り、化学式中の全ての置換基は、特に断らない限り本明細書で記載したのと同じ意味を有するものとする。下記合成スキームで使用する反応物は、本明細書の記載どおりに得られ、或いは本明細書に記載していない場合は、それら自体を商業的に入手可能であるか又は商業的に入手可能な材料から当該技術分野で既知の方法で調製され得る。
最適な反応条件及び反応時間は、使用する個々の反応物によって変化し得る。特に断らない限り、当業者は、溶媒、温度、圧力、及び他の反応条件を容易に選択することができる。実施例セクションで具体的手順を提供する。典型的に、所望により、反応の進行を薄層クロマトグラフィー又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でモニターし、中間体及び生成物をシリカゲル上クロマトグラフィー及び/又は再結晶で精製し、かつ下記手順の1つ以上で特徴づけることができる:NMR、質量分析及び融点。
一実施形態では、本発明は、下記スキームIに示すように、式Iの化合物を調製するための以下の一般的な多工程合成方法に関する。
他の実施形態では、本発明は、スキームIの個々の各工程及びスキームIの2以上の連続工程のいずれの組合せにも関する。本発明はスキームIに示す中間化合物にも関し得る。特に、臭素化のみ及びSuzukiカップリング反応のみ又は他工程を伴う臭素化及びSuzukiカップリング反応は、本発明の別々の実施形態である。また、臭素化反応及び式(V)の一定のSuzukiカップリング試薬化合物から生じる式(IV)の臭素化化合物も本発明の別々の実施形態である。
本発明の実施形態を、ジクロロキノリンへの最初の環化反応後、ジクロロキノリンの位置選択的臭素化及び位置選択的Suzukiカップリング反応を含む下記スキームIで示す。
【0018】
【化6】

【0019】
式中、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、ここで、アリール又はヘテロアリールは、それぞれ任意に、ハロゲン、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アミド又は任意に1つ以上のアルキル及び/若しくはアミノ保護基で置換されていてもよいアミノから独立に選択される1つ以上の基で置換されていてもよく;かつ
Alkは低級アルキル基である。
【0020】
第1工程のm-アルコキシアニリンとマロン酸の環化反応は、塩素化試薬の存在下で行なわれる。いずれの適切な塩素化試薬も使用可能であり、例えばリンオキシドトリクロリド(POCl3)、五塩化リン、塩化チオニル、又はトリフェニルホスフィンジクロリドを使用できる。好ましくは、例えば、80〜120℃で10〜15時間加熱しながら環化反応を行なう。次に、好ましくは生成混合物を好ましくは30℃未満に冷却する。結果として生じる固体生成物を好ましくは、ろ過し、かつ例えば、EtOAc及び/又はヘキサンすすぎによって仕上げる。
臭素化反応は、臭素化試薬を用いて行なわれる。適切な臭素化試薬として、例えば、N-ブロモスクシンアミド、臭素及び1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインが挙げられる。ほぼ室温で反応を行なってよい。好ましくは酸性条件下、例えば、酸、好ましくはトリフルオロ酢酸、硫酸、ベンゼンスルホン酸、又は10-カンファースルホン酸などの強酸を添加して反応を行なう。また、生成物の仕上げ工程を楽にするため水に混和しない有機溶媒の存在下で反応を行なうと好ましい。好適な有機溶媒として、塩化メチレン又は1,2-ジクロロエタンが挙げられる。例えば、該有機溶媒中での反応後、塩基、例えばNaOHで反応混合物をクエンチし、水で洗浄して、生成物を含む有機層を水層から分離することができる。次に生成物を例えば、蒸留して溶媒を除去し、必要に応じてさらなる溶媒を添加かつ蒸留し、生成物を乾燥させることによって仕上げる。
Suzukiカップリング反応は、カップリング試薬を活性化するため塩基、例えば炭酸水素カリウムの存在下で、かつパラジウム触媒、特にホスフィンリガンドを有するパラジウム触媒、例えばPd(PPh3)4の存在下で行なうと好ましい。カップリング試薬は、R-ボロン酸、R-ボロン酸エステル、R-トリフルオロホウ酸カリウム又はR-有機ボランである。カップリング試薬は、結果として2-クロロ基をアリール基と置き換えることになるアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルが好ましい。特に、カップリング試薬は式R-B(OH)2のボロン酸又は式R-B(OR')2(式中、R'は好ましくはAlkである)のボロン酸エステルであるか或いはカップリング試薬は下記式:
【0021】
【化7】

【0022】
のボロン酸エステルである。
一態様では、カップリング試薬が式(V)(式中、Rは、任意に置換されていてもよいチアゾール-2-イル、例えば5位で-NH-アルキル又は-NP-アルキルで置換され、Pはアミノ保護基、例えばtert-ブチルエステル(Boc)である)の試薬である。好ましくは50〜100℃に加熱しながら、かつ好ましくは不活性雰囲気、例えば窒素ガス下で反応を行なう。
別の実施形態では、下記スキームIIに示すように、上記実施形態の結果として生じる化合物(I)をさらに反応させて4-クロロ基を-SO2Meと置き換える。
【0023】
【化8】

【0024】
この反応は、MeSO2塩、例えば、MeSO2Naを用いて酸性条件下で行なわれる。4位にアリール-スルホニル又はヘテロアリール-スルホニル基を有すること以外は類似条件下で式(VI)の化合物を調製することができる。このようなプロセスは、米国特許第7514557号及び第7608614号に記載されている。
式(I)及び(VI)の最終化合物(本発明の別の方法で調製できる、4位にアリール-スルホニル又はヘテロアリール-スルホニル基を有する式(VI)の化合物を含めて)の例は、参照によって全て本明細書に援用される米国特許第7514557号及び第7608614号に記載されている。これらの公報は、この発明で調製される化合物、すなわち式(I)及び(VI)の化合物を用いて最終の抗HCV薬を調製できる合成スキームをも教示している。本発明の方法で調製される式(VI)の特定化合物のさらなる例は以下のとおりである。
【0025】
【化9】

【実施例】
【0026】
5. 実施例
工程1−2,4-ジクロロ-7-メトキシ-キノリンの調製:
【0027】
【化10】

【0028】

【0029】
1. m-アニシジン、マロン酸及びPOCl3を500mLのジャケット付き反応器に装入する。
2. 混合物を還流させながら(100〜105℃)10〜15時間撹拌する。
3. 混合物を氷水(2.2Lt)中に、温度を30℃未満に維持しながらゆっくり注ぐ。
4. 固体をろ過し、水ですすいで2時間空気乾燥させる。
5. 固体をEtOAc(400mL)に50℃で溶かしてからシリカゲルと木炭のパッドを通してろ過し、EtOAc/ヘキサンの1:1混合物(300mL)ですすぐ。
6. EtOAcを200mLの最小体積までに蒸留してからヘキサン(100mL)をゆっくり添加して室温で2時間撹拌する。
7. 固体をろ過し、EtOAc/ヘキサン(1:1混合物,75mL)ですすぎ、2時間空気乾燥させてから50℃で12時間乾燥させて次バッチの生成物を得る。第1収量:11.4g、97.01%純粋。第2収量:2.7g、95.3%純粋。
工程2−8-ブロモ-2,4-ジクロロ-7-メトキシ-キノリンの調製
【0030】
【化11】

【0031】

【0032】
1. 2,4-ジクロロ-7-メトキシ キノリン(31.05g,136mmol)及び塩化メチレン(620mL)を装入する。
2. 混合物を0℃に冷却し、TFA(2.5当量)及びNBS(1.15当量)を装入してから混合物を室温に加温する。
3. 室温で2時間撹拌する。
4. 1M NaOH(約349mL,40mmol)でクエンチしてpHを7に調整し、層を分ける。
5. 水(403mL)で洗浄し、層を分離させる。有機層を収集する。
6. 減圧下でロータリーエバポレーターを用いて溶媒を蒸留除去して溶媒をIPA(250mL)に交換する。
7. 70℃に加熱してから2時間かけて22℃に冷まし、室温にて1M NaOH(88mL,0.5当量)で処理し、30分間撹拌する。
8. ろ過し、IPA/水の1:3混合物(100mL)及び水(250mL)ですすぎ、真空下50℃で乾燥させて37.62gの生成物(収率90%)をベージュ/黄褐色固体として得る。HPLC範囲の純度%:約95.1%。
工程3−Suzuki カップリング反応
【0033】
【化12】

【0034】
8-ブロモ-2,4-ジクロロ-7-メトキシ-キノリン(100mg,0.32mmol)、ボロン酸(1.1当量)、K2CO3(90mg,0.65mmol,2.0当量)、及びPd(PPh3)4(7.5mg,0.007mmol,0.02当量)の混合物に脱気したMeCN(3mL)及び水(1mL)を加えた。混合物をN2下80℃で出発原料が完全に消費されるまで2〜12時間撹拌してから室温でEtOAc(5mL)と水(5mL)を添加してクエンチした。EtOAc層を水(10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:CH2Cl2)で精製して所望生成物を得た。
上記実施例と同様に、下記化合物を調製した。
8-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2-フェニル-キノリン:77%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.26 (d, J = 9.9 Hz, 2H), 8.11 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.50 (m, 3H), 7.29 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.06 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 157.9, 157.8, 146.9, 143.1, 138.1, 130.1, 128.9, 127.6, 124.3, 121.2, 117.0, 113.9, 111.3, 56.9; ESI-MS: m/z 350 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-2-(4-フルオロ-フェニル)-7-メトキシ-キノリン:80%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.26 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 8.25 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.34 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.20 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 4.09 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 165.5, 163.0, 157.9, 156.7, 146.8, 143.2, 134.2 (d, J = 3.0 Hz), 131.1 (d, J = 9.0 Hz), 129.5 (d, J = 9.0 Hz), 125.8, 124.3, 121.1, 116.6, 115.9, 115.7, 114.0, 56.9; ESI-MS: m/z 368 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-2-(4-エトキシ-フェニル)-7-メトキシ-キノリン:58%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.23 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 8.13 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.29 (d, J = 8.8 Hz), 7.01 (d, J = 8.0 Hz), 4.12 (m, 2H), 4.08 (s, 3H), 1.45 (t, J = 6.4 Hz, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 160.9, 157.8, 157.6, 147.0, 142.9, 130.6, 129.1, 124.3, 120.9, 116.6, 114.8, 113.5, 111.2, 63.6, 57.0, 14.8; ESI-MS: m/z 394 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-キノリン:60%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.36 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.18 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.76 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 4.10 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 158.1, 156.3, 147.0, 143.6, 141.4, 131.8 (q, J = 32.3 Hz), 128.0, 125.8 (q, J = 3.7 Hz), 124.4, 121.5, 117.0, 114.6, 111.5, 57.1; ESI-MS: m/z 417 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2-m-トリル-キノリン:89%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): 8.12 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.08 (s, 1H), 8.04 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.40 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.29 (m, 1H), 5.28 (s, 1H), 4.06 (s, 3H), 2.47 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 158.1, 157.8, 147.0, 143.0, 138.6, 138.1, 131.0, 128.8, 128.3, 124.8, 124.3, 121.2, 117.2, 113.9, 111.3, 57.0, 21.6; ESI-MS: m/z 364 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2-(2-メトキシ-フェニル)-キノリン:64%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.19 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.42 (m, 1H), 7.33 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.14 (dt, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.07 (s, 3H), 3.91 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 157.7, 157.6, 157.5, 146.9, 141.5, 132.3, 131.2, 128.1, 124.3, 121.9, 121.5, 121.1, 113.9, 111.6, 111.3, 57.0, 55.7; ESI-MS: m/z 380 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2-ナフタレン-2-イル-キノリン:86%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.68 (s, 1H), 8.51 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 8.99 (m, 2H), 7.89 (m, 1H), 7.54 (m, 2H), 7.35 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.10 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 135.5, 134.3, 133.4, 129.0, 128.7, 127.8, 127.5, 127.1, 126.4, 124.9, 124.4, 121.3, 117.3, 114.0, 111.4, 57.0; ESI-MS: m/z 400 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-2-フラン-3-イル-7-メトキシ-キノリン:94%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.20 (s, 1H), 8.15 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.33 (d, J = 9.2 Hz), 7.14 (s, 1H), 6.09 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 157.9, 152.8, 147.1, 144.2, 142.9, 134.4,127.3, 124.4, 121.1, 117.2, 113.6, 110.9, 109.1, 57.0; ESI-MS: m/z 340 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2-チオフェン-3-イル-キノリン:88%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.15 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 8.13 (m, 1H), 7.93 (dd, J = 5.2, 1.2 Hz, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.44 (dd, J = 4.8, 2.8 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.09 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 157.9, 154.1, 147.1, 143.0, 141.6, 126.9, 126.6, 125.9, 124.4, 121.2, 117.3, 113.8, 111.1, 57.0; ESI-MS: m/z 356 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-2-(1H-インドール-5-イル)-7-メトキシ-キノリン:84%, 1HNMR (400 MHz, DMSO-D6): δ = 8.63 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.24 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 2.8 Hz), 4.07 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, DMSO-D6): δ = 156.9, 155.9, 144.3, 140.2, 135.6, 126.6, 126.2, 124.9, 122.4, 119.1, 118.4, 118.2, 115.0, 112.7, 110.0, 107.9, 100.6, 55.2; ESI-MS: m/z 389 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-キノリン:82%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.18 (s, 1H), 8.13 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.29 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.08 (s, 3H), 4.00 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 157.9, 153.1, 147.2, 142.8, 138.3, 130.4, 124.5, 123.3, 120.9, 116.9, 113.2, 110.5, 57.0, 39.3; ESI-MS: m/z 354 [M+H]+
8-ブロモ-4-クロロ-2-(3,5-diメチル-イソオキサゾール-4-イル)-7-メトキシ-キノリン:95%, 1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.21 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.39 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.11 (s, 3H), 2.81 (s, 3H), 2.65 (s, 3H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3): δ = 169.5, 158.9, 158.1, 152.1, 147.1, 143.1, 124.5, 120.7, 118.5, 115.4, 114.2, 110.9, 57.0, 13.4, 12.4; ESI-MS: m/z 369 [M+H]+
[4-(8-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-キノリン-2-イル)-チアゾール-2-イル]-イソプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステル:85%, 1HNMR (400 MHz, CD2Cl2): δ = 8.28 (s, 1H), 8.24 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.42 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 5.52 (m, 1H), 4.11 (s, 3H), 1.64 (s, 3H), 1.56 (m, 6H); ESI-MS: m/z 514 [M+H]+
【0035】
工程4−スルホニル化反応
上で得られた[4-(8-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-キノリン-2-イル)-チアゾール-2-イル]-イソプロピル-カルバミン酸tert-ブチルエステルをHClと反応させてからMeSO2Naと反応させて8-ブロモ-4-メタンスルホニル-2-(5-イソプロピルアミノ-チアゾール-2-イル)-7-メトキシ-キノリンを85%の収率で得る。
【0036】
実施例のSuzukiカップリング試薬及び生成物



【0037】
この発明の一般的又は具体的に記載した反応物及び/又は操作条件を、先行する実施例で用いたものの代わりに使用することによって、先行する実施例を同様にうまく繰り返すことができる。
前述の説明から、当業者は、この発明の本質的特徴を容易に確認することができ、かつ本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更及び修正を行なって本発明を種々の用法及び条件に適応させ得る。
【0038】
6. 具体的な実施形態:
A. 式(I)の化合物の調製方法であって、下記反応:
【0039】
【化13】

【0040】
(式中、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、ここで、アリール及びヘテロアリールはそれぞれ任意に、ハロゲン、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アミド又は任意に1つ以上のアルキル及び/若しくはアミノ保護基で置換されていてもよいアミノから独立に選択される1つ以上の基で置換されていてもよく;かつ
Alkは低級アルキル基である)
に従って、2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリン(III)を臭素化剤と反応させ、結果として生じる8-ブロモ-2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリン(IV)を次にSuzukiカップリング反応によって、R-ボロン酸、R-ボロン酸エステル、R-トリフルオロホウ酸カリウム又はR-有機ボランから選択されるSuzukiカップリング試薬と反応させて、2-クロロ基をR基と置き換える工程を含む方法。
【0041】
B. Rがフェニル、ナフチル、フラニル、チオフェニル、インドリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル又はチアゾリルであり、それぞれ任意に、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、-NH-アルキル又は-NP-アルキル(式中、Pはアミノ保護基、例えばtert-ブチルエステル(Boc)である)で1回以上置換されていてもよく;かつAlkがメチルである、A.の方法。
C. 下記反応:
【0042】
【化14】

【0043】
により、塩素化剤の存在下でm-アルコキシアニリン(II)とマロン酸の環化反応によって2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリン(III)を調製する工程をさらに含む、A.又はB.の方法。
D. 塩素化剤が、リンオキシドトリクロリド(POCl3)、五塩化リン、塩化チオニル、又はトリフェニルホスフィンジクロリドである、C.の方法。
E. 臭素化剤が、N-ブロモスクシンアミド、臭素又は1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである、A.、B.、C.又はD.の方法。
F. 臭素化剤との反応を、酸性条件下かつ水に混和しない有機溶媒の存在下で行なう、A.、B.、C.、D.又はE.の方法。
G. 酸がトリフルオロ酢酸、硫酸、ベンゼンスルホン酸、又は10-カンファースルホン酸であり、かつ溶媒が塩化メチレンである、方法F.。
H. Suzukiカップリング反応を塩基の存在化かつパラジウム触媒の存在下で行なう、A.、B.、C.、D.、E.、F.又はG.の方法。
I. パラジウム触媒がホスフィンリガンドを有するパラジウム触媒である、H.の方法。
J. パラジウム触媒がPd(PPh3)4である、H.の方法。
K. Suzukiカップリング試薬がアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルであり、かつ2-クロロ基をSuzukiカップリング反応でアリール基と置き換える、A.、B.、C.、D.、E.、F.、G.、H.、I.、又はJ.の方法。
L. Suzukiカップリング反応を50〜100℃に加熱しながら、かつ不活性雰囲気下で行なう、A.、B.、C.、D.、E.、F.、G.、H.、I.、J.又はK.の方法。
M. 結果として生じる化合物(I)を、下記スキームII:
【0044】
【化15】

【0045】
のように、酸性条件下でさらに反応させて、4-クロロ基を-SO2Meと置き換える、A.、B.、C.、D.、E.、F.、G.、H.、I.、J.、K.又はL.の方法。
N. 式(I)の化合物の調製方法であって、下記反応:
【0046】
【化16】

【0047】
(式中、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、ここで、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ任意に、ハロゲン、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アミド、又は任意に1つ以上のアルキル及び/若しくはアミノ保護基で置換されていてもよいアミノから独立に選択される1つ以上の基で置換されていてもよく;かつ
Alkは、低級アルキル基である)
に従い、Suzukiカップリング反応によって、8-ブロモ-2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリン(IV)を、R-ボロン酸、R-ボロン酸エステル、R-トリフルオロホウ酸カリウム又はR-有機ボランから選択されるSuzukiカップリング試薬と反応させて、2-クロロ基をR基と置き換える工程を含む方法。
O. 式(IV)の化合物の調製方法であって、下記反応:
【0048】
【化17】

【0049】
(式中、Alkは低級アルキル基である)
によって、2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリン(III)を臭素化剤と反応させる工程を含む方法。
P. 下記式(IV):
【0050】
【化18】

【0051】
(式中、Alkは低級アルキル基である)
の化合物。
Q. 下記式(V):
【0052】
【化19】

【0053】
(式中、Rは、5位で-NH-アルキル又は-NP-アルキル(Pはアミノ保護基である)によって置換されているチアゾール-2-イルである)
の化合物。
R. 式中、Rが、5位で-NP-イソプロピル(Pはtert-ブチルエステル(Boc)アミノ保護基である)によって置換されているチアゾール-2-イルである、Q.の化合物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物の調製方法であって、下記反応:
【化1】

(式中、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、ここで、前記アリール及びヘテロアリールはそれぞれ任意に、ハロゲン、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アミド又は任意に1つ以上のアルキル及び/若しくはアミノ保護基で置換されていてもよいアミノから独立に選択される1つ以上の基で置換されていてもよく;かつ
Alkは低級アルキル基である)
に従って、2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリン(III)を臭素化剤と反応させ、結果として生じる8-ブロモ-2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリン(IV)を次にSuzukiカップリング反応によって、R-ボロン酸、R-ボロン酸エステル、R-トリフルオロホウ酸カリウム又はR-有機ボランから選択されるSuzukiカップリング試薬と反応させて、2-クロロ基をR基と置き換える工程を含む方法。
【請求項2】
Rが、フェニル、ナフチル、フラニル、チオフェニル、インドリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル又はチアゾリルであり、それぞれ任意に、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、-NH-アルキル又は-NP-アルキル(式中、Pはアミノ保護基、例えばtert-ブチルエステル(Boc)である)で1回以上置換されていてもよく;かつAlkがメチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
下記反応:
【化2】

により、塩素化剤の存在下でm-アルコキシアニリン(II)とマロン酸の環化反応によって前記2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリン(III)を調製する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記臭素化剤が、N-ブロモスクシンアミド、臭素又は1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記Suzukiカップリング反応を塩基の存在化かつパラジウム触媒の存在下で行なう、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記パラジウム触媒が、ホスフィンリガンドを有するパラジウム触媒である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記パラジウム触媒がPd(PPh3)4である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記Suzukiカップリング試薬がアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルであり、かつ前記2-クロロ基を前記Suzukiカップリング反応でアリール基と置き換える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記Suzukiカップリング反応を50〜100℃に加熱しながら、かつ不活性雰囲気下で行なう、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
結果として生じる化合物(I)を、下記スキームII:
【化3】

のように、酸性条件下でMeSO2塩とさらに反応させて、4-クロロ基を-SO2Meと置き換える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
式(I)の化合物の調製方法であって、下記反応:
【化4】

(式中、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、ここで、前記アリール及びヘテロアリールは、それぞれ任意に、ハロゲン、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アミド、又は任意に1つ以上のアルキル及び/若しくはアミノ保護基で置換されていてもよいアミノから独立に選択される1つ以上の基で置換されていてもよく;かつ
Alkは、低級アルキル基である)
に従い、Suzukiカップリング反応によって、8-ブロモ-2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリン(IV)を、R-ボロン酸、R-ボロン酸エステル、R-トリフルオロホウ酸カリウム又はR-有機ボランから選択されるSuzukiカップリング試薬と反応させて、2-クロロ基をR基と置き換える工程を含む方法。
【請求項12】
式(IV)の化合物の調製方法であって、下記反応:
【化5】

(式中、Alkは低級アルキル基である)
によって、2,4-ジクロロ-7-アルコキシキノリン(III)を臭素化剤と反応させる工程を含む方法。
【請求項13】
下記式(IV):
【化6】

(式中、Alkは低級アルキル基である)
の化合物。
【請求項14】
下記式(V)
【化7】

(式中、Rは、5位で-NH-アルキル又は-NP-アルキル(Pはアミノ保護基である)によって置換されているチアゾール-2-イルである)
の化合物。

【公表番号】特表2012−526120(P2012−526120A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509863(P2012−509863)
【出願日】平成22年5月3日(2010.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/033340
【国際公開番号】WO2010/129451
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】