説明

ブロー成形装置

【課題】肉厚の厚いプリフォームを高い延伸倍率で延伸ブロー成形して大型のボトルを製造できる小型・コンパクトで生産効率の良いブロー成形装置を提案すること。
【解決手段】ブロー成形装置1は、同一平面上に配置した第1〜第4直線搬送路11〜14から構成した矩形の循環路6に沿ってプリフォーム2を倒立状態で搭載しているキャリア7を搬送する。第1、第2直線搬送路11、12には第1加熱部17、第2加熱部18が配置されており、肉厚の厚いプリフォーム2を外部加熱、内部加熱することにより均一に加熱することができる。加熱後のプリフォーム2は第3直線搬送路13上の第1処理部19において延伸ブローされて中間成形品4とされ、中間成形品4は第2処理部20において延伸ブローされて最終製品であるボトル3が得られる。延伸ブロー成形を二段階に分けることにより、過剰な引張応力を伴うことなく大型のボトル3が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形品であるプリフォームを加熱して延伸ブロー成形することにより、飲料水サーバーのタンク等として用いられる大型のボトルを製造するのに適したブロー成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
試験管形状をした射出成形品であるプリフォーム(パリソン)を二軸延伸ブロー成形して得られる各種サイズのボトルが広く利用されている。特許文献1には、閉鎖形状をした搬送路に沿ってプリフォーム・キャリア・パレットを搬送して、プリフォームの供給、その加熱、二軸延伸ブロー成形、成形品の回収動作を順次に行う小型でコンパクトな構成の二軸延伸成形機が提案されている。
【0003】
近年においては、飲料水サーバーなどのタンクとして、容量の大きなボトルが利用されている。このような大型ボトルを延伸ブロー成形するためには、肉厚の厚い試験管形状の樹脂製プリフォームを用意し、その円筒状の胴部および底部を大きな延伸倍率で引き伸ばす必要がある。大型ボトルを延伸ブロー成形する場合には、厚肉のプリフォームの内外を均一に加熱して延伸ブローする必要がある。特許文献2においては、パリソンを2回に亘り延伸ブローして大型容器を製造する方法が提案されている。ここでは、第1回目の延伸ブローによって、パリソンをある程度の大きさの予備成形品とし、第2回目の延伸ブローによって最終製品である大型容器を得ることにより、パリソンの各部分を適切な肉厚となるように二軸延伸ブローしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO98/03324号パンフレット
【特許文献2】特開平08−90642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来において、肉厚の厚いプリフォームを順次に搬送して延伸ブロー成形を行って大型のボトルを効率良く製造するための小型でコンパクトな構成のブロー成形装置は提案されていない。本発明の課題は、効率良く、肉厚の厚いプリフォームから大型のボトルを延伸ブロー成形することのできる小型でコンパクトな構成のブロー成形装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明のブロー成形装置は、
有底筒状の胴部と口部を備えた射出成形品であるプリフォームを、前記口部を下にした倒立状態で搭載可能なキャリアと、
前記キャリアを循環させるために同一平面上において矩形の循環路を形成している第1〜第4直線搬送路と、
前記キャリアを、前記第1〜第4直線搬送路を順次に経由させて搬送する搬送機構と、
前記第1直線搬送路の途中位置において前記キャリアに前記プリフォームを搭載する投入部と、
前記キャリアが前記第1直線搬送路を搬送される間に、当該キャリアに搭載されている前記プリフォームを加熱する第1加熱部と、
前記キャリアが前記第2直線搬送路を搬送される間に、当該キャリアに搭載されている前記プリフォームを加熱する第2加熱部と、
前記第3直線搬送路における途中位置に配置した第1開閉型内において、前記キャリアに搭載されている前記プリフォームに第1処理を施す第1処理部と、
前記第3直線搬送路における前記第1処理部による処理位置よりもキャリア搬送方向の下流側の位置に配置した第2開閉型内において、前記キャリアに搭載されている前記プリフォームに第2処理を施す第2処理部と、
前記第4直線搬送路におけるキャリア搬送方向の上流端位置において、前記プリフォームに対して前記第1処理および前記第2処理のうちの少なくとも一方の処理を施すことにより得られた最終製品であるボトルを、前記キャリアから取り外して排出する排出部とを有しており、
前記第1処理および前記第2処理のうちの少なくとも一方の処理はブロー成形処理あるいは延伸ブロー成形処理であることを特徴とするブロー成形装置。
【0007】
本発明のブロー成形装置では、同一平面上の矩形の循環路に沿ってキャリアによって間欠送りされながら、プリフォームが第1加熱部および第2加熱部を順次に経由して加熱される。加熱後のプリフォームは第1処理部および第2処理部を順次に経由して搬送されて延伸ブローされ、最終製品の容器になる。第1加熱部および第2加熱部の加熱形態(外部加熱、内部加熱)を適切に設定することにより、肉厚の厚いプリフォームを均一に加熱することができる。また、第1処理部の処理形態(変化熱の付与、予備ブロー成形)および第2処理部の処理形態(最終ブロー成形)を適切に設定することにより、肉厚の厚いプリフォームの各部分を適切に二軸方向にブローあるいは延伸ブローすることができる。
【0008】
次に、本発明のブロー成形装置の搬送機構は、
前記第1直線搬送路上において相互に接する状態で前記キャリア搬送方向に配列されている前記キャリアの列を、前記キャリア搬送方向にキャリア1個分に相当する第1送りピッチで間欠的に押し出す第1キャリア押し出し部と、
前記第2直線搬送路上において相互に接する状態で前記キャリア搬送方向に配列されている前記キャリアの列を、前記キャリア搬送方向に前記第1送りピッチで間欠的に押し出す第2キャリア押し出し部と、
前記第3直線搬送路上において、前記第2直線搬送路から押し出された前記キャリアを受け入れる上流端位置、前記第1開閉型内に位置する第1処理位置、および前記第2開閉型内に位置する第2処理位置にある各キャリアを、前記第1送りピッチよりも広い第2送りピッチで送り出して、前記第1処理位置、前記第2処理位置、および前記第4直線搬送路の前記上流端位置のそれぞれに移送する移送動作を間欠的に行う第1キャリア移送部と、
前記第4直線搬送路の前記上流端位置にある前記キャリアを、当該第4直線搬送路を経由して前記第1直線搬送路の上流端位置に移送する移送動作を間欠的に行う第2キャリア移送部とを備えていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明のブロー成形装置は、プリフォームの形状、肉厚等に応じて、その外部加熱、内部加熱を適切に行うことにより、プリフォームの全体を均一に加熱する処理を効率良く行うために、第1加熱部および第2加熱部が次のように構成されている。まず、前記第1加熱部は、間欠送りされる前記キャリアを外側から加熱する外部加熱機構および前記キャリアを内側から加熱する内部加熱機構の双方、前記外部加熱機構のみ、または、前記内部加熱機構のみを備えている。これに対して、前記第2加熱部は、前記第1加熱部が前記外部加熱機構および前記内部加熱機構の双方を備えている場合には前記外部加熱機構および前記内部加熱機構の双方または前記外部加熱機構のみを備えており、前記第1加熱部が前記外部加熱機構のみを備えている場合には前記外部加熱機構のみ、もしくは前記外部加熱機構および前記内部加熱機構の双方を備えており、前記第1加熱部が前記内部加熱機構のみを備えている場合には前記外部加熱機構および前記内部加熱機構の双方または前記外部加熱機構のみを備えている。
【0010】
内部加熱機構としては、前記キャリアの中心貫通穴を通って当該キャリアに搭載されている前記プリフォームの内部に挿入可能な内部加熱部材と、当該内部加熱部材を昇降させる昇降機構とを備えた機構を用いることができる。この場合には、間欠送りされる前記キャリアが一時停止すると、前記内部加熱部材を上昇させて前記キャリアに搭載されている前記プリフォーム内に前記内部加熱部材を挿入して当該プリフォームを内側から加熱し、前記キャリアが送り出される前に前記内部加熱部材を降下させるようにすればよい。
【0011】
この場合、前記キャリアの間欠送りピッチと同一のピッチで複数本の前記内部加熱部材を配列し、これらの内部加熱部材を前記昇降機構によって同時に昇降させるようにすれば、間欠送りされるプリフォームに対して間欠的に繰り返し内部加熱を施すことができる。
【0012】
次に、本発明のブロー成形装置は第1処理部および第2処理部を備えており、前記第1処理部は、前記第1開閉型として前記プリフォームの加熱状態を調整するための加熱調整用の開閉型を用いて、当該プリフォームの各部分の加熱状態を調整する加熱状態調整処理を行い、前記第2処理部は、前記第2開閉型としてブロー成形型を用いて、前記プリフォームをブロー成形あるいは延伸ブロー成形して前記ボトルを得るブロー成形を行う。
【0013】
この代わりに、前記第1処理部は、前記第1開閉型として第1ブロー成形型を用いて、前記プリフォームをブロー成形あるいは延伸ブロー成形して最終製品である前記ボトルよりも小さな中間成形品を得る予備ブロー成形を行い、前記第2処理部は、前記第2開閉型として第2ブロー成形型を用いて、前記中間成形品をブロー成形あるいは延伸ブロー成形して前記ボトルを得る最終ブロー成形を行うようにしてもよい。
【0014】
また、前記第1処理部は、前記第1開閉型として第1ブロー成形型を用いて、前記プリフォームをブロー成形あるいは延伸ブロー成形して最終製品であるボトルよりも一回り大きな中間成形品を得る予備ブロー成形を行い、前記第2処理部は、前記中間成形品が熱収縮して前記ボトルよりも一回り小さな形状になった後に、前記第2開閉型として第2ブロー成形型を用いて前記中間成形品をブロー成形あるいは延伸ブロー成形して前記ボトルを得る最終ブロー成形を行うようにしてもよい。
【0015】
さらに、前記第2処理部は、前記第2開閉型内に把手を挿入した状態でブロー成形あるいは延伸ブロー成形を行うことにより、把手付きのボトルをインサート成形することもできる。
【0016】
さらに、最終製品であるボトルにおいて、その中心軸線回りにおける口部と胴部の位置合わせが必要な場合には、延伸ブロー前の段階においてプリフォームを中心軸線回りに回転させて開閉型に対するプリフォームの向きを調整する調整機構を配置すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を適用した大型ボトルのブロー成形装置の平面図、正面図、右側面図、左側面図および背面図である。
【図2】ブロー成形装置の拡大平面図である。
【図3】ブロー成形装置のプリフォーム搬送機構を示す平面図、第3直線搬送路を示す側面図、第4直線搬送路を示す側面図である。
【図4】第4直線搬送路に付設されているプリフォーム移送機構を示す平面図、側面図、断面図である。
【図5】プリフォーム供給部を示す平面図、ボトル排出部を示す平面図、側面図、供給部および排出部の正面図、供給部および排出部の側面図である。
【図6】加熱機構を示す平面図、正面図、側面図である。
【図7】内部加熱機構を示す平面図、正面図、側面図である。
【図8】内部加熱機構を示す平面図、正面図、側面図である。
【図9】延伸ブロー成形部の型締部を示す平面図、正面図、側面図である。
【図10】延伸ブロー成形部の延伸部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したブロー成形装置の実施の形態を説明する。
【0019】
(全体構成)
図1(a)〜(e)は、本実施の形態に係るブロー成形装置を示す平面図、正面図、右側面図、左側面図および背面図であり、図1(f)はプリフォーム、中間成形品および最終成形品であるボトルを示す説明図である。図2はブロー成形装置の拡大平面図である。ブロー成形装置1は、樹脂の射出成形品であるプリフォーム2に二軸延伸ブロー成形を施して、飲料水サーバーの水タンク等として用いられる大型のボトル3を製造する装置である。詳細は後述するが、プリフォーム2が二軸延伸ブローされて中間成形品4となり、中間成形品4が二軸延伸ブローされて最終製品であるボトル3となる。
【0020】
ブロー成形装置1は、全体として略直方体形状の装置ハウジング5を備えており、装置ハウジング5の下半部分は機械室5aとなっており、上半部分は、プリフォーム2を延伸ブロー成形してボトル3を得るための処理室5bとなっている。処理室5b内には、プリフォーム2を、各処理部を経由する搬送経路に沿って搬送するための循環路6が同一平面上に配置されており、当該循環路6を循環するキャリア7によってプリフォーム2が搬送される。
【0021】
キャリア7は、図1(f)に示すように、矩形輪郭のキャリア本体部7aと、このキャリア本体部7aに回転自在の状態で保持されている円筒部7bと、円筒部7bの上端部分に同軸状に取り付けられている円筒状のプリフォーム差し込み部7cと、円筒部7bの下端部分に同軸状に取り付けられているスプロケット7dとを備えている。キャリア7の中心部には中心貫通穴7eが形成されている。
【0022】
プリフォーム2は、図1(f)に示すように、試験管形状をした樹脂の射出成形品であり、円形の口部2a、円筒状の胴部2bおよび半球状の底部2cを備えており、胴部2bから底部2cに掛けての部分は肉厚が厚い。プリフォーム2を二軸延伸ブローして得られるボトル3は、プリフォーム2の口部2aが延伸されずにそのままの形状で残っている口部3aと、プリフォーム2の胴部2bおよび底部2cを二軸延伸ブロー成形することによって得られた円筒状の胴部3bおよび底部3cとを備えている。本例では、プリフォーム2の胴部2b、底部2cを二軸延伸ブローして一回り大きな円筒状の胴部4b、底部4cを備えた中間成形品4を製造し、しかる後に、中間成形品4を二軸延伸ブローして最終製品であるボトル3を製造している。
【0023】
次に、図1(a)、図2から分かるように、ブロー成形装置1の循環路6は同一平面上に位置する矩形の閉じ循環路であり、第1〜第4直線搬送路11〜14から構成されている。キャリア7は、循環路6を図2の矢印で示す方向に搬送される。第1直線搬送路11の途中位置には、キャリア7にプリフォーム2を倒立状態で搭載するプリフォーム投入部16が配置されている。第1直線搬送路11におけるプリフォーム投入部16よりも搬送方向下流側の部分は第1加熱部17内を通る搬送路部分であり、当該搬送路部分を通ってキャリア7が搬送される間に、当該キャリア7に搭載されているプリフォーム2が加熱される(一次加熱)。第1直線搬送路11の下流端には第2直線搬送路12の上流端が接続されている。第2直線搬送路12は第2加熱部18内を通る搬送路であり、当該搬送路を通ってキャリア7が搬送される間に、当該キャリア7に搭載されているプリフォーム2が加熱される(二次加熱)。
【0024】
第2直線搬送路12の下流端には第3直線搬送路13の上流端が接続されている。第3直線搬送路13には、その上流側から下流側に向かって第1処理部19および第2処理部20が配置されている。本例の第1処理部19は延伸ブロー成形型である第1開閉型(図示せず)を備えており、第1開閉型は、第3直線搬送路13を挟み、これに直交する方向に開閉する。第1開閉型の中心である第1処理位置22に位置するキャリア7に搭載されているプリフォーム2に対して第1処理が施される。本例の第1処理は、プリフォーム2を二軸延伸ブローして中間成形品4を得る処理である。
【0025】
第2処理部20も延伸ブロー成形型である第2開閉型23(図9参照)を備えており、第2開閉型23も第3直線搬送路13を挟み、これに直交する方向に開閉する。第2開閉型23の中心である第2処理位置24に位置するキャリア7に搭載されている中間成形品4に対して第2処理が施される。本例の第2処理は、中間成形品4を二軸延伸ブローして最終製品であるボトル3を得る処理である。
【0026】
第3直線搬送路13の下流端に繋がっている第4直線搬送路14の上流端位置14aの近傍には、当該位置にあるキャリア7に搭載されているボトル3をキャリア7から取り外してボトル排出台25の側に排出するボトル排出部26が配置されている。ボトル排出部26においてボトル3が取り外されて空になったキャリア7は、第4直線搬送路14を経由して第1直線搬送路11の上流端位置11aに戻るようになっている。
【0027】
(キャリア搬送機構)
図3および図4を主に参照して、第1〜第4直線搬送路11〜14からなる矩形の循環路6に沿ってキャリア7を搬送するキャリア搬送機構を説明する。図3(a)は循環路6を示す平面図であり、図3(b)は第3直線搬送路13を示す側面図であり、図3(c)は第4直線搬送路14を示す断面図である。図4(a)、(b)および(c)は、第3直線搬送路13に付設されている第1キャリア移送部を示す平面図、側面図および断面図であり、図4(d)は第1キャリア移送部の腕部を示す説明図である。
【0028】
まず、第1〜第4直線搬送路11〜14は、装置フレーム30によって水平に支持されている第1〜第4直線ガイドレール31〜34によって規定されている。第1〜第4直線ガイドレール31〜34は上方に開口した溝型断面のガイドレールであり、当該ガイドレールに沿ってキャリア7の矩形輪郭のキャリア本体部7aの両側縁部がスライドする。
【0029】
第1直線搬送路11には、第1直線ガイドレール31に沿ってキャリア7が相互に接した状態で配列されている。すなわち、隣接するキャリア7のキャリア本体部7aにおける搬送方向の前後の端面が相互に接した状態で配列されている。第1直線搬送路11における上流端位置11aの近傍には、キャリア押し出しシリンダ35(第1キャリア押し出し部)が配置されている。キャリア押し出しシリンダ35の押し出しロッド35aは、キャリア1個分に相当する第1送りピッチp1でキャリア7を第1直線ガイドレール31に沿って押し出し可能である。よって、第1直線搬送路11に配列されている各キャリア7は、第1送りピッチp1で間欠的に下流側に向けて搬送され、第1直線搬送路11の下流端位置11bにあるキャリア7は1ピッチ分送り出されると、第2直線搬送路12の上流端位置12aに送り込まれる。
【0030】
第2直線搬送路12にも、第2直線ガイドレール32に沿ってキャリア7が相互に接した状態で配列されている。第2直線搬送路12の上流端位置12aの近傍にも、当該第2直線搬送路12に沿ってキャリア1個分の送りピッチで各キャリア7を押し出すキャリア押し出しシリンダ36(第2キャリア押し出し部)が配置されている。第2直線搬送路12の下流端位置12bにあるキャリア7は1ピッチ分送り出されると、第3直線搬送路13の上流端位置13aに送り込まれる。
【0031】
なお、第1直線搬送路11のプリフォーム投入部16の側方に配置した一対のスプロケット101a、101bの間、および、第2直線搬送路12の側方に配置した一対のスプロケット102a、102bとの間には、それぞれ、チェーン103a、103bが架け渡されている。チェーン103a、103bは、これらの搬送路部分に沿って搬送される各キャリア7のスプロケット7dに噛み合うように配置されている。したがって、一方のスプロケットを不図示の回転駆動源によって回転駆動することにより、第1加熱部17、第2加熱部18を通って搬送されるプリフォーム2はその中心軸線回りに回転しながら外周側から均一に加熱される。
【0032】
次に、第3直線搬送路13には、図4に示すように、第3直線ガイドレール33に沿って3個ずつキャリア7を、キャリア1個分の送りピッチp1よりも広い送りピッチp2で搬送するための第1キャリア移送部37が配置されている。第1キャリア移送部37は、3本の伸縮式の腕部38、39、40と、これらの腕部38〜40が取り付けられている移送板41と、移送板41を第3直線ガイドレール33に沿って搬送方向に往復移動させる駆動機構42とを備えている。
【0033】
伸縮式の腕部38〜40は、送りピッチp2の間隔で移送板41に取り付けられており、各腕部38〜40は、第3直線ガイドレール33に対して直交する方向に伸縮可能な腕38a〜40aと、腕38a〜40aを伸縮させる駆動シリンダ38b〜40bを備えている。腕38a〜40aの先端部には、キャリア7の円筒部7bにおけるキャリア差し込み部7cの下側部分に横方から当接可能な半円形の溝38c〜40cが形成されている。移送板41は送りピッチp2分だけ搬送方向に往復移動する。したがって、移送板41が、最も上流側の腕部38が第3直線搬送路13の上流端位置13aに位置している後退位置41Aにある場合には、その下流側の腕部39は第1処理位置22に位置し、最も下流側の腕部40は第2処理位置24に位置する。移送板41が送りピッチp2だけ下流側にスライドした前進位置41Bに移動すると、腕部38〜40はそれぞれ第1処理位置22、第2処理位置24および第4直線搬送路14の上流端位置14aに位置決めされる。
【0034】
移送板41が後退位置41Aにある状態において、各腕38a〜40aを伸長させて各キャリア7に係合させ、次に、移送板41を移動させて前進位置41Bまで移動させ、各腕38a〜40aを引き込むことにより各キャリア7から離し、移送板41を前進位置41Bから後退位置41Aまで戻す。これらの一連の動作が、キャリア7の1回の間欠送り動作毎に行われる。
【0035】
次に、第4直線搬送路14の上流端位置14aに送り込まれたキャリア7は、第2キャリア移送部(図示せず)によって第1直線搬送路11の上流端位置11aに戻される。このキャリア7を第1直線搬送路11に戻す動作も、キャリア7の1回の間欠送り動作毎に行われる。第2キャリア移送部43の具体的な構成については図示を省略してあるが、市販の直動機構、例えば、電動シリンダ内蔵の直動ユニットを用いることができる。このような直動機構は、駆動モーターと、この駆動モーターによって、第4直線搬送路14の上流端位置14aから第1直線搬送路11の上流端位置11aまでの間を経由する無限軌道に沿って循環するチェーンコンベアとを備えた機構によって構成されている。
【0036】
(プリフォーム投入部、ボトル排出部)
図5(a)〜(c)はボトル排出部26を示す平面図、正面図および側面図である。ボトル排出部26は、ボトル3の口部3aを両側から把持するための一対の開閉式の把持爪51a、51bと、これらの把持爪51a、51bを開閉する開閉用シリンダ52と、開閉用シリンダ52を支持している旋回腕53と、旋回腕53を旋回させるための旋回用シリンダ54とを備えている。
【0037】
旋回腕53は、第4直線搬送路14の上流端位置14aの側に水平に倒れた引き抜き側位置53Aから180度旋回して反対側に水平に倒れた排出側位置53Bまでの間を旋回可能である。旋回腕53の開閉用シリンダ52に取り付けられている一対の開閉式の把持爪51a、51bは、引き抜き側位置53Aにおいては、キャリア7に差し込まれているボトル3の口部3aの両側に位置し、これらの把持爪51a、51bを閉じるとボトル3を把持できる。この状態で旋回腕53を排出側位置53Bに向けて旋回させると、ボトル3がキャリア7から上方に引き抜かれる。旋回腕53が排出側位置53Bまで旋回すると、把持されているボトル3がボトル排出台25に載った状態になる。この状態で把持爪51a、51bを開きボトル3を開放する。ボトル排出台25に排出されたボトル3は、作業員あるいは搬送機構によって回収される。
【0038】
なお、プリフォーム投入部16もボトル排出部26と基本的に同一構造であるので、その説明を省略する。プリフォーム投入部16では、旋回腕53の排出側位置53Bがプリフォームの供給側位置であり、旋回腕53の引き抜き側位置53Aはプリフォーム2をキャリア7に差し込む差し込み側位置である。
【0039】
(第1、第2加熱部)
図6(a)〜(c)は第1加熱部17の外部加熱機構を示す平面図、正面図および側面図であり、図7(a)〜(c)は第1加熱部17の内部加熱機構を示す平面図、正面図および側面図である。第2加熱部18の構成は第1加熱部17と基本的に同一であるので、その説明は省略する。
【0040】
図6に示すように、第1加熱部17の外部加熱機構61は、第1直線搬送路11を間欠的に搬送されるキャリア7に搭載されているプリフォーム2を外側から加熱するものである。外部加熱機構61は、第1直線搬送路11の一方の側の機構フレーム62によって一定の間隔で上下に配置した複数本の水平支持腕63の先端に赤外線ヒーター64が搬送方向に水平に支持されている。第1直線搬送路11の反対側に配置されている機構フレーム65には搬送方向に一定の間隔で上下に延びるスリット状の通気口66が形成されている。不図示のエアー供給源から機構フレーム65の外側に取り付けたエアーダクト67および通気口66を介して、第1加熱部17内を搬送されるプリフォーム2に冷却用エアーが吹き付けられる。これにより、外部加熱機構61によってプリフォーム2の外周面が過熱状態に陥ることを防止できる。
【0041】
図7に示すように、第1加熱部17の内部加熱機構70は、内部加熱用の細長い一対のヒーター棒71、72と、これらを垂直に支持している支持腕73と、支持腕73を垂直方向に昇降させるための昇降用シリンダ74とを備えており、昇降用シリンダ74は装置フレーム30に取り付けられている。一対のヒーター棒71、72はキャリア7の送りピッチp1の間隔で配列されており、第1加熱部17内を通る第1直線搬送路11の部分において、一時停止位置にある隣接する2個のキャリア7に対して、その下側から中心貫通穴7eを通ってプリフォーム2内に差し込み可能である。
【0042】
昇降用シリンダ74によって、一対のヒーター棒71、72は、キャリア7の下側に位置する降下位置71A、72Aから、それらの先端がプリフォーム2内の底部2cの近傍まで上昇した上昇位置71B、72Bまでの間を昇降可能である。加熱状態にあるヒーター棒71、72をプリフォーム2内に差し込むことにより、プリフォーム2を内側から加熱することができる。すなわち、間欠送りされるキャリア7が一時停止すると、ヒーター棒71、72が上昇してキャリア7に搭載されているプリフォーム2の内部に挿入されてプリフォーム2が内側から加熱される。ヒーター棒71、72はキャリア7が送り出される前にプリフォーム2、キャリア7から下方に引き抜かれる。このように、第1、第2加熱部17、18において、外側から加熱すると共に内側からも加熱することによって、肉厚の厚いプリフォーム2を温度ムラなく均一に加熱することができる。
【0043】
本例では2本のヒーター棒71、72を用いて、第1加熱部17内における隣接する2箇所で内部加熱を行っているが、1本のヒーター棒を用いて1箇所においてのみ内部加熱を行うこともできる。また、第1加熱部17内において3箇所以上の位置においてプリフォーム2を内部加熱することも可能である。以下に、連続した6箇所において内部加熱を行う場合の内部加熱機構の構成例を説明する。
【0044】
図8(a)〜(c)は、連続した6箇所において内部加熱を行う場合に用いる内部加熱機構の例を示す平面図、正面図および側面図である。図示の内部加熱機構75では、送りピッチp1で6本のヒーター棒76が配列されており、これらを支持している支持腕77が昇降用シリンダ78の昇降ロッド78aに取り付けられている。この場合には、1本のプリフォーム2は6回分の間欠送り動作の間の一時停止状態において各ヒーター棒76によって内側から加熱される。例えば、上流側から下流側に向けて各ヒーター棒76の加熱温度が段階的に高くなるように設定しておけば、プリフォーム2は徐々に高い温度となるように加熱される。なお、図8の例では、外部加熱機構として、搬送路の両側に赤外線ヒーター64が配置された構成のものが用いられている。
【0045】
ここで、本例では第1加熱部17および第2加熱部18の双方において内部加熱機構が備わっている。第1加熱部17には図7に示すように少ない箇所でプリフォーム2の内部加熱を行い、第2加熱部18では図8に示すようにより多い箇所でプリフォーム2の内部加熱を行うようにしてもよい。逆に、第1加熱部17において多数の箇所でプリフォーム2を内部加熱し、第2加熱部18ではより少ない箇所でプリフォーム2の内部加熱を行うことも可能である。
【0046】
また、第1加熱部17は外部加熱機構のみとし、第2加熱部18も外部加熱機構のみとすることが可能である。第1加熱部17に内部加熱機構のみを配置した場合には、第2加熱部18には、外部加熱機構のみを配置するか、あるいは、内部加熱機構および外部加熱機構の双方を配置することができる。このように、複数の加熱部(本例では、第1加熱部17、第2加熱部18の2つの加熱部)と、内部加熱機構および外部加熱機構との組み合わせ形態によって、各種のプリフォーム加熱形態を実現できる。したがって、プリフォーム2の形状、大きさ、肉厚等と、最終的に得られるボトルの形状、大きさ、肉厚、各部分の延伸倍率等とに応じて、最適な加熱形態を採用することができる。
【0047】
(第1、第2処理部)
図9(a)〜(c)は第2処理部20の第2開閉型23の型締部を示す平面図、断面図および側面図である。図10(a)は、第2処理部20の第2開閉型23の延伸部を第3直線搬送路13に直交する面で切断した場合の断面図であり、図10(b)は延伸部を第3直線搬送路13に平行な面で切断した場合の断面図である。
【0048】
先に述べたように、第2処理部20は中間成形品4を二軸延伸ブローして最終製品であるボトル3を成形する第2処理を行うものであり、第2開閉型23として左右一対の分割型23a、23bおよび底型23cを備えている。第2開閉型23の型締部80は、左右の分割型23a、23bを支持している左右のスライド式型支持部材81、82を備えている。スライド式型支持部材81、82は、装置フレームに取り付けた左右の支持ブロック83、84にスライド可能な状態で搭載されている。左右のスライド式型支持部材81、82は不図示のスライド機構によって開閉方向にスライドして、左右の分割型23a、23bの型締め、型開き動作が行われる。底型23cは、装置フレームに取り付けた門型支持枠85に、下向き状態に搭載されている昇降用シリンダ86の伸縮ロッド86aに取り付けられており、左右の分割型23a、23bに開閉動作に同期して昇降させるようになっている。
【0049】
図10に示すように、第2処理部20の第2開閉型23の中心に位置する第2処理位置24の真下には、中間成形品4を上方に延伸させるための延伸部90が配置されている。延伸部90は、細長い延伸棒91と、この延伸棒91を垂直姿勢となるように支持している支持部材92と、支持部材92を垂直方向に昇降させる昇降用シリンダ93とを備えている。延伸棒91は、第2処理位置24に位置しているキャリア7の中心貫通穴7eを通って中間成形品4の内部に差し込まれ、中間成形品4の底部4cを上方に押し上げる。これによって、中間成形品4が上方に延伸する。また、延伸部90にはキャリア7の中心貫通穴7eを介して中間成形品4の内部にブロー用エアーを供給するためのエアーブロー機構(図示せず)が付設されている。ブロー用エアーを中間成形品4にブローする動作と、延伸棒91による延伸動作とを適切なタイミングで行うことにより、中間成形品4を二軸延伸ブローして、第2開閉型23によって規定されるキャビティ内周面形状が正確に転写されたボトル3が得られる。
【0050】
他方の第1処理部19も第2処理部20と同様な構成である。異なる点は、使用している第1開閉型21が中間成形品4を延伸ブロー成形するためのものとなっている点である。
【0051】
ここで、第1処理部19、第2処理部20は次のように各種の処理形態のものとすることができる。まず、第1処理部19の第1処理は次の(a1)〜(a5)のうちのいずれか一つの処理形態とすることができる。
(a1)第1開閉型21としてプリフォーム2の加熱状態を調整するための加熱調整用の開閉型を用いて、プリフォーム2の各部分の加熱状態を調整する加熱状態調整処理
(a2)第1開閉型21としてブロー成形型を用いて、プリフォーム2をブロー成形あるいは延伸ブロー成形して最終製品であるボトルよりも小さな中間成形品4を得る予備ブロー処理
(a3)第1開閉型21としてブロー成形型を用いて、プリフォーム2をブロー成形あるいは延伸ブロー成形して最終製品であるボトルよりも一回り大きな中間成形品4を得る予備ブロー処理
(a4)第1開閉型21としてブロー成形型を用いて、プリフォーム2をブロー成形あるいは延伸ブロー成形して最終製品であるボトル3を得るブロー処理
(a5)第1開閉型21を型開き状態のまま保持する処理
【0052】
これらの第1処理(a1)〜(a5)に対応させて、第2処理部20の第2処理を次のような処理内容とすることができる。
(b1)第1処理(a1)を採用する場合には、第2開閉型23としてブロー成形型を用いて、プリフォーム2をブロー成形あるいは延伸ブロー成形してボトル3を得るブロー処理を採用することができる。第1処理においてプリフォーム2の各部分の加熱状態に変化を付けることができる。例えば、最終製品であるボトルにおいて肉厚を厚くしたい部分、薄くしたい部分、延伸倍率が高い部分、低い部分などに対応させて、プリフォーム2の各部の加熱温度を変化させることができる。偏平な断面形状のボトルなどを成形する場合に、延伸倍率の低い部分を、延伸倍率の高い部分に比べて低い温度に調整する場合に適している。また、把手をインサート成形する場合に、把手のインサート部分の延伸倍率を低くするために、当該部分を他の部分に比べて低い温度に調整する場合にも適している。
【0053】
(b2)第1処理(a2)を採用する場合には、第2開閉型23としてブロー成形型を用いて、最終成形品であるボトルよりも小さな形状の中間成形品4をブロー成形あるいは延伸ブロー成形してボトル3を得る最終ブロー処理を採用することができる。これは本実施の形態に係るブロー成形装置1の場合の処理である。延伸倍率が高い場合、肉厚の厚いプリフォームから大型容器を成形する場合などに適している。
【0054】
(b3)第1処理(a3)を採用する場合には、第2開閉型23としてブロー成形型を用いて、最終成形品であるボトルよりも一回り大きな形状に成形した中間成形品が熱収縮してボトルより一回り小さな形状になった後に、当該中間成形品をブロー成形あるいは延伸ブロー成形してボトル3を得る最終ブロー処理を採用することができる。肉厚の厚いプリフォームを高い延伸倍率で延伸させて耐熱性の高い大型容器を得る場合などに適している。
【0055】
(b4)第1処理(a4)を採用する場合には、第2開閉型23を型開き状態のまま保持すればよい。例えば、一般的なサイズの飲料用ボトルなどを成形する場合には、ブロー成形あるいは延伸ブロー成形を繰り返すことなく、1回のブロー成形あるいは延伸ブロー成形のみで良い場合がある。このような場合には、一方の処理部のみを用いればよい。
【0056】
(b5)逆に、第1処理(a5)を採用する場合、すなわち、第1処理部を使用しない場合には、第2処理(b1)を採用すればよい。この場合も、一般的なサイズの飲料用ボトルなどを成形する場合に、ブロー成形あるいは延伸ブロー成形を繰り返すことなく、1回のブロー成形あるいは延伸ブロー成形のみで良い場合があり、このような場合に適している。
【0057】
これらに加えて、大型のボトルなどの容器においては、簡単に持ち運びできるように把手がインサート成形によって取り付けられる場合がある。例えば、第2処理部20において、第2開閉型23内に把手を挿入した状態でブロー成形あるいは延伸ブロー成形を行うことにより、把手付き容器をインサート成形することができる。
【0058】
(口部の位置調整)
なお、ボトルなどの容器において、その中心軸線回りにおける口部と胴部の位置合わせが必要な場合には、延伸ブロー前の段階においてプリフォーム2をその中心軸線回りに回転させてブロー成形用の開閉型21、23に対するプリフォーム2の向きを調整する調整機構を配置すればよい。本実施の形態のブロー成形装置1の場合には、第2直線搬送路12から第3直線搬送路13の上流端位置13aに送り込まれたキャリア7に搭載されているプリフォーム2をその中心軸線回りに回転して、第3直線搬送路13を搬送される当該プリフォーム2の向きを調整する調整機構が配置されている。
【0059】
図3(a)に示すように、調整機構110は、第3直線搬送路13の上流端位置13aに送り込まれたキャリア7のスプロケット7dに噛み合い可能なスプロケット111と、このスプロケット111をキャリア側のスプロケット7dに噛み合う位置および噛み合い解除位置に移動させる移動機構112とを備えている。移動機構112は、先端部にスプロケット111が取り付けられている揺動腕113と、この揺動腕113を揺動させるための電動シリンダ114から構成することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 ブロー成形装置
2 プリフォーム
3 ボトル
4 中間成形品
5 装置ハウジング
5a 機械室
5b 処理室
6 循環路
7 キャリア
11 第1直線搬送路
12 第2直線搬送路
13 第3直線搬送路
14 第4直線搬送路
16 プリフォーム投入部
17 第1加熱部
18 第2加熱部
19 第1処理部
20 第2処理部
21 第1開閉型
22 第1処理位置
23 第2開閉型
24 第2処理位置
25 ボトル排出台
26 ボトル排出部
30 装置フレーム
31 第1直線ガイドレール
32 第2直線ガイドレール
33 第3直線ガイドレール
34 第4直線ガイドレール
35 第1キャリア押し出しシリンダ
36 第2キャリア押し出しシリンダ
37 第1キャリア移送部
38、39、40 腕部
41 移送板
42 駆動機構
51a、51b 把持爪
52 開閉用シリンダ
53 旋回腕
54 旋回用シリンダ
61 外部加熱機構
62 機構フレーム
70 内部加熱機構
71、72、76 ヒーター棒
73 支持腕
74 昇降用シリンダ
75 内部加熱機構
76 ヒーター棒
77 支持腕
78 昇降用シリンダ
80 型締部
90 延伸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状の胴部と口部を備えた射出成形品であるプリフォームを、前記口部を下にした倒立状態で搭載可能なキャリアと、
前記キャリアを循環させるために同一平面上において矩形の循環路を形成している第1〜第4直線搬送路と、
前記キャリアを、前記第1〜第4直線搬送路を順次に経由させて搬送する搬送機構と、
前記第1直線搬送路の途中位置において前記キャリアに前記プリフォームを搭載する投入部と、
前記キャリアが前記第1直線搬送路を搬送される間に、当該キャリアに搭載されている前記プリフォームを加熱する第1加熱部と、
前記キャリアが前記第2直線搬送路を搬送される間に、当該キャリアに搭載されている前記プリフォームを加熱する第2加熱部と、
前記第3直線搬送路における途中位置に配置した第1開閉型内において、前記キャリアに搭載されている前記プリフォームに第1処理を施す第1処理部と、
前記第3直線搬送路における前記第1処理部による処理位置よりもキャリア搬送方向の下流側の位置に配置した第2開閉型内において、前記キャリアに搭載されている前記プリフォームに第2処理を施す第2処理部と、
前記第4直線搬送路におけるキャリア搬送方向の上流端位置において、前記プリフォームに対して前記第1処理および前記第2処理のうちの少なくとも一方の処理を施すことにより得られた最終製品であるボトルを前記キャリアから取り外して排出する排出部とを有しており、
前記第1処理および前記第2処理のうちの少なくとも一方の処理はブロー成形あるいは延伸ブロー成形処理であることを特徴とするブロー成形装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記搬送機構は、
前記第1直線搬送路上において相互に接する状態で前記キャリア搬送方向に配列されている前記キャリアの列を、前記キャリア搬送方向にキャリア1個分に相当する第1送りピッチで間欠的に押し出す第1キャリア押し出し部と、
前記第2直線搬送路上において相互に接する状態で前記キャリア搬送方向に配列されている前記キャリアの列を、前記キャリア搬送方向に前記第1送りピッチで間欠的に押し出す第2キャリア押し出し部と、
前記第3直線搬送路上において、前記第2直線搬送路から押し出された前記キャリアを受け入れる上流端位置、前記第1開閉型内に位置する第1処理位置、および前記第2開閉型内に位置する第2処理位置にある各キャリアを前記第1送りピッチよりも広い第2送りピッチで送り出して、前記第1処理位置、前記第2処理位置、および前記第4直線搬送路の前記上流端位置のそれぞれに移送する移送動作を間欠的に行う第1キャリア移送部と、
前記第4直線搬送路の前記上流端位置にある前記キャリアを、当該第4直線搬送路を経由して前記第1直線搬送路の上流端位置に移送する移送動作を間欠的に行う第2キャリア移送部とを備えていることを特徴とするブロー成形装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1加熱部は、間欠送りされる前記キャリアを外側から加熱する外部加熱機構および前記キャリアを内側から加熱する内部加熱機構の双方、前記外部加熱機構のみ、または、前記内部加熱機構のみを備えており、
前記第2加熱部は、前記第1加熱部が前記外部加熱機構および前記内部加熱機構の双方を備えている場合には前記外部加熱機構および前記内部加熱機構の双方または前記外部加熱機構のみを備えており、前記第1加熱部が前記外部加熱機構のみを備えている場合には前記外部加熱機構のみ、もしくは前記外部加熱機構および前記内部加熱機構の双方を備えており、前記第1加熱部が前記内部加熱機構のみを備えている場合には前記外部加熱機構および前記内部加熱機構の双方または前記外部加熱機構のみを備えていることを特徴とするブロー成形装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記キャリアは、その中心部を上下方向に貫通して延びている中心貫通穴を備えており、
前記内部加熱機構は、
少なくとも1個の前記キャリアの前記中心貫通穴を通って当該キャリアに搭載されている前記プリフォームの内部に挿入可能な内部加熱部材と、当該内部加熱部材を昇降させる昇降機構とを備えており、
間欠送りされる前記キャリアが一時停止すると、前記内部加熱部材を上昇させて前記キャリアに搭載されている前記プリフォーム内に前記内部加熱部材を挿入して当該プリフォームを内側から加熱し、前記キャリアが送り出される前に前記内部加熱部材を降下させるようになっていることを特徴とするブロー成形装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記キャリアの第1送りピッチと同一のピッチで複数本の前記内部加熱部材が配列されており、これらの内部加熱部材は前記昇降機構によって同時に昇降させるようになっていることを特徴とするブロー成形装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記第1処理部は、前記第1開閉型として前記プリフォームの加熱状態を調整するための加熱調整用の開閉型を用いて、当該プリフォームの各部分の加熱状態を調整する加熱状態調整処理を行い、
前記第2処理部は、前記第2開閉型としてブロー成形型を用いて、前記プリフォームをブロー成形して前記ボトルを得るブロー成形を行うことを特徴とするブロー成形装置。
【請求項7】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記第1処理部は、前記第1開閉型として第1ブロー成形型を用いて、前記プリフォームをブロー成形あるいは延伸ブロー成形して最終製品である前記ボトルよりも小さな中間成形品を得る予備ブロー成形を行い、
前記第2処理部は、前記第2開閉型として第2ブロー成形型を用いて、前記中間成形品をブロー成形あるいは延伸ブロー成形して前記ボトルを得る最終ブロー成形を行うことを特徴とするブロー成形装置。
【請求項8】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記第1処理部は、前記第1開閉型として第1ブロー成形型を用いて、前記プリフォームをブロー成形あるいは延伸ブロー成形して最終製品であるボトルよりも一回り大きな中間成形品を得る予備ブロー成形を行い、
前記第2処理部は、前記中間成形品が熱収縮して前記ボトルよりも一回り小さな形状になった後に、前記第2開閉型として第2ブロー成形型を用いて前記中間成形品をブロー成形あるいは延伸ブロー成形して前記ボトルを得る最終ブロー成形を行うことを特徴とするブロー成形装置。
【請求項9】
請求項6ないし8のうちのいずれかの項において、
前記第2処理部は、前記第2開閉型内に把手を挿入した状態でブロー成形あるいは延伸ブロー成形を行うことにより、把手付きのボトルをインサート成形することを特徴とするブロー成形装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちのいずれかの項において、
前記第3直線搬送路の前記上流端位置に送り込まれた前記キャリアに搭載されている前記プリフォームをその中心軸線回りに回転して、当該プリフォームの向きを調整する調整機構を有していることを特徴とするブロー成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−250411(P2012−250411A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124136(P2011−124136)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(594082648)株式会社フロンティア (34)
【Fターム(参考)】