説明

プラグロック構造

【課題】プラグロック構造において給電プラグの不正な抜き出しを規制することにある。
【解決手段】ロックバー42は係止爪16を係止させる係止部45を備え、回動レバー47のロック部48は係止状態にある係止爪16に係止部45と反対側から接した状態となる。また、電磁石36を通電させることで、ロックバー42を回動レバー47に連動させることができる。具体的には、操作部19が操作されると、係止爪16は、係止状態が解除される方向へ変位するとともに回動レバー47を回動させる。この回動レバー47の回動に連動してロックバー42は係止爪16の係止状態が解除される方向へ変位するため、係止状態が解除されることはない。このように、電磁石36を通電状態とすることで、給電プラグ10をロック状態として給電プラグ10の不正な抜き出しを規制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラグロック構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両からの排出ガスを少なく抑えることを目的として、各車両メーカでは電気自動車の開発機運が非常に高くなってきている。電気自動車では、車両の動力源であるバッテリの電力残量が少なくなる度に、例えば家庭や電気スタンド等においてバッテリに充電を行わなくてはならないことから、電気自動車には様々な充電システムが設けられることになる(例えば、特許文献1参照)。例えば、家庭の商用電源に繋がる給電プラグを接続可能としたインレットを車両に設ける。そして、そのインレットに給電プラグを接続し、商用電源から車両に送電することで車両のバッテリに充電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電気自動車のバッテリ充電には、ガソリン車のガソリン補給に比べて比較的長い時間を要する。このことから給電プラグをインレットに接続した状態で車両を長時間放置するケースが多くなる。このため、例えば、給電中の車両から不正に給電プラグを取り外して別の車両のインレットに装着して盗電されたり、給電プラグ自体が盗まれたりすることも想定される。
【0005】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、給電プラグの不正な抜き出しを規制するプラグロック構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、給電対象に固定されるインレットに給電プラグが挿し込まれた状態において、同給電プラグに設けられる係止爪がこれに対応して設けられる係止部に係止されることにより前記給電プラグを抜け止め状態とする一方で、同給電プラグに設けられる操作部の操作に連動して前記係止爪が前記係止部と反対側である解除方向に変位することを通じて前記係止爪の係止状態が解除されることにより前記給電プラグを引き抜き可能とするプラグ保持機構における、前記操作部の操作を通じた前記係止状態の解除を規制するプラグロック構造において、前記係止状態にある前記係止爪の前記係止部と反対側の部分を同係止部へ向けて弾性的に押圧するロック部を有するとともに、前記係止爪の解除方向への変位に伴い前記ロック部が前記押圧する方向と反対側へ付勢されることにより回動する回動レバーと、前記係止部を備えるとともに、前記係止爪の解除方向に応じた方向へ変位可能とされるロックバーと、前記係止爪の解除方向への変位に伴い前記回動レバーのみを回動させる非連動状態と、前記係止爪の解除方向への変位に伴う前記回動レバーの回転運動を前記解除方向に応じた方向への運動として前記ロックバーに伝達する連動状態との間で前記回動レバー及び前記ロックバーの連動状態を切り替える連動機構と、を備えたことをその要旨としている。
【0007】
同構成によれば、ロックバーは係止爪が係止される係止部を備え、回動レバーのロック部は係止状態にある係止爪に係止部と反対側から接する。また、連動機構は連動状態及び非連動状態間で回動レバー及びロックバーの連動状態を切り替える。連動状態においては、ロックバーは回動レバーに連動する。具体的には、回動レバーが係止状態にある係止爪により解除方向へ変位させられると、同方向に応じた方向へロックバーも変位する。このため、操作部の操作に関わらず係止爪の係止状態が維持され、給電プラグの抜き出しが規制される。
【0008】
また、非連動状態においては、回動レバー及びロックバーが別個に変位する。この状態において、操作部が操作されると、回動レバーはロック部を介して係止爪により回動させられる。この回動レバーの回動に伴いロックバーは変位しないため、係止爪の係止部による係止状態は解除され、給電プラグのインレットからの引き抜きが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプラグロック構造において、前記連動機構は、前記連動状態にあるとき、前記回動レバーの回転運動を前記ロックバーの前記解除方向への運動に変換することをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、リンクレバーによって回動レバーの回動がロックバーにおける係止爪の解除方向への運動に変換される。このため、連動状態においては、ロックバーはいっそう係止爪の解除方向への動きに合わせて変位することが可能となる。これにより、より確実に係止爪の係止状態を維持することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプラグロック構造において、前記連動機構は、通電により磁力を発生する電磁石及び同電磁石との間で磁力による吸着力を発生させる磁性体を備え、前記電磁石の通電時には前記吸着力により前記連動状態となり、前記電磁石の非通電時には前記吸着力が消滅することにより前記非連動状態となることをその要旨としている。
【0012】
同構成によれば、電磁石を通電させることで連動状態となり、通電を停止することで非連動状態となる。このように、電磁石からの磁力に基づく吸着力を利用することで、機械的に力を伝達する部材等が不要となり、プラグロック構造をより簡易な構成とすることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のプラグロック構造において、前記ロックバー及び前記回動レバーは、前記インレットの軸方向からみて前記係止部と前記インレットとが対向する方向に対して直交する方向において前記連動機構を前記インレットと対向させる態様にて、前記係止部及び前記ロック部と、前記連動機構との間をそれぞれ連結する連結部を備えたことをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、係止部及びロック部と、連動機構との間はそれぞれ連結部で連結されている。これにより、比較的大きな収納スペースを要する連動機構を係止部及びロック部と異なる位置、正確にはインレットの軸方向からみて直交する位置に設けることができる。これにより、インレットの形状に応じたプラグロック構造を実現することができ、プラグロック構造を備えたインレットのコンパクト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プラグロック構造において、給電プラグの不正な抜き出しを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】充電システム及びハイブリッド式の車両の構成を示す構成図。
【図2】ロック構造の分解斜視図。
【図3】給電プラグの挿入方向(第1の方向)からみたインレット及びロック構造の断面図。
【図4】給電プラグの挿入前の図3のA−A線断面図。
【図5】給電プラグの挿入中の図3のA−A線断面図。
【図6】給電プラグの挿入後の図3のA−A線断面図。
【図7】ロック状態における図3のA−A線断面図。
【図8】アンロック状態における図3のA−A線断面図。
【図9】他の実施形態におけるインレット及びロック構造の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1に示されるように、ハイブリッド式の車両1には、駆動輪2の駆動源としてエンジンとモータとを組み合わせて使用するハイブリッドシステム3が備えられている。ハイブリッドシステム3は、エンジンの動力のみを機械的に駆動輪2に伝えて走行するモードと、エンジンの動力で発電を行ってモータにより走行するモードと、エンジン及びモータの双方で駆動輪2を直接駆動するモードと、エンジンを使用せずにモータのみで走行するモードの各種モードを有している。
【0018】
ハイブリッドシステム3には、モータに電力を供給するバッテリ4が接続されている。バッテリ4は、エンジンの動力によって発電された電力が充電されるだけでなく、車両1の外部電源91からの電力が充電可能とされている。
【0019】
車両1には、例えば運転者が実際に車両キーを操作しなくてもドアの施解錠を可能とする電子キーシステム70が搭載されている。電子キーシステム70は、車両1との間で相互に無線通信を行う電子キー80を備える。
【0020】
車両1には、電子キー80及び車両1のIDコードの照合を行う照合ECU(Electronic Control Unit)71が設けられている。照合ECU71は、固有のキーコードとしてIDコードが記憶されたメモリ71aを備えている。照合ECU71には、車外LF(Low Frequency)発信機72と、車内LF発信機73と、UHF(Ultra High Frequency)受信機74とが接続されている。車外LF発信機72は、車両1の各ドアに埋設されて車外にLF帯の信号を発信する。車内LF発信機73は、車内床下等に埋設されて車内にLF帯の無線信号を発信する。UHF受信機74は、車内に埋設されてUHF帯の無線信号を受信する。
【0021】
一方、電子キー80には、通信制御部81が設けられている。通信制御部81は、固有のIDコードが記憶されたメモリ81aを備えている。通信制御部81には、LF帯の無線信号を受信するLF受信部82と、通信制御部81の指令に従いUHF帯の無線信号を発信するUHF発信部83とが接続されている。
【0022】
照合ECU71は、車外LF発信機72からLF帯のリクエスト信号Srqを間欠的に発信させることにより、車両1の周辺に車外通信エリアを形成する。車外通信エリアは、車両の周囲に亘り形成される。電子キー80は、車外通信エリアに進入すると、LF受信部82を介してリクエスト信号Srqを受信する。通信制御部81は、LF受信部82を介して受信したリクエスト信号Srqを認識すると、自身のメモリ81aに登録されたIDコードを含ませたUHF帯のIDコード信号Sidを、UHF発信部83を介して発信する。照合ECU71は、UHF受信機74を介してIDコード信号Sidを受信すると、自身のメモリ71aに登録されたIDコードとIDコード信号Sidに含まれるIDコードとのID照合(車外照合)を行う。照合ECU71は、車外照合が成立すると、図示しないドアロック装置による車両ドアの施解錠を許可又は実行する。
【0023】
照合ECU71は、車外照合が成立して車両ドアが解錠された後、ドアが開けられて運転者が乗車したことを認識すると、今度は車内LF発信機73からリクエスト信号Srqを発信して車内全域に車内通信エリアを形成する。上記同様に電子キー80は、車内通信エリアに進入すると、IDコード信号Sidを送信する。照合ECU71は、UHF受信機74を介してIDコード信号Sidを受信すると、自身のメモリ71aに登録されたIDコードとIDコード信号Sidに含まれるIDコードとのID照合(車内照合)を行う。照合ECU71は、車内照合が成立すると、ハイブリッドシステム3の始動を許可する。
【0024】
図1に示すように、車両1に搭載されるバッテリ4は、プラグイン式の充電システム90によって充電される。充電システム90は、住宅や電気スタンド等の外部電源91に接続ケーブル12を介して接続される給電プラグ10を備えている。給電プラグ10は、車両1に接続可能とされている。外部電源91からは交流電力が給電プラグ10を介して車両1に供給される。接続ケーブル12には、充電を開始する際に操作される充電スイッチ92が設けられている。給電プラグ10が車両1に接続された状態において、充電スイッチ92がオン操作又はオフ操作されると、その旨の信号が給電プラグ10を介して車両1に出力される。
【0025】
車両1には、給電プラグ10の接続先としてインレット31が取り付けられている。インレット31は、給電プラグ10を挿し込むコネクタ部品であって、例えば車体の側面に設けられている。インレット31には、後述するロック構造41が設けられている。ロック構造41は、電磁石36を備え、同電磁石36の通電状態を通じて給電プラグ10のロック状態が切り替えられる。具体的には、給電プラグ10がロック状態にあるときインレット31からの給電プラグ10の抜き出しが規制され、給電プラグ10がアンロック状態にあるときインレット31からの給電プラグ10の抜き出しが許容される。
【0026】
インレット31に給電プラグ10が挿し込まれることにより、これらは電気的に接続される。インレット31から送り込まれた交流電力はコンバータ6によって直流電力に変換され、この直流電力がバッテリ4に供給可能とされる。
【0027】
車両1には充電に関わる制御を行う充電ECU75が設けられている。充電ECU75は、図示しない車内LAN(Local Area Network)を介して照合ECU71との間で通信可能とされている。充電ECU75は、当該通信を通じて照合ECU71におけるID照合の成立結果を確認可能である。また、インレット31には、自身に給電プラグ10が挿し込まれたか否かを検出する検知センサ40が設けられている。充電ECU75は、検知センサ40の検出結果を通じて給電プラグ10がインレット31に挿し込まれたことを認識できる。充電ECU75は、車外照合が成立した旨、並びに給電プラグ10がインレット31に挿し込まれた旨認識すると、電磁石36への通電を通じて給電プラグ10をロック状態とする。この状態において、充電ECU75は、充電スイッチ92がオン操作された旨の信号を給電プラグ10及びインレット31を介して受けるとコンバータ6の制御を通じてバッテリ4への給電を開始する。
【0028】
また、車両1におけるインレット31の近傍には、解除スイッチ76が設けられている。解除スイッチ76が操作されると、その旨の信号が充電ECU75に出力される。充電ECU75は、車外照合が成立した旨、並びに解除スイッチ76が操作された旨を認識すると、電磁石36を非通電状態とする。これにより、給電プラグ10がアンロック状態に切り替えられる。
【0029】
次に、給電プラグ10、インレット31及びロック構造41の具体的構成について図2〜図4を参照しつつ説明する。
<給電プラグ>
図4に示されるように、給電プラグ10の内部には、インレット31に挿入される円筒状の嵌着部14が形成されている。この嵌着部14は、給電プラグ10の先端から突出している。嵌着部14の内部には、給電プラグ10をインレット31に電気的に繋ぐ複数の接続端子(図示略)が設けられている。接続端子は、電力線を介して外部電源91に接続されてその送電経路となるパワー端子や、充電スイッチ92に信号線を介して接続されて、そこからの信号の通信経路となる制御端子を備える。なお、接続ケーブル12は、これら電力線及び信号線が絶縁体で被覆されてなる。
【0030】
また、給電プラグ10の内部には、給電プラグ10の長手方向(左右方向)に延出するロックアーム18が設けられている。このロックアーム18は、その長手方向の略中央に位置する回動軸17を中心として回動可能である。ロックアーム18の先端部には係止爪16が形成されている。ロックアーム18の係止爪16と反対側の端部には、給電プラグ10の外部に露出する操作部19が形成されている。係止爪16には、その先端が下側に屈曲されてなる屈曲部16aが形成されている。
【0031】
ロックアーム18と給電プラグ10の内周面との間には付勢ばね15が設けられている。付勢ばね15は、給電プラグ10内における回動軸17及び係止爪16間に設けられている。従って、付勢ばね15は、ロックアーム18を、回動軸17を中心として右回りに付勢する。通常、係止爪16は付勢ばね15が伸長した状態における初期位置に保たれる。ロックアーム18と給電プラグ10の内周面との間には隙間があるので係止爪16は付勢ばね15の弾性力に抗して回動軸17を中心として左方向へ回転可能である。すなわち、操作部19が押圧操作されることで、係止爪16は付勢ばね15の弾性力に抗して回動軸17を中心として初期位置から上側に変位し、操作力が解除されると付勢ばね15の弾性力により初期位置に戻る。
<インレット>
図4に示すように、インレット31には、筒状の挿込口33が形成されている。挿込口33は、給電プラグ10の嵌着部14が挿し込み可能に形成されている。挿込口33の内部には接続端子(図示略)が設けられている。接続端子は、コンバータ6に電力線を介して接続されて外部電源91からの送電経路となるパワー端子や、充電ECU75に信号線を介して接続されて充電スイッチ92からの信号の通信経路となる制御端子を備える。
【0032】
嵌着部14が挿込口33に挿し込まれたとき、嵌着部14の接続端子及び挿込口33の接続端子は電気的に接続された状態となる。すなわち、この状態においては、電力線を介して外部電源91からの電力がバッテリ4に供給可能となり、信号線を介して充電スイッチ92からの信号が充電ECU75に出力可能となる。
【0033】
図4に示すように、インレット31の先端側の外周面には、直方状の案内部21が形成されている。案内部21は、インレット31の基端側(図4右側)に向かうにつれてインレット31の周面を基準とする高さが大きくなる傾斜面21aと、インレット31の周面に対して略垂直をなす垂直面21bとを有する。傾斜面21aは給電プラグ10側に、垂直面21bは車両1側にそれぞれ形成されている。
<ロック構造>
ロック構造41は、図3に示すように、インレット31の上方から側方に亘って形成されるケース35内に設けられている。ロック構造41は、ロックバー42と、回動レバー47と、リンクレバー57と、電磁石36とを備える。ロックバー42、回動レバー47及びリンクレバー57は各々樹脂により形成されている。
【0034】
回動レバー47及びリンクレバー57は、インレット31の上側において、その軸方向に対して垂直方向に延びるピン38を中心として回動可能に設けられている。このピン38の両端は、ケース35の内面に支持されている。また、図4に示すように、ケース35の給電プラグ10側の壁には、係止爪16が挿入される係止孔34が形成されている。この係止孔34は、案内部21に対応する位置に設けられている。
<回動レバー>
図2に示すように、回動レバー47の上部には、屈曲部16aの背面にその下面が当接する板状のロック部48が形成されている。ロック部48は、インレット31の軸方向に沿って延びている。ロック部48の下面には、その先端側(係止爪16側)に向かうにつれて薄くなる態様で傾斜面48aが形成されている。ロック部48の基端側の側面には、上下方向に延びる面を有する正方形状の第1の回動板49が形成されている。第1の回動板49におけるロック部48と反対側の面には円柱状の凸部49bが形成されている。この第1の回動板49の中央には、ピン38が挿通されるピン通孔49aが形成されている。
【0035】
第1の回動板49の下部には、L字板状の第1の連結部51が形成されている。この第1の連結部51は、図3に示すように、車外側においてインレット31の軸方向(第1の方向)からみたとき、「L」を90度右回りに回転させた形状でなる。
【0036】
第1の連結部51の下部には、電磁石36を保持する直方状の保持部53が形成されている。保持部53は、第1の方向からみたとき、インレット31の左側方に位置する。保持部53のインレット31側の面には、電磁石36の外形に応じた凹部53aが形成されている。この凹部53aには、電磁石36が嵌め込まれている。この電磁石36は、例えば、コイル及びコアを備える。すなわち、電磁石36は、自身のコイルに通電されているとき周囲に磁力を発生させる。
【0037】
第1の回動板49のピン通孔49aにはピン38が挿通されている。このピン38には、トーションスプリング54のコイル部54aが挿通されている。図4に示すように、トーションスプリング54の一端は凸部49bに係止されるとともに、その他端はケース35の内頂面に係止される。コイル部54aの弾性力により、凸部49bを介して回動レバー47は、図4における反時計方向、すなわち、ロック部48が係止爪16に接近する方向(第2の方向)へ常時付勢される。トーションスプリング54は、ロック部48を係止部45と上下方向に一定距離を持って離間した初期位置(図4の位置)に保持する。ロック部48は、初期位置から係止爪16に対して離間する方向(第3の方向)への外力が印加されたとき、回動レバー47はトーションスプリング54の弾性力に抗してピン38を中心に第3の方向へ変位する。ロック部48への外力の印加が解除されると、回動レバー47、ひいてはロック部48は、トーションスプリング54の弾性力により第2の方向へ変位して初期位置に復帰する。
<リンクレバー>
図2に示すように、リンクレバー57は、第1の回動板49と同様の形状でなる第2の回動板59を備える。第2の回動板59は、図3に示すように、第1の回動板49におけるロック部48側の面と面接触する態様で設けられている。第2の連結部61はインレット31を迂回する態様でインレット31の径方向(図3の左方)へ延び、さらに下方へ屈曲されて、保持部53に対応する位置まで延出されている。第2の回動板59にも、ピン通孔59aが形成されていて、このピン通孔59aにピン38が挿通される。従って、両回動板49,59、ひいては回動レバー47、リンクレバー57は、それぞれ同一のピン38を中心に回動する。図2に示すように、第2の回動板59の下面には、第1の連結部51と同様の形状でなる第2の連結部61が形成されている。図3に示すように、第1の方向からみて第2の連結部61は第1の連結部51のインレット31側に設けられている。両連結部51,61は、両レバー47,57がピン38を中心として可動範囲内にて回動する際に、互いに干渉しない程度に上下方向の面間距離が保たれている。
【0038】
また、第2の連結部61の下部には、電磁石36に対応する位置には固定部62が形成されている。固定部62の電磁石36側の面には磁性体である鉄板63が嵌め込まれている。前述のように、電磁石36は、通電時に磁力を発生させる。従って、通電時においては、電磁石36は鉄板63に吸着する。このときには、両レバー47,57は、一体でピン38を中心として回動する。また、非通電時には、各レバー47,57は別個に回動する。
【0039】
また、図2に示すように、第2の連結部61における固定部62の第1の方向と反対側の部分には、連動部64が形成されている。図4に示すように、連動部64は、第2の連結部61における給電プラグ10側の側面に対して突出して設けられている。連動部64は、楕円板状で形成されるとともに、その長手方向が給電プラグ10側に向かうにつれて下側に傾斜する向きに設けられている。連動部64には、その長手方向に沿う長孔64aが形成されている。
<ロックバー>
図4に示すように、ロックバー42の上部には、当接部43が形成されている。当接部43は、ピン38の軸方向からみてL字角棒状に長手部44及び係止部45から形成されている。長手部44は、インレット31の上側にその軸方向に沿う態様で設けられている。長手部44の下面は、その全長に亘ってインレット31に接触している。また、係止部45は、長手部44の先端が上方に直角に屈曲されて形成されている。係止部45は垂直面21bに対して僅かに離間した状態で対向している。係止部45の垂直面21bと反対側の部分には、長手部44の上面に対して直交する係止面45aが形成されている。長手部44がインレット31に接した状態において、係止部45の上面は、案内部21の上面と同一の高さで形成されている。また、係止部45の上面は、初期位置におけるロック部48の傾斜面48aと上下方向において対面している。ケース35の係止孔34は、ロック部48及び係止部45間に対応する位置に設けられている。詳しくは後述するが、給電プラグ10がインレット31に挿し込まれたとき、ロック部48及び係止部45間には係止孔34を介して係止爪16が進入して、その屈曲部16aは係止部45に係止される。なお、係止爪16及び係止部45等が給電プラグ10のインレット31からの引き抜きを規制するプラグ保持機構に相当する。
【0040】
図3に示すように、係止部45には、ケース35の内面側(右側)に突出するスライド凸部67が形成されている。スライド凸部67は、上下方向に延びる板状に形成される。ケース35の内面におけるスライド凸部67に対応する位置には、上下方向に延びるスライド溝35aが形成されている。このスライド溝35aは、インレット31の上面からピン38の下方に亘って形成されている。ロックバー42は、スライド凸部67を介してスライド溝35aに沿って上下方向に変位する。
【0041】
図2に示すように、ロックバー42には、第2の連結部61と同様にインレット31を迂回する態様で第3の連結部50が形成されている。第3の連結部50は、長手部44の係止部45と反対側の端部に設けられている。第3の連結部50は、図3に示すように、第2の連結部61のインレット31側に設けられている。また、第3の連結部50の下部において連動部64に対応する面には、円柱状の連結軸46が形成されている。連結軸46は、インレット31側から長孔64aに挿通される。連結軸46は長孔64aに沿って相対変位可能に形成されている。
【0042】
リンクレバー57が初期位置にあるとき、連動部64は長孔64a内の連動部64の先端側に位置する。図4に示すように、リンクレバー57が第3の方向(時計方向)に回動したとき、それに連動して連結軸46が長孔64a内を連動部64の基端側に変位する。これに伴いロックバー42は上側に変位する。また、リンクレバー57が第2の方向(反時計方向)に回動したとき、それに連動して連結軸46は長孔64a内を連動部64の先端側に変位する。この連動部64の変位に伴いロックバー42は下側に変位する。ロックバー42の下側への変位は、ロック部48の下面がインレット31に当接することにより規制される。すなわち、リンクレバー57は、回動レバー47の回動をロックバー42の上下方向への変位に変換する。
【0043】
また、図4に示すように、ケース35の内面における係止部45の案内部21と反対側に対応する位置には、検知センサ40が設けられている。検知センサ40は、係止爪16の接近を検出する近接センサである。検知センサ40は、係止爪16の接近に応じた制御信号を充電ECU75に出力する。充電ECU75は、検知センサ40の検出結果に基づき、係止爪16が係止部45に係止されたか否か、ひいては給電プラグ10がインレット31に挿し込まれた否かを認識する。
【0044】
次に、給電プラグ10のロック状態及びアンロック状態におけるロック構造41の作用について図4〜図8を参照しつつ説明する。なお、給電プラグ10がインレット31に挿し込まれていない状態においては電磁石36に通電はされていない。
【0045】
図4に示すように、給電プラグ10の嵌着部14が挿込口33に接近するのに伴い、係止爪16の屈曲部16aは傾斜面21aを介して案内部21を登っていく。係止爪16が傾斜面21aを登るにつれてロックアーム18は付勢ばね15の付勢力に抗して回動軸17を中心として左方向へ回転する。
【0046】
さらに、給電プラグ10がインレット31に押し込まれることで、図5に示すように、屈曲部16aが案内部21の上面から係止部45の上面へと摺動する。
やがて、係止爪16の背面はロック部48の傾斜面48aに当接する。この状態で、給電プラグ10が押し込まれると、係止爪16の挿入方向への力は傾斜面48aを介して回動レバー47の回転力に変換される。すなわち、係止爪16の背面は、トーションスプリング54の弾性力に抗して回動レバー47を第3の方向へ回転させる態様で押し退ける。また、このとき、電磁石36は非通電状態であるため、回動レバー47の回動にロックバー42及びリンクレバー57は連動せず、回動レバー47のみが回動する(非連動状態)。
【0047】
さらに、給電プラグ10がインレット31に押し込まれることで、図6に示すように、屈曲部16aが係止部45の上面を経て係止面45aを超える。このとき、付勢ばね15の付勢力により係止爪16(ロックアーム18)は右方向へ回転して下側に変位する。これにより、係止爪16の屈曲部16aは係止部45に係止される。この係止爪16が係止状態にあるとき、操作部19が操作されない限り、給電プラグ10はインレット31に挿し込まれた状態に保持される。
【0048】
前述のように、充電ECU75は、検知センサ40を通じて係止爪16が係止部45に係止されたことを認識可能である。そして、充電ECU75は、係止爪16の係止状態を認識した旨、並びに車外照合が成立した旨を認識すると、電磁石36への通電を開始する。これにより、給電プラグ10はロック状態となる。
【0049】
すなわち、電磁石36は、通電されることで磁力を発生させる。この磁力により鉄板63は電磁石36に吸引される。これにより、回動レバー47及びリンクレバー57は一体で回動し、リンクレバー57の回動に連動してロックバー42は上下方向に変位する(連動状態)。具体的には、図7に示すように、操作部19が操作されることで、付勢ばね15の弾性力に抗して係止爪16は上側に変位する。このとき、係止爪16の背面は、ロック部48(回動レバー47)を押し上げることにより第3の方向へ回動させる。この回動レバー47の回動に伴いリンクレバー57も第3の方向へ回動する。リンクレバー57は、長孔64a及び連結軸46を介してロックバー42を上側に変位させる。このように、ロック部48の変位に追従して係止部45は変位する。このため、操作部19の操作を通じて係止爪16は上方へ変位するものの、係止爪16は、ロック部48及び係止部45間に挟み込まれた状態、すなわち、係止状態に維持される。このロック状態において、充電ECU75は、充電スイッチ92のオン操作がされた旨の信号を受けるとバッテリ4の充電を開始する。
【0050】
バッテリ4の充電が完了すると解除スイッチ76が操作される。充電ECU75は、車外照合が成立した旨を確認した旨、並びに解除スイッチ76が操作された旨を認識すると、電磁石36への通電を停止する。これにより、給電プラグ10はロック状態からアンロック状態とされる。具体的には、電磁石36が非通電状態とされると、磁力による回動レバー47及びリンクレバー57間での吸着力が解消され、再び、非連動状態となる。この状態においては、回動レバー47はリンクレバー57に対して相対回動可能となる。従って、図8に示すように、操作部19が操作されることで、ロック部48(回動レバー47)のみが係止爪16の背面を介して第3の方向へ回動される。このとき、ロックバー42の係止部45は、ロック部48に追従しないため、係止爪16の係止状態が解除される。この状態を保ちつつ、給電プラグ10を手前側に引っ張ることで給電プラグ10をインレット31から引き抜くことが可能となる。
【0051】
以上のように、電磁石36を通電状態とすることで、給電プラグ10をロック状態として給電プラグ10の不正な抜き出しを規制することができる。
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
【0052】
(1)ロックバー42は係止爪16を係止させる係止部45を備え、回動レバー47のロック部48は係止状態にある係止爪16に係止部45と反対側から接した状態となる。また、電磁石36を通電させることで、ロックバー42を回動レバー47に連動させることができる。具体的には、操作部19が操作されると、係止爪16は、係止状態が解除される方向(上方)へ変位するとともにその背面で回動レバー47を回動させる。この回動レバー47の回動に連動してロックバー42は係止爪16の係止状態が解除される方向へ変位するため、係止状態が解除されることはない。このように、電磁石36を通電状態とすることで、給電プラグ10をロック状態として給電プラグ10の不正な抜き出しを規制することができる。
【0053】
また、電磁石36に通電されていないときには、給電プラグ10の抜き出しが許容されるアンロック状態とすることができる。具体的には、電磁石36の非通電状態においては、リンクレバー57及び回動レバー47は相対変位可能となる。この状態において、操作部19が操作されると、上記ロック状態と同様に、回動レバー47は係止爪16により回動させられる。この回動レバー47の回動に伴いリンクレバー57、それに連動するロックバー42は変位しないため、係止爪16の係止状態は解除され、給電プラグ10のインレット31からの引き抜きが可能となる。
【0054】
また、電磁石36を利用することで、回動レバー47及びリンクレバー57間で力を伝達する部材等が不要となり、ロック構造41をより簡易な構成とすることができる。
(2)リンクレバー57(連動部64)により回動レバー47の回動がロックバー42における係止爪16の係止状態が解除される方向(上方)への運動に変換される。このため、ロック状態においては、ロックバー42の係止部45は係止爪16の係止状態が解除される方向への動きに合わせて変位することが可能となる。これにより、より確実に係止爪16の係止状態を維持することができる。
【0055】
(3)回動レバー47、リンクレバー57及びロックバー42には、それぞれ連結部50,51,61が形成されている。これら連結部50,51,61により、図3に示すように、係止部45及びロック部48等の係止爪16の係止に関する機構部と、保持部53、鉄板63及び連結軸46等の両レバー47,57の連動状態の切り替えに関する機構部との位置を異ならせている。具体的には、図3に示されるように、第1の方向からみて、両機構部は、インレット31の周面に対して約90度の間隔で離間して位置している。これにより、特定方向においてロック構造41を備えたインレット31の体格が大きくなることが抑制される。具体的には、両機構部を全てインレット31の上部に設置した場合、図3の2点鎖線で示すように、ロック構造41が左右方向に大きくなる。ここで、インレット31は、車両側部に凹状に形成される充電口内に設けられる。この充電口のサイズは予め決まっており、ロック構造41が特定方向に大きい場合、充電口に収まらないおそれがある。その点、上記構成においては、特定方向にロック構造41を備えたインレット31の体格が大きくなることが抑制されているため、充電口内に収めることができる。
【0056】
(4)ロック状態においては、係止爪16の変位に伴いロック部48及び係止部45が変位することで、係止爪16の係止状態が維持される。このように、ロック状態においても係止爪16の変位は可能に構成される。ここで、係止爪16の係止状態を維持する構成として、例えば、係止爪16との接触を通じてその動きを規制するロック部材を設けることが考えられる。このような構成においては、操作部19の押圧操作に伴い係止爪16からロック部材に力が加わることになる。このため、この力を考慮してロック部材の材質、形状を設定する必要があった。その点、本例においては、係止状態は維持するものの係止爪16の動きは規制しないため、係止爪16からの力を考慮してロック部48を形成する必要がない。従って、ロック構造41をよりコンパクトに構成することができる。
【0057】
また、係止爪16の変位によって、回動レバー47及びリンクレバー57を相対回動させるような力は生じない。従って、電磁石36及び鉄板63間での磁力による吸着力は比較的小さくて済み、電磁石36の体格、ひいてはロック構造41をコンパクトに構成することができる。また、電磁石36及び鉄板63間の吸着力は比較的小さくて済むため、電磁石36へ通電する電力を低減することができる。
【0058】
(5)電磁石36及び鉄板63等の連動機構は、車外側からみて奥側に設けられている。換言すると、連動機構が奥側に配置されるように、ロック部48及び長手部44は車外側に延出するように形成されている。これにより、例えば、車外側から係止孔34を介して工具等による電磁石36等への攻撃を抑制することができる。
【0059】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態においては、電子キーシステムとして、電子キー80及び車両1間でリクエスト信号Srq及びIDコード信号Sidの授受を介して行われる、いわゆる操作フリーキーシステムを採用していた。しかし、電子キー80及び車両1間でのID照合が可能であれば、電子キー80から車両1に単方向にリクエスト信号が送信されるワイヤレスキーシステムを採用してもよい。さらに、電子キーシステムを省略してもよい。この場合、例えば、メカニカルキーによって車両ドアが施錠されたとき、給電プラグ10をロック状態とする。そして、メカニカルキーによって車両ドアが解錠されたとき、給電プラグ10をアンロック状態とする。すなわち、車両ドアの施解錠状態に応じて給電プラグ10のロック状態が切り替わる。以上のような、車両ドアの施解錠状態に基づき給電プラグ10のロック状態を切り替える構成は、メカニカルキーを採用した場合に限らず、上記実施形態の電子キーシステム及びワイヤレスキーシステムにおいても採用することができる。
【0060】
・上記実施形態においては、検知センサ40は、近接センサであったが、係止爪16が係止部45に係止しているか否かを監視可能であれば、例えば押圧センサ等であってもよい。押圧センサは、係止爪16が係止部45に係止されたときに押圧される位置に設ける必要がある。
【0061】
・上記実施形態においては、回動レバー47及びリンクレバー57は、インレット31の軸方向に対して直交する方向に延びるピン38を中心に回動可能に設けられていた。しかし、インレット31の軸方向に沿ってピン38を設けてもよい。具体的には、図9に示すように、ピン38がインレット31の軸方向に沿うように、ロック構造41をインレット31に設置する。本構成においては、係止爪16は、ロック部48と係止部45との間に側方から挿入される。ロック部48は同係止爪16の上面に当接する。係止爪16の屈曲部16aは、係止部45のリンクレバー57側の側面69に係止される。本構成においても、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0062】
・上記実施形態においては、各連結部50,51,61により、係止部45及びロック部48等の係止爪16の係止に関する機構部と、保持部53、鉄板63及び連結軸46等の両レバー47,57等の連動状態の切り替えに関する機構部との位置を異ならせていた。しかし、各連結部50,51,61を省略して構成してもよい。この場合であっても、両レバー47,57及びロックバー42の連動関係は上記実施形態と同様に構成することができる。
【0063】
・上記実施形態においては、回動レバー47に電磁石36が設けられ、リンクレバー57に鉄板63が設けられていた。しかし、逆に回動レバー47に鉄板63を設け、リンクレバー57に電磁石36を設けてもよい。
【0064】
・上記実施形態においては、電磁石36が発生させる磁力を通じた鉄板63との間での吸引力により、通常相対回動する回動レバー47及びリンクレバー57を一体で回動可能としていた。しかし、回動レバー47及びリンクレバー57を一体で回動可能とする構成であれば、上記構成に限定されない。例えば、プランジャを進退運動させる吸引ソレノイド又は自己保持ソレノイドを利用して、機械的に回動レバー47及びリンクレバー57を連結してもよい。吸引ソレノイド又は自己保持ソレノイドは、その通電状態を切り替えることで、本体から延びるプランジャが進退運動する。吸引ソレノイド等は、上記実施形態の電磁石36と同様に、保持部53に保持され、そのプランジャは固定部62の厚さ方向に進退する。ここで、固定部62におけるプランジャに対応する部分には、同プランジャが進入する貫通孔が形成される。この貫通孔は、プランジャの外形と同形状でなる。すなわち、プランジャが突出した状態における回動レバー47の回動はプランジャを通じてリンクレバー57に伝達される。また、プランジャが吸引ソレノイド等の本体に引き込まれた状態においては、回動レバー47及びリンクレバー57は相対回動可能となる。また、プランジャに相当する部材が進退運動可能であれば、吸引ソレノイド又は自己保持ソレノイドに限らず、モータであってもよい。この場合、モータの回転運動を直線運動に変換する変換機構を設ける必要がある。
【0065】
・上記実施形態においては、回動レバー47の回動をロックバー42の上下運動に変換するリンクレバー57が設けられていたが、これを省略してもよい。この場合、鉄板63はロックバー42に設けられる。また、スライド凸部67を省略するとともに、電磁石36に通電したとき、ロックバー42は回動レバー47と一体回転可能に設ける。
【0066】
・上記実施形態においては、給電対象はハイブリッド式の車両であったが、給電対象は電気自動車であってもよい。また、給電プラグ10を通じて給電が行われるものであれば、給電対象は車両に限定されない。
【0067】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜4の何れか一項に記載のプラグロック構造において、前記係止爪を外部から前記係止部及び前記ロック部間に進入させる係止孔が形成されるとともに、前記プラグロック構造を覆うケースを備え、前記連動機構は、前記ロック部及び前記係止部に比して給電対象側に設けられるプラグロック構造。
【0068】
同構成によれば、連動機構は給電対象側に構成される。このため、例えば、係止孔を介した工具等による連動機構への攻撃を抑制することができる。
【符号の説明】
【0069】
1…車両、2…駆動輪、3…ハイブリッドシステム、10…給電プラグ、16…係止爪、21…案内部、31…インレット、36…電磁石、41…ロック構造、42…ロックバー、45…係止部、47…回動レバー、48…ロック部、50,51,61…第1〜第3の連結部、57…リンクレバー、70…電子キーシステム、71…照合ECU、75…充電ECU、80…電子キー、90…充電システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電対象に固定されるインレットに給電プラグが挿し込まれた状態において、同給電プラグに設けられる係止爪がこれに対応して設けられる係止部に係止されることにより前記給電プラグを抜け止め状態とする一方で、同給電プラグに設けられる操作部の操作に連動して前記係止爪が前記係止部と反対側である解除方向に変位することを通じて前記係止爪の係止状態が解除されることにより前記給電プラグを引き抜き可能とするプラグ保持機構における、前記操作部の操作を通じた前記係止状態の解除を規制するプラグロック構造において、
前記係止状態にある前記係止爪の前記係止部と反対側の部分を同係止部へ向けて弾性的に押圧するロック部を有するとともに、前記係止爪の解除方向への変位に伴い前記ロック部が前記押圧する方向と反対側へ付勢されることにより回動する回動レバーと、
前記係止部を備えるとともに、前記係止爪の解除方向に応じた方向へ変位可能とされるロックバーと、
前記係止爪の解除方向への変位に伴い前記回動レバーのみを回動させる非連動状態と、前記係止爪の解除方向への変位に伴う前記回動レバーの回転運動を前記解除方向に応じた方向への運動として前記ロックバーに伝達する連動状態との間で前記回動レバー及び前記ロックバーの連動状態を切り替える連動機構と、を備えたプラグロック構造。
【請求項2】
請求項1に記載のプラグロック構造において、
前記連動機構は、前記連動状態にあるとき、前記回動レバーの回転運動を前記ロックバーの前記解除方向への運動に変換するリンクレバーを備えたプラグロック構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプラグロック構造において、
前記連動機構は、通電により磁力を発生する電磁石及び同電磁石との間で磁力による吸着力を発生させる磁性体を備え、
前記電磁石の通電時には前記吸着力により前記連動状態となり、前記電磁石の非通電時には前記吸着力が消滅することにより前記非連動状態となるプラグロック構造。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のプラグロック構造において、
前記ロックバー及び前記回動レバーは、前記インレットの軸方向からみて前記係止部と前記インレットとが対向する方向に対して直交する方向において前記連動機構を前記インレットと対向させる態様にて、前記係止部及び前記ロック部と、前記連動機構との間をそれぞれ連結する連結部を備えたプラグロック構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−243341(P2011−243341A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112903(P2010−112903)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】