説明

プラスチックパッケージングの保存寿命を延ばすための二酸化炭素調節剤の使用

【課題】プラスチックパッケージングの保存寿命を延ばすための、炭酸飲料容器内二酸化炭素ガス補充方法。閉止部材(蓋)、プラスチック容器および二酸化炭素調節剤を含む、炭酸飲料の一定圧力を維持するパッケージングシステム。
【解決手段】容器から二酸化炭素が抜ける速度にほぼ等しい速度で、二酸化炭素調節剤が二酸化炭素を放出する。二酸化炭素調節剤は、高分子カーボネート;有機カーボネート;又は二酸化炭素を吸収し続いて放出する材料を含む。二酸化炭素調節剤用アセンブリの周りにプレフォームをオーバーモールドするか又は炭酸飲料用容器本体を形成するために使用するプラスチック材料に二酸化炭素調節剤をブレンドするパッケージングシステム

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
取扱やすさ、軽量および非破壊性が要求されるボトル詰め飲料において、プラスチックおよび金属容器がガラスにとって代わりつつある。プラスチックパッケージング、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルは、炭酸製品、例えば、ビール、ソフトドリンク、静水および幾つかの日用品のパッケージングに広く使用されている。これらの製品の各々については、その最適品質を維持するためにパッケージ内にある最適量の炭酸化すなわち二酸化炭素(場合によっては、本明細書で、“CO”と称す)圧のある最適量が存在する。慣用的なプラスチックパッケージングにおいて、CO圧を長時間この最適レベルに維持することは難しい。
【背景技術】
【0002】
プラスチックパッケージングは、CO透過性であり、ボトル内の圧力は経時的に減少する。最終的に、所定量の炭酸が抜けると、製品はもはや使用に適さなくなる。これは、通常、風味または味の顕著かつ許容不能な変化によって決定される。これが生ずる時点が、概して、パッケージの保存寿命を規定する。COが抜ける速度は、パッケージの重量および寸法に大きく依存し、かつ、貯蔵される温度に依存する。より軽くてより薄いボトルほど、より迅速に炭酸が抜け、高い内部圧力に耐えかねず、保存寿命が短くなる。プラスチックボトルが小さくなるほど、炭酸が抜ける相対速度は、より迅速となる。高温ほど、透過は速くなり、保存寿命が短くなり、高温気候にてプラスチック容器内に炭酸飲料を貯蔵して、なお、適当な保存寿命を維持することは困難となる。より長い保存寿命、より軽量、より安価なプラスチックボトルおよび冷却することなくより長くボトルを貯蔵する能力は数多くの経済的利点を有する。
【0003】
上記した問題には、種々のアプローチが試みられてきた。炭酸飲料の保存寿命を延ばすための簡単な方法は、充填時に、さらなる二酸化炭素を加えることである。これは、現在、炭酸ソフトドリンク用およびビール用に使用されているが、その有効性は、過炭酸化が製品の品質に及ぼす影響およびこれがボトルの物理的性能に引き起こすネガティブな効果により妨げられる。パッケージ内の内部圧力の小さな差が、飲料の発泡性に顕著な差を引き起こす。溶解したCOは、また、味にも影響を及ぼす。これらの厳密な要件は、製品によって変化する。
【0004】
過炭酸化は、また、パッケージの圧力限界によっても妨げられる。ボトルをより耐圧性にすることも可能であるが、ボトル構築におけるさらなる材料の使用またはよりエキゾチックなより高性能のプラスチックの使用を必要とする。
【0005】
炭酸化は、CO透過速度を低下させることによって維持することができる。典型的には、PETボトルへの二次バリヤーコーティングの塗膜、PETよりもさらに高価で透過性の乏しいポリマーの使用、多層ボトル構造の成形加工、または、これら方法の組み合わせが挙げられる。これらの製造アプローチは、典型的なポリエステルボトル製造において生じるよりも常に著しくより高価であり、これらは、特にリサイクルで新たな問題を生ずることが多い。
【0006】
二酸化炭素発生材料が、炭酸飲料の保存寿命を延ばすために当分野で使用されてきた。二酸化炭素で処理されたモレキュラーシーブは、水と結合した二酸化炭素の反応によって炭酸飲料に使用されてきた。
【0007】
Hekalに対して発行されたU.S.特許No.6,852,783およびFreedman et al.に対するU.S.特許出願2004/0242746 A1には、炭酸飲料用のパッケージングに組み込まれ得るかまたは挿入され得るCO放出組成物が記載されている。これらの参考文献における組成物は、熱可塑性樹脂にブレンドされる二酸化炭素の供給源として25重量%を上回る無機炭酸塩を記載している。炭酸水素ナトリウム25%を負荷した32gのPETボトルは、45グラムの二酸化炭素を放出する潜在能力を有する。これは、ビール用PETボトルに塗膜するために必要とされるよりもほぼ10倍も高く、パッケージの安全でない加圧を生じやすいであろう。これらの構造物は、また、特に、それらが水分に対するはるかに低い透過速度を有するポリエチレンとは対照的に、ポリエチレンテレフタレートで製造される場合、長期間にわたって圧力を調節するためにはそれらの二酸化炭素を放出するのが早すぎる。我々は、このような高い負荷レベルがパッケージにはるかに多量の二酸化炭素を放出する潜在能力を有するので、このような高い負荷レベルは我々の用途には不適切であることを見出した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、炭酸飲料容器中の二酸化炭素ガスを補充するための方法に係る。この方法は、飲料容器内またはその容器の閉止部材内に二酸化炭素調節剤を挿入し;前記二酸化炭素調節剤から化学反応により二酸化炭素を放出する工程を含む。二酸化炭素の放出は、前記容器から二酸化炭素が抜ける速度にほぼ等しい速度に調節される。
【0009】
本発明は、また、炭酸飲料容器に二酸化炭素ガスを補充するための方法に係る。この方法は、容器または容器の閉止部材に二酸化炭素調節剤を挿入し;続いて、前記容器から二酸化炭素が抜ける速度にほぼ等しい速度に二酸化炭素調節剤からの二酸化炭素の放出を調節する工程を含む。
【0010】
本発明は、また、炭酸飲料の一定の圧力を維持するためのパッケージングシステムであって、閉止部材(蓋)、プラスチック容器および二酸化炭素調節剤を含むパッケージングシステムに係る。
【0011】
本発明は、また、炭酸飲料の一定の圧力を維持するためのパッケージングを製造するための方法であって、二酸化炭素調節剤用アセンブリの周りにオーバーモールド(外側被覆)する工程を含む方法に係る。
【0012】
本発明は、また、炭酸飲料の一定の圧力を維持するためのパッケージングシステムを製造するための方法であって、炭酸飲料用容器本体を形成するために使用されるプラスチック材料内に二酸化炭素調節剤をブレンドする工程を含む方法に係る。
【0013】
本発明は、また、炭酸飲料容器に二酸化炭素を補充するための二酸化炭素調節剤組成物であって、高分子カーボネートおよび有機カーボネートを、個々に、または、組み合わせて含む組成物に係る。
【0014】
本発明は、また、炭酸飲料容器内に二酸化炭素ガスを補充するための二酸化炭素調節剤組成物であって、二酸化炭素を吸収し、続いて、放出する材料を含む組成物に係る。
本明細書で使用する場合、“炭酸飲料”とは、二酸化炭素ガスが約2〜約5vol CO/vol HOの範囲で溶解している水溶液であり、好ましくは、炭酸ソフトドリンクについて約3.3〜約4.2vol CO/vol HOの範囲であり、ビールについて約2.7〜約3.3vol. CO/vol HOの範囲である。
【0015】
本明細書で使用する場合、“二酸化炭素調節剤”は、調節された化学反応プロセスを通してCOを緩やかに放出することによるか;または、この放出速度がパッケージからCOが抜ける速度とほぼ等価である物理的プロセスを通してCOを吸収および脱着することにより、ある時間、パッケージ内でより一定な二酸化炭素圧力を維持する働きをする組成物である。
【0016】
適したCO調節剤としては、高分子カーボネート類、環式有機カーボネート類、有機カーボネート類、例えば、アルキルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ビニルカーボネート、グリセリンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルピロカーボネート、メチルピロカーボネート、ジアルキルカーボネートまたはそれらの混合物;無機炭酸塩、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸第1鉄、炭酸カルシウム、炭酸リチウムおよびそれらの混合物;モレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭、シリカゲルおよび配位ポリマー、金属有機骨格(MOF’s)およびイソレクチキュラー金属有機骨格(IRMOF’s)が挙げられる。使用されるCO調節剤の量は、容器の保存寿命にわたって容器から抜ける二酸化炭素の量に依存する所望の二酸化炭素の放出量に依存する。
【0017】
CO調節剤が置かれるボトルの領域としては、ボトルの閉止部材(bottle closure)、ボトルの口部(bottle finish)/首部、ボトルの底部が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、あるいは、ボトルを構成するプラスチック樹脂内にブレンドされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、二酸化炭素調節剤のPETビールボトルの性能に及ぼす効果を示すグラフである。
【図2】図2は、二酸化炭素調節剤の炭酸ソフトドリンクボトルの性能に及ぼす効果を示すグラフである。
【図3】図3は、ディスクインサートとライナーとを有する二酸化炭素調節剤閉止部材(蓋)を示す写真である。
【図4】図4は、ディスクとライナーとを有する二酸化炭素調節剤アセンブリを示す写真である。
【図5】図5は、インサートプラグアセンブリを有する二酸化炭素調節剤閉止部材(蓋)を示す写真である。
【図6】図6は、二酸化炭素調節剤口部インサートアセンブリを示す写真である。
【図7】図7は、水蒸気によって活性化された有機カーボネートについての二酸化炭素収率を示すグラフである。
【図8】図8は、二酸化炭素放出速度に及ぼす小袋材料の効果を示すグラフである。
【図9】図9は、ボトル内部圧力に関する二酸化炭素損失を示すグラフである。
【図10】図10は、20オンスボトル内の二酸化炭素のプレサチュレーション(presaturation)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
二酸化炭素調節剤として使うことのできる多種多様な組成物が存在する。これら組成物は、2つのカテゴリーに入る。第1のカテゴリーは、調節された化学反応により二酸化炭素を発生または放出する組成物である。このような組成物としては、a)ポリマー、例えば、加水分解の際に、特に、酸の存在下で二酸化炭素を放出する有機および無機カーボネート基または酸素とのポリマーの反応の分解副生物として二酸化炭素を発生する脂肪族ポリケトンが挙げられる。触媒、結合剤およびその他の添加剤をこれらの物質と組み合わせると、二酸化炭素放出プロセスを調節する補助となり得る。また、このような組成物としては、b)有機カーボネート類、例えば、アルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ビニルカーボネート、グリセリンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルピロカーボネート、メチルピロカーボネート、環式カーボネートアクリレート類、例として、トリメチロールプロパンカーボネートアクリレート;および、酸、例えば、クエン酸またはリン酸との反応によって高めることのできる加水分解の際に二酸化炭素を発生するジアルキルジカーボネート類が挙げられる。
【0020】
第2のカテゴリーは、二酸化炭素を貯蔵し、ついで、二酸化炭素がパッケージから抜けると、容器内に二酸化炭素を放出する収着組成物である。これらとしては、吸着剤、例えば、シリカゲル;モレキュラーシーブ、ゼオライト、粘土、活性アルミナ、活性炭;および、ゼオライトに類似した金属酸化物および有機酸の結晶質材料である配位ポリマー、金属有機骨格、すなわち“MOF’s”;および、イソレクチキュラー金属有機骨格、すなわち“IRMOF’s”が挙げられる。これらの材料は、種々のポアサイズ(孔径)および二酸化炭素貯蔵能を有するように設計することができる。
【0021】
上記した種々の二酸化炭素発生剤は、容器または閉止部材を構成するポリマーにブレンドすることができる。これらは、また、多層閉止部材、ライナーまたはボトル設計にて層として存在することもできる。あるいは、これらは、ボトルの閉止部材の頂部に置くことのできるインサートまたはディスクに、または、容器の口部に置くことのできるインサートに成形することができる。幾つかのデザインを図3〜図6に示す。
【0022】
水分を使用してCOの放出速度を調節するシステムにて、二酸化炭素調節剤は、水分およびCOに対するその透過性について選択される適当なポリマーで封入するかまたは前記適当なポリマーとブレンドすることができる。封入またはバリヤーポリマーを適切に選択することによって、CO放出速度を調節してパッケージからCOが抜ける速度と符合させるために水分透過速度が使用され、それによって、ある期間、ほぼ一定の内部CO圧力を維持するパッケージを実現することができる。この期間は、調節期間と称される。
【0023】
酸素を使用してCOの放出速度を調節するシステムにて、二酸化炭素調節剤は、酸素およびCOに対するその透過性について選択される適当なポリマーで封入するかまたは前記適当なポリマーとブレンドすることができる。さらにまた、適切な選択によって、CO発生速度を調節して、パッケージからCOが抜ける速度に符合させ、ある期間、ほぼ一定の内部CO圧力を維持することができる。
【0024】
二酸化炭素調節剤をCO吸収材料から製造する時、保存寿命を延ばすために必要とされるさらなるCOは、充填時点で、過炭酸化により組み込まれる。パッケージは、保存寿命の所望される増加、調節期間およびパッケージのCO透過性に基づき、必要とされる厳密な量のCOで過炭酸化され得る。CO調節材料は、パッケージが過剰のCOにより変形してしまう前に、この過剰のCOを迅速に吸収する必要がある。この吸収は、約6時間以内に、好ましくは、約1時間で生ずる必要がある。CO調節剤は、ついで、パッケージそれ自体から二酸化炭素が抜ける速度未満か、または、好ましくは、ほぼ等しい速度で、吸収した二酸化炭素を放出する必要がある。これにより、均一かつ安定な内部CO圧力が確実に維持されるであろう。個々の調節剤組成物の性能は、当業者周知の適切な乾燥、含浸および成形加工条件によって最適化することができる。パッケージの空間を効率的に使用できるように、二酸化炭素調節剤の体積を最小化することが好ましい。
【0025】
あるいは、容器の通常の使用中に容器から抜けるCOを代替するのに十分なCOガスを二酸化炭素調節剤が吸収しかつ保持するように、二酸化炭素調節剤をCOガス環境に供することによってCOを予め装填するのがよい。
【0026】
二酸化炭素調節剤は、幾つかの方法によりパッケージに組み込むことができる。これらとしては、小さなカップ中かまたは成形加工したディスクとしてのいずれかで閉止部材(蓋)内に置くことができるが、これらに限定されるものではない。これらは、図3〜図5に示す。
【0027】
これらのデザインは、幾つかの部材;閉止部材(蓋)本体;二酸化炭素調節材料;および、二酸化炭素調節剤を支持し、パッケージ内容物からそれを分離することのできるライナーまたはカップ材料を有する。ライナー材料は、CO透過速度を直接調節することによって作用するかまたは活性剤が二酸化炭素調節剤に到達しうる速度を調節することによるかのいずれかで、二酸化炭素調節剤材料のCO損失速度を調節するのを補助するように設計することができる。水および水蒸気は、多くのシステムにて活性剤として作用することができる。二酸化炭素調節剤の量は、パッケージの要件に応じて変化させることができる。保存寿命をより短期間だけ増加させるためには、薄いインサートを閉止部材(蓋)の内側に置くのがよい。より大きな効果のためには、より多くの二酸化炭素調節剤が要求され、閉止部材をカップまたはプラグ様に設計することで大量の二酸化炭素調節剤を使用することができる。
【0028】
二酸化炭素調節剤は、形成されたピースをボトル内の適当な位置に置くことによってそれを成形加工した後に、ボトル内に置くこともできる。これは、図6に示す。1つのアプローチは、吹込み成形間または後のいずれかに、ボトルの口部に成形されたスロット内に置かれた短い管状片であろう。もう1つのアプローチは、慣用的な射出成形金型のコアピン上に二酸化炭素調節剤アセンブリを置き、ついで、ポリマー、例えば、PETを使用して、このアセンブリの周りにプレフォームをオーバーモールドすることによって、二酸化炭素調節剤アセンブリの周りにボトルプレフォームをオーバーモールド(外側被覆)することであろう。二酸化炭素調節剤アセンブリを含むプレフォームは、ついで、慣用的な装置を使用して、ボトルにブロー成形されるであろう。もう1つの概念は、調節剤アセンブリを吹込み成形の間ボトル内に位置決めするためにストレッチロッド(伸縮棒)を使用することであろう。
【0029】
二酸化炭素調節剤は、また、パッケージの本体または閉止部材(蓋)を形成するために使用するプラスチック内にブレンドしてもよい。二酸化炭素調節剤アセンブリを含むプレフォームは、ついで、慣用的な装置を使用し、ボトル内に吹き込まれる。このようなシステムについては、パッケージが充填されるまで二酸化炭素調節剤が活性とならないであろう場合に有益であろう。
【0030】
二酸化炭素調節剤は、また、ボトル内の1つの層、閉止部材(蓋)内の1つの層またはライナー内の1つの層のいずれかとして多層成形加工における1つの層として加えることもできる。この層は、慣用的な多層押出および業界にて一般的な多層実装成形加工、多層フィルム押出、塗膜および積層を含む成形加工を実施することによって製造することができる。最終パッケージ形の層の数は、2〜10層、好ましくは、3〜5層であるのがよい。
【0031】
二酸化炭素調節剤からの炭酸の放出速度は、フィルムを積層することによるか、二酸化炭素調節剤アセンブリを塗膜するか、または、二酸化炭素調節剤をもう1つの材料、特に、プラスチックにブレンドするかのいずれかによってさらに調節することができる。これはまた、二酸化炭素調節剤のこの用途に適した形への成形加工を促進することができる。1つのアプローチは、二酸化炭素調節剤材料を閉止部材(蓋)ライナーを形成するために使用されるポリマーにブレンドするか、または、二酸化炭素調節剤材料を閉止部材(蓋)自体を製造するために使用される材料にブレンドする工程を含むであろう。
【0032】
モレキュラーシーブは、本発明にとって好ましい二酸化炭素調節剤である。ニートで非圧縮のモレキュラーシーブは、高レベルのCOを吸収する能力を有する。13Xモレキュラーシーブは、ボトル圧でCOのそれら重量の約18%を吸収する。かくして、4.0vol.に炭酸化された12ozの炭酸ソフトドリンクボトルについては、パッケージから抜けたCOを置換しかつ保存寿命を2倍にするために、約0.525gのCOガスを必要とする。二酸化炭素調節剤として作用するのに適当なモレキュラーシーブとしては、13X、3A、4Aおよび5Aシーブ、ファジャサイト(faujasite)ならびにボロシリケートシーブとして一般に公知のアルミノシリケートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの材料は、それらの物理的特性を改質するためのイオン交換法によって改質することができ、また、充填剤、結合剤およびその他の加工助剤と組み合わせることもできる。
【0033】
もう1組の二酸化炭素調節剤は、配位ポリマー、金属有機骨格(MOF’s)およびイソレクチキュラー金属有機骨格(IRMOF’s)である。これらは、連続気泡構造をもたらすというよりもむしろ金属および有機金属試薬の有機スペーサー分子との反応によって形成される高分子構造である。このような反応を通して製造されかつ二酸化炭素を吸収および放出しうる種々の関連する高多孔度格子系のいずれもが包含されるはずである。
【0034】
もう1組の二酸化炭素調節剤としては、有機および無機カーボネート類が挙げられる。これらの物質は、水と反応して、特に、酸触媒の存在下で、二酸化炭素を形成する。これらの物質をPETにブレンドし、酸性飲料をパッケージに充填することによってそれらを活性化することは、我々の発明の好ましい実施態様である。適した無機炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムおよび炭酸第1鉄が挙げられるであろう。適した高分子カーボネートとしては、環式カーボネートコポリマー、例えば、ポリ(ビニルアルコール)環式カーボネートおよび多環式カーボネートアクリレートまたは直鎖脂肪族カーボネートポリマーが挙げられるであろう。ポリ(ビニルアルコール)環式カーボネートは、ポリビニルアルコールのジエチルカーボネートとの触媒反応によって形成される。多環式カーボネートアクリレートは、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリメチルプロパン)とジエチルカーボネートとの間の触媒反応によって生成するモノマー、すなわちトリメチロールプロパンカーボネートアクリレートを重合させることによって製造することができる。
【0035】
もう1組の二酸化炭素調節剤は、酸化されて二酸化炭素を形成するポリマーである。これらの1つの例は、脂肪族ポリケトン類であろうし、例としては、エチレンおよび/またはプロピレンの一酸化炭素との反応によって製造されるポリマーが挙げられるであろう。
【0036】
本発明を最適化するために重要なパラメータの1つは、CO源にてCOの密度を最大化することである。単位体積当りのCOのモルに関して、源の密度が高ければ高いほど、より多くのCOをパッケージに組み込むことができ、保存寿命を延ばし、それと同時に、源の占める体積を最小化することができる。種々の材料およびそれらのCO密度を以下の表1にて示す。
【0037】
【表1】

【0038】
もう1つのチャレンジは、概して、パッケージからCOが抜ける速度に相当するように源からのCOの放出を調節することである。CO放出は、源それ自体の選択、CO放出反応の活性化の調節を通して、または、飲料からCO源を分離する膜、コーティングまたはフィルムの適切な選択により、最適化することができる。種々の方法は以降の実施例部分にて説明する。
【0039】
本発明を最適化するための重要なもう1つのパラメータは、十分な量のCOを生成するために必要とされる二酸化炭素調節剤の体積または厚さである。種々の反応体物質についての二酸化炭素調節剤インサートすなわち厚さを計算するために、カーボネート反応体のCOへの100%転化を仮定して、一連の計算を行った。二官能基または三官能基有機酸の場合には、1つ以上の酸基が反応するかもしれないが、以降のチャートにおける計算のためには、1個の酸基のみが反応すると仮定する。より密な(体積当りのCOのより高い収率の)反応体対の効果を立証するためには、CaCOとフマル酸との組み合わせが挙げられる。最後に、カーボネートの有機源の1つの例として、エチレンカーボネートを示すが、これは、水との反応の際に分解し、酸性化する必要がない。以下の表2は、反応体のインサート厚さに及ぼす効果を示す。
【0040】
【表2】

【0041】
幾つかの二酸化炭素調節剤は、容器の通常の使用の間に容器から抜けるCOを置換するために十分なCOガスを吸収および保持するように、二酸化炭素調節剤をCOガスの環境に供することによって、COを予め装填するのがよい。好ましくは、COは、容器からのCO透過損失速度にほぼ等しい速度で、二酸化炭素調節剤から放出される。
【0042】
二酸化炭素調節剤にCOを装填する1つの方法は、炭酸飲料ボトルの閉止部材(蓋)又は口部(closure or finish)に二酸化炭素調節剤組成物のディスクまたはインサートを置き、ついで、容器の保存寿命を所望される目標まで延ばすのに必要とされる量のCOガスでボトルを過圧する方法である。ついで、ボトルに過度の応力がかからないように、過剰のCOを二酸化炭素調節剤によって迅速に吸収させる。収着させたCOは、ついで、生成したCOがパッケージより抜ける時、COの蒸気圧が減少するにつれて炭酸飲料のヘッドスペースに放出される。もう1つの方法は、COで二酸化炭素調節剤のディスクまたはインサートを予め装填し、ボトリングおよび/またはキャッピングプロセスの間に閉止部材(蓋)又は口部(closure or finish)内にディスクを予め装填する方法である。
【実施例】
【0043】
[実施例1]
種々の二酸化炭素調節剤、特に、有機カーボネートを、それらが水蒸気単独により且つ有機酸を存在させることなく活性化させることができるか否かを決定するための試験をした。図7に示す結果は、水蒸気が加水分解によって有機カーボネートからのCO生成を活性化し、有機酸が必要でないことを示す。
【0044】
[実施例2]
種々のライナー材料を試験して、ライナー材料の透過性のCO生成速度に及ぼす効果を決定した。密封ボトル内の水25mL上に懸濁させたパウチ内に、炭酸水素ナトリウムとクエン酸との混合物を密封した。パウチは、水分に対して異なる透過性を有する3つの異なる材料:紙のティバッグ、ポリ乳酸およびポリエチレンから成形加工した。図8の結果は、非常に低い水分バリヤーがCO発生の最も速い速度を可能とし、ポリエチレンによって生ずる水分バリヤーがより高いほど、最も遅い速度を生ずることを示す。かくして、二酸化炭素調節剤組成物と炭酸飲料との間の水分バリヤー物質を使用して、CO生成速度を調節することができる。
【0045】
[実施例3−収着剤CO飽和および放出]
種々の二酸化炭素発生剤、特に、収着材料を試験して、高圧下でCOを貯蔵および放出し、それによって、炭酸飲料の保存寿命を延ばす能力を決定した。選択された収着材料を最初に高圧CO環境下で飽和させた。収着剤材料を、ついで、20ozボトル内に置き、そのボトルをドライアイスで急速に炭酸化させてキャップした。モレキュラーシーブは、市販供給元から入手し、受け取ったまま使用するかまたは減圧下で乾燥させて使用した。以降で考察する13Xモレキュラーシーブは、Aldrich Chemical Companyから入手し、受け取ったまま使用するかまたは使用前に減圧下で乾燥させた。ボトルからのCOが抜ける速度を経時的に記録した。結果は、以下の表3に示す:
【0046】
【表3】

【0047】
結果は、ボトルの内側にCOで飽和された物品を置くことによって、炭酸飲料の保存寿命を延ばすことができ、モレキュラーシーブが特に効果的な調節剤であることを立証する。
【0048】
[実施例4−COを含むモレキュラーシーブを有するボトルの過圧]
ボトルを過圧し、過剰のCOをモレキュラーシーブに貯蔵し、吸収されたCOをボトルヘッドスペースに戻すという概念を試験するために、実験を行った。各々が15ccの水を含有し、ドライアイスで炭酸化させた4組の12ozボトルを試験した。第1組は対照であり、4.0vol.のCOのみを装填した。第2組は、4.75vol.のCOと、減圧下で乾燥させ試験管に入れた微細粉末の13Xモレキュラーシーブ約3グラムとをボトル内に入れた。第3組は、4.75vol.のCOと、試験管に入れた未乾燥の微細粉末の13Xモレキュラーシーブ約3グラムをボトル内に入れた。
【0049】
図9に示す結果は、対照ボトルが通常の速度でCOが抜けたたことを示す。しかし、モレキュラーシーブを入れた第2組は、CO圧力の初期急速な降下を示し、COがモレキュラーシーブによって吸収されたことを示す。ボトルのヘッドスペースのCOレベルは、ついで、モレキュラーシーブがCOをボトル内に放出し戻すので増加した。これら2組は、対照と比較した時に、保存寿命における11週の理論的増加を示した。
【0050】
以下の実施例について、PETボトルは、慣用的な射出ブロー成形法を使用することによって製造した。これらは、慣用的なPETボトル樹脂から製造した。炭酸ソフトドリンク(carbonated soft drink)(CSD)ボトルは、重量26.5グラムであり、容積12oz(オンス)を有していた。以下の実施例にて使用したビールボトルは、重量37グラム、容積500mL、シャンパンベース、1716口部(これは、ボトルの首部および口部である)を有しており、慣用的なCSD閉止部材(蓋)を使用した。
【0051】
PETボトルの内部圧力に及ぼす二酸化炭素調節剤の効果は、秤量した調節剤試料を試験管に入れ、それをPETボトル内に置くことによって実施した。水蒸気のみが吸収剤と接触する態様で、ボトルに10mLの水を加えた。ついで、U.S.特許No.5,473,161に教示されている方法に従い、ボトルを炭酸化させた。試験ボトルは、全て、3回評価した。
【0052】
ボトル中の二酸化炭素の量は、The Coca−Cola Companyからのライセンスの下にUS特許5,473,161に記載された方法に従い、FT−IRにより測定した。これは、ボトル中の内部CO圧力に対応して正比例する。パッケージ内に残るCOの量を周期的に追跡して測定を行った。信号に対する変換因子を使用して、FT−IRの結果をCOの体積(vol.)に変換した。これは、炭酸飲料中の炭酸化量を表す時、パッケージング業界で一般的に使用されている用語である。1vol.のCOは、20℃でパッケージに1大気圧を与えるために必要とされる量である。変換定数は、既知量のCOをボトル内に入れ、密封して1時間以内にCOレベルを測定することによって決定した。変換定数は、数気圧で決定され、我々の試験の精度内で一定であることが知見された。
【0053】
保存寿命は、パッケージ内のCO圧力が最小許容可能な値になるまでの時間によって決定される。要求は、パッケージングされる製品によって変わる。炭酸ソフトドリンクについては、炭酸化の初期レベル約4.0vol.が使用され、最小許容可能レベルは約3.3〜3.4vol.である。これは、15〜17.5%の目減りである(二酸化炭素が抜けた)。ビールについては、最小炭酸化レベルは、典型的には、2.7vol.であり、初期レベルは3.0vol.である。各試験についての初期炭酸化レベルは、密封後短時間でのパッケージ内のCOレベルを測定することによって決定した。我々の実験が終了した時、保存寿命に達しない場合には、その値は、図1および図2に示すように、外挿することによって決定した。大部分のパッケージは、最終的な保存寿命に到達する前に十分に使用される。
【0054】
大半のパッケージを使用する際に非常に一定の炭酸化レベルを維持することは、製品の品質にとって重要である。内部CO圧力が比較的一定のままである期間は、調節期間と定義される。これは、図1および図2に示される。
【0055】
[比較実施例5]
1716口部とCSD閉止部材(蓋)とを有するPETビールボトルを炭酸化させて、3.3vol.COレベルとした。これは、業界の典型的なレベルよりも幾分高い初期炭酸化レベルである。ビールの場合、炭酸化レベルが2.7vol.に到達する時に保存寿命に到達する。保存寿命およびCOが抜ける速度の結果を表4および図2に示す。
【0056】
[比較実施例6]
CSD閉止部材(蓋)を有する12ozのCSDボトルを炭酸化させて4.0vol.レベルのCOとした。ソフトドリンクについては、3.3〜3.4vol.COで保存寿命に到達する。結果は、表4に示す。
【0057】
[実施例5:13XシーブのPETビールボトル寿命に及ぼす効果]
比較実施例5にて使用したのと同一のPETボトル−閉止部材(蓋)組み合わせの内側の試験管内に、1グラムの乾燥させた13Xモレキュラーシーブ粉末を置いた。炭酸化レベル3.6vol.COが吸収剤の存在なしで生ずるように、COを加えた。結果を図1と表4とに示す。ビールについての最小要求2.7vol.COに達するまで、炭酸化をモニターした。パッケージの内側に吸収剤を入れると、ボトル内で測定されるCOの瞬時の減少を生じ、パッケージの保存寿命は、比較実施例5よりも36日延びた。
【0058】
[実施例6:13Xモレキュラーシーブの12オンスCSDボトル保存寿命に及ぼす効果]
12オンスCSDボトルとCSD閉止部材(蓋)とを使用した以外は、実施例5のように、本実験を実施した。同様のPETボトルの内側の試験管内に1グラムの乾燥させたモレキュラーシーブ粉末を入れた。吸収剤の存在なしで炭酸化レベル4.35vol.を生ずるように、COを加えた。炭酸化レベルを経時的にモニターした。結果を図2と表4とに示す。パッケージの内側に吸収剤を入れると、遊離のCOの瞬時の減少を生じ、パッケージの保存寿命は、比較例6と比較する時、42日だけ伸びた。
【0059】
【表4】

【0060】
種々のモレキュラーシーブの比較
モレキュラーシーブ1gを使用し、上記した手順に従い、種々の市販のモレキュラーシーブ(以下の表に個々の文字で示す)を試験した。これらの材料は、種々の製造元(以下の表にて“Mfr”として示す)から入手し、入手したまま使用した。加えた二酸化炭素体積4.5vol.でPCO(plastic closure only:プラスチック蓋のみ)口部(finish)を有する12オンスのCSDボトル内で、1グラムの各材料を試験した。初期二酸化炭素圧力は、充填後、1時間測定した。これらのモレキュラーシーブに基づくデータを表5に示す。
【0061】
【表5】

【0062】
乾燥温度の二酸化炭素保持性能に及ぼす効果もまた測定した。モレキュラーシーブを乾燥させると、それらの吸収能を増加させることが多い。シーブを120℃で15.5時間乾燥させ、上記のように試験した。結果を表6に示す。
【0063】
【表6】

【0064】
シーブを240℃で乾燥させ、上記のように試験した。結果を表7に示す。
【0065】
【表7】

【0066】
表面積の性能に及ぼす効果
Spex Mill粉砕機を使用し、13Xシーブの粉末試料を粉砕して、その粒子寸法を小さくし、その表面積を大きくした。粉砕する前および後のAldrich 13Xシーブの表面積および粒子寸法を表8に示す。
【0067】
【表8】

【0068】
これら材料の性能は、PCO口部(finish)を有する12オンスのCSDボトルと1グラムのシーブを使用し、上記のように試験した。結果を表9に示す。
【0069】
【表9】

【0070】
錠剤形のモレキュラーシーブの効果
モレキュラーシーブを押圧して、錠剤とし、その錠剤をボトルの蒸気空間に暴露させるかまたはその錠剤を容器内側の水に浸漬するかのいずれかによって、試験した。結果を表10に示す。
【0071】
【表10】

【0072】
シーブ錠剤の性能を改質するためのコーティングの効果
モレキュラーシーブ錠剤を圧縮によって製造し、125℃で乾燥させた。10部のエラストマーと1部の硬化剤とを混合することによって、General Electiric Silicone RTV615A 01Pの2%ヘプタン溶液で、これらを塗膜した。錠剤をコーティングに浸し、室温で風乾させた。塗膜および未塗膜錠剤を12オンスCSDボトルのヘッドスペースに置き、上記のように試験し、その結果を表11に示す。
【0073】
【表11】

【0074】
閉止部材(蓋)挿入におけるモレキュラーシーブの効果
閉止部材(蓋)の内側に嵌合しライナーシール機構としても作用するカップを射出成形することによって小さなインサートを製造した。このカップは、1gのモレキュラーシーブ物質が入り、12オンスCSDボトルの口部(finish)の内側に嵌合するように設計した。これらのカップは、ポリエチレンおよびポリプロピレンから射出成形され、これらのカップ内に置いたモレキュラーシーブの炭酸化保持性能を上記のように試験した。データを表12に示す。
【0075】
【表12】

【0076】
モレキュラーシーブのアスカライト(Ascalite)との比較
13Xモレキュラーシーブとアスカライト(二酸化炭素吸収鉱物)の性能は、各材料1gを使用し、上記のように比較する。結果を表13に示す。
【0077】
【表13】

【0078】
酸活性化された調節剤系
CO放出を調節する便利な方法は、パッケージと飲料との接触による方法であろう。多くの炭酸ソフトドリンクはかなり酸性であり、酸性度はPETボトルまたは閉止部材(蓋)内に組み込まれた二酸化炭素調節剤からのCO放出のための便利な開始剤となる。飲料に見られる一般的な酸としては、リン酸およびクエン酸が挙げられる。
【0079】
この概念に適した二酸化炭素調節剤としては、無機炭酸塩類、例えば、炭酸カルシウム;有機カーボネートオリゴマーおよび表14に示すようなポリマー;および、それらの組み合わせが挙げられるであろう。無機炭酸塩類および有機カーボネートオリゴマーは、Aldrich Chemical Companyから入手した。環式カーボネートポリマーは、Case Western Reserve University ,Department of Macromolecular Science and EngineeringのProf.Morton H.Littから入手した。
【0080】
PETは、種々の二酸化炭素源を乾燥ブレンドして、APV ラボスケールの二軸スクリュー押出機で配合して、水冷ストランドを形成した。ほぼ3グラムの材料を155mlヘッドスペースのバイアル内のリン酸のpH2溶液中に入れ、クリンプトップシリコーンガスケットで密封した。二酸化炭素の発生は、GCによりモニターした。1日当り調節剤材料1グラム当りで発生する二酸化炭素のmlを表14に示す。慣用的な12オンス炭酸ソフトドリンク容器について、CO放出速度を合致させるために必要とされる調節剤のおおよその量もまた示す。
【0081】
【表14】

【0082】
プレサチュレーション(presaturation)の効果
結合剤としてPETを有する4A押出したペレットの錠剤を製造し、飽和させた。4Aシーブ11.3グラムを4.8グラムのPETとともに使用した。2つの材料を一緒にブレンドし、10000psigの圧力プレス内でほぼ100〜120℃の温度で円筒状の圧縮体に形成した。錠剤を室温、300psigで36時間かけてCOで飽和させた。錠剤は、平均で、1.47グラムのCOを吸収した。錠剤を半分に切り、それらをボトルに入れた。ボトル(6)を閉じ、モニターした。図10は、保存寿命が4Aプレサチュレーション(presaturation)の材料で延びることを示す。ボトル中のCOレベルの最大は、4A材料から発生するCOの遅いプロセスを現す試験を通して部分的に生じた。
【0083】
13Xの錠剤は、同様の方法によって製造した。3.2gの粉末化させた13X(4Aに関してはAldrich)と4.8グラムのPETを錠剤に形成し、半分に切り、室温、300psigの圧力で36時間かけてCOで飽和させた。飽和したペレットをPETボトル内に入れ、COレベルをモニターした。保存寿命は、さらなるCOによって延びた。錠剤は、平均で、0.52グラムのCOを吸収した。
【0084】
5.25インチ平方、10ミル厚さ、未延伸のPETフィルムを室温、300psigの圧力で36時間かけて飽和させた。各ボトルに対して、29グラムのフィルムを配分した。PETフィルムを室温、300psigの圧力で36時間CO飽和させた。フィルムは、平均で、0.99グラムのCOを吸収した。フィルムをPETボトル(6)に入れ、COの内部レベルをモニターした。PETフィルムから発生するCOは、図10に示すように、保存寿命を延ばした。
【0085】
実施例5および6のさらなる考察
PET炭酸飲料ボトルの内側に適当な吸収剤を入れると、ボトルの内部圧力の増加を生ずることなく、追加のCOを加えることができる。これは、実施例5および6について容易に分かる。実施例5については、COを加えると、炭酸化レベル3.6vol.を生ずるが、密封後、3.38volだけが測定された。実施例6にて、4.35vol.を加えると、密封後1時間以内に、3.89vol.だけが測定された。各場合において、COは、過炭酸化がボトルに影響を及ぼさないように急速に吸収された。
【0086】
吸収されたCOは、ついで、経時的に緩やかにボトル内に放出され、パッケージ内側のCO圧力がもっと一定になる。調節期間は、実施例5および6についてそれぞれ30日および34日であった。これは、ほとんどの高体積の炭酸飲料がパッケージされて販売されるに十分な期間である。
【0087】
実施例5および6についての最終的な保存寿命は、比較実施例において見られるよりも著しく長い。保存寿命は、各場合にて、30日を上回るほど延長された。種々の異なるモレキュラーシーブを二酸化炭素調節剤についての基準として評価した。表5に示されるように、我々は多種多様な材料が有効であると評価した。
【0088】
我々は、二酸化炭素調節剤の性能に及ぼす乾燥温度の影響を検討した。我々は、優れた性能を達成するために、モレキュラーシーブ系調節剤を乾燥する必要がなく、これら材料を乾燥させるために慣用的に使用されるよりも低い温度すなわち120℃でモレキュラーシーブ系調節剤を乾燥させることにより性能が幾分か改良されることを知見した。より高い温度すなわち240℃で乾燥させると、調節期間が有意に減少した。使用前にシーブを乾燥させる必要性を回避することは、多数の二酸化炭素調節剤の設計に非常に有益であろう。
【0089】
吸収剤の粒子寸法および表面積を増加させると、表5に示すように、二酸化炭素調節剤が吸収しうるCO量を有意に増加させた。個々の二酸化炭素調節剤についての粒子寸法および表面積を最適化することは、日常的な実験事項であろう。
【0090】
最適な二酸化炭素調節剤のデザインを開発するには、調節剤の物理的な形態が重要であろう。我々は、錠剤の形態に押圧されたモレキュラーシーブがモレキュラーシーブ粉末とちょうど同程度に有効な調節剤でありうることを知見した。調節剤の形態および形状の最適化もまた日常的な実験事項である。
【0091】
モレキュラーシーブ錠剤をコーティングすることは、調節剤を製造する特に有効な方法であることが期待される。このコーティングの重要な特徴は、ボトル充填の間のCOの急速な吸収を可能として、追加の二酸化炭素を導入するための方法として超加圧を促進するであろう。我々は、表11に示すように、シリコーンコーティングが効果的であることを見出した。
【0092】
インサートカップアセンブリは、二酸化炭素調節剤系を製造するための1つの実際的な方法を表す。我々は、表12に示すように、ポリエチレン系インサートカップが効果的であることを見出した。このようなアセンブリに適したその他のポリオレフィン類としては、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー;エチレンコポリマー、例えば、直鎖低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレン;エチレン−プロピレンコポリマー;プロピレンコポリマー;および、スチレン熱可塑性エラストマーが挙げられるであろう。パッケージの表面と緊密なシールを形成しうるより軟質のポリオレフィン類が好ましいであろう。インサートカップまたはその他の調節剤形態について最適な寸法および材料を決定することは、日常的な実験事項である。
【0093】
二酸化炭素を吸収する多くの材料は、表13に示すように、調節剤系を容易に形成しない。アスカライト(Ascarite)は、大量の二酸化炭素を容易に吸収する鉱物であるが、その純粋な形にては、COがパッケージからCOが抜ける速度と同様の速度で放出されないので、適した二酸化炭素調節剤を形成しない。
【0094】
当業者が本発明をさらに高めるであろうと認める多数の因子が存在する。吸収剤が可能な限り高い二酸化炭素吸収能を有することは有益である。吸収能は、吸収剤の重量当り吸収される二酸化炭素の重量である。所望の保存寿命の改善を生じさせるためにパッケージに加えられる量が少ないので、より高いCO吸収能を有する吸収剤が好ましいであろう。
【0095】
これらが取り扱われる条件もまた重要であるかもしれない。モレキュラーシーブを加熱すると、トラップされている種が除去され、より大きな吸収能を生じ得ることは周知である。驚くべきことに、乾燥し過ぎると、これら材料のCO調節剤としての性能を損なう。
【0096】
モレキュラーシーブは、この用途に適した部品への成形加工を促進するために、結合剤材料と組み合わせる必要があるかもしれない。必要とされる結合剤のタイプは、シーブの特性および最終的に成形加工されたピースに必要とされる最終特性に依存するであろう。これらとしては、モレキュラーシーブの機械的特性を改善するために通常使用される無機結合剤、吸収剤がブレンドされる有機ポリマー、および吸収剤を分散しうる低分子量樹脂およびオリゴマーが挙げられるであろう。これらは、性質が熱硬化性または熱可塑性であってもよく、例えば、シリコーンゴム、ポリオレフィン類、エポキシ類、未飽和ポリエステル類およびポリエステルオリゴマー類を挙げることができる。
【0097】
吸収されたCOが吸収剤から放出される速度を調節すること;液体の水が吸収されたCOを突然放出するのを防止すること;飲料の感覚成分の除去を防止すること;または、パッケージの成分を制御された態様で調節剤と接触させることが重要である。これは、水に対する低い透過性を有するポリマーに吸収剤を入れるかまたは飲料と吸収剤材料との間にこのようなポリマーの薄いフィルムを置くことのいずれかによってなすことができる。この材料は、COをして過剰の炭酸を容易に吸収させる必要があり、かつ、半透過性膜、透過性膜または高CO透過性を有する材料;および、それらの組み合わせからなるものでよい。適した材料としては、ポリオレフィン類、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン;エチレン−プロピレンエラストマー、エチレン−ビニルアセテートコポリマーおよびシリコーンゴムが挙げられる。適した膜材料としては、液体不透過性/蒸気透過性材料、例えば、Gore−Texまたは同様の構造体が挙げられる。我々の発明の特に好ましい実施態様では、吸収剤を適当なポリマーにブレンドし、これを使用して、ボトルの閉止部材(蓋)それ自体を成形加工し、吸収剤の成形加工したディスクを閉止部材(蓋)ライナーの背部の閉止部材(蓋)に挿入し、管状のインサートをCO透過性のポリマーの薄いフィルムまたは塗膜で保護するか、又は吸収剤とCO透過性ポリマーとの組み合わせから管状のインサートを成形する。吸収剤をボトルに入れ、その性能を最適化する好ましい方法は、さらなる実験事項である。
【0098】
二酸化炭素調節剤は、また、表14に示すように、CO放出材料をPETにブレンドすることによって形成することができる。このような二酸化炭素調節剤については、二酸化炭素調節剤の性能がボトル貯蔵中に失われないように、CO放出がパッケージの充填前に生じないことが重要である。種々の無機および有機カーボネートは、20重量%より低い濃度、好ましくは10重量%より低い濃度でPETにブレンドすることができ、慣用的なPETパッケージからCOが抜ける速度と等価なCO放出速度を達成することができる。これらは、多くの炭酸ソフトドリンクと同等のpH範囲で水に暴露することによって活性化される。
【0099】
本発明の1つの側面は、より高価な塗膜または冷貯蔵条件の必要なくして、高温の場所に炭酸飲料を長期間保存可能とすることである。高温の場所にて、ボトルの二酸化炭素に対する透過性が温度に比例し、COが抜ける速度が速いので、貯蔵温度は極めて高くなる。また、これらの温度により、ボトル内側の内部圧力は、危険なレベルに達しかねない。かくして、安定でかつ一定の内部圧力を維持することのできるシステムおよび保存寿命の増加が、特に有益である。
【0100】
本発明のもう1つの側面は、現行の炭酸飲料ボトルの軽量化を可能とし、それらの現保存寿命を維持することである。パッケージの透過速度は、パッケージ壁の厚さに逆比例する。パッケージを可能な限り軽量化して、結果的に壁厚を薄くすることは、経済的に有益である。慣用的なパッケージングの保存寿命を延ばすシステムは、より肉薄の壁面のパッケージングに慣用的なパッケージングの保存寿命と等価な保存寿命を与えることを可能とするであろう。この技術が指向する用途におけるボトルの多くは、保存寿命をさらに短縮するか又はより高価なボトル製造技術の使用なくしてはさらに軽量化することができないパッケージボトルである。
【0101】
本発明のもう1つの側面は、より最適かつ安定な炭酸化レベルを長時間維持することを許容し、かくして、より一定の味および品質の製品を生じさせる。飲料に溶解する二酸化炭素の量は、容器内の二酸化炭素の圧力に比例する。溶解した二酸化炭素の濃度は、飲料のpHおよびその他の特性に影響を及ぼす。溶解した二酸化炭素の量が安定であることは、飲料製品がより一定の味であることと等価とみなせるであろう。
【0102】
本発明のもう1つの側面は、二酸化炭素の放出速度の調節であり、この放出速度は、パッケージの透過速度を実質的に上回らない。炭酸飲料ボトルの過圧は大きな問題であり、パッケージの破壊や経済性及び安全性の問題をもたらしかねない。炭酸飲料ボトル用の効果的ないかなるCO調節システムもパッケージからCOが抜ける速度より著しく速い速度で二酸化炭素を放出してはならない。理想的には、放出速度は、パッケージからの透過速度に等しいかまたは幾分少ない必要があり、かつ、パッケージの透過速度の125%の速度を上回らない必要がある。理想的には、3ヶ月までの期間、少なくとも2週間の長期間にわたって一定のCOを放出することができる必要がある。
【0103】
本発明のもう1つの側面は、温かい環境においては、炭酸の目減りが速い場合、調節剤がその目減りを補充する二酸化炭素をより多くの量で自然に放出するように、パッケージの熱環境に関して自己調節的であることである。
【0104】
本発明のもう1つの側面は、パッケージの内側の圧力を増加させることなく、過炭酸化を可能とし、かつ、より軽量なボトルで炭酸飲料を保持可能とするパッケージングシステムを提供することである。充填の時点で過剰に炭酸化させることは、炭酸飲料の保存寿命を延ばす非常に経済的な方法であり、今日、ソフトドリンクおよびビールのパッケージングに使用されている。この高い初期圧力レベルを維持することは、パッケージの能力によって限界がある。二酸化炭素を吸収しかつ再放出するシステムは、充填中に行われ得る過炭酸化の量を拡張し、より低い耐圧性を有する容器の使用を促進するであろう。
【0105】
二酸化炭素の調節は、また、低モジュラス性の容器の使用を促進するであろう。多くのプラスチックは、炭酸ソフトドリンクによる生じる高内部圧力を抑えることができないので、炭酸飲料をパッケージングするのに適していない。1例としては、ポリオレフィン類、例えば、ポリプロピレンである。ポリプロピレンなどの低モジュラスプラスチックと一緒に炭酸化調節剤を使用することで、低モジュラスプラスチックを炭酸飲料のパッケージング用としてより一般的に有用なものとすることができる。
【0106】
本発明を例示する目的のためにある種の実施態様に関して本発明を説明した。しかし、当業者であれば、示した実施態様に対する種々の変更、付加、改良および変形をなすことができ、これらは、全て、本発明の範囲と精神とに入ることを理解するべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸飲料容器に二酸化炭素ガスを補充するための方法であって、
i. 前記容器内または前記容器の閉止部材内に二酸化炭素調節剤を挿入し;
ii. 前記二酸化炭素調節剤から化学反応により二酸化炭素を放出し;
iii. 前記容器から二酸化炭素が抜ける速度にほぼ等しい速度に前記二酸化炭素調節剤からの二酸化炭素の放出を調節する;
各工程を含む方法。
【請求項2】
前記二酸化炭素調節剤が、高分子カーボネートおよび有機カーボネートを、個々に、または、組み合わせにて含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有機カーボネートが、二酸化炭素密度約0.25〜約0.9グラム/cmを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程(iii)の前記二酸化炭素調節剤から放出される二酸化炭素が、水蒸気によって調節される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記二酸化炭素調節剤が、アルキルカーボネート類、ジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ビニルカーボネート、グリセリンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルピロカーボネート、メチルピロカーボネート、ジアルキルジカーボネートおよび環式カーボネートアクリレート類を含む有機カーボネートである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程(iii)の前記二酸化炭素調節剤から放出される二酸化炭素が、ライナー、塗膜またはフィルムにより、個々にまたは組み合わせにて調節される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記二酸化炭素調節剤が、厚さ約0.01インチ(0.025cm)〜約0.3インチ(0.762cm)を有するインサート内に収容されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程(ii)の前記化学反応が酸化反応を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程(ii)の前記化学反応が加水分解反応を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
炭酸飲料容器に二酸化炭素ガスを補充するための方法であって、
i. 前記容器内または前記容器の閉止部材内に二酸化炭素調節剤を挿入し;
ii. 前記容器から二酸化炭素が抜ける速度にほぼ等しい速度に前記二酸化炭素調節剤からの二酸化炭素の放出を調節する;
各工程を含む方法。
【請求項11】
前記二酸化炭素調節剤が、二酸化炭素ガスを吸収し、続いて、放出する収着剤である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
場合によっては、前記二酸化炭素調節剤を前記容器に挿入する前に、前記二酸化炭素調節剤に二酸化炭素を予め装填していてもよい、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
場合によっては、前記二酸化炭素調節剤のインサートを前記容器の閉止部材又は口部に置き、続いて、前記容器を過圧することによって、前記二酸化炭素調節剤に適当量の二酸化炭素を装填してもよい、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記二酸化炭素調節剤が、二酸化炭素を吸収し、続いて、放出する材料を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記二酸化炭素調節剤がモレキュラーシーブを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記二酸化炭素調節剤が、シリカゲル、モレキュラーシーブ、粘土、活性アルミナ、ゼオライト、配位ポリマー、金属有機骨格、イソレクチキュラー金属有機骨格を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記二酸化炭素調節剤が前記炭酸飲料と接触しないようにして工程(i)の挿入を行う、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記二酸化炭素調節剤が、前記容器または前記閉止部材内の材料と直接ブレンドされてもよい、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
炭酸飲料の一定の圧力を維持するためのパッケージングシステムであって、閉止部材、プラスチック容器および二酸化炭素調節剤を含むパッケージングシステム。
【請求項20】
前記閉止部材が、前記閉止部材およびその中のライナーのプラスチックアセンブリなどの前記プラスチック容器を密封するために使用される任意の材料をも含む、請求項19に記載のパッケージングシステム。
【請求項21】
前記二酸化炭素調節剤は、前記プラスチック容器、前記閉止部材または前記ライナー材料を製造するために使用される任意の材料にブレンドされ得る、請求項19に記載のパッケージングシステム。
【請求項22】
前記二酸化炭素調節剤は、前記プラスチック容器に適した形態で前記プラスチック容器または前記閉止部材に挿入することができる、請求項19に記載のパッケージングシステム。
【請求項23】
前記二酸化炭素調節剤が、PETを使用して前記調節剤アセンブリの周りにプレフォームをオーバーモールドすることによる調節剤アセンブリの一部であってもよい、請求項19に記載のパッケージングシステム。
【請求項24】
前記プレフォームが、プラスチック容器に成形加工される、請求項23に記載のパッケージングシステム。
【請求項25】
前記二酸化炭素調節剤が、前記プラスチック容器内の層として添加されてもよい、請求項19に記載のパッケージングシステム。
【請求項26】
前記二酸化炭素調節剤が、前記閉止部材の層として添加されてもよい、請求項19に記載のパッケージングシステム。
【請求項27】
炭酸飲料の一定の圧力を維持するためのパッケージングシステムを製造するための方法であって、二酸化炭素調節剤用アセンブリの周りにプレフォームをオーバーモールドする工程を含む方法。
【請求項28】
前記オーバーモールドは、慣用的な射出成形用金型のコアピン上に前記アセンブリを置き、続いて、前記アセンブリの周りに前記プレフォームを成形することによって行われる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記プレフォームが、プラスチック容器に成形加工される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
炭酸飲料の一定の圧力を維持するためのパッケージングシステムを製造するための方法であって、使用される熱可塑性材料に二酸化炭素調節剤をブレンドして、前記炭酸飲料用容器本体を形成する方法。
【請求項31】
炭酸飲料容器に二酸化炭素を補充するための二酸化炭素調節剤組成物であって、高分子カーボネート類および有機カーボネート類を、個々に、または、それらを組み合わせて含む組成物。
【請求項32】
前記高分子カーボネート類が、環式カーボネートポリマーおよび直鎖脂肪族カーボネートポリマーを含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記有機カーボネート類が、アルキルカーボネート類、ジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ビニルカーボネート、グリセリンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルピロカーボネート、メチルピロカーボネート、ジアルキルジカーボネートおよび環式カーボネートアクリレート類を含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
炭酸飲料容器内の二酸化炭素を補充するための二酸化炭素調節剤組成物であって、二酸化炭素を吸収し、続いて、放出する材料を含む組成物。
【請求項35】
二酸化炭素を吸収し、続いて、放出する前記材料が、モレキュラーシーブを含む、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
二酸化炭素を吸収し、続いて、放出する前記材料が、シリカゲル、モレキュラーシーブ、粘土、活性アルミナ、ゼオライト、配位ポリマー、金属有機骨格、イソレクチキュラー金属有機骨格を含む、請求項34に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−265043(P2010−265043A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−156385(P2010−156385)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【分割の表示】特願2007−500774(P2007−500774)の分割
【原出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(503259381)ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド (84)
【Fターム(参考)】