説明

プラスチックモデルキット

【課題】容易にランナーを小さく分断して廃棄することができるプラスチックモデルキットを提供する。
【解決手段】ランナー10と、ランナー10に支持された部品20とを有している。ランナー10には、少なくとも1つの狭窄部14が形成されており、この狭窄部14において切断することによりランナー10を小さく分断して廃棄することができるようになっている。狭窄部14は、ランナー10の外枠11に形成することが好ましく、例えば、外枠11の角部11Aや、外枠11と枝枠12との交差部11Bなどに形成すればより好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品がランナーにより支持されたプラスチック製のプラスチックモデルキットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、組み立て玩具として、プラスチックよりなるプラスチックモデルキットが知られている。プラスチックモデルキットとしては、例えば、射出成形により形成され、部品がランナーにより支持されたものがある(例えば、特許文献1参照)。このプラスチックモデルキットでは、例えば、部品とランナーとの接続部分に形成されたゲートにおいて、部品をランナーから切り離して用いる。部品を切り離した後のランナーは廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−305185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ランナーは硬くてしかもかさばるので、ごみとして廃棄するのが大変であった。また、ランナーを小さく分断して廃棄しようとすると、ニッパーなどで切断しなければならないが、ランナーは部品とランナーとを接続しているゲートと異なり太さが太いので、切断するのに大きな力が必要であり、特に子供には危ないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、容易にランナーを小さく分断して廃棄することができるプラスチックモデルキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプラスチックモデルキットは、部品がランナーにより支持されたものであって、ランナーに狭窄部が形成されたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のプラスチックモデルキットによれば、ランナーに狭窄部が形成されているので、狭窄部において容易にランナーを切断することができる。よって、ランナーを小さく分断して簡単に廃棄することができる。
【0008】
特に、狭窄部をランナーの外枠に形成するようにすれば、または、狭窄部をランナーの外枠と、この外枠に接続されている枝枠との交差部、および、枝枠と枝枠との交差部のうちの少なくとも一部に形成するようにすれば、または、狭窄部をランナーの外枠の角部に形成するようにすれば、または、狭窄部をランナーの外枠と、この外枠に接続されている部品支持枠との交差部、および、ランナーの枝枠と、この枝枠に接続されている部品支持枠との交差部のうちの少なくとも一部に形成するようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプラスチックモデルキットの構成を表す図である。
【図2】図1に示したプラスチックモデルキットにおいてランナーから部品を切り離した状態を表す図である。
【図3】図2に示したランナーを分断した状態を表す図である。
【図4】図1に示したプラスチックモデルキットの変形例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施の形態に係るプラスチックモデルキットの構成を表すものである。このプラスチックモデルキットは、例えば、射出成形により形成されたものであり、ランナー10と、ランナー10に支持された部品20とを有している。ランナー10は、例えば、射出成形の際に溶融樹脂が流れる通り道であったところであり、成形後は部品20の支持部材として機能するものである。ランナー10と部品20との接続部分には、ゲート30が形成されており、部品20は、ゲート30においてランナー10から切り離して用いられる。ゲート30は、射出成形の際に、溶融樹脂の注入量を調整するためのものであり、ランナー10よりも太さが細く、または厚みが薄く、または太さが細くかつ厚みが薄くなっている。
【0012】
ランナー10は、例えば、部品全体を囲む外枠11と、外枠11から分岐され、外枠11の一部と他の一部とを接続するように形成された枝枠12と、外枠11または枝枠12と部品20とを接続するように形成された部品支持枠13とを有している。また、ランナー10には、少なくとも1つの狭窄部14が形成されている。これにより、例えば、図2に示したように、部品20を切り離した後のランナー10を、図3に示したように、狭窄部14において切断して小さく分割することができるようになっている。狭窄部14は、例えば、太さが他の部分よりも細く形成されることにより狭窄されたものでもよく、また、厚みが他の部分よりも薄く形成されることにより狭窄されたものでもよく、また、太さが他の部分よりも細くかつ厚みが他の部分よりも薄く形成されることにより狭窄されたものでもよい。
【0013】
狭窄部14は、例えば、外枠11に設けられていることが好ましい。外枠11が最も大きくかさばるからである。その場合、例えば、外枠11の角部11Aに設けることが好ましい。ランナー10を効率よく小さく分断することができるからである。
【0014】
また、狭窄部14は、外枠11と、この外枠11に接続されている枝枠12との交差部11B、および、枝枠12と枝枠12との交差部12Aのうちの少なくとも一部に設けられていることが好ましい。例えば図3に示したように、ランナー10を直線状に小さく分断することができると共に、予備部品、補助部品あるいは取替部品などの直には使用しない部品21をその周りの外枠11Cまたは枝枠12Bに接続したまま、その外枠11または枝枠12の部分を全体から切り離して保存しておくこともできるからである。
【0015】
更に、外枠11と、この外枠11に接続されている部品支持枠13との交差部11D、および、枝枠12と、この枝枠12に接続されている部品支持枠13との交差部12Cのうちの少なくとも一部に設けるようにすればより好ましい。ランナー10をより直線状に小さく分断することができるからである。
【0016】
なお、狭窄部14を設ける位置は、狭窄部14においてランナー10を切断した後の長さが、30cm以下、更には25cm以下、更には20cm以下となるようにすることが好ましい。小さく分断することができるので、廃棄に便利だからである。
【0017】
このプラスチックモデルキットでは、例えば図2に示したように、ゲート30において部品20をランナー10から切り離して用いる。部品20を切り取った後のランナー10は、狭窄部14において手またはニッパーなどにより切断され、例えば図3に示したように、小さく分断して廃棄される。また、予備部品などの直には使用しない部品21がある場合には、その部品21をその周りの外枠11Cまたは枝枠12Bと共に残し、ランナー10の他の部分を狭窄部14において切り離して廃棄する。
【0018】
このように本実施の形態によれば、ランナー10に少なくとも1つの狭窄部14を形成するようにしたので、子供でも狭窄部14において手またはニッパーなどで容易にランナー10を切断することができる。よって、ランナー10を簡単かつ安全に小さく分断して廃棄することができる。
【0019】
特に、狭窄部14をランナー10の外枠11に形成するようにすれば、または、狭窄部14をランナー10の外枠11と枝枠12との交差部11B、および、枝枠12と枝枠12との交差部12Aのうちの少なくとも一部に形成するようにすれば、または、狭窄部14をランナー10の外枠11の角部11Aに形成するようにすれば、または、狭窄部14をランナー10の外枠11と部品支持枠13との交差部11D、および、枝枠12と部品支持枠13との交差部12Cのうちの少なくとも一部に形成するようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【0020】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、狭窄部14を設ける位置を具体的に説明したが、一定の間隔を開けて設けるなど任意に設定してもよい。また、上記実施の形態では、外枠11と枝枠12との交差部11B、枝枠12と枝枠12との交差部12A、外枠11と部品支持枠13との交差部11D、または枝枠12と部品支持枠13との交差部12Cに狭窄部14を設ける位置について、具体的に図示したが、例えば、図4に示した位置に設けるようにしてもよい。なお、図4では、外枠11と枝枠12との交差部11Bについて示したが、枝枠12と枝枠12との交差部12Aに設ける場合には、図4の外枠11を枝枠12に代え、外枠11と部品支持枠13との交差部11Dに設ける場合には、図4の枝枠12を部品支持枠13に代え、枝枠12と部品支持枠13との交差部12Cに設ける場合には、図4の外枠11を枝枠12に代え、枝枠12を部品支持枠13に代えた位置となる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
プラスチックモデルキットに用いることができる。
【符号の説明】
【0022】
10…ランナー、11…外枠、11A…角部、11B,11D…交差部、12…枝枠、12A,12C…交差部、13…部品支持枠、14…狭窄部、20…部品、30…ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品がランナーにより支持されたプラスチックモデルキットであって、
前記ランナーに狭窄部が形成されたことを特徴とするプラスチックモデルキット。
【請求項2】
前記狭窄部は、前記ランナーの外枠に形成されたことを特徴とする請求項1記載のプラスチックモデルキット。
【請求項3】
前記狭窄部は、前記ランナーの外枠と、この外枠に接続されている枝枠との交差部、および、枝枠と枝枠との交差部のうちの少なくとも一部に形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のプラスチックモデルキット。
【請求項4】
前記狭窄部は、前記ランナーの外枠の角部に形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載のプラスチックモデルキット。
【請求項5】
前記狭窄部は、前記ランナーの外枠と、この外枠に接続されている部品支持枠との交差部、および、前記ランナーの枝枠と、この枝枠に接続されている部品支持枠との交差部のうちの少なくとも一部に形成されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1に記載のプラスチックモデルキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−228137(P2010−228137A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75589(P2009−75589)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【特許番号】特許第4406042号(P4406042)
【特許公報発行日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(509086763)
【復代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
【出願人】(509086659)
【復代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
【出願人】(509086811)
【Fターム(参考)】