説明

プラズマディスプレイ装置

【課題】画像表示品質を犠牲にすることなくデータ電極駆動回路の消費電力を削減する。
【解決手段】行方向に長い表示電極対と列方向に長いデータ電極とが交差する位置に放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルと、書込み期間を有する複数のサブフィールドで1つのフィールドを構成するとともにプラズマディスプレイパネルの各電極に印加する駆動電圧波形を発生する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、駆動回路は、同じデータ電極を共有し、書込み期間において連続して書込み動作を行う3つの放電セルで表示する3つの画像信号S10、S20、S21の中央値を選択する中央値選択部53を有するローパスフィルタ回路41と、ローパスフィルタ回路41の出力するローパスフィルタ処理を施した画像信号S30と、ローパスフィルタ処理を施さない画像信号S20とを混合する混合回路42とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルを用いたプラズマディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイパネルとして代表的なプラズマディスプレイパネル(以下、単に[パネル]と略記する)は、対向配置された前面基板と背面基板との間に多数の放電セルが形成されている。前面基板には1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が互いに平行に複数対形成され、背面基板にはデータ電極が平行に複数形成されている。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面基板と背面基板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極との交差する部分に放電セルが形成される。
【0003】
プラズマディスプレイパネルを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドで構成した上で、放電セルを発光させるサブフィールドの組合せによって階調表示を行う方法が一般的である。各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を各電極上に形成する。書込み期間では、走査電極に走査パルスを印加するとともにデータ電極に選択的に書込みパルスを印加して放電セルで書込み放電を発生させ壁電荷を形成する書込み動作を行う。そして維持期間では表示電極対に交互に維持パルスを印加し、書込み放電を発生させた放電セルで維持放電を発生させて発光させることにより画像を表示する。
【0004】
プラズマディスプレイ装置は、走査電極を駆動するための走査電極駆動回路、維持電極を駆動するための維持電極駆動回路、データ電極を駆動するためのデータ電極駆動回路を備え、各電極の駆動回路はそれぞれの電極に必要な駆動電圧波形を印加する。この中で、データ電極駆動回路は画像信号に基づいて多数のデータ電極毎に独立に書込み動作のための書込みパルスを印加する。
【0005】
データ電極駆動回路側からパネルを見ると、各データ電極は隣接するデータ電極、走査電極および維持電極との間の浮遊容量をもつ容量性の負荷である。したがって各データ電極に駆動電圧波形を印加するためにはこの容量を充放電しなければならず、そのための消費電力が必要となる。
【0006】
データ電極駆動回路の消費電力はデータ電極のもつ容量の充放電電流が増えると増大するが、この充放電電流は表示する画像信号に大きく依存している。例えばデータ電極に書込みパルスを一度も印加しない場合には充放電電流は「0」となるので消費電力も最小となる。逆にデータ電極に書込みパルスの電圧を印加し続ける場合も充放電電流は「0」となるので消費電力も小さい。ところが、データ電極に書込みパルスをランダムに印加する場合には充放電電流は大きくなり消費電力も大きなものとなる。
【0007】
そこで、データ電極駆動回路の消費電力を削減する方法として、例えば画像信号に基づきデータ電極駆動回路の消費電力を算出し、消費電力が大きい場合には、輝度重みの最も小さいサブフィールドから書込み動作を禁止してデータ電極駆動回路の消費電力を制限する方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。あるいは、もとの画像信号を、データ電極駆動回路の消費電力の小さくなる画像信号に置き換えてデータ電極駆動回路の消費電力を下げる方法等が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−66638号公報
【特許文献2】特開2002−149109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら上記特許文献1、2に記載の方法は、消費電力が増加しすぎた場合に、プラズマディスプレイ装置を破壊から守るために主に使用され、画像の表示品質を大きく損なうおそれがあった。
【0010】
加えて、近年は大画面化、高精細化にともない、データ電極駆動回路の消費電力が定常的に増加する傾向にある。そのため、画像表示品質を犠牲にすることなく定常的に使用できる電力削減方法が望まれていた。
【0011】
本発明はこれらの課題に鑑みなされたものであり、画像表示品質を犠牲にすることなくデータ電極駆動回路の消費電力を削減したプラズマディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、行方向に長い表示電極対と列方向に長いデータ電極とが交差する位置に放電セルを形成したパネルと、書込み期間を有する複数のサブフィールドで1つのフィールドを構成するとともにパネルの各電極に印加する駆動電圧波形を発生する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、駆動回路は、同じデータ電極を共有し、書込み期間において連続して書込み動作を行う3つの放電セルで表示する3つの画像信号の中央値を選択する中央値選択部を有するローパスフィルタ回路と、ローパスフィルタ回路の出力するローパスフィルタ処理を施した画像信号と、ローパスフィルタ処理を施さない画像信号とを混合する混合回路とを含むことを特徴とする。この構成により、画像表示品質を犠牲にすることなくデータ電極駆動回路の消費電力を削減したプラズマディスプレイ装置を提供することができる。
【0013】
また本発明のプラズマディスプレイ装置の混合回路は、ローパスフィルタ処理を施した画像信号およびローパスフィルタ処理を施さない画像信号が小さい場合には、ローパスフィルタ処理を施した画像信号またはローパスフィルタ処理を施さない画像信号が大きい場合よりも、ローパスフィルタ処理を施した画像信号の混合比率を大きく設定してもよい。
【0014】
また本発明のプラズマディスプレイ装置の混合回路は、ローパスフィルタ処理を施した画像信号とローパスフィルタ処理を施さない画像信号との差分が小さい場合には、ローパスフィルタ処理を施した画像信号とローパスフィルタ処理を施さない画像信号との差分が大きい場合よりも、ローパスフィルタ処理を施した画像信号の混合比率を大きく設定してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像表示品質を犠牲にすることなくデータ電極駆動回路の消費電力を削減したプラズマディスプレイ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置のパネルの分解斜視図である。
【図2】同プラズマディスプレイ装置のパネルの電極配列図である。
【図3】同プラズマディスプレイ装置のパネルの各電極に印加する駆動電圧波形を示す図である。
【図4】同プラズマディスプレイ装置の回路ブロック図である。
【図5】同プラズマディスプレイ装置の画像信号処理回路の回路ブロック図である。
【図6】同プラズマディスプレイ装置のLPF回路の動作を説明する図である。
【図7】同プラズマディスプレイ装置の混合係数設定部の回路ブロック図である。
【図8A】同プラズマディスプレイ装置の混合回路の動作の説明図である。
【図8B】同プラズマディスプレイ装置の混合回路の動作の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置の混合係数設定部の回路ブロック図である。
【図10】同プラズマディスプレイ装置の混合係数設定部の動作の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態3におけるプラズマディスプレイ装置の混合係数設定部の回路ブロック図である。
【図12A】同プラズマディスプレイ装置の混合係数設定部の動作の説明図である。
【図12B】同プラズマディスプレイ装置の混合係数設定部の動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
【実施例】
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置のパネル10の分解斜視図である。ガラス製の前面基板11上には、走査電極12と維持電極13とからなる表示電極対14が複数形成されている。そして走査電極12と維持電極13とを覆うように誘電体層15が形成され、その誘電体層15上に保護層16が形成されている。背面基板21上にはデータ電極22が複数形成され、データ電極22を覆うように誘電体層23が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁24が形成されている。そして、隔壁24の側面および誘電体層23上には赤色に発光する蛍光体層25R、緑色に発光する蛍光体層25Gおよび青色に発光する蛍光体層25Bが設けられている。
【0019】
これらの前面基板11と背面基板21とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対14とデータ電極22とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、例えばネオンとキセノンの混合ガスが放電ガスとして封入されている。放電空間は隔壁24によって複数の区画に仕切られており、表示電極対14とデータ電極22とが交差する部分に放電セルが形成されている。ここで、赤色に発光する蛍光体層25Rが設けられた放電セル、緑色に発光する蛍光体層25Gが設けられた放電セル、青色に発光する蛍光体層25Bが設けられた放電セルが1組で1つの画素を構成している。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
【0020】
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置のパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長い複数本の走査電極12および同数本の維持電極13が配列され、列方向に長い複数本のデータ電極22が配列されている。そして、1対の走査電極12および維持電極13からなる表示電極対14と1本のデータ電極22とが交差する位置に放電セルが形成されている。こうして複数の放電セルは、複数の画素行および複数の画素列が形成されるように行列状に配置されている。
【0022】
このように配列された電極間には電極間容量が存在する。例えば1本のデータ電極22に注目すると、対向する複数本の走査電極12および維持電極13との間に容量が存在し、隣接するデータ電極22との間にも容量が存在する。このようにデータ電極22は駆動回路から見ると容量性の負荷である。
【0023】
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作について説明する。本実施の形態においては、1フィールドを10のサブフィールド(SF1、SF2、・・・、SF9、SF10)に分割し、各サブフィールドはそれぞれ(1、2、3、6、11、18、30、44、60、81)の輝度重みをもつものとして説明する。しかし、本発明は、サブフィールド数、輝度重みが上記に限定されるものではない。
【0024】
各サブフィールドは初期化期間、書込み期間、維持期間を有する。図3は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置のパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形を示す図である。図3には3つのサブフィールドSF1〜SF3に対する駆動電圧波形を示しているが、他のサブフィールドにおける駆動電圧波形もほぼ同様である。
【0025】
サブフィールドSF1の初期化期間では、データ電極22および維持電極13に電圧0(V)を印加するとともに、走査電極12に電圧Vi1から電圧Vi2に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。その後、維持電極13に電圧Ve1を印加するとともに、走査電極12に電圧Vi3から電圧Vi4に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。すると各放電セルで微弱な初期化放電が発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を各電極上に形成する。
【0026】
なお、初期化期間の動作としては、サブフィールドSF2、SF3の初期化期間に示したように、走査電極12に対して緩やかに下降するランプ電圧を印加するだけでもよい。
【0027】
続く書込み期間では、維持電極13に電圧Ve2を、走査電極12に電圧Vcをそれぞれ印加する。次に、1行目の走査電極12に走査パルス電圧Vaを印加するとともに、発光すべき放電セルに対応するデータ電極22に書込みパルス電圧Vdを印加する。すると走査パルス電圧Vaと書込みパルス電圧Vdとが同時に印加された1行目の放電セルでは書込み放電が発生し、放電セルの走査電極12上および維持電極13上に壁電荷を蓄積する書込み動作が行われる。
【0028】
次に、2行目の走査電極12に走査パルス電圧Vaを印加するとともに、発光すべき放電セルに対応するデータ電極22に書込みパルス電圧Vdを印加する。すると走査パルス電圧Vaと書込みパルス電圧Vdとが同時に印加された2行目の放電セルでは書込み放電が発生して書込み動作が行われる。以上の書込み動作を全ての行の放電セルに至るまで順次繰り返し、発光すべき放電セルに対して選択的に書込み放電を発生させ壁電荷を形成する。
【0029】
なお上述したように、各データ電極22は容量性の負荷である。したがって書込み期間において、各データ電極に印加する電圧を電圧0(V)から書込みパルス電圧Vdへ、あるいは書込みパルス電圧Vdから電圧0(V)へ切り換える毎にこの容量を充放電しなければならない。そしてその充放電の回数が多いと、後述するデータ電極駆動回路の消費電力も多くなる。
【0030】
続く維持期間では、維持電極13に電圧0(V)を印加するとともに、走査電極12に維持パルス電圧Vsを印加する。すると、書込み放電を起こした放電セルでは維持放電が起こり発光する。
【0031】
次に、走査電極12に電圧0(V)を印加するとともに、維持電極13に維持パルス電圧Vsを印加する。すると維持放電を起こした放電セルでは再び維持放電が起こり発光する。以降、輝度重みに応じた維持パルスを走査電極12と維持電極13とに交互に印加して、放電セルを発光させる。
【0032】
そして、維持期間の最後には電圧Vrに向かって緩やかに上昇するランプ電圧を走査電極12に印加して、データ電極22上の正の壁電圧を残したまま、走査電極12上および維持電極13上の壁電圧を弱める。こうして維持期間における維持動作が終了する。
【0033】
続くサブフィールドSF2〜SF10においても維持パルス数を除いてサブフィールドSF1と同様の動作を行う。このようにして、あらかじめ輝度重みの定められた複数のサブフィールドで1フィールド期間を構成し、放電セルを発光させるサブフィールドを組合せて階調を表示している。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置30の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置30はパネル10と駆動回路とを備え、駆動回路は、画像信号処理回路31、データ電極駆動回路32、走査電極駆動回路33、維持電極駆動回路34、タイミング発生回路35および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。
【0035】
画像信号処理回路31は、赤の画像信号、緑の画像信号、青の画像信号を入力し、それぞれの画像信号に対してデータ電極の消費電力が小さくなる信号処理を施すとともに、サブフィールドのそれぞれにおける発光・非発光をデジタル信号のそれぞれのビットの「1」、「0」に対応させた赤の画像データ、緑の画像データ、青の画像データを出力する。なお、赤の画像信号、緑の画像信号、青の画像信号のそれぞれに対して同様の信号処理を施すので、以下では1つの色の画像信号およびそれに対する画像信号処理回路について説明する。したがって1つの色を決めると、1つの画素というのは1つの放電セルに対応する。
【0036】
データ電極駆動回路32は、複数本のデータ電極22のそれぞれに書込みパルス電圧Vdまたは電圧0(V)を印加するための複数個のスイッチ回路39を備えている。そして画像信号処理回路31から出力された画像データを各データ電極22に対応する書込みパルスに変換し、各データ電極22に印加する。
【0037】
タイミング発生回路35は水平同期信号、垂直同期信号をもとにして各回路の動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路へ供給する。走査電極駆動回路33はタイミング信号に基づいて各走査電極12に印加する駆動電圧波形を発生する。維持電極駆動回路34はタイミング信号に基づいて維持電極13に印加する駆動電圧波形を発生する。
【0038】
図5は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置30の画像信号処理回路31の回路ブロック図である。
【0039】
画像信号処理回路31は、ローパスフィルタ回路41(以下、「LPF回路41」と略記する)、混合回路42、画像データ変換回路43を有する。LPF回路41は表示画像の空間周波数の高周波成分を抑制する。本実施の形態においては、画像信号S10を入力し、表示画像の垂直方向の高周波成分のみを抑制するローパスフィルタ処理(以下、「LPF処理」と略記する)を施して画像信号S30を出力する。混合回路42は、LPF処理を施さない画像信号S20とLPF処理を施した画像信号S30とを混合係数Kに基づき混合した画像信号S40を出力する。混合係数Kは画像信号に基づき画素毎に決定する。画像データ変換回路43は、混合回路42から出力された画像信号S40を入力して、サブフィールドのそれぞれにおける発光・非発光を示す画像データS50を出力する。このような画像データ変換回路43は、例えばROM等を用いた変換テーブルを用いて構成することができる。
【0040】
LPF回路41は、1H遅延部51、1H遅延部52、中央値選択部53、平均算出部54を有する。1H遅延部51は、入力した画像信号S10を1水平帰線期間だけ遅延して画像信号S20を出力する。1H遅延部52は、入力した画像信号S2をさらに1水平帰線期間だけ遅延して画像信号S21を出力する。中央値選択部53は、画像信号S10と画像信号S20と画像信号S21とを入力し、それぞれを比較して中央値(メジアン値)を出力する。平均算出部54は、中央値選択部53から出力された画像信号と画像信号S20との平均値を計算し、画像信号30として出力する。ここで、画像信号S20は、LPF処理を施さない画像信号であり、画像信号S30はLPF処理を施した画像信号である。
【0041】
図6は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置30のLPF回路41の動作を説明する図である。本実施の形態においては、上述したように書込み期間において1行目の放電セル、2行目の放電セル、3行目の放電セル、・・・の順に順次書込み動作を行っている。したがって、中央値選択部53は、同じデータ電極を共有し、書込み期間において連続して書込み動作を行う3つの放電セルで表示する3つの画像信号の中央値を選択する。すなわち、画像信号S20を表示する画素に注目すると、画像信号S21を表示する画素は注目画素の1画素上の画素であり、画像信号S10を表示する画素は注目画素の1画素下の画素である。そして中央値選択部53は、注目画素の画像信号S20と、その上の画素の画像信号S21と、その下の画素の画像信号S10とを比較して中央値を出力する。
【0042】
平均算出部54は、中央値選択部53の出力と注目画素の画像信号S20との平均値を計算してLPF処理を施した画像信号S30として出力する。したがって、注目画素で表示する画像信号S20が画像信号S21および画像信号S10よりも大きい場合には、中央値選択部53は、上および下の画素で表示する画像信号の大きいほうを選択し、平均算出部54は、中央値選択部53の出力と注目画素の画像信号S20との平均値を計算する。その結果、LPF処理を施した画像信号S30はLPF処理を施さない画像信号S20よりも小さい値になる。
【0043】
また、注目画素で表示する画像信号S20が画像信号S21および画像信号S10の間の値となる場合には、中央値選択部53は画像信号S20を選択する。したがって平均算出部54は画像信号S20を出力するので、LPF処理を施した画像信号S30はLPF処理を施さない画像信号S20に等しい。
【0044】
また、注目画素で表示する画像信号S20が画像信号S21および画像信号S10よりも小さい場合には、中央値選択部53は上および下の画素で表示する画像信号の小さいほうを選択し、平均算出部54は中央値選択部53の出力と注目画素の画像信号S20との平均値を計算する。その結果、LPF処理を施した画像信号S30はLPF処理を施さない画像信号S20よりも大きい値になる。
【0045】
このように、本実施の形態におけるLPF回路41の出力する画像信号S30は、画像信号S20が画像信号S12および画像信号S10の間の値をとる場合には画像信号S20に等しい。
【0046】
大雑把に言えば、表示画像の空間周波数の高調波成分を抑制するとデータ電極駆動回路32の消費電力が減少する傾向にある。しかし正確には、各サブフィールドの書込み期間においてデータ電極に印加する電圧が頻繁に変化することによりデータ電極の消費電力が増加する。したがってデータ電極駆動回路32の消費電力に大きく関与するのは表示画像の空間周波数の垂直方向の成分である。また表示画像の垂直方向の変化であっても、ステップ状の変化は1回の変化であるので消費電力はそれほど大きくならない。むしろステップ状の変化にLPF処理を施して緩やかな変化にすると、各サブフィールドの書込み期間においてデータ電極に印加する電圧の変化の回数が増加して消費電力が増加するおそれがある。
【0047】
しかし本実施の形態におけるLFP回路41は、電力削減に有効な空間周波数の垂直方向の成分にのみにLPF処理を施し、水平方向の成分にはLPF処理を施さない。また表示画像のステップ状の階調変化はそのまま出力する。そのため、画像表示品質の低下を抑制しつつ効果的に電力を抑制することができる。
【0048】
混合回路42は、混合係数設定部56と信号混合部57とを有する。混合係数設定部56は、LPF処理を施さない画像信号S20とLPF処理を施した画像信号S30とを混合する割合を決める混合係数Kを設定する。
【0049】
信号混合部57は、混合係数Kに基づき、LPF処理を施さない画像信号S20とLPF処理を施した画像信号S30とを混合して、画像信号S40を出力する。画像信号S40は、例えば、
(画像信号S40)=(1−K)×(画像信号S20)+K×(画像信号S30)
として生成される。ここで混合係数Kは、0≦K≦1である。
【0050】
図7は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置30の混合係数設定部56の回路ブロック図である。
【0051】
混合係数設定部56は、最大値選択部61、減算部62、乗算部63、係数制限部64を有する。最大値選択部61は、LPF処理を施さない画像信号S20とLPF処理を施した画像信号S30とを入力し、大きいほうの値を信号S31として出力する。減算部62は所定の閾値C62から信号S31を減ずる。乗算部63は減算部62の出力に所定の定数C63を乗ずる。係数制限部64は、乗算部63の出力が混合係数の上限値「1」を超えた場合には混合係数Kとして「1」を出力し、混合係数の下限値「0」に満たない場合には混合係数Kとして「0」を出力する。それ以外の場合には乗算部63の出力を混合係数Kとして出力する。
【0052】
こうして、混合係数設定部56は、LPF処理を施さない画像信号S20とLPF処理を施した画像信号S30とを混合する割合を決める混合係数Kを設定する。
【0053】
図8Aおよび図8Bは、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置30の混合回路42の動作の説明図である。図8Aは画像信号S20、S30の一例を示しており、実線はLPF処理を施さない画像信号S20を示し、破線はLPF処理を施した画像信号S30を示している。ここで横軸は時間を示し、縦軸は画像信号の大きさである表示階調を示している。また図8Bは最大値選択部61から出力される信号S31と混合係数との関係を示す図であり、横軸は信号S31の大きさを示し、縦軸は混合係数Kを示す。本実施の形態においては、信号S31が所定の閾値C62よりも大きい場合には、LPF処理を施した画像信号S20の混合比が「0」となるように混合係数Kを「0」とする。また信号S31が所定の閾値C62以下の場合には、信号S31が小さいほどLPF処理を施した画像信号S20の混合比が大きくなるように混合係数Kを設定する。ただし混合係数Kが「1」を超えることがないように制限されている。
【0054】
例えば、所定の閾値C62が「200」に、所定の定数C63が「0.01」にそれぞれ設定されていたとする。
【0055】
時刻taにおける画像信号S20が「220」、画像信号S30が「180」であったとすると、最大値選択部61は信号S31として「220」を出力する。減算部62は所定の閾値C62から信号S31を減じて「−20」を出力する。乗算部63は所定の定数C63を乗じて「−0.2」を出力するが、この値は混合係数の下限値「0」に満たないので、係数制限部64は混合係数Kとして「0」を出力する。すると混合係数設定部56は、LPF処理を施さない画像信号S20を画像信号S40として出力する。
【0056】
また時刻tbおける画像信号S20が「100」、画像信号S30が「140」であったとすると、最大値選択部61は信号S31として「140」を出力する。減算部62は所定の閾値C62から信号S31を減じて「60」を出力する。乗算部63は所定の定数C63を乗じて「0.6」を出力する。この値は混合係数の下限値と下限値との間であるので、係数制限部64は混合係数Kとして「0.6」を出力する。すると混合係数設定部56は、LPF処理を施さない画像信号S20を4割、LPF処理を施した画像信号S30を6割の割合で混合した画像信号S40を出力する。
【0057】
このように混合回路42は、ローパスフィルタ処理を施した画像信号S30およびローパスフィルタ処理を施さない画像信号S20が小さい場合には、ローパスフィルタ処理を施した画像信号S30またはローパスフィルタ処理を施さない画像信号S20が大きい場合よりも、ローパスフィルタ処理を施した画像信号S30の混合比率を大きく設定する。これにより画像信号処理回路31は、画像信号S10の表示階調が低く、暗い画像を表示する領域では消費電力の抑制を優先してLPF処理を施した画像信号S30の混合比を増加させる。また、画像信号S10の表示階調が高く、明るい画像を表示する領域では画像表示品質を優先してLPF処理を施した画像信号S30の混合比を減少させる。
【0058】
なお本実施の形態においては、混合係数の上限値を「1」、下限値を「0」としたが、上限値および下限値はこれらの値に限定されるものではなく、プラズマディスプレイ装置の仕様等に基づき、最適な値に設定することが望ましい。
【0059】
また本実施の形態においては、明るい画像を表示する領域においてLPF処理を施した画像信号S30の混合比を減らした。しかし、輝度の非常に高い領域では階調の視認性が低下することを考慮して、明るい画像を表示する領域においてLPF処理を施した画像信号S30の混合比を増やしてもよい。次にその例について説明する。
【0060】
(実施の形態2)
実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置30に用いるパネル10および駆動回路の回路ブロックは実施の形態1と同じである。実施の形態2が実施の形態1と異なるところは、混合係数設定部56である。
【0061】
図9は、本発明の実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置30の混合係数設定部56の回路ブロック図である。
【0062】
混合係数設定部56は、最大値選択部61、減算部62、乗算部63、最小値選択部71、減算部72、乗算部73、最大値選択部74、係数制限部75とを有する。最大値選択部61、減算部62、乗算部63およびその動作は実施の形態1と同様であるために説明を省略する。
【0063】
最小値選択部71は、LPF処理を施さない画像信号S20とLPF処理を施した画像信号S30とを入力し、小さいほうの値を信号S32として出力する。減算部72は画像信号S32から所定の閾値C72を減ずる。乗算部73は、減算部72の出力に所定の定数C73を乗ずる。最大値選択部74は、乗算部63の出力と乗算部73の出力とを比較して大きいほうの値を出力する。係数制限部75は、最大値選択部74の出力が混合係数の上限値を超えた場合には混合係数Kとして上限値を出力し、混合係数の下限値に満たない場合には混合係数Kとして下限値を出力する。それ以外の場合には最大値選択部74の出力を混合係数Kとして出力する。
【0064】
こうして、実施の形態2における混合係数設定部56は、LPF処理を施さない画像信号S20とLPF処理を施した画像信号S30とを混合する割合を決める混合係数Kを設定する。図10は、本発明の実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置30の混合係数設定部56の動作を説明図であり、横軸は信号S31および信号32の大きさを示し、縦軸は混合係数Kを示す。実施の形態1と同様に、信号S31が所定の閾値C62以下の場合には、信号S31が小さいほどLPF処理を施した画像信号S30の混合比が大きくなるように混合係数Kを設定する。一方、画像信号S32が所定の閾値C72よりも大きい場合には、信号S32が大きいほどLPF処理を施した画像信号S30の混合比が大きくなるように混合係数Kを設定する。ただし混合係数Kが1以上とならないように制限されている。
【0065】
これにより、暗い画像を表示する領域における画像信号S30の混合比を増加させるだけでなく、輝度が非常に高い領域でも画像信号S30の混合比を増加させることができる。
【0066】
(実施の形態3)
実施の形態3におけるプラズマディスプレイ装置30に用いるパネル10および駆動回路の回路ブロックは実施の形態1と同じである。実施の形態3が実施の形態1と異なるところは混合係数設定部56である。
【0067】
図11は、本発明の実施の形態3におけるプラズマディスプレイ装置30の混合係数設定部56の回路ブロック図である。混合係数設定部56は、差分算出部81、減算部82、乗算部83、係数制限部84を有する。
【0068】
差分算出部81は、LPF処理を施さない画像信号S20とLPF処理を施した画像信号S30とを入力し、その差の絶対値を信号S33として出力する。減算部82は所定の閾値C82から信号S33を減ずる。乗算部83は減算部82の出力に所定の定数C83を乗ずる。係数制限部84は、乗算部83の出力が混合係数の上限値「1」を超えた場合には混合係数Kとして「1」を出力し、混合係数の下限値「0」に満たない場合には混合係数Kとして「0」を出力する。それ以外の場合には乗算部83の出力を混合係数Kとして出力する。
【0069】
こうして、混合係数設定部56は、LPF処理を施さない画像信号S20とLPF処理を施した画像信号S30とを混合する割合を決める混合係数Kを設定する。
【0070】
図12Aおよび図12Bは、本発明の実施の形態3におけるプラズマディスプレイ装置30の混合係数設定部56の動作の説明図である。図12Aは画像信号S20、S30の一例を示しており、実線はLPF処理を施さない画像信号S20を示し、破線はLPF処理を施した画像信号S30を示している。ここで横軸は時間を示し、縦軸は画像信号の大きさである表示階調を示す。また図12Bは、差分算出部81の出力と混合係数Kとの関係を示す図であり、横軸は差分算出部81から出力された信号S33の大きさを示し、縦軸は混合係数Kを示す。
【0071】
実施の形態3においては、信号S33が所定の閾値C82よりも大きい場合には、LPF処理を施した画像信号S30の混合比が「0」となるように混合係数Kを「0」に設定する。また信号S33が所定の閾値C82以下の場合には、信号S33が小さいほどLPF処理を施した画像信号S30の混合比が大きくなるように混合係数Kを設定する。ただし混合係数Kが「1」以上とならないように制限されている。
【0072】
例えば、所定の閾値C82が「130」に、所定の定数C83が「0.01」にそれぞれ設定されていたとする。
【0073】
時刻taにおける画像信号S20が「200」、画像信号S30が「100」であったとすると、差分算出部81は信号S33としてその差「100」を出力する。減算部82は所定の閾値C82から信号S33を減じて「30」を出力する。乗算部83は所定の定数C83を乗じて「0.3」を出力する。この値は混合係数の下限値と下限値との間であるので、係数制限部84は混合係数Kとして「0.3」を出力する。すると混合係数設定部56は、LPF処理を施さない画像信号S20を7割、LPF処理を施した画像信号S30を3割の割合で混合した画像信号S40を出力する。
【0074】
また時刻tbおける画像信号S20が「60」、画像信号S30が「80」であったとすると、差分算出部81は信号S33として「20」を出力する。減算部82は所定の閾値C82から信号S31を減じて「110」を出力する。乗算部83は所定の定数C83を乗じて「1.1」を出力するが、この値は混合係数の上限値「1」を超えているので、係数制限部84は混合係数Kとして「1」を出力する。すると混合係数設定部56は、LPF処理を施した画像信号S30を画像信号S40として出力する。
【0075】
このように混合回路42は、ローパスフィルタ処理を施した画像信号S30とローパスフィルタ処理を施さない画像信号S20との差分が小さい場合には、ローパスフィルタ処理を施した画像信号S30とローパスフィルタ処理を施さない画像信号S20との差分が大きい場合よりも、ローパスフィルタ処理を施した画像信号S30の混合比率を大きく設定する。これにより、垂直方向の空間周波数成分の高い領域であっても、その高周波成分の振幅が大きい場合には重要な画像ディテールであると判断して、LPF処理を施した画像信号の混合比を「0」にする。また、その高周波成分の振幅が小さい場合には重要なディテールではないと判断して、LPF処理を施した画像信号の混合比を増やしている。
【0076】
このようにして画像表示品質を保ちつつ、データ電極駆動回路の消費電力を定常的に抑制している。
【0077】
なお、実施の形態1〜3においては、書込み期間において順次書込み動作を行うものとした。したがって、LPF回路は、注目画素の画像信号と、その1つ上の画素の画像信号と、その1つ下の画素の画像信号とを比較して中央値を出力した。しかし、例えば飛越書込み動作を行う場合には、LPF回路は、書込み期間において連続して書込み動作を行う3つの放電セルで表示する3つの画像信号の中央値を選択するために、注目画素の画像信号と、その2つ上の画素の画像信号と、その2つ下の画素の画像信号とを比較して中央値を出力すればよい。
【0078】
また、実施の形態1〜3においては、LPF回路は、中央値選択部と平均算出部とを有する構成であるとした。しかしLPF処理の効果を強めるために平均算出部を省略した構成であってもよい。
【0079】
また、実施の形態1〜3において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたにすぎず、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合せて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、画像表示品質を犠牲にすることなくデータ電極駆動回路の消費電力を削減することができ、プラズマディスプレイ装置として有用である。
【符号の説明】
【0081】
10 パネル
12 走査電極
13 維持電極
14 表示電極対
22 データ電極
25R 赤色に発光する蛍光体層
25G 緑色に発光する蛍光体層
25B 青色に発光する蛍光体層
30 プラズマディスプレイ装置
31 画像信号処理回路
32 データ電極駆動回路
33 走査電極駆動回路
34 維持電極駆動回路
35 タイミング発生回路
41 LPF回路
42 混合回路
43 画像データ変換回路
51,52 1H遅延部
53 中央値選択部
54 平均算出部
56 混合係数設定部
57 信号混合部
61,74 最大値選択部
62,72,82 減算部
63,73,83 乗算部
64,75,84 係数制限部
71 最小値選択部
81 差分算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行方向に長い表示電極対と列方向に長いデータ電極とが交差する位置に放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルと、書込み期間を有する複数のサブフィールドで1つのフィールドを構成するとともに前記プラズマディスプレイパネルの各電極に印加する駆動電圧波形を発生する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、
前記駆動回路は、
同じデータ電極を共有し、前記書込み期間において連続して書込み動作を行う3つの放電セルで表示する3つの画像信号の中央値を選択する中央値選択部を有するローパスフィルタ回路と、
前記ローパスフィルタ回路の出力するローパスフィルタ処理を施した画像信号と、前記ローパスフィルタ処理を施さない画像信号とを混合する混合回路と
を含むことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項2】
前記混合回路は、
前記ローパスフィルタ処理を施した画像信号および前記ローパスフィルタ処理を施さない画像信号が小さい場合には、前記ローパスフィルタ処理を施した画像信号または前記ローパスフィルタ処理を施さない画像信号が大きい場合よりも、前記ローパスフィルタ処理を施した画像信号の混合比率を大きく設定することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項3】
前記混合回路は、
前記ローパスフィルタ処理を施した画像信号と前記ローパスフィルタ処理を施さない画像信号との差分が小さい場合には、前記ローパスフィルタ処理を施した画像信号と前記ローパスフィルタ処理を施さない画像信号との差分が大きい場合よりも、前記ローパスフィルタ処理を施した画像信号の混合比率を大きく設定することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【公開番号】特開2011−145428(P2011−145428A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5476(P2010−5476)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】