説明

プラント監視制御システム

【課題】アラームやイベントのメッセージに関連する監視画面のうち、目的とする監視画面を迅速に選択、表示でき、かつ、任意の位置に見やすく表示できるようにする。
【解決手段】プラント6の監視に用いる監視画面2aを表示するモニタ装置2と、プラント6及びそのプロセス機器4、5に関するメッセージをモニタ装置2に表示する演算処理部9とを有するプラント監視制御システムにおいて、前記メッセージに関連する複数の監視画面を縮小して並べて一覧表示する関連監視画面一覧ウィンドウ30をモニタ装置2のディスプレイ面40に表示する。また、縮小された監視画面2aが一覧ウィンドウ30の外に選択的にドラッグ&ドロップされると、ドラッグ&ドロップされた縮小画面に表示している画像を、ディスプレイ面40に新たなウィンドウである監視画面ウィンドウにより拡大表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント監視制御システムに係わり、特に運転監視画面の表示に特徴を有する監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下水処理場、発電所、工場などのプラントは、プラントやプロセス、設備・機器などの運転状況に対する警報であるアラーム情報や、重要な機器が起動・停止したことやプラントの出力が所定値に達したことなどを通知するイベント情報を、プラント監視制御システムに発信する。このアラーム情報やイベント情報を受信したプラント監視制御システムは、アラームメッセージやイベントメッセージを運転監視画面に表示して、アラームやイベントの発生をオペレータに通知する。運転監視画面にアラームやイベントのメッセージが表示された場合、オペレータはプラントの状況を確認するために、そのメッセージに関連する画面を表示する。この表示方法としては、メニュー画面から関連する監視画面を選択し、表示する方法が一般的である。
【0003】
この方法では、メニュー画面から直接表示できない画面を表示したい場合などは、いくつかの監視画面を経由してから、目的の関連監視画面を表示しなくてはならない。従って、必要とする関連監視画面が複数あると、すべての関連監視画面を表示するのに時間がかかり、プラントの状況を把握するのが遅れる場合がある。
【0004】
この他に、アラームやイベントのメッセージに予め関連付けられた監視画面を表示する方法や、特許文献1のように、TAGと呼ばれるプラントのデータの識別子をアラームやイベントのメッセージに割り付けておき、このTAGなどの情報から関連監視画面を探し出して表示する方法がある。これらの方法では、予め監視画面にメッセージを登録しておく作業やTAGをメッセージに割り付けておく作業が必要になる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−259240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プラント監視制御システムでは、運転監視中に発生したアラームやイベントにいち早く対応しプラントの状況を把握するため、表示されたメッセージに関連する監視画面の表示の迅速化が望まれている。アラームやイベントのメッセージに関連する監視画面は、通常は複数あり、オペレータは、この中から必要な関連監視画面を探し出して表示する。表示の迅速化のためには、関連監視画面をアラームやイベントのメッセージの一覧画面から直ちに表示できるのが好ましい。
【0007】
しかしながら、特許文献1で示されたアラームやイベントのメッセージの一覧から監視画面を表示する方法では、オペレータが画面名称を基にして表示する画面を判断する必要がある。従って、実際に一度表示してみないと目的の関連監視画面を表示したかどうか判断できず、目的とする画面に到達するのに時間がかかる。
【0008】
他の方法として、関連監視画面を縮小して一覧にした画面を表示して、この一覧画面から関連監視画面を選択することも考えられる。この場合、アラームやイベントのメッセージによっては、一覧画面内の縮小画面に、類似した画像が複数表示されていたり、表示内容が細かい画像が表示されていたりすることもある。このような場合、縮小画面だけでは目的とする関連監視画面がどの画面であるか判断できない。
【0009】
また、アラームやイベントのメッセージ表示後、時間の経過により、アラームが復帰してしまったりプラントの状態が変化してしまったりする場合がある。この場合は、アラームやイベントが発生した時点の状況を表示している関連監視画面を表示するのが難しくなる。
【0010】
さらに、最近のマルチウィンドウ方式による表示の場合には、モニタ装置上に複数の画面(ウィンドウ)を表示したとき、画面が重なって表示されることがある。この場合には、どこにどの画面があるのか分らなくなり、目的とする画面を迅速に表示できなくなってしまう。また、複数の監視画面が表示されていると、目的とする監視画面が既に表示されているのにもかかわらず、再度同一画面を表示してしまうこともある。このような場合には、モニタ装置の画面内がさらに混雑してしまい、監視や対応操作の支障になるという課題がある。
【0011】
本発明の目的は、アラームやイベントのメッセージに関連する監視画面のうち、目的とする監視画面を迅速に選択、表示でき、かつ、任意の位置に見やすく表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるプラント監視制御システムは、前記目的を達成するために、基本的には以下のような構成をとる。
【0013】
すなわち、プラントの監視に用いる監視画面を表示するモニタ装置と、前記プラント及びそのプロセス機器から送信される情報に基づき、プラントやプロセス機器に関するアラーム及びイベントの少なくとも一つのメッセージを前記モニタ装置に表示する演算処理部とを有するプラント監視制御システムにおいて、前記メッセージに関連する複数の監視画面を縮小した縮小画面を並べて一覧表示する関連監視画面一覧ウィンドウを前記モニタ装置のディスプレイ面の一部エリアに表示することを特徴とする。また、縮小された前記監視画面が前記一覧ウィンドウの外に選択的にドラッグ&ドロップされると、ドラッグ&ドロップされた縮小画面に表示している画像を、前記ディスプレイ面に新たなウィンドウである監視画面ウィンドウにより拡大表示することを特徴とする。
【0014】
その具体的様態として次のようなものを提案する。前記プラント監視制御システムにおいて、例えば、前記関連監視画面一覧ウィンドウの縮小画面と前記監視画面ウィンドウに表示する画像は、少なくとも前記プラントの図式化された監視画像を含むことを特徴とする。
【0015】
また、前記関連監視画面一覧ウィンドウの縮小画面と前記監視画面ウィンドウに表示する画像は、アラームもしくはイベントメッセージ発生時、または現在の状態の監視画像であることを特徴とする。
【0016】
また、前記縮小画面及び前記監視画面ウィンドウには、アラームまたはイベントメッセージ発生時の監視画像と、現在の状態の監視画像とを選択可能に表示することを特徴とする。
【0017】
さらに、前記関連監視画面一覧ウィンドウにおけるドラッグ&ドロップされて前記監視画面ウィンドウを表示中の前記縮小画面は、前記監視画面ウィンドウを表示していないときと画面の表示状態が異なることを特徴とする。
【0018】
さらに、前記関連監視画面一覧ウィンドウは、ウィンドウ内に表示されている縮小画面の一覧を拡大するための拡大ボタンと縮小するための縮小ボタンとを有し、かつ、前記縮小画面の一覧をスクロールするためのスクロールバーを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、オペレータは、アラームやイベントメッセージに関連する監視画面を複数ある関連監視画面の中から迅速に選択、表示でき、かつ、任意の位置に見やすく表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明によるプラント監視制御システムにおける運転監視画面表示方法の例を、図1と図2を用いて説明する。
【0021】
図1は、本発明を用いたプラント監視制御システムの構成図である。監視装置1は、モニタ装置2、入力装置7、及び演算処理装置9を備え、ネットワーク3を介して、コントローラ4、プロセスI/O装置5、及びプラント機器6と接続している。
【0022】
モニタ装置2は、表示領域40を有し、監視画面2aやアラームメッセージ、イベントメッセージなどを表示する。監視画面2aは、複数存在し、それぞれにコントローラ4、プロセスI/O装置5、及びプラント機器6の運転状況(監視情報)を図式化した監視画像で表示する。また、監視画面2aには、画面番号が付けられている。表示領域40は、マルチウィンドウ機能を備え、複数の画面(ウィンドウ)を表示することができる。
【0023】
前記アラームメッセージは、プラントの運転中にプラント、プロセス設備・機器などが発信した警報であるアラーム情報に基づき表示されるメッセージである。前記イベントメッセージは、重要な機器が起動・停止したことや、プラントの出力が所定値に達したことなどを通知するイベント情報に基づき表示されるメッセージである。
【0024】
入力装置7は、プラント用キーボード7a、モニタ装置2に表示された画面を操作するマウス7b、及び監視装置用キーボード7cから構成される。プラント用キーボード7aは、オペレータがプラント機器6、コントローラ4、及びプロセスI/O装置5をチューニングする際にデータを入力するためのものである。監視装置用キーボード7cは、モニタ装置2の画面の設定や画面展開の操作を行うもので、インチングボタン、画面展開用のファンクションボタン、及び警報確認用ボタンなどを備えている。
【0025】
演算処理装置9は、画面表示処理部10、画面操作入力処理部11、関連画面管理処理部12、アラーム・イベント処理部13、及びデータ記憶部14を有する。
【0026】
プラント機器6は、例えばスイッチ6a、センサ6b、ポンプ6cなどから構成され、プロセスI/O装置5を介して、コントローラ4により制御される。コントローラ4、プロセスI/O装置5、及びプラント機器6は、ネットワーク3を介して監視装置1に自身の監視画像及び監視情報を送信し、運転状況を通知する。監視画像、監視情報の意義及び格納処理については後述する。また、コントローラ4、プロセスI/O装置5、及びプラント機器6は、状態や出力の変化などのイベントが発生した場合や異常が発生した場合には、イベント情報やアラーム情報をネットワーク3を介して監視装置1に送信し、イベントや異常の発生を通知する。
【0027】
監視装置1では、前記監視情報、前記イベント情報及び前記アラーム情報をアラーム・イベント処理部13で受信する。
【0028】
図2は、演算処理装置9の機能ブロック図である。図1に示すデータ記憶部14は、図2に示すように、次の4つのデータベース(DB)から構成される。すなわち、モニタ装置2の監視画面2aに表示すべきアラーム・イベントに関連する画像ファイルを格納するデータベース(以下、「アラーム・イベント関連監視画面画像データDB」20と称する)、プラント機器6及びこれを制御するコントローラ4やプロセスI/O装置5などから送信される監視情報を格納するデータベース(以下、「監視情報DB」21と称する)、モニタ装置2に表示されたアラーム・イベントメッセージに関連する監視画面2aの情報を格納するデータベース(以下、「アラーム・イベント関連監視画面情報DB」22と称する)、及びモニタ装置2に表示されたアラーム・イベントメッセージの情報を格納するデータベース(以下、「アラーム・イベント情報DB」23と称する)である。演算処理装置9が行う各種処理は、上記のデータベースに格納されたデータや情報を基に実行される。
【0029】
コントローラ4、プロセスI/O装置5、及びプラント機器6が送信した情報は、アラーム・イベント処理部13で受信するが、この情報のうち、プラント機器6及びこれを制御するコントローラ4やプロセスI/O装置5などの運転状態は、監視情報として監視情報DB21に登録され、前記イベント情報及び前記アラーム情報は、アラーム・イベント情報としてアラーム・イベント情報DB23に登録される。アラーム・イベント情報は、図17に示すように、モニタ装置2に表示された順番を表す表示番号、各メッセージに割り付けてあるメッセージ番号、アラームやイベントが発生した機器や装置類の名称を示す発生場所、アラームやイベントが発生した年月日と時刻を表す発生日時から構成される。
【0030】
また、プラント機器6、コントローラ4及びプロセスI/O装置5からは、自身の監視情報が演算処理装置9に送信される。これらの監視情報からなる画像ファイルは、アラームもしくはイベント情報があった時だけ、その時点の画像ファイルがアラーム・イベント関連監視画面画像データDB20に取り込まれる。
【0031】
ここで、本発明のプラント監視制御システムにおける、イベント情報やアラーム情報を受信してから監視画面2aを表示するまでの一連の処理を、図3のフロー図を用いて説明する。また、この処理においてモニタ装置2に表示する画面の例を、図4から図7を用いて説明する。
【0032】
監視装置1は、図3のS101で、受信した情報がアラーム情報かイベント情報かをアラーム・イベント処理部13で判定し、表示するメッセージを決定する。決定したメッセージは、モニタ装置2の表示領域40にアラーム・イベントメッセージ45として表示される。アラーム・イベントメッセージ45は、プラントの状態や出力値、異常発生などをオペレータに通知するメッセージである。表示されたアラーム・イベントメッセージ45には、モニタ装置2に表示された順番を表す表示番号が付加される。
【0033】
このときのモニタ装置2の画面表示例を、図4に示す。アラーム・イベントメッセージ45は、画面上部にあるメッセージ速報表示部43に表示される。メッセージ速報表示部43の下には、プロセスメッセージサマリ表示ボタン44が表示されている。
【0034】
オペレータは、上記アラーム・イベントメッセージにより、プラント機器6などに異常が発生したことや状態が変化したことなどを知ることができる。そして、後述するステップS102〜S107の一連の処理手順を経て、プラント機器6などの状況確認や異常発生の原因追及のため、アラーム・イベントメッセージに関連のある監視画面を表示する。アラーム・イベントメッセージに関連のある監視画面(以後、関連する監視画面または関連監視画面とも呼ぶ)とは、アラーム情報やイベント情報を発信した機器の監視画像を表示している画面、及び、上記機器とプラントの運転上関連のある機器の監視画像を表示している画面のことである。通常、1つのアラーム・イベントメッセージに対して、関連監視画面は複数存在する。以下、ステップS102〜S107について説明する。
【0035】
図3のS102では、演算処理装置9が、メッセージ速報表示部43に表示したアラーム・イベントメッセージ45に関連する監視画面2aの画像と画面情報を、それぞれアラーム・イベント関連監視画面画像データDB20とアラーム・イベント関連監視画面情報DB22に登録する。すなわち、コントローラ4、プロセスI/O装置5及びプラント機器6から送信される監視情報のうち、アラーム・イベント情報に関連するものが、図18に示すように、画像ファイルとしてアラーム・イベント関連監視画面画像データDB20に登録される。プラント機器6などの監視画像には、図18のようにグラフやシンボルにより図式化された画像が含まれる。また、それらの画像をどの監視画面に表示させるかを特定する画面情報が、アラーム・イベント情報に基づいてアラーム・イベント関連監視画面情報DB22に登録される。画像ファイルのファイル名には、各監視画面に割り付けてある監視画面番号とアラームやイベントが発生した年月日と時刻である発生日時とが含まれている。登録した画像ファイルは、アラームやイベントの発生時の画像であり、アラームやイベント発生時のプラントの状況を把握するために、要求があればいつでもモニタ装置2に表示することができる。例えば、アラームやイベントのメッセージ表示後、時間の経過により、アラームが復帰してしまったりプラントの状態が変化してしまったりした場合でも、登録した前記画像ファイルを表示することにより、アラームやイベントが発生した時点の状況を表示している関連監視画面を表示することができる。
【0036】
一方、アラーム・イベント関連監視画面情報DB22に登録される画面情報は、各アラーム・イベントメッセージに対してどの監視画面が関連あるかという情報である。すなわち、関連監視画面情報は、アラーム・イベントメッセージと関連監視画面との対応情報であり、図19に示すように、メッセージがアラームかイベントかを区別するメッセージ種別、各メッセージに割り付けてあるメッセージ番号、アラームやイベントが発生した機器や装置類の名称を示す発生場所、アラームやイベントが発生した年月日と時刻を表す発生日時、前記監視画面番号を記した関連監視画面番号から構成される。関連監視画面は通常複数あるので、前記関連監視画面番号は、関連監視画面の番号の数だけ存在する。
【0037】
S103では、オペレータがプロセスメッセージサマリ表示ボタン44をマウスカーソル42でクリックすると、プロセスメッセージサマリウィンドウ46が表示される。このときの画面表示の例を、図5に示す。プロセスメッセージサマリウィンドウ46には、現在までに受信したアラーム情報やイベント情報に対するアラーム・イベントメッセージが一覧となって表示される。
【0038】
S104では、図5に示すように、プロセスメッセージサマリウィンドウ46の中から、オペレータが監視画面を表示したいアラーム・イベントメッセージ45を選択し、マウスカーソル42でクリックする。すると、選択されたアラーム・イベントメッセージ45の表示番号と一致する表示番号を持つアラーム・イベント情報を、アラーム・イベント情報DB23から参照し、メッセージ番号、発生場所及び発生日時を取得する。このメッセージ番号、発生場所及び発生日時をキーワードとして、選択されたアラーム・イベントメッセージ45と関連する監視画面情報を、アラーム・イベント関連監視画面情報DB22の中から検索する。検索された関連監視画面情報には、関連監視画面の番号が含まれているので、この関連監視画面の番号から選択されたアラーム・イベントメッセージ45に関連する監視画面が分かる。そして、この関連監視画面に関連される画像ファイル(監視画像)を、アラーム・イベント関連監視画面画像データDB20の中からファイル名に含まれている前記監視画面番号と前記発生日時をキーワードとして検索する。上記のように検索された画面情報及び監視画像から、監視画像を表示する関連監視画面(前述したように、通常は複数存在する)を、縮小画面31として新しく開いたウィンドウに全て表示することにより、図6に示すような関連監視画面一覧ウィンドウ30が表示される。
【0039】
関連監視画面一覧ウィンドウ30は、複数ある関連監視画面を1つのウィンドウ内に縮小画面31として表示し、一覧できるようにした画面(ウィンドウ)である。関連監視画面一覧ウィンドウ30を用いることで、オペレータは、アラーム・イベントメッセージ45に関連した監視画面を全て1つのウィンドウ内に表示することができる。また、オペレータは、関連監視画面一覧ウィンドウ30の中から、プラントの状態認識や異常発生の原因解明などに必要な画面を探して、プラントの状況を把握することができる。
【0040】
関連監視画面一覧ウィンドウ30には、S102でアラーム・イベント関連監視画面画像データDB20に登録した関連監視画面の画像ファイルの他に、送信されてきている現在監視中の画像を、リアルタイムに切り替え表示することもできる。すなわち、監視装置用キーボード7cまたはマウス7bを操作して画面表示を変更すると、関連画面管理処理部12の処理により、表示してある画像を、現在監視中のものから登録してあるものへ、または、登録してあるものから現在監視中のものへと切り替えることができる。関連監視画面一覧ウィンドウ30に現在監視中の画像を表示するか登録してある画像ファイルを表示するかの選択や上記の表示の切り替えは、関連監視画面一覧ウィンドウ30内の全ての縮小画面に対して一括して行うことも、縮小画面を選択して個別に行うこともできる。
【0041】
縮小画面31は、同一の画面をもう1つ表示すること、すなわち縮小画面31を複製することもできる。複製した縮小画面31は、関連監視画面一覧ウィンドウ30内に表示される。従って、例えば、複製元の縮小画面には現在監視中の画像を表示し、複製した縮小画面には登録してある画像ファイルを表示して、この2つの画像を並べて表示することにより、現時点のプラントの状況とアラームやイベントの発生時の状況とを比較することができる。これにより、時間経過に伴うプラントの状況変化を把握することができる。
【0042】
また、縮小画面31は、関連画面管理処理部12と画面表示処理部10の処理により、定期的に現在監視中の画像を更新することで、最新の画像をリアルタイムに表示することができる。
【0043】
関連監視画面一覧ウィンドウ30に表示した縮小画面31は、新たに開いた別のウィンドウに拡大表示することもできる。別のウィンドウで開く場合は、S105からS106、S107へ進む。
【0044】
S106では、関連監視画面一覧ウィンドウ30に表示されている縮小画面31のうち、拡大表示したい画面を、関連監視画面一覧ウィンドウ30外にドラッグ&ドロップする。図6では、ドラッグ&ドロップしているマウスカーソル42の軌跡を矢印で表している。
【0045】
S107では、S106でドラッグ&ドロップした縮小画面31が、図7に示すように、監視画面ウィンドウ41として新たに開いた別のウィンドウに拡大表示される。監視画面ウィンドウ41も、関連監視画面一覧ウィンドウ30に表示された縮小画面31と同様に、アラーム・イベント関連監視画面画像データDB20に登録した関連監視画面の画像ファイルを表示することができる。また、表示画像を、現在監視中のものから登録してあるものへ、または、登録してあるものから現在監視中のものへと切り替えることもできる。さらに、関連画面管理処理部12と画面表示処理部10の処理により、定期的に現在監視中の画像を更新することで、最新の画像をリアルタイムに表示することもできる。
【0046】
ここで、関連監視画面一覧ウィンドウ30及び監視画面ウィンドウ41について、図8〜図10を用いて説明する。
【0047】
関連監視画面一覧ウィンドウ30は、図8に示したように、選択したアラーム・イベントメッセージ45に関連する監視画面の全てを、1つのウィンドウ内に縮小画面31の形で表示し、一覧できるようにしたものである。どの監視画面を縮小して一覧表示するのか、すなわち、どの画面が関連する監視画面であるかは、アラーム・イベント関連監視画面情報DB22に登録した前記関連監視画面情報から決定される。
【0048】
この縮小画面31は、オペレータが監視し操作する画面を縮小表示したものであり、実際にオペレータが監視している画像が表示される。関連監視画面一覧ウィンドウ30を利用することで、アラーム・イベントメッセージに関連する監視画面を表示する場合に、オペレータは、アラーム・イベントメッセージやそれに関連する画面の名称だけに頼ることなく、監視している画像を直接見ることで、所望の監視画面を探し出すことができる。オペレータは、マウス7bなどを用いて、1つまたは複数の縮小画面31を選択することができる。
【0049】
関連監視画面一覧ウィンドウ30は、縮小画面31を一覧表示する領域の他に、監視画面名称表示部32、拡大ボタン33、縮小ボタン34、閉じるボタン35、及びスクロールバー37を備える。
【0050】
監視画面名称表示部32には、マウス7bなどを用いて縮小画面31を選択すると、選択した縮小画面31に表示されている監視画面の名称が表示される。
【0051】
関連監視画面一覧ウィンドウ30は、図9に示すように、拡大ボタン33または縮小ボタン34を用いて、ウィンドウ内に表示されている縮小画面31の一覧を拡大または縮小することができる。図9(a)に表示されている画面に対し、拡大ボタン33をクリックしていくと、(b)→(c)→(d)のように画面が拡大表示されていく。また、(d)の画面に対し縮小ボタン34をクリックしていくと、(c)→(b)→(a)のように画面が縮小表示されていく。
【0052】
縮小画面31の数が多い場合や、拡大ボタン33を用いて一覧表示を拡大した場合などは、ウィンドウ内に表示しきれない縮小画面31が出てくる場合がある。このような場合には、スクロールバー37を操作して一覧画面をスクロールし、所望の縮小画面を表示することができる。
【0053】
拡大ボタン33を用いて縮小画面31の一覧を拡大すると、図9の(b)や(c)に示すように、複数の縮小画面31を同時に拡大して表示することができる。また、縮小画面31は、関連監視画面一覧ウィンドウ30内でマウス7bを用いてドラッグすることにより、表示位置を移動することができる。従って、関連監視画面一覧ウィンドウ30内で離れた位置に表示されていた複数の監視画面でも、位置が隣接するように移動させることにより、同時に監視することができる。これら隣接させた監視画面は、必要に応じて、拡大ボタン33または縮小ボタン34を用いて、関連監視画面一覧ウィンドウ30内で同時に拡大または縮小することができる。
【0054】
閉じるボタン35は、関連監視画面一覧ウィンドウ30を閉じるときに用いる。
【0055】
縮小画面31は、関連監視画面一覧ウィンドウ30外にドラッグ&ドロップして、新たに開いた別のウィンドウに拡大して表示することができる。図6に点線で示した矢印がマウスカーソル42の軌跡であり、縮小画面の1つをドラッグ&ドロップしている様子を表している。縮小画面をドラッグ&ドロップすると、図7に示したように、監視画面ウィンドウ41として新しいウィンドウが開く。監視画面ウィンドウ41には、ドラッグ&ドロップした縮小画面と同じ画像が拡大表示される。監視画面ウィンドウ41に表示されている画面は、元の縮小画面と同様に、実際にオペレータが監視している画像が表示されており、オペレータが操作することができる。
【0056】
この機能は、関連監視画面一覧ウィンドウ30において、複数の縮小画面に類似した画像が表示されていて区別がつかない場合や、縮小画面の表示内容が細かくて画像の確認が困難である場合など、縮小画面31の詳細を確認したい場合に有効である。従って、監視画面の視認性の向上やオペレータの操作の迅速化を図ることができる機能である。
【0057】
ドラッグ&ドロップによる拡大率は、予め定めた値を用いるが、設定により変更可能である。また、監視画面ウィンドウ41は、ウィンドウ枠をマウス7bでドラッグすることにより、任意のサイズに変更することができる。
【0058】
監視画面ウィンドウ41で表示中の監視画面に対しては、図7に示したように、関連監視画面一覧ウィンドウ30内では該当する縮小画面を網掛け表示36にして表示を変更し、監視画面ウィンドウ41として表示していない縮小画面と区別する。これは、既に監視画面ウィンドウ41で表示されている縮小画面を、間違って新たな監視画面ウィンドウとして表示するのを防止するためである。縮小画面の表示を変更するこの方法は、上述の網掛け表示に限られるものではなく、例えば、縮小画面の表示色を反転させたり縮小画面を点滅させたりするなど、他の縮小画面と区別できる方法であればよい。監視画面ウィンドウ41を閉じると、縮小画面の表示は、上述の変更が解除されて監視画面ウィンドウ41の表示前の状態に戻る。
【0059】
また、複数の監視画面ウィンドウ41を表示することもできる。これは、縮小画面を1つずつドラッグ&ドロップするか、または、複数の縮小画面を一括して同時にドラッグ&ドロップすることにより、実行することができる。図10には、一例として、2つの監視画面ウィンドウ41を表示した場合を示した。このように、監視したい画面が複数ある場合は、それぞれの監視画面ウィンドウ41を表示し、それらを同時に監視したり比較したりすることができる。
【0060】
縮小画面31のドラッグ&ドロップは、表示領域40内で、既に表示されているウィンドウ以外の領域(デスクトップ領域)であれば、任意の位置に行うことができる。従って、オペレータは、既に表示されているウィンドウと重ならないようにするなど、自分の見やすい任意の位置に監視画面ウィンドウ41を配置することができる。
【0061】
以上説明した縮小画面を別のウィンドウとして表示する機能により、オペレータは、アラーム・イベントメッセージに関連する所望の監視画面を、任意の位置に任意のサイズで表示でき、プラントの状況把握や異常確認などを迅速に行うことができるので、監視作業の効率を向上させることができる。
【0062】
ここからは、監視装置1のアラーム・イベント処理部13、関連画面管理処理部12、画面操作入力処理部11、及び画面表示処理部10で実行する処理について、それぞれ説明する。
【0063】
初めに、アラーム・イベント処理部13で行う処理を、図11のフロー図を用いて説明する。まず、ステップの説明に先立ち、コントローラ4、プロセスI/O装置5、及びプラント機器6が発信した監視情報及びアラーム・イベント情報(アラーム情報及び/またはイベント情報)は、それぞれ監視情報DB21及びアラーム・イベント情報DB23に登録されている。
【0064】
S201では、図3のS101の処理を行う。すなわち、受信したアラーム情報、イベント情報、及び監視情報を判定し、表示するメッセージを決定する。
【0065】
S202でも、引き続き図3のS101の処理を行う。画面表示処理部10へ、S201で判定した上記メッセージを、アラーム・イベントメッセージ45としてモニタ装置2に表示するように要求する。
【0066】
図3のS102で説明したように、演算処理装置9は、表示したアラーム・イベントメッセージ45に関連する監視画面の画像と、アラーム・イベントメッセージ45と監視画面との関連を表す関連監視画面情報を、データ記憶部14のデータベース(アラーム・イベント関連監視画面画像データDB20、アラーム・イベント関連監視画面情報DB22)のそれぞれに登録する。
【0067】
すなわち、S203では、演算処理装置9の関連画面管理処理部12が、上述した図3のS102の処理を行う。具体的には、関連画面管理処理部12は、上記アラーム・イベントメッセージに関連する監視画面の画像を、アラーム・イベント関連監視画面画像データDB20に登録するように要求する。また、関連画面管理処理部12は、上記アラーム・イベント情報に関連する監視画面情報を、アラーム・イベント関連監視画面情報DB22に登録するように要求する。
【0068】
関連画面管理処理部12の処理の流れを、図12のフロー図を用いて説明する。関連画面管理処理部12は、表示したアラーム・イベントメッセージ45に関連する監視画面を管理する処理を行う。具体的には、既述のように、アラーム・イベント関連監視画面画像データDB20に画像ファイルを登録したり、アラーム・イベント関連監視画面情報DB22に関連監視画面情報を登録したりする処理を行う。また、現在監視中の画像を取得したり、上記データベースに登録した画像ファイルを表示するために取得したりする処理も行う。
【0069】
S301では、関連画面管理処理部12に対する要求が何であるか判断する。画像や関連監視画面情報を登録する場合はS302へ進み、現在監視中の画像や登録してある画像ファイルを取得する場合はS305へ進む。
【0070】
まず、画像や関連監視画面情報を登録する場合について説明する。S302では、表示したアラーム・イベントメッセージ45に関連する監視画面を、全ての監視画面の中から検索し、探し出す。前記関連する監視画面は、通常は複数存在する。
【0071】
S303では、図11のS203の要求に従い、S302で検索して探し出した前記関連する監視画面に表示されている画像の全てを、アラーム・イベント関連監視画面画像データDB20に登録する。
【0072】
S304は、図11のS203の要求に従い、S302で検索して探し出した監視画面と表示したアラーム・イベントメッセージ45との関連情報である関連監視画面情報を、アラーム・イベント関連監視画面情報DB22に登録する。
【0073】
次に、S301において、現在監視中の画像や登録してある画像ファイルを取得すると判断した場合について説明する。この場合はS305に進む。S305では、アラーム・イベント関連監視画面情報DB22から、表示したアラーム・イベントメッセージ45に対応する関連監視画面情報を取得する。前述したように、関連監視画面情報は、アラーム・イベントメッセージと関連監視画面との対応情報である。
【0074】
S306では、取得する画像が、現在監視中のものであるかアラームやイベントの発生時のものであるかを判断する。
【0075】
S307は、S306で現在監視中の画像を取得する場合の処理である。S305で取得した関連監視画面情報を基にして、表示したアラーム・イベントメッセージ45に関連する監視画面を全て取得する。
【0076】
S306で、アラームやイベントの発生時の画像ファイルを取得する場合は、S308へ進む。S308では、S305で取得した関連監視画面情報を基にして、アラーム・イベント関連監視画面画像データDB20から、表示したアラーム・イベントメッセージ45に関連する監視画面の画像ファイルを全て取得する。
【0077】
次に、画面操作入力処理部11について説明する。画面操作入力処理部11は、オペレータが、プロセスメッセージサマリ表示ボタン44をクリックしてプロセスメッセージサマリウィンドウ46を表示するとき(図3のS103)、アラーム・イベントメッセージ45を選択してクリックしたとき(図3のS104)、及び縮小画面31をドラッグ&ドロップしたとき(図3のS106)の画面操作に対して処理を行う。図13は、画面操作入力処理部11のフロー図である。
【0078】
S401では、上記の3つの画面操作のうち、どれが実行されたかという操作情報を取得する。
【0079】
S402では、取得した上記操作情報に基づいて行う処理を判断し、S403、S404またはS405へ進む。
【0080】
S403は、上記画面操作が、図4に示したプロセスメッセージサマリ表示ボタン44をクリックして、図5に示したようにプロセスメッセージサマリウィンドウ46を表示する場合の処理である。この場合は、画面表示処理部10へ、プロセスメッセージサマリウィンドウ46の表示を要求する。
【0081】
S404は、上記画面操作が、図5に示したように、プロセスメッセージサマリウィンドウ46の中から、監視画面を表示したいアラーム・イベントメッセージ45をオペレータがマウス7bでクリックした場合の処理である。この場合は、画面表示処理部10へ、クリックしたアラーム・イベントメッセージ45に対する関連監視画面一覧ウィンドウ30の表示を要求する。
【0082】
S405では、上記画面操作が、図6に示したように、関連監視画面一覧ウィンドウ30に表示されている縮小画面31を、関連監視画面一覧ウィンドウ30外にドラッグ&ドロップした場合の処理である。この場合は、画面表示処理部10へ、ドラッグ&ドロップした縮小画面31に対する監視画面ウィンドウ41の表示を要求する。
【0083】
ここからは、画面表示処理部10について、図14のフロー図を用いて説明する。画面表示処理部10は、関連監視画面一覧ウィンドウ30、監視画面ウィンドウ41、アラーム・イベントメッセージ45、及びプロセスメッセージサマリウィンドウ46を、モニタ装置2の表示領域40に表示する処理を行う。
【0084】
S501では、画面表示するものが上記の4種のうちどれであるかという表示要求を取得する。
【0085】
S502では、取得した上記表示要求に基づいて行う処理を判断し、S503、S506、S509、またはS510へ進む。
【0086】
S503からS505は、上記表示要求が、図13のS404に示したように、クリックしたアラーム・イベントメッセージ45に対する関連監視画面一覧ウィンドウ30の表示である場合の処理である。図3のフロー図では、S104の処理に対応する。
【0087】
S503では、関連画面管理処理部12から、クリックしたアラーム・イベントメッセージ45に対する監視画面を全て取得する。この処理は、図12のS305、S306、及びS307に示した処理に従い行われる。
【0088】
S504では、上記の取得した監視画面の全てを、関連監視画面一覧ウィンドウ30内に表示するために縮小する。
【0089】
S505では、新しいウィンドウをモニタ装置2の表示領域40に開き、S504で縮小した監視画面を全て縮小画面31として上記新しいウィンドウ内に配置することにより、関連監視画面一覧ウィンドウ30を表示する。
【0090】
次に、S502の判断で、S506へ進む場合について説明する。S506からS508は、上記表示要求が、図13のS405に示したように、ドラッグ&ドロップした縮小画面31に対する監視画面ウィンドウ41の表示である場合の処理である。図3のフロー図では、S106とS107の処理に対応する。
【0091】
S506では、関連画面管理処理部12から、ドラッグ&ドロップした縮小画面31に対する監視画面を取得する。この処理は、図12のS305、S306、及びS307またはS308に示した処理に従い行われる。
【0092】
S507では、上記の取得した監視画面を、監視画面ウィンドウ41に表示するために拡大する。
【0093】
S508では、新しいウィンドウをモニタ装置2の表示領域40に開き、S507で拡大した監視画面を上記新しいウィンドウ内に配置することにより、監視画面ウィンドウ41を表示する。
【0094】
なお、複数の縮小画面を一括して同時にドラッグ&ドロップした場合は、ドラッグ&ドロップした縮小画面の数だけ監視画面ウィンドウ41を表示する。この場合は、S506からS508の処理を、ドラッグ&ドロップした縮小画面の数だけ繰り返せばよい。
【0095】
次に、S502の判断で、S509へ進む場合について説明する。S509は、上記表示要求が、図11のS202で、アラーム・イベントメッセージを表示する場合の処理である。図3のフロー図では、S101の処理に対応する。本処理では、図11のS201で判定したメッセージをアラーム・イベントメッセージ45として、表示領域40のメッセージ速報表示部43に表示する。
【0096】
最後に、S502の判断で、S510へ進む場合について説明する。S510は、上記表示要求が、図13のS403で、プロセスメッセージサマリウィンドウ46を表示する場合の処理である。図3のフロー図では、S103の処理に対応する。本処理では、現在までに受信したアラーム情報やイベント情報に対するアラーム・イベントメッセージを一覧にして、プロセスメッセージサマリウィンドウ46に表示する。
【0097】
以上で、監視装置1の演算処理装置9が備える、アラーム・イベント処理部13、関連画面管理処理部12、画面操作入力処理部11、及び画面表示処理部10で実行する処理について説明した。
【0098】
ここで、関連監視画面一覧ウィンドウ30と監視画面ウィンドウ41について、説明を加える。
【0099】
モニタ装置2に表示される監視画面では、プラントの運転上関連のある機器の監視画面は互いにリンクしていて、ある機器の監視画面からそれに関連のある機器の監視画面を呼び出せるようになっている。
【0100】
図15に、この一例を示す。図15の(a)から(h)は監視画面である。(a)と(b)はリンクしており、(a)から(b)を呼び出して表示することができる。また、(c)は、(d)、(f)及び(g)とリンクしており、(d)と(g)は、それぞれ(e)と(h)にリンクしている。従って、(e)は、(c)から(d)を経由して表示することができ、(h)は、(c)から(g)を経由して表示することができる。
【0101】
関連監視画面一覧ウィンドウ30では、このようにリンクされた監視画面も縮小画面31として表示することができる。このため、従来はリンクをいくつかたどって表示していた監視画面も、リンクをたどる必要がなく一度に表示することができる。
【0102】
また、縮小画面31を別のウィンドウで開いた監視画面ウィンドウ41でも、上述の監視画面のリンク関係を保持している。従って、ある監視画面ウィンドウから、これにリンクしている監視画面ウィンドウを開いて表示することができる。図16にこの様子を示す。図中の矢印は、背面にある監視画面ウィンドウから、これにリンクしている監視画面ウィンドウを前面に表示していく様子を示している。監視画面ウィンドウ41−1は、最背面にある監視画面ウィンドウから、これの前面にある監視画面ウィンドウを経由して表示されたものである。監視画面ウィンドウ41−2は、最背面にある監視画面ウィンドウから、2つの監視画面ウィンドウを経由して表示されたものである。
【0103】
なお、監視画面ウィンドウ41−1と監視画面ウィンドウ41−2は、上述のように他の監視画面ウィンドウからリンクをたどって表示しなくても、関連監視画面一覧ウィンドウ30からドラッグ&ドロップして直接表示することもできる。どちらの方法で表示するのかは、オペレータが決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明によるプラント監視制御システムの構成図。
【図2】本発明によるプラント監視制御システムの演算処理装置の機能ブロック図。
【図3】監視画面を表示するまでの一連の処理のフロー図。
【図4】アラーム・イベントメッセージを表示したときの画面表示の例。
【図5】プロセスメッセージサマリウィンドウを表示したときの画面表示の例。
【図6】関連監視画面一覧ウィンドウを表示したときの画面表示の例。
【図7】監視画面ウィンドウを表示したときの画面表示の例。
【図8】関連監視画面一覧ウィンドウの説明図。
【図9】関連監視画面一覧ウィンドウに表示されている縮小画面を拡大・縮小した図。
【図10】監視画面ウィンドウを2つ表示している図。
【図11】アラーム・イベント処理部で行う処理のフロー図。
【図12】関連画面管理処理部で行う処理のフロー図。
【図13】画面操作入力処理部で行う処理のフロー図。
【図14】画面表示処理部で行う処理のフロー図。
【図15】関連のある機器の監視画面がリンクしていることの説明図。
【図16】リンクしている監視画面ウィンドウを表示している図。
【図17】アラーム・イベント情報DBに登録されたアラーム・イベント情報。
【図18】アラーム・イベント関連監視画面画像データDBに登録された画像ファイル。
【図19】アラーム・イベント関連監視画面情報DBに登録されたアラーム・イベント関連監視画面情報。
【符号の説明】
【0105】
1…監視装置、2…モニタ装置、2a…監視画面、3…ネットワーク、4…コントローラ、5…プロセスI/O装置、6…プラント機器、6a…スイッチ、6b…センサ、6c…ポンプ、7…入力装置、7a…プラント用キーボード、7b…マウス、7c…監視装置用キーボード、9…演算処理装置、10…画面表示処理部、11…画面操作入力処理部、12…関連画面管理処理部、13…アラーム・イベント処理部、14…データ記憶部、20…アラーム・イベント関連監視画面画像データDB、21…監視情報DB、22…アラーム・イベント関連監視画面情報DB、23…アラーム・イベント情報DB、30…関連監視画面一覧ウィンドウ、31…縮小画面、32…監視画面名称表示部、33…拡大ボタン、34…縮小ボタン、35…閉じるボタン、36…網掛け表示、37…スクロールバー、40…表示領域、41…監視画面ウィンドウ、42…マウスカーソル、43…メッセージ速報表示部、44…プロセスメッセージサマリ表示ボタン、45…アラーム・イベントメッセージ、46…プロセスメッセージサマリウィンドウ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの監視に用いる監視画面を表示するモニタ装置と、前記プラント及びそのプロセス機器から送信される情報に基づきプラントやプロセス機器に関するアラーム及びイベントの少なくとも一つのメッセージを前記モニタ装置に表示する演算処理部とを有するプラント監視制御システムにおいて、
前記メッセージに関連する複数の監視画面を縮小した縮小画面を並べて一覧表示する関連監視画面一覧ウィンドウを前記モニタ装置のディスプレイ面の一部エリアに表示し、
縮小された前記監視画面が前記一覧ウィンドウの外に選択的にドラッグ&ドロップされると、ドラッグ&ドロップされた縮小監視画面に表示している画像を、前記ディスプレイ面に新たなウィンドウである監視画面ウィンドウにより拡大表示することを特徴とするプラント監視制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載のプラント監視制御システムにおいて、
前記関連監視画面一覧ウィンドウの縮小画面と前記監視画面ウィンドウに表示する画像は、少なくとも前記プラントの図式化された監視画像を含むことを特徴とするプラント監視制御システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプラント監視制御システムにおいて、
前記関連監視画面一覧ウィンドウの縮小画面と前記監視画面ウィンドウに表示する画像は、アラームもしくはイベントメッセージ発生時、または現在の状態の監視画像であることを特徴とするプラント監視制御システム。
【請求項4】
請求項3に記載のプラント監視制御システムにおいて、
前記縮小画面及び前記監視画面ウィンドウには、アラームまたはイベントメッセージ発生時の監視画像と、現在の状態の監視画像とを選択可能に表示することを特徴とするプラント監視制御システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のプラント監視制御システムにおいて、
前記関連監視画面一覧ウィンドウにおけるドラッグ&ドロップされて前記監視画面ウィンドウを表示中の前記縮小画面は、前記監視画面ウィンドウを表示していないときと画面の表示状態が異なることを特徴とするプラント監視制御システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のプラント監視制御システムにおいて、
前記関連監視画面一覧ウィンドウは、ウィンドウ内に表示されている縮小画面の一覧を拡大するための拡大ボタンと縮小するための縮小ボタンとを有し、かつ、前記縮小画面の一覧をスクロールするためのスクロールバーを有していることを特徴とするプラント監視制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−146208(P2009−146208A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323612(P2007−323612)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】