説明

プリンタドライバ、及び情報処理端末

【課題】PC、ワークステーション等に搭載される出力装置を制御するプリンタドライバ、及び情報処理端末を提供する。
【解決手段】画像形成装置側における自動給紙トレイ選択処理としてではなく、印刷動作を要求するプリンタドライバにおいて、予め双方向通信や、ユーザからの設定によって得られた、機器搭載の給紙トレイの情報に基づいて、印刷原稿に対応する用紙を保持する給紙トレイを自動選択することにより、画像形成装置にかかるコストを抑えることが可能となる。また、ユーザからの印刷を所望する用紙サイズ、用紙種類、用紙向きから自己判断する給紙トレイ指定設定処理を省き、その決定処理を自動処理にてプリンタドライバで実施することで、ユーザに常に最適な自動給紙トレイ選択処理を自動で実施することが可能となり、ユーザの煩雑な操作を軽減することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタドライバ、及び情報処理端末に関し、特に、PC、ワークステーション等に搭載される出力装置を制御するプリンタドライバ、及び情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の給紙トレイを有する従来のプリンタは、PC、ワークステーション等から指定された用紙サイズ、用紙種類、用紙向き等の印刷条件に基づいて紙を供給する給紙トレイを選択していた。また、給紙選択された給紙トレイ内の用紙がプリント実行中になくなった場合、切り替える先の給紙トレイの選択についてはプリンタ側に一任されていた。
【0003】
特許文献1では、複数の給紙トレイを備え、選択された上記給紙トレイ内の用紙がプリント実行中に無くなった場合に、所定の給紙トレイに自動的に切り替えて給紙するリミットレス給紙機能を備えたプリンタ装置において、上記給紙トレイごとに該トレイの紙種情報を持ち、選択された給紙トレイの紙種と同じ紙種をもつ上記給紙トレイへの切り替えのみを可能とすることにより、リミットレス給紙をする際に異紙種間へのトレイ切り替えを防ぐことができ、それによって、ユーザが各給紙トレイに用途に応じた紙種を設定しておくことによって、意図せぬ用紙の給紙を防ぐことができるプリンタ装置が提案されている。
【特許文献1】特開2000−143017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の発明は以下の問題を有している。
【0005】
従来のプリンタ装置においては、PC、ワークステーション等から指定された用紙サイズ、用紙種類、用紙向き等の印刷条件に基づいて、プリンタ装置側で指定された印刷条件に対応する用紙を保持する給紙トレイを選択し、給送していた。そのため、プリンタ装置の機器側に給紙トレイを選択するプリンタドライバ等を設けなければならず、装置コストを削減することが困難であった。
【0006】
また、印刷条件に基づいて複数の給紙トレイから該印刷条件に対応する給紙トレイを選択する機能をプリンタ装置が有しない場合、ユーザは印刷時に常に、印刷条件に対応する給紙トレイを意識して、給紙トレイの選択をも行わなければならず、その操作が煩雑であった。
【0007】
本発明は、プリンタ装置側において印刷条件に対応する自動給紙トレイ選択処理を行うのではなく、PC等が有するプリンタドライバにおいて、予め双方向通信やユーザからの設定によって得られた機器搭載の給紙トレイの情報(用紙サイズ、用紙種類、用紙向き、トレイ数など)と、プリンタ装置によって印刷する原稿のデータとにより、用紙を給送する給紙トレイを選択するプリンタドライバ、及び情報処理端末を提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、複数の給紙トレイを備える画像形成装置のプリンタドライバにおいて、前記各給紙トレイが保持する用紙の用紙種類、用紙サイズ、及び向きに基づき、印刷原稿に対応する用紙を保持する前記給紙トレイを設定することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記印刷原稿の用紙サイズが、いずれの給紙トレイに保持される用紙のサイズとも一致しなかった場合、用紙サイズにかかわらず、前記印刷原稿の用紙種類と一致する用紙を保持する給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズがいずれの給紙トレイに保持される用紙のサイズとも一致せず、かつ前記印刷原稿の用紙種類及び向きが全ての給紙トレイと一致している場合、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズがいずれの給紙トレイに保持される用紙のサイズとも一致せず、前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の向きが前記第1の給紙トレイとのみ一致している場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズがいずれの給紙トレイに保持される用紙のサイズとも一致せず、前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の向きが前記第1の給紙トレイと一致しなかった場合、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイに保持される用紙のサイズと一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類及び向きが全ての給紙トレイと一致した場合、用紙サイズにかかわらず、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイに保持される用紙のサイズと一致し、前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の向きが全ての用紙種類を保持できる給紙トレイとのみ一致した場合、用紙サイズにかかわらず、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイに保持される用紙のサイズと一致し、前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の向きが前記第1の給紙トレイと一致しなかった場合、用紙サイズにかかわらず、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイに保持される用紙のサイズと一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が前記第2の給紙トレイとのみ一致した場合、用紙サイズにかかわらず、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイに保持される用紙のサイズと一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が前記第2の給紙トレイとのみ一致した場合、用紙サイズにかかわらず、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが前記第1の給紙トレイとのみ一致し、かつ前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイと一致した場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズ及び用紙種類が前記第2の給紙トレイとのみ一致した場合、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0020】
請求項13記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが前記第2の給紙トレイとのみ一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致した場合、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0021】
請求項14記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズ及び用紙種類が全ての給紙トレイと一致しない場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0022】
請求項15記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイと一致せず、かつ前記印刷原稿の用紙種類が前記第1の給紙トレイとのみ一致した場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0023】
請求項16記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致しなかった場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0024】
請求項17記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が前記第1の給紙トレイとのみ一致した場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0025】
請求項18記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが前記第1の給紙トレイとのみ一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致しなかった場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0026】
請求項19記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズ及び用紙種類が前記第1の給紙トレイとのみ一致した場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0027】
請求項20記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが前記第2の給紙トレイとのみ一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致しなかった場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0028】
請求項21記載の発明は、請求項1記載のプリンタドライバにおいて、前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、前記印刷原稿の用紙サイズが前記第2の給紙トレイとのみ一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が前記第1の給紙トレイとのみ一致した場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする。
【0029】
請求項22記載の情報処理端末は、請求項1から22のいずれか1項記載のプリンタドライバを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、画像形成装置側における自動給紙トレイ選択処理としてではなく、印刷動作を要求するプリンタドライバにおいて、予め双方向通信や、ユーザからの設定によって得られた、機器搭載の給紙トレイの情報(用紙サイズ、用紙種類、用紙向き、トレイ数など)に基づいて、印刷原稿に対応する用紙を保持する給紙トレイを自動選択することにより、画像形成装置にかかるコストを抑えることが可能となり、コストダウンを達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態に係るプリントシステムの構成及び動作について説明する。
【0032】
まず、本実施形態に係るプリントシステムの構成について図1を用いて説明する。
【0033】
本実施形態に係るプリントシステムは、複数の給紙トレイを有する画像形成装置10、ユーザから印刷要求の受け付け、画像形成装置10への印刷条件の設定等を行うプリンタドライバを有するPC20、及び画像形成装置10とPC20との双方向通信を実現するネットワーク30を有して構成される。本実施形態において、ネットワークは、Internet/Intranet又はローカルポート(USB/セントロ/IEEE1394など)などの通信インフラとする。
【0034】
本実施形態に係るプリンタシステムは、画像形成装置10とPC20間において、給紙トレイのあり/なし、及び各給紙トレイの情報(セットされている用紙サイズ、用紙種類、セットされている用紙の向き)を双方向通信機能により授受し、その情報をPC20が有するプリンタドライバなどの双方向通信情報を利用するソフトエアに供与する機能を有している。また、何らかの都合にて双方向通信が不能な場合には、プリンタドライバなどの双方向通信情報を利用するソフトウェア上にて、ユーザが各給紙トレイの情報をマニュアル(双方向通信で自動設定する方をオートとすならば)で実施することも可能である。
【0035】
次に、PC20のソフトウェア構成について図2を用いて説明する。
【0036】
PC20のソフトウェア構成は、印刷を実施するソフトウェアからなるプリンタアプリケーション201、PC20のシステム管理と、基本的なユーザ操作環境を提供するソフトウェアからなるOS202、ユーザから印刷要求の受け付け、画像形成装置10へ印刷条件を設定するプリンタドライバ203、PC20のソフトウェア全体の処理効率向上を図るソフトウェアからなる印刷スプーラ204、及び印刷を実施する原稿のデータ及び画像形成装置10への印刷条件の送信を実行するソフトウェアからなるネットワークポート205を有して構成される。本ソフトウェア構成例は、プリンタドライバ203の前後にて、作用するソフトウェアモジュールを例として掲げているが、環境によってはこの例の限りでなく、さまざまな構成をとり得るものとする。
【0037】
次に、図3に示すフローチャートを用いて、プリンタドライバ203において印刷条件を決定し、該印刷条件を画像形成装置10に設定する動作について詳細に説明する。なお、画像形成装置10は、印刷時にプリンタアプリケーション201からの指示を受けて、印刷を実行する。また、本実施形態に係る画像形成装置10は、普通紙しか保持することができない給紙トレイ2と、全ての種類の用紙を保持することができる給紙トレイ1とを有しているものとする。ここで、給紙トレイ2は、保持できる用紙サイズ、及び保持する用紙の向きをユーザが任意に変更できないものとする。給紙トレイ1は、保持できる用紙サイズ、及び保持する用紙の向きをユーザが任意に変更できるものとする。本実施形態においては、2つの給紙トレイを有する画像形成装置10について説明するが、2以上の給紙トレイを有していればよく、その数に制限はない。
【0038】
プリンタドライバ203は、以下の手順により、印刷原稿の用紙サイズ、用紙種類、用紙の向きと、予め双方向通信又はユーザによるマニュアルの設定により入手した画像形成装置10が有する各給紙トレイの情報とを照合し、使用する給紙トレイを決定する。なお、本実施形態において、プリンタドライバ203は表1に従って給紙トレイを決定した。
【0039】
【表1】

【0040】
まず、プリンタドライバ203は、全ての給紙トレイに保持される用紙種類と印刷原稿の用紙種類とが一致しないか否かを判断する(ステップS301)。印刷原稿の用紙種類がいずれの給紙トレイに保持される用紙種類とも一致しなかった場合は(ステップS301/YES)、固定の用紙種類のみ給紙(セット)可能であるトレイ2(さらに本実施例では、その固定の用紙種類を、普通紙として紹介することとする)を給紙トレイから外し、残りのトレイで給紙トレイを選択することになる。尚本実施例では、便宜上、トレイは2個とし、トレイ1は、すべての用紙種類を給紙可能なトレイとしているため、残りのトレイは、本トレイ1となることになる。これにて、給紙トレイはトレイ1に設定される(ステップS311)。
【0041】
一方、印刷原稿の用紙種類がいずれか1つの給紙トレイに保持される用紙種類と一致した場合は(ステップS301/NO)、印刷原稿の用紙種類がトレイ2の用紙種類と一致するか否かを判断する(ステップS302)。印刷原稿の用紙種類がトレイ2の用紙種類と一致しなかった場合は(ステップS302/NO)、すべての用紙種類を給紙可能な給紙トレイであるトレイ1を給紙トレイとして設定する(ステップS311)。
【0042】
印刷原稿の用紙種類がトレイ2の用紙種類と一致した場合は(ステップS302/YES)、トレイ2以外のトレイ、すなわち本実施形態においては、トレイ1であるが、そのトレイ1に保持される用紙種類と一致するか否かを判断する(ステップS303)。これは、トレイ2とのみ用紙種類が一致するかを判断することと同じである。つまりトレイ2とのみ一致した場合(ステップS303/NO)、トレイ2を給紙トレイとして設定する(ステップS310)。
【0043】
印刷原稿の用紙種類と、トレイ1およびトレイ2のすべてのトレイに保持される用紙種類とが一致した場合(ステップS303/YES)、印刷原稿のサイズがトレイ1及び2に保持される用紙サイズの両方と一致するか否かを判断する(ステップS304)。印刷原稿のサイズがトレイ1及び2に保持される用紙サイズの両方と一致した場合は(ステップS304/YES)、印刷原稿がトレイ1及び2に保持される用紙の両方と向きが一致するか否かを判断する(ステップS307)。印刷原稿の各トレイの向きがトレイ1およびトレイ2の両方と一致した場合、つまり、全てのトレイで向きが一致した場合(ステップS307/YES)、用紙種類、サイズ、及び向きのすべてがトレイ1およびトレイ2と一致したことになり、この場合特定の用紙種類(例:普通紙)優先トレイである、トレイ2を給紙トレイとして設定する(ステップS310)。
【0044】
印刷原稿がトレイ1及び2に保持される用紙の両方と向きが一致しなかった場合(ステップS307/NO)、印刷原稿がトレイ1とのみ向きが一致するか否かを判断する(ステップS308)。印刷原稿がトレイ1とのみ向きが一致した場合(ステップS308/YES)、向きの一致を尊重し、トレイ1を給紙トレイとして設定する(ステップS311)。
【0045】
印刷原稿がトレイ1とのみ向きが一致しなかった場合(ステップS308/NO)、印刷原稿の向きがトレイ2に保持される用紙の向きとのみ一致するか否かを判断する(ステップS309)。印刷原稿の向きがトレイ2に保持される用紙の向きとのみ一致した場合(ステップS309/YES)、向きの一致を尊重し、トレイ2を給紙トレイとして設定する(ステップS310)。
【0046】
また、印刷原稿の向きが全てのトレイに保持される用紙の向きと一致しなかった場合は(ステップS309/NO)、向きの照合結果を不問とし、用紙種類、サイズの一致がトレイ1、トレイ2のすべての給紙トレイでみられたことを尊重し、この場合特定の用紙種類(例:普通紙)優先トレイである、トレイ2を給紙トレイとして設定する(ステップS310)。
【0047】
また、トレイ1のサイズ一致があり且つトレイ2とのサイズ一致もある場合(ステップS304/NO)、トレイ1とのみサイズの一致があるか否かを判断する(ステップS305)。印刷原稿がトレイ1とのみサイズが一致した場合(ステップS305/YES)、サイズ一致を尊重して、トレイ1を給紙トレイとして設定する(ステップS311)。
【0048】
印刷原稿がトレイ1以外のトレイに保持される用紙のサイズと一致した場合(ステップS305/NO)、印刷原稿がトレイ2に保持される用紙のサイズとのみ一致するか否かを判断する(ステップS306)。印刷原稿がトレイ2に保持される用紙のサイズとのみ一致する場合は(ステップS306/YES)、サイズ一致を尊重して、トレイ2を給紙トレイとして設定する(ステップS310)。
【0049】
一方、トレイ1およびトレイ2の全てのトレイにおいて、用紙種類の一致が見られ、かつサイズの一致が見られない場合(ステップS306/NO)、印刷原稿がトレイ1及び2に保持される用紙の両方と向きが一致するか否かを判断する(ステップS307)。印刷原稿の各トレイの向きがトレイ1およびトレイ2の両方と一致した場合、つまり、全てのトレイで向きが一致した場合(ステップS307/YES)、用紙種類、サイズ、及び向きのすべてがトレイ1およびトレイ2と一致したことになり、この場合特定の用紙種類(例:普通紙)優先トレイである、トレイ2を給紙トレイとして設定する(ステップS310)。
【0050】
印刷原稿がトレイ1及び2に保持される用紙の両方と向きが一致しなかった場合(ステップS307/NO)、印刷原稿がトレイ1とのみ向きが一致するか否かを判断する(ステップS308)。印刷原稿がトレイ1とのみ向きが一致した場合(ステップS308/YES)、向きの一致を尊重し、トレイ1を給紙トレイとして設定する(ステップS311)。
【0051】
印刷原稿がトレイ1とのみ向きが一致しなかった場合(ステップS308/NO)、印刷原稿の向きがトレイ2に保持される用紙の向きとのみ一致するか否かを判断する(ステップS309)。印刷原稿の向きがトレイ2に保持される用紙の向きとのみ一致した場合(ステップS309/YES)、向きの一致を尊重し、トレイ2を給紙トレイとして設定する(ステップS310)。
【0052】
また、印刷原稿の向きが全てのトレイに保持される用紙の向きと一致しなかった場合は(ステップS309/NO)、向きの照合結果を不問とし、用紙種類、サイズの一致がトレイ1、トレイ2のすべての給紙トレイでみられたことを尊重し、この場合特定の用紙種類(例:普通紙)優先トレイである、トレイ2を給紙トレイとして設定する(ステップS310)。
【0053】
上述の構成によれば、画像形成装置側における自動給紙トレイ選択処理としてではなく、印刷動作を要求するプリンタドライバにおいて、予め双方向通信や、ユーザからの設定によって得られた、機器搭載の給紙トレイの情報(用紙サイズ、用紙種類、用紙向き、トレイ数など)に基づいて、印刷原稿に対応する用紙を保持する給紙トレイを自動選択することにより、画像形成装置にかかるコストを抑えることが可能となり、コストダウンを達成することが可能となる。
【0054】
さらに、ユーザからの印刷を所望する用紙サイズ、用紙種類、用紙向きから自己判断する給紙トレイ指定設定処理を省き、その決定処理を自動処理にてプリンタドライバで実施することで、ユーザに常に最適な自動給紙トレイ選択処理を自動で実施することが可能となり、ユーザの煩雑な操作を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態に係るプリントシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るプリンタドライバ周辺のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係るプリンタドライバの動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
10 画像形成装置
20 PC
30 ネットワーク
201 プリンタアプリケーション
202 OS
203 プリンタドライバ
204 印刷スプーラ
205 ネットワークポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給紙トレイを備える画像形成装置のプリンタドライバにおいて、
前記各給紙トレイが保持する用紙の用紙種類、用紙サイズ、及び向きに基づき、印刷原稿に対応する用紙を保持する前記給紙トレイを設定することを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項2】
前記印刷原稿の用紙サイズが、いずれの給紙トレイに保持される用紙のサイズとも一致しなかった場合、用紙サイズにかかわらず、前記印刷原稿の用紙種類と一致する用紙を保持する給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項3】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズがいずれの給紙トレイに保持される用紙のサイズとも一致せず、かつ前記印刷原稿の用紙種類及び向きが全ての給紙トレイと一致している場合、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項4】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズがいずれの給紙トレイに保持される用紙のサイズとも一致せず、前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の向きが前記第1の給紙トレイとのみ一致している場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項5】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズがいずれの給紙トレイに保持される用紙のサイズとも一致せず、前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の向きが前記第1の給紙トレイと一致しなかった場合、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項6】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイに保持される用紙のサイズと一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類及び向きが全ての給紙トレイと一致した場合、用紙サイズにかかわらず、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項7】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイに保持される用紙のサイズと一致し、前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の向きが全ての用紙種類を保持できる給紙トレイとのみ一致した場合、用紙サイズにかかわらず、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項8】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイに保持される用紙のサイズと一致し、前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の向きが前記第1の給紙トレイと一致しなかった場合、用紙サイズにかかわらず、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項9】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイに保持される用紙のサイズと一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が前記第2の給紙トレイとのみ一致した場合、用紙サイズにかかわらず、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項10】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイに保持される用紙のサイズと一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が前記第2の給紙トレイとのみ一致した場合、用紙サイズにかかわらず、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項11】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが前記第1の給紙トレイとのみ一致し、かつ前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイと一致した場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項12】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズ及び用紙種類が前記第2の給紙トレイとのみ一致した場合、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項13】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが前記第2の給紙トレイとのみ一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致した場合、前記第2の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項14】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズ及び用紙種類が全ての給紙トレイと一致しない場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項15】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイと一致せず、かつ前記印刷原稿の用紙種類が前記第1の給紙トレイとのみ一致した場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項16】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致しなかった場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項17】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが全ての給紙トレイと一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が前記第1の給紙トレイとのみ一致した場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項18】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが前記第1の給紙トレイとのみ一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致しなかった場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項19】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズ及び用紙種類が前記第1の給紙トレイとのみ一致した場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項20】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが前記第2の給紙トレイとのみ一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が全ての給紙トレイと一致しなかった場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項21】
前記画像形成装置が全ての用紙を保持できる第1の給紙トレイと、特定の用紙のみ保持できる第2の給紙トレイとを有し、
前記印刷原稿の用紙サイズが前記第2の給紙トレイとのみ一致し、かつ前記印刷原稿の用紙種類が前記第1の給紙トレイとのみ一致した場合、前記第1の給紙トレイからの給紙を設定することを特徴とする請求項1記載のプリンタドライバ。
【請求項22】
請求項1から22のいずれか1項記載のプリンタドライバを有することを特徴とする情報処理端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−233467(P2007−233467A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51087(P2006−51087)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】