説明

プリンタユニット

【課題】画像の確認が容易なプリンタユニットを提供する。
【解決手段】画像再生時に画像データに付された画像の姿勢情報と電話機本体12の姿勢情報とに基づき、液晶モニタ28に表示される画像の上下が重力方向の上下と一致するように、液晶モニタ28の表示を制御する。また、プリント時には、プリント排出口26から排出される記録シート上の画像の上下と液晶モニタ28に表示される画像の上下とが一致するように、液晶モニタ28の表示を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリンタユニットに係り、特にデジタルカメラや携帯電話機等に組み込まれて使用されるプリンタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
画像をデジタルデータとして記録する電子カメラには、カメラボディにモニタが備えられており、撮影した画像をすぐに確認することができるようにされている。また、近年、電子カメラの普及に伴い、プリンタを内蔵した電子カメラも種々提案されている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
【特許文献1】特開平10−13844号公報
【特許文献2】特開平11−164185号公報
【特許文献3】特開2001−232896号公報
【特許文献4】特開2001−232909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このようなプリンタ内蔵カメラでは、カメラボディに備えられたモニタでプリントする画像を決定し、プリントを指示するのが一般的であるが、従来のプリンタ内蔵カメラは、カメラから出てくるプリントの記録面とカメラボディに備えられたモニタの表示面とが一致していないため、プリントの確認作業に手間がかかるという欠点がある。
【0004】
また、このようなプリンタ内蔵カメラは、小型・軽量であるがゆえに、手に持ったまま使用されることもあり、その姿勢も常に一定であるとは限らない。このため、手に持つ方向によってモニタに表示される画像が上下反転したり、横になったりして、画像の確認がしづらくなるという欠点もある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、画像の確認が容易なプリンタユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、ユニット本体に表示部を有し、該表示部に表示された画像をプリント指示に応じて記録シートにプリントし、排出口から排出するプリンタユニットにおいて、重力方向に対する前記表示部の姿勢を検出する表示姿勢検出手段と、前記表示部に表示させる画像に付された姿勢情報を読み取る姿勢情報読取手段と、前記表示姿勢検出手段で検出された前記表示部の姿勢情報と前記姿勢情報読取手段で読み取られた画像の姿勢情報とに基づき前記表示部に表示される画像の上下が重力方向の上下と一致するように制御する表示制御手段と、を有することを特徴とするプリンタユニットを提供する。
【0007】
本発明によれば、表示部に画像を表示する際、表示部の姿勢によらずに常に画像の上下が重力方向の上下と一致するように、画像が表示部に表示される。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、画像がプリントされた記録シートの記録面が、前記表示部の表示面と平行になるように前記排出口から排出されるとともに、前記記録シートの記録面が、前記表示部の表示面と同じ方向を向けられて前記排出口から排出されることを特徴とする請求項1に記載のプリンタユニットを提供する。
【0009】
本発明によれば、画像がプリントされた記録シートの記録面が表示部の表示面と平行になるように排出口から排出されるとともに、記録シートの記録面が表示部の表示面と同じ方向を向けられて排出口から排出される。これにより、表示部に表示されている画像とプリントされた画像の確認を容易に行うことができる。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、前記表示制御手段は、プリント指示に応じて前記表示部に表示される画像の上下が前記排出口から排出される記録シート上の画像の上下と一致するように表示を切り替えることを特徴とする請求項2に記載のプリンタユニットを提供する。
【0011】
本発明によれば、プリント指示が行われると、表示部に表示される画像の上下が、排出口から排出される記録シート上の画像の上下と一致するように、表示部の表示が切り替えられる。これにより、表示部に表示されている画像と排出口から排出される記録シート上の画像の向きが一致し、プリントされた画像の確認を素早く行うことができる。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、撮像素子で画像を撮像して記憶メディアに記録する電子カメラに設けられ、該電子カメラは、前記撮像素子の姿勢を検出する撮影姿勢検出手段を有するとともに、該撮影姿勢検出手段で検出された前記撮像素子の姿勢情報を付して撮像した画像を前記記憶メディアに記録することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のプリンタユニットを提供する。
【0013】
本発明によれば、請求項1、2又は3に記載のプリンタユニットが電子カメラに設けられる。電子カメラは、撮像素子の姿勢を検出する撮影姿勢検出手段を備えており、この撮影姿勢検出手段で検出された撮像素子の姿勢情報を付して撮像した画像を記憶メディアに記録する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るプリンタユニットによれば、表示部に表示される画像及びプリントされた画像の確認を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面に従って本発明に係るプリンタユニットを実施するための最良の形態について説明する。
【0016】
図1、図2は、それぞれ本発明に係るプリンタユニットが組み込まれたカメラ付きの携帯電話機の正面図と背面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、携帯電話機10の電話機本体12は、表示側筐体14と操作側筐体16とで構成されており、この表示側筐体14と操作側筐体16とをヒンジ18で連結して、折り畳み可能に形成されている。
【0018】
表示側筐体14の外側には、図1に示すように、撮影レンズ20とアンテナ22とプリント部カバー24とが設けられている。撮影レンズ20は、短焦点レンズで構成されており、この撮影レンズ20を用いて写真撮影が行なわれる。また、プリント部カバー24は、表示側筐体14に対して着脱自在に設けられており、このプリント部カバー24の内側に後述するプリンタカートリッジ50の装着部52が設けられている(図3参照)。
【0019】
また、表示側筐体14の側面には、プリント排出口26が設けられており、このプリント排出口26から画像がプリントされた記録シートが排出される。
【0020】
表示側筐体14の内側には、図2に示すように、液晶モニタ28と受話口30とが設けられている。受話口30の内側には、スピーカが配設されており、このスピーカから通話相手の音声が出力される。
【0021】
一方、操作側筐体16の外側には、図1に示すように、バッテリパック32が着脱自在に設けられている。
【0022】
また、操作側筐体16の側面には、シャッターボタン34とプリントボタン35とメディアスロット36とが設けられている。メディアスロット36には、メモリカード38が着脱自在に装填され、このメモリカード38に撮影した画像データ等が記録される。
【0023】
操作側筐体16の内側には、図2に示すように、操作部40と送話口42とが設けられている。操作部40は、ダイヤルボタン、通話ボタン、切/電源ボタン、十字ボタン等の各種操作ボタン類で構成されており、各ボタンは使用するモードに応じて種々の機能が割り当てられる。送話口42の内側にはマイクが配設されており、このマイクでユーザの音声が収音される。
【0024】
図3は、図1の3−3断面図であり、プリンタカートリッジ50の装着部52の構成を示している。
【0025】
同図に示すように、プリント部カバー24の内側には、プリンタカートリッジ50の装着部52が設けられている。
【0026】
プリンタカートリッジ50は、所定の記録シートの記録面にインクジェット方式で画像を印画するユニットであり、装着部52に対して着脱自在に設けられている。このプリンタカートリッジ50は、図3に示すように、記録シートトレイ54、記録シート搬送機構56、ヘッド58、インクタンク(図示せず)を備えている。
【0027】
記録シートトレイ54には、複数枚の記録シート60が積層された状態でセットされている。この記録シート60は、液晶モニタ28と同じ縦横比を有しており、その記録面が液晶モニタ28の表示面と平行かつ同じ向きに向けられて記録シートトレイ54にセットされている。
【0028】
記録シート搬送機構56は、図示しないモータに駆動されて回転する複数の搬送ローラ等で構成されており、記録シートトレイ54にセットされた記録シート60を1枚ずつヘッド58に搬送する。
【0029】
ヘッド58は、記録シート搬送機構56によって搬送される記録シート60の記録面にインクタンクに貯留されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)の4色のインクを用いて画像を印画する。
【0030】
画像が印画された記録シート60は、液晶モニタ28の表示面と平行な状態を保ったまま記録シート搬送機構56に搬送されて、プリント排出口26から排出される。この際、図2に示すように、記録シート60は、画像が印画された記録面が、液晶モニタ28の表示面と同じ方向を向けられてプリント排出口26から排出される。
【0031】
図4は、携帯電話機の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯電話機10は、中央処理装置(CPU)110、ROM112、RAM114、EEPROM116、マイク118、A/D変換器120、スピーカ122、D/A変換器124、音声処理回路126、送受信回路128等の電話機能を提供するための構成要素に加えて、CCD130、タイミングジェネレータ(TA)132、アナログ処理回路134、A/D変換器136、画像入力コントローラ138、画像処理回路140、圧縮/伸張回路142、表示回路144、メディアコントローラ146等の電子カメラの機能を提供するための構成要素と、プリントデータ生成回路148、プリンタ制御回路150等のプリンタの機能を提供するための構成要素を備えている。また、この携帯電話機10は、重力方向に対する電話機本体12の姿勢(=液晶モニタ28とCCD130の姿勢)を検出するための姿勢検出センサ152を備えている。
【0032】
まず、電話に係わる機能について説明する。上記のように、電話部は、主としてCPU110、ROM112、RAM114、EEPROM116、マイク118、A/D変換器120、スピーカ122、D/A変換器124、音声処理回路126、送受信回路128等で構成される。
【0033】
CPU110は、携帯電話機全体の動作を統括制御する制御部として機能し、RAM114を作業領域としながら、所定の制御プログラムに従って携帯電話機内の各回路を制御する。ROM112には、このCPU110が実行するプログラムや制御に必要な各種データなどが格納されており、EEPROM116には、携帯電話機10の電話番号やユーザ設定情報等のデータが記憶されている。
【0034】
マイク118は、送話口42の内側に配されており、このマイク118から入力されたアナログ音声信号が、A/D変換器120でデジタル音声信号に変換されて、音声処理回路126に入力される。
【0035】
音声処理回路126は、CPU110の制御の下、A/D変換器120から入力されたデジタル音声信号を処理して、所定形式の音声データに変換する。また、音声処理回路126は、所定の音声データを処理して、スピーカ122から出力するデジタル音声信号を生成する。
【0036】
音声処理回路126で生成されたデジタル音声信号は、D/A変換器124でアナログ音声信号に変換された後、受話口30の内側に配されたスピーカ122に加えられ、スピーカ122から音声として出力される。
【0037】
送受信回路128は、CPU110の制御の下、アンテナ22を介して送信するデータの符号化処理を行うとともに、アンテナ22を介して受信されたデータの復号化処理を行う。
【0038】
さて、以上の構成において、通信相手との接続が確立されると、マイク118から入力された音声信号が、A/D変換器120を介して音声処理回路126に入力される。音声処理回路126に入力された音声信号は、音声処理回路126で所要の信号処理が施されたのち、送受信回路128を介してアンテナ22から基地局に送信される。
【0039】
また、基地局から発信された信号が、アンテナ22で受信され、送受信回路128で復調されたのち、音声処理回路126に入力される。音声処理回路126に入力された音声データは、音声処理回路126で所要の信号処理が施されたのち、D/A変換器124でアナログ音声信号に変換され、スピーカ122から出力される。
【0040】
次に、カメラに係わる機能について説明する。上記のように、カメラ部は、主としてCCD130、タイミングジェネレータ(TA)132、アナログ処理回路134、A/D変換器136、画像入力コントローラ138、画像処理回路140、圧縮/伸張回路142、表示回路144、メディアコントローラ146等で構成されている。
【0041】
なお、全体の動作に関しては、電話部と同様にCPU110によって統括制御され、CPU110は、RAM114を作業領域としながら、ROM112に格納された所定の制御プログラムに従って各回路を制御する。
【0042】
CCD130は、撮影レンズ20の後方に配置されており、その受光面には多数のフォトセンサ(受光素子)が平面的に配列されている。撮影レンズ20を通った光は、各フォトセンサによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。
【0043】
タイミングジェネレータ(TG)132は、CPU110からの指令に従い、主としてCCD130を駆動するためのタイミング信号を生成する。CCD130は、このタイミングジェネレータ132から加えられるタイミング信号に従って各フォトダイオードに蓄積された信号電荷を電圧信号(画像信号)として出力する。
【0044】
アナログ処理回路134は、CCD130から順次出力される画像信号を相関二重サンプリング処理するとともに増幅する。
【0045】
A/D変換器136は、アナログ処理回路134から出力されたR、G、Bのアナログの画像信号をそれぞれデジタルの画像信号に変換する。
【0046】
画像入力コントローラ138は、CPU110の制御の下、A/D変換器136から出力された1画像分の画像信号を蓄積してRAM114に格納する。
【0047】
画像処理回路140は、CPU110の制御の下、入力されたデジタル画像信号に所要の信号処理を施して画像データを生成する。
【0048】
圧縮/伸張回路142は、CPU110の制御の下、入力された画像データに圧縮処理を施し、所定フォーマットの圧縮画像データを生成するとともに、入力された圧縮画像データに伸張処理を施し、非圧縮のデジタル画像データを生成する。
【0049】
メディアコントローラ146は、CPU110の制御の下、メディアスロット36に装填されたメモリカード38に対してデータの読み出し及び書き込みを制御する。
【0050】
表示回路144は、CPU110の制御の下、入力された画像データから、その画像データが示す画像を液晶モニタ28に表示するための信号を生成する。
【0051】
さて、以上の構成の下、携帯電話機10は、撮影モードに設定することにより、画像の撮影が可能になる。
【0052】
撮影はシャッターボタン34の押下により行われ、シャッターボタン34が押下されると、所定の絞り値、シャッター速度でCCD130が露光される。そして、CCD130から出力された画像信号がアナログ処理回路134、A/D変換器136を介して画像入力コントローラ138に取り込まれ、RAM114に格納される。RAM114に格納された画像信号は、画像処理回路140で画像データに変換されたのち、圧縮/伸張回路142に加えられ、所定の圧縮フォーマット(たとえばJPEG)に従って圧縮される。そして、所定の記録フォーマットの画像ファイル(たとえば、Exif)として、メディアコントローラ146を介してメモリカード38に記録される。
【0053】
この際、画像ファイルには、姿勢検出センサ152で検出された電話機本体12の撮影時の姿勢情報(=CCD130の姿勢情報=画像の姿勢情報)が画像データとともに記録される(たとえば、画像ファイルのヘッダ部にタグ形式で記録される。)。
【0054】
なお、撮影中、液晶モニタ28にはCCD130で連続的に撮像された画像(スルー画像)が表示され、ユーザは、この液晶モニタ28に表示されるスルー画像を見ながら画角等の調整を行う。
【0055】
メモリカード38に記録された画像ファイルは、ユーザのファイル選択操作に応じてメモリカード38から読み出され、液晶モニタ28に再生される。すなわち、ユーザが再生対象の画像ファイルを選択すると、その画像ファイルの圧縮画像データがデータがメモリカード38から読み出され、圧縮/伸張回路142に加えられる。圧縮/伸張回路142は、入力された圧縮画像データに所要の伸張処理が施したのち、表示回路144に加える。表示回路144は、入力された画像データを表示用の信号形式に変換して液晶モニタ28に出力する。これにより、選択された画像ファイルの画像が、液晶モニタ28に再生表示される。
【0056】
なお、液晶モニタ28の表示は、携帯電話機10の動作状態及び姿勢に応じて適宜回転して表示される。この液晶モニタ28の表示態様については、のちに詳述する。
【0057】
次に、プリンタに係わる機能について説明する。上記のように、プリンタ部は、主としてプリントデータ生成回路148とプリンタ制御回路150とで構成されている。
【0058】
なお、全体の動作に関しては、電話部及びカメラ部と同様にCPU110によって統括制御され、CPU110は、RAM114を作業領域としながら、ROM112に格納された所定の制御プログラムに従って各回路を制御する。
【0059】
プリントデータ生成回路148は、CPU110の制御の下、入力された画像データからプリンタカートリッジ50でプリントするためのプリントデータを生成する。
【0060】
プリンタ制御回路150は、CPU110の制御の下、プリンタカートリッジ50のヘッド58及び記録シート搬送機構56の駆動を制御して、記録シート60に所定の画像を印画する。
【0061】
プリント指示は、画像再生中にプリントボタン35を押下することにより行われる。プリントボタン35が押されると、再生中の画像データがプリントデータ生成回路148に加えられ、プリントデータが生成される。CPU110は、生成されたプリントデータに基づきプリンタ制御回路150を介してプリンタカートリッジ50を制御し、液晶モニタ28に表示されている画像を記録シート60にプリントさせる。
【0062】
次に、電話機本体12の姿勢を検出するための姿勢検出センサ152の構成について説明する。
【0063】
姿勢検出センサ152は、図5に示すように、表示側筐体14の内部に配設されており、一対の剛球154A、154Bと一対のタッチセンサ156A、156Bとで構成されている。
【0064】
一対の剛球154A、154Bは、それぞれ表示側筐体14の内側に配設された筒158A、158B内を転動自在に設けられており、各筒158A、158Bは、互いに八の字を成すように45度傾斜して配設されている。
【0065】
一対のタッチセンサ156A、156Bは、それぞれ筒158A、158Bの底面に取り付けられており、剛球154A、154Bが接触するとONになる。CPU110は、この一対のタッチセンサ156A、156Bの出力に基づいて電話機本体12の姿勢を判定する。
【0066】
すなわち、たとえば、図6(a)に示すように、電話機本体12の上下と重力方向の上下を一致させたとする(以下、この時の電話機本体12の姿勢を基本姿勢とよぶ)。この場合、タッチセンサ156A、156Bのセンサ出力は共にONとなる。したがって、タッチセンサ156A、156Bのセンサ出力が共にONの場合は、電話機本体12が基本姿勢にあると判定することができる。
【0067】
一方、図6(b)に示すように、基本姿勢から180度回転させ、電話機本体12を重力方向に対して上下反転させたとする。この場合、タッチセンサ156A、156Bのセンサ出力は共にOFFとなる。したがって、タッチセンサ156A、156Bのセンサ出力が共にOFFの場合は、電話機本体12が基本姿勢の状態から180度回転した状態、すなわち、重力方向に対して上下反転した状態にあると判定することができる。
【0068】
また、図7(a)に示すように、電話機本体12を基本姿勢の状態から時計回りに90度回転させたとする。この場合、一方のタッチセンサ156Aのセンサ出力はOFFとなり、他方のタッチセンサ156Bのセンサ出力はONとなる。したがって、タッチセンサ156Aのセンサ出力がOFFとなり、タッチセンサ156Bのセンサ出力がONの場合は、電話機本体12が基本姿勢の状態から時計回りに90度回転した状態にあると判定することができる。
【0069】
また、図7(b)に示すように、電話機本体12を基本姿勢の状態から反時計回りに90度回転させたとする。この場合、一方のタッチセンサ156Aのセンサ出力はONとなり、他方のタッチセンサ156Bのセンサ出力はOFFとなる。したがって、タッチセンサ156Aのセンサ出力がONとなり、タッチセンサ156Bのセンサ出力がOFFの場合は、電話機本体12が基本姿勢の状態から反時計回りに90度回転した状態にあると判定することができる。
【0070】
このように、CPU110は、各タッチセンサ156A、156Bの出力に基づいて電話機本体12の重力方向に対する姿勢を判定する。そして、検出された姿勢情報に基づいて液晶モニタ28の表示制御を行う。
【0071】
なお、本実施の形態の携帯電話機10では、画像を撮像するCCD130と画像を表示する液晶モニタ28とが同じ電話機本体12の表示側筐体14に設けられているため、この電話機本体12(表示側筐体14)の姿勢を検出すれば、CCD130と液晶モニタ28の姿勢が検出されることとなる。この場合、CCD130の姿勢を検出するセンサ(撮影姿勢検出センサ)と液晶モニタ28の姿勢を検出するセンサ(表示姿勢検出センサ)は共用されることとなる。
【0072】
以下、電話機本体12の姿勢に応じた液晶モニタ28の表示態様について説明する。
【0073】
上記のようにメモリカード38に記録された画像ファイルは、ユーザのファイル選択操作に応じてメモリカード38から読み出され、液晶モニタ28に再生される。
【0074】
今、メモリカード38に、図8(a)〜(d)に示すように、電話機本体12を基本姿勢の状態で撮影した画像(画像A)と、基本姿勢の状態から反時計回りに90度回転させた状態で撮影した画像(画像B)と、基本姿勢の状態から180度回転させた状態(上下反転させた状態)で撮影した画像(画像C)と、基本姿勢の状態から時計回りに90度回転させた状態で撮影した画像(画像D)の4枚の画像の画像ファイルが記録されているとする。
【0075】
通常、各画像ファイルを再生すると、撮影時に液晶モニタ28に表示されていた時と同じ状態で液晶モニタ28に再生表示される。したがって、電話機本体12を基本姿勢の状態で各画像ファイルを再生すると、図9(a)〜(d)に示すように、電話機本体12を基本姿勢の状態で撮影したときの画像(画像A)のみが、重力方向に対して上下が一致した状態で液晶モニタ28に再生表示される。同様に電話機本体12を基本姿勢の状態から時計回りに90度回転させた状態で各画像ファイルを再生すると、電話機本体12を基本姿勢の状態から時計回りに90度回転させた状態で撮影したときの画像(画像D)のみが、重力方向に対して上下が一致した状態で液晶モニタ28に再生表示される。
【0076】
このような表示方法は、再生される画像の向きに合わせて電話機本体12の向きや顔の向きを変えなければならず、使い勝手が悪いものとなる。
【0077】
そこで、本実施の形態の携帯電話機10では、画像データに付された画像の姿勢情報(=撮影時の電話機本体12の姿勢情報)と、現在の電話機本体12の姿勢情報とに基づいて、液晶モニタ28に表示される画像の上下が常に重力方向の上下と一致するように、液晶モニタ28の表示が制御される。
【0078】
すなわち、CPU110は、各画像ファイルの再生時、各画像ファイルに記録されている画像の姿勢情報を読み出すとともに、現在の電話機本体12の姿勢を姿勢検出センサ152からの出力から判定し、液晶モニタ28に表示される画像の上下が、図10に示すように、電話機本体12の姿勢によらず常に重力方向の上下と一致するように表示回路144を制御する。
【0079】
この結果、たとえば、電話機本体12を基本姿勢の状態で各画像ファイルを再生すると、図11(a)〜(d)に示すように、全ての画像が重力方向に対して上下が一致した状態で液晶モニタ28に再生表示される。
【0080】
同様に電話機本体12を基本姿勢の状態から反時計回りに90度回転させた状態で各画像ファイルを再生した場合にも、図12(a)〜(d)に示すように、全ての画像が重力方向に対して上下が一致した状態で液晶モニタ28に再生表示される。
【0081】
このように、本実施の形態の携帯電話機10では、液晶モニタ28に表示される画像の上下が、常に重力方向の上下と一致した状態で再生画像が液晶モニタ28に表示される。これにより、撮影時の画像の向きに応じて電話機本体12の向きを変えることなく、同じ姿勢で画像を観賞することができる。
【0082】
以上は画像再生時における液晶モニタ28の表示態様であるが、画像プリント時には次のように液晶モニタ28の表示が切り替えられる。すなわち、再生中の画像に対してプリント指示が出されると、液晶モニタ28に表示される画像の上下が、プリント排出口26から排出される記録シート上の画像の上下と一致するように表示が切り替えられる。
【0083】
ここで、本実施の形態の携帯電話機10において、記録シート60に印画される画像は、図13に示すように、撮影時に液晶モニタ28に表示されていた時と同じ向きで記録シートに記録される。したがって、プリント指示が出された場合には、撮影時と同じ表示状態に切り替えられることとなる。
【0084】
このため、たとえば、図14(a)に示すように、基本姿勢の状態で撮影した画像を基本姿勢の状態で再生しているときにプリント指示を出力しても、図14(b)に示すように、液晶モニタ28の表示は切り替わらないが、図15(a)に示すように、基本姿勢で撮影した画像を基本姿勢から反時計回りに90度回転させた状態で再生しているときにプリント指示を出力すると、図15(b)に示すように、液晶モニタ28の表示が基本姿勢の時の表示状態に切り替えられる。
【0085】
このように、プリント時には、液晶モニタ28に表示される画像の上下が、プリント排出口26から排出される記録シート上の画像の上下と一致するように、液晶モニタ28の表示が切り替えられることにより、プリント中の画像の確認を素早く簡単に行うことができる。
【0086】
なお、プリント終了後は、再度電話機本体12の姿勢に応じて画像の上下が重力方向の上下と一致するように、液晶モニタ28の表示が切り替えられる。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態の携帯電話機10は、画像再生時には、液晶モニタ28に表示される画像の上下が常に重力方向の上下と一致するように液晶モニタ28の表示が制御され、プリント時には、液晶モニタ28に表示される画像の向きが、プリント排出口26から排出される記録シート上の画像の向きと一致するように、液晶モニタ28の表示が制御される。これにより、再生画像の確認及びプリント画像の確認が容易になり、使い勝手のよい携帯電話機10を提供することができる。
【0088】
なお、本実施の形態では、本発明にかかるプリンタユニットをカメラ付きの携帯電話機10に組み込んだ場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。たとえば、モバイルプリンタとしてプリンタ単体でも構成してもよい。また、図16に示すように、ビデオカメラに組み込むこともできるし、図17に示すように、腕時計に組み込むこともできる。ビデオカメラに本発明を適用する場合、画像表示部であるモニタにプリンタでプリントする画像が表示されるように構成する。また、腕時計に本発明を適用する場合は、時計表示部であるモニタにプリンタでプリントする画像が表示されるように構成する。
【0089】
また、本実施の形態では、プリント方式としてインクジェット方式を採用しているが、プリント方式は、特にこれに限定されるものではない。たとえば、インクジェット方式に代えてインクリボンを用いた昇華型熱転写方式を用いてもよいし、また、感熱紙を用いた感熱方式を用いてもよい。また、ドットインパクト方式を用いてもよいし、現像処理液を内蔵したインスタントフィルムを用いたプリント方式を用いてもよい。
【0090】
なお、プリント方式を変えた場合であっても、画像が印画された記録シートは、その記録面が液晶モニタ28の表示面と同じ向きに向けられて、液晶モニタ28の表示面と平行に排出口から排出されるように構成する。
【0091】
また、本実施の形態では、電話機本体12の側面にプリント排出口26を形成しているが、プリント排出口26を設ける位置については、これに限定されるものではなく、電話機本体12の上面部に設けるようにしてもよい。なお、この場合も記録シートの記録面が液晶モニタ28の表示面と同じ向きに向けられて、液晶モニタ28の表示面と平行に排出されるように構成する。
【0092】
さらに、本実施の形態では、姿勢検出センサを一対の剛球と一対のタッチセンサとで構成しているが、姿勢検出センサの構成は、これに限定されるものではなく、他の構成のセンサを用いて電話機本体の姿勢を検出するようにしてもよい。
【0093】
また、本実施の形態では、画像再生時に液晶モニタ28に表示される画像の上下が常に重力方向の上下と一致するように液晶モニタ28の表示を制御しているが、ユーザから表示切替の指示に応じて通常の表示状態(図9参照)に切り替えることができるようにしてもよい。
【0094】
また、本実施の形態では、画像を撮像するCCD130と画像を表示する液晶モニタ28とが同じ電話機本体12の表示側筐体14に設けられているため、CCD130の姿勢を検出するセンサ(撮影姿勢検出センサ)と液晶モニタ28の姿勢を検出するセンサ(表示姿勢検出センサ)とを共用しているが、たとえば、図18に示すように、モニタが、撮影レンズ及びCCDを備えた装置本体に対して水平、垂直軸回りに回転自在に設けられている場合には、モニタの姿勢を検出するセンサ(表示姿勢検出センサ)と、装置本体の姿勢(=CCDの姿勢)を検出するセンサ(撮影姿勢検出センサ)とを、それぞれ個別に設ける必要がある。同様に撮影レンズ及びCCDを備えた撮影ユニットが、モニタを備えた装置本体に対して水平、垂直軸回りに回転自在に設けられている場合には、撮影ユニットの姿勢を検出するセンサ(撮影姿勢検出センサ)と、装置本体の姿勢(=モニタの姿勢)を検出するセンサ(表示姿勢検出センサ)とを、それぞれ個別に設ける必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明が適用された携帯電話機の正面図
【図2】本発明が適用された携帯電話機の背面図
【図3】図1の3−3断面図
【図4】携帯電話機の電気的構成を示すブロック図
【図5】姿勢検出センサの構成図
【図6】姿勢検出センサの動作状態を示す図
【図7】姿勢検出センサの動作状態を示す図
【図8】携帯電話機の撮影時の姿勢の説明図
【図9】通常の液晶モニタへの画像の表示状態を示す図
【図10】画像再生時における液晶モニタの表示態様を示す図
【図11】画像再生時における液晶モニタの表示態様を示す図
【図12】画像再生時における液晶モニタの表示態様を示す図
【図13】プリント時における液晶モニタの表示態様を示す図
【図14】画像再生時とプリント時における液晶モニタの表示態様を示す図
【図15】画像再生時とプリント時における液晶モニタの表示態様を示す図
【図16】本発明が適用されたビデオカメラの斜視図
【図17】本発明が適用された腕時計の斜視図
【図18】本発明が適用されたプリンタ付きカメラの斜視図
【符号の説明】
【0096】
10…携帯電話機、12…電話機本体、14…表示側筐体、16…操作側筐体、18…ヒンジ、20…撮影レンズ、22…アンテナ、24…プリント部カバー、26…プリント排出口、28…液晶モニタ、30…受話口、32…バッテリパック、34…シャッターボタン、35…プリントボタン、36…メディアスロット、38…メモリカード、40…操作部、42…送話口、50…プリンタカートリッジ、52…装着部、54…記録シートトレイ、56…記録シート搬送機構、58…ヘッド、60…記録シート、110…中央処理装置(CPU)、112…ROM、114…RAM、116…EEPROM、118…マイク、120…A/D変換器、122…スピーカ、124…D/A変換器、126…音声処理回路、128…送受信回路、130…CCD、132…タイミングジェネレータ(TA)、134…アナログ処理回路、136…A/D変換器、138…画像入力コントローラ、140…画像処理回路、142…圧縮/伸張回路、144…表示回路、146…メディアコントローラ、148…プリントデータ生成回路、150…プリンタ制御回路、152…姿勢検出センサ、154A、154B…剛球、156A、156B…タッチセンサ、158A、158B…筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット本体に表示部を有し、該表示部に表示された画像をプリント指示に応じて記録シートにプリントし、排出口から排出するプリンタユニットにおいて、
重力方向に対する前記表示部の姿勢を検出する表示姿勢検出手段と、
前記表示部に表示させる画像に付された姿勢情報を読み取る姿勢情報読取手段と、
前記表示姿勢検出手段で検出された前記表示部の姿勢情報と前記姿勢情報読取手段で読み取られた画像の姿勢情報とに基づき前記表示部に表示される画像の上下が重力方向の上下と一致するように制御する表示制御手段と、
を有することを特徴とするプリンタユニット。
【請求項2】
画像がプリントされた記録シートの記録面が、前記表示部の表示面と平行になるように前記排出口から排出されるとともに、前記記録シートの記録面が、前記表示部の表示面と同じ方向を向けられて前記排出口から排出されることを特徴とする請求項1に記載のプリンタユニット。
【請求項3】
前記表示制御手段は、プリント指示に応じて前記表示部に表示される画像の上下が前記排出口から排出される記録シート上の画像の上下と一致するように表示を切り替えることを特徴とする請求項2に記載のプリンタユニット。
【請求項4】
撮像素子で画像を撮像して記憶メディアに記録する電子カメラに設けられ、該電子カメラは、前記撮像素子の姿勢を検出する撮影姿勢検出手段を有するとともに、該撮影姿勢検出手段で検出された前記撮像素子の姿勢情報を付して撮像した画像を前記記憶メディアに記録することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のプリンタユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−27017(P2006−27017A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207497(P2004−207497)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】