説明

プリンタ

【課題】固定刃と貯留部の取付作業性を向上させたプリンタを提供することを目的とする。
【解決手段】印字ヘッド12と、可動刃161と可動刃161の駆動手段162とを備えた可動刃ユニット16と、紙片P2が貯留される貯留部77と固定刃71とを有するスタッカユニット17とを備え、可動刃ユニット16は、印字ヘッド12が設けられた位置よりも搬送方向下流側における第1の位置と、第1の位置よりも搬送方向下流側の第2の位置のいずれか一方の位置に着脱自在に取りつけられるものであり、スタッカユニット17は、第1の位置に取り付けられた可動刃ユニット16の可動刃161に固定刃71が用紙P1を挟んで対向する第3の位置と、第2の位置に取り付けられた可動刃ユニット16の可動刃161に固定刃71が用紙P1を挟んで対向する第4の位置のいずれか一方の位置に着脱自在に取りつけられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定刃と可動刃によって切り離された紙片が貯留される貯留部を備えたプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール紙から引き出された用紙に印字を施し、その用紙の印字を施した部分を固定刃と可動刃によって切り離すプリンタが知られている。特許文献1および特許文献2には、プラテンローラおよび固定刃がユニット化されたプラテンユニットと可動刃ユニットとを所定位置に取り付けるプリンタが開示されている。また、特許文献3には、切り離された切断済用紙を複数枚貯留可能な貯留部と可動刃ユニットとを所定位置に取り付けたプリンタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4543494号公報
【特許文献2】特開2001−146358号公報
【特許文献3】特許第4192083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されたプリンタは、いずれも固定刃と可動刃それぞれをプリンタの所定位置に取り付ける技術を開示するものであり、固定刃と可動刃ユニットとを所定位置とは異なる位置に配置することは考慮されていない。また、特許文献1および特許文献2に記載されたプリンタは、紙片が複数枚貯留可能な貯留部を備えていない。特許文献3に記載されたプリンタは、紙片が複数枚貯留可能な貯留部を備えている。しかし、固定刃と可動刃ユニットとはプリンタの所定位置に取り付けられており、やはり固定刃と可動刃ユニットとを所定位置とは異なる位置に配置することは考慮されていない。ところで、可動刃は、所定のかみ合い圧力で固定刃と接触しながら用紙を切り離すものである。固定刃と可動刃の相対的な位置関係がずれると、所定のかみ合い圧力が得られなくなり、用紙が切り離せない、或いは接触圧が高くなり過ぎて刃の寿命が短くなってしまう。また、紙片を貯留部にきちんと重ね合わせて貯留するためには、固定刃と貯留部との相対的な位置関係を所定の誤差範囲内にする必要がある。このため、可動刃ユニット、固定刃、貯留部をプリンタに取り付ける際は、可動刃ユニットの位置に合わせて固定刃を位置合わせし、さらに固定刃の位置に合わせて貯留部の位置合わせを行うといった煩雑な作業が生じてしまい取付作業性が悪いという問題がある。また、所定位置とは異なる位置と所定位置との間で固定刃と可動刃ユニットの付け替えを行う際にも、可動刃ユニットの位置に合わせて固定刃と貯留部の位置合わせを別々に行うといった煩雑な作業が生じてしまい取付作業性が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、固定刃と貯留部の取付作業性を向上させたプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決する本発明のプリンタは、ロール紙から引き出されて用紙経路に送り込まれた用紙に印字を施し、印字が施された用紙の一部分を固定刃と可動刃によって紙片として切り離すプリンタにおいて、
前記用紙の一部分に印字を施す印字ヘッドと、
前記可動刃および該可動刃を移動させる駆動手段を備えた可動刃ユニットと、
前記固定刃と前記可動刃によって切り離された紙片を貯留する貯留部を有するとともに該固定刃も有するスタッカユニットとを備え、
前記可動刃ユニットは、前記印字ヘッドが設けられた位置よりも搬送方向下流側における第1の位置と、該第1の位置よりもさらに搬送方向下流側の第2の位置のいずれか一方の位置に着脱自在に取りつけられるものであり、
前記スタッカユニットは、前記第1の位置に取り付けられた可動刃ユニットの可動刃に前記固定刃が用紙を挟んで対向する第3の位置と、前記第2の位置に取り付けられた可動刃ユニットの可動刃に該固定刃が用紙を挟んで対向する第4の位置のいずれか一方の位置に着脱自在に取りつけられるものであることを特徴とする。
【0007】
本発明のプリンタによれば、第3の位置と第4の位置それぞれに着脱自在なスタッカユニットに貯留部と固定刃とを設ける構成としたので、固定刃と貯留部とを別々に取付ける必要がなくなり、取付作業性を向上させることができる。
【0008】
また、前記第1の位置と前記第3の位置とのうちの少なくともいずれか一方の位置は、前記可動刃ユニットおよび前記スタッカユニットとは異なる所定の機器が取付可能な位置であってもよい。
【0009】
また、本発明のプリンタにおいて、前記用紙の一部分に施された印字内容を読み取る読取ユニットと、
前記用紙経路を挟んで前記読取ユニットに対向して設けられた対向部を有する対向ユニットとを備え、
前記読取ユニットと対向ユニットとのうちのいずれか一方のユニットは、前記第1の位置に着脱自在に取り付けられるものであって、前記可動刃ユニットを前記第2の位置に取り付ける取付部が設けられたものであり、
前記読取ユニットと対向ユニットとのうちの他方のユニットは、前記第3の位置に着脱自在に取り付けられるものであって、前記スタッカユニットを前記第4の位置に取り付ける取付部が設けられたものであることが好ましい。
【0010】
こうすることで、可動刃ユニットおよびスタッカユニットが配置される位置と、読取ユニットと対向ユニットが配置される位置を近接させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のプリンタによれば、固定刃と貯留部の取付作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態であるプリンタを正面右斜め上方から見た斜視図である。
【図2】図1に示すプリンタのカバーフレームを上方に回動した開放状態を示す斜視図である。
【図3】また、プリンタの主要構成部材をプリンタの側面から見た概略図である。
【図4】貯留部に多数枚の貯留紙片が貯留されたときのスタッカユニットを示す側面図である。
【図5】羽根車と角度保持機構とを示す平面図である。
【図6】可動刃ユニットの内部に設けられた機構部品とスタッカ側駆動力伝達機構とを示す平面図である。
【図7】図6における右側からスタッカ側駆動力伝達機構を見た側面図であり、(a)はカバーフレームが閉状態にあるときの図、(b)はカバーフレームが開放状態から閉状態になる直前の状態を示す図、(c)はジョイントがコの字型アームの連結ピンから外れた状態を示す図、(d)はジョイントの誘導傾斜面が連結ピンと接触している状態を示す図である。
【図8】可動刃を往復移動させる駆動手段を駆動したときの駆動力伝達機構と羽根車の動きを示す平面図であり、(a)は可動刃が往動方向に移動しているときの状態を示す図、(b)は可動刃が最も往動方向に移動したときの状態を示す図、(c)は可動刃が復動方向に移動しているときの状態を示す図である。
【図9】図3のプリンタから読取ユニットと対向ユニットを取り外したプリンタを示す概略図である。
【図10】羽根車が回転することで紙片が厚み方向に押し込まれる様子を示す平面図であり、(a)は羽根車が回転を開始する直前の状態を示す図、(b)は羽根車が回転している途中の状態を示す図、(c)は羽根車が回転を完了した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
本発明の一実施形態であるプリンタは、長尺状の感熱紙等をロール状に巻き取ることで形成されたロール紙から用紙を引き出し、その用紙に印字を行って印字済の用紙を切断するサーマルプリンタである。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態であるプリンタ1を正面右斜め上方から見た斜視図である。以下、プリンタ1の左右方向(図3における紙面に直交する方向)を幅方向と称することがある。
【0016】
図1に示すように、プリンタ1は、電源や制御基板が内蔵されたベースシャーシ2と、ベースシャーシ2に固定された左右一対の本体フレーム3と、その本体フレーム3に回動自在に取り付けられた左右一対のカバーフレーム4とを備えている。このカバーフレーム4は、本体フレーム3に設けられたカバー支軸30を回転中心として回動させることができる。図1は、カバーフレーム4が本体フレーム3を閉じた閉状態を示している。図1に示す閉状態からカバーフレーム4を上方に回動することで、プリンタ1は開放状態になる。
図2は、図1に示すプリンタ1のカバーフレーム4を上方に回動した開放状態を示す斜視図である。
【0017】
図2に示すカバーフレーム4には、プラテンローラ13、対向ユニット15、スタッカユニット17、上側搬送ガイド20が取り付けられている。これらのカバーフレーム4に取り付けられる部材のうち、対向ユニット15は、いわゆるオプションユニットであり、必要に応じてプリンタ1から取り外し、また取り付けることが可能である。図2は、対向ユニット15が取り付けられたプリンタ1を示している。プラテンローラ13、対向ユニット15、スタッカユニット17、上側搬送ガイド20は、カバーフレーム4が図2に示す開放状態にあるとき、カバーフレーム4とともに上方に回動している。
【0018】
図3は、プリンタ1の主要構成部材をプリンタ1の側面から見た概略図である。
【0019】
図3に示す本体フレーム3には、ダンパローラ11、印字ヘッド12、読取ユニット14、可動刃ユニット16、用紙退避部18、下側搬送ガイド19、ロール紙収容部21が取り付けられている。これらの本体フレーム3に取り付けられる部材のうち、読取ユニット14は、対向ユニット15とともに組として使用されるいわゆるオプションユニットであり、必要に応じてプリンタ1から取り外し、また取り付けることが可能である。図3は、読取ユニット14および対向ユニット15が取り付けられたプリンタ1を示している。この本体フレーム3に取り付けられた各部材とカバーフレーム4に取り付けられた各部材との間が、ロール紙Pから引き出された用紙P1が搬送される用紙経路22になる。ロール紙収容部21には、2つのコロ211が設けられている。ロール紙Pは、このコロ211の上に載置されることで回転自在に本体フレーム3の内部に収容されている。なお、本実施形態ではロール紙収納部に設けられた2つのコロ211でロール紙を支持しているが、コロ211は2つ以上設けてもよく、コロではなくベルトによってロール紙を支持してもよい。また、コロ211の代わりにペアローラ(2つのローラが隣りあうように配置されたローラ)を2組設置してロール紙を支持し、該ペアローラをロール紙の径や動きに応じて揺動可能に構成すれば、ロール紙を安定的に保持することも可能である。
【0020】
以下、特に記載の無い限り、カバーフレーム4が閉状態にあるプリンタ1について説明する。印字ヘッド12は、発熱素子が複数配列されたサーマルヘッドである。この印字ヘッド12は、図3における左右方向に所定量移動可能に本体フレーム3に取り付けられている。プラテンローラ13は、用紙経路22を挟んで印字ヘッド12と対向する位置に配置されている。印字ヘッド12は、図示しないヘッドバネによってプラテンローラ13方向(図3における右方向)に常時付勢されている。プラテンローラ13は、自身の軸心を中心に回転可能にカバーフレーム4に取り付けられている。また、プラテンローラ13は、図示しない搬送モータによって駆動されることで、図3における時計回りの回転(以下、正回転と称する)と反時計回りの回転(以下、逆回転と称する)とを行う。ロール紙Pから引き出された用紙P1は、印字ヘッド12とプラテンローラ13との間に挟み込まれ、プラテンローラ13が正回転することで搬送方向に搬送される。また、用紙P1は、プラテンローラ13が逆回転することで搬送方向とは逆の反搬送方向に搬送される。印字ヘッド12とプラテンローラ13の間に挟み込まれて搬送されている用紙P1に、印字ヘッド12の発熱素子によって熱を加えることで所望の印字が施される。
【0021】
印字ヘッド12よりも搬送方向上流側には、本体フレームに固定された下側搬送ガイド19が設けられている。また、カバーフレーム4には、上側搬送ガイド20が固定されている。下側搬送ガイド19と上側搬送ガイド20の間は、用紙P1の紙厚の2〜4倍程度の隙間が設けられている。ロール紙Pから引き出された用紙P1は、下側搬送ガイド19と上側搬送ガイド20によって案内されて印字ヘッド12とプラテンローラ13の間に導かれる。
【0022】
下側搬送ガイド19と上側搬送ガイド20よりも搬送方向上流側には、上下方向に所定の移動範囲にわたって移動自在なダンパローラ11が設けられている。このダンパローラ11は、ダンパバネ111により常時上方に向けて付勢されている。ロール紙Pから引き出された用紙P1とダンパローラ11とが接触することで、ダンパローラ11との接触部分で用紙P1が上方に向けて付勢される。また、用紙P1が搬送方向に搬送されているときには、搬送されることによって生じる用紙P1の張力によりダンパバネ111の付勢力に抗してダンパローラ11が下方に押し下げられている。印字ヘッド12よりも搬送方向上流側にある用紙P1に多少の弛みが生じた場合、ダンパローラ11が上方に移動することでその弛みは吸収される。
【0023】
ダンパローラ11の下方であって、用紙P1が搬送方向に搬送される際に通過する用紙経路22から外れた位置には用紙退避部18が設置されている。この用紙退避部18は、用紙P1が反搬送方向に搬送されたときに、用紙P1が送り込まれる用紙退避空間181を内部に有している。用紙P1が反搬送方向に搬送されると、ダンパローラ11は、印字ヘッド12よりも搬送方向上流側にある用紙P1の弛みを吸収しながら上方に移動する。ダンパローラ11が移動範囲の最も上方に移動した後も用紙P1が反搬送方向に搬送されつづけると、用紙P1には弛みが形成されていく。そして、最も上方に移動したダンパローラ11によって、ダンパローラ11の下方に設置された用紙退避空間181の方向にその弛みが案内される。その結果、ループを形成しながら用紙退避空間181に弛みが収納されていく。
【0024】
本体フレーム3には、読取ユニット14と可動刃ユニット16とのうちのいずれか一方のユニットが取り付けられる本体側取付部31が設けられている。この本体側取付部31には、本体側取付部31に取り付けられる読取ユニット14と可動刃ユニット16とを位置決めするための位置決め軸32が設けられている。図3は、本体側取付部31に読取ユニット14が取り付けられたプリンタ1を示している。
【0025】
読取ユニット14は、印字ヘッド12によって印字が施された用紙P1の一部分である印字済部分を光学的に読み取る光学センサ140を備えている。また、読取ユニット14には、読取ユニット14を本体側取付部31に取り付ける際に取付位置の基準になる位置決め孔141が設けられている。この位置決め孔141は位置決め軸32にはめ込まれていることで、読取ユニット14は本体側取付部31に位置決めされている。また、読取ユニット14には、読取ユニット14を本体側取付部31に取り付けるための長ネジ81が貫通する貫通孔142が設けられている。読取ユニット14は、本体側取付部31に取り付けられることで、印字ヘッド12が設けられた位置の搬送方向下流側に配置されている。
【0026】
読取ユニット14の上面は、可動刃ユニット16を積み重ねて取り付けるための可動刃ユニット取付部14aとなっている。この可動刃ユニット取付部14aには、可動刃ユニット16を位置決めするための図示しない位置決め軸が設けられている。可動刃ユニット16には図示しない位置決め孔が設けられている。その位置決め孔を読取ユニット14の位置決め軸にはめ込むことで、可動刃ユニット16は、読取ユニット14に積み重ねられた状態で可動刃ユニット取付部14aに位置決めされている。可動刃ユニット16は、本体側取付部31との間で読取ユニット14を挟んだ状態で、長ネジ81によって着脱自在に本体側取付部31に取り付けられている。長ネジ81を外すことで、読取ユニット14と可動刃ユニット16とを本体側取付部31から取り外すことができる。読取ユニット14に積み重ねられた状態で本体側取付部31に取り付けられることで、読取ユニット14の搬送方向下流側に可動刃ユニット16が配置されている。この可動刃ユニット16が可動刃ユニット取付部14aに位置決めされて読取ユニット14とともに本体側取付部31に取り付けられた位置が、第2の位置の一例に相当する。
【0027】
また、可動刃ユニット16には可動刃161が設けられている。可動刃ユニット16が可動刃ユニット取付部14aに位置決めされて本体側取付部31に取り付けられていることで、可動刃161は本体フレーム3の所定位置に配置されている。
【0028】
カバーフレーム4には、対向ユニット15とスタッカユニット17とのうちのいずれか一方のユニットが着脱自在に取り付けられるカバー側取付部41が設けられている。図3では、カバー側取付部41に対向ユニット15が取り付けられたプリンタ1を示している。このカバー側取付部41には、カバー側取付部41に取り付けられる対向ユニット15とスタッカユニット17とを位置決めするための突部42が設けられている。
【0029】
上述したように、対向ユニット15は、読取ユニット14とともに組として使用されるオプションユニットである。印字ヘッド12が設けられた位置よりも搬送方向下流側であって、用紙経路22を挟んで読取ユニット14に対向する位置に対向ユニット15が配置されている。対向ユニット15には、対向ユニット15をカバー側取付部41に取り付ける際に取付位置の基準になる図示しない位置決め孔が設けられている。この位置決め孔を突部42にはめ込むことで、対向ユニット15がカバー側取付部41に位置決めされている。対向ユニット15は、ネジ83により着脱自在にカバー側取付部41に取り付けられている。このネジ83を外すことで、対向ユニット15をカバー側取付部41から取り外すことができる。
【0030】
対向ユニット15は、図示しないコンタクトバネによって読取ユニット14側に付勢されたコンタクトローラ153を備えている。このコンタクトローラ153の幅方向両端部分の径は、幅方向中央部分の径よりも用紙P1の紙厚の2倍程度大きな径に形成されている。コンタクトバネによって付勢されることで、コンタクトローラ153の大径に形成されている幅方向両端部分が光学センサ140の幅方向両端部分と接触する。コンタクトローラ153の幅方向中央部分と光学センサ140の幅方向中央部分との間には用紙P1が通過する隙間が設けられている。なお、本実施形態では、コンタクトローラ153を用いたが、コンタクトローラ153の代わりに板状のコンタクトプレートを用いてもよい。
【0031】
対向ユニット15の上面は、スタッカユニット17を積み重ねて取り付けるためのスタッカユニット取付部15aとなっている。このスタッカユニット取付部15aには、スタッカユニット17を位置決めするためのスタッカ用突部143が設けられている。スタッカユニット17には図示しない第1の位置決め孔が設けられている。また、スタッカユニット17には、スタッカユニット17をカバー側取付部41に位置決めするための図示しない第2の位置決め孔も設けられている。第1の位置決め孔が対向ユニット15のスタッカ用突部143にはめ込まれることで、スタッカユニット17は、対向ユニット15に積み重ねられた状態でスタッカユニット取付部15aに位置決めされている。また、スタッカユニット17は、ネジ84によって、スタッカユニット取付部15aに着脱自在に取り付けられている。このネジ84を外すことで、スタッカユニット17をスタッカユニット取付部15aから取り外すことができる。スタッカユニット17は、対向ユニット15に積み重ねられた状態でスタッカユニット取付部15aに取り付けられる。その結果、対向ユニット15の搬送方向下流側であって、用紙経路22を挟んで可動刃ユニット16に対向する位置にスタッカユニット17が配置される。カバー側取付部41に取り付けられた対向ユニット15のスタッカユニット取付部15aに、このスタッカユニット17が取り付けられた位置が、第4の位置の一例に相当する。なお、対向ユニット15のスタッカ用突部143を、第2の位置決め孔に対応する位置に設けてもよい。このようにすれば、スタッカユニット17をスタッカユニット取付部15aに取り付けるときに第2の位置決め孔で位置決めでき、第1の位置決め孔は不要になる。
【0032】
スタッカフレーム78の底板78aの上面には固定刃71が固定されている。スタッカユニット17がスタッカユニット取付部15aに位置決めされて対向ユニット15に取り付けられることで、所定位置に配置された可動刃161と用紙P1を挟んで対向する位置に固定刃71が配置される。この固定刃71の刃先と可動刃161の刃先の間が、印字ヘッド12によって印字が施された用紙P1の印字済部分を排出する排出口5になる。
【0033】
スタッカユニット17は、上述した固定刃71と、押込部材の一例に相当する羽根車72と、角度保持機構73と、スタッカ側駆動力伝達機構74と、ガイド部材75と、押さえ部材76と、貯留部77と、スタッカフレーム78とを備えている。
【0034】
羽根車72は、排出口5から排出された用紙P1の印字済部分の排出方向(ここでは上方向)に沿った軸心を回転中心としてスタッカフレーム78に回転自在に取り付けられている。この羽根車72は、軸部材720と、軸部材720から放射状に突出した4枚の羽根721と、軸部材720の上端部分に設けられた上側ラチェット歯車722と、軸部材720の下端部分に設けられた下側ラチェット歯車723とが一体成型された樹脂製の部材である。羽根車72は、排出口5の幅方向両端それぞれの近傍に1つずつ計2つ設けられている。固定刃71と可動刃161によって用紙P1の未排出部分から切り離された紙片P2は、羽根車72の回転によって紙片P2の厚み方向(図3における右側)に押し込まれる。
【0035】
羽根車72が紙片P2を押し込む方向(以下、押込方向と称する)に、羽根車72から間隔をあけてガイド部材75が設けられている。羽根車72が紙片P2を押し込み終わる位置とガイド部材75との間隔が、紙片P2を重ねた状態で貯留する貯留部77になる。ガイド部材75は、貯留部77に重ねた状態で貯留されている貯留紙片P3のうち、押込方向最下流に位置する1枚目が立て掛けられる部材である。ガイド部材75は、スタッカフレーム78の底板78aから所定距離上方に離れた位置に配置されている。また、ガイド部材75は、幅方向に軸心を有するガイド部材支軸751を回転中心として回転可能にスタッカフレーム78に取り付けられている。ガイド部材75とスタッカフレーム78の間にはガイドバネ752が取り付けられている。ガイドバネ752によって、ガイド部材75は図3における反時計回りに常時付勢されている。多数枚の貯留紙片P3が貯留部77に貯留されると、その貯留紙片P3の重量によって、ガイド部材75は、ガイドバネ752に抗して図4における時計回りに回転する。この回転により、ガイド部材75の上側部分は押込方向に退避する。
【0036】
図4は、貯留部77に多数枚の貯留紙片P3が貯留されたときのスタッカユニット17を示す側面図である。
【0037】
押さえ部材76は、幅方向に軸心を有する押さえ部材支軸761を中心として回転自在にスタッカフレーム78に取り付けられている。この押さえ部材76の下面76aは、羽根車72よりも上方に排出された印字済部分を図4における右上方向に案内する案内面になる。この押さえ部材76は、自重で図4における時計回りに回転し、押込方向の最上流に位置する貯留紙片P3(以下、n枚目貯留紙片P3’と称する。なお、nは正の整数で、貯留紙片P3の枚数である。)と接触している。貯留部77に重ねられた貯留紙片P3は、押さえ部材76の自重によってガイド部材75側に押さえ付けられている。押さえ部材76がn枚目貯留紙片P3’と接する角度θは、押さえ部材76がn枚目貯留紙片P3’と接する位置で定まる。上述したように貯留紙片P3の枚数が増加するとガイド部材75の上側部分が押込方向に退避する。このため、押さえ部材76がn枚目貯留紙片P3’と接する角度θは、貯留紙片P3が増加しても所定の角度範囲で維持される。
【0038】
羽根車72よりも上方に排出された印字済部分は、押さえ部材76の下面76aに案内されて押さえ部材76とn枚目貯留紙片P3’の間に入り込んでいく。押さえ部材76がn枚目貯留紙片P3’と接する角度θが大きくなりすぎると、排出されてきた印字済部分の先端が、n枚目貯留紙片P3’の表面と押さえ部材76との間に入り込めずに貯留部77で丸まってしまう虞がある。また、押さえ部材76がn枚目貯留紙片P3’と接する角度θが大きいとき、押さえ部材76は、図4における時計回りに大きく回動している。この大きく回動した状態では、押さえ部材76が貯留紙片P3を押さえる力が強くなる。このため、押さえ部材76とn枚目貯留紙片P3’の間に入り込んで排出されている印字済部分と、n枚目貯留紙片P3’との間に生じる摩擦力も強くなってしまう。この摩擦力によって、排出されてきた印字済部分の移動にn枚目貯留紙片P3’が追従し、n枚目貯留紙片P3’が持ち上がってしまう虞もある。
【0039】
逆に押さえ部材がn枚目貯留紙片P3’に接する角度θが小さくなりすぎると、押さえ部材76の貯留紙片P3を押さえる力が小さくなり、貯留紙片P3は押込方向とは反対方向に膨らんだり倒れ込んでしまう虞がある。本実施形態では、押さえ部材76がn枚目貯留紙片P3’と接する角度θを所定の角度範囲に維持しているので、n枚目貯留紙片P3’の表面と押さえ部材76との間に排出されてくる印字済部分の先端をうまく導くことができる。また、押さえ部材76による貯留紙片P3を押さえる力が大きく変化してしまうことを抑制できる。なお、本実施形態では、ガイド部材75が回転する構成を挙げたが、ガイド部材75が押込方向に平行移動する構成としてもよい。
【0040】
ガイド部材75とスタッカフレーム78の底板78aとの間には、押込方向に窪んだ窪み部781が形成されている。貯留紙片P3には、ロール紙Pの巻き方向に巻き癖が発生している場合がある。特にロール紙Pが強い力で巻かれていると、その巻癖は顕著に現れる。窪み部781は、貯留紙片P3の切断端部分(下端部分)を収納する空間である。貯留紙片P3が巻き癖によって押込部材側に大きく張り出してしまうと、その貯留紙片P3と羽根車72とが接触し、羽根車72の押し込み動作が阻害されてしまう。窪み部781を形成することで、巻き癖に沿った形状で貯留紙片P3の切断端部分を押込方向に突出させて収納できる。このため、貯留紙片P3が巻き癖によって押込部材側に大きく張り出してしまうことを抑制できる。また、排出口5から所定長排出された印字済部分は、n枚目貯留紙片P3’と接触しながら上方に排出されていく。この印字済部分が排出されていくとき、排出される印字済部分とn枚目貯留紙片P3’との間の摩擦力によりn枚目貯留紙片P3’に上方へ移動する力が働く。本実施形態では、ロール紙Pの巻癖によって、貯留紙片P3の窪み部781に収納された部分が側面視で鉤形になりやすい。貯留されているn枚目貯留紙片P3’の鉤形の部分が、押し込み方向下流側に貯留されている貯留紙片P3の鉤形の部分に引っかかることで、n枚目貯留紙片P3’が上方に移動してしまうことが抑制される。なお、スタッカフレーム78の底板78aの上面と、固定刃71の下面の間には、固定刃ガイド711が取り付けられている。この固定刃ガイド711は、搬送されてくる用紙P1を固定刃71と可動刃161の間に案内するものである。
【0041】
図5は、羽根車72と角度保持機構73とを示す平面図である。なお、この図5には、スタッカフレーム78とガイド部材75も示されている。
【0042】
図5に示すように、羽根車72の4枚の羽根721は、軸部材720から放射状に90度の間隔で突出している。その羽根721の上下方向の長さは、プリンタ1に設定されている貯留紙片P3の最小長さに対して半分以上の長さ(ここでは50mm)に形成されている。羽根車72は、排出口5の両端それぞれの近傍であって、排出口5よりも貯留部77側に設けられている(図3参照)。
【0043】
角度保持機構73は、羽根車72を所定の力で一定の回転角度に保持する機構である。図5に示すように、角度保持機構73は、2つの羽根車72それぞれに対して左右対称に1つずつ設けられている。以下の説明では、図5における右側の角度保持機構73について説明し、左側の角度保持機構73については説明を省略する。スタッカフレーム78には、上下方向(図5においては紙面と直交する方向)に軸線を有する上側アーム支軸782が設けられている。角度保持機構73は、その上側アーム支軸782を回転中心として回転可能な上側アーム731と、その上側アーム731を図5における時計回りに回転させる方向に付勢する上側ラチェットバネ732と、検出スイッチ733とを備えている。
【0044】
上側ラチェット歯車722は、4枚の羽根721に対してほぼ45度ずれた角度に配置された4つの上側歯部722aと、羽根721とほぼ同一角度に配置された4つの上側歯底部722bとを有する。また、上側アーム731は、上側ラチェット歯車722の上側歯底部722bに入り込む歯止め部731aが設けられている。上側ラチェット歯車722の上側歯底部722bに上側アーム731の歯止め部731aが入り込むことで、羽根車72の羽根721のうちの一枚が、幅方向内側(図6における左側)に最も突出した保持角度で保持される。この保持角度において、幅方向内側に最も突出した羽根721の突出端は、紙片P2の幅方向端縁よりも内側に位置している(図10(a)参照)。検出スイッチ733は、上側アーム731が保持角度にあることを検出するスイッチである。また、スタッカフレーム78には、排出されてきた印字済部分を案内する2つのリブ78bが設けられている。印字済部分は、幅方向内側に最も突出した羽根721とリブ78bによって案内されながら排出されていく。
【0045】
図6は、可動刃ユニット16の内部に設けられた機構部品とスタッカ側駆動力伝達機構74とを示す平面図である。なお、この図6には、スタッカフレーム78とガイド部材75と固定刃71も示されている。
【0046】
図6に示すように、可動刃ユニット16の内部には、可動刃161と、その可動刃161を往復移動させる駆動手段162と、後述する駆動力伝達機構70(図8参照)の一部を成すコの字型アーム163と、リンク支軸164とが設けられている。駆動手段162は、モータ165と、モータ165の出力軸に固定されたウォーム歯車166と、ウォーム歯車166に噛合したウォームホイール167と、リンク支軸164を回転中心としてウォームホイール167の回転によって揺動運動する揺動リンク168と、原点センサ169とを備えている。モータ165が回転すると、可動刃161は、固定刃71に向かう往動方向と固定刃71から離間する復動方向へ往復運動を行う。図6は、可動刃161が最も復動方向に退避した待機位置にある状態を示している。この待機位置にある可動刃161が往動方向に移動することで、用紙P1はその幅方向に沿って切断され、印字済部分が紙片P2として切り離される。原点センサ169は、可動刃161が待機位置にあることを検出するセンサである。コの字型アーム163は、2本の連結軸160によって可動刃161と連結されており、可動刃161とともに往復運動を行う。このコの字型アーム163の2つの先端部分(図6における上端部分)には、後述するジョイント741の連結孔741bに挿入される連結ピン163aが設けられている。なお、ユーザの安全面を考慮すると、用紙P1の切断中はカバーフレーム4が解放されない状態とするのが好ましい。用紙切断中のプリンタカバー4の解放を防止するために、コの字型アーム163にカバーフレーム4の解放を抑制するための凸部材を設置し、カバーフレーム4に凸部材と係合する凹部を設ける。コの字型アーム163が往動方向もしくは復動方向に移動している(つまり可動刃161が待機位置にない)時に凸部材は凹部に係合し、可動刃が待機位置にある時には凸部材と凹部の係合を解除する構成を採用することで、用紙P1の切断中はカバーフレーム4が解放されない構成を実現することができる。
【0047】
スタッカ側駆動力伝達機構74は、コの字型アーム163を復動方向に移動させる駆動力を羽根車72に伝達して羽根車72を回転させる機構である。このスタッカ側駆動力伝達機構74は、2つの羽根車72それぞれに対して左右対称に1つずつ設けられている。以下の説明では、図6における右側のスタッカ側駆動力伝達機構74について説明し、左側のスタッカ側駆動力伝達機構74については説明を省略する。スタッカ側駆動力伝達機構74は、ジョイント741と、下側アーム742と、下側アーム支軸743と、ジョイントバネ744(図7参照)と、アームバネ745とを有する。また、スタッカ側駆動力伝達機構74は、連結フレーム740も備えている。この連結フレーム740は、図6における上下方向に移動可能にスタッカフレーム78に取り付けられており、図示しないバネによって常時図6における下方に付勢されている。この連結フレーム740には、スタッカ側駆動力伝達機構74を構成する各部材(741〜745)が取り付けられている。
【0048】
下側アーム支軸743は、上下方向(図6においては紙面と直交する方向)に軸線を有し、連結フレーム740に固定されている。下側アーム742は、下側アーム支軸743を回転中心として回転可能に連結フレーム740に取り付けられている。下側アーム742には、下側ラチェット歯車723と噛み合う爪部742aが形成されている。下側ラチェット歯車723と爪部742aの噛み合いについては後で詳述する。また、下側アーム742は、アームバネ745によって爪部742aが幅方向内側に入り込む方向(時計回り)に回転するように常時付勢されている。ただし、下側アーム742は、連結フレーム740の規制部740aと接触することで所定角度以上には回転できないように規制されている。図6は、下側アーム742が規制部740aと接触して回転が規制された状態を示している。
【0049】
図7は、図6における右側からスタッカ側駆動力伝達機構74を見た側面図であり、(a)はカバーフレーム4が閉状態にあるときの図である。
【0050】
図7(a)に示すように、ジョイント741は、ジョイント支軸741aを中心として回転可能に連結フレーム740に取り付けられている。また、ジョイント741は、ジョイントバネ744によって図7(a)における反時計回りに常時付勢されている。ジョイント741には、連結孔741bが設けられている。カバーフレーム4が閉じた閉状態では、この連結孔741bにコの字型アーム163の連結ピン163aが挿入され、スタッカ側駆動力伝達機構74とコの字型アーム163とが連結状態となっている。
【0051】
図7(b)はカバーフレーム4が開放状態から閉状態になる直前の状態を示す図である。
【0052】
図7(b)に示すように、カバーが開状態にあるときは、ジョイント741はコの字型アーム163から離れ、スタッカ側駆動力伝達機構74とコの字型アーム163とは非連結状態になる。
【0053】
図7(c)はジョイント741がコの字型アーム163の連結ピン163aから外れた状態を示す図である。
【0054】
何らかの原因でスタッカ側駆動力伝達機構74の移動負荷が増大した状態でコの字型アーム163を移動させると、ジョイントバネ744の付勢に抗し、図7(c)における時計回りにジョイント741が回転する。この回転によりスタッカ側駆動力伝達機構74とコの字型アーム163とが図7(c)に示す非連結状態になる。すなわち、本実施形態におけるジョイント741は、伝達解除部の一例に相当する。ジョイント741が図7(c)における時計回りに回転することで、駆動手段162、スタッカ側駆動力伝達機構74、或いはコの字型アーム163が破損してしまうことを防止できる。なお、スタッカ側駆動力伝達機構74の移動負荷が増大する原因として、たとえば貯留紙片P3の貯留枚数が貯留部77の許容値を超え、貯留紙片P3と羽根車72とが接触して羽根車72の回転負荷が増加したことが考えられる。
【0055】
ジョイント741には、誘導傾斜面741cが設けられている。この誘導傾斜面741cは、非連結状態となったコの字型アーム163を往動方向に移動させることで、ジョイント741を図7(c)における時計回りに回転させるための面である。
【0056】
図7(d)はジョイント741の誘導傾斜面741cが連結ピン163aと接触している状態を示す図である。
【0057】
非連結状態となったコの字型アーム163が復動方向に移動することで、図7(d)に示すようにコの字型アーム163とジョイント741の誘導傾斜面741cとが接触した状態になることがある。この状態からコの字型アーム163が往動方向に移動することで、図7(d)における時計回りにジョイント741が回転し、連結孔741bに連結ピン163aが挿入されて連結状態に復帰できる。
【0058】
図8は、可動刃161を往復移動させる駆動手段162を駆動したときの駆動力伝達機構70と羽根車72の動きを示す平面図であり、(a)は可動刃161が往動方向に移動しているときの状態を示す図、(b)は可動刃161が最も往動方向に移動したときの状態を示す図、(c)は可動刃161が復動方向に移動しているときの状態を示す図である。図8(a)と図8(c)に記載した白抜きの矢印は、駆動力伝達機構70の移動方向を示している。なお、図8では、図6に示した2つの羽根車72のうち右側の羽根車72と、その羽根車72を回転させる駆動力伝達機構70を示している。また、この図8では、本来平面視では見えない下側ラチェット歯車723を記載しており、部品同士の重なりによって本来見えなくなる部分も説明のために記載している。
【0059】
駆動力伝達機構70は、コの字型アーム163とスタッカ側駆動力伝達機構74とから構成される。この駆動力伝達機構70は、図6に示す駆動手段162が可動刃161を復動方向に移動させる駆動力を羽根車72に伝達して羽根車72を回転駆動させる機構である。図8に示すように、羽根車72の軸部材720の下端部分には、下側ラチェット歯車723が設けられている。下側ラチェット歯車723は、4枚の羽根721に対してほぼ45度ずれた角度に配置された4つの下側歯部723aと、羽根721とほぼ同一角度に配置された4つの下側歯底部723bとを有する。なお、下側ラチェット歯車723は、上側ラチェット歯車722と同一形状をしている。駆動手段162によって可動刃161が往復移動すると、駆動力伝達機構70も可動刃161とともに往復移動する。スタッカ側駆動力伝達機構74が往動方向に移動すると、下側アーム742が下側ラチェット歯車723と接触し、羽根車72を回転させようとする。しかし、羽根車72は、上述した角度保持機構73によって、所定の力で保持されている。このため、図8(a)に示すように、アームバネ745に抗して図8(a)における反時計回りに下側アーム742が回転し、駆動手段162による駆動力が羽根車72まで伝達されることを回避する。すなわち、本実施形態における下側アーム742は、伝達回避手段の一例に相当する。可動刃161を往動方向に移動させているときに、羽根車72に駆動力が伝達されないので、駆動手段162に加わる負荷を低減できる。また、排出されてきた印字済部分を可動刃161で切り離す負荷と羽根車72を回転させる負荷とが同時に駆動手段162にかかることがないので駆動手段162に加わる最大負荷も低減できる。
【0060】
図8(b)に示す最も往動方向に移動した位置まで可動刃161と駆動力伝達機構70が移動した後は、可動刃161と駆動力伝達機構70は復動方向へ移動を開始する。復動方向の移動によって、図8(c)に示すように、下側アーム742の爪部742aが下側ラチェット歯車723の下側歯部723aと噛み合い、羽根車72は図8(c)における時計回りに回転する。さらに、コの字型アーム163が復動方向に移動して羽根車72がほぼ90度回転すると、下側アーム742の爪部742aと下側ラチェット歯車723の下側歯部723aとの噛み合いが解除される。そして、図5に示す上側アーム731の歯止め部731aが上側ラチェット歯車722の上側歯底部722bに入り込むことで、羽根車72は90度回転した状態で保持される。羽根721は90度毎に配置されているので、この状態でも羽根721のうちの一枚が幅方向内側に最も突出している。なお、下側アーム742は、図8(c)において時計回りに回転する反力を羽根車72から受けるが、連結フレーム740の規制部740aと接触しているので、図8(c)に示した角度以上に時計回りに回転することはない。
【0061】
ところで、プリンタ1の使用者によっては、読取ユニット14と対向ユニット15とを必要としない場合がある。この場合、読取ユニット14と対向ユニット15をプリンタから取り外して軽量化したいといった要求がある。また、一旦取り外した読取ユニット14と対向ユニット15とを再度取り付けたいといった場合もある。さらに、可動刃ユニット16とスタッカユニット17は、印字ヘッド12に近づけて配置したいといった要求もある。
【0062】
図9は、図3のプリンタ1から読取ユニット14と対向ユニット15を取り外したプリンタ1’を示す概略図である。
【0063】
図9に示すプリンタ1’では、可動刃ユニット16が、読取ユニット14が取り付けられていた本体側取付部31に着脱自在に取り付けられている。可動刃ユニット16は、可動刃ユニット16に設けられた位置決め孔が位置決め軸32にはめ込まれることで本体側取付部31に位置決めされている。この可動刃ユニット16は、ネジ85により着脱自在に本体側取付部31に取り付けられている。ネジ85を外すことで、可動刃ユニット16を本体側取付部31から取り外すことができる。可動刃ユニット16は、本体側取付部31に取り付けられることで、印字ヘッド12が設けられた位置の搬送方向下流側に配置されている。この可動刃ユニット16が本体側取付部31に位置決めされて本体フレーム3に取り付けられた位置が、第1の位置の一例に相当する。
【0064】
また、図9に示すプリンタ1’では、対向ユニット15が取り付けられていたカバー側取付部41にスタッカユニット17が着脱自在に取り付けられている。スタッカユニット17に設けられた第2の位置決め孔に突部42がはめ込まれることで、カバー側取付部41にスタッカユニット17が位置決めされている。また、スタッカユニット17は、ネジ86により着脱自在にカバー側取付部41に取り付けられている。このネジ86を外すことで、スタッカユニット17をカバー側取付部41から取り外すことができる。スタッカユニット17は、カバー側取付部41に取り付けられることで、プラテンローラ13が設けられた位置の搬送方向下流側に配置されている。このスタッカユニット17がカバー側取付部41に取り付けられた位置が、第3の位置の一例に相当する。
【0065】
図9に示すプリンタ1’では、可動刃ユニット16とスタッカユニット17を取り付ける位置が、図3に示すプリンタ1に対して変更されている。これは、可動刃161が排出されてきた印字済部分を未排出部分から切り離す切断位置C(排出口5がある位置と同位置)を、印字ヘッド12が印字を行う印字位置Tに近づけて配置するためである。切断位置Cと印字位置Tとが離れていると印字ヘッド12による印字が行われない余白が増えてしまう。印字開始前に用紙P1の先端部分が印字位置Tにくるまで用紙P1を反搬送方向に搬送することで余白は減らせるが、それでは印字開始までに時間がかかりスループットが低下してしまう。切断位置Cを印字位置Tに近づけて配置することで、余白を減少させることができる。或いは、反搬送方向に搬送する時間を削減してスループットの低下を抑制することができる。
【0066】
可動刃ユニット16が本体側取付部31に取り付けられることで、印字位置T近傍の所定位置に可動刃161が配置される。また、スタッカユニット17がカバー側取付部41に取り付けられることで、印字位置T近傍の所定位置に配置された可動刃161と用紙P1を挟んで対向する位置に固定刃71が配置される。
【0067】
本実施形態のプリンタからは、ロール紙から引き出された用紙が搬送される用紙経路と、前記用紙の一部分に印字を施す印字ヘッドと、前記印字ヘッドによって印字が施された前記用紙の一部分を紙片として切り離す可動刃および該可動刃を移動させる駆動手段を備えた可動刃ユニットと、前記可動刃によって切り離された前記紙片を貯留する貯留部を有するスタッカユニットと、前記印字ヘッドが設けられた位置よりも搬送方向下流側における第1の位置に着脱自在に取りつけられ、前記用紙の一部分に施された印字内容を読み取る読取ユニットと、前記用紙経路を挟んで前記読取ユニットに対向する第3の位置に着脱自在に取りつけられる対向ユニットとを備え、前記可動刃ユニットと前記スタッカユニットのうちいずれか一方のユニットは、前記読取ユニットが前記第1の位置から取り外された状態では前記第1の位置に着脱自在に取りつけられ、前記読取ユニットが前記第1の位置に取り付けられた状態では該第1の位置よりもさらに搬送方向下流側の第2の位置に着脱自在に取り付けられるものであり、前記可動刃ユニットと前記スタッカユニットのうちの他方のユニットは、前記対向ユニットが前記第3の位置から取り外された状態では前記第3の位置に着脱自在に取り付けられ、前記対向ユニットが前記第3の位置に取り付けられた状態では、該第3の位置よりもさらに搬送方向下流側の第4の位置に着脱自在に取り付けられるものであることを特徴とするプリンタといった発明思想を導きだすことができる。また、この発明思想において、前記第2の位置に取り付けられた状態の前記一方のユニットと前記第4の位置に取り付けられた状態の前記他方のユニットとは前記用紙経路を挟んで対向するものであってもよい。
【0068】
この発明思想によれば、読取ユニット14と対向ユニット15が必要ない場合には、これらのユニットをプリンタ1から取り外すことができる。さらに、その読取ユニット14と対向ユニット15を取り外した位置に、可動刃ユニット16とスタッカユニット17を取り付けることで、可動刃ユニット16およびスタッカユニット17を印字ヘッド12に近づけて配置することができる。なお、この発明思想においては、スタッカユニット17が必ずしも固定刃71を有する必要はなく、スタッカユニット17と固定刃71とを別々にプリンタ1に着脱自在に取り付ける構成としてもよい。
【0069】
次に、図3に示すプリンタ1から読取ユニット14と対向ユニット15を取り外し、図9に示すプリンタ1’に組み替える手順について説明する。先ず図3に示す長ネジ81を取り外し、可動刃ユニット16と読取ユニット14をプリンタ1から取り外す。また、ネジ84を取り外してスタッカユニット17をプリンタ1から取り外す。さらに、ネジ83を取り外して対向ユニット15をプリンタ1から取り外す。そして、可動刃ユニット16に設けられた位置決め孔を本体側取付部31に設けられた位置決め軸32にはめ込んで、図9に示すネジ85で可動刃ユニット16を本体側取付部31に取り付ける。また、スタッカユニット17に設けられた第2の位置決め孔をカバー側取付部41に設けられた突部42にはめ込んで、ネジ86でスタッカユニット17をカバー側取付部41に取り付ける。なお、図9に示すプリンタ1’から図3に示すプリンタ1に戻す場合は、上述した手順と逆の手順で組み替えを行う。
【0070】
本実施形態におけるプリンタ1の作用について説明する。なお、読取ユニット14と対向ユニット15とを取り外した図9に示すプリンタ1’の作用については図3に示すプリンタ1と異なる部分についてのみ説明する。印字指令を受信したプリンタ1は、図3に示すプラテンローラ13を逆回転させて用紙P1の先端部分が印字ヘッド12とプラテンローラ13の間の位置に到達するまで反搬送方向に用紙P1を搬送する。これは、用紙P1の先端部分に生じる余白を少なくするためである。図9に示すプリンタ1’では、切断位置Cと印字位置Tとが近接しているので、反搬送方向へ用紙P1を搬送する距離を短くすることができる。或いは、反搬送方向への搬送を行わなくてもよい。このため、プリンタ1’ではプリンタ1に対してスループットを向上させることができる。その後、プリンタ1は、プラテンローラ13を正回転させる。そして、印字ヘッド12による印字と読取ユニット14による読み取りを行いながら用紙P1を排出口5から排出していく。排出口5から排出された印字済部分は、プラテンローラ13の正回転にともなって幅方向内側に最も突出した位置にある羽根721とリブ78bとによって排出方向に案内されて上方の押さえ部材76に向かって搬送されていく。そして、羽根車72の上方に突出した印字済部分は、押さえ部材76の下面76aに案内されてガイド部材75方向に向かって搬送されていく。また、ガイド部材75まで到達した部分は、ガイド部材75に沿って搬送されていく。印字が完了した後、用紙P1の印字済部分全てが排出口5から排出されたらプラテンローラ13を停止する。なお、読取ユニット14による読み取りによって印字エラーが検出された場合には、印字を中止してエラー報知などの所定の処理を行う。図9に示すプリンタ1’では、この読取ユニット14による読み取りと所定の処理は行わない。
【0071】
プラテンローラ13が停止した後、駆動手段162のモータ165を駆動し、可動刃161とともに駆動力伝達機構70を往動方向に移動させ、排出されてきた印字済部分を未排出部分から切り離す。さらにモータ165の駆動を継続することで往動方向に移動した可動刃161と駆動力伝達機構70は復動方向に移動する。駆動力伝達機構70の復動方向の移動により、下側アーム742の爪部742aが下側ラチェット歯車723の下側歯部723aと噛み合って羽根車72が回転する。
【0072】
図10は、羽根車72が回転することで紙片P2が厚み方向に押し込まれる様子を示す平面図であり、(a)は羽根車72が回転を開始する直前の状態を示す図、(b)は羽根車72が回転している途中の状態を示す図、(c)は羽根車72が回転を完了した状態を示す図である。なお、図10に記載する紙片P2は、羽根721によって押し込まれる部分を示している。また、図10の各図に記載した白抜きの矢印は、羽根車72の回転方向を示している。
【0073】
図10(a)に示すように、回転を開始する前の羽根車72は、羽根721のうちの一枚が幅方向内側に最も突出した角度で保持されている。以下、この回転を開始する前に幅方向内側に最も突出した羽根721を回転前突出羽根721’と称する。また、回転前突出羽根721’の突出端は、紙片P2の幅方向端縁よりも内側に位置している。紙片P2は、回転前突出羽根721’よりも押込方向の上流側に位置している。図10(b)に示すように、羽根車72が回転すると、回転前突出羽根721’は、幅方向外側に移動していく。また、回転前突出羽根721’の反回転方向の90度の位置に存在する羽根721(以下、回転後突出羽根721’’と称する)が押込方向の上流側から紙片P2に向かって回転していく。そして、紙片P2は、回転後突出羽根721’’によって押込方向に押し込まれて貯留部77に移動していき、貯留部77に貯留されて貯留紙片P3となる。図10(c)に示すように、羽根車72が90度回転すると、回転前突出羽根721’は貯留紙片P3の用紙幅方向の外側に位置し、回転後突出羽根721’’は幅方向内側に最も突出した角度で保持される。
【0074】
プリンタ1は、可動刃161が待機位置まで移動したことを原点センサ169により検出したらモータ165を停止する。そして、検出スイッチ733により、2つの上側アーム731それぞれが保持角度にあるか否かを検出する。保持角度にあれば処理を終了する。保持角度になければ、駆動手段162のモータ165を駆動し、可動刃161とともに駆動力伝達機構70を往復移動させて可動刃161を再度待機位置まで移動させる。そして、検出スイッチ733により、2つの上側アーム731それぞれが保持角度にあるか否かを再度検出する。保持角度にあれば処理を終了する。保持角度になければ、エラーを報知する。なお、保持角度にない場合は、スタッカ側駆動力伝達機構74とコの字型アーム163とが非連結状態になっている可能性が高い。保持角度にない場合に駆動力伝達機構70を一回往復移動させているのは、スタッカ側駆動力伝達機構74とコの字型アーム163を非連結状態から連結状態に復帰させることで、2つの上側アーム731を保持角度に回転させようとするためである。
【0075】
以上、説明したように本実施形態の構成によれば、駆動手段162が可動刃161を復動方向に移動させる駆動力で羽根車72を回転駆動するので、羽根車72を回転駆動する動力源を新たに設けなくても紙片P2を貯留部77に押し込むことができる。その上、印字済部分を可動刃161で切り離す負荷と羽根車72が紙片P2を押し込む負荷とを可動刃161の往動方向の移動と復動方向の移動とに分散させているので、駆動手段162に加わる最大負荷を低減することができる。さらに、可動刃161による切り離しが確実に完了した紙片P2を貯留部77に向けて押し込めるので、別の動力源を用いて羽根車72を回転させる場合に必要になる切り離し完了タイミングと押し込みタイミングとの調整を必要としない。また、用紙P1の印字済部分を排出口5から排出する際、回転前突出羽根721’によって、貯留部77に貯留された貯留紙片P3が排出口5まで移動することを防止できる。加えて、この回転前突出羽根721’によって、排出されている印字済部分を排出方向に案内することもできる。また、紙片P2を貯留部77に押し込む際、羽根車72を回転させるだけで、回転前突出羽根721’を紙片P2の押込方向から退避させつつ、回転後突出羽根721’’によって紙片P2を押し込むことができる。
【0076】
また、本実施形態によれば、スタッカユニット17に固定刃71が固定されているので、固定刃71と貯留部77とを別々に取り付ける必要がなくなり、固定刃71と貯留部77をプリンタに組み付ける際の組立作業性が向上する。特に、固定刃71と貯留部77の取付位置を変更する場合には、スタッカユニット17を取り外して別の位置に取り付けるだけでよく、固定刃71と貯留部77との位置合わせが必要ないので組立作業性が顕著に向上する。また、本実施形態のプリンタ1によれば、読取ユニット14に可動刃ユニット取付部14aを設けているので、読取ユニット14と可動刃ユニット16とを積み重ね、これらのユニットを近接させて配置することが出来る。また、対向ユニット15にスタッカユニット取付部15aを設けているので、対向ユニット15とスタッカユニット17とを積み重ね、これらのユニットを近接させて配置することが出来る。読取ユニット14と可動刃ユニット16とを近接させ、対向ユニット15とスタッカユニット17とを近接させることで、読取ユニット14と対向ユニット15を設けたプリンタ1においても、切断位置Cと印字位置Tとが大きく離れた位置となることを抑制できる。これにより、余白を減らすために用紙P1を反搬送方向へ搬送するときの搬送距離を短くし、プリンタ1のスループットを向上させることができる。
【0077】
本発明は上述の実施の形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことが出来る。例えば、本実施形態では、押込部材として羽根車72を用いたが、たとえば可動刃161の移動方向と平行かつ逆方向に移動する板状の押し込み片などの他の押込部材を用いてもよい。また、本実施形態では、羽根721を4枚設ける例を挙げたが、羽根721の枚数は1〜3枚でも良く、5枚以上であってもよい。また、本実施形態では、サーマル式の印字ヘッド12を用いたが、インパクトドット式などのその他の方式の印字ヘッドを用いてもよい。また、本実施形態では、固定刃71に向かって可動刃161が平行移動するいわゆるギロチン形カッタを用いたが、可動刃が回動移動するはさみ式カッタやピザ式カッタを用いてもよい。また、本実施形態では、プラテンローラ13を用いたが、板状のプラテンを用いてもよい。さらに、プラテンローラ13とは別に、モータによって回転駆動される搬送ローラを追加した構成としてもよい。また、本実施形態では、読取ユニット14、対向ユニット15、可動刃ユニット16、およびスタッカユニット17をネジ止めにより取り付けたが、はめ込み式など他の着脱可能な取付方法で取り付ける構成としてもよい。また、本実施形態では、可動刃ユニット16を取り付ける可動刃ユニット取付部14aを読取ユニット14に設けたが、可動刃ユニット取付部14aを本体フレーム3に設けてもよい。また、本実施形態では、スタッカユニット17を取り付けるスタッカユニット取付部15aを対向ユニット15に設けたが、スタッカユニット取付部15aをカバーフレーム4に設けてもよい。また、読取ユニット14をカバーフレーム4に取り付け、対向ユニット15を本体フレームに取り付ける構造としてもよい。さらに、可動刃ユニット16をカバーフレーム4に取り付け、スタッカユニット17を本体フレームに取り付ける構造としてもよい。なお、以上で説明してきた変更を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0078】
1、1’ プリンタ
5 排出口
12 印字ヘッド
13 プラテンローラ
14 読取ユニット
15 対向ユニット
16 可動刃ユニット
17 スタッカユニット
22 用紙経路
71 固定刃
72 羽根車
77 貯留部
161 可動刃
162 駆動手段
741 ジョイント
742 下側アーム
P ロール紙
P1 用紙
P2 紙片
P3 貯留紙片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙から引き出されて用紙経路に送り込まれた用紙に印字を施し、印字が施された用紙の一部分を固定刃と可動刃によって紙片として切り離すプリンタにおいて、
前記用紙の一部分に印字を施す印字ヘッドと、
前記可動刃および該可動刃を移動させる駆動手段を備えた可動刃ユニットと、
前記固定刃と前記可動刃によって切り離された紙片を貯留する貯留部を有するとともに該固定刃も有するスタッカユニットとを備え、
前記可動刃ユニットは、前記印字ヘッドが設けられた位置よりも搬送方向下流側における第1の位置と、該第1の位置よりもさらに搬送方向下流側の第2の位置のいずれか一方の位置に着脱自在に取りつけられるものであり、
前記スタッカユニットは、前記第1の位置に取り付けられた可動刃ユニットの可動刃に前記固定刃が用紙を挟んで対向する第3の位置と、前記第2の位置に取り付けられた可動刃ユニットの可動刃に該固定刃が用紙を挟んで対向する第4の位置のいずれか一方の位置に着脱自在に取りつけられるものであることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記用紙の一部分に施された印字内容を読み取る読取ユニットと、
前記用紙経路を挟んで前記読取ユニットに対向して設けられた対向部を有する対向ユニットとを備え、
前記読取ユニットと対向ユニットとのうちのいずれか一方のユニットは、前記第1の位置に着脱自在に取り付けられるものであって、前記可動刃ユニットを前記第2の位置に取り付ける取付部が設けられたものであり、
前記読取ユニットと対向ユニットとのうちの他方のユニットは、前記第3の位置に着脱自在に取り付けられるものであって、前記スタッカユニットを前記第4の位置に取り付ける取付部が設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−232440(P2012−232440A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101202(P2011−101202)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000107642)スター精密株式会社 (253)
【Fターム(参考)】