説明

プリントシステム及びプリント制御プログラム

【課題】 プリントサイズの自由度の高いプリントを提供することのできるプリントシステム及びプリント制御プログラムを提供する。
【解決手段】 まず、画像が読み取られて(ステップS10)、表示されると(ステップS12)、TAペーパー24の主走査方向のサイズ(幅)が表示される(ステップS14)。次に、画像48の操作(ステップS16)と、プリントサイズの入力が行われると(ステップS18)、トリミング枠54が表示される(ステップS20)。その次に、画像48のプリントしたい範囲がトリミング枠54の中に収まるように、トリミング枠54が移動され(ステップS24)、トリミング枠54の位置が確定されると(ステップS26)、TAペーパー24の使用量に基づいてプリント代金が計算されて表示される(ステップS28)。プリント指示入力により(ステップS30)、画像48がプリントされる(ステップS32)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリントシステム及びプリント制御プログラムに係り、特にプリント用紙として連続用紙(ロール紙)を用いるプリントシステム及びプリント制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリントシステムにおいては、所定のプリントサイズにカットされたプリント用紙が使用され、各プリントサイズの1枚あたりのプリント代金があらかじめ決まっている。そして、どのプリントサイズで何枚プリントしたかによってプリント代金が算出される。例えば、Lサイズのプリント代金が1枚50円で、2Lサイズが1枚100円であるとすると、Lサイズを10枚、2Lサイズを2枚プリントした場合のプリント代金は、
50×10+100×2=700(円)
となる(なお、枚数とは関係のない基本料金がプリント代金に加算される場合があるが、ここでは考慮しない)。例えば、特許文献1に開示されているプリント出力方法においては、画像をプリント出力する際のプリントの課金情報としてサイズの異なるプリントごとの料金と、枚数、及び合計金額が例示されている。
【特許文献1】特開2001−265560号公報(段落0011)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、プリント用紙として連続用紙(ロール紙)を用いるプリントシステムが普及している。プリント用紙としてロール紙を用いるプリントシステムにおいては、ロール紙の長さ方向の自由度が高い。
【0004】
しかしながら、従来のプリントシステムにおいては、プリントサイズがあらかじめ定められていたため、ロール紙の長さ方向の自由度を充分に活用することができなかった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、プリントサイズの自由度の高いプリントを提供することのできるプリントシステム及びプリント制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に係るプリントシステムは、プリント用紙として連続用紙を用いるプリントシステムであって、画像を入力する画像入力手段と、前記画像を表示するとともに、トリミング枠を表示する表示手段と、前記トリミング枠の縦横比を指定するとともに、前記画像と前記トリミング枠との相対的な位置及び大きさを指定するトリミング範囲指定手段と、前記指定されたトリミング範囲によってトリミングされた画像の短辺が前記連続用紙の幅に一致するようにプリントする第1のプリントレイアウト、及び前記トリミングされた画像の長辺が前記連続用紙の幅に一致するようにプリントする第2のプリントレイアウトからいずれか一方を選択するプリントレイアウト選択手段と、前記プリントレイアウト選択手段によって選択されたプリントレイアウトに基づいて前記連続用紙に前記画像をプリントするプリント手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項1に係るプリントシステムによれば、連続用紙の長さ方向の自由度を利用することにより、プリント用紙のサイズやアスペクト比の制約を受けることなく、プリントサイズの自由度の高いプリントを提供することができる。
【0008】
請求項2に係るプリントシステムは、請求項1において、前記連続用紙の使用量、前記連続用紙上におけるプリント面積、又はインクの使用量のうち少なくとも1つに基づいて前記プリント代金を算出して前記表示手段に表示させ、課金を行う課金手段を更に備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係るプリントシステムによれば、プリントサイズの自由度が高い場合であっても、わかりやすい価格設定が行えるため、利用者の満足度の向上を図ることができる。
【0010】
請求項3に係るプリント制御プログラムは、プリント用紙として連続用紙を用いるプリントシステムのプリントの制御を行うプログラムであって、画像を入力する機能と、前記画像を表示するとともに、トリミング枠を表示する機能と、前記トリミング枠の縦横比を指定するとともに、前記画像と前記トリミング枠との相対的な位置及び大きさを指定する機能と、前記指定されたトリミング範囲によってトリミングされた画像の短辺が前記連続用紙の幅に一致するようにプリントする第1のプリントレイアウト、及び前記トリミングされた画像の長辺が前記連続用紙の幅に一致するようにプリントする第2のプリントレイアウトからいずれか一方を選択する機能と、前記選択されたプリントレイアウトに基づいて前記連続用紙に前記画像をプリントする機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、連続用紙の長さ方向の自由度を利用することにより、規定の用紙のサイズやアスペクト比の制約を受けることなく、プリントサイズの自由度の高いプリントを提供することができる。また、上記のようなプリントサイズの自由度が高いプリントシステムにおいて、わかりやすい価格設定を行うことにより、利用者の満足度の向上を図ることができる。さらに、画像の拡大、縮小、切り取り等を行うことにより、利用者がプリントしたい部分のみを自由に選択できるので、プリントのコストダウンとなり利用者の満足度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面に従って本発明に係るプリントシステム及びプリント制御プログラムの好ましい実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るプリントシステムを示すブロック図である。図1に示すように、プリントシステム10は、例えば、ミニラボ店やDPE店等の店頭に設置されるプリントシステムや店頭セルフ端末等に適用されるものであり、ホストコンピュータ12と、画像読み取り装置14と、ディスプレイ16と、操作パネル18と、コインマシン20と、プリンタ22とを備えている。
【0014】
ホストコンピュータ12は、プリントシステム10の各部を統括制御する装置である。
【0015】
画像読み取り装置14は、記録メディア(メモリカードやCD−R等)に記録されている画像を読み取るためのメディアリーダや、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話等と接続して画像を読み取るためのアダプタやケーブル等を含む装置である。
【0016】
ディスプレイ16は、各種の操作メニューや、画像読み取り装置14によって読み取られた画像を表示するための表示装置である。
【0017】
操作パネル18は、ディスプレイ16の表示等に応じて利用者からの操作入力を受け付けるための装置であり、例えば、ディスプレイ16の表面に設けられたタッチパネルである。
【0018】
コインマシン20は、操作パネル18から入力されたプリント指示の内容に基づいて、プリント代金の課金、及び精算を行うための装置である。
【0019】
プリンタ22は、操作パネル18から入力されたプリント指示の内容に基づいて、画像読み取り装置14によって読み取られた画像のプリントを行う装置である。
【0020】
図2は、プリンタ22の主要構成を示す図である。図2に示すように、本実施形態のプリンタ22は、プリント用紙として連続用紙(ロール紙)であるTA(Thermo-Auto chrome)ペーパー24を用いるTAプリンタである。
【0021】
TAペーパー24が給送される搬送路には、図の左側から順に、キャプスタンローラ26、ニップローラ28、サーマルヘッド30、サーマルヘッド30の温度を検出するセンサ32、プラテンローラ34、カッター36、HPセンサ38を構成する発光LED38A及び受光センサ38B、Y定着用蛍光ランプ40、M定着用蛍光ランプ42、Y定着用蛍光ランプ40の照度値を測定するセンサ44、M定着用蛍光ランプ42の照度値を測定するセンサ46が配置される。
【0022】
搬送路の上流側(図における左側)から給送されたTAペーパー24は、キャプスタンローラ26とニップローラ28によって挟持されると共に、サーマルヘッド30とプラテンローラ34によって挟持され、印画処理実行時において、キャプスタンローラ26がモータによって回動されることによりTAペーパー24が同図のx方向で示される副走査方向に往復走行される。
【0023】
サーマルヘッド30には、TAペーパー24の搬送方向である副走査方向(図のx方向)に対して垂直な主走査方向(図のy方向)に複数の発熱素子がライン状に配設されており、TAペーパー24がx方向に示す印画方向に搬送されているときに同期させて、主走査方向の1ラインずつTAペーパー24に所定の熱を与えて各発色層の発色を行う。
【0024】
前記HPセンサ38の発光LED38Aは、TAペーパー24の搬送路を挟んで受光センサ38Bに向かって光を投光しており、この受光センサ38Bの検出信号に基づいてTAペーパー24の有無を検出できるようになっている。なお、受光センサ38Bから出力された検出信号は図示しないA/Dコンバータを介してシステムコントローラに入力される。
【0025】
システムコントローラは、発光LED38Aから投光された光が受光センサ38Bによって受光されるか否かを検出することによって、そのHPセンサ38の位置にTAペーパー24が位置するか否かを判定する。そして、そのHPセンサ38の位置にTAペーパー24が位置しているときとしないときの切り替わりを検出することによってTAペーパー24の先端がHPセンサ38の位置に搬送されたか否かを検出する。これによって、HPセンサ38の位置にTAペーパー24の先端が搬送されたときをTAペーパー24のホームポジションとしてTAペーパー24の位置合わせが行われ、この位置を基準にしてTAペーパー24の搬送と発色及び定着の印画処理が同期して行われる。
【0026】
次に、プリントシステム10におけるプリント方法について、図3及び図4を参照して説明する。図3はプリント注文時にディスプレイ16に表示される操作画面の例を示す図であり、図4は本発明の一実施形態に係るプリント方法を示すフローチャートである。
【0027】
まず、画像読み取り装置14によって画像が読み取られると(ステップS10)、読み取られた画像48がディスプレイ16に表示される(ステップS12)。次に、図3に示すように、TAペーパー24の主走査方向のサイズ(幅)がディスプレイ16に表示される(ステップS14)。図3の例では、TAペーパー24の主走査方向のサイズを示す画素数の数値(pixel数)と、矢印50が画像48と同じ縮尺で表示されている。
【0028】
次に、操作パネル18によって縦拡大率及び横拡大率52が操作されて画像48の拡大、縮小や、画像48の切り取り、回転等の操作が行われる(ステップS16)。そして、プリントサイズが入力されると(ステップS18)、入力されたプリントサイズに対応したトリミング枠54が画像48及び矢印50と同じ縮尺でディスプレイ16に表示される(ステップS20)。図3に示すように、このトリミング枠54の横幅は、TAペーパー24の主走査方向のサイズ(幅)に制限される。
【0029】
その次に、画像48とトリミング枠54の相対的な大きさ等に基づいて、ステップS18において入力されたプリントサイズで所望のプリントが得られるかどうか判断される(ステップS22)。ステップS22において、現在のプリントサイズで所望のプリントが得られないと判断された場合にはステップS14に戻る。一方、現在のプリントサイズで所望のプリントが得られると判断された場合には、画像48のプリントしたい部分(トリミング範囲)がトリミング枠54の中に収まるように、操作パネル18によってトリミング枠54が移動されて、プリントレイアウトが変更される(ステップS24)。ステップS24においては、トリミング枠54の長辺と短辺のどちらをTAペーパー24の主走査方向のサイズ(幅)に合わせるかを選択して、プリントサイズを設定することができる。
【0030】
そして、トリミング枠54の位置(トリミング範囲)が確定され、プリントレイアウトが確定されると(ステップS26)、プリントに必要なTAペーパー24の長さに基づいてプリント代金がホストコンピュータ12により算出されて、ディスプレイ16に表示される(ステップS28)。図3に示す例では、TAペーパー24の長さ1cm当たり5.5円で、使用されるTAペーパー24が9.1cmであるため、プリント代金が50円と表示される。
【0031】
なお、本実施形態においては、使用されるTAペーパー24の長さに基づいてプリント代金が算出されるようにしたが、プリント面積(例えば、1cm当たり0.5円とする)等から算出されるようにしてもよい。また、プリントにインクを使用する場合には、プリント代金はインクの使用量から算出されるようにしてもよい。
【0032】
そして、ステップS30において「OK」ボタン56がタッチされると、ステップS26において確定されたトリミング範囲(図中の網かけ部分)がプリントされる(ステップS32)。一方、「キャンセル」ボタン58がタッチされると、プリントがキャンセルされる(スタートに戻る)。
【0033】
以下に、プリントレイアウトの他の設定例について、図5を参照して説明する。図5は、画像48のプリントレイアウトの設定例を示す図である。
【0034】
図5(a)は、画像48を拡大して、画像48のトリミング範囲の短辺側をTAペーパー24の主走査方向のサイズ(幅)と一致させた例を示している。なお、画像サイズ(画素数)の小さい画像48を拡大する場合には、画素の補間(線形補間等)を行ってもよい。また、あらかじめ画素数に応じた拡大率の上限値を設定しておき、画像48がこの上限値を越えて拡大された場合に、警告を発したり、画像48が上限値以上に拡大されるのを禁止したりするようにしてもよい。
【0035】
また、図5(b)に示すように、細長い画像をプリントする場合には、画像48の向きを変更して複数の画像48A及び48Bを並べて、画像48A及び48Bの短辺の和をTAペーパー24の主走査方向のサイズ(幅)に一致させるようにしてもよい。この場合、図2のカッター36を副走査方向(TAペーパー24の長さ方向)に走査することにより、画像48A及び48Bを分離することができる。
【0036】
本実施形態によれば、画像48やプリント用紙の規定のサイズやアスペクト比に制約されることなく、トリミング範囲を任意に設定することができる。さらに、トリミング範囲長辺と短辺の好きな方をTAペーパー24の幅に合わせて、自由度の高いプリントレイアウトの設定を行うことができる。
【0037】
なお、本実施形態においては、プリント用紙としてロール紙であるTAペーパーを用いるTA方式のプリンタを用いたが、本発明はTA方式のプリンタを用いるプリントシステムに限定されるものではなく、プリント用紙として連続用紙(ロール紙)を用いるものであれば、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリントシステムを示すブロック図
【図2】プリンタ22の主要構成を示す図
【図3】プリント注文時にディスプレイ16に表示される操作画面の例を示す図
【図4】本発明の一実施形態に係るプリント方法を示すフローチャート
【図5】画像48のプリントレイアウトの設定例を示す図
【符号の説明】
【0039】
10…プリントシステム、12…ホストコンピュータ、14…画像読み取り装置、16…ディスプレイ、18…操作パネル、20…コインマシン、22…プリンタ、24…TAペーパー、48…画像、50…画素数の大きさに対応する矢印、52…縦横の拡大率、54…トリミング枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント用紙として連続用紙を用いるプリントシステムであって、
画像を入力する画像入力手段と、
前記画像を表示するとともに、トリミング枠を表示する表示手段と、
前記トリミング枠の縦横比を指定するとともに、前記画像と前記トリミング枠との相対的な位置及び大きさを指定するトリミング範囲指定手段と、
前記指定されたトリミング範囲によってトリミングされた画像の短辺が前記連続用紙の幅に一致するようにプリントする第1のプリントレイアウト、及び前記トリミングされた画像の長辺が前記連続用紙の幅に一致するようにプリントする第2のプリントレイアウトからいずれか一方を選択するプリントレイアウト選択手段と、
前記プリントレイアウト選択手段によって選択されたプリントレイアウトに基づいて前記連続用紙に前記画像をプリントするプリント手段と、
を備えることを特徴とするプリントシステム。
【請求項2】
前記連続用紙の使用量、前記連続用紙上におけるプリント面積、又はインクの使用量のうち少なくとも1つに基づいて前記プリント代金を算出して前記表示手段に表示させ、課金を行う課金手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
【請求項3】
プリント用紙として連続用紙を用いるプリントシステムのプリントの制御を行うプログラムであって、
画像を入力する機能と、
前記画像を表示するとともに、トリミング枠を表示する機能と、
前記トリミング枠の縦横比を指定するとともに、前記画像と前記トリミング枠との相対的な位置及び大きさを指定する機能と、
前記指定されたトリミング範囲によってトリミングされた画像の短辺が前記連続用紙の幅に一致するようにプリントする第1のプリントレイアウト、及び前記トリミングされた画像の長辺が前記連続用紙の幅に一致するようにプリントする第2のプリントレイアウトからいずれか一方を選択する機能と、
前記選択されたプリントレイアウトに基づいて前記連続用紙に前記画像をプリントする機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするプリント制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−88388(P2006−88388A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−273925(P2004−273925)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】