プリントヘッドのノズル形成
【課題】インクジェットプリントヘッドのようなマイクロ電子機械デバイスにおけるノズルを形成するための方法および装置を含む技術を提供すること。
【解決手段】ノズル460は、層420がデバイスの別の部分440上にボンディングされる前に、層420内に形成される。ボンディング前に、層420内にノズル460を形成すると、所望の深さと所望の幾何学的形状を有するノズル460を形成することができる。ノズル460に対して、特定の幾何学的形状を選択すると、インク流れの抵抗を減らし、マイクロ電子機械デバイスにわたるノズル460の均質性を改善できる。
【解決手段】ノズル460は、層420がデバイスの別の部分440上にボンディングされる前に、層420内に形成される。ボンディング前に、層420内にノズル460を形成すると、所望の深さと所望の幾何学的形状を有するノズル460を形成することができる。ノズル460に対して、特定の幾何学的形状を選択すると、インク流れの抵抗を減らし、マイクロ電子機械デバイスにわたるノズル460の均質性を改善できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本発明は、インクジェットプリントヘッドのようなマイクロ電子機械デバイスにおけるノズル形成に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタで、高品質高分解能の画像を印刷するためには、特定の位置内に所望の量のインクを正確に排出するプリンタが必要である。典型的には、図1Aに示されるように、プリントヘッド構造100の中に、多数の密に詰まったインク排出デバイスが、そのデバイスそれぞれがノズル130および関連インク流路108を含んで、形成される。インク流路108は、インク受け(ink reservoir)またはカートリッジのようなインクストレージユニットをノズル130に接続する。
【0003】
図1Bに示されるように、基板120の断面の側面図は、単一のインク流路108を示す。インク入口118は、インクサプライに接続される。インクは、インクストレージユニット(図示せず)から、インク入口118を介して、ポンプチャンバ110の中へと流れる。ポンプチャンバ内で、インクは、デセンダ領域112に向かって流れるように圧力を受け得る。デセンダ領域112は、インクが追い出されるノズル開口部144を含むノズル内で終了する。
【0004】
プリントヘッド構造内のインクエジェクタを形成するために、様々なプロセス技術が用いられている。これらのプロセス技術は、堆積およびボンディングのような層形成、ならびに、レーザアブレーション、打ち抜きおよび切断のような層改変を含み得る。使用される技術は、所望のノズルおよび流路の幾何学的形状に基づいて、インクジェットプリンタが形成される材料とともに選択される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
一般的に、一局面において、本発明は、デバイスを形成するための方法および装置を含む技術を特徴とする。アパーチャが、多層基板のノズル層の第一の表面の中へとエッチングされる。ここで、この多層基板は、またハンドル層を有する。ノズル層の第一の表面は、チャンバを有する半導体基板に固定され、アパーチャは、このチャンバと流体的に結合される。多層基板の一部分が、少なくとも多層基板のハンドル層を含んで除去され、チャンバは、アパーチャを介して、大気と流体的に結合される。
【0006】
ノズル層は、約5〜200マイクロメートルの間の厚さ、あるいは、100マイクロメートル未満の厚さであり得る。ノズル層の厚さは、例えば、ノズル層の研削などによって、エッチング前に減らされ得る。ノズル層は、シリコンを含み得る。多層基板は、絶縁体上シリコン基板を含み得る。アパーチャは、異方性エッチングまたは深掘りリアクティブイオンエッチングで、エッチングされ得る。アパーチャは、テーパ付き壁または垂直平行な壁を有し得る。アパーチャは、長方形または円形の断面を有し得る。
【0007】
本発明の別の局面は、ポンプチャンバを有する主部分と、この主部分に接続されたノズル部分とを有するプリントヘッドを形成することを特徴とする。ノズル部分は、ノズル入口とノズル出口とを有する。ノズル入口は、中心軸を中心とするテーパ付き壁を有する。テーパ付き壁は、ノズル出口に導き、このノズル出口は、実質的に垂直な壁を有し、この壁は、実質的にどの表面もこの中心軸と直交しない。
【0008】
またさらに別の局面において、本発明は、テーパ付き壁を有する窪み(recess)を有する本体と、出口とを有する流体排出ノズル層を特徴とする。この窪みは、第一の厚さを有し、この出口は第二の厚さを有する。この第一の厚さと第二の厚さとは一緒にすると、約100マイクロメートル未満である。
【0009】
別の局面において、本発明は、半導体基板を有する流体排出デバイスを特徴とする。この半導体基板は、チャンバを有し、このチャンバは、アパーチャを有する半導体ノズル層の第一の表面に固定されている。半導体基板は、このアパーチャを介して、大気に流体的に結合されるチャンバを有する。半導体ノズル層は、100マイクロメートル以下の厚さにほぼ等しい。
【0010】
特定のインプリメンテーションは、以下の利点を含み得ないか、あるいは、その1つ以上を含み得る。ノズルは、約10〜100マイクロメートル(例えば、40〜60マイクロメートル)のように任意の所望の厚さで形成され得る。流路の形態は、高速エッチング速度で、高精密度で形成され得る。ノズル層および流路モジュールが、シリコンから形成される場合、この層とモジュールとは、直接シリコンボンディングまたは陽極ボンディングによって、一緒にボンディングされ得る。こうして、別個の接着層に対する必要性がなくなる。ノズルを流路構造と別の層から形成すると、ノズルが形成される層の裏面側上で、例えば、研削、堆積またはエッチングなどの追加処理が可能となる。ノズルは、インク流れの抵抗を減らし得る幾何学的形状で形成され得る。エア捕捉が、低減または排除され得る。ノズル層の厚さ均一性が、流路形態が形成される基板の厚さ均一性と個別に制御され得る。流路基板に接続された後に、ノズル層が薄くされる場合、ノズル層の厚さを独立に制御することは、潜在的に困難であろう。
本発明は例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
窪みを、多層基板のノズル層の第一の表面の中へと、エッチングすることであって、該多層基板は、ハンドル層を有する、ことと、
該ノズル層の該第一の表面を、チャンバを有する基板に固定することによって、該窪みが該チャンバに流体的に結合されるようにすることと、
該多層基板の一部分を、少なくとも該多層基板の該ハンドル層を含めて、除去することによって、該チャンバが、該窪みを介して、大気と流体的に結合されるようにすることと
を包含する、デバイスを形成する方法。
(項目2)
窪みをエッチングすることは、該窪みを、100マイクロメートル未満の厚さであるノズル層の中へとエッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
窪みをノズル層の第一の表面の中へとエッチングすることは、シリコンの中へとエッチングすることを含み、
該ノズル層の該第一の表面を基板に固定することは、該ノズル層の該第一の表面をシリコンに固定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記ノズル層の前記第一の表面を固定することは、前記半導体基板を前記多層基板に直接シリコンボンディングすることをさらに包含する、項目3に記載の方法。
(項目5)
窪みをノズル層の第一の表面の中へとエッチングすることは、シリコンの中へとエッチングすることを含み、
該ノズル層の該第一の表面を基板に固定することは、酸化物材料をシリコン材料に固定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記エッチングすることの前に、前記ノズル層の厚さを減らすことをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記ノズル層の厚さを減らすことは、研削することを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記ノズル層の厚さを減らすことは、研磨することを含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記窪みを前記多層基板の前記ノズル層の前記第一の表面の中へとエッチングすることは、絶縁体上シリコン(SOI)基板のシリコン層をエッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記ノズル層の厚さを減らすことは、該ノズル層を約5〜200マイクロメートルの厚さに研削することを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記ノズル層の厚さを減らすことは、該ノズル層を約40〜60マイクロメートルの厚さに研削することを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記窪みをエッチングすることは、異方性エッチングプロセスを含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記窪みをエッチングすることは、深掘りリアクティブイオンエッチングプロセスを含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記多層基板の一部分を除去することは、研削することを含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記多層基板の一部分を除去することは、エッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記多層基板の絶縁体層を除去することをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記絶縁体層を除去することは、酸化物層を除去することを含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記絶縁体層を除去することは、エッチングすることを含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記窪みをエッチングすることは、実質的に垂直平行な壁を形成することを含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記窪みをエッチングすることは、実質的に円筒状の窪みを形成することを含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記窪みをエッチングすることは、実質的に長方形の窪みを形成することを含む、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記窪みをエッチングすることは、テーパ付き壁を形成することを含む、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記窪みをエッチングすることは、該窪みをエッチングして、該窪みが前記ノズル層を介して拡がるようにすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記多層基板は、前記ノズル層と前記ハンドル層との間に、絶縁体層を有し、
前記窪みをエッチングすることは、該窪みをエッチングして、該窪みが該絶縁体層内で形成されないようにすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目25)
前記窪みをエッチングすることは、少なくとも前記絶縁体層が露出されるまで、該窪みをエッチングすることを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記窪みをエッチングすることは、該窪みが前記ノズル層全体を介して拡がる前に、エッチングを中止することを含み、
前記多層基板の一部分を除去することは、該ノズル層の第二の表面から、該ノズル層の一部分を除去し、該窪みを露出することであって、該第二の表面が、前記第一の表面と反対側である、ことを含む、項目1に記載の方法。
(項目27)
前記多層基板の一部分を除去することは、前記ノズル層の第二の表面を露出することを含む、項目1に記載の方法。
(項目28)
ハンドルシリコン層および酸化物層を有する絶縁体上シリコン基板のシリコンノズル層を研磨することと、
該シリコンノズル層の第一の表面をエッチングして、1つ以上の窪みを形成することと、
該エッチングされた絶縁体上シリコン基板を流路基板と位置合わせすることによって、該1つ以上の窪みのうちの少なくとも1つが、該流路基板内のエッチングされた形態に流体的に結合され、該流路基板がシリコンを含むようにすることと、
該絶縁体上シリコン基板の該シリコンノズル層の該第一の表面を、該流路基板に直接シリコンボンディングすることと、
該ハンドルシリコン層と、該絶縁体層の少なくとも一部分とを除去し、該1つ以上の窪みを露出することと
を包含する、デバイスを形成する方法。
(項目29)
層の第一の表面を異方性エッチングして、テーパ付き壁と、該層の該第一の表面に実質的に平行である窪み表面とを有する窪みを形成することと、
該第一の表面と反対側にある層の第二の表面をエッチングして、実質的に垂直な壁を有する出口を形成することであって、該出口は、該窪みに流体的に接続され、貫通孔を形成し、該出口の該壁は、該窪みの該テーパ付き壁と交差する、ことと
を包含する、デバイスを形成する方法。
(項目30)
前記第二の表面をエッチングすることは、前記窪み表面を前記窪みから実質的に除去する、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記第二の表面をエッチングすることは、深掘りリアクティブイオンエッチングすることを含む、項目29に記載の方法。
(項目32)
ポンプチャンバを有する主部分と、
該主部分に接続されたノズル部分であって、該ノズル部分は、ノズル入口およびノズル出口を有し、該ノズル入口は、中心軸を中心とするテーパ付き壁を有し、該テーパ付き壁は、該ノズル出口に導き、該ノズル出口は、実質的に垂直な壁を有し、該ノズル入口および該ノズル出口は、実質的にどの表面も該中心軸と直交しない、ノズル部分と
を備える、プリントヘッド本体。
(項目33)
前記ノズル出口は、実質的に円筒状の断面を有する、項目32に記載のプリントヘッド本体。
(項目34)
前記ノズル出口は、実質的に長方形の断面を有する、項目32に記載のプリントヘッド本体。
(項目35)
テーパ付き壁を有する窪みを有する本体であって、該窪みは、第一の厚さを有する、本体と、
出口であって、該出口は該窪みに流体的に接続され、貫通孔を形成し、該出口の壁は該窪みの該テーパ付き壁と交差し、該出口は第二の厚さを有し、該第一の厚さと該第二の厚さとは一緒になって100マイクロメートル以下にほぼ等しい、出口と
を備える、流体排出ノズル層。
(項目36)
前記出口は、実質的に垂直な壁を有する、項目35に記載の層。
(項目37)
前記出口は、実質的に円形の断面を有する、項目35に記載の層。
(項目38)
前記出口は、実質的に長方形の断面を有する、項目35に記載の層。
(項目39)
前記本体は、シリコンを含む、項目35に記載の層。
(項目40)
半導体ノズル層内に通路と、
チャンバを有する半導体基板であって、該基板は、該ノズル層の該第一の表面に固定され、該チャンバは、該通路を介して、大気に、流体的に結合される、半導体基板と
を備え、
該半導体ノズル層は、100マイクロメートル以下の厚さにほぼ等しい、流体排出デバイス。
(項目41)
前記半導体ノズル層は、60マイクロメートル以下の厚さにほぼ等しい、項目40に記載のデバイス。
(項目42)
デバイス層の第一の表面を異方性エッチングして、テーパ付き壁と、該第一の表面に実質的に平行である窪み表面とを有する窪みを形成することと、
該デバイス層の該第一の表面を、チャンバを有する基板にボンディングすることによって、該窪みが、該チャンバに流体的に接続されることと、
該デバイス層をエッチングして、通路を形成することであって、該通路は、該デバイス層内の該窪みと流体的に接続される、ことと
を包含する、デバイスを形成する方法。
(項目43)
第一の表面を異方性エッチングすることは、多層基板の第一の層の第一の表面を異方性エッチングすることを含み、
第一の表面を異方性エッチングすることは、該窪みをエッチングして、該窪みが、該多層基板の第二の層に拡がらないようにすることを含む、項目42に記載の方法。
【0011】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の添付図面および説明で述べられる。本発明の他の特徴、目的および利点は、説明および図面から、また、請求項から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
様々な図面における同様の参照記号は、同様のエレメントを示す。
【図1A】図1Aは、基板内の流路の透視図を示す。
【図1B】図1Bは、プリントヘッド流路の断面図である。
【図2A】図2Aは、プリントヘッド流路の断面図であり、このプリントヘッド流路は、実質的に互いに平行な壁を有するノズルを有する。
【図2B】図2Bは、プリントヘッド流路の断面図であり、このプリントヘッド流路は、テーパ付き壁を有するノズルを有する。
【図3】図3は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図4】図4は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図5】図5は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図6】図6は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図7】図7は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図8】図8は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図9】図9は、流路モジュールをノズル層に接合するステップと、ノズルを完成させるステップとを示す。
【図10】図10は、流路モジュールをノズル層に接合するステップと、ノズルを完成させるステップとを示す。
【図11】図11は、流路モジュールをノズル層に接合するステップと、ノズルを完成させるステップとを示す。
【図12】図12は、流路モジュールをノズル層に接合するステップと、ノズルを完成させるステップとを示す。
【図13】図13は、流路モジュールをノズル層に接合するステップと、ノズルを完成させるステップとを示す。
【図14】図14は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図15】図15は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図16】図16は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図17】図17は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図18】図18は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図19】図19は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図20】図20は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図21】図21は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図22】図22は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図23】図23は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図24】図24は、プリントヘッド流路の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
所望の幾何学的形状を有する排出ノズルを形成することによって、流体エジェクタまたはインクジェットプリントヘッドからのインクの排出を制御する技術が提供される。プリントヘッド本体は、半導体材料の個々の層の形態を形成し、これらの層を一緒に付着して、本体を形成することによって、製造され得る。例えば、ポンプチャンバおよびインク入口のようなノズルに導く流路の形態は、基板の中へとエッチングされ得る。これは、米国特許出願第10/189,947号(2002年7月3日出願)に記載されたように、従来の半導体プロセス技術を用いる。ノズル層と流路モジュールとは一緒に、プリントヘッド本体を形成する。この本体を介して、インクは流れ、そこからインクが排出される。ノズルの形状は、そのノズルを介してインクが流れるので、インク流れに抵抗を与え得る。ノズル層が流路モジュールに固定される前に、ノズル層の裏面側(すなわち、流路モジュールに接合される側)の中へと、ノズルをエッチングすることで、ノズルは、所望の均一な幾何学的形状をもって形成され得る。こうして形成され得るノズルの幾何学的形状は、ノズルの形態が層の一方の側からのみエッチングされるときのように、他の方法では達成され得ない。さらに、ノズル形態の深さは、ノズル層の裏面側がエッチングされるときに、細かく選択され得る。
【0014】
一つのインプリメンテーションにおいて、ノズル深さは、その最終ノズル深さと等しい厚さを有する材料の層のノズル形態を形成することによって選択される。そして、ノズル224は、例えば、図2Aに示されるような垂直な壁230のように、実質的に一貫性ある幾何学的形状の断面を有するように形成される。別のインプリメンテーションにおいて、多数のエッチング技術が用いられ、多数の部分を有するノズルを形成し、この多数の部分のそれぞれが異なる幾何学的形状を有する。図2Bに示されるように、ノズル224は、円錐または角錐の断面262を有する上部部分と、ノズル出口275へと導く実質的に垂直な壁236を有する下部部分とを有して形成される。インプリメンテーションのそれぞれは、順に、以下で議論される。
【0015】
垂直な壁または錐体の幾何学的形状のいずれかによって、実質的に一貫性ある幾何学的形状を有するノズルを形成することが、以下にさらに記載される。図3に示されるように、絶縁体上シリコン(SOI)基板400のような多層基板が、形成または提供され得る。SOI基板400は、シリコンのハンドル層416、絶縁体層410、および、シリコンのノズル層420を含む。SOI基板を形成する一つの方法では、両面研磨(DSP)シリコン基板上に酸化物層を成長させ、絶縁層410を形成させる。酸化物層は、例えば、約5マイクロメートルのように、0.1〜100マイクロメートルの厚さであり得る。第二の両面研磨シリコン基板が、次いで、酸化物層の露出表面にボンディングされ、SOI基板400を完成し得る。DSP基板上に酸化物層を形成すると、酸化物は、基板の露出表面上全体に成長され得る。ボンディングのステップの後に、望まれない任意の露出酸化物は、例えば、乾式エッチングなどで、エッチング除去され得る。
【0016】
SOI基板の異なるタイプも、また使用され得る。例えば、SOI基板400は、酸化物の代わりに、窒化シリコンの絶縁体層410を含み得る。SOI基板400を形成するために2つの基板を一緒にボンディングする代替として、シリコン層は、堆積プロセスなどによって、絶縁体層410上に形成され得る。
【0017】
図4に示されるように、SOI基板400のノズル層420は、所望の厚さ402に薄くされる。1つ以上の研削および/またはエッチングのステップ(例えば、バルク研削ステップ)が、所望のノズル層厚さ402を達成するために使用され得る。ノズル層420は、所望の厚さを達成するために、できるだけ多く研削される。なぜなら、研削は、厚さを細かく制御し得るからである。ノズル層の厚さ402は、約10〜100マイクロメートルの間(例えば、約40〜60マイクロメートルの間)であり得る。随意で、ノズル層420の裏面側426の最終研磨は、表面粗さを低減し得る。表面粗さは、以下に記載されるように、シリコンにシリコンのボンディングを達成する際のファクタである。研磨ステップは、厚さに不確実性を招き得るので、所望の厚さを達成するために使用されない。
【0018】
図5を参照すると、ノズル層420の所望の厚さが一度達成されると、ノズル層420の裏面側426は、処理のために準備される。この処理には、エッチングを含み得る。一つの例示的なエッチングプロセスが記載される。しかしながら、他の方法も、ノズル層420をエッチングするために適切であり得る。ノズル層420が、外側に酸化物層を既に有さない場合、SOI基板400は、裏面側酸化物層432および表面側酸化物層438を形成するために、酸化され得る。レジスト層436は、次いで、裏面側酸化物層432上にコーティングされる。
【0019】
レジスト436は、ノズルの位置441を規定するために、パターニングされる。レジスト436のパターニングには、従来のフォトリソグラフィ技術、これに続く現像またはレジスト436の洗浄を含み得る。ノズルは、円状、楕円状または陸上競技場状のような実質的に角のない断面を有し得る。裏面側酸化物層432は、次いで、図6に示されるように、エッチングされる。レジスト層436は、随意で、酸化物エッチングの後に、除去され得る。
【0020】
シリコンノズル層420は、次いで、図7Aに示されるように、エッチングされ、ノズル460を形成する。エッチングプロセスの間、絶縁体層410は、エッチング止めとして機能する。シリコンノズル層420は、例えば、深掘りリアクティブイオンエッチング(DRIE)によって、エッチングされ得る。DRIEは、プラズマを利用して、シリコンを選択的にエッチングし、実質的に垂直な側壁を有する形態を形成する。DRIEは、シリコンの幾何学的形状には、実質的に敏感ではなく、垂直な壁をなす孔を±1°の範囲でエッチングする。Boschプロセスとして知られるリアクティブイオンエッチング技術は、Laermorらの米国特許第5,501,893号で議論されている。この特許の全内容は、本明細書に参考として援用される。Bosch技術は、ポリマ堆積をエッチングステップと組み合わせて、比較的深い形態のエッチングを行う。エッチングと堆積とを交互に行うことによって、壁は、わずかに帆立貝の輪郭を有し得、この輪郭は、壁が完全に平坦となることを防ぎ得る。代替として、他の適切なDRIEエッチング技術も、ノズル層420をエッチングするために使用され得る。シリコンの深掘りリアクティブイオンエッチング用装置は、カリフォルニア州Redwood CityにあるSurface Technology Systems,Ltd.、テキサス州PlanoにあるAlcatel、あるいは、スイスにあるUnaxisから入手可能であり、また、リアクティブイオンエッチングは、カリフォルニア州Santa BarbaraにあるInnovative Micro Technologyを含むエッチングベンダーによって行われ得る。DRIEが使用されるのは、DRIEが、実質的に一定な直径の深い形態を切る能力を有するからである。エッチングは、プラズマおよびガス(例えば、SF6およびC4F8)を用いて、真空チャンバで実行される。
【0021】
一つのインプリメンテーションにおいて、DRIEでシリコンのノズル層420をエッチングするのではなく、エッチングは、図7Bに示されるように、テーパ付き壁を形成するように実行され得る。テーパ付き壁は、シリコン基板の異方性エッチングによって形成され得る。湿式エッチング技術のような異方性エッチングには、エチレンジアミンまたはKOHをエッチャントとして用いる技術を含み得るが、これらに限定されない。異方性エッチングでは、111面からの分子の除去よりも、100面からの分子の除去が、かなり速いので、こうして、テーパ付きの壁が形成される。露出表面で111面を有する基板上の異方性エッチングは、露出表面で100面を有する基板上の異方性エッチングとは、異なるエッチングの幾何学的形状を示す。
【0022】
ノズルが完成すると、裏面側酸化物層432は、図8に示すように、例えば、エッチングによって、基板から剥がされる。
【0023】
図9に示されるように、エッチングされたシリコンノズル層420は、次いで、流路モジュール440と位置合わせされる。流路モジュール440は、デセンダ512と、ボンディングに備えるための他の流路形態とを有する。流路モジュール440の表面およびノズル層420の表面が、最初に洗浄される。例えば、逆RCA洗浄によって、すなわち、純水、塩酸および過酸化水素の混合物からなるRCA2洗浄に引き続き、純水、水酸化アンモニウムおよび過酸化水素の槽の中でRCA1洗浄を実行してなされる。洗浄は、直接シリコンボンディングのための2つのエレメント、または、2つのシリコン表面間でのファンデルワールス結合の形成を準備する。直接シリコンボンディングは、2つの平坦で非常に研磨されたクリーンなシリコン表面が、この2つのシリコン層の間に、中間層なしで、一緒に合わさったときに、起こり得る。流路モジュール440およびノズル層420は、デセンダ512がノズル460と位置合わせされるように置かれる。流路モジュール440およびノズル層420は、次いで、一緒に合わさる。2つの層の中心点に、圧力が置かれ、この圧力が周縁部へと向けて進んでいくことが可能になる。この方法は、2つの層の界面にボイドが形成される可能性を低減する。これらの層は、例えば、約1050℃〜1100℃のアニール温度で、アニールされる。直接シリコンボンディングの利点は、流路モジュール440とノズル層420との間に形成される追加の層が全くないことである。直接シリコンボンディングの後に、2つのシリコン層は、一体の層となる。こうして、図10に示されるように、そのボンディングが完成すると、2つの層の間には、境目が全くないか、あるいは、事実上なくなる(破線は、流路モジュール440の以前の表面、および、ノズル層420の以前の表面を示す)。
【0024】
2つのシリコン基板を一緒に直接ボンディングする代替として、シリコン層および酸化物層は、一緒に、陽極ボンディングされ得る。陽極ボンディングは、シリコン層と酸化物層とを一緒に合わせることと、基板にわたって電圧を印加し、化学結合を誘発することを含む。
【0025】
流路モジュール440とノズル層420とが、一度、一緒にボンディングされると、ハンドル層416が除去される。具体的には、ハンドル層416は、図11に示されるように、厚さの一部分を除去するため、バルク研磨プロセス(そして、随意で、微調整研削またはエッチングプロセス)が行われ得る。
【0026】
図12に示されるように、酸化物層は、エッチングによって完全に除去され得る。こうして、ノズル開口部を露出する。このインプリメンテーションは、平行な側壁を有するが、図7Bに示されるエッチングプロセスが使用された場合、ノズルは、テーパ付き壁を有し得る。
【0027】
図13に示されるように、代替として、絶縁体層410は、ノズル層420上に残され得、外側表面を介して、そこからエッチングされ、ノズル開口部の一部を形成する。
【0028】
一つのインプリメンテーションにおいて、裏面エッチングプロセスが実行され、多数の部分を有するノズルを形成する。この多数の部分は、異なる幾何学的形状を有する。
【0029】
ノズルは、ノズル層500を有する100面のDSPウェハまたはSOI基板のいずれかで形成され得る。このノズル層500は、図14に示されるように、100面のシリコンである。ノズル層500は、上述のように、所望の厚さまで薄くされ得る。厚さは、約1〜100マイクロメートルの間であり、例えば、約20〜80マイクロメートルの間であり、例として、約30〜70マイクロメートルであり得る。
【0030】
図15を参照すると、酸化物層が、シリコンノズル層500上に成長され、裏面側酸化物526を形成する。絶縁体層538およびハンドル層540は、裏面側酸化物526からノズル層500の反対側にある。レジストは、例えば、レジストをスピンオン(spinning−on)することによって、裏面側酸化物526上に形成され得る。レジストは、パターニングされ、ノズルの位置を規定し得る。ノズルの位置は、裏面側酸化物526内の開口部565を形成することによって、形成される。
【0031】
図16A、図16Bおよび図16Cを参照すると、ノズル層500は、例えば、湿式エッチング技術などの異方性エッチングを用いて、エッチングされる。エッチングは、逆角錐形状を有するか、あるいは、角錐台である窪み566を、シリコンノズル層500内に規定する。この角錐台は、ベース、ベースに平行な窪み表面557、スロープ付き壁562を有する。テーパ付き壁562は、長さ560を有するエッジで、窪み表面557と交わる。窪み566は、図16Aに示されるように、絶縁体層538に至るまでエッチングされ得る。代替として、窪み566は、図16Bに示されるように、ノズル層500を介して、部分的にのみ拡がり得る。窪み566は、絶縁体層538に至るまでエッチングされない場合、実質的に一定の窪み深さが、エッチング時間および速度を制御することによって、達成され得る。KOHを用いる湿式エッチングは、温度に依存するエッチング速度を有する。窪み566は、約1〜100マイクロメートルの間の深さであり、例えば、約3〜50マイクロメートルの間の深さであり得る。
【0032】
図17に示されるように、エッチングされたノズル層500は、流路モジュール440と一緒に接合される。ノズル層500は、流路モジュール440と接合され、こうして、デセンダ512は、窪み566と位置合わせされる。ノズル層500および流路モジュール440は、接着剤、陽極ボンディングまたは直接シリコンボンディング(融合ボンディング(fusion bond))で一緒にボンディングされ得る。直接シリコンボンディングが選択される場合、裏面側酸化物526は、ボンディング前に除去される。
【0033】
図18に示されるように、ハンドル層540は、除去される。ハンドル層540は、例えば、研削、エッチング、あるいは、研削とエッチングとの組み合わせによって、除去され得る。
【0034】
所望のノズルの幾何学的形状を達成するために、ノズル層500の前面側も、またエッチングされる。図19に示されるように、絶縁体層538上にレジスト546をコーティングし、レジスト546をパターニングすることによって、上述のように、前面側は、エッチング用に準備される。レジストは、下に横たわる絶縁体層538が、ノズル層500の裏面側の中に形成された窪み566に対応するエリア内で露出されるように、パターニングされる。
【0035】
図20Aおよび図20Bに示されるように、ノズル層500の表面側の図は、レジスト546が、それぞれ円形状の開口部571または長方形の開口部572を有するようにパターニングされ得ることを示す。5つ以上の辺を有する多角形のような他の開口部の幾何学的形状も、適切であり得る。露出された酸化物は、窪み566に対応する位置559内をエッチングし、図21に示されるように、その下に横たわるノズル層500を露出する。
【0036】
図22を参照すると、ノズル層500は、エッチングされ、ノズル出口575を形成する。エッチングプロセスは、DRIEであり得、こうして、ノズル出口575は、上述のように、実質的に垂直な壁を有する。これは、ノズル出口575の外部の先の点で収束するノズル出口575を形成し得える。ノズル出口は、約5〜40マイクロメートルの間の直径、例えば、約25マイクロメートルの直径を有し得る。ノズル出口575の直径577は、窪み566のテーパ付き壁562と交差するのに十分である。ノズルの窪み566は、ノズルの入口部を形成する。
【0037】
図23Aおよび図23Bを参照すると、ノズル層の側面断面図は、テーパ付き壁562とノズル出口575の交差部を示す。ノズル出口575の直径は、十分に大きいので、窪み566とノズル出口575との間の交差部は、窪み表面557の任意の部分を除去し得る。それは、たとえ、窪み566が形成されたとき、その窪みが絶縁体層に拡がっていない場合においてでもある。それゆえ、ノズル出口575は、壁562の長さ560以上の寸法577を有するように形成される。ここで、壁562は、窪み表面557と交わる。一つのインプリメンテーションにおいて、ノズル出口575の直径は、角錐台の窪み表面より小さく、窪み表面の一部分は、出口575が形成された後も残る。
【0038】
図24に示されるように、ノズル層の処理は、完了する。裏面側酸化物層526が除去される。角錐状のノズル入口は、約10〜100マイクロメートルの間の深さ、例えば、約30マイクロメートルの深さを有し得る。ノズル出口575は、約2〜約20マイクロメートルの間の深さ、例えば、約5マイクロメートルの深さを有し得る。
【0039】
上述のプロセスで、所望のノズル幾何学的形状を達成するために、改変がなされ得る。一つのインプリメンテーションにおいて、エッチングの全ては、ノズル層500の裏面側から実行される。別のインプリメンテーションにおいて、絶縁体層538は、ノズルから除去されない。ノズルを完成するために、絶縁体層538は、エッチングされ得る。これは、図22に示されるように、開口部の壁が、ノズル出口575の壁と実質的に等しくなるようにするためである。代替として、絶縁体層538の開口部の壁は、ノズル出口575の壁とは異なり得る。例えば、ノズル開口部575は、テーパ付き壁を有し得る。この壁は、絶縁体層538内に形成される垂直な壁付き部分に導く。絶縁体層538内の開口部の形成は、ノズル層500を流路モジュール440に付着させる前または後のいずれかに行われ得る。
【0040】
個別の基板内にノズル形成することの一つの潜在的な不利な点は、ノズル深さが、特定の厚さ範囲(例えば、約200マイクロメートルより大きい)に制約され得ることである。約200マイクロメートルより薄い基板を処理すると、歩留まりが落ちる方向に導かれ得る。これは、基板がダメージを受ける可能性または破損する可能性が高くなるからである。基板は、一般的に、プロセス中に基板を容易にハンドリングできるように、十分厚くあるべきである。ノズルが、SOI基板の層の中に形成される場合、その層が形成される前で、ハンドリング用の異なる厚さがまだ提供されている間に、所望の厚さに研削されるべきであり得る。ハンドル層は、また、ノズル層の処理と干渉することなく、処理中に掴まえら得る部分を提供する。
【0041】
所望の厚さの層の中にノズルを形成すると、ノズル層が流路モジュールと接合された後に、ノズル層を減らすステップを省略し得る。ノズル層が、流路モジュールと接合された後に、ハンドル層を研削で除去すると、研削溶液または研削廃材に開かれた流路形態を残さない。ノズル層が流路モジュールと接合された後に、絶縁体層が除去されるとき、絶縁体層は、下に横たわるシリコン層がエッチングされないように、選択的に除去され得る。
【0042】
2つのタイプの処理を用いるノズル形成プロセスは、複雑な幾何学的形状を有するノズルを形成し得る。異方性裏面側エッチングは、基板の表面にベースと、スロープまたはテーパ付き壁と、基板内に窪み表面とを有する角錐台の形状の窪みを形成し得る。ノズル開口部の直径が、角錐台の窪み表面の直径より大きくなるように構成される前面側エッチングは、窪みおよびノズルから角錐台形状の窪み表面を除去する。この技術は、ノズルからのインク流れの方向に対して直交する任意の実質的に平坦な表面を除去する。こうして、ノズル内にエアが捕捉される事態を低減し得る。つまり、異方性エッチングによって形成されるテーパ付き壁は、インク流れ抵抗を低く保ち得る。その一方で、充填中に、エア混入なしに、大量のメニスカスプルバック(meniscus pull−back)に適応し得る。ノズルのテーパ付き壁は、ノズル開口部の垂直平行な壁に、スムーズに変化し、流れが壁から離れる傾向を最小限にする。ノズル開口部の垂直平行な壁は、インクのストリームや小滴をノズルの外へと導き得る。
【0043】
ノズル開口部が、角錐台の窪み表面の直径より大きい直径で形成されない場合、異方性エッチングの深さは、ノズル入口部とノズル出口との双方の長さに影響を直接及ぼす。異方性エッチング深さは、エッチングがなされる温度とともに、エッチングの時間の長さによって決定され、この深さは、制御することが難しいこともあり得る。DRIEエッチングの幾何学的形状は、異方性エッチングの深さより、より制御が容易であり得る。ノズル出口の壁とノズル入口部のテーパ付き壁とを交差させることによって、異方性エッチングによる深さ変動は、最終的なノズルの幾何学的形状に影響を及ぼさない。それゆえ、ノズル出口の壁とノズル入口部のテーパ付き壁とを交差させると、単一のプリントヘッド内でも、多数のプリントヘッドにわたっても、より高い均質性へと導かれ得る。
【0044】
本発明の幾つかのインプリメンテーションが、記載されてきた。それでも、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な改変が行われ得ることは、理解されるべきである。前述の構造を形成する例示的な方法が、記載されてきた。しかしながら、他のプロセスも、記載されたこれらの方法に置換され、同様または類似の結果を達成し得る。例えば、テーパ付きノズルは、電鋳、レーザドリル、または、放電加工機械によって、形成され得る。記載された装置は、インク以外の流体を排出するためにも、また使用され得る。したがって、他の実施形態も、以下の請求項の範囲内である。
【技術分野】
【0001】
(背景)
本発明は、インクジェットプリントヘッドのようなマイクロ電子機械デバイスにおけるノズル形成に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタで、高品質高分解能の画像を印刷するためには、特定の位置内に所望の量のインクを正確に排出するプリンタが必要である。典型的には、図1Aに示されるように、プリントヘッド構造100の中に、多数の密に詰まったインク排出デバイスが、そのデバイスそれぞれがノズル130および関連インク流路108を含んで、形成される。インク流路108は、インク受け(ink reservoir)またはカートリッジのようなインクストレージユニットをノズル130に接続する。
【0003】
図1Bに示されるように、基板120の断面の側面図は、単一のインク流路108を示す。インク入口118は、インクサプライに接続される。インクは、インクストレージユニット(図示せず)から、インク入口118を介して、ポンプチャンバ110の中へと流れる。ポンプチャンバ内で、インクは、デセンダ領域112に向かって流れるように圧力を受け得る。デセンダ領域112は、インクが追い出されるノズル開口部144を含むノズル内で終了する。
【0004】
プリントヘッド構造内のインクエジェクタを形成するために、様々なプロセス技術が用いられている。これらのプロセス技術は、堆積およびボンディングのような層形成、ならびに、レーザアブレーション、打ち抜きおよび切断のような層改変を含み得る。使用される技術は、所望のノズルおよび流路の幾何学的形状に基づいて、インクジェットプリンタが形成される材料とともに選択される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
一般的に、一局面において、本発明は、デバイスを形成するための方法および装置を含む技術を特徴とする。アパーチャが、多層基板のノズル層の第一の表面の中へとエッチングされる。ここで、この多層基板は、またハンドル層を有する。ノズル層の第一の表面は、チャンバを有する半導体基板に固定され、アパーチャは、このチャンバと流体的に結合される。多層基板の一部分が、少なくとも多層基板のハンドル層を含んで除去され、チャンバは、アパーチャを介して、大気と流体的に結合される。
【0006】
ノズル層は、約5〜200マイクロメートルの間の厚さ、あるいは、100マイクロメートル未満の厚さであり得る。ノズル層の厚さは、例えば、ノズル層の研削などによって、エッチング前に減らされ得る。ノズル層は、シリコンを含み得る。多層基板は、絶縁体上シリコン基板を含み得る。アパーチャは、異方性エッチングまたは深掘りリアクティブイオンエッチングで、エッチングされ得る。アパーチャは、テーパ付き壁または垂直平行な壁を有し得る。アパーチャは、長方形または円形の断面を有し得る。
【0007】
本発明の別の局面は、ポンプチャンバを有する主部分と、この主部分に接続されたノズル部分とを有するプリントヘッドを形成することを特徴とする。ノズル部分は、ノズル入口とノズル出口とを有する。ノズル入口は、中心軸を中心とするテーパ付き壁を有する。テーパ付き壁は、ノズル出口に導き、このノズル出口は、実質的に垂直な壁を有し、この壁は、実質的にどの表面もこの中心軸と直交しない。
【0008】
またさらに別の局面において、本発明は、テーパ付き壁を有する窪み(recess)を有する本体と、出口とを有する流体排出ノズル層を特徴とする。この窪みは、第一の厚さを有し、この出口は第二の厚さを有する。この第一の厚さと第二の厚さとは一緒にすると、約100マイクロメートル未満である。
【0009】
別の局面において、本発明は、半導体基板を有する流体排出デバイスを特徴とする。この半導体基板は、チャンバを有し、このチャンバは、アパーチャを有する半導体ノズル層の第一の表面に固定されている。半導体基板は、このアパーチャを介して、大気に流体的に結合されるチャンバを有する。半導体ノズル層は、100マイクロメートル以下の厚さにほぼ等しい。
【0010】
特定のインプリメンテーションは、以下の利点を含み得ないか、あるいは、その1つ以上を含み得る。ノズルは、約10〜100マイクロメートル(例えば、40〜60マイクロメートル)のように任意の所望の厚さで形成され得る。流路の形態は、高速エッチング速度で、高精密度で形成され得る。ノズル層および流路モジュールが、シリコンから形成される場合、この層とモジュールとは、直接シリコンボンディングまたは陽極ボンディングによって、一緒にボンディングされ得る。こうして、別個の接着層に対する必要性がなくなる。ノズルを流路構造と別の層から形成すると、ノズルが形成される層の裏面側上で、例えば、研削、堆積またはエッチングなどの追加処理が可能となる。ノズルは、インク流れの抵抗を減らし得る幾何学的形状で形成され得る。エア捕捉が、低減または排除され得る。ノズル層の厚さ均一性が、流路形態が形成される基板の厚さ均一性と個別に制御され得る。流路基板に接続された後に、ノズル層が薄くされる場合、ノズル層の厚さを独立に制御することは、潜在的に困難であろう。
本発明は例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
窪みを、多層基板のノズル層の第一の表面の中へと、エッチングすることであって、該多層基板は、ハンドル層を有する、ことと、
該ノズル層の該第一の表面を、チャンバを有する基板に固定することによって、該窪みが該チャンバに流体的に結合されるようにすることと、
該多層基板の一部分を、少なくとも該多層基板の該ハンドル層を含めて、除去することによって、該チャンバが、該窪みを介して、大気と流体的に結合されるようにすることと
を包含する、デバイスを形成する方法。
(項目2)
窪みをエッチングすることは、該窪みを、100マイクロメートル未満の厚さであるノズル層の中へとエッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
窪みをノズル層の第一の表面の中へとエッチングすることは、シリコンの中へとエッチングすることを含み、
該ノズル層の該第一の表面を基板に固定することは、該ノズル層の該第一の表面をシリコンに固定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記ノズル層の前記第一の表面を固定することは、前記半導体基板を前記多層基板に直接シリコンボンディングすることをさらに包含する、項目3に記載の方法。
(項目5)
窪みをノズル層の第一の表面の中へとエッチングすることは、シリコンの中へとエッチングすることを含み、
該ノズル層の該第一の表面を基板に固定することは、酸化物材料をシリコン材料に固定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記エッチングすることの前に、前記ノズル層の厚さを減らすことをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記ノズル層の厚さを減らすことは、研削することを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記ノズル層の厚さを減らすことは、研磨することを含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記窪みを前記多層基板の前記ノズル層の前記第一の表面の中へとエッチングすることは、絶縁体上シリコン(SOI)基板のシリコン層をエッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記ノズル層の厚さを減らすことは、該ノズル層を約5〜200マイクロメートルの厚さに研削することを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記ノズル層の厚さを減らすことは、該ノズル層を約40〜60マイクロメートルの厚さに研削することを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記窪みをエッチングすることは、異方性エッチングプロセスを含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記窪みをエッチングすることは、深掘りリアクティブイオンエッチングプロセスを含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記多層基板の一部分を除去することは、研削することを含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記多層基板の一部分を除去することは、エッチングすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記多層基板の絶縁体層を除去することをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記絶縁体層を除去することは、酸化物層を除去することを含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記絶縁体層を除去することは、エッチングすることを含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記窪みをエッチングすることは、実質的に垂直平行な壁を形成することを含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記窪みをエッチングすることは、実質的に円筒状の窪みを形成することを含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記窪みをエッチングすることは、実質的に長方形の窪みを形成することを含む、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記窪みをエッチングすることは、テーパ付き壁を形成することを含む、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記窪みをエッチングすることは、該窪みをエッチングして、該窪みが前記ノズル層を介して拡がるようにすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記多層基板は、前記ノズル層と前記ハンドル層との間に、絶縁体層を有し、
前記窪みをエッチングすることは、該窪みをエッチングして、該窪みが該絶縁体層内で形成されないようにすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目25)
前記窪みをエッチングすることは、少なくとも前記絶縁体層が露出されるまで、該窪みをエッチングすることを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記窪みをエッチングすることは、該窪みが前記ノズル層全体を介して拡がる前に、エッチングを中止することを含み、
前記多層基板の一部分を除去することは、該ノズル層の第二の表面から、該ノズル層の一部分を除去し、該窪みを露出することであって、該第二の表面が、前記第一の表面と反対側である、ことを含む、項目1に記載の方法。
(項目27)
前記多層基板の一部分を除去することは、前記ノズル層の第二の表面を露出することを含む、項目1に記載の方法。
(項目28)
ハンドルシリコン層および酸化物層を有する絶縁体上シリコン基板のシリコンノズル層を研磨することと、
該シリコンノズル層の第一の表面をエッチングして、1つ以上の窪みを形成することと、
該エッチングされた絶縁体上シリコン基板を流路基板と位置合わせすることによって、該1つ以上の窪みのうちの少なくとも1つが、該流路基板内のエッチングされた形態に流体的に結合され、該流路基板がシリコンを含むようにすることと、
該絶縁体上シリコン基板の該シリコンノズル層の該第一の表面を、該流路基板に直接シリコンボンディングすることと、
該ハンドルシリコン層と、該絶縁体層の少なくとも一部分とを除去し、該1つ以上の窪みを露出することと
を包含する、デバイスを形成する方法。
(項目29)
層の第一の表面を異方性エッチングして、テーパ付き壁と、該層の該第一の表面に実質的に平行である窪み表面とを有する窪みを形成することと、
該第一の表面と反対側にある層の第二の表面をエッチングして、実質的に垂直な壁を有する出口を形成することであって、該出口は、該窪みに流体的に接続され、貫通孔を形成し、該出口の該壁は、該窪みの該テーパ付き壁と交差する、ことと
を包含する、デバイスを形成する方法。
(項目30)
前記第二の表面をエッチングすることは、前記窪み表面を前記窪みから実質的に除去する、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記第二の表面をエッチングすることは、深掘りリアクティブイオンエッチングすることを含む、項目29に記載の方法。
(項目32)
ポンプチャンバを有する主部分と、
該主部分に接続されたノズル部分であって、該ノズル部分は、ノズル入口およびノズル出口を有し、該ノズル入口は、中心軸を中心とするテーパ付き壁を有し、該テーパ付き壁は、該ノズル出口に導き、該ノズル出口は、実質的に垂直な壁を有し、該ノズル入口および該ノズル出口は、実質的にどの表面も該中心軸と直交しない、ノズル部分と
を備える、プリントヘッド本体。
(項目33)
前記ノズル出口は、実質的に円筒状の断面を有する、項目32に記載のプリントヘッド本体。
(項目34)
前記ノズル出口は、実質的に長方形の断面を有する、項目32に記載のプリントヘッド本体。
(項目35)
テーパ付き壁を有する窪みを有する本体であって、該窪みは、第一の厚さを有する、本体と、
出口であって、該出口は該窪みに流体的に接続され、貫通孔を形成し、該出口の壁は該窪みの該テーパ付き壁と交差し、該出口は第二の厚さを有し、該第一の厚さと該第二の厚さとは一緒になって100マイクロメートル以下にほぼ等しい、出口と
を備える、流体排出ノズル層。
(項目36)
前記出口は、実質的に垂直な壁を有する、項目35に記載の層。
(項目37)
前記出口は、実質的に円形の断面を有する、項目35に記載の層。
(項目38)
前記出口は、実質的に長方形の断面を有する、項目35に記載の層。
(項目39)
前記本体は、シリコンを含む、項目35に記載の層。
(項目40)
半導体ノズル層内に通路と、
チャンバを有する半導体基板であって、該基板は、該ノズル層の該第一の表面に固定され、該チャンバは、該通路を介して、大気に、流体的に結合される、半導体基板と
を備え、
該半導体ノズル層は、100マイクロメートル以下の厚さにほぼ等しい、流体排出デバイス。
(項目41)
前記半導体ノズル層は、60マイクロメートル以下の厚さにほぼ等しい、項目40に記載のデバイス。
(項目42)
デバイス層の第一の表面を異方性エッチングして、テーパ付き壁と、該第一の表面に実質的に平行である窪み表面とを有する窪みを形成することと、
該デバイス層の該第一の表面を、チャンバを有する基板にボンディングすることによって、該窪みが、該チャンバに流体的に接続されることと、
該デバイス層をエッチングして、通路を形成することであって、該通路は、該デバイス層内の該窪みと流体的に接続される、ことと
を包含する、デバイスを形成する方法。
(項目43)
第一の表面を異方性エッチングすることは、多層基板の第一の層の第一の表面を異方性エッチングすることを含み、
第一の表面を異方性エッチングすることは、該窪みをエッチングして、該窪みが、該多層基板の第二の層に拡がらないようにすることを含む、項目42に記載の方法。
【0011】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の添付図面および説明で述べられる。本発明の他の特徴、目的および利点は、説明および図面から、また、請求項から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
様々な図面における同様の参照記号は、同様のエレメントを示す。
【図1A】図1Aは、基板内の流路の透視図を示す。
【図1B】図1Bは、プリントヘッド流路の断面図である。
【図2A】図2Aは、プリントヘッド流路の断面図であり、このプリントヘッド流路は、実質的に互いに平行な壁を有するノズルを有する。
【図2B】図2Bは、プリントヘッド流路の断面図であり、このプリントヘッド流路は、テーパ付き壁を有するノズルを有する。
【図3】図3は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図4】図4は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図5】図5は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図6】図6は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図7】図7は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図8】図8は、ノズル層内のノズルを形成する一つのインプリメンテーションを示す。
【図9】図9は、流路モジュールをノズル層に接合するステップと、ノズルを完成させるステップとを示す。
【図10】図10は、流路モジュールをノズル層に接合するステップと、ノズルを完成させるステップとを示す。
【図11】図11は、流路モジュールをノズル層に接合するステップと、ノズルを完成させるステップとを示す。
【図12】図12は、流路モジュールをノズル層に接合するステップと、ノズルを完成させるステップとを示す。
【図13】図13は、流路モジュールをノズル層に接合するステップと、ノズルを完成させるステップとを示す。
【図14】図14は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図15】図15は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図16】図16は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図17】図17は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図18】図18は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図19】図19は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図20】図20は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図21】図21は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図22】図22は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図23】図23は、ノズル層内のノズルを形成する第二のインプリメンテーションを示す。
【図24】図24は、プリントヘッド流路の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
所望の幾何学的形状を有する排出ノズルを形成することによって、流体エジェクタまたはインクジェットプリントヘッドからのインクの排出を制御する技術が提供される。プリントヘッド本体は、半導体材料の個々の層の形態を形成し、これらの層を一緒に付着して、本体を形成することによって、製造され得る。例えば、ポンプチャンバおよびインク入口のようなノズルに導く流路の形態は、基板の中へとエッチングされ得る。これは、米国特許出願第10/189,947号(2002年7月3日出願)に記載されたように、従来の半導体プロセス技術を用いる。ノズル層と流路モジュールとは一緒に、プリントヘッド本体を形成する。この本体を介して、インクは流れ、そこからインクが排出される。ノズルの形状は、そのノズルを介してインクが流れるので、インク流れに抵抗を与え得る。ノズル層が流路モジュールに固定される前に、ノズル層の裏面側(すなわち、流路モジュールに接合される側)の中へと、ノズルをエッチングすることで、ノズルは、所望の均一な幾何学的形状をもって形成され得る。こうして形成され得るノズルの幾何学的形状は、ノズルの形態が層の一方の側からのみエッチングされるときのように、他の方法では達成され得ない。さらに、ノズル形態の深さは、ノズル層の裏面側がエッチングされるときに、細かく選択され得る。
【0014】
一つのインプリメンテーションにおいて、ノズル深さは、その最終ノズル深さと等しい厚さを有する材料の層のノズル形態を形成することによって選択される。そして、ノズル224は、例えば、図2Aに示されるような垂直な壁230のように、実質的に一貫性ある幾何学的形状の断面を有するように形成される。別のインプリメンテーションにおいて、多数のエッチング技術が用いられ、多数の部分を有するノズルを形成し、この多数の部分のそれぞれが異なる幾何学的形状を有する。図2Bに示されるように、ノズル224は、円錐または角錐の断面262を有する上部部分と、ノズル出口275へと導く実質的に垂直な壁236を有する下部部分とを有して形成される。インプリメンテーションのそれぞれは、順に、以下で議論される。
【0015】
垂直な壁または錐体の幾何学的形状のいずれかによって、実質的に一貫性ある幾何学的形状を有するノズルを形成することが、以下にさらに記載される。図3に示されるように、絶縁体上シリコン(SOI)基板400のような多層基板が、形成または提供され得る。SOI基板400は、シリコンのハンドル層416、絶縁体層410、および、シリコンのノズル層420を含む。SOI基板を形成する一つの方法では、両面研磨(DSP)シリコン基板上に酸化物層を成長させ、絶縁層410を形成させる。酸化物層は、例えば、約5マイクロメートルのように、0.1〜100マイクロメートルの厚さであり得る。第二の両面研磨シリコン基板が、次いで、酸化物層の露出表面にボンディングされ、SOI基板400を完成し得る。DSP基板上に酸化物層を形成すると、酸化物は、基板の露出表面上全体に成長され得る。ボンディングのステップの後に、望まれない任意の露出酸化物は、例えば、乾式エッチングなどで、エッチング除去され得る。
【0016】
SOI基板の異なるタイプも、また使用され得る。例えば、SOI基板400は、酸化物の代わりに、窒化シリコンの絶縁体層410を含み得る。SOI基板400を形成するために2つの基板を一緒にボンディングする代替として、シリコン層は、堆積プロセスなどによって、絶縁体層410上に形成され得る。
【0017】
図4に示されるように、SOI基板400のノズル層420は、所望の厚さ402に薄くされる。1つ以上の研削および/またはエッチングのステップ(例えば、バルク研削ステップ)が、所望のノズル層厚さ402を達成するために使用され得る。ノズル層420は、所望の厚さを達成するために、できるだけ多く研削される。なぜなら、研削は、厚さを細かく制御し得るからである。ノズル層の厚さ402は、約10〜100マイクロメートルの間(例えば、約40〜60マイクロメートルの間)であり得る。随意で、ノズル層420の裏面側426の最終研磨は、表面粗さを低減し得る。表面粗さは、以下に記載されるように、シリコンにシリコンのボンディングを達成する際のファクタである。研磨ステップは、厚さに不確実性を招き得るので、所望の厚さを達成するために使用されない。
【0018】
図5を参照すると、ノズル層420の所望の厚さが一度達成されると、ノズル層420の裏面側426は、処理のために準備される。この処理には、エッチングを含み得る。一つの例示的なエッチングプロセスが記載される。しかしながら、他の方法も、ノズル層420をエッチングするために適切であり得る。ノズル層420が、外側に酸化物層を既に有さない場合、SOI基板400は、裏面側酸化物層432および表面側酸化物層438を形成するために、酸化され得る。レジスト層436は、次いで、裏面側酸化物層432上にコーティングされる。
【0019】
レジスト436は、ノズルの位置441を規定するために、パターニングされる。レジスト436のパターニングには、従来のフォトリソグラフィ技術、これに続く現像またはレジスト436の洗浄を含み得る。ノズルは、円状、楕円状または陸上競技場状のような実質的に角のない断面を有し得る。裏面側酸化物層432は、次いで、図6に示されるように、エッチングされる。レジスト層436は、随意で、酸化物エッチングの後に、除去され得る。
【0020】
シリコンノズル層420は、次いで、図7Aに示されるように、エッチングされ、ノズル460を形成する。エッチングプロセスの間、絶縁体層410は、エッチング止めとして機能する。シリコンノズル層420は、例えば、深掘りリアクティブイオンエッチング(DRIE)によって、エッチングされ得る。DRIEは、プラズマを利用して、シリコンを選択的にエッチングし、実質的に垂直な側壁を有する形態を形成する。DRIEは、シリコンの幾何学的形状には、実質的に敏感ではなく、垂直な壁をなす孔を±1°の範囲でエッチングする。Boschプロセスとして知られるリアクティブイオンエッチング技術は、Laermorらの米国特許第5,501,893号で議論されている。この特許の全内容は、本明細書に参考として援用される。Bosch技術は、ポリマ堆積をエッチングステップと組み合わせて、比較的深い形態のエッチングを行う。エッチングと堆積とを交互に行うことによって、壁は、わずかに帆立貝の輪郭を有し得、この輪郭は、壁が完全に平坦となることを防ぎ得る。代替として、他の適切なDRIEエッチング技術も、ノズル層420をエッチングするために使用され得る。シリコンの深掘りリアクティブイオンエッチング用装置は、カリフォルニア州Redwood CityにあるSurface Technology Systems,Ltd.、テキサス州PlanoにあるAlcatel、あるいは、スイスにあるUnaxisから入手可能であり、また、リアクティブイオンエッチングは、カリフォルニア州Santa BarbaraにあるInnovative Micro Technologyを含むエッチングベンダーによって行われ得る。DRIEが使用されるのは、DRIEが、実質的に一定な直径の深い形態を切る能力を有するからである。エッチングは、プラズマおよびガス(例えば、SF6およびC4F8)を用いて、真空チャンバで実行される。
【0021】
一つのインプリメンテーションにおいて、DRIEでシリコンのノズル層420をエッチングするのではなく、エッチングは、図7Bに示されるように、テーパ付き壁を形成するように実行され得る。テーパ付き壁は、シリコン基板の異方性エッチングによって形成され得る。湿式エッチング技術のような異方性エッチングには、エチレンジアミンまたはKOHをエッチャントとして用いる技術を含み得るが、これらに限定されない。異方性エッチングでは、111面からの分子の除去よりも、100面からの分子の除去が、かなり速いので、こうして、テーパ付きの壁が形成される。露出表面で111面を有する基板上の異方性エッチングは、露出表面で100面を有する基板上の異方性エッチングとは、異なるエッチングの幾何学的形状を示す。
【0022】
ノズルが完成すると、裏面側酸化物層432は、図8に示すように、例えば、エッチングによって、基板から剥がされる。
【0023】
図9に示されるように、エッチングされたシリコンノズル層420は、次いで、流路モジュール440と位置合わせされる。流路モジュール440は、デセンダ512と、ボンディングに備えるための他の流路形態とを有する。流路モジュール440の表面およびノズル層420の表面が、最初に洗浄される。例えば、逆RCA洗浄によって、すなわち、純水、塩酸および過酸化水素の混合物からなるRCA2洗浄に引き続き、純水、水酸化アンモニウムおよび過酸化水素の槽の中でRCA1洗浄を実行してなされる。洗浄は、直接シリコンボンディングのための2つのエレメント、または、2つのシリコン表面間でのファンデルワールス結合の形成を準備する。直接シリコンボンディングは、2つの平坦で非常に研磨されたクリーンなシリコン表面が、この2つのシリコン層の間に、中間層なしで、一緒に合わさったときに、起こり得る。流路モジュール440およびノズル層420は、デセンダ512がノズル460と位置合わせされるように置かれる。流路モジュール440およびノズル層420は、次いで、一緒に合わさる。2つの層の中心点に、圧力が置かれ、この圧力が周縁部へと向けて進んでいくことが可能になる。この方法は、2つの層の界面にボイドが形成される可能性を低減する。これらの層は、例えば、約1050℃〜1100℃のアニール温度で、アニールされる。直接シリコンボンディングの利点は、流路モジュール440とノズル層420との間に形成される追加の層が全くないことである。直接シリコンボンディングの後に、2つのシリコン層は、一体の層となる。こうして、図10に示されるように、そのボンディングが完成すると、2つの層の間には、境目が全くないか、あるいは、事実上なくなる(破線は、流路モジュール440の以前の表面、および、ノズル層420の以前の表面を示す)。
【0024】
2つのシリコン基板を一緒に直接ボンディングする代替として、シリコン層および酸化物層は、一緒に、陽極ボンディングされ得る。陽極ボンディングは、シリコン層と酸化物層とを一緒に合わせることと、基板にわたって電圧を印加し、化学結合を誘発することを含む。
【0025】
流路モジュール440とノズル層420とが、一度、一緒にボンディングされると、ハンドル層416が除去される。具体的には、ハンドル層416は、図11に示されるように、厚さの一部分を除去するため、バルク研磨プロセス(そして、随意で、微調整研削またはエッチングプロセス)が行われ得る。
【0026】
図12に示されるように、酸化物層は、エッチングによって完全に除去され得る。こうして、ノズル開口部を露出する。このインプリメンテーションは、平行な側壁を有するが、図7Bに示されるエッチングプロセスが使用された場合、ノズルは、テーパ付き壁を有し得る。
【0027】
図13に示されるように、代替として、絶縁体層410は、ノズル層420上に残され得、外側表面を介して、そこからエッチングされ、ノズル開口部の一部を形成する。
【0028】
一つのインプリメンテーションにおいて、裏面エッチングプロセスが実行され、多数の部分を有するノズルを形成する。この多数の部分は、異なる幾何学的形状を有する。
【0029】
ノズルは、ノズル層500を有する100面のDSPウェハまたはSOI基板のいずれかで形成され得る。このノズル層500は、図14に示されるように、100面のシリコンである。ノズル層500は、上述のように、所望の厚さまで薄くされ得る。厚さは、約1〜100マイクロメートルの間であり、例えば、約20〜80マイクロメートルの間であり、例として、約30〜70マイクロメートルであり得る。
【0030】
図15を参照すると、酸化物層が、シリコンノズル層500上に成長され、裏面側酸化物526を形成する。絶縁体層538およびハンドル層540は、裏面側酸化物526からノズル層500の反対側にある。レジストは、例えば、レジストをスピンオン(spinning−on)することによって、裏面側酸化物526上に形成され得る。レジストは、パターニングされ、ノズルの位置を規定し得る。ノズルの位置は、裏面側酸化物526内の開口部565を形成することによって、形成される。
【0031】
図16A、図16Bおよび図16Cを参照すると、ノズル層500は、例えば、湿式エッチング技術などの異方性エッチングを用いて、エッチングされる。エッチングは、逆角錐形状を有するか、あるいは、角錐台である窪み566を、シリコンノズル層500内に規定する。この角錐台は、ベース、ベースに平行な窪み表面557、スロープ付き壁562を有する。テーパ付き壁562は、長さ560を有するエッジで、窪み表面557と交わる。窪み566は、図16Aに示されるように、絶縁体層538に至るまでエッチングされ得る。代替として、窪み566は、図16Bに示されるように、ノズル層500を介して、部分的にのみ拡がり得る。窪み566は、絶縁体層538に至るまでエッチングされない場合、実質的に一定の窪み深さが、エッチング時間および速度を制御することによって、達成され得る。KOHを用いる湿式エッチングは、温度に依存するエッチング速度を有する。窪み566は、約1〜100マイクロメートルの間の深さであり、例えば、約3〜50マイクロメートルの間の深さであり得る。
【0032】
図17に示されるように、エッチングされたノズル層500は、流路モジュール440と一緒に接合される。ノズル層500は、流路モジュール440と接合され、こうして、デセンダ512は、窪み566と位置合わせされる。ノズル層500および流路モジュール440は、接着剤、陽極ボンディングまたは直接シリコンボンディング(融合ボンディング(fusion bond))で一緒にボンディングされ得る。直接シリコンボンディングが選択される場合、裏面側酸化物526は、ボンディング前に除去される。
【0033】
図18に示されるように、ハンドル層540は、除去される。ハンドル層540は、例えば、研削、エッチング、あるいは、研削とエッチングとの組み合わせによって、除去され得る。
【0034】
所望のノズルの幾何学的形状を達成するために、ノズル層500の前面側も、またエッチングされる。図19に示されるように、絶縁体層538上にレジスト546をコーティングし、レジスト546をパターニングすることによって、上述のように、前面側は、エッチング用に準備される。レジストは、下に横たわる絶縁体層538が、ノズル層500の裏面側の中に形成された窪み566に対応するエリア内で露出されるように、パターニングされる。
【0035】
図20Aおよび図20Bに示されるように、ノズル層500の表面側の図は、レジスト546が、それぞれ円形状の開口部571または長方形の開口部572を有するようにパターニングされ得ることを示す。5つ以上の辺を有する多角形のような他の開口部の幾何学的形状も、適切であり得る。露出された酸化物は、窪み566に対応する位置559内をエッチングし、図21に示されるように、その下に横たわるノズル層500を露出する。
【0036】
図22を参照すると、ノズル層500は、エッチングされ、ノズル出口575を形成する。エッチングプロセスは、DRIEであり得、こうして、ノズル出口575は、上述のように、実質的に垂直な壁を有する。これは、ノズル出口575の外部の先の点で収束するノズル出口575を形成し得える。ノズル出口は、約5〜40マイクロメートルの間の直径、例えば、約25マイクロメートルの直径を有し得る。ノズル出口575の直径577は、窪み566のテーパ付き壁562と交差するのに十分である。ノズルの窪み566は、ノズルの入口部を形成する。
【0037】
図23Aおよび図23Bを参照すると、ノズル層の側面断面図は、テーパ付き壁562とノズル出口575の交差部を示す。ノズル出口575の直径は、十分に大きいので、窪み566とノズル出口575との間の交差部は、窪み表面557の任意の部分を除去し得る。それは、たとえ、窪み566が形成されたとき、その窪みが絶縁体層に拡がっていない場合においてでもある。それゆえ、ノズル出口575は、壁562の長さ560以上の寸法577を有するように形成される。ここで、壁562は、窪み表面557と交わる。一つのインプリメンテーションにおいて、ノズル出口575の直径は、角錐台の窪み表面より小さく、窪み表面の一部分は、出口575が形成された後も残る。
【0038】
図24に示されるように、ノズル層の処理は、完了する。裏面側酸化物層526が除去される。角錐状のノズル入口は、約10〜100マイクロメートルの間の深さ、例えば、約30マイクロメートルの深さを有し得る。ノズル出口575は、約2〜約20マイクロメートルの間の深さ、例えば、約5マイクロメートルの深さを有し得る。
【0039】
上述のプロセスで、所望のノズル幾何学的形状を達成するために、改変がなされ得る。一つのインプリメンテーションにおいて、エッチングの全ては、ノズル層500の裏面側から実行される。別のインプリメンテーションにおいて、絶縁体層538は、ノズルから除去されない。ノズルを完成するために、絶縁体層538は、エッチングされ得る。これは、図22に示されるように、開口部の壁が、ノズル出口575の壁と実質的に等しくなるようにするためである。代替として、絶縁体層538の開口部の壁は、ノズル出口575の壁とは異なり得る。例えば、ノズル開口部575は、テーパ付き壁を有し得る。この壁は、絶縁体層538内に形成される垂直な壁付き部分に導く。絶縁体層538内の開口部の形成は、ノズル層500を流路モジュール440に付着させる前または後のいずれかに行われ得る。
【0040】
個別の基板内にノズル形成することの一つの潜在的な不利な点は、ノズル深さが、特定の厚さ範囲(例えば、約200マイクロメートルより大きい)に制約され得ることである。約200マイクロメートルより薄い基板を処理すると、歩留まりが落ちる方向に導かれ得る。これは、基板がダメージを受ける可能性または破損する可能性が高くなるからである。基板は、一般的に、プロセス中に基板を容易にハンドリングできるように、十分厚くあるべきである。ノズルが、SOI基板の層の中に形成される場合、その層が形成される前で、ハンドリング用の異なる厚さがまだ提供されている間に、所望の厚さに研削されるべきであり得る。ハンドル層は、また、ノズル層の処理と干渉することなく、処理中に掴まえら得る部分を提供する。
【0041】
所望の厚さの層の中にノズルを形成すると、ノズル層が流路モジュールと接合された後に、ノズル層を減らすステップを省略し得る。ノズル層が、流路モジュールと接合された後に、ハンドル層を研削で除去すると、研削溶液または研削廃材に開かれた流路形態を残さない。ノズル層が流路モジュールと接合された後に、絶縁体層が除去されるとき、絶縁体層は、下に横たわるシリコン層がエッチングされないように、選択的に除去され得る。
【0042】
2つのタイプの処理を用いるノズル形成プロセスは、複雑な幾何学的形状を有するノズルを形成し得る。異方性裏面側エッチングは、基板の表面にベースと、スロープまたはテーパ付き壁と、基板内に窪み表面とを有する角錐台の形状の窪みを形成し得る。ノズル開口部の直径が、角錐台の窪み表面の直径より大きくなるように構成される前面側エッチングは、窪みおよびノズルから角錐台形状の窪み表面を除去する。この技術は、ノズルからのインク流れの方向に対して直交する任意の実質的に平坦な表面を除去する。こうして、ノズル内にエアが捕捉される事態を低減し得る。つまり、異方性エッチングによって形成されるテーパ付き壁は、インク流れ抵抗を低く保ち得る。その一方で、充填中に、エア混入なしに、大量のメニスカスプルバック(meniscus pull−back)に適応し得る。ノズルのテーパ付き壁は、ノズル開口部の垂直平行な壁に、スムーズに変化し、流れが壁から離れる傾向を最小限にする。ノズル開口部の垂直平行な壁は、インクのストリームや小滴をノズルの外へと導き得る。
【0043】
ノズル開口部が、角錐台の窪み表面の直径より大きい直径で形成されない場合、異方性エッチングの深さは、ノズル入口部とノズル出口との双方の長さに影響を直接及ぼす。異方性エッチング深さは、エッチングがなされる温度とともに、エッチングの時間の長さによって決定され、この深さは、制御することが難しいこともあり得る。DRIEエッチングの幾何学的形状は、異方性エッチングの深さより、より制御が容易であり得る。ノズル出口の壁とノズル入口部のテーパ付き壁とを交差させることによって、異方性エッチングによる深さ変動は、最終的なノズルの幾何学的形状に影響を及ぼさない。それゆえ、ノズル出口の壁とノズル入口部のテーパ付き壁とを交差させると、単一のプリントヘッド内でも、多数のプリントヘッドにわたっても、より高い均質性へと導かれ得る。
【0044】
本発明の幾つかのインプリメンテーションが、記載されてきた。それでも、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な改変が行われ得ることは、理解されるべきである。前述の構造を形成する例示的な方法が、記載されてきた。しかしながら、他のプロセスも、記載されたこれらの方法に置換され、同様または類似の結果を達成し得る。例えば、テーパ付きノズルは、電鋳、レーザドリル、または、放電加工機械によって、形成され得る。記載された装置は、インク以外の流体を排出するためにも、また使用され得る。したがって、他の実施形態も、以下の請求項の範囲内である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルシリコン層および酸化物層を有する絶縁体上シリコン基板のシリコンノズル層を研磨することと、
該シリコンノズル層の第一の表面をエッチングして、1つ以上の窪みを形成することと、
該エッチングされた絶縁体上シリコン基板を流路基板と位置合わせすることによって、該1つ以上の窪みのうちの少なくとも1つが、該流路基板内のエッチングされた形態に流体的に結合され、該流路基板がシリコンを含むようにすることと、
該絶縁体上シリコン基板の該シリコンノズル層の該第一の表面を、該流路基板に直接シリコンボンディングすることと、
該ハンドルシリコン層と、該絶縁体層の少なくとも一部分とを除去し、該1つ以上の窪みを露出することと
を包含する、デバイスを形成する方法。
【請求項2】
層の第一の表面を異方性エッチングして、テーパ付き壁と、該層の該第一の表面に実質的に平行である窪み表面とを有する窪みを形成することと、
該第一の表面と反対側にある層の第二の表面をエッチングして、実質的に垂直な壁を有する出口を形成することであって、該出口は、該窪みに流体的に接続され、貫通孔を形成し、該出口の該壁は、該窪みの該テーパ付き壁と交差する、ことと
を包含する、デバイスを形成する方法。
【請求項3】
ポンプチャンバを有する主部分と、
該主部分に接続されたシリコンから形成されたノズル部分であって、該ノズル部分は、ノズル入口およびノズル出口を有し、該ノズル入口は、中心軸を中心とするテーパ付き壁を有し、該テーパ付き壁は、該ノズル出口に導き、該ノズル出口は、該中心軸の周りに約±1°の範囲内で実質的に垂直な壁を有し、該ノズル入口および該ノズル出口は、実質的にどの表面も該中心軸と直交しない、ノズル部分と
を備える、プリントヘッド本体。
【請求項4】
テーパ付き壁を有する窪みを有するシリコンを含む本体であって、該窪みは、第一の厚さを有する、本体と、
出口であって、該出口は該窪みに流体的に接続され、貫通孔を形成し、該出口の壁は該窪みの該テーパ付き壁と交差し、該出口は第二の厚さを有し、該第一の厚さと該第二の厚さとは一緒になってほぼ60マイクロメートル以下である、出口と
を備える、流体排出ノズル層。
【請求項5】
前記出口は、実質的に垂直な壁を有する、請求項4に記載の層。
【請求項6】
半導体ノズル層内の通路と、
チャンバを有する半導体基板であって、該基板は、該ノズル層の第一の表面に固定され、該チャンバは、該通路を介して、大気に、流体的に結合される、半導体基板と
を備え、
該半導体ノズル層は、ほぼ60マイクロメートル以下の厚さである、流体排出デバイス。
【請求項7】
デバイス層の第一の表面を異方性エッチングして、テーパ付き壁と、該第一の表面に実質的に平行である窪み表面とを有する窪みを形成することと、
該デバイス層の該第一の表面を、チャンバを有する基板にボンディングすることによって、該窪みが、該チャンバに流体的に接続されることと、
該デバイス層をエッチングして、通路を形成することであって、該通路は、該デバイス層内の該窪みと流体的に接続される、ことと
を包含する、デバイスを形成する方法。
【請求項8】
ポンプチャンバを有する主部分と、
該主部分に接続された、約60マイクロメートル以下の厚さを有し、シリコンから形成されたノズル部分であって、該ノズル部分は、ノズル入口およびノズル出口を有し、該ノズル入口は、中心軸を中心とするテーパ付き壁を有し、該テーパ付き壁は、該ノズル出口に導き、該ノズル出口は、実質的に垂直な壁を有し、該ノズル入口および該ノズル出口は、実質的にどの表面も該中心軸と直交しない、ノズル部分と
を備える、プリントヘッド本体。
【請求項9】
前記ノズル出口は、前記中心軸の周りに±1°の範囲内で実質的に垂直な壁を有する、請求項8に記載のプリントヘッド本体。
【請求項1】
ハンドルシリコン層および酸化物層を有する絶縁体上シリコン基板のシリコンノズル層を研磨することと、
該シリコンノズル層の第一の表面をエッチングして、1つ以上の窪みを形成することと、
該エッチングされた絶縁体上シリコン基板を流路基板と位置合わせすることによって、該1つ以上の窪みのうちの少なくとも1つが、該流路基板内のエッチングされた形態に流体的に結合され、該流路基板がシリコンを含むようにすることと、
該絶縁体上シリコン基板の該シリコンノズル層の該第一の表面を、該流路基板に直接シリコンボンディングすることと、
該ハンドルシリコン層と、該絶縁体層の少なくとも一部分とを除去し、該1つ以上の窪みを露出することと
を包含する、デバイスを形成する方法。
【請求項2】
層の第一の表面を異方性エッチングして、テーパ付き壁と、該層の該第一の表面に実質的に平行である窪み表面とを有する窪みを形成することと、
該第一の表面と反対側にある層の第二の表面をエッチングして、実質的に垂直な壁を有する出口を形成することであって、該出口は、該窪みに流体的に接続され、貫通孔を形成し、該出口の該壁は、該窪みの該テーパ付き壁と交差する、ことと
を包含する、デバイスを形成する方法。
【請求項3】
ポンプチャンバを有する主部分と、
該主部分に接続されたシリコンから形成されたノズル部分であって、該ノズル部分は、ノズル入口およびノズル出口を有し、該ノズル入口は、中心軸を中心とするテーパ付き壁を有し、該テーパ付き壁は、該ノズル出口に導き、該ノズル出口は、該中心軸の周りに約±1°の範囲内で実質的に垂直な壁を有し、該ノズル入口および該ノズル出口は、実質的にどの表面も該中心軸と直交しない、ノズル部分と
を備える、プリントヘッド本体。
【請求項4】
テーパ付き壁を有する窪みを有するシリコンを含む本体であって、該窪みは、第一の厚さを有する、本体と、
出口であって、該出口は該窪みに流体的に接続され、貫通孔を形成し、該出口の壁は該窪みの該テーパ付き壁と交差し、該出口は第二の厚さを有し、該第一の厚さと該第二の厚さとは一緒になってほぼ60マイクロメートル以下である、出口と
を備える、流体排出ノズル層。
【請求項5】
前記出口は、実質的に垂直な壁を有する、請求項4に記載の層。
【請求項6】
半導体ノズル層内の通路と、
チャンバを有する半導体基板であって、該基板は、該ノズル層の第一の表面に固定され、該チャンバは、該通路を介して、大気に、流体的に結合される、半導体基板と
を備え、
該半導体ノズル層は、ほぼ60マイクロメートル以下の厚さである、流体排出デバイス。
【請求項7】
デバイス層の第一の表面を異方性エッチングして、テーパ付き壁と、該第一の表面に実質的に平行である窪み表面とを有する窪みを形成することと、
該デバイス層の該第一の表面を、チャンバを有する基板にボンディングすることによって、該窪みが、該チャンバに流体的に接続されることと、
該デバイス層をエッチングして、通路を形成することであって、該通路は、該デバイス層内の該窪みと流体的に接続される、ことと
を包含する、デバイスを形成する方法。
【請求項8】
ポンプチャンバを有する主部分と、
該主部分に接続された、約60マイクロメートル以下の厚さを有し、シリコンから形成されたノズル部分であって、該ノズル部分は、ノズル入口およびノズル出口を有し、該ノズル入口は、中心軸を中心とするテーパ付き壁を有し、該テーパ付き壁は、該ノズル出口に導き、該ノズル出口は、実質的に垂直な壁を有し、該ノズル入口および該ノズル出口は、実質的にどの表面も該中心軸と直交しない、ノズル部分と
を備える、プリントヘッド本体。
【請求項9】
前記ノズル出口は、前記中心軸の周りに±1°の範囲内で実質的に垂直な壁を有する、請求項8に記載のプリントヘッド本体。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−156873(P2011−156873A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−89638(P2011−89638)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【分割の表示】特願2007−525061(P2007−525061)の分割
【原出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89638(P2011−89638)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【分割の表示】特願2007−525061(P2007−525061)の分割
【原出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】
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