説明

プリント回路基板

【課題】本発明は、プリント回路基板に関する。
【解決手段】本発明によるプリント回路基板は、第1面及び第2面を有し、前記第2面に接続パッド及び回路パターンを含む回路層が形成されたベース基板と、前記ベース基板の第2面に前記接続パッドを露出させる開口部を有するように形成されたソルダレジストと、前記ソルダレジスト上に形成され、前記ソルダレジストの一部に形成されたブリッジ部材と、前記ブリッジ部材上に形成され、前記ベース基板の第2面を覆うように形成された支持部材と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1(1998年10月7日公開)に開示されているように、プリント回路基板に半導体チップを実装する工程は、高密度実装のために、半導体チップをプリント回路基板の上面に直接実装した後、プリント回路基板と半導体チップとの間の電気的な連結工程により行われる。
その後、パッケージング工程は、プリント回路基板上に実装された半導体チップを覆うように熱硬化性樹脂を塗布する。
【0003】
ここで、半導体チップを実装する面の反対面であるプリント回路基板の下部面にまで熱硬化性樹脂が塗布される場合があるが、このような場合、プリント回路基板の下部面に形成された接続パッドなどに影響を及ぼす問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10−1998−059239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためのものであり、本発明は、製造工程中にプリント回路基板のメインボード形成面を保護できるようにするためのプリント回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例によるプリント回路基板は、第1面及び第2面を有し、前記第2面に接続パッド及び回路パターンを含む回路層が形成されたベース基板と、前記ベース基板の第2面に前記接続パッドを露出させる開口部を有するように形成されたソルダレジストと、前記ソルダレジスト上に形成され、前記ソルダレジストの一部に形成されたブリッジ部材と、前記ブリッジ部材上に形成され、前記ベース基板の第2面を覆うように形成された支持部材と、を含み、前記第1面は半導体素子の実装面であり、前記第2面はメインボードの形成面であってもよい。
ここで、前記ブリッジ部材はソルダ材質からなってもよい。
また、前記支持部材は片面テープであってもよい。
また、前記片面テープは、耐熱性及び紫外線硬化性を有する高分子物質で形成されることができる。
また、前記支持部材は金属板であってもよい。
また、前記支持部材が金属板の場合、前記ブリッジ部材と前記支持部材とが接触する面に形成された接着層をさらに含むことができる。
また、前記開口部を介して露出された接続パッド上に形成された表面処理層をさらに含むことができる。
また、前記ブリッジ部材は、前記プリント回路基板の縁に形成されたソルダレジスト上に形成されることができる。
【0007】
また、前記プリント回路基板は、ユニット単位で切断された形態であったり、またはユニット単位のプリント回路基板が多数形成されたパネル形態であってもよい。
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0008】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施例によるプリント回路基板は、プリント回路基板上に形成されたソルダレジスト上にブリッジ部材を形成するため、プリント回路基板のメインボード形成面に保護フィルムをはじめとする支持部材を除去しても残渣が残らず、そのため残渣によるパッケージング工程不良を予防することができるという効果が期待できる。
【0010】
また、本発明の実施例は、プリント回路基板のソルダレジスト上にブリッジ部材を形成するため、プリント回路基板と保護フィルムとの間の離隔空間が広く確保され、従来プリント回路基板と保護フィルムとの間にボイドが発生し、ボイドによりパッケージング工程時にエア噴出の通路を介してモールドが浸透されて製品が汚染される現象を予め防止することができるという長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「第1」、「第2」などの用語は一つの構成要素を他の構成要素と区分するために用いられるものであって、構成要素が前記用語により制限されるものではない。また、本発明を説明するにあたり、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
プリント回路基板
図1は、本発明の実施例によるプリント回路基板の構成を示す図面である。
【0012】
図1に図示したように、プリント回路基板100は、第1面110a及び第2面110bを有し、第2面110bに接続パッド121及び回路パターン123を含む回路層120が形成されたベース基板110と、ベース基板110の第2面110bに接続パッド121を露出する開口部を有するように形成されたソルダレジスト140と、ソルダレジスト140上に形成され、ソルダレジストの一部に形成されたブリッジ(Bridge)部材150と、ブリッジ部材150上に形成され、ベース基板110の第2面を覆うように形成された支持部材160と、を含むことができる。
ここで、前記ベース基板110の第1面110aは半導体素子(不図示)実装面であり、第2面110bはメインボード(不図示)形成面であってもよい。
即ち、図示してはいないが、ベース基板110は、第1面に半導体素子を実装し、第2面でメインボードと結合するものである。
【0013】
前記半導体素子(不図示)は、プリント回路基板に電気的に連結されて一定機能を担当することができる部品であって、例えば、集積回路チップ(IC)のようにプリント回路基板に内蔵することができる電子素子を意味する。電極は、プリント回路基板と半導体素子との間に電気的連結を提供する半導体素子の一部分である。
【0014】
また、メインボード(不図示)は、半導体素子を実装したプリント回路基板100が、プリント回路基板100の最外層に形成された外部接続端子(例えば、はんだボール)を介して連結される基板を意味する。
【0015】
ここで、プリント回路基板100の最外層(第2面110b)は、はんだボールに電気的に接続する接続パッド121を除いた回路パターン123がソルダレジスト140によって包まれる。
【0016】
また、前記ベース基板110は、絶縁層に接続パッド121を含む1層以上の回路が形成された回路基板であって、好ましくはプリント回路基板であってもよい。
【0017】
本図面では説明の便宜上具体的な内層回路の構成は省略して図示したが、当業者であれば、前記ベース基板110として、絶縁層に1層以上の回路が形成された通常の回路基板が適用されることができることを十分認識できる。
また、前記絶縁層としては樹脂絶縁層が使用されてもよい。
【0018】
前記樹脂絶縁層としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグが使用されてもよく、また光硬化性樹脂などが使用されてもよく、特にこれに限定されない。
前記接続パッド121上には後工程により外部接続端子としてはんだボールが形成されることができる。
【0019】
前記接続パッド121を含む回路層は、回路基板の分野で回路用伝導性金属として使用されるものであれば制限なく適用することができ、プリント回路基板には銅を使用することが一般的である。
【0020】
前記ソルダレジスト140は、最外層回路を保護する保護層の機能を行い、電気的絶縁のために形成されるものであり、プリント回路基板の最外層の接続パッド121を露出させるために開口部が形成される。
【0021】
前記ソルダレジスト140は、当業界に公知されたように、例えば、ソルダレジストインク、ソルダレジストフィルムまたはカプセル化剤などで構成されることができ、特にこれに限定されない。
また、前記ブリッジ部材150はソルダ材質からなってもよく、これに限定されない。
例えば、ブリッジ部材150は、ソルダレジスト140と同一であったり、類似した材質からなることができる。
前記ブリッジ部材150は、プリント回路基板100の縁に形成されたソルダレジスト140上に形成されることができる。
【0022】
より詳細に説明すると、ブリッジ部材150は、ベース基板110と支持部材160との間の空間を確保するためのものであって、ソルダレジスト140上に形成される支持部材160がソルダレジスト140から離隔された状態でベース基板の第2面を全て覆うことができるようにプリント回路基板100の縁に形成されたソルダレジストに形成されてもよい。
即ち、ブリッジ部材150は、ソルダレジスト140と支持部材160との間に橋状に形成され、支持部材160を固定するものである。
【0023】
万が一、ベース基板110の第2面の面積が広い場合、ブリッジ部材150は、プリント回路基板の縁だけでなく中間領域にさらに形成され、支持部材160が平坦に維持されるようにすることもできる。
【0024】
ここで、ブリッジ部材150は、ソルダレジスト140と支持部材160との間の離隔空間Aを確保し、離隔空間Aに存在する空気が空間不足により支持部材160が剥離されて外部に流出される現象を予め防止する。
【0025】
これにより、ベース基板110の第1面110aに半導体素子(不図示)を実装した後にモールディングを行う場合、モールドが第2面110bの接続パッド121の部分に浸透しないという効果が期待できる。
一方、支持部材160は片面テープであったり、または金属板であってもよく、これに限定されない。
前記片面テープは、耐熱性及び紫外線硬化性を有する高分子物質で形成され、片面が接着力を有することができる。例えば、接着フィルム形態であってもよい。
ここで、支持部材160が片面テープである場合、接着面が前記ブリッジ部材150に接着される。
【0026】
ここで、支持部材160として耐熱性及び紫外線硬化性を有する高分子物質で形成された片面テープを使用することにより、パッケージング工程中にEMC(Epoxy Molding Compound)のようなモールディング部材を用いてモールディング工程を進める場合、ブリッジ部材150と支持部材160との間に溶融されたモールディング部材が流入されることを最小化することができる。
【0027】
上記支持部材160は、ベース基板110の第2面110bを全て覆う面積に形成され、ブリッジ部材150に接着されベース基板110と支持部材160との間の離隔空間Aを確保する。
【0028】
これにより、ベース基板110と支持部材160との間に離隔空間Aを確保することにより、ベース基板110と支持部材160との間にボイドが発生してもエアが圧縮されることができる空間を確保することができる。
【0029】
これにより、ベース基板110と支持部材160との間に空間を確保することが難しく、ボイド発生により支持部材160が剥離される現象を予め防止することができるという効果が期待できる。
【0030】
また、パッケージング工程を行う際、支持部材160が剥離されてモールドがプリント回路基板100を含む製品に浸透し、これを汚染させる問題も改善することができるという長所がある。
【0031】
即ち、支持部材160とベース基板110との間の離隔空間を拡大するとともに、支持部材160とベース基板110との接着力が向上することにより、工程中に離隔空間Aで発生され得るエアボイド(Air void)による支持部材160の剥離現象とモールド侵入現象を全て除去することができる。
【0032】
一方、前記支持部材160が金属板である場合、プリント回路基板は、ブリッジ部材150と支持部材160とが接触する面に形成された接着層(不図示)をさらに含むことができる。
即ち、接着層は、ブリッジ部材150と金属材質の支持部材160との間に形成され、ブリッジ部材150と支持部材160を接着させる。
支持部材160が金属板である場合、適用される金属材質は支持部材160の機能を行う金属材質は全て使用することができる。
また、プリント回路基板100は、開口部を介して露出された接続パッド121上に形成された表面処理層130をさらに含むことができる。
【0033】
前記表面処理層は、当業界に公知されたものであれば特に限定されず、例えば、電解金めっき(Electro Gold Plating)、無電解金めっき(Immersion Gold Plating)、OSP(Organic Solderability Preservative)または無電解スズめっき(Immersion Tin Plating)、無電解銀めっき(Immersion Silver Plating)、ENIG(Electroless Nickel and Immersion Gold;無電解ニッケルめっき/置換金めっき)、DIGめっき(Direct Immersion Gold Plating)、HASL(Hot Air Solder Leveling)などによって形成されることができる。
【0034】
一方、本発明の実施例で適用されるプリント回路基板は、ユニット(Unit)単位で切断された形態のプリント回路基板であったり、またはユニット単位のプリント回路基板が多数形成されたパネル(Panel)形態のプリント回路基板であってもよい。
【0035】
以上、本発明を好ましい実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるプリント回路基板はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例によるプリント回路基板の構成を示す図面である。
【符号の説明】
【0037】
100 プリント回路基板
110 ベース基板
110a 第1面
110b 第2面
120 回路層
121 接続パッド
123 回路パターン
130 表面処理層
140 ソルダレジスト
150 ブリッジ部材
160 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び第2面を有し、前記第2面に接続パッド及び回路パターンを含む回路層が形成されたベース基板と、
前記ベース基板の第2面に前記接続パッドを露出させる開口部を有するように形成されたソルダレジストと、
前記ソルダレジスト上に形成され、前記ソルダレジストの一部に形成されたブリッジ部材と、
前記ブリッジ部材上に形成され、前記ベース基板の第2面を覆うように形成された支持部材と、を含み、
前記第1面は半導体素子の実装面であり、前記第2面はメインボードの形成面であるプリント回路基板。
【請求項2】
前記ブリッジ部材はソルダ材質からなる請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記支持部材は片面テープである請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記片面テープは、耐熱性及び紫外線硬化性を有する高分子物質で形成される請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記支持部材は金属板である請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記支持部材が金属板である場合、
前記ブリッジ部材と前記支持部材とが接触する面に形成された接着層をさらに含む請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記開口部を介して露出された接続パッド上に形成された表面処理層をさらに含む請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記ブリッジ部材は、前記プリント回路基板の縁に形成されたソルダレジスト上に形成される請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記プリント回路基板は、ユニット単位で切断された形態であったり、またはユニット単位のプリント回路基板が多数形成されたパネル形態である請求項1に記載のプリント回路基板。

【図1】
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【公開番号】特開2013−89943(P2013−89943A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−288634(P2011−288634)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】