説明

プリント配線板

【課題】 発光素子が発する熱を良好に放熱することが可能なプリント配線板を提供する。
【解決手段】 第1の発光色を発する第1の発光素子21を実装可能とする第1,第2の接続ランド70,71と、第2の発光色を発する第2の発光素子22を実装可能とする第3,第4の接続ランド80,81とが配線部に設けられてなるプリント配線板において、第1の発光素子21が第1,第2の接続ランド70,71に実装されてなる状態にて、第1の接続ランド70と、第3の接続ランド80とが導通部C1を通じて接続されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線パターンに設けられた一対の接続ランドに発光素子を実装してなるプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のプリント配線板にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。かかる特許文献1に記載のプリント配線板は、図5に示すように所定の配線パターン(配線部)100上に設けられた一対の接続ランド110,120に所定色を発する発光ダイオードからなる発光素子130を実装してなる構成となっている。そして、発光素子130の発光時に発生する熱が接続ランド110,120を通じて大気中に放熱可能な構成となっている。つまり、このことは、接続ランド110,120が、発光素子130の発光時に生じる熱を大気中に放熱する放熱部としての機能を備えてなることを意味している。
【0003】
なお、このように発光素子130が実装されたプリント配線板は、例えば図示省略した被照明部材(液晶表示パネル等)を均一照明すべく、被照明部材とプリント配線板との間において、発光素子130を包囲するようにケース体を配設し、且つケース体と被照明部材との間に拡散板を配設してなる構成が公知である。かかる構成によれば、プリント配線板上に実装された発光素子130から発せられる照明光が、拡散板により略均一化されることで被照明部材が均一照明される。また、被照明部材を液晶表示パネルとした場合、プリント配線板上に実装される発光素子130が、液晶表示パネルを背後から照明するバックライト光源となる。
【特許文献1】特開2006−100687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したプリント配線板にあっては、例えば車種に応じて発光素子130の発光色のみが異なるという設計仕様の変更(つまり、新機種設計)が存在する場合がある。この場合、例えば設計仕様の変更に伴い、発光素子130の発光色が橙色から白色に変更となったとき、白色発光素子の発光輝度が橙色発光素子の発光輝度よりも低い発光輝度特性を有してなるので、被照明部材からの出射光を白色発光素子の発光時と橙色発光素子の発光時とで略同一に設定するためには、発光素子130の個数は、白色発光素子の個数を橙色発光素子の個数よりも多く設ける必要がある。例えば、橙色発光素子の個数が6個の場合、白色発光素子の個数は8個必要であり、これにより車種に応じて発光素子130の発光色のみが異なるという設計仕様の変更の場合、個々の設計仕様毎に専用のプリント配線板を別途、設計して対応していた。
【0005】
しかしながら、発光素子130の発光色のみが橙色から白色に変更となる設計仕様の変更により、設計仕様毎にプリント配線板を別途、設計して対応したのでは、プリント配線板の設計作業等に膨大な工数を要するとともに、プリント配線板の搭載された装置(例えば液晶表示パネルを有する表示ユニット等)を量産(大量生産)するにあたり、プリント配線板の管理が面倒になるという問題点がある。
【0006】
かかる問題点を解消するには、例えば6個の橙色発光素子、あるいは8個の白色発光素子を実装可能とするようなプリント配線板を用意し、設計仕様に応じてプリント配線板上に6個の橙色発光素子のみを実装するか、あるいは8個の白色発光素子のみを実装し、設計仕様に応じてプリント配線板上に実装されてなる発光素子群(橙色発光素子群と白色発光素子群のうち一方)を全て発光させるような制御を行えばよい。
【0007】
例えば、6個の橙色発光素子には第1のスイッチ手段が接続されてなり、8個の白色発光素子には第2のスイッチ手段が接続されてなり、制御手段からの制御信号により、6個の橙色発光素子が実装されてなる場合には、第1のスイッチ手段がオン制御され、8個の白色発光素子が実装されてなる場合には、第2のスイッチ手段がオン制御される構成となっている。なお、この場合、6個の橙色発光素子、もしくは8個の白色発光素子は、被照明部材(例えば液晶表示パネル)の背後側において、プリント配線板上に一対の列をなすように列状に設けられた14個の一対の接続ランドに各々接続されてなる。
【0008】
この際、6個の橙色発光素子を集中配置する構成、あるいは8個の白色発光素子を集中配置する構成では、被照明部材を照明するにあたり、照明ムラが生じやすいことから、照明ムラが生じないように個々の橙色発光素子、もしくは個々の白色発光素子を、例えば図6に示す発光素子の実装状態図のごとく、分散させた状態で、各発光素子を対応する各接続ランドにそれぞれ接続する必要がある。
【0009】
ここで、図6中、Pはプリント配線板、131は橙色発光素子、132は橙色発光素子131に並設されてなる白色発光素子、111は、橙色発光素子131を実装可能な形状にパターン形成された負極側の接続ランド(以下、第1の接続ランドという)、112は、橙色発光素子131を実装可能な形状にパターン形成された正極側の接続ランド(以下、第2の接続ランドという)である。また、121は、白色発光素子132を実装可能な形状にパターン形成された負極側の接続ランド(以下、第3の接続ランドという)、122は、白色発光素子132を実装可能な形状にパターン形成された正極側の接続ランド(以下、第4の接続ランドという)であるものとする。なお、図6では、点線部分である白色発光素子132は、プリント配線板P上に実装されていない状態を示している。
【0010】
かかる構成において、例えば第1,第2の接続ランド111,112に橙色発光素子131が接続されてなり、第3,第4の接続ランド121,122に白色発光素子132が接続されていない状態では、橙色発光素子131の発光時に発生する熱は、橙色発光素子131に備えられた図示省略した一対の第1端子部と導通接続される第1,第2の接続ランド111,112により大気中に放熱されてなる。
【0011】
逆に、例えば第1,第2の接続ランド111,112に橙色発光素子131が接続されずに、第3,第4の接続ランド121,122に白色発光素子132が接続されてなる状態では、白色発光素子132の発光時に発生する熱は、白色発光素子132に備えられた図示省略した一対の第2端子部と導通接続される第3,第4の接続ランド121,122により大気中に放熱されてなる。
【0012】
つまり、橙色発光素子131のみが実装されたとき、橙色発光素子131の発光時に生じる熱は、前記一対の第1端子部に導通接続されてなる第1,第2の接続ランド111,112のみで放熱される構成となり、また白色発光素子132のみが実装されたとき、白色発光素子132の発光時に生じる熱は、前記一対の第2端子部に導通接続されてなる第3,第4の接続ランド121,122のみで放熱される構成となるが、このように橙色発光素子131もしくは白色発光素子132をバックライト光源として適用し、液晶表示パネルをバックライト照明する場合には、充分な光量を得るために橙色発光素子131や白色発光素子132に電流を多く流す必要がある。
【0013】
そして、橙色発光素子131もしくは白色発光素子132に電流を多く流せば、当然、橙色発光素子131もしくは白色発光素子132の発光時に発生する発熱量が多くなるため、上述したように橙色発光素子131のみ実装時に橙色発光素子131の発光時に生じる熱を前記一対の第1端子部と接続される第1,第2の接続ランド111,112で放熱する構成、または白色発光素子132のみ実装時に白色発光素子132の発光時に生じる熱を前記一対の第2端子部と接続される第3,第4の接続ランド121,122で放熱する構成とした場合は、橙色発光素子131もしくは白色発光素子132の発熱量に対して、充分な放熱を行うことができない。
【0014】
また、橙色発光素子131の発光時には、橙色発光素子131における負極側の接続ランドである第1の接続ランド111の方が、第2の接続ランド(正極側の接続ランド)112よりも多くの熱が伝達されやすく、同様に白色発光素子132の発光時には、白色発光素子132における負極側の接続ランドである第3の接続ランド121の方が、第4の接続ランド(正極側の接続ランド)121よりも多くの熱が伝達されやすいため、特に、負極側の接続ランド(第1,第3の接続ランド111,121)において、充分な放熱を行うことが望まれていた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、発光素子が発する熱を良好に放熱することが可能なプリント配線板の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、第1の発光色を発する第1の発光素子を実装可能とする第1,第2の接続ランドと、第2の発光色を発する第2の発光素子を実装可能とする第3,第4の接続ランドとが配線部に設けられてなるプリント配線板において、前記第1の発光素子が前記第1,第2の接続ランドに実装されてなる状態と、前記第2の発光素子が前記第3,第4の接続ランドに実装されてなる状態とのうち少なくとも1つの状態にて、前記第1,第2の接続ランドのうちどちらか一方の接続ランドと、前記第3,第4の接続ランドのうちどちらか一方の接続ランドとが導通部を通じて接続されてなることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、第1の発光色を発する第1の発光素子を実装可能とする第1,第2の接続ランドと、第2の発光色を発する第2の発光素子を実装可能とする第3,第4の接続ランドとが配線部に設けられてなるプリント配線板において、前記第1の発光素子が前記第1,第2の接続ランドに実装されてなる状態と、前記第2の発光素子が前記第3,第4の接続ランドに実装されてなる状態とのうち少なくとも1つの状態にて、前記第1の接続ランドと前記第3の接続ランド、並びに前記第2の接続ランドと前記第4の接続ランドが導通部を通じてそれぞれ接続されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、初期の目的を達成でき、発光素子が発する熱を良好に放熱することが可能なプリント配線板を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面に基づき、本発明によるプリント配線板の実施形態を説明する。なお、図1は、本実施形態による発光素子が実装された状態を示すプリント配線板の要部正面図、図2は、同実施形態による発光素子を発光/非発光制御するための制御回路を示すブロック図、図3は、図1中、A部を拡大して示すプリント配線板の拡大正面図である。
【0019】
図1において、本実施形態によるプリント配線板10は、例えば車両用計器に搭載された図示しない液晶表示パネル(被照明部材)をバックライト照明するための複数個のバックライト光源(発光素子)20が列状(一列)に実装されてなる回路基板からなる。
【0020】
そして、バックライト光源20は、この場合、第1の発光色である橙色光を発する6個の橙色発光素子(第1の発光素子)21と、第2の発光色である白色光を発する8個の白色発光素子(第2の発光素子)22と、を備えてなる。
かかるバックライト光源20は、前記液晶表示パネルとの対向部分となるプリント配線板10の表面部11に列状(一列)に実装されてなる。
【0021】
なお、本実施形態の場合、設計仕様として、バックライト光源20のうち6個の橙色発光素子21のみを表面部11に実装した仕様となっており、8個の白色発光素子22は、表面部11に実装されていない仕様であるものとする。
【0022】
また、前記設計仕様とは異なる他の設計仕様においては、バックライト光源20のうち8個の白色発光素子22のみ(図1中、点線部分参照)を、前記設計仕様に対応して6個の橙色発光素子21が実装されてなる箇所とは異なる表面部11箇所に実装可能な構成となっており、このとき6個の橙色発光素子21が、表面部11に実装されていないことは言うまでもない。
【0023】
ここで、6個の橙色発光素子21(もしくは8個の白色発光素子22)を表面部11上に実装するにあたっては、前記液晶表示パネルを均一照明すべく、各橙色発光素子21(もしくは各白色発光素子22)を集中配置する構成ではなく、図1に示すように分散させた状態で実装する必要がある。なお、詳細図示は省略するが、前記液晶表示パネルとプリント配線板10との間には、各橙色発光素子21(もしくは各白色発光素子22)を包囲するようにケース体が配設され、且つ前記ケース体と前記液晶表示パネルとの間には拡散板が配設されているものとする。
【0024】
次に、図2を用いて、橙色発光素子21を発光/非発光制御するための制御回路を説明する。なお、図2では、プリント配線板10(表面部11)上に実装された単一の橙色発光素子21を発光/非発光制御するための制御回路について説明することにする。
【0025】
なお、本実施形態では、6個の橙色発光素子21のみが適用されてなり、8個の白色発光素子22は適用されていない。そこで、図2中、1点鎖線で示す共通回路部B1には、1個の橙色発光素子21と1個の白色発光素子22が択一的に実装可能な構成となっていることから、共通回路部B1は、最大で6組、存在する可能性があるが、これら共通回路部B1は、図2中、回路接続部分B2にて全て共通接続されてなるものとする。
【0026】
前記制御回路は、単一のプリント配線板10上に設けられ、バックライト光源20と、第1のスイッチ手段30と、第2のスイッチ手段40と、第1の制限抵抗50と、第2の制限抵抗60と、一対の第1,第2の接続ランド70,71と、一対の第3,第4の接続ランド80,81とを備えてなる。
【0027】
バックライト光源20は、前述したように橙色光(第1の発光色)を発する発光ダイオードからなる橙色発光素子(第1の発光素子)21と、白色光(第2の発光色)を発する発光ダイオードからなる白色発光素子(第2の発光素子)22と、を備えてなるが、本実施形態では、橙色発光素子21のみが表面部11上に実装されてなり、白色発光素子22は表面部11上に実装されていない設計仕様である。
【0028】
バックライト光源20(この場合、橙色発光素子21)は、前記液晶表示パネルに対応(対向)するプリント配線板10の表面部11上に実装され、そのカソード側は、グランドレベルに接地されてなる。
【0029】
第1のスイッチ手段30は、図示省略した制御手段からの制御信号に応じて、オン/オフ状態を切り換えることで、橙色発光素子21を発光制御するためのものであり、その一端側が電源90(回路接続部分B2)と接続され、他端側が第1の制限抵抗50と接続されている。
【0030】
第2のスイッチ手段40は、前記他の設計仕様において、表面部11に白色発光素子22が実装されてなる場合に、前記制御手段からの制御信号に応じて、オン/オフ状態を切り換えることで、白色発光素子21を発光制御するためのものであり、その一端側が電源90(回路接続部分B2)と接続され、他端側が第2の制限抵抗60と接続されている。
【0031】
前記制御手段としては、例えばマイクロコンピュータを適用でき、CAN(Controller Area Network)通信ケーブルやイグニションスイッチ等の機器と接続され、操作手段(操作スイッチ等)から出力される操作入力信号(パルス信号)を入力し、この操作入力信号に基づいて第1のスイッチ手段30と第2のスイッチ手段40のうち一方のオン/オフ状態を制御するための制御信号を生成し、第1のスイッチ手段30もしくは第2のスイッチ手段40をオン/オフ制御してなる。
【0032】
また前記制御手段は、前記操作入力信号に基づいて演算処理するためのCPUと、このCPUにおける演算処理結果等を一時的に格納する読出し及び書換え可能なRAMや、制御プログラム等を格納したROMから構成される記憶部と、前記入力信号や前記制御信号等をやり取りするためにバス接続された入出力インターフェイスと、を備えてなる。
【0033】
第1の制限抵抗50は、橙色発光素子21に供給する電流値を調整(設定)するためのチップ抵抗等の抵抗素子からなり、その一端側が第1のスイッチ手段30と接続され、他端側が橙色発光素子21のアノード側と接続される。
【0034】
第2の制限抵抗60は、前記他の設計仕様において、表面部11に白色発光素子22が実装されてなる場合に、白色発光素子22に供給する電流値を調整(設定)するためのチップ抵抗等の抵抗素子からなり、その一端側が第2のスイッチ手段40と接続され、他端側が白色発光素子22のアノード側と接続される。
【0035】
第1,第2の接続ランド70,71は、橙色発光素子21を実装可能とする形状にパターン印刷された対をなすランドからなる(図3参照)。このうち、第1の接続ランド70は、略矩形状からなり、橙色発光素子21における負極側(グランドライン側)の接続ランドに対応してなり、第2の接続ランド71は、略矩形状からなり、橙色発光素子21における正極側(電源90側)の接続ランドに対応してなる。
【0036】
第3,第4の接続ランド80,81は、前記他の設計仕様において、表面部11に白色発光素子22が実装されてなる場合に、白色発光素子22を実装可能とする形状にパターン印刷された対をなすランドからなり、第1,第2の接続ランド70,71と対をなすように並設されてなる(図3参照)。
【0037】
また、第3,第4の接続ランド80,81のうち、第3の接続ランド80は、略矩形状からなり、前記他の設計仕様において、表面部11に白色発光素子22が実装されてなる場合に、白色発光素子22における負極側(グランドライン側)の接続ランドに対応してなり、第4の接続ランド81は、略矩形状からなり、前記他の設計仕様において、表面部11に白色発光素子22が実装されてなる場合に、白色発光素子22における正極側(電源90側)の接続ランドに対応してなる。
【0038】
そして、本実施形態では、ともに負極側の接続ランドであり、並設されてなる第1の接続ランド70と第3接続ランド80とが、導通部C1を通じて接続されてなる。かかる導通部C1は、本実施形態の場合、第1の接続ランド70と第3接続ランド80との間に存在する隙間部分を完全に埋めるように、両接続ランド70,80を熱的且つ電気的に接続するための略矩形状の導通パターンからなる。
【0039】
かかる構成によれば、前記操作入力信号が前記制御手段に入力されると、前記制御手段は、第1のスイッチ手段30をオンさせるような前記制御信号を出力する。第1のスイッチ手段30は、この制御信号を受けて、第1のスイッチ手段30をオン状態に切り換え、橙色発光素子21を発光させることで、前記液晶表示パネルが略均一にバックライト照明される。
【0040】
そして、この橙色発光素子21の発光時に発生する熱は、橙色発光素子21に備えられる図示省略した第1端子部と接続されてなる第1,第2の接続ランド70,71に伝達されてなるが、第1,第2の接続ランド70,71のうち、負極側の接続ランドである第1の接続ランド70の方が、正極側の接続ランドである第2の接続ランド71よりも多く熱が伝達される。
【0041】
ところで、本実施形態では、第1の発光素子21が第1,第2の接続ランド70,71に実装されてなる状態にて、橙色発光素子21が発光時すると、この橙色発光素子21の発光に伴い、より多くの熱が伝達されることになる第1の接続ランド70が、導通部C1を通じて第3の接続ランド80と熱的、且つ電気的に導通されてなる。従って、第1の接続ランド70に伝達されたより多くの熱を、従来技術では第1の接続ランドのみで大気中に放熱させる構成としていたのに対し、本発明では第1の接続ランド70と導通部C1と第3の接続ランド80とで構成されてなる表面積のより広い放熱領域を通じて大気中に放熱される構成としたから、これにより橙色発光素子21が発する熱を良好に放熱することが可能なプリント配線板を提供することができる。
【0042】
また本実施形態では、導通部C1が、第1の接続ランド70と第3の接続ランド80との間に形成される間隙部分を埋めるように略矩形状に形成されてなる例について説明したが、導通部C1の形状は、第1,第3の接続ランド70,80を接続可能な構成であれば、あらゆる形状を採用することが可能であり、第1,第3の接続ランド70,80と導通部C1とでなる前記放熱領域の表面積をより大きくする設定することが好ましいということは言うまでもない。
【0043】
また本実施形態では、第1の接続ランド70と第3の接続ランド80との間に導通部C1を設けてなる例について説明したが、例えば導通部C1を第2の接続ランド71と第4の接続ランド81との間に設けて、両接続ランド71,81を接続した場合や、導通部C1を第1,第3の接続ランド70,80の間、並びに第2,第4の接続ランド71,81の間に設けた場合であっても、本実施形態で説明した作用効果と同様な作用効果が得られることは言うまでもない。特に、両接続ランド70,80並びに両接続ランド71,81に導通部C1を各々設けた場合には、橙色発光素子21の発する熱をより効果的に放熱することが可能となる。
【0044】
また本実施形態では、第1の発光素子21が第1,第2の接続ランド70,71に実装されてなる状態について説明したが、例えば前記他の設計仕様の場合には、橙色発光素子21に代えて白色発光素子22を第3,第4の接続ランド80,81に実装してなる状態であっても、第1の接続ランド70と第3の接続ランド80との間、並びに第2の接続ランド71と第4の接続ランド81との間のうち少なくとも一方に導通部C1を設ければ、白色発光素子22の発する熱を放熱することができるということは言うまでもない。
【0045】
また本実施形態では、橙色発光素子21(もしくは白色発光素子22)がプリント配線板10上に一列に実装されてなる場合について説明したが、例えば図4に示すように橙色発光素子21を実装可能とする第1,第2の接続ランド70,71の配設位置を、白色発光素子22を実装可能とする第3,第4の接続ランド80,81の配設位置よりも図4中、若干、上方側に設定し、第1の接続ランド70と第4の接続ランド81との間に導通部C1を設けて、第1の接続ランド70と第4の接続ランド81とを接続してもよい。また、詳細図示は省略するが、前述した構成とは逆に、橙色発光素子21を実装可能とする第1,第2の接続ランド70,71の配設位置を、白色発光素子22を実装可能とする第3,第4の接続ランド80,81の配設位置よりも前記上方側とは反対側の若干、下方側に設定し、第2の接続ランド71と第3の接続ランド80との間に導通部C1を設けて、第2の接続ランド71と第3の接続ランド80とを接続してもよい。
【0046】
なお本実施形態では、プリント配線板10上に橙色発光素子21のみが実装されてなる状態で橙色発光素子21を発光させる構成、あるいはプリント配線板10上に白色発光素子22のみが実装されてなる状態で白色発光素子22を発光させる構成について説明したが、例えばプリント配線板10上に橙色発光素子21並びに白色発光素子22が実装されてなる状態で、両発光素子21,22を発光させる構成としてもよい。
【0047】
そして、この場合、図2に示した発光素子の制御回路(特に共通回路部B1)において、第2のスイッチ手段40と第2の制限抵抗60と第3の接続ランド80に接続されるアース端子を廃止して、第3,第4の接続ランド80,81を第1,第2の接続ランド70,71に対して並列接続する必要がある。
【0048】
かかる構成であっても、第1,第2の接続ランド70,71のうちどちらか一方の接続ランドと、第3,第4の接続ランド80,81のうちどちらか一方の接続ランドとが導通部C1を通じて接続されてなる構成とすることで、導通部C1を設けた分だけ、放熱効率を向上させることができる。また、第1の接続ランド70と第3の接続ランド80、並びに第2の接続ランド71と第4の接続ランド81を導通部C1を通じてそれぞれ接続してなる構成とすれば、2つの導通部C1を設けた分だけ、放熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態による発光素子が実装された状態を示すプリント配線板の要部正面図である。
【図2】同実施形態による発光素子を発光/非発光制御するための制御回路を示すブロック図である。
【図3】図1中、A部を拡大して示すプリント配線板の拡大正面図である。
【図4】本発明の変形例によるプリント配線板の拡大正面図である。
【図5】従来技術によるプリント配線板の要部正面図である。
【図6】従来技術による発光素子が実装された状態を示すプリント配線板の要部正面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 プリント配線板
11 表面部
20 バックライト光源(発光素子)
21 第1の発光素子(橙色発光素子)
22 第2の発光素子(白色発光素子)
30 第1のスイッチ手段
40 第2のスイッチ手段
50 第1の制限抵抗
60 第2の制限抵抗
70 第1の接続ランド
71 第2の接続ランド
80 第3の接続ランド
81 第4の接続ランド
90 電源
B1 共通回路部
B2 回路接続部分
C1 導通部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の発光色を発する第1の発光素子を実装可能とする第1,第2の接続ランドと、
第2の発光色を発する第2の発光素子を実装可能とする第3,第4の接続ランドとが配線部に設けられてなるプリント配線板において、
前記第1の発光素子が前記第1,第2の接続ランドに実装されてなる状態と、前記第2の発光素子が前記第3,第4の接続ランドに実装されてなる状態とのうち少なくとも1つの状態にて、
前記第1,第2の接続ランドのうちどちらか一方の接続ランドと、前記第3,第4の接続ランドのうちどちらか一方の接続ランドとが導通部を通じて接続されてなることを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】
第1の発光色を発する第1の発光素子を実装可能とする第1,第2の接続ランドと、
第2の発光色を発する第2の発光素子を実装可能とする第3,第4の接続ランドとが配線部に設けられてなるプリント配線板において、
前記第1の発光素子が前記第1,第2の接続ランドに実装されてなる状態と、前記第2の発光素子が前記第3,第4の接続ランドに実装されてなる状態とのうち少なくとも1つの状態にて、
前記第1の接続ランドと前記第3の接続ランド、並びに前記第2の接続ランドと前記第4の接続ランドが導通部を通じてそれぞれ接続されてなることを特徴とするプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−4612(P2009−4612A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164944(P2007−164944)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】