説明

プリーツ加工された染色布の製造方法

【課題】布の任意の面および部分に染色を施すことができるとともに、図柄およびプリーツ形態に対する多様な要望に迅速に対応できる、プリーツ加工された染色布の製造方法を提供する。
【解決手段】プリーツ加工装置1を用いて、プリーツ加工だけでなく、染色加工をも行ない、染色加工では、転写捺染を適用する。プリーツ加工装置1において、プリーツ加工されるべき布2に沿うように、昇華型染料インクが付与された転写紙20および21を供給し、プリーツ加工によって形成された襞をセットするための加熱・プレス工程を、転写捺染のための加熱・プレス工程と兼ねさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリーツ加工された染色布の製造方法に関するもので、特に、従来からあるプリーティングマシン法を適用して実施される、プリーツ加工された染色布の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、工場規模でプリーツ加工を施す場合には、プリーティングマシン法が多用されている。
【0003】
プリーティングマシン法によって、布にプリーツ加工を施そうとする場合、通常、次のような構成を備えるプリーツ加工装置が用いられる。プリーツ加工装置の一例が、たとえば特許文献1に記載されている。
【0004】
プリーツ加工装置は、まず、プリーツ加工されるべき布を比較的低速で搬送するための搬送ローラを備えている。搬送ローラの周面は、布を配置するための作業面とされ、搬送ローラが回転することによって、布は、この周面に沿って搬送される。搬送ローラは、また、ヒータを内蔵しており、布を加熱するための加熱手段も兼ねている。
【0005】
また、プリーツ加工装置は、搬送ローラの周面との間で布を挟んだ状態とし、かつ、周面に向かって近接するように付勢される押圧部材を備えている。押圧部材は、たとえば、2個の押圧ローラの間に巻き掛けされた押圧ベルトを備え、この押圧ベルトは、搬送ローラの周面の所定角度範囲を覆うように配置され、搬送ローラに向かって所定の押圧力を及ぼす状態とされている。上記2個の押圧ローラの少なくとも一方はヒータを内蔵しており、押圧ベルトを介して布を加熱し得るようにされている。
【0006】
また、プリーツ加工装置は、布に複数の襞を形成するように、搬送ローラの周速より高速でかつ布の搬送方向に繰り返し往復動作しながら布に作用する、襞形成用爪を備えている。この襞形成用爪によって複数の襞が形成された布は、搬送ローラの周面と押圧ベルトとの間に挟まれた状態で、搬送ローラの回転に従って移動される。このとき、布に形成された複数の襞は、搬送ローラの周面と押圧ベルトとの間に挟まれることによって、その形態が維持され、また、搬送ローラおよび押圧ローラからの加熱により、その形態がセットされる。
【0007】
このようにして、複数の襞を形成する、プリーツ加工された布が得られる。
【0008】
従来、プリーツ加工された染色布を得ようとする場合、布に予め所望の染色加工を施し、次いで、上述したようなプリーツ加工が実施されるのが通常である。この場合、染色加工業者とプリーツ加工業者とは全く別であるため、特定の図柄が染色されかつ特定の形態のプリーツ加工が施された商品としての布を得ようとする場合、まず、染色加工業者にて、原料としての布に所望の図柄を染色し、その後、染色された布をプリーツ加工業者まで運送し、そして、プリーツ加工業者にて布にプリーツ加工を施すといった複数の段階を踏まなければならず、注文から納期まで比較的長い期間が必要とされる。そのため、多様な注文に迅速に対応できないという課題がある。
【0009】
なお、上記の課題を必ずしも解決し得るものではないが、プリーツ加工を施した後に染色加工を施すことも考えられる。しかしながら、染色加工を通常の捺染技術を用いて行なう場合、水および熱を用いることから、プリーツ加工においてセットされたプリーツ形態が解かれたり、緩んだりしてしまうという不都合を招くことが考えられる。したがって、通常は、前述したように、染色加工が先に実施され、その後、プリーツ加工が施されるようにされる。
【0010】
他方、捺染技術の特殊なものとして、昇華型染料インクを用いた転写捺染が知られている。転写捺染は、ポリエステル生地を染色するために用いられる分散染料が昇華する性質を利用したもので、分散染料からなる昇華型染料インクが付与された転写紙を、布に接するように配置し、これら布および転写紙を重ね合わせた状態でプレスしながら熱を加えることによって、昇華型染料インクを昇華させて布に転写する、といった捺染技術である。
【0011】
上述した転写捺染技術を用いると、特許文献2の「従来の技術」の欄に記載されているように、プリーツ加工された布に所望の図柄を染色することができ、この場合には、予めセットされたプリーツ形態が解かれたり、緩んだりすることがない。
【0012】
しかしながら、予めプリーツ形態が付与された布に上述の転写捺染技術を適用すると、布における襞の形成によって隠れたかげの部分は染色されないという問題に遭遇する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特公昭46−28720号公報
【特許文献2】特開平9−158034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、この発明の目的は、布の任意の面および部分に染色を施すことができるとともに、図柄およびプリーツ形態に対する多様な要望に迅速に対応できる、プリーツ加工された染色布の製造方法を提供しようとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、プリーツ加工された染色布の製造方法に向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、簡単に言えば、プリーツ加工装置を用いて、プリーツ加工だけでなく、染色加工をも行なうことを特徴とし、さらに、染色加工では、転写捺染を適用し、転写捺染において必要とする加熱・プレス工程を、プリーツ加工において襞をセットするための加熱・プレス工程と兼ねることを特徴としている。
【0016】
すなわち、この発明に係る製造方法は、加工されるべき布を用意する工程と、布に転写捺染を施すために用いられるもので、昇華型染料インクが付与された転写紙を用意する工程と、布を、所定の作業面と作業面に向かって近接するように付勢される押圧部材との間に挟んだ状態で搬送する工程と、搬送する工程を実施しながら、布の搬送速度より高速でかつ布の搬送方向に繰り返し往復動作する襞形成用爪を布に作用させることによって、布に複数の襞を形成する、襞形成工程と、昇華型染料インクが付与された面が布に接する状態となるように転写紙を供給する、転写紙供給工程と、襞を形成した布を、転写紙とともに、作業面と押圧部材との間に挟んだ状態で加熱およびプレスし、それによって、襞をセットするとともに、昇華型染料インクを昇華させて布に転写する、加熱・プレス工程とを備えることを特徴としている。
【0017】
第1の実施態様では、転写紙供給工程は、襞形成工程の前に実施され、襞形成工程は、布および転写紙を重ねた状態で実施される。
【0018】
第2の実施態様では、転写紙供給工程は、襞形成工程の後に実施され、加熱・プレス工程では、転写紙が、布における襞の形成によって隠されていないおもて面にのみ接する状態とされる。
【0019】
布の両面に染色を施そうとする場合には、転写紙として、第1および第2の転写紙が用意され、転写紙供給工程では、布の互いに対向する第1および第2の主面にそれぞれ接するように第1および第2の転写紙が供給される。
【0020】
襞形成工程において、布を補強するための補強紙が用いられる場合には、転写紙は、布と補強紙との間に位置される。
【0021】
また、襞形成工程において、布を補強するための補強紙が布の一方主面側においてのみ配置される場合、転写紙は、布の、少なくとも補強紙が配置されない側の主面に接するように供給されることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、プリーツ加工と同時に染色加工をも行なうようにしているため、図柄およびプリーツ形態に対する多様な要望に迅速に対応することができる。
【0023】
また、染色加工では転写捺染を適用し、転写捺染において必要とする加熱・プレス工程を、プリーツ加工において襞をセットするための加熱・プレス工程と兼ねるようにしているので、加熱およびプレスのためのエネルギー消費の重複を避けることができ、省エネルギーに寄与することができる。
【0024】
また、プリーツ加工業者が従来から保有しているプリーツ加工装置に、転写捺染のための転写紙を供給するための機構を付加するだけで、この発明に係る製造方法を実施することができるので、新たな設備投資を必要とせず、この発明に係る製造方法を経済的に実施することができる。
【0025】
また、転写紙を供給するタイミングを、襞形成工程の前にしたり、後にしたり、あるいは、転写紙を布の両面に供給したり、片面に供給したりするといった種々のバリエーションが可能である。したがって、この点においても、図柄に対する多様な要望に迅速に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の第1の実施形態による製造方法を実施している状態にあるプリーツ加工装置の全体の概略を示す側面図である。
【図2】図1の部分Aにおける布等の重なり状態を側方から示す図である。
【図3】図1の部分Bにおける布等の重なり状態を側方から示す図である。
【図4】この発明の第2の実施形態を示す、図2に対応する図である。
【図5】この発明の第3の実施形態を示す、図2に対応する図である。
【図6】この発明の第4の実施形態を示す、図2に対応する図である。
【図7】この発明の第5の実施形態による製造方法を実施している状態にあるプリーツ加工装置の全体の概略を示す側面図である。
【図8】図7に示した第5の実施形態を実施して得られた染色布を側方から示す図である。
【図9】この発明の第6の実施形態を示す、図8に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、この発明の第1の実施形態を説明するためのものであるが、この図1を参照して、この第1の実施形態を実施するために用いられるプリーツ加工装置1の概略構成について説明する。
【0028】
プリーツ加工装置1は、加工されるべき布2を比較的低速で搬送するための搬送ローラ3を備えている。搬送ローラ3の周面4は、布2を配置するための作業面とされ、搬送ローラ3が矢印5方向に回転することによって、布2は、周面4に沿って矢印6方向に搬送される。搬送ローラ3は、図示しないヒータを内蔵しており、布2等を加熱するための加熱手段を兼ねている。
【0029】
また、プリーツ加工装置1は、搬送ローラ3の周面4との間で布2を挟んだ状態とし、周面4に向かって近接するように付勢される押圧部材としての押圧ベルト7を備えている。押圧ベルト7は、たとえばフェルト材またはステンレス鋼からなり、2個の押圧ローラ8および9の間に巻き掛けされる。押圧ベルト7は、搬送ローラ3の周面4の所定角度範囲を覆うように配置され、搬送ローラ3に向かって所定の押圧力を及ぼす状態とされている。一方の押圧ローラ8は、図示しないヒータを内蔵しており、押圧ベルト7を介して布2等を加熱し得るようにされている。
【0030】
また、プリーツ加工装置1は、布2に複数の襞10および11(図3参照)を形成するように、搬送ローラ3の周速、すなわち布2の搬送速度より高速でかつ布2の搬送方向に両方向矢印12で示すように繰り返し往復動作しながら布2等に作用する、襞形成用爪13を備えている。
【0031】
上述の襞形成用爪13によって複数の襞10および11が形成された布2は、搬送ローラ3の周面4と押圧ベルト7との間に挟まれた状態で、搬送ローラ3の回転に従って移動される。このとき、布2に形成された複数の襞10および11は、搬送ローラ3の周面と押圧ベルト7との間に挟まれることによって、その形態が維持され、かつ、搬送ローラ3および押圧ローラ8からの加熱により、その形態がセットされる。このようにして、複数の襞10および11を形成するようにプリーツ加工された布2が得られる。
【0032】
上述したように、襞形成用爪13を布2に作用させることによって布2に襞10および11を形成するに際して、布2の腰の弱さを補うとともに、襞形成用爪13による布2の損傷を防止するため、布2は、上補強紙14および下補強紙15によって挟まれた状態で取り扱われるのが通常である。上補強紙14は、上補強紙ロール16から矢印17方向に引き出され、他方、下補強紙15は、下補強紙ロール18から矢印19方向に引き出される。
【0033】
さらに、この発明の特徴となるもので、布2に転写捺染を施すために用いられる上転写紙20および下転写紙21が用意される。上転写紙20および下転写紙21は、昇華型染料インクが各々の片面に付与されたもので、各々所望の図柄を構成している。
【0034】
上転写紙20は、上転写紙ロール22から矢印23方向に引き出され、昇華型染料インクが付与された面が布2に接する状態となるように供給される。他方、下転写紙21は、下転写紙ロール24から矢印25方向に引き出され、昇華型染料インクが付与された面が布2に接する状態となるように供給される。
【0035】
プリーツ加工装置1は、布2を供給する布ロール26、ならびに上述した上補強紙ロール16、下補強紙ロール18、上転写紙ロール22および下転写紙ロール24をそれぞれ保持する台(図示せず。)を備えている。また、これらロール26、16、18、22および24から引き出された布2、上補強紙14、下補強紙15、上転写紙20および下転写紙21をそれぞれ、図1の部分Aにおいて、図2に示した重なり状態となるように案内するローラ等(図示せず。)を備えている。
【0036】
図2に示すように、部分Aでは、布2の互いに対向する上方主面および下方主面にそれぞれ接するように上転写紙20および下転写紙21が位置され、さらにその外側に、上補強紙14および下補強紙15が配置された積層構造物27が形成されている。したがって、襞形成用爪13による襞形成工程、搬送ローラ13および押圧ベルト27による加熱・プレス工程は、上述の積層構造物27に対して実施される。加熱・プレス工程では、襞10および11を形成した布2が、上転写紙20および下転写紙21とともに、搬送ローラ3の周面4と押圧ベルト7との間に挟まれた状態で加熱およびプレスされるので、襞10および11がセットされるばかりでなく、上転写紙20および下転写紙21上の昇華型染料インクが昇華し、布2に転写される。
【0037】
上記加熱・プレス工程を終えた図1の部分Bでの積層構造物27の重なり状態が図3に示されている。図3に示すように、布2には、複数の襞10および11を有するプリーツ加工が施されているとともに、上転写紙20および下転写紙21から転写された図柄が上方主面および下方主面に染色されている。
【0038】
なお、図3では、布2に山襞10と谷襞11とが交互に等間隔に位置するクリスタルプリーツが施された例が示されている。襞形成用爪13の往復動作のストロークを変更することにより、山襞10と谷襞11との間隔を調整することができる。また、襞形成用爪13の往復動作のストロークおよびタイミングを変更することにより、たとえば、後述する図8に示すようなサイドプリーツや図9に示すようなボックスプリーツなど、種々のプリーツ形態を実現することができる。なお、図示しないが、プリーツ加工装置には、その他種々の形式のものがあり、たとえば、押圧ベルト7に代えてローラが配置されるものもあり、また、襞形成用爪について言えば、布の上下に対をなして配置されるものもある。
【0039】
図3に示した布2では、前述したように、その両面に所望の図柄が染色されるが、転写捺染によれば、一方の面に転写された染料が他方の面にまで到達することがほとんどないため、布2の各面に染色される図柄を、問題なく互いに異ならせることができる。
【0040】
上述のように、プリーツ加工と転写捺染とを同時に行おうとする場合、加熱・プレス工程での条件が、転写捺染にもプリーツ加工にも適合する必要があるが、従来から行なわれている転写捺染での加熱・プレス工程の条件とプリーツ加工での加熱・プレス工程の条件とは都合良くほぼ共通していることがわかった。一例として、搬送ローラ3のみを熱源とする場合、これを約230℃に設定すれば、10〜15秒の加熱・プレス工程で転写捺染およびプリーツ加工がともに達成できることが確認された。また、搬送ローラ3および押圧ローラ8の両者を熱源とした場合、これらを約210℃に設定すれば、10〜15秒で転写捺染およびプリーツ加工がともに達成できることが確認された。
【0041】
図4ないし図6は、図2に対応する図であって、それぞれ、第2、第3および第4の実施形態を示している。図4ないし図6において、図2に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。以下に、図2に示したものと異なる点について説明する。
【0042】
図4に示した第2の実施形態では、下転写紙21が省略されている。したがって、布2の上方主面にのみ染色が施される。
【0043】
図5に示した第3の実施形態では、下転写紙21が省略されるばかりでなく、上補強紙14も省略される。この実施形態では、布2の上方主面にのみ染色が施されるが、プリーツ加工において、上転写紙20が補強紙の役割をも果たす。
【0044】
図6に示した第4の実施形態では、上補強紙14および下補強紙15が省略される。布2の両面に染色が施されるが、上転写紙20および下転写紙21が、それぞれ、上補強紙および下補強紙の役割をも果たす。
【0045】
図7は、この発明の第5の実施形態を説明するためのもので、図1に対応する図である。図7において、図1に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0046】
図7に示した第5の実施形態では、図1に示した第1の実施形態の場合と比較して、まず、上補強紙14および下転写紙21が省略される。そして、上転写紙20は、襞形成用爪13より下流側から搬送ローラ3の周面4と押圧ベルト7との間に供給される。すなわち、上転写紙20の供給工程が、襞形成用爪13による襞形成工程の後に実施される。
【0047】
図7に示した工程を経て得られた布2の一例が図8に示されている。図8に示した布2はサイドプリーツが施されたものである。図7に示した上転写紙20は、加熱・プレス工程では、布2における襞10および11の形成によって隠されていないおもて面28のみ接する状態とされる。したがって、布2の上方主面でのおもて面28にのみ染色が施され、かげ面29には染色が施されない。したがって、襞10および11を広げるように布2を伸ばすと、ストライプ状の染色領域が現れる。
【0048】
図9は、この発明の第6の実施形態を示す、図8に対応する図である。図9において、図8に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0049】
図9に示した布2にはボックスプリーツが施されている。図7に示した工程を経て、図9に示すようなボックスプリーツを形成すれば、布2の上方主面におけるおもて面28にのみ染色が施され、かげ面29には染色が施されない。したがって、この実施形態の場合も、襞10および11を広げるように布2を伸ばせば、染色領域がストライプ状に現れる。
【符号の説明】
【0050】
1 プリーツ加工装置
2 布
3 搬送ローラ
4 周面(作業面)
7 押圧ベルト
8,9 押圧ローラ
10,11 襞
13 襞形成用爪
14,15 補強紙
20,21 転写紙
28 おもて面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工されるべき布を用意する工程と、
前記布に転写捺染を施すために用いられるもので、昇華型染料インクが付与された転写紙を用意する工程と、
前記布を、所定の作業面と前記作業面に向かって近接するように付勢される押圧部材との間に挟んだ状態で搬送する工程と、
前記搬送する工程を実施しながら、前記布の搬送速度より高速でかつ前記布の搬送方向に繰り返し往復動作する襞形成用爪を前記布に作用させることによって、前記布に複数の襞を形成する、襞形成工程と、
前記昇華型染料インクが付与された面が前記布に接する状態となるように前記転写紙を供給する、転写紙供給工程と、
前記襞を形成した前記布を、前記転写紙とともに、前記作業面と前記押圧部材との間に挟んだ状態で加熱およびプレスし、それによって、前記襞をセットするとともに、前記昇華型染料インクを昇華させて前記布に転写する、加熱・プレス工程と
を備える、プリーツ加工された染色布の製造方法。
【請求項2】
前記転写紙供給工程は、前記襞形成工程の前に実施され、前記襞形成工程は、前記布および前記転写紙を重ねた状態で実施される、請求項1に記載のプリーツ加工された染色布の製造方法。
【請求項3】
前記転写紙供給工程は、前記襞形成工程の後に実施され、前記加熱・プレス工程では、前記転写紙は、前記布における前記襞の形成によって隠されていないおもて面にのみ接する状態とされる、請求項1に記載のプリーツ加工された染色布の製造方法。
【請求項4】
前記転写紙として、第1および第2の転写紙が用意され、前記転写紙供給工程では、前記布の互いに対向する第1および第2の主面にそれぞれ接するように前記第1および第2の転写紙が供給される、請求項1ないし3のいずれかに記載のプリーツ加工された染色布の製造方法。
【請求項5】
前記襞形成工程において、前記布を補強するための補強紙が用いられ、前記転写紙は、前記布と前記補強紙との間に位置される、請求項1ないし4のいずれかに記載のプリーツ加工された染色布の製造方法。
【請求項6】
前記襞形成工程において、前記布を補強するための補強紙が前記布の一方主面側においてのみ配置され、前記転写紙は、前記布の、少なくとも前記補強紙が配置されない側の主面に接するように供給される、請求項1ないし4のいずれかに記載のプリーツ加工された染色布の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−6802(P2011−6802A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149346(P2009−149346)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(592241021)畑野産業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】