説明

プレイヤ個人の仮想人格育成システム

【課題】ある種類のゲームのゲーム筐体でプレイを行う場合、異なる種類のゲーム筐体の現在までのプレイヤの経験を引き継いで今回のゲームにその経験となるデータを反映することができるプレイヤ個人の仮想人格育成システムを提供する。
【解決手段】携帯ゲーム機1をゲーム筐体4−1などに接続してゲーム筐体4─1にプレイヤのIDを送り、このIDとランク変動値を求めるなどの要求をサーバ装置3に送出する。サーバ装置3では保存している仮想人格データを用いた要求に則した演算を行いゲーム筐体に演算した変動値を返信する。ゲーム筐体4−1は返信された変動値をプレイヤの車に反映する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯ゲーム機をプレイヤ固有のアクセス装置として用い、各種ゲーム筐体でゲームをプレイするたびに、プレイヤ個人の仮想人格を、複数のゲーム間に共通なプレイデータとして育てることができるプレイヤ個人の仮想人格育成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム筐体で各ゲームをプレイしたデータはそのゲームシステム固有のものであり、他のゲームで使用することはできなかった。例えばRPGの場合、プレイヤがプレイしてゲームキャラクタを成長させたとしても、他の異なる種類のゲームをプレイする際には、その成長させたデータを用いることができず、始めから成長させなおす必要があり、現在まで積み重ねて経験,プレイ傾向などを反映することはなかった。
【0003】
特許文献1は相手キャラクタとの対戦のみならず、プレイヤキャラクタの行動のすべてに能力を成長させる要素を盛り込んだビデオゲーム装置である。これはプレイヤキャラクタや複数の相手キャラクタ等をキャラクタ表示制御部でディスプレイ装置に表示させ、アクション結果管理部にコントローラにより操作されるプレイヤキャラクタの行動内容とプレイヤキャラクタの個々の能力を変化させるための能力別パラメータと経験値との関係を規定したパラメータリストを用意しておき、コントローラからの指示内容を指示解読部で解読して該当する経験値を取得して経験値格納部に蓄積し、蓄積結果に応じてプレイヤキャラクタが保有する能力のいずれかを変化させるものである。
キャラクタの能力は能力別パラメータとして強さ,防御,賢さ,素早さ,運があり、これらパラメータは相手キャラクタとのバトルによって変化するが、これらパラメータは該ビデオゲーム装置のみで用いるものであり、他の種類のゲーム機では用いることができない。
【0004】
また、特許文献2は、プレイヤによる操作傾向がキャラクタの成長に詳細に反映されるようにしたゲーム装置であり、コントローラにおけるボタン操作の回数をボタン毎にカウントするボタン押下カウンタを設けておき、このボタン押下カウンタのカウント値に対応する攻撃パラメータが設定された攻撃パラメータテーブルを格納し、CPUはプレイヤキャラクタによる攻撃を指示するボタン操作が行われると、カウント値をインクリメントし、攻撃パラメータを更新することにより、プレイヤによる操作傾向を反映させるものである。特許文献2もこのように更新された攻撃パラメータを特許文献1と同様、他の種類のゲーム機で反映させようとするものではない。
【特許文献1】特開平11−76621号公報
【特許文献2】特開2000−189673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ゲーム内容が異なる各ゲーム筐体のプレイ結果を仮想人格データとしてサーバ装置に保持し、つぎにプレイするゲーム筐体では現在までの仮想人格データを用いてそのゲーム筐体に対応したランク変動値やプレイ傾向に対するポイント値などを算出するようサーバ装置に要求を出し、サーバ装置では要求に対する演算を行い、その値を要求したゲーム筐体に返信することにより、ある種類のゲームのゲーム筐体でプレイを行う場合、異なる種類のゲームのゲーム筐体の現在までのプレイヤの経験を引き継いで今回のゲームにその経験となるデータを反映することができるプレイヤ個人の仮想人格育成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、ID情報を持つプレイヤの携帯端末と、それぞれ異なるゲーム内容をプレイするための複数のゲーム筐体と、前記各ゲーム筐体とネットワークで接続され、ゲームの種類を示す複数の項目に対するプレイ回数,プレイヤの性格を表すプレイスタイルの複数の項目に対する発生回数およびキャラクタの能力を示すプレイ傾向の複数の項目に対するレベル値を記憶内容とする仮想人格データを格納する記憶部を有し、各ゲーム筐体で設定されている要求に対し、その要求対応の演算を行い、演算結果を要求したゲーム筐体に返信するサーバ装置とを備え、それぞれ異なる種類のゲーム内容のゲーム筐体に対し、プレイヤの携帯端末を接続することにより、接続されたゲーム筐体にプレイヤのIDを入力し、該入力したIDをサーバ装置に送信するとともに接続されたゲーム筐体が、各ゲーム筐体で設定されている要求を出すことにより前記サーバ装置でID対応の仮想人格データを用いた演算を行わせ、算出された演算の値を返信させ、返信させた演算結果により要求を出したゲーム筐体のゲームの難易度またはゲーム筐体に登場するキャラクタの能力値を変更し、各ゲーム筐体はプレイヤの操作にしたがって変更したゲームの難易度または変更した能力のキャラクタでゲームを実行し、ゲーム実行によりそのゲーム筐体のゲームの種類を示す項目に対しプレイ回数の加算値を前記サーバ装置に送信し、さらにゲーム実行により予め決められている状況が発生してプレイスタイルのいずれかの項目が発生した場合、その発生回数を、キャラクタの能力を示すプレイ傾向の項目のいずれかにレベル値の上昇があった場合、レベル値を変更するボーナスポイントを前記サーバ装置に返信し、前記サーバ装置は前記記憶部の仮想人格表のデータを前記返信された値で更新することを特徴とする。
本発明の請求項2は請求項1記載の発明において前記携帯端末と各ゲーム筐体との接続は、前記携帯端末および各ゲーム筐体に無線通信部を有し、該無線通信部による通信により接続することを特徴とする。
本発明の請求項3は請求項1または2記載の発明において前記ゲーム筐体の1つはプレイヤの車とコンピュータの車または他のプレイヤの車とレースを行うドライブゲーム筐体であることを特徴とする。
本発明の請求項4は請求項3記載の発明において前記各プレイスタイルは、せっかち度を表すハッスルスタイル,落ち着き度を表すディグニフィードスタイルおよび正確さを表すアキュラシータイプを有し、ドライブゲーム筐体では、前記ハッスルスタイルは、壁に車を接触した回数が所定回数になった場合やコースアウトになった回数が所定回数になった場合、その発生回数を加算値とし、前記ディグニフィードスタイルは、車がコースよりはみ出すことがなかったカーブの数が所定回数になった場合、その発生回数を加算値とし、前記アキュラシータイプは、コース1周の時間を所定の誤差内で達成した場合、その発生回数を加算値とすることを特徴とする。
本発明の請求項5は請求項4記載の発明において前記ドライブゲーム筐体が前記サーバ装置に要求する内容は、所定値内のランク変動値であり、前記サーバ装置では該ランク変動値は前記記憶部に格納されているドライブゲームの項目のプレイ回数に従って算出され、前記記憶部に格納されている各プレイスタイルの発生回数に対し所定の演算を行って各プレイスタイルに対するスコアを算出し、該算出されたランク変動値に対し前記スコアの算出値を対応付けることにより、ランク変動値の確定値である慣熟度を算出し、該慣熟度を前記ドライブゲーム筐体に返信することを特徴とする。
本発明の請求項6は請求項1または請求項2記載の発明において前記ゲーム筐体の1つは、プレイヤキャラクタがプレイヤの操作にしたがった行動を行い、プレイヤキャラクタが備える複数種類の能力値を敵キャラクタと戦闘を行った場合などに変動させることによりプレイヤキャラクタを成長させながらプレイヤキャラクタが目的を達成するRPGゲーム筐体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、ある種類のゲームのプレイ結果を他の種類のゲーム機をまたいで継続していくことができるので、あるゲームの可動期間が終了したとしても他の種類のゲームへ自分の経験を引き継がせることができる。このようなシステムによってプレイヤ各個人は、自分の仮想人格データという各種類のゲーム機共通のデータに対する親愛度を上昇させことができ、結果として各ゲーム筐体への継続的な集客効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるプレイヤ個人の仮想人格育成システムの概略を示すブロック図である。
本システムはプレイヤが持つ携帯ゲーム機1と、ゲームセンタなどに設置され、それぞれ異なるゲームプレイを行うための各ゲーム筐体4−1〜4−nと、各ゲーム筐体4−1〜4−nをネットワーク2で接続し、仮想人格表を記憶し、各種演算し処理するためのサーバ装置3から構成されている。
ゲーム筐体はドライブゲーム筐体4−1,RPGゲーム筐体4−2,ガンゲーム筐体4−3,シューティングゲーム筐体4−4・・・バトルゲーム筐体4−nであり、これらゲーム筐体は同じゲームセンタに設置されていても、それぞれ異なるゲームセンタに分散設置されていても良い。
【0009】
携帯ゲーム機1および各ゲーム筐体は無線通信部1a,4−1a〜4−naを有し、携帯ゲーム機の無線通信部1aとぞれぞれのゲーム筐体の無線通信部4−1a〜4−naとは、ゲーム筐体にコインが投入された段階で通信が可能となり、携帯ゲーム機1からプレイヤのID(携帯ゲーム機1のシリアルナンバ)がゲーム筐体に送られる。通信できるサービスエリアはゲーム筐体の設置位置から一定の範囲の狭い範囲であり、プレイヤがゲーム筐体の前に立つ場所は通信可能レベルになるように設定されている。したがって付近に配置されている他の種類のゲーム筐体の無線通信部と間違って通信することはない。無線通信方式は無線LAN,BlueTooth,近電磁界無線方式などが用いられる。
【0010】
図2は、携帯ゲーム機の詳細を示すブロック図である。
携帯ゲーム機1はボタン,十字キーなどで構成される操作部11,ID情報(シリアルナンバ)を格納するROM12,演算や一時データ記憶のためのRAM13,ゲームプログラムを内蔵するメモリカードを装着するカードスロット15,装着されたメモリカードの読み書きを制御するメモリカード制御部14,無線LAN方式などの無線通信部16,ゲーム実行やデータ通信のためのCPU17,ゲーム内容やメニュー画面などを表示する液晶表示部18,ゲームのバックグランドミュージックやゲームでの操作音,音声などを出力するためのサウンド回路19およびスピーカ20を備えている。
【0011】
ROM12には携帯ゲーム機全体の制御を司る制御プログラムおよびそのために必要なデータも格納されている。さらにこの携帯ゲーム機のシリアル番号をID情報としてID送信処理を行うID送信プログラムも格納されている。CPU17はROM12から制御プログラムを読み出し実行することによりゲーム制御部17aの、ID送信プログラムを読み出し実行することによりID送信処理部17bの各機能を実現する。
この携帯ゲーム機1でゲームをする場合には、例えば、パズルゲームプログラムが格納されているメモリカードをカードスロット15に装着し、CPU17のゲーム制御部17aによってパズルゲームプログラムを実行することにより、パズルゲームの開始画面が液晶表示部18に表示される。プレイヤは液晶表示部18の画面を見ながら操作部11で操作することにより、パズルゲームを行う画面を表示し、パズルゲームを進行させ、ゲームを楽しむことができる。
【0012】
携帯ゲーム機1をID情報確認のための個人認識装置として使用する場合には、操作部11で所定の操作をすることにより、ID送信処理部17bの機能を読み出す。プレイヤは液晶表示部18に表示されるID情報送信のための画面で無線通信部16によってゲーム筐体と通信可能になったことを確認することができ、プレイヤ特定のためのID情報が送信可能となる。ゲーム筐体側が通信可能状態になれば、ID情報は送信される。
【0013】
図3はドライブゲーム筐体の詳細を示すブロック図である。
コイン投入部35はコイン関連装置23に接続され、コイン関連装置23に投入したコインが収容され、そのデータが入出力制御装置24に送られる。操作部21はアクセルペダル,シフトレバー,ブレーキペダル,ハンドルなどを含んでおり、これら情報は入出力制御装置24に送られる。さらに決定ボタンなどがあり、その操作情報は同様に入出力制御装置24に送られる。入出力制御装置24は受信したデータをバス25を介してCPU22に送出する。ROM28にはゲーム機の制御プログラム,レースゲームプログラム,必要なデータおよび通信処理を行うための通信処理プログラムが格納されている。
RAM29はCPU22が演算,処理を行うときに作業エリアとして用いられる。RAM29は、またレースの履歴データ(走行中のフレーム毎のハンドル,アクセル,ブレーキ状態,位置,速度,コース外れ回数,壁に衝突回数等)などを一時的に保持する。
【0014】
サウンド処理部27ではCPU22からの指示により、BGMなどの音楽信号の出力処理がなされ、デモ時やゲーム中にスピーカ33から音楽などが流れる。
CPU22はROM28から読み込まれた制御プログラムにしたがってゲーム機全体を制御する制御部22a,レースゲームプログラムによってゲームを実行処理するドライブゲーム実行部22bおよび通信処理プログラムによってサーバ装置,携帯ゲーム機と通信処理を行う通信処理部22cの各機能を備えている。
通信部32は通信処理部22cの処理によってネットワークを介してサーバ装置とデータの送受信を行う。また、無線通信部31は通信処理部22cの処理によって携帯ゲーム機と通信を行い、送られてくるID情報を受信する。
【0015】
図5は、サーバ装置の詳細を示すブロック図である。
サーバ装置3はゲーム筐体と通信を行うための通信部61,CPU64,データベース制御部68,データベース65,メモリ部66およびバッファ部67を有している。
データベース65にはプレイヤのID情報毎に仮想人格表が格納されている。仮想人格表はゲームの種類を示す各項目に対しプレイ回数を,プレイヤの性格を表すプレイスタイルの各項目に対し発生回数を、キャラクタの能力を示すプレイ傾向の各項目に対しレベル値を記憶内容とする仮想人格表が格納されている。ゲーム筐体でプレイが行なわれた後、そのゲーム筐体から送られるそのゲームの種類の項目のプレイ回数,プレイスタイルの項目の発生回数,プレイ傾向の各項目のレベル値の加算値によって仮想人格表は更新される。
【0016】
CPU64はメモリ部66に格納されているサーバ装置制御プログラムを読み出し、実行することにより要求受信部64a,ゲーム筐体判定部64b,演算部64cおよび演算結果送信部64dの各機能を備えている。
バッファ部67は受信したデータを一時的に蓄積し、送信の場合にはCPU64からの送信データを一時的に蓄積するものである。
要求受信部64aは、通信部61を介してゲーム筐体から送られてくる、例えばドライブゲームのランク変動値が±3の範囲でランク変動値を算出すべき要求がIDとともに送られてくると、これを受信するものである。要求受信部64aは、要求を受信すると、制御をゲーム筐体判定部64bに渡す。ゲーム筐体判定部64bはどのゲームの種類のゲーム筐体からの要求かを判定するものである。演算部64cはその要求に応じた演算処理を行うものである。演算によって例えばドライブゲームでは要求範囲内の変動値が算出されると、演算結果送信部64dに制御を渡す。演算結果送信部64dは算出された変動値などの結果を通信部61により要求したゲーム筐体に送信する。
【0017】
図8は、仮想人格表のゲーム種類,プレイスタイルおよびプレイ傾向の項目の例およびそれらの更新される回数,レベル数値(例えば0〜200で表す)の例を示す図である。
IDがsn00001234のプレイヤの仮想人格表であり、ゲームの種類はDRIVE _PLAY(ドライブゲーム),BATTLE_PLAY(バトルゲーム),GUN _PLAY(ガンゲーム),SHOOTING_PLAY(シューティングゲーム),RPG _PLAY(ロールプレイングゲーム)であり、それぞれのプレイ回数は 100, 0,30,10,0 となっている。
ゲームの種類は5項目であるが、これら以外の他の種類のゲームを増加させることができる。
プレイスタイルはHASTLE_STYLE (せっかち度),DIGNIFIED _STYLE (落ち着き度),ACCURACY_TYPE(正確度)であり、それぞれの発生回数は50,0 ,10となっている。
せっかち度はドライブゲームでいえば所定回数コースを外れた場合などであり、これを1回の発生回数とする。各ゲームの種類毎にせっかち度となる内容は異なっており、プレイでその内容に該当すると1回の発生回数となる。落ち着き度はドライブゲームでいえば、所定の数のコーナーにおいて壁にぶつかることなく通過できた場合などであり、せっかち度と同様、各ゲームの種類毎に落ち着き度となる内容は異なっており、プレイでその内容に該当すると1回の発生回数となる。正確度は、例えばコース1周の時間を所定の誤差内で達成した場合などであり、1回の発生回数となる。上記状況に該当すれば発生回数が加算されていく。
プレイスタイルは3項目であるが、これら以外の他のプレイスタイルの項目を増加させることもできる。
【0018】
プレイ傾向はSTRENGTH_TYPE(体力),DURABILITY_TYPE(耐久力),POWER _TYPE(攻撃力),DEXTERITY _TYPE(器用さ),SPEEDY_TYPE(速度),INTELLIGENCE_TYPE
(知力),BEAUTY_TYPE (美しさ)である。レベル値は例えば0〜200の範囲であり、その値はそれぞれ 0 , 0, 3, 80 , 20 , 0, 0 となっている。体力の項目のレベル値は体力の強さを表すもの、耐久力ついては、防御できる程度を数値に表したもの、攻撃力については、ダメージを与える程度を表すもの、器用さについては、ある操作を上手にできる程度を表すもの、速度については速さに応じた程度を表すもの、知力については賢さの程度を表すもの、美しさについては、外見の程度を表すものである。
プレイ傾向は7項目を仮想人格データとしているが、これら以外のプレイ傾向の項目についても増加させることができる。
【0019】
つぎに図2,図3,図5を用い図6,図9のフローチャート(ゲーム筐体がドライブゲームの場合)の処理の流れを説明する。
ドライブゲーム筐体4−1の画像表示部34に待受画面が表示されている(ステップ(以下「S」という)001)。ゲーム制御部22aはコイン投入部35から所定のコインが投入されたか否かを監視している(S002)。コイン関連装置23は投入されたコインを収容し、収容されているコインのデータを入出力制御装置24に送る。ゲーム制御部22aは入出力制御装置24,バス25を介してコインのデータを受け、このデータにより所定のコイン投入を知ることができる。
所定のコインが投入されると、通信処理部22cは無線通信部31に指示を出し、携帯ゲーム機と通信可能状態となる。プレイヤが携帯ゲーム機1の操作部11で所定の操作をすることにより、ID送信処理部17bの機能を読み出す。これにより液晶表示部18にID情報送信のための画面が表示され無線通信部16によってドライブゲーム筐体と通信可能となり、ドライブゲーム筐体が通信可能であれば、プレイヤのIDが送信される。通信処理部22cは無線通信部31を通じてIDを受信し、ゲーム制御部22aはプレイヤのIDを得る(S003,S004)。
【0020】
ゲーム制御部22aはIDを得ると、該IDをRAM29に格納するとともに通信部32を通じてサーバ装置3にIDを送信し、ゲームデータ(ランク変動値)取得を要求する(S005)。このとき、ランク変動を±3の範囲で指定する。ランク変動の指定範囲は、ゲームデータとして予めROM28に格納されている。
サーバ装置3はこのような要求を受けると、図9で示すような処理を行い(S006)、算出したランク変動値をドライブゲーム筐体4−1に通信部61,ネットワークを介して返信する。
ゲーム制御部22aは算出されたランク変動値を受信し(S007)、該ランク変動値に適合した難易度にゲームを設定する(S008)。例えば変動値−1を受信すれば、コンピュータ車とレースを行う場合、コンピュータ車の上手下手のレベルを標準より一段階下手のレベルに設定する。
【0021】
ドライブゲーム筐体4−1の画像表示部34には車やコースなどを選択するゲーム選択画面が表示され(S009)、プレイヤが、例えば対戦相手としてコンピュータ車を選択し、プレイヤは最高速度の速い車を選択し、さらにコースを選択して所定の操作を行うことによりドライブゲーム実行部22bはドライブゲームを起動させる(S010,S011)。このとき、上述したようにコンピュータ車は一段階レベルが下手な設定となり、直線やカーブなどの走行が標準より遅かったり、左右に蛇行したりする。さらにコーナなどのブレーキングは通常のブレーキングより適切でなく、タイミングの悪いブレーキの掛け方などをする。
プレイヤがアクセル,ハンドル,ブレーキ操作を行うことにより、ドライブゲーム実行部22bはプレイヤの車を操作に従って走行させ、コンピュータ車も上記性能で走行させ競争を行わせる(S012)。
【0022】
ここで、このドライブゲームではプレイヤの操作のせっかち度を判断するようにしており、このドライブゲームでは例えば車がコースから外れる回数が4度発生した場合に、1回のせっかち度が加わるように設定されている。
ゲーム制御部22aはドライブプレイ中、ゲームが終了したか否かの判定を行っており、レースが終了した場合、ゲーム終了とする(S013)。
ゲーム中、例えばプレイヤの車が4度コースから外れ、せっかち度が+1となり、この値がRAM29に格納される。
ゲーム終了とともにゲーム制御部22aは通信処理部22cを通じてゲームの種類の項目DRIVE _PLAYは+1を,プレイスタイルのHASTLE_STYLE (せっかち度)の項目は+1を,SPEEDY_TYPEの項目は+1をサーバ装置3に送信する(S014)。
【0023】
ドライブゲームのような短時間で終了するゲームは1プレイで+1回が加わるようにしている。また、プレイヤが最高スピードの車を選択した場合、SPEEDY_TYPEの値を+1加算するようにしている。
サーバ装置3は上記仮想人格データの加算すべき値を受信すると、該値をデータベース制御部68の制御によってデータベース65内のDRIVE _PLAYに+1を加算し、その回数は「101」回に更新される。同様にHASTLE_STYLE に+1を加算し、その回数は「51」回に更新される。さらにSPEEDY_TYPEに+1を加算し、そのレベル値は「21」に更新される(S015)。
更新が終了すると、CPU64は更新終了の旨をドライブゲーム筐体4−1に送信する(S016)。
【0024】
ついでS006のサーバ装置内の処理について説明する。
図9において、サーバ装置3はID sn00001234のプレイヤの仮想人格表を用いて、ランク変動値を±3内の範囲で算出する要求を受信する(S0061)。
ゲーム筐体判定部64bは、要求ゲーム筐体の識別子によりゲーム筐体を特定する。この例ではドライブゲーム筐体と判定する(S0062)。
演算部64cは該サーバ装置に設定されている腕前算出の方法を用いてランク変動値を求める。ランク変動値は±3の範囲となっているので、4段階の設定を使用し、腕前算出表(1)を
(回数) (慣熟度) (ランク表示)
〜 10 初心者 ±0
11 〜 50 初級者 ±1
51 〜 200 中級者 ±2
201 〜 上級者 ±3
慣熟度ごとに回数,ランク表示を対応付ける表を作り、sn00001234のプレイヤの仮想人格表のDRIVE _PLAYの100回を読み出し、これを(1)の腕前算出表に当て嵌める。ランク変動値の変動値の範囲は±3の指定であるが、中級者が±2であるので、ランク変動値を±2に設定する(S0063)。
【0025】
演算部64cは、つぎにID sn00001234のプレイヤの仮想人格表のプレイスタイルの各項目の発生回数を用いてドライブゲームのスコア(各項目の発生回数を合計したもの)を予め決められた算出方法により求める(S0064)。スタイルはドライブゲームに対応するメインスタイルとサブスタイルの設定を用いる。メインスタイルとサブスタイルに対し係数を使用し、スタイルに対するスコアを算出する。HASTLE_STYLE (せっかち度),DIGNIFIED _STYLE (落ち着き度),ACCURACY_TYPE(正確度)の内のどれをメインスタイル,サブスタイルとして使用するかは、そして良影響,悪影響のどちらになるかはサーバ装置に設定されている。
メインスタイルは、そのゲームで主に使用するゲームスタイル100%使用であり、サブスタイルは関連性があると考えられるゲームスタイル10%使用である。ドライブゲームに設定されるスタイルは
メインスタイル
HASTLE_STYLE 悪影響
DIGNIFIED _STYLE 良影響
サブスタイル
ACCURACY_TYPE 良影響
である。スコア算出すると

影響を加えた回数 使用百分率 (スコア)
HASTLE_STYLE −50 × 100%= −50
DIGNIFIED _STYLE 0 × 100%= +0
ACCURACY_TYPE 10 × 10%= +1
スコア合計−49
このようにスコア合計は−49となる。
【0026】
演算部64cはつぎに上記スコアを慣熟度に変換し、これを最終的ランク変動値とし、演算結果送信部64dはこの値をドライブ筐体に返信する(S0065)。
ドライブゲームプレイ回数が100回であるので、±100を最大値とする。これを前記ランク変動値が±2であるので、スコアは下記のように慣熟度に対応付けられる。

スコア −100 −60 −20 +20 +60 +100
慣熟度 −2 −1 0 +1 +2
これに上記スコア−49を当て嵌めると、スコア−49のところは慣熟度−1となり、これを最終的な変動値−1としてドライブゲーム筐体4−1に返信する。
【0027】
つぎにゲーム筐体がRPGゲーム筐体である場合のブロック図および処理の流れを説明する。
図4はRPGゲーム筐体の詳細を示すブロック図である。
RPGゲーム筐体4−2は操作部41,CPU42,コイン関連装置43,入出力制御装置44,バス45,画像処理部46,サウンド処理部47,ROM48,RAM49,無線通信部51,通信部52,スピーカ53,画像表示部54およびコイン投入部55を備えている。
操作部41は十字キー,Aボタン,Bボタン,決定ボタンを備えており、ROM48にはRPGプログラムが格納されている。さらにROM48からRPGプログラムを読み出すことにより、CPU42はキャラクタ作成部42b,キャラクタ動作実行部42cを実現する。
上記操作部41,ROM48に格納されたゲームプログラム,CPU42が実現するゲーム制御部42a,キャラクタ作成部42b,キャラクタ動作実行部42cは、図3のドライブゲーム筐体の操作部21,ROM28に格納されたドライブゲームプログラム,CPU22が実現するドライブゲーム実行部とはそれぞれ機能が異なっている。他の構成部分は図3の各回路と同じ機能を果たすものである。
【0028】
ゲーム制御部42aはRPGゲーム筐体4−2の画像表示部54に、作成するキャラクタを選択する画面を画像表示部54に表示し、プレイヤが作成すべきキャラクタ、例えば勇者,戦士,賢者,魔法使い,商人などを操作部41の十字キーで選択し、決定ボタンを押すことにより選択することができる。ゲーム制御部42aはこの他にRPGゲーム開始時,プレイ時,終了時において他の機能部、例えば通信制御部42aや入出力制御装置44,サウンド処理部47,RAM49などに対し制御を行い、その場面に必要な機能(画像表示部54にある画面を表示,スピーカを鳴らす、コインの検出など)を実行する。
キャラクタ作成部42bは選択されたキャラクタが持つ能力,すなわち、体力,防御力,攻撃力,器用さ,速度などにそのキャラクタに予め決められているレベル値を付加し、さらにサーバ装置からの各能力に対するボーナスポイントがあれば、その分を能力に加える。さらにプレイするために必要なアイテムや項目なども加える。
キャラクタ動作実行部42cは登場しているキャラクタに対しプレイヤが操作することによりプレイヤが希望する行動を実行するものである。例えば、会話,前進,攻撃,逃走などの行動である。
【0029】
つぎに図2,図4,図5を用い図7,図10のRPGゲームの場合の処理の流れを説明する。
RPG筐体4−2の画像表示部54に待受画面が表示されている(S201)。ゲーム制御部42aはコイン投入部55から所定のコインが投入されたか否かを監視している(S202)。コイン関連装置43では投入されたコインを収容し、収容されたコインのデータを入出力制御装置44に送る。ゲーム制御部42aは入出力制御装置44,バス45を介してコインのデータを受け、このデータにより所定のコイン投入を知ることができる。
所定のコインが投入されると、通信処理部42dは無線通信部51に指示を出し、携帯ゲーム機と通信可能状態となる。プレイヤが携帯ゲーム機1の操作部11で所定の操作をすることにより、ID送信処理部17bの機能を読み出す。これにより液晶表示部18にID情報送信のための画面が表示され無線通信部16によってRPGゲーム筐体と通信可能となり、RPGゲーム筐体が通信可能であれば、プレイヤのID(携帯ゲーム機のシリアルナンバ)が送信される。通信処理部42dは無線通信部51を通じてIDを受信し、ゲーム制御部42aはプレイヤのIDを得る(S203,S204)。
【0030】
ゲーム制御部42aはIDを得ると、該IDをRAM49に格納するとともに通信部52を通じてサーバ装置3にIDを送信し、プレイ傾向を示す体力,耐久力,攻撃力,器用度,速度,知力の項目に対するボーナスポイント取得を要求する(S205)。このとき、ボーナスポイントの範囲は0〜3の範囲で、合計値3になるように指定する。この指定はRPGゲーム筐体に予め設定されているものである。
サーバ装置3はこのような要求を受けると、図10で示す処理を行い(S206)、算出したプレイ傾向のボーナスポイントをRPGゲーム筐体4−2に通信部61,ネットワークを介して返信する。
ゲーム制御部42aは算出されたボーナスポイントを受信し(S207)、作成するキャラクタに対し、プレイ傾向を示す器用度などにボーナスポイントを付加する(S208)。
【0031】
RPGゲーム筐体4−2の画像表示部54に作成すべきキャラクタを選択する画面を表示し(S209)、プレイヤが、例えば魔法使いを選択する(S210)と、キャラクタ作成部42bは魔法使いの必要な項目を設定するとともに器用度などのボーナスポイントを加える。さらにプレイするためのその他の必要なアイテムなども設定される。プレイヤが所定の操作を行うことによりキャラクタ動作実行部42cはプレイヤの操作にしたがってRPGゲームを開始する(S211)。
プレイヤが操作部の十字キーや各ボタンを操作することにより、キャラクタ動作実行部42cはキャラクタの操作に応じた行動を行わせRPGゲームを進行する(S212)。
【0032】
ゲーム制御部42aはRPGプレイ中、ゲームが終了したか否かの判定を行っており、所定の目的を達成した場合などに、ゲーム終了とする(S213)。
S212のRPGプレイ中、パラメータ変化タイミングになったとき、例えば、プレイして1時間経過したときやキャラクタのレベルが10レベル上昇したときに、パラメータ変更のデータ(例えば、知力の上昇したレベル値,器用さの上昇したレベル値)をサーバ装置に送信する。魔法使いとして作成された場合は、パラメータは知力と器用度が主に上昇する。どのような行動で、どの程度知力と器用度などを上昇させるかはRPGゲーム筐体にその判断基準が設定されている。
ゲーム中,またはゲーム終了とともにゲーム制御部42aは通信処理部42dを通じて例えばDEXTERITY _TYPE+1,INTELLIGENCE_TYPE+1をサーバ装置3に送信する(S214)。
【0033】
サーバ装置3は上記仮想人格データの加算すべき値を受信すると、データベース制御部68によってデータベース65内のRPG _PLAYに+1が加算され、その回数は「1」回に更新される。同様にDEXTERITY _TYPEに+1が加算され、その回数は「81」回に更新される。さらにINTELLIGENCE_TYPEに+1が加算され、その値は「1」となる(S215)。更新が終了すると、CPU64は更新終了の旨をRPGゲーム筐体4−2に送信する(S216)。
【0034】
ついでS206のサーバ装置内の処理について説明する。
図10において、サーバ装置3はID sn00001234のプレイヤの仮想人格表を用いて、体力,耐久力,攻撃力,器用度,速度,知力に対するボーナスポイントをそれぞれ0〜3の範囲で、合計値が3になるような要求を受信する(S2061)。
ゲーム筐体判定部64bは、要求ゲーム筐体の識別子によりゲーム筐体を特定する。この例ではRPGゲーム筐体と判定する(S2062)。
演算部64cはプレイ傾向の各項目(パラメータ)のレベル値と係数を用いてスコアを算出する(S2063)。プレイ傾向の項目のうち、最も大きい項目の数値を取得する。図8の仮想人格表の例ではプレイ傾向の器用さの項目が最大値であり80である。RPGでは要求される項目がプレイ傾向の項目(体力,耐久力など)であるので、プレイ傾向の項目を使用して算出する。
プレイ傾向の各項目のレベル値のスコア算出は以下のようにして行われる。
プレイ傾向のぞれぞれの項目に対し所定の係数を決められており、この係数と各項目のレベル値の積によりそれぞれの項目に対するスコアが算出される。
【0035】
(スコアの算出)
プレイ傾向の各項目の係数は以下の通りである。
(項目) (係数)
体力 STRENGTH_TYPE 100%
耐久力 DURABILITY_TYPE 100%
攻撃力 POWER _TYPE 100%
器用度 DEXTERITY _TYPE 100%
速度 SPEEDY_TYPE 100%
知力 INTELLIGENCE_TYPE 100%
この例では上記のように係数が決められているが、この係数値は後に変更することもできる。単純にしようとする項目が変更された場合やプレイ傾向の項目が増加した場合などである。変更内容は80%,50%などである。
プレイ傾向の各項目のスコアは以下のように計算される。
(項目) (レベル値) (係数)(スコア)
体力 STRENGTH_TYPE 0 × 100% = 0
耐久力 DURABILITY_TYPE 0 × 100% = 0
攻撃力 POWER _TYPE 3 × 100% = 3
器用度 DEXTERITY _TYPE 80 × 100% = 80
速度 SPEEDY_TYPE 21 × 100% = 21
知力 INTELLIGENCE_TYPE 0 × 100% = 0
【0036】
(ボーナスポイント算出)
つぎに演算部64cは上記算出されたスコアからボーナスポイントに変換する演算を行う(S2064)。上記スコアのうち、器用度のスコアが80で最大値であるので、これをボーナスポイントに変換するためのスケールとして用いる。ボーナスポイントは0〜3の範囲で要求されており、4段階であるので、スケールも4等分とする。
以下にその関係を示す。

スケール 0 20 40 60 80
ボーナスポイント | 0 | 1 | 2 | 3 |

(プレイ傾向の項目のスコア)
体力 0
耐久力 0
攻撃力 3
器用度 80
速度 21
知力 0
上記より体力は0 ,耐久力は 0,攻撃力は 0,器用度は 3,速度は1 ,知力は0 のボーナスポイントとなる。
【0037】
(ボーナスポイント調整)
このようにボーナスポイントに変換した後、ボーナスポイントを調整する(S2065)。演算部64cはボーナスポイントを加算し、その合計を「4」と算出する。このボーナスポイントの「4」は指定された範囲「3」より大きいため調整される。演算部64cは指定された値「3」を合計の値「4」で割って係数を求め、その係数と上記ボーナスポイントとの積を取る。
これを表で示すと以下のようになる。

(項目) (ボーナスポイント) (係数) (ボーナスポイント調整値)
体力 0 × 3/4 = 0
耐久力 0 × 3/4 = 0
攻撃力 0 × 3/4 = 0
器用度 3 × 3/4 = 9/4
速度 1 × 3/4 = 3/4
知力 0 × 3/4 = 0
上記表において、1未満は1に切り上げ、1以上は、端数を切り捨て整数化する。そして整数化したが、その合計が指定された合計値を下回った場合、端数部分が大きかったものから1づつ加算する。
このようにして求めた体力は0 ,耐久力は 0,攻撃力は 0,器用度は 2,速度は1 ,知力は0 となる。このプレイ傾向の各項目のうち器用度2,速度1のボーナスポイントが要求をしたRGBゲーム筐体4−2に返信される。
【0038】
以上のようにして器用度2,速度1を返信すると、RPGゲーム筐体で新しいゲームで魔法使いなどのキャラクタを作成する際、標準よりも少し器用で機敏であるというボーナスポイントを加味したキャラクタが作成される。
【0039】
ゲーム筐体は上記ドライブゲーム筐体,RPGゲーム筐体の他、ガンゲーム筐体,シューティングゲーム筐体,バトルゲーム筐体の場合も図3,図4のゲーム筐体ブロック図と同じように構成される。但し、操作部の構造,ROMに格納される各ゲームプログラム,ゲームプログラムの読み込みにより実現されるCPUの機能は、そのゲーム内容に適合したものとなる。ガンゲーム筐体,シューティングゲーム筐体およびバトルゲーム筐体でゲームを行う場合の処理の流れは図6のドライブゲーム筐体,図7のRPGゲーム筐体で示すような処理とほぼ同じような流れとなる。サーバ装置処理は各データベースに格納されている仮想人格表を用いるが、ゲームの種類の項目,プレイスタイルの項目およびプレイ傾向の項目の内、どの項目を用いるかはゲームの種類によって異なり、用いた項目によりそのゲームの種類の特有の処理を施して仮想人格表を用いた演算により与えられた変動値やボーナスポイントが算出され、算出された値が各種ゲーム筐体に返信される。
【0040】
ガンゲーム筐体に変動値やボーナスポイントが返信された場合、例えばガンさばきの器用さが増加し、射撃技能が向上するように反映される。シューティングゲーム筐体に返信された場合、例えば難易度が上がり、現れる敵の数が増加したり、つぎからつぎに現れる時間が短縮したりするというように反映される。さらにバトルゲーム筐体に返信された場合、例えばプレイヤ戦士の攻撃力が増加したり、防御力が増加したりするというように反映される。
【0041】
以上の実施の形態は、携帯ゲーム機と各ゲーム筐体とは無線で通信する例を説明したが、ケーブルによって接続するか、または携帯ゲーム機をゲーム筐体の装着部に携帯ゲーム機の端子を装着することにより有線で接続することも可能である。
さらにゲーム筐体からランク変動値やプレイ傾向の項目のボーナスポイントをサーバ装置に要求したが、要求内容はゲーム筐体のゲーム種類によって変わるものである。
また、ゲーム筐体はゲームセンタに設置されている業務用のドライブゲーム筐体,RPGゲーム筐体の例について説明したが、家庭用ゲーム機やパソコンであっても良い。かかる場合には、家庭用ゲーム機やパソコンは携帯ゲーム機と有線または無線で通信が可能であり、ネットワークを介してサーバ装置に接続されている。家庭用ゲーム機やパソコンには実施の形態で説明したドライブゲーム筐体やRPGゲーム筐体が有する同じ処理回路を含んでおり、家庭用ゲーム機やパソコンに接続されるサーバ装置も実施の形態で説明したサーバ装置と同じ処理回路を備えるものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
各ゲームセンタなどに設置される各種のゲーム筐体または家庭用ゲーム機,パソコンと、任意の場所に設置されるサーバ装置と、プレイヤが携帯する携帯ゲーム機により構成されるシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明によるプレイヤ個人の仮想人格育成システムの概略を示すブロック図である。
【図2】携帯ゲーム機の詳細を示すブロック図である。
【図3】ドライブゲーム筐体の詳細を示すブロック図である。
【図4】RPGゲーム筐体の詳細を示すブロック図である。
【図5】サーバ装置の詳細を示すブロック図である。
【図6】ドライブゲーム筐体でプレイした場合の本システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】RPGゲーム筐体でプレイした場合の本システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】仮想人格表の1例を示す図である。
【図9】ドライブゲーム筐体からの要求に対するサーバ装置の処理を流れを示すフローチャートである。
【図10】RPGゲーム筐体からの要求に対するサーバ装置の処理を流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1 携帯ゲーム機
2 ネットワーク
3 サーバ装置
4−1 ドライブゲーム筐体
4−2 RPGゲーム筐体
4−3 ガンゲーム筐体
4−4 シューティングゲーム筐体
4−n バトルゲーム筐体
11,21,41 操作部
12,28 ROM
13,29 RAM
14 メモリカード制御部
15 メモリカードスロット
16,31,61 通信部
17,22 CPU
18, 液晶表示部
19 サウンド回路
20 スピーカ
23 コイン関連装置
24 入出力制御装置
25 バス
26 画像処理部
27 サウンド処理部
33 スピーカ
65 データベース
68 データベース制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ID情報を持つプレイヤの携帯端末と、
それぞれ異なるゲーム内容をプレイするための複数のゲーム筐体と、
前記各ゲーム筐体とネットワークで接続され、ゲームの種類を示す複数の項目に対するプレイ回数,プレイヤの性格を表すプレイスタイルの複数の項目に対する発生回数およびキャラクタの能力を示すプレイ傾向の複数の項目に対するレベル値を記憶内容とする仮想人格データを格納する記憶部を有し、各ゲーム筐体で設定されている要求に対し、その要求対応の演算を行い、演算結果を要求したゲーム筐体に返信するサーバ装置とを備え、
それぞれ異なる種類のゲーム内容のゲーム筐体に対し、プレイヤの携帯端末を接続することにより、接続されたゲーム筐体にプレイヤのIDを入力し、該入力したIDをサーバ装置に送信するとともに接続されたゲーム筐体が、各ゲーム筐体で設定されている要求を出すことにより前記サーバ装置でID対応の仮想人格データを用いた演算を行わせ、
算出された演算の値を返信させ、返信させた演算結果により要求を出したゲーム筐体のゲームの難易度またはゲーム筐体に登場するキャラクタの能力値を変更し、
各ゲーム筐体はプレイヤの操作にしたがって変更したゲームの難易度または変更した能力のキャラクタでゲームを実行し、
ゲーム実行によりそのゲーム筐体のゲームの種類を示す項目に対しプレイ回数の加算値を前記サーバ装置に送信し、さらにゲーム実行により予め決められている状況が発生してプレイスタイルのいずれかの項目が発生した場合、その発生回数を、キャラクタの能力を示すプレイ傾向の項目のいずれかにレベル値の上昇があった場合、レベル値を変更するボーナスポイントを前記サーバ装置に返信し、
前記サーバ装置は前記記憶部の仮想人格表のデータを前記返信された値で更新することを特徴とするプレイヤ個人の仮想人格育成システム。
【請求項2】
前記携帯端末と各ゲーム筐体との接続は、前記携帯端末および各ゲーム筐体に無線通信部を有し、該無線通信部による通信により接続することを特徴とする請求項1記載のプレイヤ個人の仮想人格育成システム。
【請求項3】
前記ゲーム筐体の1つはプレイヤの車とコンピュータの車または他のプレイヤの車とレースを行うドライブゲーム筐体であることを特徴とする請求項1または2記載のプレイヤ個人の仮想人格育成システム。
【請求項4】
前記各プレイスタイルは、
せっかち度を表すハッスルスタイル,落ち着き度を表すディグニフィードスタイルおよび正確さを表すアキュラシータイプを有し、
ドライブゲーム筐体では、前記ハッスルスタイルは、壁に車を接触した回数が所定回数になった場合やコースアウトになった回数が所定回数になった場合、その発生回数を加算値とし、
前記ディグニフィードスタイルは、車がコースよりはみ出すことがなかったカーブの数が所定回数になった場合、その発生回数を加算値とし、
前記アキュラシータイプは、コース1周の時間を所定の誤差内で達成した場合、その発生回数を加算値とすることを特徴とする請求項3記載のプレイヤ個人の仮想人格育成システム。
【請求項5】
前記ドライブゲーム筐体が前記サーバ装置に要求する内容は、所定値内のランク変動値であり、
前記サーバ装置では該ランク変動値は前記記憶部に格納されているドライブゲームの項目のプレイ回数に従って算出され、
前記記憶部に格納されている各プレイスタイルの発生回数に対し所定の演算を行って各プレイスタイルに対するスコアを算出し、
該算出されたランク変動値に対し前記スコアの算出値を対応付けることにより、ランク変動値の確定値である慣熟度を算出し、
該慣熟度を前記ドライブゲーム筐体に返信することを特徴とする請求項4記載のプレイヤ個人の仮想人格育成システム。
【請求項6】
前記ゲーム筐体の1つは、プレイヤキャラクタがプレイヤの操作にしたがった行動を行い、プレイヤキャラクタが備える複数種類の能力値を敵キャラクタと戦闘を行った場合などに変動させることによりプレイヤキャラクタを成長させながらプレイヤキャラクタが目的を達成するRPGゲーム筐体であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプレイヤ個人の仮想人格育成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−66192(P2009−66192A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237799(P2007−237799)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】