プレゼンス応用システム
【課題】ユーザの業務効率の向上を実現できるプレゼンス応用システムを提供する。
【解決手段】プレゼンス応用システムは、携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所を特定できる機能を有し建物内の複数箇所に設置されたパーソナルコンピュータ(装置)PC1,PC2,・・・,PCnの中から当該機能に基づいて特定されるユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパーソナルコンピュータPC1,PC2,・・・,PCnの動作設定を行うプレゼンス応用システムであって、個別の識別アドレスを有し該識別アドレスを含む無線信号を送信する携帯端末PHと、建物内の複数の場所に設置され携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所を特定する存在場所特定手段21aを有する複数の無線通信器R1,R2,・・・,Rnとを備える。そして、存在場所特定手段21aにより特定されるユーザの存在場所をリアルタイムで表示する行き先表示手段Dを備える。
【解決手段】プレゼンス応用システムは、携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所を特定できる機能を有し建物内の複数箇所に設置されたパーソナルコンピュータ(装置)PC1,PC2,・・・,PCnの中から当該機能に基づいて特定されるユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパーソナルコンピュータPC1,PC2,・・・,PCnの動作設定を行うプレゼンス応用システムであって、個別の識別アドレスを有し該識別アドレスを含む無線信号を送信する携帯端末PHと、建物内の複数の場所に設置され携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所を特定する存在場所特定手段21aを有する複数の無線通信器R1,R2,・・・,Rnとを備える。そして、存在場所特定手段21aにより特定されるユーザの存在場所をリアルタイムで表示する行き先表示手段Dを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を携帯するユーザの存在場所を特定できる機能を活用するプレゼンス応用システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、企業における業務効率の向上が課題とされてきている。業務効率の改善のための手段として、例えば、オフィスビル等の建物内で働く従業員それぞれの嗜好にあった快適な作業空間を実現させることが挙げられる。
【0003】
これに対して、図10に示すように、ユーザ情報を含む無線信号を送信する携帯可能な端末装置PPH’と、建物内の複数の場所に設置され端末装置PPH’から送信される前記無線信号を受信する受信部222’と前記ユーザ情報および前記無線信号の受信強度に関する情報を含む伝送データを送信する通信部223’とを有する複数の照明装置L1’,L2’,L3’,・・・,Ln’と、照明装置L1’,L2’,L3’,・・・,Ln’から送信される前記伝送データに含まれる前記無線信号の受信強度に関する情報に基づき端末装置PPH’を携帯するユーザの位置を特定するとともに、端末装置PPH’に最寄りの照明装置L1’に対して、前記ユーザ情報に基づいて照明器具La’を点灯させるように照明装置L1’が有する照明制御部221’に指示する制御装置T’とを備え、各照明装置L1’,L2’,L3’,・・・,Ln’を各ユーザの嗜好にあった動作設定に切り替えることにより、各ユーザそれぞれに快適な照明空間を与えることができる照明システムが提案されている(特許文献1参照)。なお、1つの照明装置L1’のところに2人以上のユーザがいる場合には、各ユーザの嗜好にあった動作設定への切替を行わない。また、端末装置PPH’は、前記ユーザ情報を記憶しておくための記憶部14’と、前記無線信号を送信する端末装置通信部212’と、記憶部14’に記憶された前記ユーザ情報を取得するとともに当該ユーザ情報を端末装置通信部212’に出力する端末装置制御部211’とを備える。端末装置通信部212’は、端末装置制御部211’から出力される前記ユーザ情報を制御装置T’に送信する。
【0004】
また、従来から、図11に示すように、ユーザの識別番号データを含む無線信号を送信する複数の携帯端末である携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・と、建物内の複数の場所に設置された空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・と、携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・から送信される前記無線信号を受信すると前記識別番号データおよび前記無線信号の受信強度に関する情報を含む伝送データを送信する無線送通信器R1”,R2”,R3”,・・・と、無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・から送信される前記伝送データを受信して各携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・の存在場所を特定し、各空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・それぞれを制御するための制御データを出力する情報管理サーバS1”と、情報管理サーバS1”から出力される前記制御データに基づいて空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・それぞれに制御信号を送信する制御装置C”とを備え、各空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・を前記制御信号に基づいて各ユーザの嗜好にあった設定に切り替えることにより、各ユーザそれぞれに快適な作業空間を与えることができる設備制御システムが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
ここにおいて、無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・は、携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・から送信される前記無線信号を受信するアンテナ222a”を有する。また、空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・は、建物内に設置される室内機A11”,A21”,A31”,・・・と、建物外に設置される室外機A12”,A22”,A32”,・・・と、室内機A11”,A21”,A31”,・・・と室外機A12”,A22”,A32”,・・・との間で冷媒の循環を可能にするための冷媒配管A13”,A23”,A33”,・・・とを備え、無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・は、室内機A11”,A21”,A31”,・・・に設けられている。また、各空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・は、第1の通信線91”を介して制御装置C”に接続されている。また、無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・は、LANケーブル92”を介して情報管理サーバS1”に接続されている。情報管理サーバS1”は、無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・から送信される前記伝送データに含まれる前記無線信号の受信強度に関する情報に基づき各携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・の存在場所を特定する。
【0006】
また、図11に示す構成の設備制御システムでは、照度調節が可能な照明装置L1”,L2”,L3”,・・・を備える。照明装置L1”,L2”,L3”,・・・には、照度センサ(図示せず)が設けられており、当該照度センサは、第2の通信線93”を介して制御装置C”に接続され、計測した照度データを第2の通信線93”を介して制御装置C”に送信する。一方、ユーザは、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)からなる情報管理サーバS1”に接続されたキーボードやマウス等の入力装置(図示せず)を操作してユーザが所望する各照明装置L1”,L2”,L3”,・・・の設定照度を情報管理サーバS1”に記憶させておく。すると、情報管理サーバS1”は、前記照度データと情報管理サーバS1”に記憶された各照明装置L1”,L2”,L3”,・・・の設定照度とを比較して、前記照度データと前記設定照度との差分情報を含む前記制御データを制御装置C”に出力する。これに対し、前記制御データを受信した制御装置C”は、各照明装置L1”,L2”,L3”,・・・の制御部(図示せず)に第2の通信線93”を介して前記差分情報を含む前記制御信号を送信する。各照明装置L1”,L2”,L3”,・・・の前記制御部は、前記制御信号に含まれる差分情報に基づいて照明装置L1”,L2”,L3”,・・・の照度調節を行う。
【0007】
結局、図10に示す構成の照明システムは、ユーザが携帯する端末装置PPH’から送信される無線信号を建物内の複数の場所に設置された照明装置L1’,L2’,L3’,・・・,Ln’それぞれが有する受信部222’が受信してオフィスビル等の建物内の各ユーザの現在位置を把握し、当該各ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された照明装置L1’,L2’,L3’,・・・,Ln’をユーザの嗜好に合わせて制御するものであり、図11に示す構成の設備制御システムは、ユーザが携帯する携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”から送信される無線信号を建物内の複数の場所に設置された無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・が受信してオフィスビル等の建物内の各ユーザの現在位置を把握し、当該各ユーザの居る場所に設置された照明装置L1”,L2”,L3”,・・・や空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・をユーザの嗜好に合わせて制御するものであって、図10に示す構成の照明システムおよび図11に示す構成の設備制御システムのいずれもユーザの嗜好に合った快適な作業空間を提供することができるので、業務効率を改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−181874号公報(段落[0119]〜[0125],図11)
【特許文献2】特開2007−107871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、図10に示す構成の照明システムや図11に示す構成の設備制御システムでは、端末装置PPH’や携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・を携帯するユーザおよびユーザの存在場所を特定してユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された設備を制御する機能を有するが、業務効率改善のために、ユーザと異なる場所にいる人が、ユーザの現在位置をリアルタイムで把握することができる機能を付加することが望まれている。
【0010】
また、近年では、ユーザがパソコン等を用いて業務を行うことが一般的となってきており、ユーザが、ノートパソコンや記録媒体を携帯して建物内を移動するケースが増加してきている。
【0011】
しかしながら、ユーザがノートパソコンを持って建物内を移動する際に、ノートパソコンを落下させて内部のメモリに記憶されていたデータを消失させてしまい、業務に支障をきたすおそれがあった。従って、建物内のどこにいてもユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパソコンをユーザの予約した前記動作環境に設定することができるようにして、ノートパソコンや記録媒体を携帯して建物内を移動する必要性を無くすことが要望されている。つまり、ユーザが建物内のどこに居てもユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパソコン等の装置をユーザが予約した前記動作環境で使用できるようになることが要望されている。
【0012】
本願発明は、前記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、ユーザの業務効率の向上させることができるプレゼンス応用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、携帯端末を携帯するユーザの存在場所を特定できる機能を有し建物内の複数箇所に設置された装置の中から当該機能に基づいて特定されるユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された前記装置の動作設定を行うプレゼンス応用システムであって、個別の識別アドレスを有し該識別アドレスを含む無線信号を間欠的に送信することが可能な前記携帯端末と、建物内の複数の場所に設置され且つ相互に通信可能に接続されるとともに前記携帯端末から送信される前記無線信号を受信可能である第1通信部を有する複数の無線通信器と、ユーザの携帯する前記携帯端末から送信され無線通信器の第1通信部で受信する前記無線信号に基づきユーザの存在場所を特定するとともに前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に関する情報を伝送するための伝送データを出力する第2通信部を有する存在場所特定手段と、前記携帯端末を携帯するユーザが使用する前記装置の前記動作設定に関するユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積手段と、前記存在場所特定手段の第2通信部から出力される前記伝送データを受信するとユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を前記装置に送信するユーザ情報送信手段とを備え、存在場所特定手段により特定されるユーザの存在場所をリアルタイムで表示する行き先表示手段を備えるとともに、前記装置が、前記ユーザ情報を受信すると前記ユーザ情報に基づいて前記動作設定を行うことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、存在場所特定手段により特定されるユーザの存在場所をリアルタイムで表示する行き先表示手段を備えることにより、行き先表示手段のある場所にいる人がユーザの存在場所を確実に把握できるので、業務効率を向上させることができる。また、前記携帯端末を携帯するユーザが使用する前記装置の前記動作内容に関するユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積手段と、前記存在場所特定手段の第2通信部から出力される前記伝送データを受信するとユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を前記装置に送信するユーザ情報送信手段とを備え、前記装置が、前記ユーザ情報を受信すると前記ユーザ情報に基づいて動作設定を行うことにより、前記装置の前記動作設定に関する情報をユーザ情報としてユーザ情報蓄積手段に蓄積しておけば、ユーザが建物内のどこに居てもユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された前記装置が前記ユーザ情報に基づいて動作設定されるので、業務効率を向上させることができる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ユーザのスケジュールを登録することができるとともに前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所と前記ユーザの登録されたスケジュールから特定される存在予定場所とを照合するスケジュール管理手段と、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所とスケジュール管理手段に登録された前記ユーザのスケジュールから特定される存在予定場所とが異なるときに前記ユーザに警告する警告手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、前記ユーザのスケジュールを登録することができるとともに前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所と前記ユーザの登録されたスケジュールから特定される存在予定場所とを照合するスケジュール管理手段と、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所とスケジュール管理手段に登録された前記ユーザのスケジュールから特定される存在予定場所とが異なるときに前記ユーザに警告する警告手段とを備えることにより、前記ユーザのスケジュールがスケジュール管理手段に登録されていれば、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所と登録された前記ユーザのスケジュールから特定される存在予定場所とが異なる場合に警告手段が前記ユーザに警告するので、前記ユーザが自らのスケジュールの内容を忘れてしまうのを防止できるから、業務効率を向上させることができる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所が前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記存在予定場所と異なるときに、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを案内する案内手段を備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所が前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記存在予定場所と異なるときに、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを案内する案内手段を備えることにより、案内手段が、前記ユーザに前記ユーザの居場所から会議室等の前記スケジュール管理手段に登録された前記存在予定場所への最短ルートを示すようにすれば、前記ユーザが会議室等の前記スケジュール管理手段に登録された場所に到達するまでの時間を短縮することができるので、業務効率を向上させることができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記携帯端末が表示手段を備え、前記案内手段が、前記ルートを表示手段に表示させることにより、前記ユーザに前記ルートの案内を行うことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、前記案内手段が、前記ルートを表示手段に表示させることにより、前記ユーザが、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所への前記ルートを把握するために必要な情報を前記携帯端末に設けられた表示手段により簡単に確認することができるので、業務効率を向上させることができる。
【0021】
請求項5の発明は、請求項3の発明において、建物内の複数の場所に設置され且つ前記ユーザを誘導可能な複数のサイン照明を備え、前記案内手段が、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所への前記ルート中に設けられた複数のサイン照明を点灯させることにより、前記ユーザに前記ルートの案内を行うことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、前記案内手段が、前記ユーザの存在場所から前記スケジュール管理手段に登録されたスケジュールから特定される前記存在予定場所への前記ルート中に設けられた複数のサイン照明を点灯させて前記ユーザに前記ルートの案内を行うことにより、請求項4の発明のように前記携帯端末に設けられた前記表示手段を確認しながら前記存在予定場所に向かう必要がないので、前記存在予定場所への移動中の前記ユーザの視界を確保することができるから、前記存在予定場所に向かう前記ユーザの安全性を向上させることができる。
【0023】
請求項6の発明は、請求項2ないし請求項5の発明において、前記スケジュール管理手段が、計時手段を備え、複数の前記ユーザの前記スケジュールを登録可能であり且つ前記各ユーザの前記スケジュールを外部から閲覧できるとともに登録されている前記スケジュールから特定される前記存在予定場所の予約を解除できる機能を有するものであって、前記スケジュール管理手段が、計時手段からの出力に基づいて前記ユーザの存在場所と前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記ユーザが予約している前記存在予定場所とが異なった状態で一定の規定時間だけ経過したことを認識すると、前記スケジュール管理手段に登録されている前記存在予定場所の予約を自動的に解除することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、前記スケジュール管理手段が、計時手段により前記ユーザの存在場所と前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記ユーザが予約している前記存在予定場所とが異なった状態で一定の規定時間だけ経過したことを認識すると、前記スケジュール管理手段に登録されている前記存在予定場所の予約を自動的に解除することにより、前記ユーザのスケジュールが変更となった場合において、前記ユーザが前記スケジュール管理手段に登録されているスケジュールから特定される前記ユーザが予約した前記存在予定場所である共用施設等の予約の解除を怠っても、当該共用施設等が誰も使用しない状態で放置されることを防止することができるので、共用施設等の利用効率を向上させることができる。
【0025】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記装置が、パーソナルコンピュータであって、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパーソナルコンピュータが前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの前記存在場所に最寄りの場所に設置されたパーソナルコンピュータが前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることにより、前記ユーザは、建物内に設置された複数のパーソナルコンピュータのいずれを使用する場合においても、その都度前記ユーザが自ら動作設定をやり直すことなく前記ユーザが所望する動作設定でパーソナルコンピュータを使用することができるので、記録媒体にパーソナルコンピュータの動作設定に必要な設定ファイル等を記憶させて持ち歩く必要がなくなるから、利便性を向上させることができる。また、前記ユーザそれぞれが個別の内容に動作設定がなされたパーソナルコンピュータを使用することを可能とするために、前記ユーザそれぞれに対して個別の内容で動作設定がなされたパーソナルコンピュータを設ける必要がなく、パーソナルコンピュータを設置するための什器の数を減らして事務スペースを削減することができるから、コスト削減を図ることができる。
【0027】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記装置が、照明機器および空気調和機の少なくとも一方からなり、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された照明機器および空気調和機の少なくとも一方が前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された照明機器および空気調和機の少なくとも一方が前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることにより、前記ユーザの嗜好に応じて照明機器や空気調和機を設定することができるので、前記ユーザが快適に作業を行うことができるから、業務効率を向上させることができる。
【0029】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、前記ユーザ情報蓄積手段が、少なくとも1つのサーバからなることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、前記ユーザ情報蓄積手段が、少なくとも1つのサーバからなることにより、前記ユーザ情報を前記サーバに一括して記憶させることができるので、前記ユーザ情報の管理を行い易くすることができる。
【0031】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、前記携帯端末が、前記ユーザ情報蓄積手段と、前記ユーザ情報送信手段と、前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を変更するためのユーザ情報変更手段とを備えることを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、前記携帯端末が、前記ユーザ情報蓄積手段と、前記ユーザ情報送信手段と、前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を変更するためのユーザ情報変更手段とを備えることにより、請求項9の発明のように、前記ユーザが前記サーバの設置場所まで移動して前記サーバを操作して前記ユーザ情報を変更する手間を省くことができ、前記携帯端末に設けられたユーザ情報変更手段により前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を変更することができるので、前記ユーザが前記ユーザ情報を変更しやすくなるから、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0033】
請求項1の発明によれば、存在場所特定手段により特定される携帯端末の位置をリアルタイムで表示する行き先表示手段を備えることにより、ユーザの居場所を確実に把握できるので、業務効率を向上させることができる。また、前記装置が、前記ユーザ情報を受信すると前記ユーザ情報に基づいて動作設定がなされることにより、ユーザが予約したい前記装置の前記動作設定をユーザ情報としてユーザ情報蓄積手段に蓄積しておけば、ユーザが建物内のどこに居てもユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された前記装置をユーザが予約した内容で動作設定がなされるので、業務効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態1のプレゼンス応用システムのブロック図である。
【図2】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図3】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図4】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図5】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図6】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図7】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図8】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図9】実施形態2のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図10】従来例の概略システム構成図である。
【図11】他の従来例の概略システム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(実施形態1)
以下、本実施形態について図1乃至図8に基づいて説明する。
【0036】
本実施形態のプレゼンス応用システムは、図1に示すように、個別の識別アドレスを有し該識別アドレスを含む電波を媒体とする無線信号を間欠的に送信する携帯端末PHと、建物内の複数の場所に設置された複数の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnと、複数の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnに信号線LNを介して接続されたサーバS2と、複数の装置であるパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)PC1,PC2,・・・,PCnとを備える。
【0037】
携帯端末PHは、図1に示すように、前記識別アドレスを記憶しておくための記憶部14と、前記識別アドレスを含む前記無線信号を送信する携帯端末通信部12と、記憶部14に記憶された前記識別アドレスを取得して携帯端末通信部12に出力する携帯端末制御部11とを備える。なお、携帯端末通信部12は、アンテナ等で構成されている。また、携帯端末PHとしては、例えば、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)等を使用することができる。
【0038】
無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、図1に示すように、信号線LNを介して互いに接続され相互に通信可能であるとともに携帯端末PHから送信される前記無線信号を受信可能である第1通信部22を備えている。また、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれが有する第1通信部22および後述の第2通信部23を制御する無線通信器制御部21を備える。また、無線通信器制御部21は、第1通信部22で受信した前記無線信号の受信強度に基づいて携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所を特定する存在場所特定手段21aを有する。ここに、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、個別の無線通信器識別アドレスを有する。
【0039】
存在場所特定手段21aは、ユーザの携帯する携帯端末PHから送信される前記無線信号に基づきユーザの存在場所を特定するとともに前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に関する情報を伝送するための伝送データをサーバS2やパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに送信する第2通信部23を有する。各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、ワイヤレスで互いに通信可能に接続された構成としてもよい。なお、第1通信部22は、アンテナ等で構成されている。また、存在場所特定手段21aでは、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnが有する個別の無線通信器識別アドレスそれぞれがユーザの存在場所に一対一で対応付けされている。
【0040】
存在場所特定手段21aは、前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に関する情報を伝送するための伝送データを出力する第2通信部23を有する。ここに、存在場所特定手段21aは、他の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnに対して信号線LNを介して間欠的に自己の前記無線通信器識別アドレスを含む情報要求信号を送信することにより、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれの前記無線通信器識別アドレスおよび前記無線信号の受信強度に関する情報を要求し、前記情報要求信号を受信した各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれは、要求元および自己の前記無線通信器識別アドレスおよび前記無線信号の受信強度に関する情報を信号線LNを介して送信する。ここで、存在場所特定手段21aは、信号線LNを介して送信される情報に含まれる情報要求元の前記無線通信器識別アドレスと自己の前記無線通信器識別アドレスとを照合するアドレス照合手段(図示せず)を有し、前記アドレス照合手段により前記情報に含まれる情報要求元の前記無線通信器アドレスと自己の無線通信器識別アドレスとを照合した結果、一致した場合には、自己宛の情報と認識する。ここで、存在場所特定手段21aは、自己宛の情報と認識した他の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれの前記無線通信器識別アドレスおよび前記無線信号の受信強度に関する情報を信号線LNを介して第2通信部23で取得するとともに、第1通信部22から出力される前記無線信号の受信強度に関する情報を取得する。続いて、存在場所特定手段21aは、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれの前記無線信号の受信強度を比較し、前記無線信号の受信強度が最も大きい無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスに一対一で対応づけされた場所をユーザの存在場所として特定する。存在場所特定手段21aは、ユーザの存在場所に一対一で対応づけされた前記無線通信器識別アドレスを携帯端末PHの前記識別アドレスとともに第2通信部23に出力する。存在場所特定手段21aから出力される前記無線通信器識別アドレスを取得した第2通信部23は、信号線LNを介してサーバS2に携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスを送信する。なお、存在場所特定手段21aおよび前記アドレス照合手段は、マイクロコンピュータ(図示せず)に適宜のプログラムを搭載することにより実現できる。また、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線信号の受信強度を比較するために前記無線信号の受信強度に関する情報を一時的に記憶しておくための記憶部24を備えている。
【0041】
サーバS2は、携帯端末PHを携帯するユーザに関するユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積手段31と、ユーザ情報蓄積手段31に蓄積された前記ユーザ情報に関するデータを送信するユーザ情報送信手段33とを備える。また、サーバ2は、前記ユーザの存在場所に設置された無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスを含む前記伝送データを受信するサーバ通信部(図示せず)を備える。ここで、前記ユーザ情報は、前記ユーザが携帯する携帯端末PHの前記識別アドレスと、存在場所特定手段12aにより特定された前記ユーザの存在場所に設置された無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線受信器識別アドレスと、前記ユーザが所望するパソコンPC1,PC2,・・・,PCnの動作設定に関するユーザ情報(例えば、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnそれぞれに搭載されたソフトウェアの各種設定情報等)とからなる。なお、サーバS2は、サーバ用パソコン(図示せず)で構成されている。また、ユーザ情報送信手段33は、当該サーバ用パソコンと当該サーバ用パソコンを制御する制御プログラムとにより実現されており、ユーザ情報蓄積手段31は、当該サーバ用パソコンに接続されたハードディスク等で構成されている。また、前記サーバ通信部は、信号線LNが接続されるインタフェースからなる。
【0042】
パソコンPC1,PC2,・・・,PCnは、信号線LNを介してサーバS2に接続されるとともに、サーバS2から送信される前記ユーザ情報を受信するためのパソコン通信部(図示せず)を有する。また、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnは、個別のパソコン識別アドレスを有する。そして、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnそれぞれのパソコン識別アドレスは、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線受信器識別アドレスに対応付けされている。
【0043】
また、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、図1に示すように、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnが備える存在場所特定手段21aにより特定された携帯端末PHを携帯する前記ユーザの存在場所をリアルタイムで表示する行き先表示手段である行き先表示板Dを備える。行き先表示板Dには、図3に示すように、ユーザの名称A,B,Cと当該ユーザの行き先の名称が表示されるようになっている(例えば、「A 会議室1」、「B 事務所」、「C 事務所」、・・・のように表示することができる)。行き先表示板Dは、液晶表示パネルからなる表示パネルD1と、表示パネルD1の後面側に配置された光源(図示せず)と、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnから送信される前記伝送データを受信するための受信部(図示せず)と、前記受信部で受信した前記伝送データに含まれる前記無線通信器識別アドレスに基づいて液晶表示パネルからなる前記表示パネルD1の表示を更新するための制御装置(図示せず)とを備える液晶表示装置を用いてもよい。
【0044】
次に、本実施形態のプレゼンス応用システムの動作について図2に基づいて説明する。
【0045】
無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれに設けられた存在場所特定手段21aにより、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnにおける前記無線信号の受信強度を比較して、最も受信強度が大きい無線通信器(図2の例では、無線通信器R3)を特定して、当該無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスに対応づけされた場所からユーザの存在場所を特定する(図2中の(1)参照)。従って、存在場所特定手段21aを構成するための装置等を無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnとは別に設ける必要がないので、システムの構築が容易になる。
【0046】
無線通信器R3が有する存在場所特定手段21aは、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスを含む伝送データを信号線LNを介してサーバS2に送信することにより、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスに対応付けされた場所から特定される前記ユーザの存在場所をサーバS2に通知する(図2中の(2)参照)。
【0047】
なお、本実施形態では、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれが、存在場所特定手段21aにより、最も受信強度が大きい無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnを特定してユーザの存在場所を特定する例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれが、存在場所特定手段21aにより、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線信号の受信強度の相対比を算出し、当該相対比に基づいてユーザの存在場所を特定するものであってもよい。
【0048】
サーバSが、前記伝送データを受信すると、サーバS2が有するユーザ情報送信手段33が、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスに基づいて、複数のパソコンPC1,PC2,・・・,PCnの中から前記無線通信器識別アドレスに対応するパソコン識別アドレスを有するパソコン(図2では、携帯端末PHに最寄りのパソコンPC2)を前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパソコンと特定して、前記ユーザ情報を送信する(図2中の(3)参照)。ここに、前記パソコン識別アドレスは、パソコンが備えるメモリからなる記憶部(図示せず)に記憶されている。
【0049】
前記ユーザ情報を前記パソコン通信部で受信したパソコンPC2は、前記ユーザ情報に基づき自動的に動作設定がなされる(図2中の(4)参照)。ここに、パソコンPC2は、例えば、パソコンPC2それぞれに搭載されたソフトウェアの各種設定情報等に基づきソフトウェアの動作設定がなされる。
【0050】
従って、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、ユーザが所望する動作設定の内容を前記ユーザ情報としてサーバS2のユーザ情報蓄積手段31に蓄積しておけば、ユーザが建物内のどこに居てもユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパソコンPC2をユーザが所望する動作設定で使用することができるので、業務効率を向上させることができる。また、ユーザそれぞれが個別の動作設定でパソコンPC1,PC2,・・・,PCnを使用することを可能とするために、ユーザそれぞれに対して個別にパソコンを設ける必要がないので、パソコンを設置するための什器の数を減らして事務スペースを小さくすることができるから、コスト削減を図ることができる。また、ユーザは、複数のパソコンPC1,PC2,・・・,PCnのいずれを使用する場合においても、その都度、ユーザが自ら動作設定をやり直すことなくユーザが所望する動作設定でパソコンPC1,PC2,・・・,PCnを使用することができるので、記録媒体にパソコンPC1,PC2,・・・,PCnの動作設定に必要な設定ファイル等を記憶させて持ち歩く必要がなくなるから、利便性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、図3に示すように、ユーザAが、例えば、無線通信器R3が設置された会議室1に居るとすると、存在場所特定手段21aが前記無線器識別アドレスに対応付けされた場所から携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所を特定し(図3中の(1)参照)、携帯端末PHの識別アドレスおよび前記ユーザの存在場所に対応した前記無線送信器識別アドレスを含む前記伝送データを無線通信器R3から行き先表示板Dに対して信号線LNを介して送信し、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスに一対一に対応したユーザの存在場所を通知する(図3中の(2)参照)。ここで、行き先表示手段Dは、前記受信部が前記伝送データを受信すると、前記伝送データに含まれる前記識別アドレスおよび前記ユーザの存在場所に対応した無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスに基づいて表示パネルD1に表示される前記ユーザの存在場所(ユーザの行き先)を更新する(図3中の(3)参照)。
【0052】
しかして、携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所とは異なる場所(例えば、ユーザのデスクがあるオフィス等)に居る人が、行き先表示手段Dを見ることによって、当該ユーザの居場所を確実に把握できるので、業務効率を向上させることができる。
【0053】
また、図1および図4に示すように、本実施形態のプレゼンス応用システムは、ユーザのスケジュールを登録することができるとともに存在場所特定手段21aにより特定される携帯端末PHを携帯する前記ユーザの存在場所と前記ユーザの登録されたスケジュールから特定される存在予定場所とを照合するスケジュール管理手段34と、存在場所特定手段21aにより特定される携帯端末PHを携帯する前記ユーザの存在場所とスケジュール管理手段34に登録されたユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所とが異なるときにユーザに警告する警告手段(図示せず)とを備える。なお、スケジュール管理手段34は、前記ユーザの存在場所と登録されたユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所との照合を行うプログラムと、当該プログラムに基づいて前記ユーザの存在場所と前記存在予定場所との照合を行うサーバS2に用いられる前記サーバ用パソコンとから実現されている。また、警告手段としては、例えば、携帯端末PHに設けられ、警告を音声で通知するスピーカおよび当該スピーカの駆動回路等を含む音声出力装置等で構成することができる。
【0054】
従って、ユーザが所定の時刻に所定の場所で開催される会議等に出席する予定をスケジュール管理手段34に登録しておけば、ユーザが所定の時刻に会議等が開催される前記存在予定場所と異なる場所にいるとスケジュール管理手段34から携帯端末PHにユーザに警告すべき旨を通知して携帯端末PHが前記警告手段によりユーザに警告を行うので、ユーザが所定の時刻に会議等に出席するのを忘れてしまうのを防止できるから、業務効率を向上させることができる。
【0055】
また、図1および図4に示すように、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、ユーザの存在場所と前記存在予定場所とが異なるときに、ユーザを前記存在予定場所に案内する案内手段(図示せず)と携帯端末PHに設けられた表示手段13とを備えている。なお、前記案内手段は、前記ユーザの存在場所からスケジュール管理手段34に登録されたユーザの前記存在予定場所までのルートを示す複数のデータの中から最短ルートを検索するためにサーバS2に搭載されたプログラムと、当該プログラムに基づいて検索処理を行うサーバ用パソコンと、当該サーバ用パソコンの前記検索処理により得られた前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所への最短ルートを示すデータを信号線LNを介して携帯端末PHに送信するサーバS2が有する前記サーバ通信部とから実現されている。また、表示手段13は、携帯端末PHが備えるディスプレイとディスプレイ上にユーザが前記存在場所から前記存在予定場所へのルートを視認できる形でルートを表示するためのブラウザとから実現されている。ここに、前記サーバ用パソコンは、前記プログラムに基づいてサーバS2に予め記憶された複数の前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを示すデータの中から最短ルートを示すデータを検索する。
【0056】
ここにおいて、図4に示すように、存在場所特定手段21aが、携帯端末PHから送信される前記無線信号の受信強度が最も大きい無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスに対応づけされた場所からユーザの存在場所を特定し(図4中の(1)参照)、無線通信器R3から携帯端末PHの前記識別アドレスおよび無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスを含む伝送データをサーバS2に送信することで、携帯端末PHの前記識別アドレスおよびユーザの存在場所をサーバS2に通知する(図4中の(2)参照)。前記伝送データを受信したサーバS2では、スケジュール管理手段34が、ユーザの行き先(ユーザの存在場所)とユーザのスケジュールとを照合し(図4中の(3)参照)、ユーザの存在場所とユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所とが異なるときに、スケジュール管理手段34から無線通信器R3に警告通知データを送信するとともに、前記警告通知データを受信した無線通信器R3は、携帯端末PHに前記警告通知データを含む無線信号を送信することで、ユーザに警告すべき旨を通知する(図4中の(4)参照)。
【0057】
携帯端末PHが当該無線信号を受信すると、前記音声出力装置からなる前記警告手段がユーザに音声で警告するとともに、前記案内手段が、表示手段13にユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを表示させる(図4中の(5)参照)。ここで、存在場所特定手段21aからサーバSへは、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスが間欠的に送信されており、ユーザが移動してユーザの存在場所が変わるとそれに伴って前記案内手段が最短ルートを再検索し表示手段13に表示される前記存在予定場所への前記最短ルートを更新する。
【0058】
従って、前記案内手段が、ユーザの居場所から会議室等のスケジュール管理手段34に登録された場所への最短ルートを表示して案内するようにすれば、ユーザが会議室等のスケジュール管理手段34に登録された場所への移動時間を短縮できるので、業務効率の向上が図れる。また、ユーザは、ユーザの存在場所からスケジュール管理手段34に登録された前記存在予定場所へのルートを把握するために必要な情報を、手持ちの携帯端末PHが備える表示手段13により簡単に確認することができるので、業務効率を向上させることができる。
【0059】
なお、本実施形態のプレゼンス応用システムは、図5に示すように、建物内の複数の場所に設置され且つユーザを誘導可能な複数のサイン照明M1,M2,M3,・・・を備えたものであってもよい。ここに、サイン照明M1,M2,M3,・・・は、矢印の図柄が形成された表示パネルを光らせることによりユーザを誘導する。図5に示す構成のプレゼンス応用システムでは、存在場所特定手段21aが、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記識別アドレスに対応づけされた場所から前記ユーザの存在場所を特定し(図5中の(1)参照)、携帯端末PHの識別アドレスおよびユーザの存在場所をサーバS2に通知すると(図5中の(2)参照)、スケジュール管理手段34がユーザの存在場所(ユーザの行き先)とユーザのスケジュールとを照合する(図5中の(3)参照)。そして、ユーザの存在場所とユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所とが異なるときに、スケジュール管理手段34から無線通信器R3を介して携帯端末PHに警告通知データを送信して携帯端末PHにユーザに警告すべき旨を通知する(図5中の(4)参照)。携帯端末PHが前記警告通知データを含む前記無線信号を受信すると、前記警告手段が、ユーザに警告するとともに(図5中の(5)参照)、前記案内手段が、スケジュール管理手段34に登録された場所へのルート中に設けられた複数のサイン照明M1,M2,M3,・・・を適宜点灯させることにより、ユーザを前記存在予定場所に案内する案内表示を行う(図5中の(6)参照)。
【0060】
図5に示す構成であれば、図1および図4に示す構成のプレゼンス応用システムのように、ユーザは、携帯端末PHに設けられた表示手段13を確認しながら、スケジュール管理手段34に登録された前記存在予定場所に向かう必要がないので、前記存在予定場所への移動中のユーザの視界を確保することができるから、スケジュール管理手段34に登録された場所に向かうユーザの安全性を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、スケジュール管理手段34が、計時手段としてタイマ(図示せず)を備える。また、スケジュール管理手段34には、複数のユーザのスケジュールを登録することができ、ユーザは、サーバS2に信号線LNを介して接続されたパソコンPC1,PC2,・・・,PCnからサーバS2にアクセスすることによって各ユーザのスケジュールをパソコンPC1,PC2,・・・,PCnで閲覧したり、登録されているスケジュールから特定される前記存在予定場所の予約を解除したりすることができる。本実施形態のプレゼンス応用システムでは、図6に示すように、存在場所特定手段21aが、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスに対応づけされた場所から前記ユーザの存在場所を特定し(図6中の(1)参照)、携帯端末PHの前記識別アドレスおよびユーザの存在場所をサーバS2に通知すると(図6中の(2)参照)、スケジュール管理手段34がユーザの存在場所(ユーザの行き先)とユーザのスケジュールとを照合する(図6中の(3)参照)。そして、ユーザの存在場所とユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所とが異なるときに、スケジュール管理手段34から無線通信器R3を介して携帯端末PHに警告通知データを送信して携帯端末PHにユーザに警告すべき旨を通知する(図6中の(4)参照)。携帯端末PHが前記警告通知データを含む前記無線信号を受信すると、前記警告手段がユーザに警告する(図6中の(5)参照)。ここで、スケジュール管理手段34が、前記タイマの出力に基づいて前記ユーザの存在場所と前記存在予定場所とが異なった状態で一定の規定時間だけ経過したこと(例えば、スケジュールに登録された会議等の開始時刻から30分経過したこと)を認識すると、スケジュール管理手段34が、スケジュール管理手段34に登録されているスケジュールから特定される前記存在予定場所の予約を自動的に解除する(図6中の(6)参照)。
【0062】
従って、ユーザのスケジュールが変更となった場合において、ユーザがスケジュール管理手段34に登録されているスケジュールから特定される前記存在予定場所である共用施設等の予約の解除を怠っても、当該共用施設等が誰にも使用されないまま放置されるケースを少なくできるので、当該共用施設等の利用効率を向上させることができる。また、当該共用施設等の利用効率を向上させることにより、業務効率の向上を図ることができる。
【0063】
また、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、例えば、図7に示すように、前記装置として、複数の照明装置L1,L2,・・・および複数の空気調和機A1,・・・,Anを用いて、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された照明装置および空気調和機(図7では、照明装置L2および空気調和機A1)の動作設定がなされるものであってもよい。例えば、照明装置L2の明るさ設定や色合い設定を行ったり、空気調和機A1の温度設定や湿度設定を行うものであってもよい。
【0064】
この場合、ユーザが自分の好みに応じて照明装置L1,L2,・・・や空気調和機A1,・・・,Anの動作設定に関する情報をユーザ情報としてユーザ情報蓄積手段31に蓄積しておけば、ユーザの好みに応じて照明装置L1,L2,・・・や空気調和機A1,・・・,Anを設定することができるので、ユーザの快適性を向上させることができ、業務効率を向上させることができる。
【0065】
また、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、図1に示すように、ユーザ情報蓄積手段31が、サーバS2に設けられている。従って、前記ユーザ情報をサーバS2に一括して記憶させておくことができるので、前記ユーザ情報の管理を行い易くすることができる。なお、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、LANケーブル(図示せず)等からなる通信手段により互いに前記ユーザ情報の送受信が可能な形で接続された複数のサーバ(図示せず)を備え、前記ユーザ情報を複数の前記サーバに分散して蓄積するものであってもよい。ここで、ユーザは、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnのキーボードやマウス等の入力装置(図示せず)を操作して前記ユーザ情報を変更することができる。
【0066】
なお、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、例えば、図8に示すように、前記装置として固定電話機からなる電話機P1,P2,P3,・・・,Pnを用いたものであってもよい。図8に示す構成では、電話機P1,P2,P3,・・・,Pnが、携帯端末PHを携帯するユーザを指定するためのユーザ指定手段(図示せず)を有しており、前記ユーザ指定手段によりユーザが携帯する携帯端末PHの識別アドレスを指定すると、存在場所特定手段21aが無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスに対応づけされた場所からユーザの存在場所が特定するとともに(図8中の(1)参照)、サーバS2に携帯端末PHの前記識別アドレスおよび無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスを送信することで、携帯端末PHの識別アドレスおよびユーザの存在場所をサーバS2に通知する(図8中の(2)参照)。サーバS2は、存在場所特定手段21aから送信された携帯端末PHの前記識別アドレスおよび無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスに基づいてユーザに最寄りの電話機(図8の例では、電話機P2)を特定して(図8中の(3)参照)、当該電話機P2を鳴動させる(図8中の(4)参照)。なお、前記ユーザ指定手段は、例えば、携帯端末PHのユーザ別に設けられた複数の転送釦で構成することができる。なお、前記ユーザ指定手段は、転送釦に限られず、電話機P1,P2,P3,・・・,Pnそれぞれの内線番号を入力すれば当該内線番号に対応する電話機P1,P2,P3,・・・,Pnに転送されるものであってもよい。
【0067】
しかして、電話機P1,P2,P3,・・・,Pnで外部の人からの電話を受けた人が、外部からの電話をユーザの携帯する携帯端末PHに転送する際に、電話機P1,P2,P3,・・・,Pnの前記ユーザ指定手段によりユーザが携帯する携帯端末PHの前記識別アドレスを指定すると、複数の電話機P1,P2,P3,・・・,Pnのうち存在場所特定手段21aにより特定された携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された電話機(図2では、携帯端末PHに最寄りの電話機P2)を特定して(図8中の(3)参照)、電話機P2を鳴動させる(図8中の(4)参照)。つまり、図8に示す構成のプレゼンス応用システムでは、外部の人から電話を受けた人が前記ユーザに転送する際に、前記ユーザが携帯する携帯端末PHの前記識別アドレスを指定すれば、ユーザの前記存在場所に最寄りの場所に設置された電話機P2を鳴動させることができる。
【0068】
従って、ユーザが建物内のどこに居ても直ぐに外部の人からユーザへの電話呼出に応じることができるので、電話呼出に応じることができないケースを減らすことができるから、電話の相手方である外部の人との意思疎通を円滑にすることができる。
【0069】
(実施形態2)
本実施形態のプレゼンス応用システムの基本構成は、実施形態1と略同じであり、図9に示すように、携帯端末PHが、ユーザ情報蓄積手段41と、ユーザ情報蓄積手段41に蓄積されたユーザ情報を送信するためのユーザ情報送信手段(図示せず)と、ユーザ情報蓄積手段41に蓄積された前記ユーザ情報を変更するためのユーザ情報変更手段(図示せず)とを備える点が実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
ここで、ユーザ情報蓄積手段41は、携帯端末PHに設けられたメモリからなる記憶部(図示せず)により構成され、前記ユーザ情報送信手段は、携帯端末PHの識別アドレスを含む無線信号を送信する携帯端末通信部(図示せず)により構成されている。また、前記ユーザ情報変更手段は、複数のキーからなる操作部(図示せず)で構成されている。なお、前記操作部は、例えば、タッチパネル等で構成してもよい。
【0071】
図9に示すように、本実施形態のプレゼンス応用システムは、複数の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnに設けられ携帯端末PHを携帯する前記ユーザの存在場所を特定する実施形態1と同様の存在場所特定手段(図示せず)を備えており、携帯端末PHが、携帯端末PHの識別アドレスを含む無線信号を出力すると、前記存在場所特定手段によりユーザの存在場所が特定される(図9中の(1)参照)。ここで、前記存在場所特定手段は、信号線LNを介してパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスを含む伝送データを送信するとともに携帯端末PHにも前記伝送データを無線により送信する第2通信部(図示せず)を有している。つまり、第2通信部は、信号線LNに接続するための信号線接続用インターフェース(図示せず)と前記伝送データを送信するための送信用アンテナ(図示せず)とを備えており、前記伝送データを信号線LNを介して送信できるとともに無線でも送信できる。そして、前記存在場所特定手段は、前記第2通信部から携帯端末PHの前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に対応する前記無線通信器識別アドレスをパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに通知するとともに(図9中の(2)参照)、ユーザ情報蓄積手段41を備える携帯端末PHに携帯端末PHの前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に対応する前記無線通信器識別アドレスを含む前記伝送データを送信する。携帯端末PHは、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスを含む前記伝送データを受信するとユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を、前記無線通信器識別アドレスに対応するパソコン識別アドレスを有するパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに送信する。
【0072】
一方、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnは、複数の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれの前記無線通信器識別アドレスを含む伝送データを受信するパソコン通信部(図示せず)と、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnそれぞれの最寄りの場所に設置された無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスを記憶するためのメモリからなる記憶部(図示せず)と、前記パソコン通信部で受信した前記無線通信器識別アドレスと前記記憶部に記憶された前記無線通信器識別アドレスとを照合する照合手段(図示せず)とを備えている。ここに、パソコンPC1,PC2,PC3,・・・,PCnは、存在場所特定手段21aから送信され前記パソコン通信部で受信した前記伝送信号に含まれる前記無線通信器識別アドレスと予め前記記憶部に記憶された前記無線通信器識別アドレスとを照合した結果、両者が一致する場合にはユーザに最寄りのパソコン(図9の例では、パソコンPC2)として特定される(図9中の(3)参照)。そして、ユーザに最寄りのパソコンPC2は、携帯端末PHから送信され前記パソコン通信部で受信した前記ユーザ情報に基づき自動的に動作設定がなされる(図9中の(4)参照)。なお、前記照合手段は、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnとパソコンPC1,PC2,・・・,PCnそれぞれに搭載された適宜のプログラムとによって実現できる。
【0073】
また、図9に示す構成のプレゼンス応用システムでは、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnに実施携帯1と同様のスケジュール管理手段(図示せず)と、ユーザを前記存在予定場所に案内する案内手段(図示せず)とが設けられている。
【0074】
前記スケジュール管理手段は、ユーザの存在場所と前記存在予定場所とが異なることを認識すると、その旨を前記案内手段に通知する。なお、前記スケジュール管理手段は、前記ユーザの存在場所と登録されたユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所との照合を行うプログラムと、当該プログラムに基づいて前記ユーザの存在場所と前記存在予定場所との照合を行うパソコンPC1,PC2,・・・,PCnとから実現されている。
【0075】
前記案内手段は、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnに信号線LNを介して接続されたパソコンPC1,PC2,・・・,PCnの少なくとも1つに搭載されている。また、前記案内手段は、前記ユーザの存在場所から前記スケジュール管理手段に登録されたユーザの前記存在予定場所までのルートを示すパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに記憶された複数のデータの中から最短ルートを検索するためにパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに搭載されたプログラムと、当該プログラムに基づいて検索処理を行うパソコンPC1,PC2,・・・,PCnと、当該パソコンPC1,PC2,・・・,PCnの検索処理により得られた前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所への最短ルートを示すデータを信号線LNを介して携帯端末PHに送信するパソコンPC1,PC2,・・・,PCnが有する前記パソコン通信部とから実現されている。ここに、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnには、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを示すデータが予め複数記憶されており、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnは、前記プログラムに基づいて前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを示す複数のデータの中から最短ルートを示すデータを検索する。また、図9に示す構成のプレゼンス応用システムは、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを表示するための表示手段(図示せず)を備えており、前記表示手段は、携帯端末PHが備えるディスプレイとディスプレイ上にユーザが前記存在場所から前記存在予定場所へのルートを視認できる形でルートを表示するためのブラウザとから実現されている。
【0076】
図9に示すプレゼンス応用システムでは、前記スケジュール管理手段が、前記ユーザの存在場所と登録されたユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所とを照合した結果、前記ユーザの存在場所と前記存在予定場所とが異なることを認識すると、前記案内手段にその旨を通知する。ここで、前記案内手段は、携帯端末PHが備える前記表示手段によりユーザを前記存在予定場所に案内する。
【0077】
しかして、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、ユーザ情報蓄積手段41が携帯端末PHに設けられていることにより、実施形態1のように、ユーザがサーバS2(図1参照)やパソコンPC1,PC2,・・・,PCn(図1参照)の設置場所まで移動してキーボードやマウス等の前記入力装置を操作して前記ユーザ情報を変更する必要がなく、また、携帯端末PHに設けられた前記操作部を操作するだけでユーザ情報蓄積手段41に蓄積された前記ユーザ情報を変更することができるので、前記ユーザが前記ユーザ情報を変更しやすくなるから、利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0078】
13 表示手段(案内手段)
21a 存在場所特定手段
22 第1通信部
23 第2通信部
31,41 ユーザ情報蓄積手段
33,43 ユーザ情報送信手段
34 スケジュール管理手段
A1,・・・,An 空気調和機(装置)
D 行き先表示手段
L1,L2 照明装置(装置)
M1,M2,M3 サイン照明
P1,P2,P3,・・・,Pn 電話機(装置)
PC1,PC2,PC3,・・・,PCn パーソナルコンピュータ(装置)
PH 携帯端末
R1,R2,R3,・・・,Rn 無線通信器
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を携帯するユーザの存在場所を特定できる機能を活用するプレゼンス応用システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、企業における業務効率の向上が課題とされてきている。業務効率の改善のための手段として、例えば、オフィスビル等の建物内で働く従業員それぞれの嗜好にあった快適な作業空間を実現させることが挙げられる。
【0003】
これに対して、図10に示すように、ユーザ情報を含む無線信号を送信する携帯可能な端末装置PPH’と、建物内の複数の場所に設置され端末装置PPH’から送信される前記無線信号を受信する受信部222’と前記ユーザ情報および前記無線信号の受信強度に関する情報を含む伝送データを送信する通信部223’とを有する複数の照明装置L1’,L2’,L3’,・・・,Ln’と、照明装置L1’,L2’,L3’,・・・,Ln’から送信される前記伝送データに含まれる前記無線信号の受信強度に関する情報に基づき端末装置PPH’を携帯するユーザの位置を特定するとともに、端末装置PPH’に最寄りの照明装置L1’に対して、前記ユーザ情報に基づいて照明器具La’を点灯させるように照明装置L1’が有する照明制御部221’に指示する制御装置T’とを備え、各照明装置L1’,L2’,L3’,・・・,Ln’を各ユーザの嗜好にあった動作設定に切り替えることにより、各ユーザそれぞれに快適な照明空間を与えることができる照明システムが提案されている(特許文献1参照)。なお、1つの照明装置L1’のところに2人以上のユーザがいる場合には、各ユーザの嗜好にあった動作設定への切替を行わない。また、端末装置PPH’は、前記ユーザ情報を記憶しておくための記憶部14’と、前記無線信号を送信する端末装置通信部212’と、記憶部14’に記憶された前記ユーザ情報を取得するとともに当該ユーザ情報を端末装置通信部212’に出力する端末装置制御部211’とを備える。端末装置通信部212’は、端末装置制御部211’から出力される前記ユーザ情報を制御装置T’に送信する。
【0004】
また、従来から、図11に示すように、ユーザの識別番号データを含む無線信号を送信する複数の携帯端末である携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・と、建物内の複数の場所に設置された空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・と、携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・から送信される前記無線信号を受信すると前記識別番号データおよび前記無線信号の受信強度に関する情報を含む伝送データを送信する無線送通信器R1”,R2”,R3”,・・・と、無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・から送信される前記伝送データを受信して各携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・の存在場所を特定し、各空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・それぞれを制御するための制御データを出力する情報管理サーバS1”と、情報管理サーバS1”から出力される前記制御データに基づいて空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・それぞれに制御信号を送信する制御装置C”とを備え、各空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・を前記制御信号に基づいて各ユーザの嗜好にあった設定に切り替えることにより、各ユーザそれぞれに快適な作業空間を与えることができる設備制御システムが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
ここにおいて、無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・は、携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・から送信される前記無線信号を受信するアンテナ222a”を有する。また、空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・は、建物内に設置される室内機A11”,A21”,A31”,・・・と、建物外に設置される室外機A12”,A22”,A32”,・・・と、室内機A11”,A21”,A31”,・・・と室外機A12”,A22”,A32”,・・・との間で冷媒の循環を可能にするための冷媒配管A13”,A23”,A33”,・・・とを備え、無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・は、室内機A11”,A21”,A31”,・・・に設けられている。また、各空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・は、第1の通信線91”を介して制御装置C”に接続されている。また、無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・は、LANケーブル92”を介して情報管理サーバS1”に接続されている。情報管理サーバS1”は、無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・から送信される前記伝送データに含まれる前記無線信号の受信強度に関する情報に基づき各携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・の存在場所を特定する。
【0006】
また、図11に示す構成の設備制御システムでは、照度調節が可能な照明装置L1”,L2”,L3”,・・・を備える。照明装置L1”,L2”,L3”,・・・には、照度センサ(図示せず)が設けられており、当該照度センサは、第2の通信線93”を介して制御装置C”に接続され、計測した照度データを第2の通信線93”を介して制御装置C”に送信する。一方、ユーザは、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)からなる情報管理サーバS1”に接続されたキーボードやマウス等の入力装置(図示せず)を操作してユーザが所望する各照明装置L1”,L2”,L3”,・・・の設定照度を情報管理サーバS1”に記憶させておく。すると、情報管理サーバS1”は、前記照度データと情報管理サーバS1”に記憶された各照明装置L1”,L2”,L3”,・・・の設定照度とを比較して、前記照度データと前記設定照度との差分情報を含む前記制御データを制御装置C”に出力する。これに対し、前記制御データを受信した制御装置C”は、各照明装置L1”,L2”,L3”,・・・の制御部(図示せず)に第2の通信線93”を介して前記差分情報を含む前記制御信号を送信する。各照明装置L1”,L2”,L3”,・・・の前記制御部は、前記制御信号に含まれる差分情報に基づいて照明装置L1”,L2”,L3”,・・・の照度調節を行う。
【0007】
結局、図10に示す構成の照明システムは、ユーザが携帯する端末装置PPH’から送信される無線信号を建物内の複数の場所に設置された照明装置L1’,L2’,L3’,・・・,Ln’それぞれが有する受信部222’が受信してオフィスビル等の建物内の各ユーザの現在位置を把握し、当該各ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された照明装置L1’,L2’,L3’,・・・,Ln’をユーザの嗜好に合わせて制御するものであり、図11に示す構成の設備制御システムは、ユーザが携帯する携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”から送信される無線信号を建物内の複数の場所に設置された無線通信器R1”,R2”,R3”,・・・が受信してオフィスビル等の建物内の各ユーザの現在位置を把握し、当該各ユーザの居る場所に設置された照明装置L1”,L2”,L3”,・・・や空気調和機A1”,A2”,A3”,・・・をユーザの嗜好に合わせて制御するものであって、図10に示す構成の照明システムおよび図11に示す構成の設備制御システムのいずれもユーザの嗜好に合った快適な作業空間を提供することができるので、業務効率を改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−181874号公報(段落[0119]〜[0125],図11)
【特許文献2】特開2007−107871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、図10に示す構成の照明システムや図11に示す構成の設備制御システムでは、端末装置PPH’や携帯電話機PH1”,PH2”,PH3”,・・・を携帯するユーザおよびユーザの存在場所を特定してユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された設備を制御する機能を有するが、業務効率改善のために、ユーザと異なる場所にいる人が、ユーザの現在位置をリアルタイムで把握することができる機能を付加することが望まれている。
【0010】
また、近年では、ユーザがパソコン等を用いて業務を行うことが一般的となってきており、ユーザが、ノートパソコンや記録媒体を携帯して建物内を移動するケースが増加してきている。
【0011】
しかしながら、ユーザがノートパソコンを持って建物内を移動する際に、ノートパソコンを落下させて内部のメモリに記憶されていたデータを消失させてしまい、業務に支障をきたすおそれがあった。従って、建物内のどこにいてもユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパソコンをユーザの予約した前記動作環境に設定することができるようにして、ノートパソコンや記録媒体を携帯して建物内を移動する必要性を無くすことが要望されている。つまり、ユーザが建物内のどこに居てもユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパソコン等の装置をユーザが予約した前記動作環境で使用できるようになることが要望されている。
【0012】
本願発明は、前記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、ユーザの業務効率の向上させることができるプレゼンス応用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、携帯端末を携帯するユーザの存在場所を特定できる機能を有し建物内の複数箇所に設置された装置の中から当該機能に基づいて特定されるユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された前記装置の動作設定を行うプレゼンス応用システムであって、個別の識別アドレスを有し該識別アドレスを含む無線信号を間欠的に送信することが可能な前記携帯端末と、建物内の複数の場所に設置され且つ相互に通信可能に接続されるとともに前記携帯端末から送信される前記無線信号を受信可能である第1通信部を有する複数の無線通信器と、ユーザの携帯する前記携帯端末から送信され無線通信器の第1通信部で受信する前記無線信号に基づきユーザの存在場所を特定するとともに前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に関する情報を伝送するための伝送データを出力する第2通信部を有する存在場所特定手段と、前記携帯端末を携帯するユーザが使用する前記装置の前記動作設定に関するユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積手段と、前記存在場所特定手段の第2通信部から出力される前記伝送データを受信するとユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を前記装置に送信するユーザ情報送信手段とを備え、存在場所特定手段により特定されるユーザの存在場所をリアルタイムで表示する行き先表示手段を備えるとともに、前記装置が、前記ユーザ情報を受信すると前記ユーザ情報に基づいて前記動作設定を行うことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、存在場所特定手段により特定されるユーザの存在場所をリアルタイムで表示する行き先表示手段を備えることにより、行き先表示手段のある場所にいる人がユーザの存在場所を確実に把握できるので、業務効率を向上させることができる。また、前記携帯端末を携帯するユーザが使用する前記装置の前記動作内容に関するユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積手段と、前記存在場所特定手段の第2通信部から出力される前記伝送データを受信するとユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を前記装置に送信するユーザ情報送信手段とを備え、前記装置が、前記ユーザ情報を受信すると前記ユーザ情報に基づいて動作設定を行うことにより、前記装置の前記動作設定に関する情報をユーザ情報としてユーザ情報蓄積手段に蓄積しておけば、ユーザが建物内のどこに居てもユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された前記装置が前記ユーザ情報に基づいて動作設定されるので、業務効率を向上させることができる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ユーザのスケジュールを登録することができるとともに前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所と前記ユーザの登録されたスケジュールから特定される存在予定場所とを照合するスケジュール管理手段と、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所とスケジュール管理手段に登録された前記ユーザのスケジュールから特定される存在予定場所とが異なるときに前記ユーザに警告する警告手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、前記ユーザのスケジュールを登録することができるとともに前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所と前記ユーザの登録されたスケジュールから特定される存在予定場所とを照合するスケジュール管理手段と、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所とスケジュール管理手段に登録された前記ユーザのスケジュールから特定される存在予定場所とが異なるときに前記ユーザに警告する警告手段とを備えることにより、前記ユーザのスケジュールがスケジュール管理手段に登録されていれば、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所と登録された前記ユーザのスケジュールから特定される存在予定場所とが異なる場合に警告手段が前記ユーザに警告するので、前記ユーザが自らのスケジュールの内容を忘れてしまうのを防止できるから、業務効率を向上させることができる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所が前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記存在予定場所と異なるときに、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを案内する案内手段を備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所が前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記存在予定場所と異なるときに、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを案内する案内手段を備えることにより、案内手段が、前記ユーザに前記ユーザの居場所から会議室等の前記スケジュール管理手段に登録された前記存在予定場所への最短ルートを示すようにすれば、前記ユーザが会議室等の前記スケジュール管理手段に登録された場所に到達するまでの時間を短縮することができるので、業務効率を向上させることができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記携帯端末が表示手段を備え、前記案内手段が、前記ルートを表示手段に表示させることにより、前記ユーザに前記ルートの案内を行うことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、前記案内手段が、前記ルートを表示手段に表示させることにより、前記ユーザが、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所への前記ルートを把握するために必要な情報を前記携帯端末に設けられた表示手段により簡単に確認することができるので、業務効率を向上させることができる。
【0021】
請求項5の発明は、請求項3の発明において、建物内の複数の場所に設置され且つ前記ユーザを誘導可能な複数のサイン照明を備え、前記案内手段が、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所への前記ルート中に設けられた複数のサイン照明を点灯させることにより、前記ユーザに前記ルートの案内を行うことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、前記案内手段が、前記ユーザの存在場所から前記スケジュール管理手段に登録されたスケジュールから特定される前記存在予定場所への前記ルート中に設けられた複数のサイン照明を点灯させて前記ユーザに前記ルートの案内を行うことにより、請求項4の発明のように前記携帯端末に設けられた前記表示手段を確認しながら前記存在予定場所に向かう必要がないので、前記存在予定場所への移動中の前記ユーザの視界を確保することができるから、前記存在予定場所に向かう前記ユーザの安全性を向上させることができる。
【0023】
請求項6の発明は、請求項2ないし請求項5の発明において、前記スケジュール管理手段が、計時手段を備え、複数の前記ユーザの前記スケジュールを登録可能であり且つ前記各ユーザの前記スケジュールを外部から閲覧できるとともに登録されている前記スケジュールから特定される前記存在予定場所の予約を解除できる機能を有するものであって、前記スケジュール管理手段が、計時手段からの出力に基づいて前記ユーザの存在場所と前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記ユーザが予約している前記存在予定場所とが異なった状態で一定の規定時間だけ経過したことを認識すると、前記スケジュール管理手段に登録されている前記存在予定場所の予約を自動的に解除することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、前記スケジュール管理手段が、計時手段により前記ユーザの存在場所と前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記ユーザが予約している前記存在予定場所とが異なった状態で一定の規定時間だけ経過したことを認識すると、前記スケジュール管理手段に登録されている前記存在予定場所の予約を自動的に解除することにより、前記ユーザのスケジュールが変更となった場合において、前記ユーザが前記スケジュール管理手段に登録されているスケジュールから特定される前記ユーザが予約した前記存在予定場所である共用施設等の予約の解除を怠っても、当該共用施設等が誰も使用しない状態で放置されることを防止することができるので、共用施設等の利用効率を向上させることができる。
【0025】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記装置が、パーソナルコンピュータであって、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパーソナルコンピュータが前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの前記存在場所に最寄りの場所に設置されたパーソナルコンピュータが前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることにより、前記ユーザは、建物内に設置された複数のパーソナルコンピュータのいずれを使用する場合においても、その都度前記ユーザが自ら動作設定をやり直すことなく前記ユーザが所望する動作設定でパーソナルコンピュータを使用することができるので、記録媒体にパーソナルコンピュータの動作設定に必要な設定ファイル等を記憶させて持ち歩く必要がなくなるから、利便性を向上させることができる。また、前記ユーザそれぞれが個別の内容に動作設定がなされたパーソナルコンピュータを使用することを可能とするために、前記ユーザそれぞれに対して個別の内容で動作設定がなされたパーソナルコンピュータを設ける必要がなく、パーソナルコンピュータを設置するための什器の数を減らして事務スペースを削減することができるから、コスト削減を図ることができる。
【0027】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記装置が、照明機器および空気調和機の少なくとも一方からなり、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された照明機器および空気調和機の少なくとも一方が前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された照明機器および空気調和機の少なくとも一方が前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることにより、前記ユーザの嗜好に応じて照明機器や空気調和機を設定することができるので、前記ユーザが快適に作業を行うことができるから、業務効率を向上させることができる。
【0029】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、前記ユーザ情報蓄積手段が、少なくとも1つのサーバからなることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、前記ユーザ情報蓄積手段が、少なくとも1つのサーバからなることにより、前記ユーザ情報を前記サーバに一括して記憶させることができるので、前記ユーザ情報の管理を行い易くすることができる。
【0031】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、前記携帯端末が、前記ユーザ情報蓄積手段と、前記ユーザ情報送信手段と、前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を変更するためのユーザ情報変更手段とを備えることを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、前記携帯端末が、前記ユーザ情報蓄積手段と、前記ユーザ情報送信手段と、前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を変更するためのユーザ情報変更手段とを備えることにより、請求項9の発明のように、前記ユーザが前記サーバの設置場所まで移動して前記サーバを操作して前記ユーザ情報を変更する手間を省くことができ、前記携帯端末に設けられたユーザ情報変更手段により前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を変更することができるので、前記ユーザが前記ユーザ情報を変更しやすくなるから、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0033】
請求項1の発明によれば、存在場所特定手段により特定される携帯端末の位置をリアルタイムで表示する行き先表示手段を備えることにより、ユーザの居場所を確実に把握できるので、業務効率を向上させることができる。また、前記装置が、前記ユーザ情報を受信すると前記ユーザ情報に基づいて動作設定がなされることにより、ユーザが予約したい前記装置の前記動作設定をユーザ情報としてユーザ情報蓄積手段に蓄積しておけば、ユーザが建物内のどこに居てもユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された前記装置をユーザが予約した内容で動作設定がなされるので、業務効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態1のプレゼンス応用システムのブロック図である。
【図2】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図3】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図4】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図5】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図6】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図7】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図8】同上のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図9】実施形態2のプレゼンス応用システムの動作説明図である。
【図10】従来例の概略システム構成図である。
【図11】他の従来例の概略システム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(実施形態1)
以下、本実施形態について図1乃至図8に基づいて説明する。
【0036】
本実施形態のプレゼンス応用システムは、図1に示すように、個別の識別アドレスを有し該識別アドレスを含む電波を媒体とする無線信号を間欠的に送信する携帯端末PHと、建物内の複数の場所に設置された複数の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnと、複数の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnに信号線LNを介して接続されたサーバS2と、複数の装置であるパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)PC1,PC2,・・・,PCnとを備える。
【0037】
携帯端末PHは、図1に示すように、前記識別アドレスを記憶しておくための記憶部14と、前記識別アドレスを含む前記無線信号を送信する携帯端末通信部12と、記憶部14に記憶された前記識別アドレスを取得して携帯端末通信部12に出力する携帯端末制御部11とを備える。なお、携帯端末通信部12は、アンテナ等で構成されている。また、携帯端末PHとしては、例えば、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)等を使用することができる。
【0038】
無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、図1に示すように、信号線LNを介して互いに接続され相互に通信可能であるとともに携帯端末PHから送信される前記無線信号を受信可能である第1通信部22を備えている。また、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれが有する第1通信部22および後述の第2通信部23を制御する無線通信器制御部21を備える。また、無線通信器制御部21は、第1通信部22で受信した前記無線信号の受信強度に基づいて携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所を特定する存在場所特定手段21aを有する。ここに、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、個別の無線通信器識別アドレスを有する。
【0039】
存在場所特定手段21aは、ユーザの携帯する携帯端末PHから送信される前記無線信号に基づきユーザの存在場所を特定するとともに前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に関する情報を伝送するための伝送データをサーバS2やパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに送信する第2通信部23を有する。各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、ワイヤレスで互いに通信可能に接続された構成としてもよい。なお、第1通信部22は、アンテナ等で構成されている。また、存在場所特定手段21aでは、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnが有する個別の無線通信器識別アドレスそれぞれがユーザの存在場所に一対一で対応付けされている。
【0040】
存在場所特定手段21aは、前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に関する情報を伝送するための伝送データを出力する第2通信部23を有する。ここに、存在場所特定手段21aは、他の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnに対して信号線LNを介して間欠的に自己の前記無線通信器識別アドレスを含む情報要求信号を送信することにより、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれの前記無線通信器識別アドレスおよび前記無線信号の受信強度に関する情報を要求し、前記情報要求信号を受信した各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれは、要求元および自己の前記無線通信器識別アドレスおよび前記無線信号の受信強度に関する情報を信号線LNを介して送信する。ここで、存在場所特定手段21aは、信号線LNを介して送信される情報に含まれる情報要求元の前記無線通信器識別アドレスと自己の前記無線通信器識別アドレスとを照合するアドレス照合手段(図示せず)を有し、前記アドレス照合手段により前記情報に含まれる情報要求元の前記無線通信器アドレスと自己の無線通信器識別アドレスとを照合した結果、一致した場合には、自己宛の情報と認識する。ここで、存在場所特定手段21aは、自己宛の情報と認識した他の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれの前記無線通信器識別アドレスおよび前記無線信号の受信強度に関する情報を信号線LNを介して第2通信部23で取得するとともに、第1通信部22から出力される前記無線信号の受信強度に関する情報を取得する。続いて、存在場所特定手段21aは、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれの前記無線信号の受信強度を比較し、前記無線信号の受信強度が最も大きい無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスに一対一で対応づけされた場所をユーザの存在場所として特定する。存在場所特定手段21aは、ユーザの存在場所に一対一で対応づけされた前記無線通信器識別アドレスを携帯端末PHの前記識別アドレスとともに第2通信部23に出力する。存在場所特定手段21aから出力される前記無線通信器識別アドレスを取得した第2通信部23は、信号線LNを介してサーバS2に携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスを送信する。なお、存在場所特定手段21aおよび前記アドレス照合手段は、マイクロコンピュータ(図示せず)に適宜のプログラムを搭載することにより実現できる。また、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線信号の受信強度を比較するために前記無線信号の受信強度に関する情報を一時的に記憶しておくための記憶部24を備えている。
【0041】
サーバS2は、携帯端末PHを携帯するユーザに関するユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積手段31と、ユーザ情報蓄積手段31に蓄積された前記ユーザ情報に関するデータを送信するユーザ情報送信手段33とを備える。また、サーバ2は、前記ユーザの存在場所に設置された無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスを含む前記伝送データを受信するサーバ通信部(図示せず)を備える。ここで、前記ユーザ情報は、前記ユーザが携帯する携帯端末PHの前記識別アドレスと、存在場所特定手段12aにより特定された前記ユーザの存在場所に設置された無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線受信器識別アドレスと、前記ユーザが所望するパソコンPC1,PC2,・・・,PCnの動作設定に関するユーザ情報(例えば、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnそれぞれに搭載されたソフトウェアの各種設定情報等)とからなる。なお、サーバS2は、サーバ用パソコン(図示せず)で構成されている。また、ユーザ情報送信手段33は、当該サーバ用パソコンと当該サーバ用パソコンを制御する制御プログラムとにより実現されており、ユーザ情報蓄積手段31は、当該サーバ用パソコンに接続されたハードディスク等で構成されている。また、前記サーバ通信部は、信号線LNが接続されるインタフェースからなる。
【0042】
パソコンPC1,PC2,・・・,PCnは、信号線LNを介してサーバS2に接続されるとともに、サーバS2から送信される前記ユーザ情報を受信するためのパソコン通信部(図示せず)を有する。また、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnは、個別のパソコン識別アドレスを有する。そして、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnそれぞれのパソコン識別アドレスは、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線受信器識別アドレスに対応付けされている。
【0043】
また、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、図1に示すように、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnが備える存在場所特定手段21aにより特定された携帯端末PHを携帯する前記ユーザの存在場所をリアルタイムで表示する行き先表示手段である行き先表示板Dを備える。行き先表示板Dには、図3に示すように、ユーザの名称A,B,Cと当該ユーザの行き先の名称が表示されるようになっている(例えば、「A 会議室1」、「B 事務所」、「C 事務所」、・・・のように表示することができる)。行き先表示板Dは、液晶表示パネルからなる表示パネルD1と、表示パネルD1の後面側に配置された光源(図示せず)と、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnから送信される前記伝送データを受信するための受信部(図示せず)と、前記受信部で受信した前記伝送データに含まれる前記無線通信器識別アドレスに基づいて液晶表示パネルからなる前記表示パネルD1の表示を更新するための制御装置(図示せず)とを備える液晶表示装置を用いてもよい。
【0044】
次に、本実施形態のプレゼンス応用システムの動作について図2に基づいて説明する。
【0045】
無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnは、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれに設けられた存在場所特定手段21aにより、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnにおける前記無線信号の受信強度を比較して、最も受信強度が大きい無線通信器(図2の例では、無線通信器R3)を特定して、当該無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスに対応づけされた場所からユーザの存在場所を特定する(図2中の(1)参照)。従って、存在場所特定手段21aを構成するための装置等を無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnとは別に設ける必要がないので、システムの構築が容易になる。
【0046】
無線通信器R3が有する存在場所特定手段21aは、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスを含む伝送データを信号線LNを介してサーバS2に送信することにより、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスに対応付けされた場所から特定される前記ユーザの存在場所をサーバS2に通知する(図2中の(2)参照)。
【0047】
なお、本実施形態では、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれが、存在場所特定手段21aにより、最も受信強度が大きい無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnを特定してユーザの存在場所を特定する例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれが、存在場所特定手段21aにより、各無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線信号の受信強度の相対比を算出し、当該相対比に基づいてユーザの存在場所を特定するものであってもよい。
【0048】
サーバSが、前記伝送データを受信すると、サーバS2が有するユーザ情報送信手段33が、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスに基づいて、複数のパソコンPC1,PC2,・・・,PCnの中から前記無線通信器識別アドレスに対応するパソコン識別アドレスを有するパソコン(図2では、携帯端末PHに最寄りのパソコンPC2)を前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパソコンと特定して、前記ユーザ情報を送信する(図2中の(3)参照)。ここに、前記パソコン識別アドレスは、パソコンが備えるメモリからなる記憶部(図示せず)に記憶されている。
【0049】
前記ユーザ情報を前記パソコン通信部で受信したパソコンPC2は、前記ユーザ情報に基づき自動的に動作設定がなされる(図2中の(4)参照)。ここに、パソコンPC2は、例えば、パソコンPC2それぞれに搭載されたソフトウェアの各種設定情報等に基づきソフトウェアの動作設定がなされる。
【0050】
従って、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、ユーザが所望する動作設定の内容を前記ユーザ情報としてサーバS2のユーザ情報蓄積手段31に蓄積しておけば、ユーザが建物内のどこに居てもユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパソコンPC2をユーザが所望する動作設定で使用することができるので、業務効率を向上させることができる。また、ユーザそれぞれが個別の動作設定でパソコンPC1,PC2,・・・,PCnを使用することを可能とするために、ユーザそれぞれに対して個別にパソコンを設ける必要がないので、パソコンを設置するための什器の数を減らして事務スペースを小さくすることができるから、コスト削減を図ることができる。また、ユーザは、複数のパソコンPC1,PC2,・・・,PCnのいずれを使用する場合においても、その都度、ユーザが自ら動作設定をやり直すことなくユーザが所望する動作設定でパソコンPC1,PC2,・・・,PCnを使用することができるので、記録媒体にパソコンPC1,PC2,・・・,PCnの動作設定に必要な設定ファイル等を記憶させて持ち歩く必要がなくなるから、利便性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、図3に示すように、ユーザAが、例えば、無線通信器R3が設置された会議室1に居るとすると、存在場所特定手段21aが前記無線器識別アドレスに対応付けされた場所から携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所を特定し(図3中の(1)参照)、携帯端末PHの識別アドレスおよび前記ユーザの存在場所に対応した前記無線送信器識別アドレスを含む前記伝送データを無線通信器R3から行き先表示板Dに対して信号線LNを介して送信し、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスに一対一に対応したユーザの存在場所を通知する(図3中の(2)参照)。ここで、行き先表示手段Dは、前記受信部が前記伝送データを受信すると、前記伝送データに含まれる前記識別アドレスおよび前記ユーザの存在場所に対応した無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスに基づいて表示パネルD1に表示される前記ユーザの存在場所(ユーザの行き先)を更新する(図3中の(3)参照)。
【0052】
しかして、携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所とは異なる場所(例えば、ユーザのデスクがあるオフィス等)に居る人が、行き先表示手段Dを見ることによって、当該ユーザの居場所を確実に把握できるので、業務効率を向上させることができる。
【0053】
また、図1および図4に示すように、本実施形態のプレゼンス応用システムは、ユーザのスケジュールを登録することができるとともに存在場所特定手段21aにより特定される携帯端末PHを携帯する前記ユーザの存在場所と前記ユーザの登録されたスケジュールから特定される存在予定場所とを照合するスケジュール管理手段34と、存在場所特定手段21aにより特定される携帯端末PHを携帯する前記ユーザの存在場所とスケジュール管理手段34に登録されたユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所とが異なるときにユーザに警告する警告手段(図示せず)とを備える。なお、スケジュール管理手段34は、前記ユーザの存在場所と登録されたユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所との照合を行うプログラムと、当該プログラムに基づいて前記ユーザの存在場所と前記存在予定場所との照合を行うサーバS2に用いられる前記サーバ用パソコンとから実現されている。また、警告手段としては、例えば、携帯端末PHに設けられ、警告を音声で通知するスピーカおよび当該スピーカの駆動回路等を含む音声出力装置等で構成することができる。
【0054】
従って、ユーザが所定の時刻に所定の場所で開催される会議等に出席する予定をスケジュール管理手段34に登録しておけば、ユーザが所定の時刻に会議等が開催される前記存在予定場所と異なる場所にいるとスケジュール管理手段34から携帯端末PHにユーザに警告すべき旨を通知して携帯端末PHが前記警告手段によりユーザに警告を行うので、ユーザが所定の時刻に会議等に出席するのを忘れてしまうのを防止できるから、業務効率を向上させることができる。
【0055】
また、図1および図4に示すように、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、ユーザの存在場所と前記存在予定場所とが異なるときに、ユーザを前記存在予定場所に案内する案内手段(図示せず)と携帯端末PHに設けられた表示手段13とを備えている。なお、前記案内手段は、前記ユーザの存在場所からスケジュール管理手段34に登録されたユーザの前記存在予定場所までのルートを示す複数のデータの中から最短ルートを検索するためにサーバS2に搭載されたプログラムと、当該プログラムに基づいて検索処理を行うサーバ用パソコンと、当該サーバ用パソコンの前記検索処理により得られた前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所への最短ルートを示すデータを信号線LNを介して携帯端末PHに送信するサーバS2が有する前記サーバ通信部とから実現されている。また、表示手段13は、携帯端末PHが備えるディスプレイとディスプレイ上にユーザが前記存在場所から前記存在予定場所へのルートを視認できる形でルートを表示するためのブラウザとから実現されている。ここに、前記サーバ用パソコンは、前記プログラムに基づいてサーバS2に予め記憶された複数の前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを示すデータの中から最短ルートを示すデータを検索する。
【0056】
ここにおいて、図4に示すように、存在場所特定手段21aが、携帯端末PHから送信される前記無線信号の受信強度が最も大きい無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスに対応づけされた場所からユーザの存在場所を特定し(図4中の(1)参照)、無線通信器R3から携帯端末PHの前記識別アドレスおよび無線通信器R3の前記無線通信器識別アドレスを含む伝送データをサーバS2に送信することで、携帯端末PHの前記識別アドレスおよびユーザの存在場所をサーバS2に通知する(図4中の(2)参照)。前記伝送データを受信したサーバS2では、スケジュール管理手段34が、ユーザの行き先(ユーザの存在場所)とユーザのスケジュールとを照合し(図4中の(3)参照)、ユーザの存在場所とユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所とが異なるときに、スケジュール管理手段34から無線通信器R3に警告通知データを送信するとともに、前記警告通知データを受信した無線通信器R3は、携帯端末PHに前記警告通知データを含む無線信号を送信することで、ユーザに警告すべき旨を通知する(図4中の(4)参照)。
【0057】
携帯端末PHが当該無線信号を受信すると、前記音声出力装置からなる前記警告手段がユーザに音声で警告するとともに、前記案内手段が、表示手段13にユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを表示させる(図4中の(5)参照)。ここで、存在場所特定手段21aからサーバSへは、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスが間欠的に送信されており、ユーザが移動してユーザの存在場所が変わるとそれに伴って前記案内手段が最短ルートを再検索し表示手段13に表示される前記存在予定場所への前記最短ルートを更新する。
【0058】
従って、前記案内手段が、ユーザの居場所から会議室等のスケジュール管理手段34に登録された場所への最短ルートを表示して案内するようにすれば、ユーザが会議室等のスケジュール管理手段34に登録された場所への移動時間を短縮できるので、業務効率の向上が図れる。また、ユーザは、ユーザの存在場所からスケジュール管理手段34に登録された前記存在予定場所へのルートを把握するために必要な情報を、手持ちの携帯端末PHが備える表示手段13により簡単に確認することができるので、業務効率を向上させることができる。
【0059】
なお、本実施形態のプレゼンス応用システムは、図5に示すように、建物内の複数の場所に設置され且つユーザを誘導可能な複数のサイン照明M1,M2,M3,・・・を備えたものであってもよい。ここに、サイン照明M1,M2,M3,・・・は、矢印の図柄が形成された表示パネルを光らせることによりユーザを誘導する。図5に示す構成のプレゼンス応用システムでは、存在場所特定手段21aが、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記識別アドレスに対応づけされた場所から前記ユーザの存在場所を特定し(図5中の(1)参照)、携帯端末PHの識別アドレスおよびユーザの存在場所をサーバS2に通知すると(図5中の(2)参照)、スケジュール管理手段34がユーザの存在場所(ユーザの行き先)とユーザのスケジュールとを照合する(図5中の(3)参照)。そして、ユーザの存在場所とユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所とが異なるときに、スケジュール管理手段34から無線通信器R3を介して携帯端末PHに警告通知データを送信して携帯端末PHにユーザに警告すべき旨を通知する(図5中の(4)参照)。携帯端末PHが前記警告通知データを含む前記無線信号を受信すると、前記警告手段が、ユーザに警告するとともに(図5中の(5)参照)、前記案内手段が、スケジュール管理手段34に登録された場所へのルート中に設けられた複数のサイン照明M1,M2,M3,・・・を適宜点灯させることにより、ユーザを前記存在予定場所に案内する案内表示を行う(図5中の(6)参照)。
【0060】
図5に示す構成であれば、図1および図4に示す構成のプレゼンス応用システムのように、ユーザは、携帯端末PHに設けられた表示手段13を確認しながら、スケジュール管理手段34に登録された前記存在予定場所に向かう必要がないので、前記存在予定場所への移動中のユーザの視界を確保することができるから、スケジュール管理手段34に登録された場所に向かうユーザの安全性を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、スケジュール管理手段34が、計時手段としてタイマ(図示せず)を備える。また、スケジュール管理手段34には、複数のユーザのスケジュールを登録することができ、ユーザは、サーバS2に信号線LNを介して接続されたパソコンPC1,PC2,・・・,PCnからサーバS2にアクセスすることによって各ユーザのスケジュールをパソコンPC1,PC2,・・・,PCnで閲覧したり、登録されているスケジュールから特定される前記存在予定場所の予約を解除したりすることができる。本実施形態のプレゼンス応用システムでは、図6に示すように、存在場所特定手段21aが、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスに対応づけされた場所から前記ユーザの存在場所を特定し(図6中の(1)参照)、携帯端末PHの前記識別アドレスおよびユーザの存在場所をサーバS2に通知すると(図6中の(2)参照)、スケジュール管理手段34がユーザの存在場所(ユーザの行き先)とユーザのスケジュールとを照合する(図6中の(3)参照)。そして、ユーザの存在場所とユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所とが異なるときに、スケジュール管理手段34から無線通信器R3を介して携帯端末PHに警告通知データを送信して携帯端末PHにユーザに警告すべき旨を通知する(図6中の(4)参照)。携帯端末PHが前記警告通知データを含む前記無線信号を受信すると、前記警告手段がユーザに警告する(図6中の(5)参照)。ここで、スケジュール管理手段34が、前記タイマの出力に基づいて前記ユーザの存在場所と前記存在予定場所とが異なった状態で一定の規定時間だけ経過したこと(例えば、スケジュールに登録された会議等の開始時刻から30分経過したこと)を認識すると、スケジュール管理手段34が、スケジュール管理手段34に登録されているスケジュールから特定される前記存在予定場所の予約を自動的に解除する(図6中の(6)参照)。
【0062】
従って、ユーザのスケジュールが変更となった場合において、ユーザがスケジュール管理手段34に登録されているスケジュールから特定される前記存在予定場所である共用施設等の予約の解除を怠っても、当該共用施設等が誰にも使用されないまま放置されるケースを少なくできるので、当該共用施設等の利用効率を向上させることができる。また、当該共用施設等の利用効率を向上させることにより、業務効率の向上を図ることができる。
【0063】
また、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、例えば、図7に示すように、前記装置として、複数の照明装置L1,L2,・・・および複数の空気調和機A1,・・・,Anを用いて、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された照明装置および空気調和機(図7では、照明装置L2および空気調和機A1)の動作設定がなされるものであってもよい。例えば、照明装置L2の明るさ設定や色合い設定を行ったり、空気調和機A1の温度設定や湿度設定を行うものであってもよい。
【0064】
この場合、ユーザが自分の好みに応じて照明装置L1,L2,・・・や空気調和機A1,・・・,Anの動作設定に関する情報をユーザ情報としてユーザ情報蓄積手段31に蓄積しておけば、ユーザの好みに応じて照明装置L1,L2,・・・や空気調和機A1,・・・,Anを設定することができるので、ユーザの快適性を向上させることができ、業務効率を向上させることができる。
【0065】
また、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、図1に示すように、ユーザ情報蓄積手段31が、サーバS2に設けられている。従って、前記ユーザ情報をサーバS2に一括して記憶させておくことができるので、前記ユーザ情報の管理を行い易くすることができる。なお、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、LANケーブル(図示せず)等からなる通信手段により互いに前記ユーザ情報の送受信が可能な形で接続された複数のサーバ(図示せず)を備え、前記ユーザ情報を複数の前記サーバに分散して蓄積するものであってもよい。ここで、ユーザは、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnのキーボードやマウス等の入力装置(図示せず)を操作して前記ユーザ情報を変更することができる。
【0066】
なお、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、例えば、図8に示すように、前記装置として固定電話機からなる電話機P1,P2,P3,・・・,Pnを用いたものであってもよい。図8に示す構成では、電話機P1,P2,P3,・・・,Pnが、携帯端末PHを携帯するユーザを指定するためのユーザ指定手段(図示せず)を有しており、前記ユーザ指定手段によりユーザが携帯する携帯端末PHの識別アドレスを指定すると、存在場所特定手段21aが無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスに対応づけされた場所からユーザの存在場所が特定するとともに(図8中の(1)参照)、サーバS2に携帯端末PHの前記識別アドレスおよび無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスを送信することで、携帯端末PHの識別アドレスおよびユーザの存在場所をサーバS2に通知する(図8中の(2)参照)。サーバS2は、存在場所特定手段21aから送信された携帯端末PHの前記識別アドレスおよび無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスに基づいてユーザに最寄りの電話機(図8の例では、電話機P2)を特定して(図8中の(3)参照)、当該電話機P2を鳴動させる(図8中の(4)参照)。なお、前記ユーザ指定手段は、例えば、携帯端末PHのユーザ別に設けられた複数の転送釦で構成することができる。なお、前記ユーザ指定手段は、転送釦に限られず、電話機P1,P2,P3,・・・,Pnそれぞれの内線番号を入力すれば当該内線番号に対応する電話機P1,P2,P3,・・・,Pnに転送されるものであってもよい。
【0067】
しかして、電話機P1,P2,P3,・・・,Pnで外部の人からの電話を受けた人が、外部からの電話をユーザの携帯する携帯端末PHに転送する際に、電話機P1,P2,P3,・・・,Pnの前記ユーザ指定手段によりユーザが携帯する携帯端末PHの前記識別アドレスを指定すると、複数の電話機P1,P2,P3,・・・,Pnのうち存在場所特定手段21aにより特定された携帯端末PHを携帯するユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された電話機(図2では、携帯端末PHに最寄りの電話機P2)を特定して(図8中の(3)参照)、電話機P2を鳴動させる(図8中の(4)参照)。つまり、図8に示す構成のプレゼンス応用システムでは、外部の人から電話を受けた人が前記ユーザに転送する際に、前記ユーザが携帯する携帯端末PHの前記識別アドレスを指定すれば、ユーザの前記存在場所に最寄りの場所に設置された電話機P2を鳴動させることができる。
【0068】
従って、ユーザが建物内のどこに居ても直ぐに外部の人からユーザへの電話呼出に応じることができるので、電話呼出に応じることができないケースを減らすことができるから、電話の相手方である外部の人との意思疎通を円滑にすることができる。
【0069】
(実施形態2)
本実施形態のプレゼンス応用システムの基本構成は、実施形態1と略同じであり、図9に示すように、携帯端末PHが、ユーザ情報蓄積手段41と、ユーザ情報蓄積手段41に蓄積されたユーザ情報を送信するためのユーザ情報送信手段(図示せず)と、ユーザ情報蓄積手段41に蓄積された前記ユーザ情報を変更するためのユーザ情報変更手段(図示せず)とを備える点が実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
ここで、ユーザ情報蓄積手段41は、携帯端末PHに設けられたメモリからなる記憶部(図示せず)により構成され、前記ユーザ情報送信手段は、携帯端末PHの識別アドレスを含む無線信号を送信する携帯端末通信部(図示せず)により構成されている。また、前記ユーザ情報変更手段は、複数のキーからなる操作部(図示せず)で構成されている。なお、前記操作部は、例えば、タッチパネル等で構成してもよい。
【0071】
図9に示すように、本実施形態のプレゼンス応用システムは、複数の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnに設けられ携帯端末PHを携帯する前記ユーザの存在場所を特定する実施形態1と同様の存在場所特定手段(図示せず)を備えており、携帯端末PHが、携帯端末PHの識別アドレスを含む無線信号を出力すると、前記存在場所特定手段によりユーザの存在場所が特定される(図9中の(1)参照)。ここで、前記存在場所特定手段は、信号線LNを介してパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスを含む伝送データを送信するとともに携帯端末PHにも前記伝送データを無線により送信する第2通信部(図示せず)を有している。つまり、第2通信部は、信号線LNに接続するための信号線接続用インターフェース(図示せず)と前記伝送データを送信するための送信用アンテナ(図示せず)とを備えており、前記伝送データを信号線LNを介して送信できるとともに無線でも送信できる。そして、前記存在場所特定手段は、前記第2通信部から携帯端末PHの前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に対応する前記無線通信器識別アドレスをパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに通知するとともに(図9中の(2)参照)、ユーザ情報蓄積手段41を備える携帯端末PHに携帯端末PHの前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に対応する前記無線通信器識別アドレスを含む前記伝送データを送信する。携帯端末PHは、携帯端末PHの前記識別アドレスおよび前記無線通信器識別アドレスを含む前記伝送データを受信するとユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を、前記無線通信器識別アドレスに対応するパソコン識別アドレスを有するパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに送信する。
【0072】
一方、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnは、複数の無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnそれぞれの前記無線通信器識別アドレスを含む伝送データを受信するパソコン通信部(図示せず)と、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnそれぞれの最寄りの場所に設置された無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnの前記無線通信器識別アドレスを記憶するためのメモリからなる記憶部(図示せず)と、前記パソコン通信部で受信した前記無線通信器識別アドレスと前記記憶部に記憶された前記無線通信器識別アドレスとを照合する照合手段(図示せず)とを備えている。ここに、パソコンPC1,PC2,PC3,・・・,PCnは、存在場所特定手段21aから送信され前記パソコン通信部で受信した前記伝送信号に含まれる前記無線通信器識別アドレスと予め前記記憶部に記憶された前記無線通信器識別アドレスとを照合した結果、両者が一致する場合にはユーザに最寄りのパソコン(図9の例では、パソコンPC2)として特定される(図9中の(3)参照)。そして、ユーザに最寄りのパソコンPC2は、携帯端末PHから送信され前記パソコン通信部で受信した前記ユーザ情報に基づき自動的に動作設定がなされる(図9中の(4)参照)。なお、前記照合手段は、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnとパソコンPC1,PC2,・・・,PCnそれぞれに搭載された適宜のプログラムとによって実現できる。
【0073】
また、図9に示す構成のプレゼンス応用システムでは、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnに実施携帯1と同様のスケジュール管理手段(図示せず)と、ユーザを前記存在予定場所に案内する案内手段(図示せず)とが設けられている。
【0074】
前記スケジュール管理手段は、ユーザの存在場所と前記存在予定場所とが異なることを認識すると、その旨を前記案内手段に通知する。なお、前記スケジュール管理手段は、前記ユーザの存在場所と登録されたユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所との照合を行うプログラムと、当該プログラムに基づいて前記ユーザの存在場所と前記存在予定場所との照合を行うパソコンPC1,PC2,・・・,PCnとから実現されている。
【0075】
前記案内手段は、無線通信器R1,R2,R3,・・・,Rnに信号線LNを介して接続されたパソコンPC1,PC2,・・・,PCnの少なくとも1つに搭載されている。また、前記案内手段は、前記ユーザの存在場所から前記スケジュール管理手段に登録されたユーザの前記存在予定場所までのルートを示すパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに記憶された複数のデータの中から最短ルートを検索するためにパソコンPC1,PC2,・・・,PCnに搭載されたプログラムと、当該プログラムに基づいて検索処理を行うパソコンPC1,PC2,・・・,PCnと、当該パソコンPC1,PC2,・・・,PCnの検索処理により得られた前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所への最短ルートを示すデータを信号線LNを介して携帯端末PHに送信するパソコンPC1,PC2,・・・,PCnが有する前記パソコン通信部とから実現されている。ここに、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnには、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを示すデータが予め複数記憶されており、パソコンPC1,PC2,・・・,PCnは、前記プログラムに基づいて前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを示す複数のデータの中から最短ルートを示すデータを検索する。また、図9に示す構成のプレゼンス応用システムは、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを表示するための表示手段(図示せず)を備えており、前記表示手段は、携帯端末PHが備えるディスプレイとディスプレイ上にユーザが前記存在場所から前記存在予定場所へのルートを視認できる形でルートを表示するためのブラウザとから実現されている。
【0076】
図9に示すプレゼンス応用システムでは、前記スケジュール管理手段が、前記ユーザの存在場所と登録されたユーザのスケジュールから特定される前記存在予定場所とを照合した結果、前記ユーザの存在場所と前記存在予定場所とが異なることを認識すると、前記案内手段にその旨を通知する。ここで、前記案内手段は、携帯端末PHが備える前記表示手段によりユーザを前記存在予定場所に案内する。
【0077】
しかして、本実施形態のプレゼンス応用システムでは、ユーザ情報蓄積手段41が携帯端末PHに設けられていることにより、実施形態1のように、ユーザがサーバS2(図1参照)やパソコンPC1,PC2,・・・,PCn(図1参照)の設置場所まで移動してキーボードやマウス等の前記入力装置を操作して前記ユーザ情報を変更する必要がなく、また、携帯端末PHに設けられた前記操作部を操作するだけでユーザ情報蓄積手段41に蓄積された前記ユーザ情報を変更することができるので、前記ユーザが前記ユーザ情報を変更しやすくなるから、利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0078】
13 表示手段(案内手段)
21a 存在場所特定手段
22 第1通信部
23 第2通信部
31,41 ユーザ情報蓄積手段
33,43 ユーザ情報送信手段
34 スケジュール管理手段
A1,・・・,An 空気調和機(装置)
D 行き先表示手段
L1,L2 照明装置(装置)
M1,M2,M3 サイン照明
P1,P2,P3,・・・,Pn 電話機(装置)
PC1,PC2,PC3,・・・,PCn パーソナルコンピュータ(装置)
PH 携帯端末
R1,R2,R3,・・・,Rn 無線通信器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を携帯するユーザの存在場所を特定できる機能を有し建物内の複数箇所に設置された装置の中から当該機能に基づいて特定されるユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された前記装置の動作設定を行うプレゼンス応用システムであって、個別の識別アドレスを有し該識別アドレスを含む無線信号を間欠的に送信することが可能な前記携帯端末と、建物内の複数の場所に設置され且つ相互に通信可能に接続されるとともに前記携帯端末から送信される前記無線信号を受信可能である第1通信部を有する複数の無線通信器と、ユーザの携帯する前記携帯端末から送信され無線通信器の第1通信部で受信する前記無線信号に基づきユーザの存在場所を特定するとともに前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に関する情報を伝送するための伝送データを出力する第2通信部を有する存在場所特定手段と、前記携帯端末を携帯するユーザが使用する前記装置の前記動作設定に関するユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積手段と、前記存在場所特定手段の第2通信部から出力される前記伝送データを受信するとユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を前記装置に送信するユーザ情報送信手段とを備え、存在場所特定手段により特定されるユーザの存在場所をリアルタイムで表示する行き先表示手段を備えるとともに、前記装置が、前記ユーザ情報を受信すると前記ユーザ情報に基づいて前記動作設定を行うことを特徴とするプレゼンス応用システム。
【請求項2】
前記ユーザのスケジュールを登録することができるとともに前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所と前記ユーザの登録されたスケジュールから特定される存在予定場所とを照合するスケジュール管理手段と、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所とスケジュール管理手段に登録された前記ユーザのスケジュールから特定される存在予定場所とが異なるときに前記ユーザに警告する警告手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のプレゼンス応用システム。
【請求項3】
前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所が前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記存在予定場所と異なるときに、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを案内する案内手段を備えることを特徴とする請求項2記載のプレゼンス応用システム。
【請求項4】
前記携帯端末が表示手段を備え、前記案内手段が、前記ルートを表示手段に表示させることにより、前記ユーザに前記ルートの案内を行うことを特徴とする請求項3記載のプレゼンス応用システム。
【請求項5】
建物内の複数の場所に設置され且つ前記ユーザを誘導可能な複数のサイン照明を備え、前記案内手段が、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所への前記ルート中に設けられた複数のサイン照明を点灯させることにより、前記ユーザに前記ルートの案内を行うことを特徴とする請求項3記載のプレゼンス応用システム。
【請求項6】
前記スケジュール管理手段が、計時手段を備え、複数の前記ユーザの前記スケジュールを登録可能であり且つ前記各ユーザの前記スケジュールを外部から閲覧できるとともに登録されている前記スケジュールから特定される前記存在予定場所の予約を解除できる機能を有するものであって、前記スケジュール管理手段が、計時手段からの出力に基づいて前記ユーザの存在場所と前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記ユーザが予約している前記存在予定場所とが異なった状態で一定の規定時間だけ経過したことを認識すると、前記スケジュール管理手段に登録されている前記存在予定場所の予約を自動的に解除することを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のプレゼンス応用システム。
【請求項7】
前記装置が、パーソナルコンピュータであって、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパーソナルコンピュータが前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のプレゼンス応用システム。
【請求項8】
前記装置が、照明機器および空気調和機の少なくとも一方からなり、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された照明機器および空気調和機の少なくとも一方が前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザ情報蓄積手段が、少なくとも1つのサーバからなることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のプレゼンス応用システム。
【請求項10】
前記携帯端末が、前記ユーザ情報蓄積手段と、前記ユーザ情報送信手段と、前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を変更するためのユーザ情報変更手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のプレゼンス応用システム。
【請求項1】
携帯端末を携帯するユーザの存在場所を特定できる機能を有し建物内の複数箇所に設置された装置の中から当該機能に基づいて特定されるユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された前記装置の動作設定を行うプレゼンス応用システムであって、個別の識別アドレスを有し該識別アドレスを含む無線信号を間欠的に送信することが可能な前記携帯端末と、建物内の複数の場所に設置され且つ相互に通信可能に接続されるとともに前記携帯端末から送信される前記無線信号を受信可能である第1通信部を有する複数の無線通信器と、ユーザの携帯する前記携帯端末から送信され無線通信器の第1通信部で受信する前記無線信号に基づきユーザの存在場所を特定するとともに前記識別アドレスおよびユーザの存在場所に関する情報を伝送するための伝送データを出力する第2通信部を有する存在場所特定手段と、前記携帯端末を携帯するユーザが使用する前記装置の前記動作設定に関するユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積手段と、前記存在場所特定手段の第2通信部から出力される前記伝送データを受信するとユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を前記装置に送信するユーザ情報送信手段とを備え、存在場所特定手段により特定されるユーザの存在場所をリアルタイムで表示する行き先表示手段を備えるとともに、前記装置が、前記ユーザ情報を受信すると前記ユーザ情報に基づいて前記動作設定を行うことを特徴とするプレゼンス応用システム。
【請求項2】
前記ユーザのスケジュールを登録することができるとともに前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所と前記ユーザの登録されたスケジュールから特定される存在予定場所とを照合するスケジュール管理手段と、前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所とスケジュール管理手段に登録された前記ユーザのスケジュールから特定される存在予定場所とが異なるときに前記ユーザに警告する警告手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のプレゼンス応用システム。
【請求項3】
前記存在場所特定手段により特定される前記携帯端末を携帯する前記ユーザの存在場所が前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記存在予定場所と異なるときに、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所へのルートを案内する案内手段を備えることを特徴とする請求項2記載のプレゼンス応用システム。
【請求項4】
前記携帯端末が表示手段を備え、前記案内手段が、前記ルートを表示手段に表示させることにより、前記ユーザに前記ルートの案内を行うことを特徴とする請求項3記載のプレゼンス応用システム。
【請求項5】
建物内の複数の場所に設置され且つ前記ユーザを誘導可能な複数のサイン照明を備え、前記案内手段が、前記ユーザの存在場所から前記存在予定場所への前記ルート中に設けられた複数のサイン照明を点灯させることにより、前記ユーザに前記ルートの案内を行うことを特徴とする請求項3記載のプレゼンス応用システム。
【請求項6】
前記スケジュール管理手段が、計時手段を備え、複数の前記ユーザの前記スケジュールを登録可能であり且つ前記各ユーザの前記スケジュールを外部から閲覧できるとともに登録されている前記スケジュールから特定される前記存在予定場所の予約を解除できる機能を有するものであって、前記スケジュール管理手段が、計時手段からの出力に基づいて前記ユーザの存在場所と前記スケジュール管理手段に登録された前記ユーザの前記スケジュールから特定される前記ユーザが予約している前記存在予定場所とが異なった状態で一定の規定時間だけ経過したことを認識すると、前記スケジュール管理手段に登録されている前記存在予定場所の予約を自動的に解除することを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のプレゼンス応用システム。
【請求項7】
前記装置が、パーソナルコンピュータであって、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置されたパーソナルコンピュータが前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のプレゼンス応用システム。
【請求項8】
前記装置が、照明機器および空気調和機の少なくとも一方からなり、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの存在場所に最寄りの場所に設置された照明機器および空気調和機の少なくとも一方が前記ユーザの予約した内容で動作設定がなされることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザ情報蓄積手段が、少なくとも1つのサーバからなることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のプレゼンス応用システム。
【請求項10】
前記携帯端末が、前記ユーザ情報蓄積手段と、前記ユーザ情報送信手段と、前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積された前記ユーザ情報を変更するためのユーザ情報変更手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のプレゼンス応用システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−28388(P2011−28388A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171411(P2009−171411)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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