説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】 加速度センサを搭載したゲームコントローラを用いてゲームコントローラを動作させることによる操作入力を実現する。
【解決手段】3軸方向の加速度を検出可能な加速度センサを備えたゲームコントローラ1230で空間に図形パターンを描くようにして移動操作する。移動操作する間にサンプリングされた加速度から、移動軌跡10の位置pを導出し、位置pから軌跡関数、近似平面12を求める。更に、近似平面12を法線方向から見た画像を軌跡画像14として生成する。そして、軌跡画像データ14を、参照パターンデータとパターンマッチングして最も適合する参照パターンを選択し、この選択された参照パターンに対応づけられている魔法発動の操作入力命令に従ってプレーヤキャラクタ6の動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに所定のゲームを実行させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用ゲーム装置の多くは、プッシュボタンスイッチやアナログレバーといった素子を有するゲームコントローラ(「ゲームパッド」とも呼ばれる)を備えている。プレーヤがゲームコントローラを両手で持ってビデオディスプレイの前に座り、指先の操作で各種のゲーム操作を入力してゲームプレイするといったスタイルは良く知られるところである。
【0003】
また、こうしたプッシュボタンスイッチやアナログレバーなどを直接的に接触操作せずに操作入力する方法としては、例えば、指の動きを撮影し、指の移動軌跡による入力を可能にするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、特許文献1には、対象物体までの距離を計測可能なカメラデバイスと、入力結果を視認するためのディスプレイを備えたシステムによって、カメラデバイスで撮影した画像中からユーザの指先領域を推測し、次に指先と情報入力面までの距離を推定して、両者が接触していると推定されるならば入力中、非接触であるならば入力中ではないとみなすことにより、自然かつ容易な操作で任意の軌跡情報を入力可能とする発明が開示されている。
【特許文献1】特開2004−94653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、ビデオゲームの多く、特にロールプレイングゲーム(RPG)などでは、プレーヤがプレーヤキャラクタになりきる感覚をどれだけ実現できるかがゲームの重要な要素である。従来のようにプッシュボタンスイッチやアナログレバーによる操作入力では、スイッチを押すとかレバーを倒すといった実際の入力動作と、それによって引き起こされるプレーヤキャラクタのゲーム内での動作との間に隔たりがあり、プレーヤキャラクタになりきる感覚を得るには、十分とは言えなかった。
【0005】
こうした要望に応ずるには、前述の特許文献1の技術を用いることも考えられる。特許文献1の技術を用いれば、指先などの対象物体の軌跡情報が入力可能になる。つまり、対象物の動作をゲーム操作の入力に用いることが可能になる。しかし、システムが大掛かりになるため、低価格であることが要求される家庭用ゲーム装置に適用するのは困難であった。
【0006】
一方で、近年の加速度センサの低価格化・小型化により、加速度センサを搭載したゲームコントローラが開発・実用化されるようになってきた。ゲームコントローラの移動操作にともなって加速度センサが加速度を検出して検出信号を家庭用ゲーム装置本体に出力しゲームに用いることが可能である。
【0007】
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加速度センサを搭載したゲームコントローラを用いてゲームコントローラを移動させることによる操作入力を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する第1の発明は、コンピュータに所定のゲームを実行させるためのプログラムであって、加速度検出器を内蔵したゲームコントローラの位置を変化させるように該ゲームコントローラを動かす移動操作を行った際に前記加速度検出器により検出される加速度情報に基づいて、該ゲームコントローラの移動軌跡を算出する移動軌跡算出手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、移動軌跡算出部212、図11のステップS6)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
また別形態の第18の発明は、加速度検出器(例えば、図1の加速度センサ1239)を内蔵したゲームコントローラと、前記ゲームコントローラの位置を変化させるように該ゲームコントローラを動かす移動操作を行った際に前記加速度検出器により検出される加速度情報に基づいて、該ゲームコントローラの移動軌跡を算出する移動軌跡算出手段(例えば、図1のゲーム機本体1201、制御ユニット1210、図11のステップS6)を備えたゲーム装置である。
【0010】
第1及び第18の発明によれば、加速度検出器を内蔵したゲームコントローラの現在位置を変化させるように移動操作を行うと、加速度検出器により検出される加速度情報に基づいてゲームコントローラの移動軌跡を算出し、ゲーム内で利用することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、前記移動軌跡算出手段により算出された移動軌跡に基づいて前記ゲームを進行制御するゲーム進行制御手段(例えば、図1のゲーム機本体1201、制御ユニット1210、図11のステップS8〜S22)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0012】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するともに、算出された移動軌跡に基づいてゲームを進行制御することができる。つまり、ゲームコントローラを移動させる動作を移動軌跡という形で取り込み、これに基づいてゲームを進行させることができる。
【0013】
第3の発明は、第2の発明のプログラムであって、前記ゲーム進行制御手段が、前記算出された移動軌跡に基づいて操作入力命令を判定する操作入力命令判定手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、操作入力命令判定部214、図11のステップS8)を有し、前記操作入力命令判定手段により判定された操作入力命令に従ってゲームを進行制御するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
第3の発明によれば、第2の発明と同様の効果を奏するとともに、移動軌跡によってゲーム操作の入力をすることができる。例えば、プレーヤキャラクタである魔法使いが魔法の杖を振って印(「いん」と読む。単独の図形又は複数の図形や文字の組み合わせによって構成されたものの意)を描くことで魔法を発動するといったゲームの設定では、魔法の杖の振り方が移動軌跡に相当する。したがって、移動軌跡に基づいて魔法発動の操作入力命令を判定するようにするならば、魔法使いのキャラクタに魔法を発動させる操作入力をゲームコントローラの移動軌跡で行うといったことが可能になる。
【0015】
第4の発明は、第3の発明のプログラムであって、前記操作入力命令判定手段が、複数の操作入力命令それぞれに対応付けて予め定められた複数の軌跡参照データ(例えば、図7の参照パターンデータ526)の中から、前記算出された移動軌跡に適合する軌跡参照データ(例えば、図8の参照画像526a)を選択し、該選択した軌跡参照データに対応付けられている操作入力命令がなされたと判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0016】
軌跡参照データとは、基準となる軌跡を定義するデータであって、例えば軌跡を表す関数、軌跡を一方向から撮影したのに相当する画像、軌跡の全体または一部のベクトルデータなど、軌跡そのものを導出可能なデータや、軌跡の特徴を表す代表値などのデータがこれに該当する。
第4の発明によれば、第3の発明と同様の効果を奏するとともに、複数種類の操作入力命令それぞれに軌跡参照データが予め対応付けられており、算出された移動軌跡に適合する軌跡参照データを選択することによって、複数の操作入力命令から選択することができる。よって、移動軌跡を多数の中から選択できるので、移動軌跡の入力によって可能な操作入力のバリエーションを豊富にできる。
【0017】
第5の発明は、第4の発明のプログラムであって、前記操作入力命令は、所与の可変パラメータ(例えば、図9のダメージTBLデータ528のダメージ値528c)に応じて予め定められた処理(例えば、図11のステップS10〜S18)を行うための命令であり、前記操作入力命令判定手段が、前記算出された移動軌跡と前記複数の軌跡参照データそれぞれとの適合度(例えば、図9のマッチング評価値H)を算出する適合度算出手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、操作入力命令判定部214、図13のステップS74)を有し、前記適合度算出手段による算出結果に基づいて軌跡参照データを選択し、前記ゲーム進行制御手段が、前記選択された軌跡参照データの前記適合度算出手段により算出された適合度に応じて前記可変パラメータを可変して、前記操作入力命令判定手段により判定された操作入力命令に従った処理を実行する、ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0018】
ここで言う「適合度」とは、サンプルと参照データとの類似度や、近似度、蓋然度を意味する。
第5の発明によれば、第4の発明と同様の効果を奏するとともに、移動軌跡と軌跡参照データとの適合度に応じて、可変パラメータを可変し、可変された後の可変パラメータに応じて該軌跡参照データに対応する操作入力命令を実行する。したがって、ゲームコントローラを移動させて移動軌跡を描くスキルをゲームに反映させることができる。例えば、ゲームコントローラの移動を魔法使いキャラクタが所持する魔法の杖の操作に見立て、移動軌跡で魔法の発動を操作入力するならば、杖の動かし方の出来の良し悪しによって発動される魔法に程度差が生じることになり、プレーヤが魔法使いのキャラクタになりきる感覚を高めることができる。
【0019】
第6の発明は、第2の発明のプログラムであって、前記ゲーム進行制御手段が、前記移動軌跡算出手段により算出された移動軌跡が予め定められた所定軌跡に合致する場合に、予め定められた操作入力命令がなされたとみなす操作入力命令判定手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、操作入力命令判定部214)を有し、前記操作入力命令判定手段の判定に応じて、前記操作入力命令に従った処理を実行してゲームを進行制御するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
第6の発明によれば、第2の発明と同様の効果を奏するとともに、移動軌跡によって操作入力することができる。例えば、プレーヤキャラクタである魔法使いが魔法の杖を振って印(いん)を描くことで魔法を発動するといったシチュエーションでは、魔法の杖の振り方が移動軌跡に相当する。したがって、移動軌跡に基づいて魔法発動の操作入力命令を判定するようにするならば、魔法使いのキャラクタに魔法を発動させる操作を、ゲームコントローラの移動軌跡で行うといったことが可能になる。
【0021】
第7の発明は、第4〜第6の何れかの発明のプログラムであって、前記操作入力命令は、所与の可変パラメータに応じて予め定められた処理を行うための命令であり、前記ゲーム進行制御手段が、前記移動軌跡算出手段により算出された移動軌跡全体の大きさに応じて前記可変パラメータ(例えば、図9の第2の係数k2、ダメージ値528c)を可変し、前記操作入力命令判定手段により判定された操作入力命令に従った処理を実行するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0022】
第7の発明によれば、第4〜第6の何れかの発明と同様の効果を奏するとともに、移動軌跡の大きさを変えることによって、移動軌跡に対応する操作入力命令で処理される内容に差をつけることができる。よって、移動軌跡の入力によって可能な操作入力のバリエーションを豊富にし、ゲームの操作性を高めることができる。
【0023】
第8の発明は、第4〜第6の何れかの発明のプログラムであって、前記操作入力命令は、所与の可変パラメータに応じて予め定められた処理を行うための命令であり、前記移動軌跡算出手段が、前記ゲームコントローラの向きを基準とする3次元座標系における移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させ、前記移動軌跡算出手段により算出された前記3次元座標系における移動軌跡から、当該移動軌跡全体の向きを判定する移動軌跡向き判定手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、図9の第1の係数k1、図11のステップS8、S16)として前記コンピュータを機能させ、前記ゲーム進行制御手段が、前記移動軌跡向き判定手段により判定された移動軌跡全体の向きに応じて前記可変パラメータ(例えば、図9のダメージ値528c)を可変し、前記操作入力命令判定手段により判定された操作入力命令に従った処理を実行するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0024】
また、第9の発明は、第3〜第7の何れかの発明のプログラムであって、前記移動軌跡算出手段が、前記ゲームコントローラの向きを基準とする3次元座標系における移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させ、前記移動軌跡算出手段により算出された前記3次元座標系における移動軌跡から、当該移動軌跡全体の向きを判定する移動軌跡向き判定手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、図9の第1の係数k1、図11のステップS8、S16)として前記コンピュータを機能させ、前記操作入力命令判定手段が、前記移動軌跡算出手段により算出された移動軌跡に加えて、更に前記移動軌跡向き判定手段により判定された移動軌跡全体の向きに基づいて操作入力命令を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0025】
ここで言う「移動軌跡全体の向き」とは、移動軌跡の全体を一つの図形と見なした場合に、当該図形を代表する向きであって、例えば、図形の外周に他の部分より異なる形状部位(例えば、欠け、突出、直線的な形状の中に曲線的な部位)、図形の代表寸法の向き、図形の回転軸や対称軸と言った軸方向、図形の広がりを一つの平面に近似させた近似平面の向きがこれに該当する。
【0026】
第8の発明によれば、第4〜第6の何れかの発明と同様の効果を奏することができる。また、第9の発明によれば、第3〜第7の何れかの発明と同様の効果を奏することができる。そして更に、第8の発明、第9の発明ともに、ゲームコントローラの向きを基準とする3次元座標系における移動軌跡全体の向きに応じて、移動軌跡に対応づけられている操作入力命令による処理の内容に差をつけることができる。例えば、対応する操作入力命令を「敵キャラクタへの攻撃」とし、その攻撃力や与えるダメージ値を可変パラメータとするならば、移動軌跡全体の向きによって攻撃に強弱を加えることができることになる。したがって、移動軌跡による操作入力のバリエーションを豊かにし、ゲーム性を高めることができる。
【0027】
第10の発明は、第4〜第9の何れかの発明のプログラムであって、前記複数の操作入力命令それぞれには、前記ゲームコントローラの姿勢条件が予め定められており、前記移動軌跡算出手段による移動軌跡の算出対象となった加速度情報に基づいて前記ゲームコントローラの姿勢を判定する姿勢判定手段として前記コンピュータを機能させ、前記操作入力命令判定手段が、前記算出された移動軌跡に適合する軌跡参照データに対応付けられている操作入力命令であり、且つ、前記姿勢判定手段により判定された姿勢が姿勢条件を満足する操作入力命令がなされたと判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0028】
第10の発明によれば、第4〜第9の何れかの発明と同様の効果を奏するとともに、同じ移動軌跡であってもゲームコントローラの姿勢条件に応じて様々な操作入力をすることが可能になる。つまり、同じ移動軌跡を描くにしても、プレーヤはゲームコントローラを自分の体に対してどのような姿勢で移動させるかによって様々な操作入力が可能になる。プレーヤにとって、覚えなければならない図形のパターンが少なくてもより多くの操作入力が可能になるのでプレイし易くなる。
【0029】
第11の発明は、第2〜第10の何れか一つの発明のプログラムであって、前記ゲーム進行制御手段が、ゲーム空間中の所定オブジェクト(例えば、図14における魔法の杖7のオブジェクト)の当該ゲーム空間中の位置を、前記算出された移動軌跡に基づいて変化させるように制御するオブジェクト制御手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、図11のステップS10)を有し、前記オブジェクト制御手段による前記所定オブジェクトの位置の制御によってゲームを進行制御するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0030】
第11の発明によれば、第2〜第10の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、移動軌跡によってゲーム空間中の所定オブジェクトの位置を制御できる。したがって、オブジェクトの移動としてプレーヤは自分が入力した移動軌跡がゲーム内で用いられていることを目の当たりにすることで、ゲームと現実世界との一体感を高めることができる。特に所定オブジェクトがプレーヤキャラクタの一部を構成している場合には、プレーヤの動作と同じ動作をプレーヤキャラクタがすることになるので、プレーヤはより一層プレーヤキャラクタとの一体感を高めることとなり、ゲームへ没入する手助けすることができる。
【0031】
第12の発明は、第1〜第11の何れか一つの発明のプログラムであって、前記移動軌跡算出手段により算出された移動軌跡を画像表示させる軌跡画像表示制御手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、図11のステップS12)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0032】
第12の発明によれば、第1〜第11の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、算出された移動軌跡を画像表示させることができる。プレーヤは自分が入力した移動軌跡がゲーム内で用いられていることを目の当たりにすることで、ゲームキャラクタとの一体感をより高めるようになる。また、プレーヤはどのような移動軌跡を入力できたかを把握できるので、画像表示された移動軌跡が所望する軌跡のイメージと異なっていれば、より上手にゲームコントローラを移動させようという向上心を高揚させ、よりゲームへの没入感を高めることができる。
【0033】
第13の発明は、第1〜第12の何れか一つの発明のプログラムであって、前記ゲームコントローラの前記移動操作の開始を指示する操作入力がなされたことを検知する移動操作開始指示検知手段(例えば、図1のプッシュボタン1232、図7の操作入力部100、図12のステップS50〜S58)、前記ゲームコントローラの前記移動操作の終了を指示する操作入力がなされたことを検知する移動操作終了指示検知手段(例えば、図1のプッシュボタン1232、図7の操作入力部100、図12のステップS50、S60)、として前記コンピュータを機能させるとともに、前記移動軌跡算出手段が、前記移動操作開始指示検知手段の検知から前記移動操作終了指示検知手段の検知までの間の移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0034】
第13の発明によれば、第1〜第12の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、移動操作の開始と終了を検知することができるので、誤入力を防止することができる。
【0035】
第14の発明は、第13の発明のプログラムであって、前記移動軌跡算出手段が、前記移動操作開始指示検知手段が操作入力検知した時点における前記ゲームコントローラの位置と、前記移動操作終了指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの位置とが所定の位置条件を満たす関係にあるとして移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0036】
第14の発明によれば、第13の発明と同様の効果を奏するとともに、予め「移動操作の開始位置と終了位置とが所定の位置条件を満たす関係にある」という前提を設けることで、逆説的にプレーヤに対して「移動操作に際し、開始位置と終了位置とを所定の位置条件を満たすように操作せよ」といった具合に移動操作に一定の規制を与え、移動操作に際するスキルを要求するゲームとすることができる。したがって、単にゲームコントローラを移動させて操作するだけでなく、いかに上手にゲームコントローラを移動操作するか、動作の正確さやスムーズさをゲームに取り入れることができる。そして、移動操作を習熟することの「やりごたえ感」を創出するきっかけを作り、ゲームをプレイする楽しみをより多面化し豊かにすることができる。
【0037】
第15の発明は、第14の発明のプログラムであって、前記移動軌跡算出手段が、前記移動操作開始指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの位置と、前記移動操作終了指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの位置とが同一位置にあるとして移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0038】
第15の発明によれば、第14の発明と同様の効果を奏するとともに、プレーヤに対して「移動操作に際し、開始位置と終了位置とを合わせるように操作せよ」という規則を与えることができる。つまり、所謂「一筆書き」するように移動操作すれば良いことになるので、所望する移動軌跡を描くようにゲームコントローラを移動操作するのが容易になり、比較的ゲーム操作に慣れていないプレーヤに配慮することができる。
【0039】
第16の発明は、第13〜第15の何れかの発明のプログラムであって、前記移動軌跡算出手段が、1)前記移動操作開始指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの速度、及び/又は、2)前記移動操作終了指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの速度、を速度「0」として移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0040】
第16の発明によれば、第13〜第15の何れかの発明と同様の効果を奏するとともに、移動軌跡の算出が、操作入力の開始及び/又は終了時のゲームコントローラを止めることを前提にすることで、移動軌跡の算出をより簡単におこなうことができる。
【0041】
第17の発明は、第1〜第16の何れか一つのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第17の発明によれば、第1〜第16の何れか一つの発明のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第16の何れか一つの発明と同様の効果を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、加速度検出器を内蔵したゲームコントローラの位置を変化させるように移動操作を行うと、加速度検出器により検出される加速度情報に基づいてゲームコントローラの移動軌跡を算出し利用可能になる。よって、算出された移動軌跡を画面に表示するといったことも可能になる。つまり、カメラなどの撮影素子や撮影した画像の画像処理といった追加をせずに、加速度検出器を内蔵したゲームコントローラを用いるだけで、動作による操作入力を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明を適用した実施形態として、家庭用ゲーム装置でロールプレイングゲーム(RPG)を実行する例を挙げて説明する。尚、本発明が適用可能なゲームジャンルはRPGに限らない。
【0044】
[ゲーム装置の構成]
図1は、本実施形態における家庭用ゲーム装置の構成例を説明するシステム構成図である。家庭用ゲーム装置1200のゲーム装置本体1201は、例えばCPUや画像処理用LSI、ICメモリ等が実装された制御ユニット1210と、光学ディスク1202やメモリカード1204といった情報記憶媒体の読み取り装置1206,1208を備える。そして、家庭用ゲーム装置1200は、光学ディスク1202やメモリカード1204からゲームプログラム及び各種設定データを読み出し、ゲームコントローラ1230に為される操作入力に基づいて制御ユニット1210が各種のゲーム演算を実行し、所与のビデオゲームを実行する。
【0045】
制御ユニット1210は、各種プロセッサ、各種ICチップ、ICメモリなどの電気電子機器を備え、演算処理等を行って家庭用ゲーム装置1200の各部を制御する。本実施形態では、制御ユニット1210は、インターネットやLAN、WANと言った通信回線1と接続して外部装置との間でデータ通信を実現する通信装置1212と近距離無線通信モジュール1214とを備える。
【0046】
近距離無線通信モジュール1214は、近距離無線を介して複数のゲームコントローラ1230それぞれから送信される操作入力信号を受信する。近距離無線の形式としては、例えばBluetooth(登録商標)やUWB(超広帯域無線)、無線LANなどが適宜適用可能である。
【0047】
本実施形態におけるゲームコントローラ1230は、全体としてスティック形状を有しており、その上面には選択の決定やキャンセル、タイミングの入力などに用いられるボタンスイッチ1232と、前後左右の各方向を入力するための方向入力キー1234とが設けられている。また、内部にはコントローラ制御ユニット1236を内蔵する。
【0048】
コントローラ制御ユニット1236には、ICチップやICメモリ等の電子電気素子と、近距離無線通信モジュール1238と、加速度センサ1239とが搭載されている。
【0049】
加速度センサ1239は、Xc軸とYc軸とZc軸の直交3軸それぞれに作用する加速度を検出する加速度検出器である。本実施形態では、加速度センサ1239は、Xc軸がゲームコントローラ1230の長辺方向、Yc軸がゲームコントローラ1230の右方向、Zc軸がゲームコントローラ1230の上方向に固定されている。
【0050】
そして、コントローラ制御ユニット1236は、近距離無線通信モジュール1238を介してゲーム装置本体1201の近距離無線通信モジュール1214とデータ通信を実現し、加速度センサ1239で検出した加速度の検出信号、並びにボタンスイッチ1232や方向入力キー1234への操作入力に応じた操作入力信号をゲーム装置本体1201へ送信する。
【0051】
ゲーム装置本体1201の制御ユニット1210では、ゲームコントローラ1230から受信した検出信号や操作入力信号に基づいてゲーム画像やゲーム音を生成してRPG(ロールプレイングゲーム)を実行する。生成されたゲーム画像やゲーム音は、信号ケーブル1209で接続されたビデオディスプレイモニタ1220に出力される。
【0052】
図2は、本実施形態におけるゲームのプレイスタイルを示す概念図である。
本実施形態では、プレーヤ2は、棒を持つ要領でゲームコントローラ1230を把持する。そして、ビデオディスプレイモニタ1220の前で表示部1222に表示されるゲーム画像4を見つつ、スピーカ1224から出力されるBGMや効果音といったゲーム音を聞きながら、ゲームコントローラ1230から各種操作を入力してゲームを楽しむ。ゲーム画面4に表示される画像は、例えば3次元仮想空間に形成されたゲーム空間に、プレーヤ2が操作するプレーヤキャラクタ6のオブジェクトと敵キャラクタ8のオブジェクトとが配置・動作制御される様子を仮想カメラで撮影した画像を元に生成される。本実施形態ではRPGを実行するので、プレーヤ2は、プレーヤキャラクタ6(本実施形態では「魔法使い」である。)を操作して種々の魔法を駆使して敵キャラクタ8を倒しながらゲームを進める。尚、敵キャラクタ8にはそれぞれ固有のヒットポイントが割り当てられており、逐次プレーヤキャラクタ6からの攻撃によるダメージ値がヒットポイントから減算され、ヒットポイントが「0」になると、該敵キャラクタは倒されたことになる。
【0053】
そして本実施形態では、プレーヤ2には、マニュアルやゲーム中で明らかとなる形式で、プレーヤキャラクタ6が魔法を発動させるための術式としての図形パターンが知らされるており、ゲームコントローラ1230を持つ手を、例えば図3(a)〜(c)に示すような図形パターンを描くように動かすことで、魔法の発動操作を入力することができる。つまり、図形パターンを描くようにゲームコントローラ1230の位置を変化させるように3次元的に移動させる動作で、プレーヤキャラクタ6に発動させる魔法を入力することができる。以下、こうした一連の操作を本明細書では「魔法発動操作入力」と言う。
【0054】
図4〜図6は、本実施形態における魔法発動操作入力の原理を説明するための概念図である。図4に示すように、本実施形態における魔法発動操作入力は、プッシュボタン1232を押下している間入力される扱いとする。プレーヤは、プッシュボタン1232を押しながら腕を振ってゲームコントローラ1230の位置を変化させ、その移動軌跡10によって術式の図形パターンを描き、描ききったと思われるところでプッシュボタン1232を離すことで操作入力を終了する。
【0055】
その前提として、本実施形態では術式の図形パターンは図3に示したような所謂「一筆書」できる2次元図形が設定され、各図形はいわば魔法を発動する印(いん)に相当するものであり、各図形には異なる魔法を発動させる操作入力命令が対応づけられている。そして、プレーヤには魔法発動の操作入力をする際には3つのアドバイスがマニュアルやゲーム内のチュートリアルで与えられる。具体的には、(イ)入力開始の位置と入力終了の位置を同じにする、;(ロ)入力終了の位置でゲームコントローラ1230の移動を止める;(ハ)入力開始から入力終了までの間はできるだけゲームコントローラ1230の傾斜姿勢を変化させないように、つまりゲームコントローラ1230を平行移動させる;ようにアドバイスがなされる。
【0056】
一方、制御ユニット1210は、プッシュボタン1232を押下されている間、所定周期△tのサンプリングタイムで加速度センサ1239によって検出された加速度a(i=0,1,2,…n−1;aはXcYcZc軸座標系における3次元ベクトル)をサンプリングし続け、搭載するICメモリ等の記憶媒体に記憶・蓄積する。そして、サンプリングされた加速度aから位置座標p(i=0,1,2,…n+1;pはXcYcZc軸座標系における3次元座標)を、先に述べた前提に基づいて算出する。
【0057】
具体的には、次のようになる。すなわち、ゲームコントローラ1230には重力加速度gが常時作用しているので、加速度センサ1239で検出される加速度aは、ゲームコントローラ1230が移動されることによって生じる運動加速度と重力加速度gとの合力であるから、プレーヤの操作のみの加速度(真の加速度)をa−gとすると速度v(i=0,1,2,…n)は次式(1)のように表される。
【0058】
【数1】

【0059】
また、式(1)からサンプリング中におけるゲームコントローラ1230の位置である位置pi(i=0,1,2,…n+1)は次式(2)のように表すことができる。
【0060】
【数2】

【0061】
ここで、S及びSを次式(3)及び式(4)のように定めると、速度v並びに位置pn+1は、式(5)及び式(6)のように表すことができる。
【0062】
【数3】

【数4】

【数5】

【数6】

【0063】
ここで、本実施形態では前提条件に(イ)入力開始の位置と入力終了の位置を同じにする;(ロ)入力終了の位置でゲームコントローラ1230の移動を止める;が含まれているので、これらの条件から次式(7)及び式(8)を得ることができる。
【0064】
【数7】

【数8】

【0065】
よって、これら式(5)〜式(8)より重力加速度g及び初速度vは、次式(9)及び式(10)と表すことができる。
【0066】
【数9】

【数10】

【0067】
したがって、式(9)及び式(10)を式(2)に代入すると、図5に示すように、移動軌跡10上の位置pを時系列に求めることができる。尚、同図では、破線表示された移動軌跡10上に、上述の如く求められた位置pを白丸で示している。これら全ての位置pの近似関数(直線やスプライン等を含む意)を求めると、それが移動軌跡関数となる。
【0068】
尚、ここで加速度センサ1239がバイアス誤差を持っていたとすると、加速度センサ1239で検出される加速度には常に誤差eだけ真値よりずれていることになるので、真の加速度は(a−g−e)となる。次式(11)のように定義すると、上記の数式における「g」を「g´」に置き換えることができる。つまり、バイアス誤差の有無は考慮する必要が無い。
【0069】
【数11】

【0070】
次に、図6に示すように、本実施形態では術式の図形パターンとして2次元図形を設定しているので、ゲームコントローラ1230の移動軌跡10を2次元図形として扱うために、ゲームコントローラ1230の移動軌跡10を近似する近似平面12(XcYcZc座標系における平面)を求める。本実施形態では、位置pの中から3点以上をランダムに選択し、それら選択された位置を通る平面関数を求め、これを近似平面12とする。
【0071】
そして、近似平面12を法線方向13から見た軌跡画像14を生成する。軌跡画像14は、各位置pを直線で結び、法線視すれば軌跡画像を得ることができる。或いは、移動軌跡関数を近似平面12に投影させることによって軌跡画像14を得るとしても良い。
【0072】
そして、軌跡画像14が得られたならば、この軌跡画像がどの術式の図形パターンに最も類似しているか、別の言い方をすると最も適合している図形はどれかを判定処理することによって、ゲームコントローラ1230の移動軌跡10によってプレーヤキャラクタ6に特定の魔法を発動させることができる。つまり、ボタンスイッチの押下やレバーの倒しなどの指先による操作ではなく、ゲームコントローラ1230で術式の図形パターンを描くようにプレーヤ自身が動作することで、プレーヤキャラクタ6の魔法発動操作を入力することが可能になる。
【0073】
[機能ブロックの説明]
次に、機能構成について説明する。
図7は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0074】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。図1では、ゲームコントローラ1230が操作入力部100に該当する。また、本実施形態における操作入力部100は、3軸以上の軸方向の加速度を検出する加速度検出部102と、通信部104を有し、操作入力信号とともに加速度検出部102で検出した加速度に応じた検出信号を通信部104と通信部370との間のデータ通信を介して処理部200に出力する。
【0075】
加速度検出部102は、図1では加速度センサ1239が該当する。検出形式は、静電容量の変化を検出する形式や、ピエゾ抵抗効果やひずみゲージによる電気抵抗の変化を検出する形式、あるいは光ファイバーの干渉変化を用いる形式など適宜選択して良い。
【0076】
通信部104は、通信部370と接続してデータ通信を実現する。例えば、無線通信機や制御回路等によって実現され、図1では近距離無線通信モジュール1238がこれに該当する。
【0077】
処理部200は、例えばCPU等のプロセッサやASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含むゲーム装置1200の各機能部との間でデータの入出力を行うとともに、所定のプログラムやデータ、操作入力部100から入力される各種信号に基づいて各種の演算処理を実行して、ゲーム装置1200の動作を制御する。図1では、ゲーム装置本体1201に内蔵された制御ユニット1210が処理部200に該当する。
【0078】
ゲーム演算部210は、ゲームの進行に係る処理を実行する。例えば、3次元仮想空間中に種々のオブジェクトを配置してゲーム空間を形成する処理や、ゲーム空間中にプレーヤキャラクタや敵キャラクタのオブジェクトを配置するとともにこれらの位置や姿勢を制御する処理、オブジェクトのヒット判定処理、物理演算処理、ゲーム結果の算出処理、各種タイマー処理が実行される。そしてゲーム演算部210は、更に移動軌跡算出部212と、操作入力命令判定部214とを備える。
【0079】
移動軌跡算出部212は、加速度検出部102から出力された検出信号から、プレーヤがゲームコントローラ1230を動かす移動操作を行った際に生じた加速度aをサンプリングする処理と、サンプリングした加速度aの情報から位置pを求めてゲームコントローラの移動軌跡10のデータを生成する処理とを実行する。
「移動軌跡のデータ」としては、例えば、位置pの座標データの他に、該位置pの近似関数である移動軌跡関数、位置群を一の平面に近似した近似平面12、3次元的な移動軌跡を2次元平面画像に変換した軌跡を示す軌跡画像14が含まれる。
【0080】
操作入力命令判定部214は、移動軌跡算出部212で算出された移動軌跡10のデータから、該移動軌跡に基づいてどの操作入力命令が入力されたかを判定する処理と、判定した操作入力命令を可変パラメータに応じて実行する処理を行う。
【0081】
本実施形態では、軌跡画像を予め用意された複数の参照パターンとマッチングして、最も類似性の高い参照パターンを択一的に選出するとともに、当該参照パターンに予め対応付けられている操作入力命令を選出することによって判定を実行する。ここで言う「操作入力命令」は、本実施形態では魔法技の発動に相当する。そして、発動される魔法で敵キャラクタに与えることのできるダメージ値(可変パラメータ)を移動軌跡の姿勢や大きさといったパラメータに応じて可変する。尚、マッチングは、所謂「パターンマッチング」に関する従来技術を適宜用いることができるので、本明細書では詳細な説明を省略する。
【0082】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサやその制御プログラムによって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0083】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1ではビデオディスプレイモニタ1220のスピーカ1224がこれに該当する。
【0084】
画像生成部260は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、その制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(1/60秒)で1枚のゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0085】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1ではビデオディスプレイモニタ1220の表示部1222が該当する。
【0086】
通信制御部270は、データ通信の確立と所定プロトコルに則ったデータ送受信にかかる処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0087】
通信部370は、通信回線1(図1参照)と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1では通信装置1212、近距離無線通信モジュール1214がこれに該当する。
【0088】
記憶部500は、処理部200にゲーム装置1200を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
【0089】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502を記憶している。ゲームプログラム502は更に移動軌跡算出プログラム504と、操作入力命令判定プログラム506を含んでいる。処理部200がゲームプログラム502を読み出して実行することによって、処理部200にゲーム演算部210としての機能を実現させることができる。また、処理部200が移動軌跡算出プログラム504と操作入力命令判定プログラム506を読み出して実行することによって、処理部200に移動軌跡算出部212と操作入力命令判定部214としての機能を実現させることができる。
【0090】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとしてゲーム空間設定データ520、キャラクタ設定データ522、魔法エフェクト設定データ524、参照パターンデータ526、ダメージTBLデータ528が記憶されている。更にゲームの進行に伴って随時書き換えられるデータとして、キャラクタ制御データ530、サンプリングデータ532、入力中フラグ534、各種タイマーのタイマー値が記憶される。その他適宜データを記憶しても良いのは勿論である。
【0091】
ゲーム空間設定データ520には、3次元仮想空間にゲーム空間を形成するための各種データが格納されている。例えば、プレーヤキャラクタ6が移動する地表や背景を含む配置物に関するモデルデータやテクスチャデータ及びモーションデータが含まれる。
【0092】
キャラクタ設定データ522には、プレーヤキャラクタ6および敵キャラクタ8の初期設定データが格納されている。具体的には、各キャラクタオブジェクトのモデリングデータ、テクスチャデータ、モーションデータ、敵キャラクタの動作パターンなどのデータ、敵キャラクタに与えられるヒットポイントの初期値などが適宜含まれる。
【0093】
魔法エフェクト設定データ524には、プレーヤキャラクタ6が魔法を発動させたときのエフェクト表示に係るデータが魔法の種類毎に対応づけられて格納されている。例えば、雷撃魔法の場合ならば、天空から雷撃が落ちるような表示をするためのオブジェクト、テクスチャデータ、効果音データなどが含まれる。
【0094】
参照パターンデータ526は、ゲーム内で使用される術式の図形パターンと、それに対応する操作入力命令とを定義する。
図8は、本実施形態における参照パターンデータ526のデータ構成の一例を示すデータ構成図である。同図に示すように、参照パターンデータ526には、複数種類の図形パターンを定義する情報としての参照画像526aが、各々異なる操作入力命令526bと対応づけて格納されている。
参照画像526aは、ゲームコントローラ1230の移動軌跡とパターンマッチングするための辞書データに相当する。本実施形態では、2次元画像のパターンマッチング技術を用いる設定であるので、参照画像526aには2次元画像データが格納されているが、パターンマッチング技術の内容に応じて適宜設定するとして良い。操作入力命令526bには、本実施形態の場合には発動させる魔法技を実行させるためのコマンドが設定されている。
【0095】
ダメージTBL(テーブル)データ528は、プレーヤキャラクタ6が発動させる魔法によって敵キャラクタ8に与えるダメージ値を定義する。
図9は、本実施形態におけるダメージTBLデータ528のデータ構成例を示すデータ構成図である。同図に示すように、ダメージTBLデータ528には、先に参照パターンデータ526で定義された操作入力命令に対応する操作入力命令の種類528aに対応づけて、マッチング評価値範囲528bと、ダメージ値528cとが格納されている。
【0096】
ここで言う「マッチング評価値」とは、パターンマッチングの際に求められる評価対象(サンプル)と参照パターン(辞書パターンとも言う。)との類似度、或いはマッチング度などと呼ばれる適合度を示す値である。本実施形態では、マッチング評価値Hは0〜1.0の値で求められ、大きい値ほど評価対象と参照パターンとが類似するものとする。また、パターンマッチングにおいては、評価対象と参照パターンとの図形形状における類似度が評価され、大きさの相違は評価しない。但し、評価対象の図形の大きさそのものについては、敵キャラクタ8に与えるダメージ値の係数k2として作用する。この点については後述する。
【0097】
さて、図9の例では、マッチング評価値範囲528bは、マッチング評価値Hが0.3〜1.0の間を複数の範囲に分割定義している。逆説的に言えば、本実施形態ではマッチング評価値Hが0.3未満の場合にはマッチングの該当が無い、魔法発動入力が失敗したと判断されることになる。
【0098】
ダメージ値528cは、マッチング評価値H及び可変パラメータの係数k1,k2の関数として定義されている。本実施形態では、近似平面12の面の法線方向が、加速度センサ1239のXc軸方向を0°とするZc軸周りの角度θa(−180°≦θa≦180°)に応じて第1の係数k1が定義される。つまり、近似平面12並びにその法線方向13で、移動軌跡全体の向きを代表し、移動軌跡全体の向きに応じて第1の係数k1が決定される。また、移動軌跡10を法線方向13に平行投影して得られる面積の基準面積A(例えば、1000cm。)に対する比率に応じて第2の係数k2が定義されている。つまり、移動軌跡全体の大きさに応じて第2の係数k2が決定される。
【0099】
具体的には、図9の例では、移動軌跡がゲームコントローラ1230の横方向に沿って描かれたと判断できる場合には第1の係数k1=1.0とし、ゲームコントローラ1230の前後方向に沿って描かれたと判断できる場合には第1の係数k1=2.0とされる。
つまり、本実施形態では棒を持つ要領でゲームコントローラ1230を把持するので、ゲームコントローラ1230をその横方向(図1のYc−Zc軸平面方向)に沿って移動させる場合には、その様子を目で見て軌跡をイメージできるので所望する図形パターンを描くのは比較的容易であるが、前後方向(図1のXc−Zc軸平面方向)に移動させる場合には移動軌跡がプレーヤの視界に対して遠近方向に沿う格好になるので、軌跡のイメージを捉え難く、同じ図形パターンを描こうとした場合でも比較的難易度が高くなる。そこで、前者の場合の係数k1を低く、後者を高く設定することで、より難易度の高い方法でゲームコントローラ1230を移動させるとより高いダメージ値を敵キャラクタに与えることが可能になる。つまり、難しい移動操作で術式を描けばそれだけ強い魔法を発動させることができる。これによって、ゲームへの没入感を高めることができる。
【0100】
また、第2の係数k2は、ゲームコントローラ1230の軌跡を大きく描くようにするほど大きな値となり、敵キャラクタ8に与えるダメージ値が大きくなるように設定されているので、こちらも第1の係数k1の設定と同様の効果を奏する。
【0101】
キャラクタ制御データ530は、プレーヤキャラクタ6や敵キャラクタ8の動作制御に係るデータを格納する。例えば、現在の位置座標や、ヒットポイント、アイテム、実行中のモーションデータおよびその実行中にあるフレーム番号など、を適宜設定することができる。
【0102】
サンプリングデータ532は、魔法発動操作入力に係るデータを格納する。
図10は、本実施形態におけるサンプリングデータ532のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、サンプリングデータ532は、ボタンスイッチ1232が押下されている間サンプリングされて時系列に格納された加速度532aと、サンプリングされた加速度から求められた位置532bと、移動軌跡10そのものに相当する全位置の近似関数である移動軌跡関数532cと、移動軌跡関数式532cを一の平面で近似した近似平面12の近似平面関数532dと、軌跡画像532eとを格納する。
【0103】
入力中フラグ534は、魔法発動操作入力が入力中であることを示すフラグであり、初期状態は「0」で、入力開始とともに「1」が格納される。
【0104】
[動作の説明]
次に、本実施形態における動作について説明する。
図11は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明される処理は、処理部200がシステムプログラム501、ゲームプログラム502を読み出して実行することによって実現され、所定の制御サイクルで繰り返し実行される。尚、ゲーム画像の生成処理と出力処理、並びにゲーム音の生成処理と出力処理は、公知のビデオゲームと同様にして適宜実行すれば良いので、ここでの説明は省略する。
【0105】
さて同図に示すように、ゲーム演算部210が先ず、ゲーム空間設定データ520及びキャラクタ設定データ522を参照して、3次元仮想空間中にゲーム空間を形成し(ステップS2)、形成したゲーム空間にプレーヤキャラクタ6と敵キャラクタ8のオブジェクト、及びそれらを撮影するメイン仮想カメラを配置してゲーム開始の準備をする(ステップS4)。
【0106】
ゲームが開始されたならば、次にゲーム演算部210は移動軌跡算出処理を実行する(ステップS6)。
図12は、本実施形態における移動軌跡算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、移動軌跡算出処理では先ずゲーム演算部210が、魔法発動操作入力の開始条件を満たすか否かを判定するために、特定ボタンスイッチが押下されているか否かを判定する(ステップS50)。本実施形態では、ゲームコントローラ1230のプッシュボタン1232が押下されている間、魔法発動操作入力が為されていると判断するので、プッシュボタン1232がONなら肯定(YES)と判定される。
【0107】
特定ボタンスイッチが押下されている場合(ステップS50のYES)、ゲーム演算部210は、魔法発動操作入力が入力中であることを示す入力中フラグ534を参照し、入力中フラグ534が「0」の場合(ステップS52の「0」)、入力中フラグ534を「1」に変更し(ステップS54)、サンプリングデータ532をリセットする(ステップS56)。例えば、サンプリングデータ532を全て「0」にするなど、予めリセット状態を決めておく。一方、入力中フラグ534が既に「1」に変更されている場合は(ステップS52の「1」)、入力中フラグ534の変更やサンプリングデータ532のリセットは行わない。
【0108】
次に、ゲーム演算部210は、所定のサンプリング周波数で加速度検出部102からの検出信号に基づいてゲームコントローラ1230の現在の加速度を取得して、サンプリングテータ532に時系列に格納する(ステップS58)。サンプリング周波数が、処理フローの制御サイクルと同じなら一回サンプリングし、制御サイクル(例えば1/60秒等のいわゆるフレーム時間間隔)よりも十分高ければ、一度に複数回のサンプリングをするとしても良い。
【0109】
一方、ステップS50において、特定ボタンスイッチが押下されていないと判定された場合には(ステップS50のNO)、プレーヤによる魔法発動操作入力が終了したと判断して、入力中フラグ534に「0」を格納し(ステップS60)、加速度のサンプリングは行わない。
【0110】
次にゲーム演算部210は、位置pの算出準備が整っているか否かを判定する。具体的には、サンプリングが終了したことを示す入力中フラグ534が「0」であり、且つサンプリングデータ532の位置532bがリセットされた状態のまま未算出であるか否かを判定する(ステップS62)。
【0111】
肯定判定の場合には(ステップS62のYES)、全位置pを算出して、サンプリングテータ532に格納する(ステップS64)。そして、算出した位置pを近似する移動軌跡関数を算出して、同様にサンプリングデータ532に格納し(ステップS66)、移動軌跡算出処理を終了する。尚、移動軌跡関数を算出する方法は、公知の近似関数の求め方を適宜利用することができる。
【0112】
一方、ステップS62において、まだ入力中フラグ534が依然「1」のままで、いまだ動作入力が終了していない場合、又は既に全位置pが算出されている場合には(ステップS62のNO)、位置p及び移動軌跡関数の算出は行わずに移動軌跡算出処理を終了する。
【0113】
移動軌跡算出処理を終了したならば、図11のフローに戻り、次いでゲーム演算部210は操作入力命令判定処理を実行する(ステップS8)。
図13は、本実施形態における操作入力命令判定処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、操作入力命令判定処理では、ゲーム演算部210は先ず、近似平面12の近似平面関数を算出し、サンプリングデータ532に格納する(ステップS70)。例えば、先に求めた位置pからランダムに3点を選択し、それらを通る平面関数を算出するとしても良い。或いは、Xc軸、Yc軸、Zc軸それぞれの最大最小の座標値を有する位置を抽出し、これらから近似平面を求めるとしても良い。
【0114】
次に、ゲーム演算部210は、軌跡画像14を生成し、サンプリングデータ532に格納する(ステップS72)。例えば、全位置pが十分な分解能を有する場合には、求めた近似平面12の法線方向13への投影位置に所定サイズの点を描画し、点の集合としての軌跡を描画して画像を得るとしても良い。或いは、先に求めた移動軌跡関数532cを近似平面12に法線方向13で投影して得るとしても良い。
【0115】
次いでゲーム演算部210は、参照パターンデータ526を参照して、求めた軌跡画像14のパターンマッチング処理を実行して、マッチング評価値Hが最も高い最類似の参照画像526aを一つ選択する(ステップS74)。
【0116】
そして、選択した最類似の参照画像526aのマッチング評価値Hが「0.3」未満の場合(ステップS76のNO)、判定不可(即ち、入力エラー)と判断して操作入力命令は未選択と判定して(ステップS78)、操作入力命令判定処理を終了する。
【0117】
一方、最類似の参照画像526aのマッチング評価値Hが「0.3」以上の場合(ステップS76のYES)、該参照画像526aに対応づけられた操作入力命令526bが入力されたものと判定して(ステップS80)、操作入力命令判定処理を終了する。
【0118】
操作入力命令判定処理を終了したならば、図11のフローに戻って、次にゲーム演算部210は、プレーヤキャラクタ6が所持する魔法の杖のオブジェクトのゲーム空間中の位置を移動軌跡10をなぞるように移動させて、あたかもプレーヤキャラクタ6が魔法の杖で移動軌跡10を空中に描くように動作制御させる(ステップS10)。そして、更に移動軌跡10をエフェクト表示するためのオブジェクトを生成し、プレーヤキャラクタ6の魔法の杖を振る先に配置する(ステップS12)。
「移動軌跡10をエフェクト表示するためのオブジェクト」としては、例えば軌跡画像532eを発光したように輝度を変更して板ポリゴンに張り付けたものや、移動軌跡関数532cをトレースした帯状のポリゴンモデルなどを適宜設定することができる。
【0119】
次いで、ゲーム演算部210は、先に操作入力命令判定処理にて判定された操作入力命令に従ってプレーヤキャラクタ6が魔法を発動するように制御する(ステップS14)。例えば、魔法エフェクト設定データ524を参照して、雷撃魔法であれば天から雷が落下して敵キャラクタ8に当たるように制御する。
【0120】
次に、ステップS8で求めた最類似参照画像のマッチング評価値Hに基づいて敵キャラクタへ与えるダメージ値を算出する(ステップS16)。具体的には、ダメージTBLデータ528を参照して、マッチング評価値範囲528bから当該マッチング評価値Hが該当する範囲を選択する。次に、サンプルリングデータ532の近似平面532dを参照して、近似平面12の面の法線方向13が、加速度センサ1239のXc軸方向を0°とするZc軸周りの角度θa(−180°≦θa≦180°)を求め、ダメージTBLデータ528の定義にしたがって求めた角度θaに応じた第1の係数k1を決定する(図9参照)。また、サンプルリングデータ532の軌跡画像532eを参照して、移動軌跡画像14の面積を所定の基準面積Aに対する比率に応じて第2の係数k2を決定する(図9参照)。そして、先に選択したマッチング評価値Hの該当範囲に対応づけられているダメージ値528cの定義にしたがって敵キャラクタ8へ与えるダメージ値を算出する。
【0121】
次に、ゲーム演算部210は、敵キャラクタへのダメージ処理を実行する(ステップS18)。本実施形態では、求められたダメージ値を魔法攻撃の対象となった敵キャラクタに設定されているヒットポイントから減算し、減算後のヒットポイントが「0」に達している場合には、当該敵キャラクタを使用不可、つまりプレーヤキャラクタに倒されたものとする。そして、まだ使用可能な敵キャラクタ8の動作を自動制御する(ステップS20)。公知のRPG同様に、所定の思考ルーチンに従ってプレーヤキャラクタ6への攻撃や、ダメージの回復、逃走などの動作を自動制御する。
【0122】
次に、ゲーム演算部210は、敵キャラクタ8の動作に基づくプレーヤキャラクタ6へのダメージ処理を実行する(ステップS22)。敵キャラクタの攻撃によるダメージ値をプレーヤキャラクタのヒットポイントから減算する。
【0123】
そして、ゲーム終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS24)。本実施形態はRPGなので、例えばプレーヤキャラクタ6のヒットポイントが「0」に達した場合、敵キャラクタ8を全て倒した場合、目的の宝物を取得した場合にゲーム終了条件を満たしたと判定する。
【0124】
ゲーム終了条件を満たしていないと判定された場合は(ステップS24のNO)、ステップS6に戻る。ゲーム終了条件を満たしていると判定された場合には(ステップS24のYES)、エンディングの表示等の所定のゲーム終了処理を実行して(ステップS26)、一連の処理を終了する。
【0125】
図14は、本実施形態におけるゲームプレイの状況例を示す概念図である。図14(a)の状況では、ゲーム画面4では、プレーヤキャラクタ6が敵キャラクタ8と遭遇した状態にある。ここで、プレーヤ2がゲームコントローラ1230で所望する魔法攻撃の術式の図形パターンを描くようにして、図中破線の移動軌跡10の如くゲームコントローラ1230を平行移動させると、ゲーム装置本体1201では移動軌跡10を元に「雷撃魔法」の魔法発動操作入力がなされたと判断する。
【0126】
すると、図14(b)のように、プレーヤキャラクタ6が魔法の杖7の先で、移動軌跡10の相似形を描くように動作制御されるとともに、軌跡画像14を元にした図形、例えば空間に光跡20を描くような図形が表示制御され、あたかも空間に印(いん)が描かれているかのように見せる演出がなされる。光跡20は、プレーヤキャラクタ6と敵キャラクタ8を結ぶ線分方向に法線方向を向けた板ポリゴンに軌跡画像14を発光して見えるように輝度や色を変更して貼り付けて形成することができる。そして、雷撃22が敵キャラクタ8に当るようにエフェクト表示され、敵キャラクタ8にダメージが与えられる。
【0127】
図15は、本実施形態における魔法発動操作入力における入力のバリエーションを示す図である。図15(a)は、ゲームコントローラ1230を、コントローラの横方向(Yc−Zc軸面)ではなく前後方向(Xc−Zc軸面)に平行移動させて入力するケースである。図14(a)のように、ゲームコントローラ1230を横方向に平行移動させる場合には、プレーヤは移動軌跡全体を視界で捉えることができるので比較的所望する図形パターンの軌跡を描き易いと言える。一方、ゲームコントローラ1230を前後方向に移動させる場合には、移動軌跡がプレーヤの視線に対して縦(奥行き方向)になるために把握し難くなり、所望する図形パターンの軌跡を描き難くなる。しかし前後方向に移動させるケースでは、移動軌跡10aの近似平面12aの法線方向は、ほぼゲームコントローラ1230のYc軸(横方向)であるため、Xc−Zc軸平面からの成す角度θaはほぼ90°又は−90°となる。よって、本実施形態のダメージTBLデータ528によれば第1の係数k1が図14(a)の状態に比べて高い「2.0」が選択され、敵キャラクタ8に与えるダメージ値が大きくなる(図9参照)。よって、入力動作としての難易度が高い程、敵に高いダメージを与えることができる。
【0128】
また図15(b)は、ゲームコントローラ1230を、図14(a)よりも大きな図形(軌跡)を描くように移動させて入力するケースである。このケースの場合、腕を大きく振る必要があるので、その分術式の図形パターンを正確に描くのがより困難になる。しかし、本実施形態では、移動軌跡画像14の面積を所定の基準面積Aに対する比率に応じて第2の係数k2を決定するので、図15(b)のケースにおける第2の係数k2は、図14(a)のそれよりも大きくなり、結果、敵キャラクタ8に与えるダメージ値を大きくなる。また、このケースでは、移動軌跡10bが大きい分、軌跡画像14も大きくなるので、自動的に演出表示される光跡20bも大きくなるので、視覚的にもより攻撃力の強い魔法が発動されることが分かり易くなる。
【0129】
このように、プレーヤ2は従来のように単に指先でゲームコントローラ1230を操作するのではなく、プレーヤ2の身体を使った動作と同じような動作をプレーヤキャラクタ6が行うこととなる。しかも、加速度センサのみで動作の軌跡を操作入力に用いることができるので、低コスト・低演算負荷による動作入力を実現できる。
【0130】
また、参照パターンにできるだけ同じ軌跡を描くように操作入力すれば、より高いダメージ値を敵キャラクタに与えることができる。このことは、あたかもプレーヤ自信の魔法入力のスキル(=魔法の杖で印(いん)を描くつもりでゲームコントローラ1230を移動操作するスキル。)がダメージ値に反映されるかのような感覚を与えることになる。なぜならば、より正確に印(いん)を描くようにプレーヤ自身が動作すれば(コントローラを動かせば)、発動される魔法のダメージ力がより強いものとなるからである。したがって、プレーヤ自身が単に動作することで操作入力できるだけではなく、従来に無い程にプレーヤがプレーヤキャラクタ(この場合、魔法使い。)になりきってゲームを楽しむことができるようになる。更には、同じ軌跡を描くにしてもより難易度の高い入力方法をとることでより高いダメージを敵キャラクタに与えることができるので、動作による入力に複雑さや奥深さを与え、ゲームをより一層面白いものにできる。
【0131】
また、魔法発動操作入力においてサンプリングした加速度から位置pを導出する前提条件に(イ)入力開始の位置と入力終了の位置を同じにする;(ロ)入力終了の位置でゲームコントローラ1230の移動を止める;の2つを含めている。これらの条件は、ゲームコントローラ1230を移動させて図形パターンを空間に描画しようとした場合の人間の動作特徴に合致している。つまり、図形パターンを描こうとした場合、先ず人は頭の中で目的の図形パターンを思い浮かべ、緩やかに腕を持ち上げる動作から続いて一気に図形パターンの描画に移行し、図形パターンを描ききったと思われるところで動作を止めるのが自然である。したがって、本実施形態のような前提条件とすることで、より自然な操作入力を可能にして操作性を高めることができる。
【0132】
[ハードウェア構成]
次に図16を参照して、本実施形態における家庭用ゲーム装置1200を実現するためのハードウェア構成の一例について説明する図である。家庭用ゲーム装置1200は、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1008、音生成IC1010、I/Oポート1012,1014がシステムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。I/Oポート1012にはコントロール装置1022が、I/Oポート1014には通信装置1024が、それぞれ接続されている。
【0133】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1022によって入力される信号等に従って、装置全体の制御や各種データ処理を行う。
【0134】
RAM1004は、CPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002内の所与の内容、CPU1000の演算結果等が格納される。
【0135】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレーデータ等が主に格納されるものであり、情報記憶媒体として、ROM等のメモリやハードディスクや、CD−ROM、DVD、ICカード、磁気ディスク、光ディスク等が用いられる。尚、この情報記憶媒体1006は、ROM1002、RAM1004とともに図7に示す記憶部500に相当するものである。
【0136】
また、この装置に設けられている画像生成IC1008と音生成IC1010により、音や画像の好適な出力が行えるようになっている。
【0137】
画像生成IC1008は、CPU1000の命令によって、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006等から送られる情報に基づいて画素情報を生成する集積回路であり、生成される画像信号は、表示装置1018に出力される。表示装置1018は、CRTやLCD、ELD、プラズマディスプレイ、或いはプロジェクター等により実現され、図7に示す画像表示部360に相当する。
【0138】
また、音生成IC1010は、CPU1000の命令によって、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報、RAM1004に格納される音データに応じた音信号を生成する集積回路であり、生成される音信号はスピーカ1020によって出力される。スピーカ1020は、図7に示す音出力部350に相当するものである。
【0139】
コントロール装置1022は、プレーヤがゲームに係る操作を入力するための装置であり、その機能は、レバー、ボタン、筐体等のハードウェアにより実現される。尚、このコントロール装置1022は、図7に示す操作入力部100に相当するものである。
【0140】
通信装置1024は装置内部で利用される情報を外部とやりとりするものであり、プログラムに応じた所与の情報を他の装置と送受すること等に利用される。尚、この通信装置1024は、図7に示す通信部370に相当するものである。
【0141】
そして、ゲーム処理等の上記した処理は、図7のゲームプログラム502等を格納した情報記憶媒体1006と、これらプログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1008、音生成IC1010等によって実現される。CPU1000、画像生成IC1008、及び音生成IC1010は、図7に示す処理部200に相当するものであり、主にCPU1000がゲーム演算部210、画像生成IC1008が画像生成部260に、音生成IC1010が音生成部250にそれぞれ相当する。
【0142】
尚、画像生成IC1008、音生成IC1010等で行われる処理は、CPU1000或いは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。この場合には、CPU1000が、図7に示す処理部200に相当することとなる。
【0143】
尚、家庭用ゲーム装置1200でビデオゲームを実行する構成を例に挙げたが、業務用のゲーム装置やパソコン、携帯型ゲーム装置などでゲームを実行することもできるのは勿論である。
【0144】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用形態がこれらに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更を加えることができる。
【0145】
[変形例1]
例えば、上記実施形態ではサンプリングした加速度aから位置pを求める際の前提を(イ)入力開始の位置と入力終了の位置を同じにする;(ロ)入力終了の位置でゲームコントローラ1230の移動を止める;(ハ)入力開始から入力終了までの間はできるだけゲームコントローラ1230の傾斜姿勢を変化させない;としたがこれに限るものではない。
【0146】
例えば、術式の図形パターンの入力として、図17のように、入力開始位置pと、入力終了位置pとが予め定められた距離だけ離れた位置となるようにプレーヤの操作入力を定めてもよい。この場合には、前提Bとして、(イB)入力開始位置から所定方向に所定の距離だけ離れた位置を入力終了位置とする;(ロB)入力終了の位置でゲームコントローラ1230の移動を止める;とすることで、移動軌跡を算出可能である。
【0147】
具体的には、この前提Bを数式で表すと次式(12)〜式(14)となる。
【数12】

【数13】

【数14】

【0148】
この前提で上記実施形態の式(5)、式(6)及び式(12)〜式(14)より重力加速度g並びに初速度v0を求めると次式(15)、式(16)となる。
【数15】

【数16】

【0149】
よって、式(12)、式(15)、式(16)を上記実施形態の式(2)に代入することで時系列の位置pを求めることができる。
【0150】
[変形例2]
また、移動軌跡を算出することができれば他の前提であってもよい。例えば、同じように図17に示す類の図形パターンの入力を定める場合であっても、前提Cとして、(イC)入力開始位置から所定方向に所定の距離だけ離れた位置を入力終了位置とする;(ロC)入力開始位置でゲームコントローラ1230の移動を止めた状態から入力開始する;とするとしてもよい。この場合、前提Cを数式で表すと次式(17)〜式(19)となる。
【数17】

【数18】

【数19】

【0151】
そして、式(6)、式(17)〜式(19)より重力加速度gを求めると次式(20)となる。
【数20】

【0152】
従って、式(17)、式(19)、式(20)を上記実施形態の式(2)に代入することで時系列の位置pを求めることができる。
【0153】
[変形例3]
また、他の前提としては例えば前提Dとして、(イD)入力開始位置でゲームコントローラ1230の移動を止めた状態から入力開始する;(ロC)入力終了の位置でゲームコントローラ1230の移動を止める;としてもよい。この前提Dを数式で表すと次式(21)、式(22)となる。
【0154】
【数21】

【数22】

【0155】
ここから上記実施形態の式(5)及び式(22)より重力加速度gを求めると次式(23)となる。
【数23】

【0156】
したがって、式(21)〜式(23)を上記実施形態の式(2)に代入することで、時系列の位置pを求めることができる。
【0157】
[その他の変形例]
また、上記実施形態では、プレーヤキャラクタ6を魔法の杖で移動軌跡10を描くように動作制御したが、これに限らず例えば精霊のキャラクタや、魔法の属性を示すキャラクタ(例えば、火炎魔法の操作入力命令に対応する移動軌跡ならば、火炎のキャラクタ。)が登場して、当該キャラクタが移動軌跡10を描くように移動制御する構成としても良いのは勿論である。
【0158】
また、上記実施形態では、ゲームコントローラ1230を一つとしているが複数用いる構成としても良い。その場合、例えば両手にそれぞれ識別可能な加速度センサ1239を備えた第1及び第2のゲームコントローラ1230を持ってゲームプレイする。そして、両手を同時に動かして動作入力をするとし、右手に持った第1のゲームコントローラの加速度センサで検出された加速度に基づいて第1の移動軌跡を算出し、左手に持った第2ゲームコントローラの加速度センサで検出された加速度に基づいて第2の移動軌跡を算出する。そして、第1の移動軌跡と第2の移動軌跡の中心を合わせて合成した合成移動軌跡を生成する、或いは第1の移動軌跡の軌跡画像と第2の移動軌跡の軌跡画像とを合成して合成軌跡画像を生成し、合成移動軌跡や合成軌跡画像に基づいて操作入力命令を判定する構成としても良い。この場合、より複雑でより高度な動作入力が可能になるので、操作入力のバリエーションが更に増えてゲーム性をより一層高めることができる。
【0159】
また、上記実施形態では、近似平面12を用いて移動軌跡10のゲームコントローラ1230に対する向きに応じて可変パラメータ(係数k1)を変更してダメージ値を可変した。そして更に、軌跡画像14の画像の大きさに応じて別の可変パラメータ(係数k2)を変更してダメージ値を可変する構成としたが、可変パラメータの設定はこれらに限るものではなく適宜設定可能である。
【0160】
例えば、図18に示すように、パターンマッチング処理において参照画像528bと軌跡画像14との画像中心を軸にした角度差θc(−180°≦θc≦180°)を求め、第3の係数k3=1.0+|θc|/180°を算出する。そして、第3の係数k3を上記実施形態におけるダメージ値528cに更に乗算するとしても良い。すなわち、参照画像528bで定められている図形パターンの向きを基準として、この基準の向きに対して移動軌跡全体の向きが同じであれば係数k3は「1.0」とし、基準の向きに対して上下逆さに近づくほど係数k3は「2.0」に近い値とする。図18(a)の例では、参照画像528bとして、丸の上部がV字状に内側に窪んだ図形パターンが設定されており、V字状の窪みの方向が上を向いた状態が基準となる。これに対して、軌跡画像14dはV字状の窪みが左斜め45°程上を向いているので、第3の係数k3は「1.0」より大きい「1.25」程度の値となる。同様に図18(b)の移動軌跡10eの例では、参照画像528bに対して上下逆さになっているので第3の係数k3は「2.0」となる。よって、同じ図形パターンを描く場合であっても、通常と異なる向きで移動軌跡を描くといった比較的難易度が高くなる移動操作をすれば、より高いダメージ値が得られるようにすることが可能になる。
【0161】
また、上記実施形態では、移動軌跡全体の向きを判定するために近似平面12の法線方向13と、ゲームコントローラ1230のXc軸との角度差に基づいて第1の係数k1を算出したが、上記実施形態の式(9)で求められる重力加速度gと近似平面12の法線方向13との相対角度θf(0°≦θf≦180°)に応じて第4の係数k4を算出し、先の第3の係数k3同様にダメージ値の算出に乗算する構成としても良い。具体的には、第4の係数k4=1+|90°−θf|/90°とする。
【0162】
例えば、図19(a)の例では、プレーヤ2は移動軌跡10fを頭上で描くように移動操作している。この場合、重力加速度gと近似平面12fの法線方向13fとが略反対向きとなるので第4の係数k4=2.0となるが、図19(b)のようにプレーヤ2の正面で移動軌跡10hを描く場合は、重力加速度gと近似平面12hの法線方向13hとがほぼ90°を成すので、第4の係数k4=1.0となる。したがって、同じ図形パターンを描く場合であっても、通常と異なる向き(プレーヤにとっての前後上下左右の向き)に移動軌跡10を描くといった比較的難易度が高くなる移動操作をすれば、より高いダメージ値が得られるようにすることが可能になる。
【0163】
或いは、同じ図形パターンであっても重力加速度gと近似平面12fの法線方向13fとの相対角度θfによって、異なる種類の魔法が発動されるようにすることもできる。
例えば参照パターンデータ526において参照画像526aに、ゲームコントローラ1230の姿勢条件として相対角度θfの条件を対応付け、条件別に操作入力命令526bを定義しておく。図8の例ならば、例えば相対角度θfの条件が「90°近傍」である場合には操作入力命令526bに「雷撃魔法」を設定し、相対角度θfの条件が「0°近傍、180°近傍」の場合には「雷属性召還獣の呼び出し」とか「治癒魔法」のように他の種類の操作入力を設定する。そして、図13のステップS80では、相対角度θfを算出し、最類似参照画像に対応づけられている相対角度θfの条件のうち、算出した相対角度θfが合致する条件に対応づけられた操作入力命令526bが操作入力されたと判定する構成とする。
こうした構成の場合、プレーヤにとって、ゲームプレイをする上で覚えなければならない図形のパターンが少なくても、ゲームコントローラ1230を自分の体に対してどのような姿勢で移動させるかによって、様々な操作入力が可能になるのでプレイし易くなる。
【0164】
また、法線方向13fの算出方法は、上記実施形態のように位置pからランダムに選ばれた3点を通る平面を設ける方法にかぎらず、例えば次式(24)で求める構成としても良い。s(スモールエス)は法線方向ベクトルであり、その大きさは位置pi(i=0・・・・n+1)が描く軌跡を近似平面12に投影した面積になる。
【数24】

尚、「×」はベクトルの外積を表す。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】家庭用ゲーム装置の構成例を示すシステム構成図。
【図2】ゲームのプレイスタイルを示す概念図。
【図3】プレーヤキャラクタが魔法を発動させるための術式としての図形パターンの例を示す図。
【図4】魔法発動操作入力の原理を説明するための概念図。
【図5】魔法発動操作入力の原理を説明するための概念図であって、移動軌跡上の位置pを時系列に求めた状態を示す図。
【図6】魔法発動操作入力の原理を説明するための概念図であって、移動軌跡を2次元図形として扱うための処理の概念を示す図。
【図7】機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図8】参照パターンデータのデータ構成の一例を示すデータ構成図。
【図9】ダメージTBLデータのデータ構成例を示すデータ構成図。
【図10】サンプリングデータのデータ構成例を示すデータ構成図。
【図11】処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図12】移動軌跡算出処理の流れを説明するためのフローチャーチト。
【図13】操作入力命令判定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図14】ゲームプレイの状況例を示す概念図。
【図15】魔法発動操作入力における入力のバリエーションを示す図。
【図16】家庭用ゲーム装置を実現するためのハードウェア構成の一例について説明する図。
【図17】プレーヤキャラクタが魔法を発動させるための術式としての図形パターンの変形例を示す図。
【図18】可変パラメータの変形例を用いる場合の概念図。
【図19】可変パラメータの変形例を用いる場合の概念図。
【符号の説明】
【0166】
10 移動軌跡
12 近似平面
14 軌跡画像
100 操作入力部
102 加速度検出部
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 移動軌跡算出部
214 操作入力命令判定部
500 記憶部
526 参照パターンデータ
528 ダメージTBLデータ
532 サンプリングデータ
1200 家庭用ゲーム装置
1230 ゲームコントローラ
1232 プッシュボタン
1239 加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに所定のゲームを実行させるためのプログラムであって、
加速度検出器を内蔵したゲームコントローラの位置を変化させるように該ゲームコントローラを動かす移動操作を行った際に前記加速度検出器により検出される加速度情報に基づいて、該ゲームコントローラの移動軌跡を算出する移動軌跡算出手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記移動軌跡算出手段により算出された移動軌跡に基づいて前記ゲームを進行制御するゲーム進行制御手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記ゲーム進行制御手段が、前記算出された移動軌跡に基づいて操作入力命令を判定する操作入力命令判定手段を有し、前記操作入力命令判定手段により判定された操作入力命令に従ってゲームを進行制御するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記操作入力命令判定手段が、複数の操作入力命令それぞれに対応付けて予め定められた複数の軌跡参照データの中から、前記算出された移動軌跡に適合する軌跡参照データを選択し、該選択した軌跡参照データに対応付けられている操作入力命令がなされたと判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムであって、
前記操作入力命令は、所与の可変パラメータに応じて予め定められた処理を行うための命令であり、
前記操作入力命令判定手段が、前記算出された移動軌跡と前記複数の軌跡参照データそれぞれとの適合度を算出する適合度算出手段を有し、前記適合度算出手段による算出結果に基づいて軌跡参照データを選択し、
前記ゲーム進行制御手段が、前記選択された軌跡参照データの前記適合度算出手段により算出された適合度に応じて前記可変パラメータを可変して、前記操作入力命令判定手段により判定された操作入力命令に従った処理を実行する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記ゲーム進行制御手段が、前記移動軌跡算出手段により算出された移動軌跡が予め定められた所定軌跡に合致する場合に、予め定められた操作入力命令がなされたとみなす操作入力命令判定手段を有し、前記操作入力命令判定手段の判定に応じて、前記操作入力命令に従った処理を実行してゲームを進行制御するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項4〜6の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記操作入力命令は、所与の可変パラメータに応じて予め定められた処理を行うための命令であり、
前記ゲーム進行制御手段が、前記移動軌跡算出手段により算出された移動軌跡全体の大きさに応じて前記可変パラメータを可変し、前記操作入力命令判定手段により判定された操作入力命令に従った処理を実行するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項4〜6の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記操作入力命令は、所与の可変パラメータに応じて予め定められた処理を行うための命令であり、
前記移動軌跡算出手段が、前記ゲームコントローラの向きを基準とする3次元座標系における移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させ、
前記移動軌跡算出手段により算出された前記3次元座標系における移動軌跡から、当該移動軌跡全体の向きを判定する移動軌跡向き判定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記移動軌跡向き判定手段により判定された移動軌跡全体の向きに応じて前記可変パラメータを可変し、前記操作入力命令判定手段により判定された操作入力命令に従った処理を実行するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項3〜7の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記移動軌跡算出手段が、前記ゲームコントローラの向きを基準とする3次元座標系における移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させ、
前記移動軌跡算出手段により算出された前記3次元座標系における移動軌跡から、当該移動軌跡全体の向きを判定する移動軌跡向き判定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記操作入力命令判定手段が、前記移動軌跡算出手段により算出された移動軌跡に加えて、更に前記移動軌跡向き判定手段により判定された移動軌跡全体の向きに基づいて操作入力命令を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項4〜9の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記複数の操作入力命令それぞれには、前記ゲームコントローラの姿勢条件が予め定められており、
前記移動軌跡算出手段による移動軌跡の算出対象となった加速度情報に基づいて前記ゲームコントローラの姿勢を判定する姿勢判定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記操作入力命令判定手段が、前記算出された移動軌跡に適合する軌跡参照データに対応付けられている操作入力命令であり、且つ、前記姿勢判定手段により判定された姿勢が姿勢条件を満足する操作入力命令がなされたと判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項2〜10の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記ゲーム進行制御手段が、ゲーム空間中の所定オブジェクトの当該ゲーム空間中の位置を、前記算出された移動軌跡に基づいて変化させるように制御するオブジェクト制御手段を有し、前記オブジェクト制御手段による前記所定オブジェクトの位置の制御によってゲームを進行制御するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記移動軌跡算出手段により算出された移動軌跡を画像表示させる軌跡画像表示制御手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記ゲームコントローラの前記移動操作の開始を指示する操作入力がなされたことを検知する移動操作開始指示検知手段、
前記ゲームコントローラの前記移動操作の終了を指示する操作入力がなされたことを検知する移動操作終了指示検知手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記移動軌跡算出手段が、前記移動操作開始指示検知手段の検知から前記移動操作終了指示検知手段の検知までの間の移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムであって、
前記移動軌跡算出手段が、前記移動操作開始指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの位置と、前記移動操作終了指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの位置とが所定の位置条件を満たす関係にあるとして移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムであって、
前記移動軌跡算出手段が、前記移動操作開始指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの位置と、前記移動操作終了指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの位置とが同一位置にあるとして移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項13〜15の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記移動軌跡算出手段が、1)前記移動操作開始指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの速度、及び/又は、2)前記移動操作終了指示検知手段が操作入力を検知した時点における前記ゲームコントローラの速度、を速度「0」として移動軌跡を算出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項1〜16の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体。
【請求項18】
加速度検出器を内蔵したゲームコントローラと、
前記ゲームコントローラの位置を変化させるように該ゲームコントローラを動かす移動操作を行った際に前記加速度検出器により検出される加速度情報に基づいて、該ゲームコントローラの移動軌跡を算出する移動軌跡算出手段
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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