説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】一筆書きをモチーフとした新しいパズルゲームを実現すること。
【解決手段】意味のある単語や文章を構成する文字をそれぞれマスに対応づけ、一見しては正しい並びが分からないが、正しい配列順にすると元の読みが復元されるようにして連接配置し出題する。難易度を変えるファクタとして、「角部数」や「直線部最大長さ」「屈曲部数」「配列順の左向き直線部の数」「特殊文字周辺連通可能数」「異種仮名混入数」などを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに、一筆書きをモチーフとしたゲームを実行させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
パズルゲームの一つとして、一筆書きをモチーフとしたゲームが知られている。
例えば、複数の白ピースと黒ピースとが混在配置された問題が出題され、プレーヤは、一筆書きで次々にピースをタッチして、その色を白黒反転させながら横一列の色を揃えて消すという、白黒が反転することを予測しつつ直感を働かせて一筆書きするのがポイントのゲームが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】任天堂株式会社製 携帯型ゲーム装置「ニンテンドーDS」向けソフトウェア「直感ヒトフデ」、[online]、2004年12月2日発売、インターネット<URL:http://www.nintendo.co.jp/n10/nwt/dssoft/hitofude/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、一筆書きをモチーフとした新しいパズルゲームを実現することであり、より望ましくは、多様な難易度設定を有するゲームを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するための第1の形態は、コンピュータに、文字、数字、記号又はこれらの組合せ(以下「文字等」という。)の意味のある並びとなるように、文字等が割り当てられて連接配置されたマスを1度だけ通過する順路をプレーヤに見出させるゲームを実行させるためのプログラムであって、
難易度を設定する難易度設定手段(例えば、図6の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、難易度設定部214、難易度レベル520、図24のステップS2、図25のステップS182〜S184)、
前記難易度設定手段により設定された難易度に基づいて、各マスに割り当てられた文字等を正答順路に従って並べることにより正答の文字等の列(以下「正答列」という。)となる問題配列を作成する問題作成手段(例えば、図6の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、問題配列作成部216、図24のステップS4〜S10、ステップS14)、
前記問題配列に対するプレーヤの操作入力に従って、前記正答列と同一の文字等の列を為す順路が選択入力されたか否かを判定する正否判定手段(例えば、図6の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、正否判定部224、図25のステップS180)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0006】
また、別形態として、文字等の意味のある並びとなるように、文字等が割り当てられて連接配置されたマスを1度だけ通過する順路をプレーヤに見出させるゲームを実行するゲーム装置であって、
難易度を設定する難易度設定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図6の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、難易度設定部214、難易度レベル520、図24のステップS2、図25のステップS182〜S184)と、
前記難易度設定手段により設定された難易度に基づいて、各マスに割り当てられた文字等を正答順路に従って並べることにより正答列となる問題配列を作成する問題作成手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図6の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、問題配列作成部216、図24のステップS4〜S10、ステップS14)、
前記問題配列に対するプレーヤの操作入力に従って、前記正答列と同一の解答列が入力されたか否かを判定する正否判定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図6の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、正否判定部224、図25のステップS180)と、を備えたゲーム装置として実現しても良い。
【0007】
第1の形態によれば、単語や文章を形成する文字等を割り当てて連接配置したマスを出題し、プレーヤに正答列を再現する読み順を一筆書きで入力させるゲームを実現できる。この際、難易度に応じた問題配列を作ることができる。
【0008】
第2の形態は、前記問題作成手段が、前記難易度に応じて予め定められた問題構成条件を満たすように前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第1の形態のプログラムである。
【0009】
第2の形態によれば、第1の形態のプログラムと同様の効果を奏するとともに、難易度に応じて予め定められた問題構成条件を適宜設定することで、様々な観点に基づく難易度に応じた問題配列を作ることができる。
【0010】
第3の形態は、前記問題作成手段が、前記正答順路の先頭マスを前記問題配列の外周部、角部及び凸部の何れに配置するか否かを前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「先頭隅配置」)として前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第2の形態のプログラムである。
【0011】
第3の形態によれば、第2の形態と同様の効果を奏するとともに、正答順路の先頭マスを前記問題配列の外周部、角部及び凸部の何れに配置するか否かを、難易度を変化させるファクタとすることができる。外周部、角部及び凸部のマスは、連接するマスの数が中央のマスより少ないので、それだけ正答順路を見つけ易いことになる。
【0012】
第4の形態は、前記問題作成手段が、前記問題配列に含まれる前記正答順路の連続直線部の長さを前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「直線部最大長さ」)として前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第2又は第3の形態のプログラムである。
【0013】
第4の形態によれば、第2又は第3の形態と同様の効果を奏するとともに、問題配列に含まれる前記正答順路の連続直線部の長さを、難易度を変化させるファクタとすることができる。連続直線部の長さが大きければそれだけ正答列を見つけ易くなり、難易度が低くなる。
【0014】
第5の形態は、前記問題作成手段が、前記問題配列に含まれる前記正答順路の連続直線部が何れの方向であるかを前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「配列順の左向き直線部の数」)として前記問題配列を作成する、ように前記コンピュータを機能させるための第2〜第4の何れかの形態のプログラムである。
【0015】
第5の形態によれば、第2〜第4の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、問題配列に含まれる前記正答順路の連続直線部が何れの方向であるかを難易度を変化させるファクタとすることができる。例えば、日本語ならば、左から右、又は上から下に読む習慣があるので、連続直線部が右向きや下向きならば、左向きや上向きよりも正答列を見つけ易くなり、難易度が低くなる。
【0016】
第6の形態は、前記問題作成手段が、前記問題配列に含まれる前記正答順路の屈曲部の数を前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「屈曲部数」)として前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第2〜第5の何れかの形態のプログラムである。
【0017】
第6の形態によれば、第2〜第5の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、問題配列に含まれる前記正答順路の屈曲部の数を、難易度を変化させるファクタとすることができる。屈曲部が少ないほど、正答列を見つけ易くなり、難易度が低くなる。
【0018】
第7の形態は、前記問題作成手段が、平仮名及び/又は片仮名を一部又は全部とする日本語文字の並びを前記正答列とし、前記正答列に小書き仮名又は長音の何れかの特殊仮名が含まれている場合に、当該特殊仮名が割り当てられたマスに隣接するマスであって、当該特殊仮名と連続発音可能な文字が割り当てられているマスの数を前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「特殊文字周辺連通可能数」)として前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第2〜第6の何れかの形態のプログラムである。
【0019】
第7の形態によれば、第2〜第6の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、特殊仮名が割り当てられたマスに隣接するマスであって、当該特殊仮名と連続発音可能な文字が割り当てられているマスの数を、難易度を変化させるファクタとすることができる。特殊仮名と前後して連続して読むことのできる文字は限られる。よって、特殊仮名と連続発音可能な文字が割り当てられているマスの数が少ないほど、正解順路が限られることとなり、難易度が低くなる。
【0020】
第8の形態は、前記問題作成手段が、仮名による日本語文字の並びを前記正答列とし、前記正答列に含まれる仮名の平仮名と片仮名との割合及び/又は出現順序を前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「異種仮名混入数」)として前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第2〜第7の何れかの形態のプログラムである。
【0021】
第8の形態によれば、第2〜第7の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、正答列に含まれる仮名の平仮名と片仮名との割合及び/又は出現順序を、難易度を変化させるファクタとすることができる。当然、同じ仮名の種類で統一されているほど、正答列は見つけ易いので、正答率に含まれる同じ音だが文字種が異なるものが混入されているほど難易度が高くなる。
【0022】
第9の形態は、前記問題作成手段が、アルファベットの文字の並びであって、1以上の単語の並びを前記正答列とし、前記正答列に含まれる各単語の先頭アルファベットを大文字とするか否かを前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「先頭大文字」)として前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第2〜第6の何れかの形態のプログラムである。
【0023】
第9の形態によれば、第2〜第6の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、単語の先頭アルファベットを大文字とするか否かを、難易度を変化させるファクタとすることができる。当然、先頭アルファベットを大文字としたほうが、正答列を見つけ易くなり難易度が低くなる。
【0024】
第10の形態は、前記問題作成手段が、前記正答列に含まれる一部の文字等をブラインド記号に置換するか否かを前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「ブラインドボックス」)として前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第9の何れか形態のプログラムである。
【0025】
第10の形態によれば、第1〜第9の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、正答列に含まれる一部の文字等をブラインド記号に置換するか否かを、難易度を変化させるファクタとすることができる。当然、ブラインド記号に置換された数が多いほど、難易度が高くなる。尚、ブラインド記号は、クエスチョンマークなどでも良いし、モザイクなどのパターンなど適宜設定することができる。
【0026】
第11の形態は、前記問題作成手段が、前記正答列に不要な文字等を挿入するか否かを前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「不要文字混入」)として前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第10の何れかの形態のプログラムである。
【0027】
第11の形態によれば、第1〜第10の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、それがなくとも正答列の正しい意味が分かり、もともとの意味が変化しない不要な文字等を正答列に挿入するか否かを、難易度を変化させるファクタとすることができる。勿論、挿入する方が、しかも挿入数が多い程難易度が高くなる。
【0028】
第12の形態は、前記問題作成手段が、前記正答列を構成する単語毎に前記マスの表示形態を統一するか否かを前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「色替え」)として前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第11の何れかの形態のプログラムである。
【0029】
第12の形態によれば、第1〜第11の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、正答列を構成する単語毎に前記マスの表示形態を統一するか否かを、難易度を変化させるファクタとすることができる。勿論、統一する方が、単語を見つけ易くなるので難易度が低くなる。
【0030】
第13の形態は、前記問題作成手段が、前記問題配列に含まれる前記正答順路の連続直線部を意味内容のある単語とするか否かを前記問題構成条件の1つ(例えば、図8の問題構成条件設定データ512の「ミスリード」)として前記問題配列を作成するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第12の何れかの形態のプログラムである。
【0031】
第13の形態によれば、第1〜第12の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、題配列に含まれる正答順路の連続直線部を正答列とは別の意味内容のある単語とするか否かを、難易度を変化させるファクタとすることができる。勿論、適用されないほど難易度が低くなる。
【0032】
第14の形態は、第1〜第13の何れかの形態のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第14の形態によれば、第1〜第13の何れかの形態のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第13の形態の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】携帯型ゲーム装置の構成例を説明するための外観図。
【図2】ゲーム開始前の状態のゲーム画面の一例を示す図。
【図3】解答操作中のゲーム画面の一例を示す図。
【図4】正解時の演出表示の一例を示す図。
【図5】不正解時の演出表示の一例を示す図。
【図6】第1実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図7】褒賞画像ライブラリのデータ構成の一例を示す図。
【図8】問題構成条件設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図9】問題構成条件「角部数」の難易度レベルに応じた設定の一例と、角部数のカウントのし方の一例を示す図。
【図10】問題構成条件「直線部最大長さ」の難易度レベルに応じた設定の一例と、直線配列マスの数のカウントのし方の一例を示す図。
【図11】問題構成条件「屈曲部数」の難易度レベルに応じた設定の一例と、直線配列マスの数のカウントのし方の一例を示す図。
【図12】問題構成条件「配列順の左向き直線部の数」の難易度レベルに応じた設定の一例と、直線配列マスの数のカウントのし方の一例を示す図。
【図13】問題構成条件「特殊文字周辺連通可能数」の難易度レベルに応じた設定の一例と、特殊文字周辺連通可能数のカウントのし方の一例を示す図。
【図14】問題構成条件「異種仮名混入数」の難易度レベルに応じた設定の一例と、異種仮名混入数のカウントのし方の一例を示す図。
【図15】問題構成条件「ブラインドボックス」の設定の一例を示す図。
【図16】問題構成条件「先頭大文字」の設定の一例を示す図。
【図17】問題構成条件「不要文字混入」の設定の一例を示す図。
【図18】問題構成条件「色替え」の設定の一例を示す図。
【図19】問題構成条件「ミスリード」の設定の一例を示す図。
【図20】正答列セットのデータ構成の一例を示す図。
【図21】配列雛形データのデータ構成の一例を示す図。
【図22】問題配列データのデータ構成の一例を示す図。
【図23】解答順路情報のデータ構成の一例を示す図。
【図24】第1実施形態における主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図25】図24より続くフローチャート。
【図26】第1実施形態における問題配列作成処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図27】図26より続くフローチャート。
【図28】解答順路表示処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図29】クリア演出表示処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図30】クリアミス演出表示処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図31】第2実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図32】正答列選出処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図33】ゲーム装置の変形例を示す外観図。
【図34】問題配列作成処理の変形例における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図35】図34より続くフローチャート。
【図36】クリア演出表示の変形例を示す図。
【図37】問題配列モデルの構成の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔第1実施形態〕
本発明を適用した第1実施形態として、携帯型ゲーム装置において、文字や数値、記号などで構成された有意味な並びを、連接配置された複数のマスにバラバラに割り当てて出題し、プレーヤがそれらのマスの全て又はその一部を一方通行に一回限りなぞって解答順路を入力して元の有意味な並び順を復元するパズルゲーム、所謂「一筆書きパズルゲーム」に類するゲームを実行する例について説明する。尚、以下の説明における「文字」とは、特にことわりを入れない場合、仮名・漢字・アルファベット・ハングル文字など各国言語に使用される文字や、数値、各種記号を含む意味として使用する。
【0035】
[ゲーム装置の構成]
図1は、携帯型ゲーム装置の構成例を説明するための外観図である。本実施形態における携帯型ゲーム装置1400は、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在なフリップフロップ型の装置本体1401に備えている。そして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表面には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示画面の任意の位置を入力することのできるタッチパネル1407、1409がそれぞれ装着されている。
【0036】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440にデータを読み書きできるメモリカード読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯型ゲーム装置1400の制御ユニット1450がゲームプレイに係る各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。またその他、装置本体1401には図示されていない内蔵バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0037】
タッチパネル1407、1409は、表示画面を遮蔽することなくそれぞれ第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示画面のほぼ全域を被い、プレーヤが画面表示されているものに触れる感覚でスタイラスペン1416(或いは指など)で触れると、左上を原点とする直交軸座標系における接触位置座標を制御ユニット1450へ出力することができる。
【0038】
制御ユニット1450は、ゲーム装置の制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリを搭載する。
また、無線通信モジュール1412や、3軸加速度センサ1422、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のドライバ回路、タッチパネル1407及びタッチパネル1409のドライバ回路、方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404からの信号を受信する回路、スピーカ1410へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1418への信号入出力回路といったいわゆるI/F回路(インターフェース回路)を搭載する。これら制御ユニット1450に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0039】
3軸加速度センサ1422は、携帯型ゲーム装置1400の姿勢変化や位置変化を検出するために直交するX軸・Y軸・Z軸の3軸方向の加速度を検出し、検出信号を制御ユニット1450へ出力する。尚、加速度センサの代わり、又は更なる機能追加としてジャイロセンサを備える構成としても良い。或いは地磁気を基準として位置や姿勢変化を検出するならば磁気センサによって置き換えることもできる。
【0040】
そして制御ユニット1450は、メモリカード読取装置1418によってメモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー1402やボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて携帯型ゲーム装置1400の各部を制御して、アクションゲームを実行する。
【0041】
尚、本実施形態では、携帯型ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1440から読み出す構成とするが、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線1に接続して外部の装置からダウンロードする構成としても良い。
【0042】
[ゲーム内容の説明]
次に、本実施形態におけるパズルゲームの内容について説明する。ゲームを開始すると、例えば図2に示すようなゲーム画面W2が表示される。第1液晶ディスプレイ1406には、ヒント表示欄2(2a,2b,2c)と、現在出題されている問題のレベル表示4と、獲得ポイント6と、プレイ可能な残り時間を示す制限時間8とが表示される。第2液晶ディスプレイ1408には、メッセージ表示部10と、主操作部12と、タッチすることでヒント開示操作を入力できるヒントボタン14と、解答終了操作を入力するための解答終了ボタン16とを備える。
【0043】
ヒント表示欄2は、ゲーム開始当初は図2に示すヒント表示欄2b,2cのようにヒント内容が隠されているように表示されているが、所定のヒント開示操作をするとヒント表示欄2aのようにヒントの内容が表示される。
【0044】
メッセージ表示部10には、ゲーム操作のガイドや、ゲーム状況の通知、プレーヤを応援するメッセージなどが表示される。
【0045】
主操作部12には、問題配列モデル20が表示されている。問題配列モデル20は、「マス」と呼ばれる同型の多角形(図の例では四角形)が互いの辺を突き合わせて複数個密着した配列モデルの各マス内に出題される文字等が一文字ずつ描画されている。ここで言う「文字等」とは、平仮名やカタカナ、漢字、アルファベットなど各言語の主要文字、数字、記号、単位などが含まれる。尚、以下ではこの「文字等」を単に「文字」と呼称し、複数の文字等の集まりを単に「文字列」と呼称する。
【0046】
出題される文字列は、どこかのマスを始点にして、一つのマスを一回のみ通過可能にして隣接するマスを伝って一方通行の順路で読むと、ある特定の意味を持つように割り当てられている。しかし、問題配列モデル20では、出題される文字列は一見するとどのような順路で読めば良いかが分からないようにされている。また、一見しただけでは、出題される文字列が、問題配列モデル20に表示されている文字の全てを利用して完成するか、一部のみ利用して完成するかは分からないようにされている。
【0047】
図3は、ゲーム開始から解答終了までの様子の一例を示す概念図である。
図3(1)のゲーム画面W4に示すように、プレーヤは先ず、問題配列モデル20のマスの中から自身が正解と考える読み方順の先頭に当たる文字が表示されたマスをタッチして始点を決める。最初にタッチされたマスには始点表示体30が表示される。
【0048】
そして、プレーヤは、始点としたマス(始点マス)に隣接するマスの中から、読み方順2番目の文字が表示されていると思うマスへ、スタイラスペン1416をタッチパネルにタッチさせたままタッチ位置をスライドさせて選択する。勿論、始点マスへのタッチの後、一端スタイラスペン1416をタッチパネルから離していれば、当該マスを改めてタッチ操作して選択するとしても良い。
そうして読み方順2番目のマスを選択したならば、当該2番目のマスから読み方順3番目の文字が表示されていると思うマスへ、同様にしてスタイラスペン1416のタッチ位置をスライド移動させる。以下、読み方順最後までこれを繰り返す。
【0049】
すると、図3(2)に示すように、始点のマスを出発点として、直前にタッチ操作されたマスから新たにタッチされたマスを繋ぐようにして経路表示体32が次々に伸長表示される。そして、プレーヤ自身が読み方順最後マスまで到達したと思ったら、解答終了ボタン16をタッチ操作して、解答の正否判定を待つ。
【0050】
解答終了操作が入力されると、これまで入力した解答順路に従ってマスに描かれた文字を配列させて解答列(「解答された文字列」の意)が生成され、解答列と出題された文字列(出題正答列)とが比較されて解答の正否が判定される。そして、正否に応じた演出表示が行われる。
【0051】
図4は、本実施形態において解答順路が正解であった場合に表示されるクリア演出表示の一例を示す図である。先ず、図4(1)のゲーム画面W10に示すように、経路表示体32の始点側端部から移動体34として炎が出現し、経路表示体32があたかも導火線であるかのようにして、移動体34が経路表示体32の終点に向かって徐々に移動するように表示される。それに伴い、移動体34が差し掛かったマスは、炎で燃えてしまったように表示形態が変更される(例えば、図4(1)の左上のマスの状態)。
【0052】
移動体34が経路表示体32の終点に達すると移動体34は消滅し、図4(2)のゲーム画面W12に示すように、マス全てが延焼した状態になる。次いで、それら延焼したマスが焼け落ちるように表示され、図4(3)のゲーム画面W14に示すように、焼け落ちたせいでそれらが元有った場所の背後が見通せるようになり、新たな画像として褒賞画像36が表示される。この褒賞画像36は、今回の出題に正解したことを示す画像である。
【0053】
ゲーム画面W14には、タッチすることでゲームの継続操作を入力できる進行操作ボタン38と、タッチすることでゲーム終了操作を入力できるゲーム終了ボタン40とが表示されているので、プレーヤは好きな方を選ぶ。前者が操作された場合には、新しく出題される文字列が選択され、再びゲーム画面W2の表示に戻る。後者が操作された場合には、ゲーム終了となる。
【0054】
一方、図5は、本実施形態において解答順路が不正解であった場合に表示されるクリアミス演出表示の一例を示す図である。先ず、図5(1)のゲーム画面W16に示すように、クリア演出のゲーム画面W10と同様にして、経路表示体32の始点側端部から移動体34として炎が出現し、経路表示体32があたかも導火線であるかのようにして経路表示体32の終点に向かって徐々に移動するように表示される。
【0055】
しかし、図5(2)のゲーム画面W18に示すように、移動体34は、解答順路が最初に間違った地点で、あたかも導火線の火が消えるように表示されて消去される。図5(2)の例では右端の上から二つ目のマスまで正解だが、右端の一番下のマスは不正解なので「最初に間違った地点」となり、炎はここで消えるように表示される。そして、移動体34が消えたならば、図5(3)のゲーム画面W20に示すように、メッセージ表示部10に解答順路が不正解であった旨表示される。
【0056】
ゲーム画面W20には、タッチすることで同じ問題に再挑戦する操作を入力できるリトライボタン42と、ゲーム終了ボタン40とが表示される。プレーヤが前者を選択操作した場合には、出題される文字列もそのままにゲーム画面W2に戻る。後者が選択操作された場合にはゲーム終了となる。
【0057】
[機能構成の説明]
図6は、上記のようなゲームを実現する為の本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
本実施形態における携帯型ゲーム装置1400は、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0058】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、ボタンスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、2軸以上の検出軸を有する多軸検出型加速度センサ又は検出軸方向を違えて組み合わされた単軸検出型加速度センサユニット、少なくとも2方向以上の検出方向を可能にする多方向検出型傾斜センサまたは検出方向を違えて組み合わされた単方向検出型傾斜センサユニット、などによって実現できる。図1の方向入力キー1402やボタンスイッチ1404はこれに該当する。
【0059】
そして、操作入力部100は、接触位置検出部102を含む。
接触位置検出部102は、表示画面範囲への接触位置を検出することのできるデバイスで実現される。図1のタッチパネル1407,1409がこれに該当する。
【0060】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む携帯型ゲーム装置1400の各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯型ゲーム装置1400の動作を制御する。図1では制御ユニット1450が処理部200に該当する。
そして、本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0061】
ゲーム演算部210は、本実施形態におけるパズルゲームを実現するための種々の処理を実行する。具体的には、正答列決定部212と、難易度設定部214と、問題配列作成部216と、ヒント表示制御部218と、解答順路管理部220と、解答列作成部222と、正否判定部224と、演出制御部226と、ポイント計算部228と、フィルター演出制御部229とを含む。
【0062】
正答列決定部212は、問題として出題される文字列であって、正答となる文字等の列(正答列)を決定する。より具体的には、記憶部500に予め記憶されている複数の正答列セット514の中から、プレーヤのゲーム成績に応じて決定される難易度レベルに対応した正答列セット514を選択し、当該セットに登録されている文字列を何れか選択する。選択した文字列の識別情報は、記憶部500に出題正答列ID522として記憶され、選択した文字列そのものは出題正答列524として記憶される。
【0063】
難易度設定部214は、プレーヤのゲーム成績に応じて出題される問題の難易度レベル520を決定し、記憶部500に記憶する。本実施形態では、ゲーム開始当初はレベル「1」とし、連続して正解した回数(連続正答数544)に応じて段階的にレベル「5」まで上昇させる。勿論、レベルの設定数はこれに限らず、適宜設定することができる。またレベルを上昇させるために満たすべき条件は連続正答数に限らず適宜設定しても良い。
【0064】
問題配列作成部216は、難易度レベル520に応じたパズル的難しさをそなえた問題配列モデル20を生成する(図2参照)。
具体的には、先ず記憶部500に予め記憶されている問題構成条件設定データ512から、難易度レベル520に応じた難しさの問題を構成する上で備えるべき特徴を定義した条件(問題構成条件)を選択する。そして、選択した問題構成条件を満たす配列モデル(文字の描かれていない「マス」と呼ばれる同型の多角形が互いの辺を突き合わせて複数個密着したモデル)を、記憶部500に予め記憶されている配列雛形データ516の中から選択する。
配列雛形データ516は、マスの数毎に用意されていて、配列モデルと、出題正答列524が配置される順番を示した配列順とが対応づけられているために(後述)、その配列順に従って出題正答列524の文字の画像を1マスに1文字ずつ読み方順に合成し、問題配列モデル20を生成する。そして、生成した問題配列モデル20の情報を、どのマスのどの文字を割り当てたかを示す情報とともに、記憶部500に問題配列データ526として記憶する。
【0065】
ヒント表示制御部218は、所定のヒント開示操作が入力された場合に、現在の出題正答列524に関係するヒントを表示制御する。具体的には、正答列セット514にて出題正答列524と対応づけられて予め用意されているヒントを、図2のヒント表示欄2のようにして表示する。
【0066】
解答順路管理部220は、プレーヤのマスへのタッチ操作入力に従って、解答順路のマスを識別表示するために経路表示体32を表示させる表示制御処理を実行するとともに、問題配列モデル20(図2参照)のマスを辿った順番と経路を記憶部500に解答順路情報532として記憶し、管理する処理をする。
【0067】
解答列作成部222は、所定の解答終了操作が入力された場合に、解答順路情報532に格納されている解答順路に従って、辿ったマスに割り当てられていた文字を配列して解答列546を生成し記憶部500に格納する。
【0068】
正否判定部224は、出題正答列524と、解答列546とを比較して解答の正否を判定する。
【0069】
演出制御部226は、正否判定部224による正否判定に基づいてクリア演出又はクリアミス演出の表示制御をする(図4,図5参照)。
【0070】
ポイント計算部228は、問題配列モデル20の表示開始を所与のスタートタイミングとし、解答終了操作されるまでに要した経過時間を用いて得点(ポイント)計算を行う。
【0071】
フィルター演出制御部229は、ゲーム開始からの経過時間に応じてマスの視認性を徐々に低下させる処理を実行する。具体的には、問題配列モデル20の一部又は全域に時間経過とともに透明度が低下して不透明になる画像を合成する。その他、視認性を低下させる処理としては、マスに描かれている文字等の色をマスの色に時間経過とともに近づける処理や、マスに描かれている文字等を時間経過とともに徐々に回転或いは高速に回転させる処理、時間経過とともにマスにモザイクを施す処理など適宜設定することができる。
【0072】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0073】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1ではスピーカ1410がこれに該当する。
【0074】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0075】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1の第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408が該当する。
【0076】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0077】
通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の無線通信モジュール1412がこれに該当する。
【0078】
記憶部500は、処理部200に携帯型ゲーム装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御ユニット1450が搭載するICメモリやメモリカード1440がこれに該当する。
【0079】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。システムプログラム501は、携帯型ゲーム装置1400のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームプログラム502は、処理部200が読み出して実行することによってゲーム演算部210としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトであるが、システムプログラム501の一部として組み込まれた構成であっても良い。
【0080】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとして、ゲーム画面設定データ504と、移動体データ506と、マス表示データ508と、褒賞画像ライブラリ510と、問題構成条件設定データ512と、複数の正答列セット514と、複数の配列雛形データ516と、単語辞書データ518と、始点表示体データ540と、経路表示体データ542とが記憶される。
【0081】
また、記憶部500には、ゲームの進行に伴い生成・格納される情報として、難易度レベル520と、出題正答列ID522と、出題正答列524と、問題配列データ526と、ヒント開示回数530と、解答順路情報532と、プレイ時間534と、連続正答数544と、解答列546と、今回獲得ポイント550と、合計獲得ポイント552とが記憶される。また、その他、ゲーム進行の制御に必要な各種データ(例えば、タイマー値やカウンタ)なども適宜記憶されるものとする。
【0082】
ゲーム画面設定データ504は、ゲーム画面W2〜W20(図2〜図5参照)において表示されるヒント表示欄2、レベル表示4、獲得ポイント6、制限時間8、メッセージ表示部10、ヒントボタン14、解答終了ボタン16、進行操作ボタン38、ゲーム終了ボタン40、リトライボタン42等を、所定位置に表示させるための情報を格納している。
【0083】
移動体データ506は、移動体34(図4参照)を表示させるための画像データなど各種データを格納している。
【0084】
褒賞画像ライブラリ510は、クリア演出表示の最後に登場する褒賞画像のデータを格納している。例えば、図7に示すように、今回獲得ポイント条件510aに対応づけて褒賞画像データ510bを格納している。尚、褒賞画像データ510bの対応づけ関係は獲得ポイントに限らない。例えば、プレイ時間や出題数を条件としても良い。出題数を採用する場合には褒賞画像データ510bを、出題数が増す毎にストーリが進んだり、時間が経過したりする、連続した画像を用意すると好適である。例えば、同じ桜の木をメインとして、出題数が増すほど開花する花の数が増えた桜の木の画像が対応づけると好適である。
【0085】
問題構成条件設定データ512は、問題配列モデル20が難易度レベル520に応じたパズル的難しさを有するために備えるべき特徴を示した条件(問題構成条件)を格納する。例えば、図8に示すように、適用レベル設定512aと対応づけて、様々な問題構成条件の項目とその設定内容を格納する。本実施形態では、一つの難易度レベルに複数の問題構成条件が設定可能である。
【0086】
では、具体的な問題構成条件の項目について説明する。
図9は、問題構成条件「角部数」の難易度レベルに応じた設定の一例と、角部数のカウントのし方の一例を示す図である。「角部数」とは、問題配列モデル20のマスのうち、配列輪郭の観点から角・隅・凸部に相当するマスの数である。本実施形態では各難易度レベルにおいて許容される数を指定する。本実施形態ではマスは四角形とするので、隣接するマスの数が「2」以下の場合、そのマスを「角部」と認定する。
【0087】
角部は、次に続くマスの選択肢数が他より少ないことになるので、角部が多いほど正しい解答順路が見つけやすく、少ないほど見つけ難いと解される。例えば、図9(2)と図9(3)を比較すると、図9(3)で上に突出しているマスは、解答順路の始点又は終点にならざるをえず、それを考慮すれば図9(2)の例よりも解答順を見つけ易いと言える。よって、図9(1)に示すように、難易度レベルが低いほど許容される角部数が多く、高いほど少なくなるように当該項目の問題構成条件が設定される。
【0088】
図10は、問題構成条件「直線部最大長さ」の難易度レベルに応じた設定の一例と、直線配列マスの数のカウントのし方の一例を示す図である。「直線部最大長さ」とは、正しい配列順に従って複数のマスが直線状に並んだ部分の最大長さであり、本実施形態では各難易度レベルにおいて許容される長さを指定する。尚、直線部分の最大長さは、縦横左右何れの方向でも問わない。
【0089】
例えば、図10(2)と図10(3)を比較すると、配列モデルの数も外形も同じであるが、図10(2)のように、破線矢印で示された配列順の直線部分の最大長が「5(マス)」であると、出題正答列524に格納される文字列がそのまま直線に並ぶので、正しい解答順路が見つけやすくなる。反対に図10(3)のように、直線部分の最大長が「3」では、出題正答列524に格納される文字列が並んでもその長さが短くなるため、正しい解答順路が見つけ難くなる。よって、図10(1)に示すように、難易度レベルが低いほど許容される直線部最大長さが大きく、難易度レベルが高いほど許容される直線部最大長さが小さくなくなるように当該項目の問題構成条件が設定される。
尚、直線部の長さに関しては、最大長に限らず、全直線部の長さの平均値や中央値、などその他の値を利用する構成としても良い。
【0090】
図11は、問題構成条件「屈曲部数」の難易度レベルに応じた設定の一例と、直線配列マスの数のカウントのし方の一例を示す図である。「屈曲部数」とは、正解の経路つまり正しい配列順が折れ曲がった箇所の総数であり、本実施形態では各難易度レベルにおいて許容される数を指定する。
【0091】
例えば、図11(2)と図11(3)とを比較すると、両方とも同じ数のマスが同じ外形を成した配列モデルであるが、図11(2)の方が屈曲部が少なく、図11(3)は屈曲部が多い。屈曲部が少ないと、結果的に直線部分が占める割合が増し正しい解答順路が見つけやすくなる。よって、図11(1)に示すように、難易度レベルが低いほど許容される屈曲部数が小さく、難易度レベルが高いほど多くなくなるように当該項目の問題構成条件が設定される。
【0092】
尚、問題構成条件「直線部最大長さ」及び「屈曲部数」は、相互関連性の高いパラメータであるので、何れかを省略した構成とすることもできる。
【0093】
図12は、問題構成条件「配列順の左向き直線部の数」の難易度レベルに応じた設定の一例と、直線配列マスの数のカウントのし方の一例を示す図である。「配列順の左向き直線部の数」とは、正しい配列順における2つ以上のマスが左向きに直線状に並んだ部分の数を指定する項目であり、各難易度レベルにおいてその許容される数を指定する。
例えば、図12(2)〜(4)は、マスの数も外形も同じ配列モデルであるが、正しい配列順を示す破線矢印が図の左方向を向いている直線部の数が異なる。日本語や英語では、通常文字は右方向に並べて記述される。その為、文字が右並びの部分は有意味な文字列として認識され易いが左並びの部分は認識され難い。それ故、左向きの直線部分が多いほど正しい解答順路が見つけ難くなると解される。よって、本実施形態では、図12(1)に示すように、難易度レベルが低いほど許容される配列順の左向き直線部の数が小さく、難易度レベルが高いほど大きく設定する。
【0094】
尚、同様のことは、正しい配列順において配列方向が上向きの直線部分についても言える。よって、当該項目を「配列順の上向き直線部の数」と置換することもできるし、両方を用いる構成とすることもできる。また、文字が左向きに記述される言語では、「配列順の右向き直線部の数」と置換することもできる。
【0095】
図13は、問題構成条件「特殊文字周辺連通可能数」の難易度レベルに応じた設定の一例と、特殊文字周辺連通可能数のカウントのし方の一例を示す図である。「特殊文字」とは小書き仮名や長音といった直前の文字と読みが繋がる場合と繋がらない場合とがある文字を言う。例えば、小書き仮名「ゃ」では「きゃ」は繋がるが「くゃ」は繋がらない。長音「ー」では「ぺー」は繋がるが「ーー」は繋がらない。
「特殊文字周辺連通可能数」とは、特殊文字が割り当てられたマスに隣接するマスのうち、当該特殊文字と読みが連通できるマスの総数であり、本実施形態では各難易度レベルにおいて許容される数を指定する。
【0096】
例えば、図13(2)に示すような正答列と正解解答順路を例に挙げると、図13(3)〜(5)に示す3箇所の特殊文字についてそれぞれ異なる特殊文字連通可能数がカウントされ、合計「9」となる。ここで着目すべきは、図13(3)では長音「ー」から四方に読みを繋げる事ができるが、図13(5)の小書き仮名「ッ」からは2方向にしか読みを繋げることができないので、ここは上から通るか下から通るかしかなく、図13(3)よりも正しい解答順路を見つけやすい。よって、本実施形態では、図13(1)に示すように、難易度レベルが低いほど許容される特殊文字周辺連通可能数が小さく、難易度レベルが高いほど大きく設定する。
【0097】
図14は、問題構成条件「異種仮名混入数」の難易度レベルに応じた設定の一例と、異種仮名混入数のカウントのし方の一例を示す図である。「異種仮名混入数」とは、本実施形態における出題正答列524に含まれる仮名の平仮名と片仮名との割合及び/又は出現順序を定義するファクターである。本実施形態では、出題正答列524を構成する仮名文字の内、他と異なる仮名が使用されているマスの数であり、各難易度レベルにおいて許容される数を指定する。勿論、割合や出現順序を具体的に指定するとしても良い。
【0098】
頭のなかでは同種の仮名の連続をイメージして解答順路を探してしまうので、例えば、図14(2)と(3)のように、同じ正答列を同じマス数と同じ外形の配列モデルに適用しても、図14(2)のように平仮名ばかりよりも、図14(3)のように一部にカタカナが混入すると正しい解答順路を見つけ難くなる。よって、本実施形態では、図14(1)に示すように、難易度レベルが低いほど異種仮名混入数が小さく設定され、難易度レベルが高いほど大きく設定される。
【0099】
図15は、問題構成条件「ブラインドボックス」の設定の一例を示す図である。「ブラインドボックス」とは、マスに表示される文字の一部を不明にした数であり、本実施形態では各難易度レベルにおいて許容される数を指定する。出題正答列524の文字を所定のブラインド記号などに置換し元の文字が不明となったマスが多いほど正しい解答順路を見つけ難くなるので、本実施形態では難易度レベルが低いほど設定数を小さくし、難易度レベルが高いほど大きく設定する。
尚、ここでいう「ブラインド記号」は、クエスチョンマークのように特定の記号としても良い。また、目隠しやモザイクなどとしても良い。後者の場合には、文字全体が隠れるように適用しても良いのは勿論、その文字の一部分が隠れるように適用するとしても良い。
【0100】
図16は、問題構成条件「先頭大文字」の設定の一例を示す図である。尚、図16の正答列を全て大文字とした“WIKIPEDIA”は登録商標である。「先頭大文字」は、出題正答列524が小文字アルファベットの場合に、その先頭文字について大文字への変更を「有り」にするか「なし」にするかの設定である。先頭大文字への変更を「有り」にすると、明らかに当該マスが始点と分かるので難易度が下がる。よって、本実施形態では、難易度レベルが比較的低い場合に先頭大文字の設定が「有り」に設定される。
【0101】
尚、仮名文字に対応して同様の効果が得られる問題構成条件として、「先頭文字特別表示」を設定することができる。当該項目は設定の「有り」「なし」の何れかが設定可能であり、設定「有り」の場合には、先頭文字を特別な表示形態(例えば、フォントの種類、フォントのサイズ、フォントの色、明滅パターンなど)で表示させるものとする。また、文字に代えて或いは文字と共に、対応するマスが塗りつぶされる色や模様、輪郭線の表示形態を特別にするとしても良い。
【0102】
図17は、問題構成条件「不要文字混入」の設定の一例を示す図である。「不要文字混入」とは、出題正答列524の文字とは関係のない文字を混入することであり、本実施形態では各難易度レベルにおいて許容される数を指定する。図17の例では、正答列「にらればていしょく」の最後に「へ」と「の」の不要文字が混入されて配列されている。図中の正しい解答順路において、破線矢印までが正答列が並ぶ部分、一点鎖線矢印の部分が不要文字が混入されている部分となる。不要文字が混入していない方が、正しい解答順路を見つけ易いので、本実施形態では難易度レベルが低いほど不要文字混入の設定数が小さく、難易度レベルが高いほど大きくなるように設定される。
尚、本実施形態では、混入させる文字種は出題正答列ID522に対応するオリジナルの正答列の文字種と同じとするが文字種を代えても良い。その場合、難易度レベルはそれほど上がらない。
【0103】
図18は、問題構成条件「色替え」の設定の一例を示す図である。「色替え」とは、正答列を構成する単語毎にマスの表示形態を固有の形態に変更する設定である。当然、図18(1)に示すように全てのマスが同じ表示形態である場合よりも、図18(3)に示すように単語毎にマスの表示形態が固有の形態に変えられていると、格段に正しい解答順路を見つけ易い。よって、本実施形態では難易度レベルが相対的に低い方で「有り」に設定され、難易度レベルが高い方で「なし」が設定される。
尚、本実施形態ではマスの表示形態を変更する構成としているが、文字の表示形態を変更する構成とすることもできる。
【0104】
図19は、問題構成条件「ミスリード」の設定の一例を示す図である。「ミスリード」とは、正答列の中に別の単語が含まれている設定を言う。例えば、図19(1)に示すように正答列が「しんしょうぼうだい(針小棒大)」の中に「しょうぼう(消防)」という別の有意味の単語がある場合である。図19(2)のような正しい解答順路において、図19(3)の強調表示部のように「しょうぼう(消防)」という別の単語部分が含まれる。当然、こうした隠された別の単語が有ると、難易度が上がる。よって、本実施形態では難易度レベルが相対的に低い方で「なし」に設定され、難易度レベルが高い方で「有り」が設定される。
【0105】
また、問題構成条件「先頭隅配置」は、配列順第1番目のマスが外周部、角部及び凸部の何れかに設定されるか否か、すなわち配置モデルの先頭マスを問題配列モデル20の外周部、角部及び凸部の何れに配置するか否かを指定する。外周部や角部及び凸部は、中央のマスに比べて連接する他のマスの数が少ないので、配列順第1番目のマスがそうであれば正しい解答順路を見つけ易くなる。本実施形態では、相対的に難易度レベルが低い方で「有り」、高い方で「なし」が設定される。
【0106】
尚、本実施形態の問題構成条件設定データ512(図8参照)では、これら全ての項目を含む構成としているが、適宜項目を限定して使用する構成としても良いのは勿論である。
【0107】
図20は、正答列セット514のデータ構成の一例を示す図である。正答列セット514は、当該セットが適用される難易度を指定する適用難易度レベルを格納する適用レベル514aと、当該セットで定義される正答列の文字数条件514bと、使用される文字種514cとを格納する。そして、文字数条件514bと文字種514cとを満たす選択肢として、正答列ID514dと対応づけられた複数の正答列514eと、そのヒントの内容を示すデータ(正答列の意味内容を示す第1ヒント514f、正答列の先頭及び/又は最後の文字等を示す第2ヒント514g、…)と、を格納する。
尚、ヒントの内容は適宜設定することができる。例えば、正答列に含まれる単語としても良い。また、ヒントはテキストに限らず、画像や音声でも良い。
【0108】
図21は、配列雛形データ516のデータ構成の一例を示す図である。配列雛形データ516は、出題正答列524の文字列を割り当てるマスの集合体を定義するデータであって、配列ID516aと、配列されるマスの合計数を格納する配列数516bと、配列モデル516cと、配列座標516dと、配列順516eとを対応付けて格納する。
【0109】
配列モデル516cは、配列数516bに格納された数のマスを複数個密着配列したモデルであり文字は描かれていない。配列座標516dは、配列モデル516cを構成する各マスの代表点の座標P1〜P5を、ローカル原点P0を元に定義する。ゲーム画面では、ローカル原点P0が主操作部12のほぼ中央になるように表示位置が調整される。配列順516eは、配列モデル516cの各マスに出題正答列524の文字列を割り当てる順番を定義する。従って、配列モデル516cが、同数のマスで構成されていてその外形も一緒だとしても配列順516e違いで、複数の配列雛形データ516が設定され得る。
【0110】
単語辞書データ518は、任意のテキストデータから単語を識別するための辞書データである。
【0111】
出題正答列ID522は、今回の出題で使用される正答列ID514dを格納する。
【0112】
出題正答列524は、出題正答列ID522に格納された正答列ID514dに対応する正答列514eのコピーを格納し、適用される問題構成条件に応じて適宜変更される。例えば、問題構成条件「ブラインドボックス」の設定が「1」の場合、何れかの文字をクエスチョンマークなどに置換して内容不明とする。また、「異種仮名混入数」の設定が「2以下」であれば、最大2文字の文字種を変更する。
【0113】
問題配列データ526は、ゲーム画面の主操作部12に表示される具体的な問題配列モデル20の設定情報を格納する。例えば、図22に示すように、問題配列モデル20と、文字対応データ526bとが格納される。問題配列モデル20は、配列雛形データ516より問題構成条件を満たす配列モデル516cが選定され、その配列順516eに従って出題正答列524の文字列を1マス1文字で順に合成して形成される。文字対応データ526bには、配列順516eに従って各マスに割り当てられた文字を定義する。
【0114】
ヒント開示回数530は、ゲーム開始時の初期値は「0」で、プレーヤが所定のヒント開示操作をする毎に「1」加算される。
【0115】
解答順路情報532は、ゲーム画面の主操作部12に表示された配列モデル20へのタッチ操作の履歴を格納する。例えば、図23に示すように、タッチ順532aと被タッチマス代表点座標532bとを対応付けて格納する。
【0116】
プレイ時間534は、ゲーム画面の主操作部12に配列モデル20が表示されてからの経過時間を格納する。
【0117】
連続正答数544は、連続して出題に正しく解答できた回数を格納する。
【0118】
解答列546は、所定の解答終了操作が入力された段階の解答順路情報532を参照して、問題配列モデル20の各マスに対応づけられている文字を解答順路に従って配列した文字列を格納する。
【0119】
[処理の流れの説明]
次に、本実施形態における携帯型ゲーム装置1400の処理の流れについて説明する。ここで説明される処理は、処理部200がシステムプログラム501並びにゲームプログラム502を読み出して実行することによって実現される。
尚、ここではゲーム画面の画像信号の生成と出力、及びにゲーム音の音信号の生成と出力についての説明は省略するが、公知のゲームと同様にして画像生成部260が画像表示部360(第1液晶ディスプレイ1406,第2液晶ディスプレイ1408)のリフレッシュレートよりも十分に短いサイクルでゲーム画面を表示させるための画像信号を生成し出力する。その際、ゲーム画面を3DCGで生成する場合には、レンダリング等の処理が行われる。同様に、音生成部250でゲーム音の音信号を生成して音出力部350(スピーカ1410)から放音させるものとする。
【0120】
図24〜図25は、本実施形態における主たる処理の流れについて説明するためのフローチャートである。処理部200は先ず、難易度レベル520を「1」に、連続正答数544を「0」にそれぞれ初期化し(ステップS2)、現在の難易度レベル520に対応する正答列セット514を選択する(ステップS4)。そして、選択した正答列セット514の中から何れかの正答列514eを選択し(ステップS6)、その選択した正答列514eに対応する正答列ID514dを出題正答列ID522として記憶する(ステップS8)。また、選択した正答列514eの文字列をコピーして出題正答列524として記憶する(ステップS10)。
【0121】
次に、処理部200は問題配列モデル20を除いた他のゲーム画面の各部を表示させ(ステップS12;図2参照)、問題配列作成処理を実行する(ステップS14)。
【0122】
図26〜図27は、本実施形態における問題配列作成処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、問題構成条件設定データ512を参照して、現在の難易度レベル520に基づいて問題構成条件の各項目の設定を選択する(ステップS30)。具体的には、問題構成条件設定データ512で、現在の難易度レベル520に対応する適用レベル設定512の中から何れかを選択し、それに対応づけられている項目別の問題構成条件設定512bを選択する。
【0123】
次に、処理部200は選択された問題構成条件のうち「不要文字混入」の設定が「なし」ならば(ステップS32のNO)、配列数516bが出題正答列524の文字数と同数の配列雛形データ516の中から何れかを選択する(ステップS34;図21参照)。もし、「不要文字混入」の設定が「有り」ならば(ステップS32のYES)、処理部200は、「不要文字混入」の設定数分の文字を出題正答列524の先頭又は最後尾に挿入することで出題正答列524を更新する(ステップS35)。このとき、出題正答列524を構成する文字種と同一の文字種(平仮名なら平仮名)を混入させる。次いで、配列数516bが、「不要文字混入」の設定数を加算して更新した新たな出題正答列524の合計文字数と同じ数の配列雛形データ516の中から何れかを選択する(ステップS36)。
【0124】
そして、ステップS34又はS36で選択された配列雛形データ516が、ステップS30で選択した問題構成条件のうち「角部数」「屈曲部数」「直線部最大長さ」「特殊文字周辺連通可能数」「配列順の左向き直線部の数」「先頭隅配置」の各項目に設定された条件を満たすかを判定する。もし、満たさなければ(ステップS40のNO)、現在の配列雛形データ516の選択を破棄して(ステップS42)、ステップS32に戻ってまた別の配列雛形データ516を選択する。
【0125】
もし、ステップS40で各項目に設定された条件を満たすと判定された場合には(ステップS40のYES)、処理部200は次に、現在の配列雛形データ516が問題構成条件「ミスリード」の条件に適合するかを判定する。
【0126】
具体的には、問題構成条件「ミスリード」の設定が「有り」の場合(ステップS50のYES)、出題正答列524に含まれる他の単語を単語辞書データ518から検索する(ステップS52)。
そして、出題正答列524に他の単語が含まれていなければ、つまり現在の配列雛形データ516が問題構成条件「ミスリード」の条件に適合しなければ(ステップS54のNO)、処理部200はミスリードされないと判断して現在の配列雛形データ516の選択を破棄する(ステップS56)。更に、出題正答列524の選択を破棄するとともに出題正答列ID522をクリアする(ステップS58)。そして、問題配列作成処理を抜けステップS4に戻って正答列の選択からやり直す。
勿論、問題構成条件「ミスリード」の設定が「ない」の場合(ステップS50のNO)、又は問題構成条件「ミスリード」の設定が「有り」で出題正答列524に含まれる他の単語が有れば(ステップS54のYES)、現在の配列雛形データ516の選択をそのまま採用して次の処理に移る。
【0127】
図27のフローチャートに移って、次に、処理部200は、問題構成条件「ブラインドボックス」の設定に適合するように出題正答列524を修正する。具体的には、問題構成条件「ブラインドボックス」の設定に自然数が設定されている場合には(ステップS70のYES)、出題正答列524の文字列のうち問題構成条件「ブラインドボックス」に設定されている自然数の数だけ文字認識不明にする(ステップS72)。より具体的には、文字列をクエスチョンマークに変更したり、文字の部分をモザイク処理すると良い。勿論、問題構成条件「ブラインドボックス」に「0」が設定されている場合には(ステップS70のNO)、こうした処理はスキップされる。
【0128】
次に、処理部200は、出題正答列524が片仮名又は平仮名で構成されている場合(ステップS76のYES)、問題構成条件「異種仮名文字混入」の設定を参照する(ステップS78)。そして、もし当該項目に「0」以外の自然数が設定されている場合(ステップS78のYES)、出題正答列524の文字のうち、問題構成条件「異種仮名文字混入」に設定されている数を、他と異なる仮名文字、つまりもともと出題正答列524が平仮名ならば片仮名に変更し、もともと片仮名ならば平仮名に変更する(ステップS80)。勿論、出題正答列524が片仮名や平仮名では無い場合(ステップS76のNO)、並びに問題構成条件「異種仮名文字混入」に「0」が設定されている場合には(ステップS78のNO)こうした処理はスキップされる。
【0129】
次に、処理部200は、出題正答列524がアルファベットで構成されている場合(ステップS82のYES)、問題構成条件「先頭大文字」の設定を参照する(ステップS84)。そして、もし当該項目の設定が「有り」の場合には(ステップS84のYES)、出題正答列524のうち先頭文字を大文字アルファベットに変更し、他を小文字アルファベットに変更する(ステップS86)。勿論、出題正答列524がアルファベットで構成されていない場合(ステップS82のNO)、並びに問題構成条件「先頭大文字」の設定が「なし」の場合には(ステップS84のNO)、こうした処理はスキップされる。
【0130】
ここまでで、問題構成条件に適合した配列雛形データ516及び出題正答列524が用意できたことになるので、処理部200は、今回の出題に使用される問題配列モデル20を定義する問題配列データ526を生成する(ステップS88)。より具体的には、現在選択されている配列雛形データ516の配列モデル516cに、当該雛形データの配列順516eに従って、現在の出題正答列524の文字の画像を一マスに一文字ずつ順に合成して問題配列モデル20を生成するとともに、文字対応データ526bを生成し、問題配列データ526として記憶する。そして、処理部200は問題配列作成処理を終了する。
【0131】
図24のフローチャートに戻って、処理部200は次に、ヒント開示回数530を「0」に初期化し(ステップS100)、解答順路情報532をクリアした後(ステップS102)、問題配列モデル20をゲーム画面の主操作部12に表示させる(ステップS104;図2参照)。そして、プレイ時間534の計時を開始し、それに伴い制限時間8の表示を開始し(ステップS106)、プレイ開始からの時間経過に応じて配列モデル20の視認性を低下させるフィルター演出表示処理を実行する(ステップS108)。例えば、最初は透明度100%で時間経過に応じて低下するように透明度を算出し、算出された透明度で所定のフィルター画像を配列モデル20に合成する。或いは配列モデル20に設定する所定サイズのモザイク処理領域の数を、時間経過とともに増加させ、当該領域へのモザイク処理を実行するとしても良い。また、スタートタイミングからの経過時間に応じた演出表示は、配列モデル20に限らず、例えば主操作部12に、プレーヤに緊張感を与えるよう赤色回転等の動画を背景表示させたりといったその他の演出表示を伴うとしても良い。
【0132】
次いで、処理部200は、ゲーム画面のヒントボタン14へのタッチ操作を検知すると、ヒント開示操作を検知さしたと判断して(ステップS110のYES)、ヒント開示回数530が所定の上限に達していなければ(ステップS112のNO)、正答列セット514を参照して、出題正答列ID522に対応する正答列ID514dのヒントの情報から、現在のヒント開示回数530に対応する第n番目のヒント(nは自然数)を読み出して、ヒント表示欄2に表示させる(ステップS114)。
【0133】
また、ゲーム画面に表示されている問題配列モデル20へのタッチ操作を検知したならば(ステップS120のYES)、処理部200は、解答順路表示処理を実行する(ステップS122)。
【0134】
図28は、本実施形態における解答順路表示処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、タッチされたマスが始点で有るかを判定する(ステップS140)。解答順路情報532に、まだ何れの履歴情報も格納されていなければ始点で有ると判定して(ステップS140のYES)、当該マスに始点表示体30を表示させる(ステップS142;図3参照)。
【0135】
次いで、今回タッチされたマスが、解答順路の最後のマスに隣接するマスであるかを、解答順路情報532をもとに判定する(ステップS143)。解答順路の最後のマスに隣接するマスではなかった場合には(ステップS143のNO)、ステップS144〜S152の処理をスキップして解答順路表示処理を終了する。解答順路の最後のマスに隣接するマスであった場合には(ステップS143のYES)、今回タッチされたマスが解答順路の一つ前のマスであるか、すなわち一つ前のマスに再びタッチしたのかを判定する(ステップS144)。今回タッチされたマスが解答順路情報532で格納順最後尾の一つ前のマスと異なれば、解答順路を延ばすために新たなマスをタッチしたと判断して(ステップS144のNO)、処理部200は、タッチされたマスの代表点座標を解答順路情報532に新たに格納し(ステップS146)、経路表示体32が解答順路の一つ前の代表点から今回タッチされたマスの代表点へ伸びるように表示制御して(ステップS148;図3参照)、解答順路表示処理を終了する。
【0136】
一方、今回タッチされたマスが解答順路情報532で格納順最後尾の一つ前のマスと同じであれば、解答順路を一つ戻ったと判断して(ステップS144のYES)、処理部200は、解答順路情報532から今回タッチされたマスの登録情報を削除し(ステップS150)、経路表示体32が今回タッチされたマスより解答順路一つ前のマスの代表点まで縮むように表示制御して(ステップS152)、解答順路表示処理を終了する。
【0137】
図25のフローチャートに移って、解答終了ボタン16へのタッチ操作を検知しない限りは、つまり解答終了操作を検知しなければ(ステップS170のNO)、処理部200は、プレイ時間534が所定の限界値に達しているかを判定する。達していなければ(ステップS172のNO)、まだプレイ継続可能と判断して、ステップS110へ戻る。
【0138】
もし解答終了ボタン16へのタッチ操作を検知したならば、解答終了操作を検知したと判断して(ステップS170のYES)、処理部200は、プレイ時間534の計時並びに制限時間8の表示更新を停止し(ステップS174)、解答順路情報532に基づいて解答列546を生成する(ステップS176)。具体的には、問題配列データ526の文字対応データ526bを参照して、解答順路情報532のタッチ順532aに、被タッチマス代表点座標532bに対応する対応文字を順次配列して解答列546を生成する(図22、図23参照)。
【0139】
解答列546を生成したならば、処理部200は出題正答列524と解答列546を照合する。結果、解答列546と出題正答列524とが一致した場合(ステップS180のYES)、処理部200は、連続正答数544を「1」加算変更する(ステップS182)。そして、変更後の連続正答数544が所定のレベルアップ条件を満たした場合に(ステップS184のYES)、難易度レベル520を「1」アップさせる(ステップS186)。尚、難易度レベル520を上げる為の条件となるパラメータは、連続正答数544に限らず、今までの正答数や合計獲得ポイントなどを用いることが可能であり、適宜設定することができる。
【0140】
次いで、処理部200は、先に計時を停止したプレイ時間534に基づいて、所定の関数で基礎ポイントを算出し(ステップS194)、この基礎ポイントをヒント開示回数530の数に応じて減点して今回獲得ポイント550を算出する(ステップS196)。
そして、クリア演出処理を実行する(ステップS198)、
【0141】
図29は、本実施形態におけるクリア演出表示処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、経路表示体32の始点端に移動体34を表示し(ステップS210;図4参照)、始点マスの表示形態を変更する(ステップS212)。本実施形態では、移動体34である「炎」がマスを燃やすように表示形態を変更する。
【0142】
また、それとともに、処理部200は、移動体34を既に表示されている経路表示体32に沿って移動させ、通過した経路表示体32の部分を消去する制御を開始する(ステップS214)。本実施形態では、移動体34である「炎」が、経路表示体32を導火線のようにして進む表示制御をする。そして、移動体34が新しいマスに移動したならば(ステップS216のYES)、ステップS212と同様にして当該移動した先のマスの表示形態を変更する(ステップS218)。つまり、新たなマスに延焼して燃えるように表示させる。
【0143】
これらの処理は、移動体34が経路表示体32の終端に到達するまで繰り返される(ステップS220のNO)。よって、炎が導火線に沿って進み、それに伴ってマスが次々に燃えて行くような演出表示が行われる(図4(1)〜(2)参照)。
【0144】
やがて移動体34が経路表示体32の終端に到達したならば(ステップS220のYES)、処理部200は、褒賞画像ライブラリ510から今回獲得ポイント550に応じた褒賞画像を読み出して(ステップS222)、その選択した褒賞画像が、表示形態が変更されたマスの下から出現するように表示制御して(ステップS224;図4(3)参照)、クリア演出表示処理を終了する。
【0145】
図25のフローチャートに戻って、処理部200は次に、合計獲得ポイント552を更新し(ステップS240)、ゲーム画面にヒントボタン14と解答終了ボタン16に代えて、進行操作ボタン38とゲーム終了ボタン40とを表示させ、プレーヤによる次の行動選択操作を待つ(ステップS242)。
【0146】
そして、次の行動選択操作として、ゲーム終了ボタン40へのタッチ操作を検知したならば(ステップS244の「ゲーム終了」)、処理部200は一連の処理を終了する。そうでなければ(ステップS244の「次の問題」)、ステップS4に戻る。
【0147】
一方、ステップS172においてプレイ時間534がプレイ可能な限界時間に達している場合(ステップS172のYES)、及びステップS180にて解答列546と出題正答列524とが一致しなかった場合(ステップS180のNO)には、処理部200は、連続正答数544を「0」に戻してクリアし(ステップS250)、クリアミス演出表示処理を実行する(ステップS252)。
【0148】
図30は、本実施形態におけるクリアミス演出表示処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、解答順路情報532を参照して、今回の解答順路において、最初に正しい解答順路から外れたマスを「間違いマス」として抽出する(ステップS272)。具体的には、問題配列データ526の文字対応データ526bと解答順路情報532とを参照して、解答順路に従って被タッチマス代表点座標532bに対応づけられた対応文字を、出題正答列524の先頭からタッチ順532aと同数辿った文字とを順次比較し、最初に一致しなかったマスを「間違いマス」とする。
【0149】
次いで、処理部200は、路表示体32の始点端に移動体34を表示し(ステップS272)、始点マスの表示形態を変更する(ステップS274)。それとともに、移動体34を既に表示されている経路表示体32に沿って移動させ、移動体34が通過した経路表示体32の部分を消去する制御を開始する(ステップS276)。
【0150】
そして、移動体34が新しいマスに移動したならば(ステップS278のYES)、当該移動した先のマスの表示形態を変更する(ステップS280)。これらの処理は、移動体34が「間違いマス」に到達するまで繰り返される(ステップS282のNO)。よって、最初のうちは、クリア演出表示と同様にして、炎が導火線に沿って進み、それに伴ってマスが次々に燃えて行くような演出表示が行われる(図5(1)参照)。
【0151】
移動体34が「間違いマス」に到達したならば(ステップS282のYES)、処理部200は、移動体34が消えるように表示制御する(ステップS284)。本実施形態では、炎に水がかかって消えるかのような演出を行う(図5(2)参照)。
そして、メッセージ表示部10へクリアミスした旨通知する所定のテキストを表示させて(ステップS286;図5(3)参照)、クリアミス演出表示処理を終了する。
【0152】
図25のフローチャートに戻って、処理部200は次に、ゲーム画面にヒントボタン14と解答終了ボタン16に代えて、ゲーム終了ボタン40とリトライボタン42とを表示させ、プレーヤによる次の行動選択操作を待つ(ステップS302)。
【0153】
そして、次の行動選択操作として、リトライボタン42へのタッチ操作を検知したならば(ステップS302の「リトライ」)、ステップS100に戻る。ゲーム終了ボタン40へのタッチ操作を検知したならば、(ステップS302の「ゲーム終了」)、一連の処理を終了する。
【0154】
以上、本実施形態によれば、文字や数値、記号などで構成された有意味な並びを、連接配置された複数のマスにバラバラに配置し、それらのマスの全て又はその一部を一方通行の順路で結んで解答順路を入力し、元の有意味な並び順を復元するパズルを実現できる。
そして、解答順路を視覚的に分かりやすく表現し、解答順路の正解/不正解をより趣向を凝らして表現することができる。また、プレーヤが希望すれば解答順路を見つけ出すためのヒントを表示することができる。また、本実施形態によれば、様々な観点から難易度を設定して出題することができる。
【0155】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1実施形態と同様のハードウェア構成により実現されるが、出題する正答列を予め記憶されている正答列セット514からだけでなく、他のデータから取得可能に構成した制御の仕方が異なる。以下では、主に第1実施形態との差異について説明することとし、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して説明を省略するものとする。
【0156】
[機能構成の説明]
図31は、本実施形態の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態は、基本的に第1実施形態の機能構成と同様に実現される。但し、本実施形態では、処理部200が記憶部500から電子メールプログラム570を読み出して実行することによって、電子メールの送受を可能にする電子メール制御部230を含んで機能する。
【0157】
電子メールで送受信したデータは、記憶部500にプライベートデータベースの一つであるメールデータ572として記憶されている。その形式は、メールプログラムによるが、MIME(Multipurpose Internet Mail Extension)形式や、dbx形式、HTML形式などのフォーマットを適宜設定できる。
【0158】
そして、本実施形態のゲームプログラム502Bは、このメールデータ572をテキストデータにデコードするためのメールデータデコーダプログラム574を含んでいる。処理部200は、ゲーム演算部210が、その機能の一部として当該プログラムを適宜読み出して実行し、ゲーム中にメールデータ572を利用可能なテキストデータに変更するデコード部232を含んで機能する。
【0159】
[処理の流れの説明]
本実施形態における処理の流れは、基本的に第1実施形態と同様であるが、ステップS4〜S8の処理に代えて、正答列選出処理を実行する。
【0160】
図32は、正答列選出処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理では、処理部200は先ず、外部データとしてメールデータ572から正答列を抽出するか否かの抽選処理を実行する(ステップS320)。例えば、乱数を発生させた公知の抽選処理を用いて、それぞれに適当な抽選確率を割り当てて実行する。
【0161】
抽選の結果が外部データからの抽出を「する」場合には(ステップS332のYES)、処理部200は、正答列セット514から現在の難易度レベル520に対応する文字数514bを文字数の条件として取得する(ステップS324;図20参照)。
【0162】
次いで、処理部200は、メールデータデコーダプログラム574を読み出し実行して、メールデータ572をデコードしてテキストファイル化する(ステップS326)。そして、そのテキストファイルから、単語辞書データ518と照合しながら、先に取得した文字数条件を満たす単独の文節又は連文節を抽出し(ステップS328)、抽出された文節又は連文節を一つ選択して出題正答列524とする(ステップS330)。また、その時出題正答列ID522は、正答列セット514に該当するIDが無いことを示す所定値「NULL」などを設定し(ステップS332)、正答列選出処理を終了する。
【0163】
一方、抽選の結果が外部データからの抽出を「しない」場合には(ステップS332のNO)、処理部200は、第1実施形態のステップS4〜S8と同様にして、現在の難易度レベル520に対応する正答列セット514を選択し(ステップS340)、選択した正答列セット514の中から正答列514eを選択する(ステップS342)。そして、それに対応する正答列ID514dを出題正答列ID522として記憶し(ステップS344)、先に選択した正答列514eを出題正答列524として(ステップS346)、正答列選出処理を終了する。
【0164】
以上、本実施形態によれば、プレーヤ自身やプレーヤの友人などが使う単語やフレーズ、隠語などを出題に利用することができるようになる。
【0165】
尚、本実施形態では正答列を選出する元の外部データを、メールデータ572としたがこれに限らない。テキストデータを含むHTMLファイルや、文書データなど、プレーヤの操作入力に応じて編集可能な住所録、電話番号帳、日記帳、及びスケジュール帳などのプライベートデータベースとしても良く、その場合それらに適合したデコーダプログラムをゲームプログラムから読み出し可能に用意しておく。
【0166】
そして、出題正答列ID522が「NULL」の場合、ステップS110〜S114(図24参照)において、ヒント開示操作が行われても何もヒントを開示しない、或いはメールデータ572を参照したら「メールデータを参照」としたりメールの件名をヒントとして表示する。またメールデータではなく、他のプライベートデータベースの場合には、そのデータベースの名称(電話番号帳や住所録)をヒントとして表示したり、そのファイル名をヒントとして表示するなどする。
【0167】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の形態はこれらに限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0168】
[変形例1]
例えば、上記実施形態ではゲーム装置として携帯型ゲーム装置1400を例示したが、据え置き型の家庭用ゲーム装置や業務用ゲーム装置として実現しても良い。
更にはゲーム装置とする電子機器は、“ゲーム装置”として販売される電子機器に限らず、アプリケーションソフトが実行可能な携帯電話機やコンパクトデジタルカメラ、音楽プレーヤ、パソコン、カーナビと言った電子機器も、プログラムを実行可能なコンピュータを内蔵している、或いはコンピュータそのものと言えるため、本発明を実現するゲーム装置の一形態と言える。
【0169】
具体的には、例えば図33に示すように、液晶ディスプレイ1508の表示域をカバーするタッチパネル1509を備えた携帯端末装置1500をゲーム装置として用いることができる。この携帯端末装置1500は、スピーカ1510とマイク1511及び基地局との交信に使用される無線装置を備え、携帯電話又はPHSとして機能する。更に、携帯端末装置1500は、アプリケーションプログラムをメモリカード読取装置1518でメモリカード1540から読み出したり、通信回線1に接続して外部装置からダウンロードして取得し、制御基板1550に搭載されたCPU等のプロセッサで実行することができる。また、携帯端末装置1500は方向入力キー1502を備え、始点マスからの解答順路の入力に用いることができる。そして、上記実施形態のゲームプログラム502や各種データをメモリカード1540等から読み込ませることとすれば、上記実施形態と同様に本発明を実現するゲーム装置として機能させることができる。
【0170】
[変形例2]
また、上記実施形態における褒賞画像は、単に今回獲得したポイントの大小をイメージさせる演出のための画像としているが、これに限らない。例えば、次に出題される問題に関連する画像、正しい解答順路を見いだすためのヒントを含む画像とすることができる。
【0171】
その場合、例えば正答列セット514において、正答列ID514dに正答列514eとともにヒント画像を対応付けて格納しておく。図20の例で言えば、正答列514eが「てっかまき(鉄火巻き)」なら、寿司についてくるガリやワサビ、寿司職人などの画像などとすると良い。
【0172】
そして、処理の流れについては次の様に変更する。すなわち、ステップS186とステップS194との間に(図25参照)、現在の難易度レベル520に応じて出題する正答列セット514を一つ選択するステップと、選択した正答列セット514で用意されている正答列514eを一つ選択するステップと、その選択した正答列514eの正答列ID514dを出題正答列ID522に格納するステップを加える。
【0173】
加えて、クリア表示演出表示処理(図29参照)では、ステップS222とS224に代えて、正答列セット514から次問の出題正答列ID522に対応づけられるヒント画像を読み出すステップと、読み出したヒント画像が、表示形態が変更されたマスの下から出現するように演出表示させるステップとを実行する。
更に、ステップS244(図25参照)において、進行制御ボタン38がタッチ操作されたことを検知した場合(ステップS244の「次の問題」)、ステップS4に戻るのではなくステップS10に戻るように変更すると良い。
【0174】
[変形例3]
また、上記実施形態の問題配列作成処理では、予め複数種類の配列雛形データ516が用意されていて、問題構成条件に適合する配列モデル516cと配列順516eを満たす配列雛形データ516を選択する構成としているがこれに限らない。
【0175】
例えば、配列雛形データ516を使用しない構成とするならば、図34〜図35に示すように、第1実施形態のステップS34に代えて、出題正答列524の文字数と同じ数のマスを、順次ランダムな方向に連接配置して配列モデルを生成する(ステップS33)。また、問題構成条件「不要文字混入」が有りの場合にも、同様に第1実施形態のステップS36に代えて、出題正答列524の文字数と「不要文字混入」の設定数の合計と同じ数のマスを、順次ランダムな方向に連接配置して配列モデルを生成する(ステップS37)。つまり、配列雛形データ516で定義された配列モデル516cと配列順516eを使用せず、第1実施形態における配列モデル516cと配列順516eに相当する情報を自動生成する。
【0176】
そして、第1実施形態のステップS40に代えて、ステップS33又はS37で生成された配列モデルが、他の問題構成条件を満たすか判定する(ステップS41)。そして、各条件を満たさなければ(ステップS41のNO)、第1実施形態のステップS42に代えて、生成した配列モデルを破棄し(ステップS43)、ステップS32に戻ってもう一度配列モデルの生成をやり直す。
【0177】
また、問題構成条件「ミスリード」が設定されている場合、現在の出題正答列524と、ステップS33又はS37で生成された配列モデルが適合しなければ(ステップS54のNO)、処理部200は、第1実施形態のステップS56に代えて、生成した配列モデルを破棄する(ステップS57)。
また、生成した配列モデル516cと配列順516eに従って問題配列モデルを作成するように、ステップS88の処理をステップS89のように変更する。
【0178】
[変形例4]
また、クリア演出表示やクリアミス演出表示の内容は適宜変更可能である。
例えば、図36はクリア演出表示の変形例を示す図である。図36(1)に示すように、経路表示体32の各マス状に、エサ50を表示して、移動体34がこれを始点側から順に次々に食べていくように表示制御しても良い。その場合、移動体34が通ったマスはあたかも移動体34が食べてしまったかのように透明体に表示形態を変更すると好適である。そして、図36(2)に示すように経路表示体32の終端まで到達できたならば、図36(3)に示すように画面中に移動体34の好物52を出現させ、移動体34が喜んで追いかけ回す様子をコミカルに表示すると演出性が高まり好適である。
また、これに対応するクリアミス演出表示の変形例としては、「間違いマス」に表示されるエサ50を他のマスとは異なる特別エサ(いかにも、硬くて大きなイメージ)として、移動体34が当該特別エサに到達すると食べるのに苦心するように表示して、その間に移動体34の捕食者をゲーム画面に登場させ、移動体34を捕食或いは追い立てるように表示制御すると更にコミカルで好適である。
【0179】
[その他の変形例]
また、上記実施形態では、正答列セット514や、配列雛形データ516を予め記憶部500に記憶している構成としているが、通信部370を介して外部装置(例えば、ゲーム提供メーカのサーバ装置)にアクセスしてダウンロードして取得する構成としても良い。
【0180】
また、上記実施形態では、1マスに1文字が対応する問題配列モデルとしたが、1マスに複数文字が対応する構成としても良い。また、マスの形状は四角形に限らず、例えば図37に示すように他の多角形を用いても良く、また一つの問題配列モデルに使用されるマスの形状は複数種類であっても良いし、マスの大きさも同一でなくても良い。更には、マスは多角形に限らずジグソーパズルの駒のように閉曲線で囲まれた図形としても良い。
【0181】
また、上記実施形態では、問題構成条件「不要文字混入」の設定に自然数が設定されている場合には、出題正答列の文字列はそのままにして、出題正答列の文字数に当該項目に設定されている自然数を加算したマスの数の配列モデルに、出題正答列と関係ない文字のマスを設定する構成としたがこれに限らない。例えば、出題正答列に挿入されていても無いものと見なされる所定の記号(不要記号)を挿入して、更新する構成としても良い。
【0182】
また、上記実施形態では、ステップS52(図26参照)において「ミスリード」する単語を、出題正答列524に格納される文字のなかから配列順に従って読める単語として検索したがこれに限らない。
例えば、ステップS50〜S58を省略して、それらに相当するステップをステップS88の後に新設する。但し、ステップS52に対応する新設のステップでは、生成された問題配列モデル20から、配列順に関係無く縦横の並びで読める単語を検索する処理を実行する。より具体的には、問題配列データ526の文字対応データ526bを参照し、同じX軸座標、又は同じY軸座標の対応文字を座標軸プラス方向に並べた仮想文字列を作成し、当該仮想文字列に他の意味の単語となるものが無いかを単語辞書データ518で検索する。同様にして、座標軸マイナス方向に並べた仮想文字列や、外周部の対応文字を時計回りに並べた仮想文字列、反時計回りに対応文字列を並べた仮想文字列についても検索する。そして、ここで検索された単語の数は、その問題の難易度を推定するのにも利用できる。
【符号の説明】
【0183】
2 ヒント表示欄
4 レベル表示
8 制限時間
10 メッセージ表示部
12 主操作部
14 ヒントボタン
16 解答終了ボタン
20 問題配列モデル
30 始点表示体
32 経路表示体
34 移動体
36 褒賞画像
38 進行操作ボタン
40 ゲーム終了ボタン
100 操作入力部
102 接触位置検出部
200 処理部
212 正答列決定部
214 難易度設定部
216 問題配列作成部
218 ヒント表示制御部
220 解答順路管理部
222 解答列作成部
224 正否判定部
226 演出制御部
228 ポイント計算部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
512 問題構成条件設定データ
514 正答列セット
516 配列雛形データ
520 難易度レベル
522 出題正答列ID
524 出題正答列
526 問題配列データ
532 解答順路情報
546 解答列
1400 携帯型ゲーム装置
1406 第1液晶ディスプレイ
1407 タッチパネル
1408 第2液晶ディスプレイ
1409 タッチパネル
1450 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、文字、数字、記号又はこれらの組合せ(以下「文字等」という。)の意味のある並びとなるように、文字等が割り当てられて連接配置されたマスを1度だけ通過する順路をプレーヤに見出させるゲームを実行させるためのプログラムであって、
難易度を設定する難易度設定手段、
前記難易度設定手段により設定された難易度に基づいて、各マスに割り当てられた文字等を正答順路に従って並べることにより正答の文字等の列(以下「正答列」という。)となる問題配列を作成する問題作成手段、
前記問題配列に対するプレーヤの操作入力に従って、前記正答列と同一の文字等の列を為す順路が選択入力されたか否かを判定する正否判定手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記問題作成手段が、前記難易度に応じて予め定められた問題構成条件を満たすように前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記問題作成手段が、前記正答順路の先頭マスを前記問題配列の外周部、角部及び凸部の何れに配置するか否かを前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記問題作成手段が、前記問題配列に含まれる前記正答順路の連続直線部の長さを前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記問題作成手段が、前記問題配列に含まれる前記正答順路の連続直線部が何れの方向であるかを前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記問題作成手段が、前記問題配列に含まれる前記正答順路の屈曲部の数を前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記問題作成手段が、
平仮名及び/又は片仮名を一部又は全部とする日本語文字の並びを前記正答列とし、
前記正答列に小書き仮名又は長音の何れかの特殊仮名が含まれている場合に、当該特殊仮名が割り当てられたマスに隣接するマスであって、当該特殊仮名と連続発音可能な文字が割り当てられているマスの数を前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記問題作成手段が、
仮名による日本語文字の並びを前記正答列とし、
前記正答列に含まれる仮名の平仮名と片仮名との割合及び/又は出現順序を前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記問題作成手段が、
アルファベットの文字の並びであって、1以上の単語の並びを前記正答列とし、
前記正答列に含まれる各単語の先頭アルファベットを大文字とするか否かを前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記問題作成手段が、前記正答列に含まれる一部の文字等をブラインド記号に置換するか否かを前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記問題作成手段が、前記正答列に不要な文字等を挿入するか否かを前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記問題作成手段が、前記正答列を構成する単語毎に前記マスの表示形態を統一するか否かを前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記問題作成手段が、前記問題配列に含まれる前記正答順路の連続直線部を意味内容のある単語とするか否かを前記問題構成条件の1つとして前記問題配列を作成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項15】
文字等の意味のある並びとなるように、文字等が割り当てられて連接配置されたマスを1度だけ通過する順路をプレーヤに見出させるゲームを実行するゲーム装置であって、
難易度を設定する難易度設定手段と、
前記難易度設定手段により設定された難易度に基づいて、各マスに割り当てられた文字等を正答順路に従って並べることにより正答列となる問題配列を作成する問題作成手段と、
前記問題配列に対するプレーヤの操作入力に従って、前記正答列と同一の解答列が入力されたか否かを判定する正否判定手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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