説明

プログラム取得装置、プログラム更新装置、およびプログラム取得プログラム

【課題】データ放送において受信機が使用するアプリケーションに必須であるプログラムのうち、未だ取得していないプログラムのみを適時選択して取得できるプログラム取得装置を提供を提供する。
【解決手段】取得済みのプログラムを保持するプログラム保持部と、受信部を介して受信する情報から、データ放送に含まれるアプリケーションを実行するために不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得部と、必須リスト取得部が取得した必須プログラムのリストとプログラム保持部に含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定部と、不足プログラム判定部によって判定した不足している必須プログラムを受信部を介して取得するプログラム取得部と、を含む。プログラム取得装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ放送におけるアプリケーションの実行に必要なプログラムを取得するプログラム取得装置およびプログラム取得プログラムに関し、さらに、データ放送におけるアプリケーションの実行に必要なネイティブコードを更新するプログラム更新装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、海外などではJava(登録商標)技術を用いたプログラムがデータ放送に用いられており、日本でも今後期待されている。従来のプログラミング言語の多くはCPUなどのプラットフォームに依存したネイティブなコードにコンパイルすることを前提として設計されていたが、Java技術はプラットフォームに対する非依存と、バージョン間の互換性に注意して開発が進められてきた。したがって、Java技術のプログラムは従来の多くのプログラミング言語と異なり、中間言語であるバイトコードにコンパイルされ、Java仮想マシンで実行されるよう設計されている。また、多くの場合、ジャストインタイムコンパイル方式が使われている。Java技術を使うことで、プラットフォームへの依存の低いアプリケーションソフトウェアの開発と実装が実現されつつある。
【0003】
Java技術における、プラットフォーム非依存とバージョン間の互換性の目標は、完全に達成できたわけではなく課題も残っている。Java技術を用いたデータ放送(以後、「Javaデータ放送」と呼ぶ)では放送局から送られるJavaによって書かれたプログラムであるバイトコードを受信機が受信して実行する。その際、受信機内のJava仮想マシンが実行するJavaプログラムだけでなく、受信機固有の処理コードであるネイティブコードをJavaから呼んで実施することもある。
【0004】
使用が予想されるネイティブコードは出荷時に受信機に実装しているが、その後に新たなJavaデータ放送のプログラムが放送で送られた場合は、既存のネイティブコードだけでは足りず、追加のネイティブコードが必要となる場合がある。この場合、当該受信機において欠損しているネイティブコードを取得する必要がある。
【0005】
Javaデータ放送において、Javaプログラム、すなわちバイトコードは受信機共通であるが、ネイティブコードはメーカーごとに、さらには機種ごとに異なるため、同じ機能のネイティブコードであっても、取得にあたっては機種個別のものが必要である。
【0006】
従って、欠損を補うネイティブコードを効率よく配布し、当該受信機が取得する方法が必要とされている。
【0007】
配布する手段としても、電波による方法と、ネットワーク通信網による方法などが想定される。従来、機種別に受信機のソフトウェアをアップグレードするものや、バグフィックスなどの更新情報を提供するものは存在している(例えば、特許文献1参照)。放送局は、いつどのチャンネルで当該機種用のソフトウェア更新データを放送するかを知らせる告知情報を放送し、該当する受信機は告知情報に従って更新データ受信予約を行い、該当する更新情報の全てをダウンロードする手法である(例えば、特許文献2参照)。さらに、上述の技術を実行するための様々な規格も開発されている(例えば、非特許文献1〜7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008―236031号公報
【特許文献2】特開2003―223387号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】社団法人電波産業会、「Javaデータ放送(アプリ連動ネイティブコードのAIT部、Xlet非同期起動、字幕文字符号変換)」、ARIB STD−B23(社団法人電波産業会、ARIB STD−B23 1.1版、「デジタル放送におけるアプリケーション実行環境」、2004年2月5日)
【非特許文献2】「データカルーセル(放送ダウンロード)」ISO/IEC 13818−6:1998, “Information technology − Generic coding of moving pictures and associated audio information − Part 6: Extensions for DSM−CC”
【非特許文献3】社団法人電波産業会、「エンジニアリングダウンロード(ネイティブコードのダウンロード)」、ARIB STD−B21(社団法人電波産業会、ARIB STD−B21 4.6版、「デジタル放送用受信装置 (望ましい仕様)」、2007年3月14日)
【非特許文献4】「アプリ連動ネイティブコード、Xlet非同期起動、レイアウト方式)」、J2SE API仕様(Java 2 Platform API Specification, http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/api/index.html)
【非特許文献5】「JNI仕様(アプリ連動ネイティブコード)」、JNI仕様(Java Native Interface 6.0 Specification, http://java.sun.com/javase/6/docs/technotes/guides/jni/spec/jniTOC.html)
【非特許文献6】「Java言語仕様(Xlet関連全般)」、Java言語仕様(The Java Language Specification, Third Edition, http://java.sun.com/docs/books/jls/third_edition/html/j3TOC.html)
【非特許文献7】「Java仮想マシン仕様(Xlet関連全般)」、Java仮想マシン仕様(The Java Virtual Machine Specification, Second Edition )
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、ソフトウェア全体のバージョンは知らせるもののソフトウェアの内容を個別に知らせる手段はなく、該当する機種用の更新ソフトウェア全体を取得する、あるいは全く取得しない、という選択肢しかなかった。常にネイティブコードの全てを最新のものにするのなら、従来通り機種情報だけで告知情報の当該部分を取り出して、予約してダウンロードすることは可能であるが、ネイティブコードの全てを随時最新のものに更新することは、受信機能力、伝送路などのリソースを不必要に消耗することから効率的ではない。
【0011】
一方、放送波によるダウンロードに代えて、ネットワーク通信網上のサーバから必要なネイティブコードをダウンロードすることが考えられる。しかし、放送波を用いてJavaアプリケーションで必要なネイティブコードをどこから手に入れることができるかを示すURLを詳細に与える手段もなければ、ネイティブコードという単位で更新情報を管理するすべはなく、そもそもネイティブコードは機種ごとに異なることから、放送波を用いてネイティブコードに関する情報を随時詳細通知することは現実的ではなかった。
【0012】
また、今後の放送技術の進歩に伴い、データ放送でアプリケーションの実行のために、ネイティブコード以外にも必須のプログラムが生じることが想定される。このようなデータ放送におけるアプリケーションの実行に必要なプログラムを必要十分な範囲でタイムリーかつ、受信機能力、伝送路などの必要とするリソースを最小限にして取得または更新することが願われている。
【0013】
本発明は、上述の課題を鑑みてなされたものであり、データ放送において受信機が使用するアプリケーションに必須であるプログラムのうち、未だ取得していないプログラムのみをタイムリーに選択して取得することができるプログラム取得装置、およびプログラム取得プログラムを提供することを目的とする。
【0014】
さらに、本発明は、データ放送において受信機が使用するアプリケーションに必須である、既に取得済みのプログラムのうち、修正する必要のあるプログラムのみをタイムリーに選択して更新することができるプログラム更新装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の態様によると、放送局から情報を受信する受信部と、取得済みのプログラムを保持するプログラム保持部と、前記受信部を介して受信する情報からデータ放送に含まれるアプリケーションの実行に不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得部と、前記必須リスト取得部が取得した必須プログラムのリストと前記プログラム保持部に含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定部と、前記不足プログラム判定部によって判定した不足している必須プログラムを前記受信部を介して取得するプログラム取得部と、を含むことを特徴とする、データ放送に含まれるアプリケーションの実行に必要な必須プログラムを取得するプログラム取得装置を提供する。
【0016】
この構成によって、本発明のプログラム取得装置は、放送局から情報を受信する受信部と、取得済みのプログラムを保持するプログラム保持部と、受信部を介して受信する情報からデータ放送に含まれるアプリケーションの実行に不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得部と、必須リスト取得部が取得した必須プログラムのリストとプログラム保持部に含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定部と、不足プログラム判定部によって判定した不足している必須プログラムを受信部を介して取得するプログラム取得部と、を含むため、データ放送において受信機が使用するアプリケーションに必須であるプログラムのうち、未だ取得していないプログラムのみを特定して、タイムリーに選択して取得することができる。
【0017】
さらに、本発明のプログラム取得装置は、前記受信部から、プログラムの提供を告知する告知情報を取得する告知情報取得部を含み、前記プログラム取得部は、前記告知情報を参照して、前記不足プログラム判定部が判定した不足プログラムを前記受信部により取得するようにしてもよい。
【0018】
この構成によって、本発明のプログラム取得装置は、受信部から、プログラムの提供を告知する告知情報を取得する告知情報取得部と、プログラム取得部は、告知情報を参照して、不足プログラム判定部が判定した不足プログラムを受信部により取得できるので、データ放送において受信機が使用するアプリケーションに必須であるプログラムのうち、未だ取得していないプログラムのみを、タイムリーに選択して取得することができる。
【0019】
さらに、本発明のプログラム取得装置において、前記プログラム保持部はさらに、自機の機種に対応するプログラムを提供するサーバのネットワーク通信網におけるアドレスを保持し、前記プログラム取得部は、前記プログラム保持部に保持されたアドレスに従って、前記不足プログラム判定部が判定した不足プログラムを、前記受信部によりネットワーク通信網を介して前記サーバから取得するようにしてもよい。
【0020】
この構成によって、本発明のプログラム取得装置は、プログラム保持部がさらに、自機の機種に対応するプログラムを提供するサーバのネットワーク通信網におけるアドレスを保持し、プログラム取得部は、プログラム保持部に保持されたアドレスに従って、不足プログラム判定部が判定した不足プログラムを、受信部によりネットワーク通信網を介してサーバから取得することができるので、データ放送において受信機が使用するアプリケーションに必須であるプログラムのうち、未だ取得していないプログラムのみを、ネットワーク通信網を介してタイムリーに選択して取得することができる。前記必須リスト取得部は、自機の機種に基づいて必須プログラムのリストを取得してもよい。さらに、本発明のプログラム取得装置において、前記必須プログラムが、Javaデータ放送を実行するためのネイティブコードであってもよい。本明細書で、データ放送サービスとして、Javaデータ放送を例にあげて説明し、プログラムファイルを、例えば、Javaデータ放送サービスを実行するために必要とされるネイティブコードとして説明するが、本発明はこれに限定されず、データ放送サービスを実行するために必須のプログラムであれば、いかなるものであっても適用可能である。
【0021】
さらに、本発明のプログラム取得装置において、前記必須プログラムのリストは、データ放送波を介して放送されるAIT(Application Information Table)に含まれてもよい。
【0022】
受信機に送信する情報は一般的にカルーセル伝送方式に従う。後に詳述するが、AITは、迅速で信頼性のあるデータ伝送を実現する。この構成によって、本発明のプログラムファイル取得装置は、AITによって必須プログラムに関する情報を迅速に得ることができるので、所望のプログラムのリストをより迅速かつ信頼性をもって情報を取得することができる。
【0023】
本発明の第2の態様によると、放送局から情報を受信する受信部と、取得済みのプログラムを保持するプログラム保持部と、前記受信部を介して受信する情報からデータ放送に含まれるアプリケーションの実行に不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得部と、前記必須リスト取得部が取得した必須プログラムのリストと前記プログラム保持部に含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定部と、前記不足プログラム判定部によって判定した不足している必須プログラムを前記受信部を介して取得するプログラム取得部と、を含み、前記不足している必須プログラムは、前記プログラム保持部に保持された取得済みのプログラムの一部を更新するプログラムを含むことを特徴とする、データ放送に含まれるアプリケーションの実行に必要な必須プログラムを取得するプログラム取得装置を提供する。
【0024】
この構成によって、本発明のプログラム取得装置は、放送局から情報を受信する受信部と、取得済みのプログラムを保持するプログラム保持部と、前記受信部を介して受信する情報からデータ放送に含まれるアプリケーションの実行に不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得部と、前記必須リスト取得部が取得した必須プログラムのリストと前記プログラム保持部に含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定部と、前記不足プログラム判定部によって判定した不足している必須プログラムを前記受信部を介して取得するプログラム取得部と、を含み、前記不足している必須プログラムは、前記プログラム保持部に保持された取得済みのプログラムの一部を更新するプログラムを含むので、データ放送において受信機が使用するアプリケーションに必須である、既に取得済みのプログラムのうち、修正する必要のあるプログラムのみをタイムリーに選択して更新することができる。
【0025】
さらに、本発明のプログラム更新装置において、前記不足した必須プログラムは、更新プログラムと強制取り込みフラグを有してもよい。フラグは1ビット程度で設けることができる。この構成によって、本発明のプログラム更新装置は、不足した必須プログラムに添付した更新プログラムと強制取り込みフラグによって、修正する必要のあるプログラムのみを強制的に更新することができる。
【0026】
本発明の第3の態様によると、データ放送番組情報を放送する放送局と、プログラム取得装置とからなるプログラム更新システムであって、該プログラム更新システムは、前記放送局から前記放送番組情報を受信する受信部と、取得済みのプログラムを保持するプログラム保持部と、前記受信部を介して受信する前記放送番組情報から自機が前記データ放送番組情報に含まれるアプリケーションを実行するために不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得部と、前記必須リスト取得部が取得した必須プログラムのリストと前記プログラム保持部に含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定部と、前記不足プログラム判定部によって判定した不足している必須プログラムを前記受信部を介して取得するプログラム取得部とを含む、前記データ放送番組情報に含まれるアプリケーションの実行に必要な必須プログラムを取得することを特徴とするプログラム更新システムを提供してもよい。
【0027】
この構成により、本発明のプログラム取得システムは、データ放送番組情報を放送する放送局と、プログラム取得装置とからなるプログラム更新システムであって、該プログラム更新システムは、前記放送局から前記放送番組情報を受信する受信部と、取得済みのプログラムを保持するプログラム保持部と、前記受信部を介して受信する前記放送番組情報から自機が前記データ放送番組情報に含まれるアプリケーションを実行するために不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得部と、前記必須リスト取得部が取得した必須プログラムのリストと前記プログラム保持部に含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定部と、前記不足プログラム判定部によって判定した不足している必須プログラムを前記受信部を介して取得するプログラム取得部とを含むので、データ放送において受信機が使用するアプリケーションに必須であるプログラムのうち、未だ取得していないプログラムのみを特定して、タイムリーに選択して取得することができる。
【0028】
本発明の第4の態様によると、データ放送に含まれるアプリケーションの実行に必要な必須プログラムを取得する処理をコンピュータに実行させるプログラム取得プログラムであって、放送局から情報を受信する受信ステップと、取得済みのプログラムを保持するプログラム保持ステップと、前記受信ステップを介して受信する情報からデータ放送に含まれるアプリケーションの実行に不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得ステップと、前記必須リスト取得ステップで取得した必須プログラムのリストと前記プログラム保持ステップに含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定ステップと、前記不足プログラム判定ステップで判定した不足している必須プログラムを前記受信ステップを介して取得するプログラム取得ステップと、を含むことを特徴とする、データ放送に含まれるアプリケーションの実行に必要な必須プログラムを取得するプログラム取得プログラムを提供する。
【0029】
この構成によって、本発明のプログラム取得プログラムは、放送局から情報を受信する受信ステップと、取得済みのプログラムを保持するプログラム保持ステップと、前記受信ステップを介して受信する情報からデータ放送に含まれるアプリケーションの実行に不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得ステップと、前記必須リスト取得ステップで取得した必須プログラムのリストと前記プログラム保持ステップに含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定ステップと、前記不足プログラム判定ステップで判定した不足している必須プログラムを前記受信ステップを介して取得するプログラム取得ステップと、をコンピュータに実行させることができるため、コンピュータに、データ放送において受信機が使用するアプリケーションに必須であるプログラムのうち、未だ取得していないプログラムのみを特定して、タイムリーに選択して取得させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、データ放送において受信機がアプリケーションを実行するために必須のプログラムを必要十分な範囲でタイムリーかつ、受信機能力、伝送路などの必要とするリソースを最小限にして得ることができる。したがって、本発明により、随時新たな機能を用いたデータ放送サービスを、受信機側、伝送路双方に対する負荷を最小限にして提供することができる。
【0031】
また、本発明によれば、データ放送において受信機が使用するアプリケーションに必須である、既に取得済みのプログラムのうち、修正する必要のあるプログラムのみをタイムリーに選択して更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のプログラム取得装置を用いてデータ放送の受信を行う、代表的な受信機のソフトウェア構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のネイティブコード取得装置のブロック図である。
【図3】図1のネイティブコード取得装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態のネイティブコード取得装置のブロック図である。
【図5】図4のネイティブコード取得装置の動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明にしたがって必須ネイティブコードを取得するプログラムの一例を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態のネイティブコード更新装置の原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
まず、本発明の実施の形態の詳細を説明する前に、本発明に係わるプログラム取得装置を用いる、代表的な受信機の構成について説明する。
【0034】
図1に、本発明に係わるプログラム取得装置を用いてデータ放送を受信する代表的な受信機のソフトウェア構成の一例を示す。理解を容易にするため、以下の説明では、受信機は、ARIB STD−B23規格を含む、上述の非特許文献3〜9に記載の規格に準拠してデータ放送を受信するものとして、必要十分な範囲でタイムリーかつ最小限のリソースを用いて取得する必要のあるプログラムをネイティブコードとして説明する。
【0035】
図1に示すように、代表的な受信機1は、JavaデータアプリケーションA1と、JavaクラスライブラリA2と、Java仮想マシンA3と、ネイティブコードA4と、ドライバA5と、OSA6と、ハードウェアA7とから構成されている。これに限定されないが、JavaデータアプリケーションA1として、例えば、Xletアプリケーションを用いてもよい。
【0036】
JavaクラスライブラリA2は、アプリケーションの管理に関するプログラムを集めたアプリケーション管理部と、トランスポートストリーム(以後、「TS」と呼ぶ)の取得、転送制御に関するプログラムを集めたTS取得、転送制御部、画像音声の再生制御に関するプログラムを集めたAV(Audio Visual)再生制御部、またはJMF(Java Media Framework)部、ISO/IEC 13818−6デジタルインタラクティブサービスにおけるファイルやストリームに対するアクセスの制御に関するプログラムを集めたDSM−CC(Digital Storage Media−Command and Control)制御部、その他のMHP(Multimedia Home Platform)に関連するプログラムを集めたMHPライブラリ、拡張ライブラリ、例えば、PBP(Personal Basis Profile)0.1などに関するプログラムを集めたJavaライブラリを含む。
【0037】
ネイティブコードA4は、DTV(Digital Television)ミドルウェア、システム管理部、システム共通ライブラリ、I/O(入出力)制御部、グラフィックス制御部を含む。ハードウェアA7が動作するOSA6として、例えば、Linuxを用いてもよい。JavaクラスライブラリA2とネイティブコードA4との間は、Java Naitive Interface(JNI)で連結している。このネイティブコードA4が受信機のごとに異なる動作環境を吸収してJava仮想マシンを動作させるようにしている。以下、このネイティブコードを、必要十分な範囲でタイムリーかつ最小限のリソースを用いて取得する場合について実施の形態を用いて詳細に説明する。
【0038】
以下、本発明における実施の形態について図面を参照して説明する。
【0039】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態のプログラム取得装置について説明する。理解を容易にするため、以下の実施の形態の説明では、取得するプログラムをネイティブコードとし、プログラム取得装置を、ネイティブコード取得装置として実装した場合について説明する。
【0040】
図2は、本発明の第1の実施の形態のプログラム取得装置を構成するネイティブコード取得装置の基本的な構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態のプログラム取得装置を構成するネイティブコード取得装置10は、放送波からデータ放送を受信するデータ放送受信部11と、取得済みのネイティブコードを保持し、かつ現在取得済みのネイティブコードに関するネイティブコード保持リストを有するネイティブコード保持部12と、ネイティブコードを取得する必須ネイティブコード取得部13と、データ放送受信部11で受信されたデータ放送の所定の箇所に記述された、データ放送に含まれるJavaアプリケーションを実行するために必須のネイティブコードのリストおよび各々のネイティブコードのファイルをネイティブコード保持部12で展開する場合の位置を取得する必須ネイティブコードリスト取得部14と、必須ネイティブコードリスト取得部14から得られる必須のネイティブコードのリストと、ネイティブコード保持部12を参照して得られる現在受信機内に保持しているネイティブコード保持リストを照合し、不足しているネイティブコードを特定する不足ネイティブコード判定部15と、を有する。
【0041】
より詳細に説明すると、放送局は、Javaアプリケーションの伝送に先立って送られるアプリケーション関連情報、具体的にはAITの中に、Javaアプリケーションで必要なネイティブコードのリストを記述している。必須ネイティブコードリスト取得部14は、データ放送受信部11で受信されたデータ放送に含まれるこのAITから必須のネイティブコードリストを取得する。不足ネイティブコード判定部15は、必須ネイティブコードリスト取得部14が取得したこのリストと、ネイティブコード保持部12から得られる現在受信機内に保持しているネイティブコードのリストとを比較して、Javaアプリケーションを実行するために不足しているネイティブコードを特定するようになっている。
【0042】
さらに、本実施の形態のネイティブコード取得装置10は、当該受信機の機種情報、例えば、メーカー名、型番名など情報を保持する機種コード保持部16と、データ放送受信部11から出力される告知放送情報と機種コード保持部16から提供される当該受信機の機種情報から当該受信機に係わるダウンロード告知情報を取得する告知情報取得部17と、告知情報取得部17から得られるダウンロード告知情報から所定の箇所に記述されたネイティブコードのダウンロードに係わる放送ネイティブコードリストを取得する放送ネイティブコードリスト取得部18と、不足ネイティブコード判定部15から得られる不足ネイティブコードリストと、告知情報取得部17から得られるダウンロード告知情報、または、放送ネイティブコードリスト取得部18から得られる放送ネイティブコードリストから、取得が必要となるネイティブコードがダウンロードされる放送に係わる情報を取得し、その放送の受信予約制御を行う受信予約制御部19と、を有する。
【0043】
具体的には、放送局はソフトウェア配布告知情報、具体的にはSDTT(Software Download Trigger Table)の中で、各受信機向けのアップグレード用ネイティブコードがいつどのようにダウンロードされるかを告知する。告知情報取得部17はこのSDTTを取得し、放送ネイティブコードリスト取得部18はSDTTからネイティブコードのダウンロード情報を抽出し、受信予約制御部19は、不足ネイティブコード判定部15から得られる不足ネイティブコードリストと、放送ネイティブコードリスト取得部18が抽出したネイティブコードのダウンロード情報から、その放送の受信予約制御を行う。
【0044】
この受信予約制御部19が行う受信予約制御により予約したタイミングで、データ放送受信部11、および必須ネイティブコード取得部13が所望のネイティブコードの取得に必要な動作を行い、放送波からネイティブコードを取得し、取得したネイティブコードをネイティブコード保持部12内の所定の展開位置に格納する。これに伴って、ネイティブコード保持部12におけるネイティブコード保持リストが更新される。
【0045】
さらに、本実施の形態のネイティブコード取得装置10は、Javaアプリケーションをネイティブコード保持部12にあるネイティブコードを用いながら処理を行い、所望のデータ放送の提示を行うデータ放送処理部20を有する。
【0046】
図3は、ネイティブコード取得装置10の動作を説明するフローチャートである。図2を参照して、このようにして構成されたネイティブコード取得装置10の動作について説明する。以下の処理は、ネイティブコード取得装置10に含まれる、図示されていない、CPUの制御によって実行される。
【0047】
まず、ステップS101で、データ放送を受信する。具体的には、データ放送受信部11が放送波からデータ放送を受信する。ステップS102で、必要なネイティブコードのリストを取得する。具体的には、必須ネイティブコードリスト取得部14が、データ放送受信部11で受信されたデータ放送に含まれるJavaアプリケーションについて、データ放送の所定の箇所に記述された、アプリケーションの実行に必要なネイティブコードのリストおよび各々のネイティブコードのファイルをネイティブコード保持部12で展開する場合の位置を取得する。
【0048】
ステップS103で、必要なネイティブコードのリストを参照して、不足しているネイティブコードを特定する。具体的には、不足ネイティブコード判定部15が、必須ネイティブコードリスト取得部14から得た必須のネイティブコードのリストと、ネイティブコード保持部12を参照して得られる現在受信機内に保持しているネイティブコード保持リストを照合し、不足しているネイティブコードを特定する。ステップS104で、ネイティブコードの告知情報と機種情報から該当するネイティブコードのダウンロード情報を取得する。具体的には、放送ネイティブコードリスト取得部18が、告知情報取得部17が取得したデータ放送受信部11から出力される告知放送情報と機種コード保持部16から提供される当該受信機の機種情報から当該受信機に係わるダウンロード告知情報を取得する。さらに、放送ネイティブコードリスト取得部18が、取得したダウンロード告示情報から、所定の箇所に記述されたネイティブコードのダウンロードに係わる放送ネイティブコードリストを取得する。
【0049】
ステップS105で、受信予約制御部19が、不足ネイティブコード判定部15から得られる不足ネイティブコードリストと、告知情報取得部17から得られるダウンロード告知情報、または、放送ネイティブコードリスト取得部18から得られる放送ネイティブコードリストから、取得が必要となるネイティブコードがダウンロードされる放送に係わる情報を取得し、その放送の受信予約制御を行う。
【0050】
この受信予約制御部19が行う受信予約制御により予約したタイミングで、データ放送受信部11、および必須ネイティブコード取得部13が所望のネイティブコードの取得に必要な動作を行い、放送波からネイティブコードを取得し、取得したネイティブコードをネイティブコード保持部12内の所定の展開位置に格納する。これに伴って、ネイティブコード保持部12におけるネイティブコード保持リストが更新される。
【0051】
このように、本実施の形態のネイティブコード取得装置10は、不足しているネイティブコードを特定し、不足しているネイティブコードのみを予約をして放送波から取得できるので、不足しているネイティブコードをタイムリーに取得できるだけでなく、受信機能力、伝送路などの必要とするリソースを最小限にできる。
【0052】
上述の実施の形態では、ネイティブコードを放送波から取得する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。ネイティブコードを、例えば、ネットワーク経由で取得してもよい。受信機がネットワーク通信網に接続されているときは、ダウンロード予約に代え、URLをもとに必要とするネイティブコードをネットワーク通信網を介して取得するようにしてもよい。ネイティブコードをネットワーク経由で取得する方法について、次の実施の形態で説明する。
【0053】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態のプログラム取得装置を構成するネイティブコード取得装置の基本的な構成例を示すブロック図である。
【0054】
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態のネイティブコード取得装置30は、図2で説明した第1の実施の形態のネイティブコード取得装置10と、データ放送受信部11を介して必須ネイティブコードを取得する必須ネイティブコード取得部13に代わって、ネットワーク通信網を介して受信機の外部に存在するネイティブコードサーバ22から必要とするネイティブコードを取得する必須ネイティブコード取得部21を備えた点が異なる。前述の実施の形態と略同様の構成には同様の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0055】
本実施の形態では、データ放送受信部11が放送波からデータ放送を受信すると、必須ネイティブコードリスト取得部14が、データ放送受信部11で受信されたデータ放送に含まれるJavaアプリケーションについて、データ放送の所定の箇所に記述された、アプリケーションの実行に必要なネイティブコードのリストおよび各々のネイティブコードのファイルのネイティブコード保持部12で展開する場合の位置を取得する。
【0056】
不足ネイティブコード判定部15は必須ネイティブコードリスト取得部14から供給されるリストと、ネイティブコード保持部12から提供される現在受信機内で保持しているネイティブコードのリストを照合し、不足しているネイティブコードを特定する。
【0057】
必須ネイティブコード取得部21は、例えば、工場出荷時に与えられた機種情報などの情報から、当該ネイティブコードを取得可能なネイティブコードサーバ22のネットワーク通信網上の位置を特定し、ネットワーク通信網を介して、不足ネイティブコード判定部15によって特定された不足しているネイティブコードを取得する。
【0058】
必須ネイティブコード取得部21が取得したネイティブコードは、ネイティブコード保持部12の中の所定の展開位置に格納され、ネイティブコード保持部12におけるネイティブコード保持リストが更新される。
【0059】
図5は、ネイティブコード取得装置30の動作を説明するフローチャートである。図5を参照して、このようにして構成されたネイティブコード取得装置30の動作について説明する。以下の処理は、ネイティブコード取得装置30に含まれる、図示されていない、CPUの制御によって実行される。
【0060】
ステップS101からステップS103までの処理は、第1の実施の形態のネイティブコード取得装置10と略同様であるので説明を省略する。
【0061】
ステップS204では、機種情報から該当するネイティブコードのサーバを特定する。具体的には、工場出荷時に与えられた情報から、当該ネイティブコードを取得可能なネイティブコードサーバ22のネットワーク通信網上の位置を特定する。
【0062】
ステップS205では、特定したサーバから不足しているネイティブコードを取得する。具体的には、必須ネイティブコード取得部21は、ネットワーク通信網を介してネイティブコードサーバ22から、不足ネイティブコード判定部15によって特定された不足しているネイティブコードを取得する。
【0063】
また、本実施の形態では、ネイティブコードを取得可能なネイティブコードサーバ22のネットワーク通信網上の位置を工場出荷時にすでに与えられているものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、データ放送受信部11から得られるAITおよび機種コード保持部16から提供される機種情報から、ネイティブコードサーバ22のネットワーク通信網上の位置を取得するようにしてもよいし、ネットワーク通信網のみならず放送など別途の手段により後に取得または更新するようにしてもよい。
【0064】
ネイティブコードサーバ22のネットワーク通信網上の位置は、メーカー名、機種名から、例えば、以下のように記述してもよい。
ftp.makerXXX.co.jp/modelYYY/
【0065】
次に、本発明に従って必須ネイティブコードを取得するプログラムの記述の例を図6に示す。
【0066】
図6に示す必須ネイティブコードの例ではAITに記述したが、PMT内のarib_j_infoなどに記述することも可能である。
【0067】
告知情報におけるダウンロードネイティブコードの記述として、例えば、ARIB STD−B21のSDTTにおけるDownload_content_descriptor()内のmodule_info_byteにネイティブコードファイル名を書いてもよい。別途、SDTT内に新規のフィールドを追加してネイティブコードファイル名を記述することも考えられる。
【0068】
このように、本実施の形態のネイティブコード取得装置30は、不足しているネイティブコードを特定し、不足しているネイティブコードのみをネットワーク通信網から取得できるので、不足しているネイティブコードを即座に取得できるだけでなく、受信機能力、伝送路などの必要とするリソースを最小限にできる。
【0069】
また、本実施の形態のネイティブコード取得装置30は、不足しているネイティブコードを特定し、不足しているネイティブコードのみをネットワーク通信網から取得する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。第1の実施の形態と組み合わせて、不足しているネイティブコードを、放送波とネットワーク通信網との二つの経路を選択的に用いて取得するようにしてもよい。具体的には、不足しているネイティブコードのサイズ、用途、緊急性を考慮して、放送波とネットワーク通信網から最適と判断される経路を用いて取得するようにしてもよい。
【0070】
上述の実施の形態では、不足している必須のネイティブコードを放送波またはネットワーク通信網から取得する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、すでにネイティブコード保持部12に保持しているネイティブコードのうち、一部のネイティブコードに修正する必要が発生した場合、当該ネイティブコードのみを、放送波またはネットワーク通信網を介して修正するようにしてもよい。ネイティブコードを放送波またはネットワーク経由で修正する方法について、次の実施の形態で説明する。
【0071】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態のプログラム更新装置について説明する。理解を容易にするため、以下の実施の形態の説明では、更新するプログラムをネイティブコードとし、プログラム更新装置を、ネイティブコード更新装置として実装した場合について説明する。本実施の形態のプログラム更新装置を構成するネイティブコード更新装置は、上述の第1の実施の形態のネイティブコード取得装置10または第2の実施の形態のネイティブコード取得装置30と、不足しているネイティブコードを取得するための構成および動作はほぼ同様である。
【0072】
具体的には、本実施の形態のネイティブコード更新装置は、上述のネイティブコード取得装置10または30のいずれか一方、または両方を組み合わせた構成を有し、不足しているネイティブコードを、放送波とネットワーク通信網との二つの経路のいずれか一方、またはネイティブコードのサイズ、用途、緊急性を考慮して、放送波とネットワーク通信網から最適と判断される経路を用いて取得するようになっている。以下、上述の実施の形態と異なる点について詳細に説明する。
【0073】
図7は、本発明の第3の実施の形態のネイティブコード更新装置の原理を示す図である。
【0074】
ネイティブコード保持部12に既に保持されている一部のネイティブコードに修正する必要が発生した場合について考察する。具体的には、図7に示すように、ネイティブコード保持部12には、例えば、ネイティブコードa.SOとネイティブコードb.SOが保持されており、ネイティブコードb.SOを修正する場合を想定する。
【0075】
放送局側は、新たな必須ネイティブとしてネイティブコードc.SOを作成する。ネイティブコードc.SOは、ネイティブコード保持部12には存在しない必須ネイティブコードであるので、上述の手法に従って、放送波またはネットワーク通信網のいずれかの経路を経て取得され、ネイティブコード保持部12の中の所定の展開位置に格納されるようになっている。
【0076】
このネイティブコードc.SOにネイティブコードb’.SOを、ネイティブコードc.SOと一体として処理され、取得されるように組み込んでおき、ネイティブコードc.SOをネイティブコード保持部12の中で展開すると、既にネイティブコード保持部12に保持されているネイティブコードb.SOを強制的にネイティブコードb’.SOで更新するようにしておく。これは、ネイティブコードc.SOに強制取り込みフラグを設け、フラグがオンになっている場合は、比較せずに既に保持されているネイティブコードb.SOを強制的に添付のネイティブコードb’.SOで更新するようにしておけばよい。
【0077】
このように、本実施の形態のネイティブコード更新装置では、既に取得済みのネイティブコードに修正する必要が発生したとしても、修正する必要のあるネイティブコードのみをタイムリーに選択して更新することができる。
【0078】
また、本実施の形態では、既に取得済みのネイティブコードを、新たな必須ネイティブコードに一体として取得されるように添付させたネイティブコードによって更新する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。新たな必須ネイティブコードに、例えば、更新するネイティブコードとディペンデンシーリストを一体として取得されるように添付させ、ディペンデンシーリストに記載したネイティブコードを全て添付のネイティブコードで書き換えるようにしてもよい。
【0079】
以上、様々な実施の形態のネイティブコード取得装置およびネイティブコード更新を用いて本発明のプログラム取得装置およびプログラム更新装置について説明した。本発明のプログラム取得装置およびプログラム更新装置は、Javaデータ放送のサービスを実行するためのネイティブコードの取得または更新には限定されず、データ放送サービスを実行するために必須のネイティブコード以外のプログラムの取得、更新、さらには動画や静止画の取得、更新など、様々な用途に適用可能である。また、本発明のプログラム取得装置またはプログラム更新装置は、CPUとメモリを含む、一般的なコンピュータを上述した各手段として機能させるプログラム取得プログラムまたはプログラム更新プログラムによって動作させることができる。プログラム取得プログラムまたはプログラム更新プログラムは、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。さらに、本発明は、放送局とプログラム取得装置またはプログラム更新装置とを含めたプログラム取得システムまたはプログラム更新システムとして構成してもよい。
【符号の説明】
【0080】
10、30 ネイティブコード取得装置(プログラム取得装置)
11 データ放送受信部(受信部)
12 ネイティブコード保持部(プログラム保持部)
13、21 必須ネイティブコード取得部(プログラム取得部)
14 必須ネイティブコードリスト取得部(必須リスト取得部)
15 必須ネイティブコード判定部(不足プログラム判定部)
16 機種コード保持部
17 告知情報取得部
18 放送ネイティブコードリスト取得部(告知情報取得部)
19 受信予約制御部
20 データ放送処理部
22 ネイティブコードサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局から情報を受信する受信部と、
取得済みのプログラムを保持するプログラム保持部と、
前記受信部を介して受信する情報からデータ放送に含まれるアプリケーションの実行に不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得部と、
前記必須リスト取得部が取得した必須プログラムのリストと前記プログラム保持部に含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定部と、
前記不足プログラム判定部によって判定した不足している必須プログラムを前記受信部を介して取得するプログラム取得部と、を備え
データ放送に含まれるアプリケーションの実行に必要な必須プログラムを取得することを特徴とするプログラム取得装置。
【請求項2】
さらに、前記受信部から、プログラムの提供を告知する告知情報を取得する告知情報取得部を備え、
前記プログラム取得部は、前記告知情報を参照して、前記不足プログラム判定部が判定した不足プログラムを前記受信部により取得することを特徴とする、請求項1記載のプログラム取得装置。
【請求項3】
さらに、ネットワーク通信網を介して所定のサーバと情報を送受信するネットワーク通信部を備え、
前記プログラム取得部は、前記不足プログラム判定部が判定した不足プログラムを、前記ネットワーク通信部によりネットワーク通信網を介して前記所定のサーバから取得することを特徴とする、請求項1記載のプログラム取得装置。
【請求項4】
前記必須リスト取得部は、自機の機種に基づいて必須プログラムのリストを取得することを特徴とする、請求項1記載のプログラム取得装置。
【請求項5】
前記必須プログラムが、Javaデータ放送を実行するためのネイティブコードであることを特徴とする、請求項1記載のプログラム取得装置。
【請求項6】
前記必須プログラムのリストは、データ放送波を介して放送されるAIT(Application Information Table)に含まれることを特徴とする、請求項1記載のプログラム取得装置。
【請求項7】
放送局から情報を受信する受信部と、
取得済みのプログラムを保持するプログラム保持部と、
前記受信部を介して受信する情報からデータ放送に含まれるアプリケーションを実行するために不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得部と、
前記必須リスト取得部が取得した必須プログラムのリストと前記プログラム保持部に含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定部と、
前記不足プログラム判定部によって判定した不足している必須プログラムを前記受信部を介して取得するプログラム取得部と、を備え、
前記不足している必須プログラムは、前記プログラム保持部に保持された取得済みのプログラムの一部を更新するプログラムを含む、
データ放送に含まれるアプリケーションの実行に必要な必須プログラムを更新することを特徴とするプログラム更新装置。
【請求項8】
前記不足した必須プログラムは、更新プログラムと強制取り込みフラグを有することを特徴とする、請求項6記載のプログラム更新装置。
【請求項9】
データ放送に含まれるアプリケーションの実行に必要な必須プログラムを取得する処理をコンピュータに実行させるプログラム取得プログラムであって、
放送局から情報を受信する受信ステップと、
取得済みのプログラムを保持するプログラム保持ステップと、
前記受信ステップを介して受信する情報からデータ放送に含まれるアプリケーションを実行するために不可欠なプログラムである必須プログラムのリストを取得する必須リスト取得ステップと、
前記必須リスト取得ステップで取得した必須プログラムのリストと前記プログラム保持ステップに含まれる取得済みのプログラムとを照合して、不足している必須プログラムを判定する、不足プログラム判定ステップと、
前記不足プログラム判定ステップで判定した不足している必須プログラムを前記受信ステップを介して取得するプログラム取得ステップと、を含み、
データ放送に含まれるアプリケーションの実行に必要な必須プログラムを取得することを特徴とするプログラム取得プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−166407(P2010−166407A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8040(P2009−8040)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】