説明

プロセスインクセットにおいてプロセスカラーとスポットカラーの両方を使用する多色印刷の方法とシステム

【課題】
【解決手段】スポットカラーは高価値のプランドカラーを再現し、印刷されたイメージおよび包装の従来のプロセスカラーを補足する。印刷プロセスは、少なくとも3つのユニークな色と黒色との高忠実性プロセスインクと、ソリッドブランドカラーを印刷するスポットカラーを使用することができ、他の色の上に塗ることにより広い色域が得られ、ハーフトーンの基体上のロゴは(i)スポットインクを使用してスポットカラーを印刷し、(ii)置き換えられたインクセットを使用してイメージの残部を印刷することを含む。そのような方法は、別法として、(iii)インクのスペクトル特性を読み、(iv)イメージ内の任意の色がデフォルトのプロセスインクパレットからの色管理方法により定義されるかどうかを決定し、(v)スポットカラーと標準プロセスインクとを使用してパレット外の色を加工し、(vi)プロセスカラーセットにトーンスケール値の増大を適用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
他の出願との相互参照:
この出願は2009年4月28日に出願された、米国仮出願61/173,280号の利益を請求する。
【0002】
技術分野
本発明はマルチカラープロセス印刷技術に関する。特にプロセスカラー(process color)とスポットカラー(spot color)の両方を使用した多色印刷の方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
「ハウスカラー(house color)」「スポットカラー」または「ブランドカラー(brand color)」という用語は、例えば、その包装と広告にコダック(登録商標)によって使用された赤と黄色の周知の正確な色合いなどの、しばしば特定の製品またはブランド名に関連するマルチ着色の顧客が特定されたカラーを示す。従って、ブランドカラーは時々「特別なカラー」と呼ばれる。
【0004】
スポットカラーインキは、ブランド所有者の設計概念またはブランドカラーに合わせるために配合されたカスタムブレンドされたインクである。しばしばこれらのブランドカラーは商標のカラーであり、商標の力を維持するために、初期の目的の狭い許容度にカラーを維持しなければならない。ハイファイプロセス印刷(hi-fi process printing)セットはしばしばブランドカラーに適合することができるが、ハーフトーン印刷のプロセスは推計的な事象であり、プロセス印刷における正常な変動は、最終的な印刷されたカラーの商標からの許容度外のブランドカラーを発生する変化を起こすことがある。
【0005】
従来のマルチカラーインクセットには、ハウスカラーの鮮明さの利点がない。これは従来のプロセス印刷では、あらゆるカラーがプロセスインクドットの重ね塗りプロセスで作られるという事実のためである。マルチカラー印刷法(フレキソ印刷、枚葉オフセット、デジタルまたは他の印刷方法であるか否かに関係なく)では、固有のドット位置の可変性があり、これらの標準のプロセスを使用して印刷されたハウスカラーは、より鋭さ(sharp)と生き生きさ(vivid)に欠ける傾向がある。
【0006】
以下の参照文献は様々な従来方法とそれらの欠陥について説明する:米国特許第5,689,349号は、標準的でない印刷用インクのために定義されたカラースペースでプリントデータを発生させるための方法と装置に関し、4つの標準のプロセスカラー(CMYK)のひとつをPantone PMS(登録商標)カラーで置換できるかを説明するが、スポットカラーとプロセスカラーとの組み合わせについては何も開示していない。
【0007】
米国特許第5,734,800号は、6色プロセスシステムに関し、4つの標準のプロセスカラー(CMYK)の全体が、2つの追加プロセスカラー(OG)を加えることによって拡張できると教示する。
【0008】
米国特許第5,751,326号は、カラー印刷プロセスと製品に関し、RGBスペースでスキャンされたイメージを、CMYKRGBインクで構成されたプロセスインクセットのための1セットのプリント組版に変換するための方法を説明する。しかしながら、どのように拡張された全体のプロセスセットをスポットカラーに変換するか、またはどのように拡張された全体のプロセスセットにスポットカラーを組み入れるかに関しては言及を全くしていない。プロセスは特定のPantone(登録商標) PMS(登録商標)カラースワッチを参照して定義される。
【0009】
米国特許第5,812,694号は、色分解方法およびそのための装置に関し、色再現装置のための着色剤選択アルゴリズムを説明する。このアルゴリズムは主要な色の範囲のものであり、これらの主要な色のすべての妥当なサブセットを選択し、所定のスポットまたはラインカラーを与えるための最も安定した適合を得て、プリント組版を生成するために使用される工程は、プロセスセットを使用することでスポットカラーを再現させることを必要とする。しかしながら、設定された特定のプロセスカラーの代用または拡張としてどのようにスポットカラーを使用するかに関して議論が全くない。
【0010】
米国特許第5,870,530号は主要な着色剤へ追加された着色剤を有するカラーイメージ印刷のためのシステムに関し、拡張色域7色刷のプロセスにおける第二の原色(process primaries)の組であって、追加のプロセスインクを重ね印刷することによるCMYK原色インクの色域を高めるように設定する第二の組の使用について説明する。
このシステムは、Gプロセス色の重ね印刷より、CとYの間のカラースペースを満たす組版を作成するのに使用される。この文献はスポットカラーとプロセスカラーとの合わせ方を教示しないし、また拡張された色域プロセスインクセットにスポットカラーを組み入れる方法も開示しない。好適な実施例がデジタルの電子的写真プリント装置のためのものであるので、プリント組版は仮想の組版である。
【0011】
米国特許第5,892,891号は米国特許第5,870,530号の継続出願であり、主要な着色剤へ追加される着色剤での印刷カラーイメージのためのシステムに関し、6または7色刷プリントのための厳密なアルゴリズムを説明する。さらに、この特許は6または7色から複数の4色のサブセットに主要なプロセスの数を減少させるために、伝統的な色分解技術をプリント組版を作成する際に適用することを記載する。この発明は、プロセスセットにおいてスポットカラーを使用することを記載していない。
【0012】
米国特許第6,307,645号は米国特許第5,870,530号の継続出願であり、ハイ−ファイ カラーインキのハーフトーン化に関し、6または7色刷のハーフトーンスクリーンの製造方法を記載する。この発明は追加のハーフトーンスクリーンを必要とすることなく、4色の主要なインキよりも多い色での印刷方法に関し、CMYKインクセットの1以上のスクリーン特性を、4色のインキと一緒に使用される時に追加のインキに譲ることを開示する。これはスポットカラーについて記載していないし、プロセスセットにスポットカラーを置換していない。説明された方法では、デジタル電子的写真プリントに使用されるので仮想のプリント組版の使用に基づいているという制限が欠点である。そこでは、ディジタルコンピュータコードでスクリーン性能を変えることができる。伝統的なオフセット印刷、フレキソ印刷、またはグラビア印刷を使用した包装プリントでは、プリント組版はすべての印刷領域で固定されている。したがって、例えば、Oインクは印刷されるイメージの1つの領域でMスクリーンを使用し、同じイメージの異なった領域ではCスクリーンを使用する。これはデジタル印刷では達成可能であるが、従来の印刷では簡単に達成することはできない。
【0013】
米国特許第6,637,851号は多色刷りの印刷についてのカラーハーフトーンに関し、伝統的な連続階調画像データに代わってデジタル画像データを使用するカラー分解アルゴリズムの別の形式を開示する。説明された技術は、スーパーピクシレーションまたはディザリングとして知られているプロセスにおいて、対になったプロセスインクを使用し、統計的にイメージの予定された領域の上に色を分配することに関する。これは、FMスクリーニングとして知られた伝統的な包装に使用されるプロセスであり、例えば、FMsix(登録商標)などの商標登録されたプロセスに取り入れられている。
【0014】
米国特許出願2004/0114162とEP1364524は、カラーイメージの印刷方法に関し、FMsix印刷方法であって、スポットカラーがハイファイプロセスセットに適合され、(i)写真画像データが、伝統的なCMYKハーフトーンを使用することで印刷されて、(ii)ロゴとブランドカラーが拡張色域プリントセットとデジタル周波数変調ハーフトーンを使用することで印刷される。この方法はすべての公知のスポットカラーを、6CIELAB色差単位を精度85%で再現させると言われている。しかしこの発明は二次拡張色域としての、スポットカラーの使用について教示しない。
【0015】
米国特許第7,123,380号は多色インク分解決定方法および装置に関し、3ないし4次元色空間(RGBまたはCMYK)で定義されたイメージにおける色の、4つ以上の次元または定義された色空間への変換について記載する。これは、1つの色空間の色域を、第2または第3の色空間の色域内または色域上にマッピングすることに基づくカラー分解処理である。このアプローチは、伝統的なCMYKイメージを取って、それを4以上の原色を使用するデジタル校正刷り装置に移し、校正刷りのためのより大きい色域を得るのに使用される。説明された方法は、スポットカラーのマッチング、または拡張された色域としてのスポットカラーの使用については議論していない。
【0016】
米国特許第7,164,498号は、4色カラーマネージングシステムを使用する、4色以上の印刷プロセスの色マッチングに関し、RGBイメージを取りそれを、ICCプロファイル法の変法を利用するマルチ出力装置にマッピングすることを開示する。これは主として「バーチャル CMYK」プロファイルを含むデジタル色分解のための方法である。この概念は真のCMYKOGまたはCMYKRGB拡張色域のどちらかよりも大きい、理想的な達成不能なCMYK色領域でプリンティングシステムを定義する。そして、色域圧縮は、非現実的なCMYKを、現実の拡張された色域プロセスのプライマリセットにマップするために使用される。スポットカラーまたはプロセスセットでスポットカラーを使用することについては何の記載もない。
【0017】
米国特許7,199,903号は色重ね塗りの色発現の決定方法および装置に関し、カラーと一連の重ね塗りされたプロセスの一次印刷の外観の数値的予測方法を説明する。この教示はプリント装置で希望のカラーを再現させ、プロセスインクの組み合わせを製造するプリント組版を作成するのに適用される。教示は、開示されたテクニックが、そうすることが必要とされた印刷組版の定義を提供するために役に立つ場合があるが、スポットカラーのマッチングまたはプロセスプライマリセット(process primary set)におけるスポットカラーの使用を開示もしないし、同定もしてない。。
【0018】
したがって、従来技術のテクニックによると、プロセスとしてスポットまたはラインカラーを使用するための機能が全くない。むしろ、従来技術方法は、多くのデジタル校正刷りプリンタ、たとえばHP z3100(登録商標)、Canon iPF5000(登録商標)またはEpson Stylus Pro 7900(登録商標)などで見い出される、拡張された一次色域(extended gamut primaries)、たとえばOG、VG、RGB、OGVなどを使用しようとする。
【0019】
実際、プロセスセットにおいてスポットカラーを使用すると想定するのでなく、公知のアプローチはスポットカラーを、4つ以上の色を含むプロセスセットで置き換え、重ね塗りされたプロセス原色を使用して特定のスポットカラー(または色の組)を再現するために十分大きい色域を持つようにしている。 上で説明したように、このプロセスは商業用途においては重要な短所と制限を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
スポットカラー印刷に関連した、従来技術の前述の問題を解決するマルチカラー印刷の方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
プロセスカラーとスポットカラーの両方を含む印刷イメージおよび包装を製造する方法とシステムが提示される。本発明の例示の実施態様では、スポットカラーを高価値ブランドカラーの再現、およびプロセスカラーの色域の補足と拡大に使用できる。本発明の例示の実施態様では、印刷機は、少なくとも3色のユニークな色と黒色の高忠実性プロセスインク(hi-fidelity process inks)と、ソリッドブランドカラー(solid brand colors)の印刷に使用でき、またプロセスカラーとともにまたはその上に印刷できる少なくとも1つのスポットカラーを使用し、広い色域の、ハーフトーンカラーの再現をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、アディティブプロセスセットと例示のスポットオレンジ色との関係について図説するCIELABダイヤグラムである。
【図2】図2はCMYKプロセスからの利用可能な色と、本発明の例示の実施態様による3つのスポットカラーの色域の拡大を示すCIELABダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
スポットカラー
本発明の例示の実施態様では、ハウスカラー(「ブランド」、「ライン」または「スポット」カラーとしても知られている)が、ソリッドとしてスポットカラーを印刷した時と同じ鮮明さで生産できる。なぜなら、ハウスカラーはプロセスインクドットの重ね合わせにより作られるのでなく、実質的にそのまま印刷されるからである。マルチカラー印刷法(例えばフレキソ印刷、シートフィードオフセット、または、デジタルであるか他の印刷プロセスを使用するか否かに関係なく)に固有のドット位置に可変性を与えると、公知の4色、6色、または7色のプロセスセットを使用する時よりも、本発明の実施態様による方法を使用すれば、より鋭くて、より生き生きとして不飽和(unsaturated)のハウスカラーのドットが得られる。
【0024】
さらに、マルチカラープロセス印刷セットの一部としてスポットカラーを使うことにより、純粋なプロセスカラーインキセットの色域の拡張を得ることができる。追加の利益は、プロセスセットの一部として特定のスポットカラーの過剰在庫を「使い続けることができる」ということである。その結果、印刷業を経営するために必要な運転資金が減少する。
【0025】
ハウスカラー、商標カラーまたはブランドカラーの再現を必要とするパッケージと広告を印刷する従来方法においては、プリンタは、これらのカラーを製造するのにカスタムブレンドされたインクを歴史的に使用していた。例えば、インクブレンド類はインクメーカーから供給されるか、またはたとえばPantone Matching System(登録商標)などのような配合ガイドからそれらを参照できる。そのようなカスタムブレンドされたインクはライン(line)またはスポットカラー(spot color)としてプリント業界に知られている。
【0026】
プリントワークフローにおける予備圧着機能(pre-press function)はインクの印刷基体への転移のためのプリント組版を作成する。この転移過程は、歴史的に、ハーフトーン構造ではなく、ソリッドカラーとして印刷される。より最近、ソリッドカラーから下層カラーまでフェードするビネット(vignette)にスポットカラーを使用することが一般的になった。そのようなビネットを作るのは、スポットカラーインキをハーフトーンにすることを必要とする。ソリッド領域またはただ一つのインクビネットの印刷は比較的簡単なプロセスであって、その結果、このようにする印刷が一貫したカラーを製造されると確信できる。
【0027】
プロセス印刷
他方では、プロセス印刷は、異なった色のインクの小さいドットの複雑な模様を印刷することを伴う。プロセスセットに必要であるインクの最少数は3である。そのようなプロセスインクセットでは、3個のインクがCMYとして同定される。CMYはシアン、マゼンタおよび黄色を表す。非常に多くのカラーがドット領域またはトーンとして、これらの3個のインクの組み合わせで再現できる。淡いかまたはパステル領域には小さいドットがあるだろう。そして、強いか暗い領域には、大きいドットがあるだろう。さらに、インクのオーバープリントはさまざまな新しい色合いをもたらす。
【0028】
したがって、例えば、黄色(Y)インクがマゼンタ(M)インクの上に印刷されると、重ね塗り色は明るい赤になり、赤の色合いは黄色の印刷量が多いかまたは少ないと、黄色から薄青く変化する。同様に、さまざまな緑色を製造するためにシアンと黄色を重ね塗りできる。そして、さまざまな青い色を製造するためにシアンおよびマゼンタを重ね塗りできる。
【0029】
しかしながら、この方法で達成できる中間色の範囲は、インクまたはもう片方のインクへの転移のため制限される。したがって、例えば、ある鮮やかな色、淡色または暗色が達成可能でないかもしれず、したがってCMYプロセスインクセットの「色域外」(out of gamut)であると言われている。暗色の範囲を増加させる1つの方法は、黒いインク(K)をプロセスセットに追加することである。別の方法はプロセスインクセットにたとえばオレンジ、黄緑色またはバイオレットなどのような二次色合いを追加することであり、2つの標準の色合い(CMY)だけを使用するものに対して製造できるカラーの色域を拡張させることである。したがって、例えばマゼンタインクとオレンジのインク(M+O)で、オレンジ−赤から青−赤までさまざまな範囲の色を製造することができる。または、例えば緑とシアンのインク(G+C)で、黄色がかった緑色(olive green)からターコイズまでさまざまな色を製造することができる。
以下の図2でこれについて説明する。
【0030】
別のインクトーンの上の1つのインクトーンのプロセス印刷には、しばしばプリントの精度と再現性の劣化をもたらすことがある固有変動性があることが注意される。例えば、3つ未満のCIELAB色差単位の許容度でスポットカラーインキを印刷できるが、最も良いハイファイプロセス印刷技術は6CIELAB色差単位だけの再現性を報告する。天然または合成の場面を含む複雑な画像は、多量の視覚雑音(異なった色を有する小さなイメージ要素)を含む傾向があるので、わずかな色差の認知はありそうもない。したがって、プロセスプライマリーをスポットカラーに置き替えるのは、より妥当であって、効率的であるが、スポットカラーをプロセス印刷で置き換えるよりも、より望ましくない結果をもたらし、(ブランドまたはマーケティングの観点から)重要なスポットカラーの最適な印刷をもたらさない。
【0031】
多くの印刷機が現在、6、8またはより多くの印刷ステーションで構成される。例えば、このサイズのプレスは、多くのハウスカラーまたはブランドカラー(しばしば上で説明したソリッドカラーまたはビネットとして)でパッケージを印刷するのに使用されている。そのようなブランドカラーは、まさに希望のブランドカラーを達成するために注文により配合したインクを使用し、その結果、ブランドの高価値を維持する。そのような専用印刷機(すなわち、特別のスポットカラーのためのもの)の使用は低い能率システムを提供し、(次の仕事が特別なスポットカラーを利用しないとき)それぞれの仕事の間に全ての連結された印刷機を解体し、完全に洗浄し、再組み立てをしなければならない。
【0032】
ますます、まさしく生産性と入手可能な色域のこれらの理由で、印刷機は4以上のプロセスインクの適合されたセットを使用し、このプロセスセットを使用して印刷イメージを印刷し、以前の特別なハウスカラーまたはスポットカラーが印刷されるだろう。そのような5、6、または7つのインクプロセスセットは、(i)それらのそれぞれの印刷ステーションに同じインクを保つことによる休止時間の減少、(ii)ウェブに異なったタイプの複数の画像を印刷する能力、および(iii)印刷所で維持されるのを必要とするインクのタイプと量の低減をすることができる。
【0033】
しかしながら、生産性における利益にもかかわらず、そのような拡張されたプロセスインクでさえ、色域領域制限またはインキ転移の制限のために、ハウスカラーまたはスポットカラーの同等なカラーまたは飽和(saturation)を得るのは、いつも可能であるというわけではない。留意されるように、ハウスカラーまたはスポットカラーがブランド所有者にとって印刷デザインのしばしば最も重要な要素である限り、非常に重要な問題である場合がある。
【0034】
プロセスカラーとスポットカラーの両方を使用する多色印刷
本発明の例示の実施態様では、通常のプロセスカラーまたはハイ−ファイプロセスカラーセット(例えば、CMY、CMYK、CMYKOG、またはCMYKRBGなど)と、1種以上のハウスカラーまたはスポットカラーを組み合わせたマルチカラーインクセットを同じ印刷機で使用することにより、(i); マルチカラープロセス印刷のテクニックのすべての利点を保持できて、以下の追加の利益を有する、(ii); 従来のプロセスセットに比較して、印刷されたハウスカラーの品質を顕著に高めることができる。また、本発明の例示の実施態様では、更なる利益を実現できる:プロセスセットのメンバーとしてハウスカラーの一以上を使用することによる、比較されるプロセスインクセットよりもマルチカラーインクセットの色域を広げる能力は、より人目を惹いた印刷とデザインが製造されることを許容する。
【0035】
例えば、特定のスナック食品はチェダーチーズ風味があって、商標登録された名前「チーズスナック」において明るいオレンジのスポットカラーを使用することによってブランドを魅力的にすると仮定する。レタリングはドロップシャドーを有する。これは同じ色のオレンジのスポットカラーと、少量のブラウンのインクを加えてオレンジ色を暗くし、色合いを同様に保ったものから作られる。しかしながらオレンジに適合するプロセスカラーセットを使用した場合、黄色またはマゼンダの重ね塗りは、オレンジの正確な色合いを作ることができるか、または作ることができない。なぜなら、最初のインクの上の第二のインクのトラッピングのためである。完全な重ね塗りで印刷された中間的または第二のカラーは、赤インクになるだろう。そして、赤から黄色までの遷移状態はいくつかのオレンジのセットを通過するが、めったに必要な正確なオレンジにはならない。
【0036】
一般に、これは図1で図説される。図1は追加のプロセスセットが、2セットのインクドットの重ね塗りされた混合物から、カラーの直線の部門をどう製造するかを表現する。それの参照として、オレンジであるスポットカラーと、C、M、およびYであるプロセスカラー、および赤、グリーンおよび青である二次的なカラーが示される。スポットのオレンジは赤のカラーラインに近いが、(点を除いて)オーバーラップしない。したがって、指定されたスポットのオレンジ色の正確な再現は難しい。
【0037】
上で述べたように、4色刷インクセット(CMYK)と1種以上のスポットカラーインキ(ブランドカラーの印刷に使用される)の組み合わせの印刷は周知である。しかしながら、より良い解決策は、注文して作られたブレンドされたスポットカラーインキでブランドカラーを印刷して、ハイファイプロセスインクセットを使用して次に、グラフィック画像の残りを印刷することである。ハイファイの印刷システムの完全な融通性を取り戻すために、複数のブランドイメージをウエブにまたがって印刷できるので、プレスは、ハイファイプロセスインクのために必要な6〜8つの印刷ステーションに加え、それぞれのブランド色インキのための1種以上の追加の印刷ステーションを必要とするだろう。これは明らかにほとんどの印刷所に、そのようなプレスの過度の費用と複雑さを考えて、支持できない状況をもたらす。
【0038】
プロセスインキセットの色域の拡張
本発明の例示の実施態様では、ハイファイのプロセスインキのそれぞれの同等なメンバーのための1種以上のスポットカラーインクの置き換えでこのジレンマを解決できる。例えば、ハイファイインクセットはCMYKOGセットを含むことができる。ここでCはシアンインクであり、Mはマゼンタインクであり、Yは黄色いインクであり、Kは黒いインクであり、Oはオレンジのインクであり、Gは緑色のインクである。グラフィックデザインはオレンジのブランドカラーと赤のブランドカラーを含むことができる。ブランド(スポット)の赤を作成するためにYMを重ね塗りし、ブランド(スポット)オレンジを作成するためにYMOを重ね塗りすることの代わりに、Mプロセスインクをスポットカラー赤に置き換え、Oプロセスインクを特別なスポットカラーオレンジで置き換えることができる。この置き換えに適合するために、イメージのプロセス印刷された領域は「再−バランス」をとることができる。たとえば赤の印刷に幾分かCを加え、当初のMプロセスインクとマッチさせ、オレンジのプリントに幾分かのYまたはMを加えて当初のOプロセスインクとマッチさせる。プロセス印刷されたカラーがそれらの許容度により寛容であるので、プロセスセットの一部としてブランド赤およびオレンジを使用した重ね塗りされたハーフトーンのインクは、完全に許容できるイメージを製造する。
【0039】
1セットのプロセス原色インクから予測できるイメージ色彩を製造するのには、印刷システムのキャラクタリゼーションを必要とする。そのようなキャラクタリゼーションは、例えばISO12647印刷条件にしたがって、印刷目的とCMYKインクのトーンスケール値について行うことができ、またはたとえば米国特許5,734,800または米国特許5,870,530に記載されているようなハイファイインクセットに従うことができる。または、例えば、米国特5,751、326に記載されているようなスキャンプロセスを使用できるか、または例えば、それはAMおよびFMスクリーニング技法の組み合わせが利用されている、EP1354524に記載されているような、分解と印刷組版を形成するための特別なアルゴリズムを利用できる。あるいはまた、例えば、米国プリント産業共同体IDEAIIianceによって促進される「G7」として知られて、SWOPおよびGRACoLのような細目で採用された産業プレス較正細目に従うか、または例えば国際カラー協会(ICC)によって定義されるような、プレスインクカラースペースの知覚カラースペースのプロファイルを作ることによって、そのようなキャラクタリゼーションを実行できる。原色版インキを使用することでスポットカラーを合わせることを試みるとき、米国特許5,812,694に記載されているように、一次的な考慮は、重ね塗りの選択と安定性であるべきである。
【0040】
したがって、首尾よく向上した色域プロセスとしてのスポットカラーを後に利用するために、2つのインクが重ね刷りされるすべての可能な組み合わせで作成されたカラーを計算するか、または調べることが必要である。また、プロセス印刷では、下層カラーと表面の性状(つや消し、光沢、コーティングの有無)の関数として変化するトーンスケール値の増大(TVI)に関する知識を必要とする。プロセスカラーセットとスポットカラーとのマッチングの伝統的な試みは、たとえばICC B2A変換で利用可能なブルートフォースインターポレーションスキーム(brute force interpolation scheme)、またはRolleston and Balasubramanian, 「種々のタイプのノイゲバウアモデルの正確性」"Accuracy of Various Types of Neugebauer Model", Proceedings of the Second IS&T/SID Color Imaging Conference, pp 625-630, (1993)に記載されているような、ノイゲバウアモデルのいくつかの形態を利用可能である。この研究では、スペクトル特性に基づいたモデルは他のすべてのモデルよりも優れていた。同様に、スペクトルモデルは、Wyble and Berns, 「2色印刷に適用されるスペクトルモデルの重要なレビュー」"A Critical Review of Spectral Models Applied to Binary Color Printing", Color Research and Application, vol 25, no 1 , 4-19, (2000)で推薦される。本発明の例示の実施態様では、すべてのプロセスセットと必要な(スポット)カラーのイメージにこのモデルを適用できる。
【0041】
例示の好適な実施態様では、例えば、分光光度計を使用することですべてのインクの分光特性を読み取ることができる。望ましくは、45度の入射束(influx)角度および0度の放射束(efflux)角度の幾何学配置を指定するISO13655に従う。デフォルトCMYKプロセスセットの色域から出てくる時のICCカラーマネージメント方法(CMM)によって同定されるイメージにおけるどんなカラーも、標準のプロセスと1または2のスポットカラーを使用して、ICCプロファイルから利用可能であるプロセスセットのTVIを適用して処理可能である。それらのプライマリに関するスペクトルノイゲバウア方程式の非線形最適法により、それぞれのインクの必要なトーンレベルが得られる。最小化評価基準は、2または3つの発光体のためのメタメリー指数(metamerism index)または同時の色合わせになるだろう。たとえば、E. Allen, 「コンピュータカラーマッチングに使用される基本式 II.三刺激マッチ 2−コンスタント理論」"Basic equations used in computer color matching, II.Tristimulus match, two-constant theory", Journal of the Optical Society of America, Vol. 64, Issue 7, pp. 991-993, (1974)に、最大安定と最小の条件等色(metameric colot)の色整合を得るためのアプローチが見出される。
【0042】
したがって、本発明の例示の実施態様では、標準のプロセスセットの既知の印刷特性が使用できる。さらに、スポットカラーの分光特性を使用することでハイファイのカラー重ね塗りを計算できる。当業者にとって、スペクトルノイゲバウアとコンピュータ支援の色合わせアルゴリズムは周知であるが、上に示されているように、色域の拡張ハイファイプロセスカラーマッチと、同等なスポットカラーを予測することへのこれらの周知の方法の用途について説明していない。例えば、また、本発明の例示の実施態様では、説明された色合わせ方法は、ディジタルデータから組版を作るために、自動的に色分解データを提供できる。例えば、既知の分解アルゴリズムは、RGBをCMYK、CMYKOGV、CMYKRGB、ヘキサクロム(Hexachrome)またはオパルトン(Opaltone)方法にによりコンピュータで計算する。例えば、ほとんどのHiFiインクセットに分解アルゴリズムを提供する。
【0043】
図2は標準のCNYKプロセスセットへの3つのスポットカラーの追加が、そのセットから選択可能な色の色域をどう増加させるかを表現する。それを参照すれば、CMYインクに加え、図1のオレンジのスポットカラー、シアンとグリーンのほぼ中間のスポットカラー、および本質的にはマゼンダとブルーのほぼ中間の3番目のスポットカラーの3つスポットカラーが追加される。利用可能な6つの基本色を使用して、追加の色合いを達成できる。それぞれの3個の追加スポットカラーの端で約直角を含む三角形が見られる。これらの3つの三角形の中は、3つのそれぞれの追加スポットカラーを使用することで達成できる追加の色合いである。
【0044】
したがって、本発明の例示の実施態様では、当初のプロセスセットに1種以上のスポットカラーを加えることができ、重ね刷りせずにスポットカラーを印刷するだけではなく、さらに{当初プロセスセット+追加のスポットカラー}から利用可能な色合いを増加させる。本発明の好ましい例示の実施態様では、FMスクリーニングを利用することで全体のイメージを印刷できる。また、さらなる例示の実施態様では、AMスクリーニングも使用できる。AMスクリーンにはほとんど周期的なミスマッチによるモアレ効果を防ぐために、角度を有するオリエンテーションを必要とする平行線のパターンがあることに注意される。したがって、特定の角度のスクリーンでそれぞれのプレートを作成しなければならない。これは、ハーフトーンドットの完全なオーバーラップを防いで、プリンタロゼットとして知られている六角形のパッキングを作成する。FMスクリーンは推計学的であり、したがってランダムであり、それらはモワレを供しない。その結果、この技術でイメージのすべての部分を印刷できる。それは、デジタル(インクジェットまたは電子写真エンジン)のプリンタでのカラー画像印刷と同様である。あるいはまた、本発明の例示の実施態様では、AMまたはFMまたはAMとFMスクリーニングの組み合わせですべてのイメージ部を印刷することを選ぶことができる。
【0045】
本発明の例示の実施態様では、特別なスポットカラーまたはブランドカラーがロゴおよびブランドネームのためにソリッドで印刷され、ビネットがトーンスケールで印刷され、高い忠実性でカラー画像を提供しなければならない、パッケージまたは広告印刷の当業者に周知の印刷法を使用して、安定した印刷システムを提供できる。そのような例示の実施態様では、特定の印刷仕事における変化は、次の印刷作業に含まれる異なったスポットカラーを有する印刷ステーションを変えることを必要とするだけであるだろう。
【0046】
したがって、本発明の例示の実施態様では、CMYK+S1、S2、S3(後者の3つのカラーがスポットカラーである)を使用する印刷が意図するように完了され、CMYK+S1、S2、S4を必要とする次の仕事は印刷の前に最後の印刷ステーションを掃除しセットアップすることだけを必要とする。スペクトル色マッチング法によって予測されるように、例えば、S1、S2、およびS3の印刷ステーションはユニークな印刷組版を有するので、インクをCMYKと組み合わせることができる。例えば、S1+{CまたはM}、S2と{MまたはY}、S3と{CまたはY}の2つの色の重ね塗りが、イメージ中のブランドカラーおよびロゴの高い品質と色忠実度を維持しつつ、大幅な色域増大を達成するのに使用できる。
【0047】
スポットカラーをプロセスカラーに変換することにおける問題は透明性であることが注意される。一般に、それらがプロセスセットに使用されないので、ブランド色インキは透明性について厳しく試験されていない。プロセスインキは、2色の重ね塗りを形成するために、下層のカラーを示すために非常に透明でなければならない。したがって、スポットカラーがプロセスセットの一部として使用される本発明の例示の実施態様では、スポットカラーインキが重ね刷りにおける使用を容易にするために十分透明であるように作ることができる。
【0048】
さらに、位置合わせ精度に有用である。理想的なプレスは前のドットのちょうど上に1つのドットを印刷する。しかしながら、スクリーンが回転するのでそのようなことは通常起きず、その結果、第二のインクの位置はちょうど最初のインクの上にはない。他方、印刷していない基体の上に非常にビビッドなスポットカラーの小さいドットを印刷して、スポットカラーと同じ色合いを得ること、または暗色もしくはくすんだ色を得るために大きな黒色領域または補色の上に印刷することは、はるかに簡単なプロセスである。本発明の例示の実施態様では、最も生き生きとした2つの色の重ね塗りを得ることを試みるために、他の上に完全なトーンで印刷することは難しく、慎重に行われなければならない。
【0049】
スポットカラーの組とプロセスインキの選択
CMYKは国際的な基準により定義される(ISO12647、1〜7部;8および9部は依然として開発中である)。これらの標準のドキュメントはウェブヒートセット、シートフェド、コールドセット、グラビア、スクリーン、フレキソ、コントラクトプルーフィング(contract proofing)、バリデーションプルーフィング(validation proofing)、および広い形式のデジタル印刷をカバーする。それらのCMYインクは色相環を均等に分割する、すなわちYが90度、Cが225度、Mが315度になるように選択される。
しかしながら、インクのための顔料はそれらの角度のいくつかでいつも利用可能であるというわけではなく、妥協が必然である。したがって、Mは一般に360度に対してより近くにある。
【0050】
したがって、本発明の例示の実施態様では、適切なプロセスインキセットを選択することにおける目標は、例えば妥当なグレー・バランス (C+M+Y = 中立)を得ることであることができる。したがって、例えば、そのようなバランスを維持するためにインクの比率を調整するのに製版ソフトウェアを使用できる。先の図2に示したように、5番目、6番目または7番目のプロセスプライマリーインクはいくつかの追加の再現カラーを得る。この点で、CMYKに加えて{オレンジ+青}、{赤+グリーン+青}または{オレンジ+グリーン+バイオレット}を使用したHiFiカラーセットを作るための種々の公知のテクニックが存在する。これらのすべては、所望の色合いの与えられたセットについて最も適当なものとして、既存の{シアン+マゼンダ+黄色}の原色の間の差を分解するように意図される。しかしながらスポットカラーがオレンジ、グリーン、バイオレットのいずれでもない場合、本発明の例示の実施態様では、製版ソフトウェアは再調整されなければならず、スポットカラーとプロセスカラーインキの両方のカラーとトーンの特性が、再現テーブルまたはICCプロファイルで得られなければならない。本発明の例示の実施態様では、典型的なHiFiインクセットについてこの色挙動を得るためのソフトウェアが使用され、オフセットまたはフレキソ版製造するため、またはグラビアシリンダを刻むためのデジタルファイルを提供することができる。
【0051】
したがって、例えば、周知のKodak(登録商標)赤や黄色のスポットカラーのようないくつかのスポットカラー、およびいくつかのイメージを印刷する必要がある場合、本発明の例示の実施態様では、適切なプロセスセットを選ぶのにハイブリッドプロセスを使用できる。最初にスポットカラーインキを作成できる。そして次に、プロセスインキが次に周知のテクニックを使用することで実行できるグレー・バランスを維持する一貫した方法に移行できるかどうかを検討する。
【0052】
本発明は特定の実施例について説明されたが、他の多くの変化および変更、および他の用途は当業者には明らかになるであろう。したがって、本発明は本明細書に記載された具体的開示によっては何ら限定されず、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
m色のプロセスカラーとn色のスポットカラーで、合計でNの色を使用して、基体または物品に印刷イメージを形成する方法、ここでN>2、m>2、およびn>0であり、N、m、nは整数である。
【請求項2】
N>4、m>3、およびnは1以上である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
N>6、m>5、およびnは1以上である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
m色のプロセスカラーとn色のスポットカラーで、合計でNの色を使用して、基体または物品にイメージを印刷するための1組の印刷版を製造するために、印刷されるイメージを分解する方法、ここでN>2、m>2、およびn>0であり、N、m、nは整数である。
【請求項5】
N>4、m>3、およびnは1以上である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
N>6、m>5、およびnは1以上である、請求項4記載の方法。
【請求項7】
イメージが、フレキソ印刷版、ゼログラフィー、熱転移、活版印刷、直接オフセット、オフセット版、1組のグラビアシリンダ、インクジェットヘッドの配列、およびシルクスクリーン印刷用の1組のスクリーンの少なくとも1つを使用して印刷される、請求項4から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
m色のプロセスカラーとn色のスポットカラーで、合計でN色から構成された印刷イメージ、ここでN>2、m>2、およびn>0であり、N、m、nは整数である。
【請求項9】
N>4、m>3、およびnは1以上である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
N>6、m>5、およびnは1以上である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
以下を含む、基体または物品上に印刷イメージを形成する方法;
使用されるプロセスインキセットを特定すること;
使用するm色のスポットカラーを特定すること、ここでmは0よりも大きな整数である;
それぞれのm色のスポットカラーについて、プロセスインキセットのそれぞれの等価なメンバーをスポットカラーに置き換えて、置換されたカラーセットを作ること;
置換されたカラーセットの分光特性を使用して、イメージのためのカラー重ね塗りを計算すること;
計算されたカラー重ね塗りを使用してイメージを印刷すること。
【請求項12】
プロセスインキセットが標準である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
プロセスインキセットが高忠実性である、請求項11記載の方法。
【請求項14】
プロセスインキセットがCMY、CMYK、CMYKOG、およびCMYKRBGの1つである、請求項11記載の方法。
【請求項15】
以下を含む、基体または物品上に印刷イメージを形成する方法;
使用されるmのスポットカラーを特定すること、ここでmはゼロよりも大きな整数である;
使用されるプロセスインクセットを特定すること、ここでプロセスインクセットはmのスポットカラーに比較的近い要素を有する;
mスポットカラーのそれぞれに関して、プロセスインクセットのそれぞれの等価な要素をスポットカラーで置き換え、置換されたカラーセットを作ること;
置換されたカラーセットの分光特性を使用して、イメージのためのカラー重ね塗りを計算すること;および
計算されたカラー重ね塗りを使用してイメージを印刷すること。
【請求項16】
プロセスインキセットは標準であり高忠実性のものである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
プロセスインキセットがCMY、CMYK、CMYKOG、およびCMYKRBGの1つである、請求項15記載の方法。
【請求項18】
プロセスインキセットの特定が、プロセスインキセットが一貫したグレー・バランスを維持するためにシフトできることを確かめることを含んでいる、請求項15から17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
以下を含む、基体上にスポットカラーおよび/またはロゴを含むイメージを印刷する方法;
1種以上のスポットカラーを使用してスポットカラーおよび/またはロゴを印刷すること;および
オリジナルのプロセスインキセットから作られた置換されたプロセスインキセットを使用してイメージの残りを印刷すること;ここで、置換されたプロセスインキセットは1種以上のスポットインクを含む。
【請求項20】
置換されたプロセスインキセットが、オリジナルのプロセスインキセットの等価なメンバーが置き換えられた1種以上のスポットインクを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
オリジナルのプロセスインキセットがCMY、CMYK、CMYKOG、およびCMYKRBGの1つである、請求項19または20記載の方法。
【請求項22】
標準のプロセスセットの印刷特性を使用し、ハイファイのカラー重ね塗りが、スポットカラーの分光特性を使用して計算される、請求項19または20記載の方法。
【請求項23】
さらに以下を含む請求項19記載の方法;
すべてのインクの分光特性を読むこと;
イメージ中の任意の色が、デフォルトプロセスインキセットの色域から飛び出した時にカラーマネージメント方法によって同定されるかどうか決定すること;および
色域カラーから飛び出した色を、標準のプロセスセットに加えて1または2のスポットカラーを使用して処理し、プロセスセットのTVIを適用すること。
【請求項24】
すべてのインクの分光特性の読み取りが、分光光度計によって実行される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
分光光度計が45度入射束角度と0度の放射束角度のジオメトリーを有する、請求項24記載の方法。
【請求項26】
それぞれのインクの必要とされるトーンレベルが、それらの基本色に関するスペクトルノイゲバウア方程式の非線形最適法で得られる、請求項23から25のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
最小化評価基準は、2または3つの発光体のためのメタメリー指数または同時の色合わせのどちらかである、請求項26記載の方法。
【請求項28】
mのプロセスカラーとnのスポットカラーを含むNの合計色から構成された印刷イメージであって、請求項11から27のいずれか1項記載の方法により印刷されたイメージ。
【請求項29】
mのプロセスカラーインクステーションとnのスポットカラーインクステーションを含むNのインクステーションを含み、イメージが請求項1から7と11から28のいずれか1項記載の方法により印刷される、印刷システム。
【請求項30】
mのプロセスカラーとnのスポットカラーを含むNの合計色から構成される印刷イメージを含む物品であって、N>2、m>、n>0であり、N、m、およびnが整数である物品。
【請求項31】
(N、m、n)が、
N>4、m>3、およびnは1以上であるか、または
N>6、m>5、およびnは1以上である、請求項30記載の物品。
【請求項32】
スポットカラーインクが、プロセスカラーインクを上塗りするに十分透明なように配合される、請求項1から7と11から28のいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−525766(P2012−525766A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508483(P2012−508483)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/001266
【国際公開番号】WO2010/126599
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(596024024)サン・ケミカル・コーポレーション (39)
【Fターム(参考)】