説明

プロセスカートリッジおよび現像カートリッジ

【課題】小型化を図ることができながら、レイアウトの自由度を確保することができる現像カートリッジおよびプロセスカートリッジを提供すること。
【解決手段】
現像カートリッジ25は、現像剤を収容するカートリッジフレーム51と、カートリッジフレーム51の左側に設けられ、外部から回転駆動力が入力されるための現像カップリング61を被覆する駆動側ギヤカバー62と、カートリッジフレーム51の右側に設けられ、外部の検知手段に検知されるための新品検知ギヤ71を被覆する検知側ギヤカバー72とを備える。駆動側ギヤカバー62および検知側ギヤカバー72には、それぞれ、ドラムカートリッジ24の離間部材44に係合される離間係合部(第1離間係合部66、第2離間係合部76)を設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジおよび現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタとして、感光ドラムを備えるドラムカートリッジと、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラを有する現像カートリッジとを備えるプロセスカートリッジを着脱可能に備えるプリンタが知られている。
【0003】
このようなプリンタにおいて、現像カートリッジの現像ローラを、感光ドラムに対して、画像を形成するときにトナーを供給可能に近接させ、画像を形成しないときにトナーを供給不能に離間させる構成が知られている。
【0004】
例えば、現像カートリッジの左右両側面に突設される係合部を、ドラムカートリッジの左右両側に設けられる後挟持体と前挟持体とで挟持して、現像カートリッジを、感光ドラムに対して近接または離間させる構成が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0005】
この構成によれば、常には、後挟持体によって現像カートリッジの係合部を感光体ドラムへ向かって押圧して、現像カートリッジを、感光ドラムに対して近接させている。また、現像カートリッジを感光ドラムから離間させるときには、前挟持体によって、後挟持体の押圧力に抗して、現像カートリッジの係合部を感光体ドラムから離間させるように押圧している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−84647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、上記した特許文献1に記載の構成では、現像カートリッジの左右両側面に係合部を設ける必要がある。
【0008】
一般に、現像カートリッジの左右両側面には、係合部の他に、本体ケーシングからの駆動力や電力を受ける部材など、多くの部材が設けられている。
【0009】
そのため、現像カートリッジの小型化を図ろうとした場合、現像カートリッジの左右両側面に係合部を配置するためのスペースを確保することが困難であるため、現像カートリッジの設計の自由度が低くなるといった問題が起こる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、現像カートリッジの小型化を図ることができながら、現像カートリッジの設計の自由度を高めることができるプロセスカートリッジおよび現像カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記した目的を達成するために、本発明のプロセスカートリッジは、感光体を備える感光体カートリッジと、現像剤を収容する現像フレームと、感光体と対向するように現像フレームに回転可能に設けられ、現像剤を感光体に供給するための現像剤担持体とを備える現像カートリッジとを備える。
【0012】
現像カートリッジは、現像剤担持体の軸線方向において現像フレームの一方側に設けられた第1ギヤと、軸線方向において現像フレームの他方側に設けられた第2ギヤと、前記第1ギヤの少なくとも一部を被覆する第1カバー部材と、第2ギヤの少なくとも一部を被覆する第2カバー部材と、第1ギヤに駆動を伝達するために外部からの駆動力が入力されて回転するように構成される駆動入力部とを備える。
【0013】
第1カバー部材は、現像剤担持体を感光体から離間させるための第1離間係合部を有し、第2カバー部材は、現像剤担持体を感光体から離間させるための第2離間係合部を有する。
【0014】
第1離間係合部および第2離間係合部は、軸線方向に投影したときに、駆動入力部の軸線と現像剤担持体の軸線との間に配置されている。
【0015】
このような構成によれば、現像フレームに第1被係合部を設ける必要がなく、第1ギヤを被覆する第1カバー部材に第1離間係合部を設けるとともに、第2ギヤを被覆する第2カバー部材に第2離間係合部を設けることができる。
【0016】
そのため、第1カバー部材や第2カバー部材を避けて第1離間係合部および第2離間係合部を設ける場合と比べて、より効率よく、第1離間係合部および第2離間係合部を配置して、小型化を図ることができる。
【0017】
また、第1カバー部材や第2カバー部材に第1離間係合部および第2離間係合部を設けることができるので、現像カートリッジの設計の自由度を高めることができる。
(2)また、第1離間係合部および第2離間係合部は、感光体と現像剤担持体との対向方向と直交する面を有していてもよい。
【0018】
このような構成によれば、第1離間係合部および第2離間係合部の面を、現像剤担持体を感光体から離間させる方向へ押圧すれば、現像剤担持体を感光体から安定に離間させることができる。
(3)また、面は、軸線方向に投影したときに、現像剤担持体と重なってもよい。
【0019】
このような構成によれば、現像剤担持体の近傍において、面を離間方向に押圧して、現像剤担持体を感光体から離間させることができる。
【0020】
そのため、確実に、現像剤担持体を感光体から離間させることができる。
(4)また、感光体カートリッジは、現像カートリッジが着脱可能に装着される装着部と、現像カートリッジが装着部から離脱することを規制する規制部材とを備えていてもよい。この場合、第1カバー部材および/または第2カバー部材は、現像カートリッジが装着部に装着されたときに、規制部材と係合する被規制部を有していてもよい。
【0021】
このような構成によれば、第1カバー部材および/または第2カバー部材に被規制部を設けることができ、現像カートリッジの設計の自由度を、より高めることができる。
【0022】
また、第1カバー部材および/または第2カバー部材を利用して、感光体カートリッジに対する現像カートリッジの離脱を規制することができる。
(5)また、被規制部は、軸線方向に投影したときに、駆動入力部に対して第1離間係合部および/または第2離間係合部の反対側に配置されていてもよい。
【0023】
このような構成によれば、駆動入力部に対して第1離間係合部および/または第2離間係合部の反対側において、感光体カートリッジに対する現像カートリッジの離脱を規制することができる。
【0024】
そのため、現像剤担持体から比較的離れた位置において、感光体カートリッジに対する現像カートリッジの離脱を規制することができる。
(6)また、規制部材は、被規制部との係合を解除する解除操作部を有していてもよい。第1カバー部材および/または第2カバー部材は、解除操作部が操作されたときに現像カートリッジが装着部から離脱するように規制部材により押圧される被押圧部を有していてもよい。
【0025】
このような構成によれば、第1カバー部材および/または第2カバー部材に被押圧部を設けることができ、現像カートリッジの設計の自由度を、より高めることができる。
(7)また、被押圧部は、被規制部と連続されるように形成されている。
【0026】
このような構成によれば、被押圧部と被規制部とが連続されることにより、被押圧部および被規制部の強度を容易に確保することができる。
(8)また、第1カバー部材および/または第2カバー部材は、解除操作部へ案内するための案内部を有していてもよい。
【0027】
このような構成によれば、例えば、ユーザが解除操作部を操作するときに、第1カバー部材および/または第2カバー部材を利用して、ユーザの指などを解除操作部へ案内することができる。
(9)また、第1カバー部材または第2カバー部材は、規制部材との当接によって軸線方向他方へ押圧される当接部を有していてもよい。
【0028】
このような構成によれば、第1カバー部材または第2カバー部材の当接部と、規制部材との当接を利用して、現像カートリッジを軸線方向一方へ押圧し、軸線方向一方へ位置決めすることができる。
(10)また、感光体カートリッジは、現像カートリッジを感光体側に向けて押圧する押圧部を備えていてもよい。第1カバー部材および第2カバー部材は、押圧部により押圧される押圧受部を有していてもよい。
【0029】
このような構成によれば、第1カバー部材および第2カバー部材を利用して、現像剤担持体を感光体へ向かって押圧することができる。
(11)また、感光体カートリッジは、第1離間係合部および第2離間係合部に係合し、現像剤担持体を感光体から離間させる離間方向に、第1離間係合部および第2離間係合部を押圧する離間部材を備えていてもよい。
【0030】
このような構成によれば、感光体を備える感光体カートリッジに、離間部材が設けられている。
【0031】
そのため、確実に、現像カートリッジを感光体から離間させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のプロセスカートリッジおよび現像カートリッジによれば、より効率よく第1離間係合部および第2離間係合部を配置して、現像カートリッジの小型化を図ることができながら、現像カートリッジの設計の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るプロセスカートリッジを備えるプリンタの中央断面図である。
【図2】図2は、図1に示すドラムカートリッジの後上側から見た斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す現像カートリッジの左上側から見た斜視図である。
【図4】図4は、図1に示す現像カートリッジの右上側から見た斜視図である。
【図5】図5は、現像カートリッジのドラムカートリッジへの装着を説明する説明図である。
【図6】図6は、ロックレバーによる現像カートリッジの案内を説明するための説明図であって、(a)は、ロックレバーに案内される途中の現像カートリッジの左端部の拡大図、(b)は、ロックレバーに案内された後の現像カートリッジの左端部の拡大図である。
【図7】図7は、図1に示すプリンタに装着された状態のプロセスカートリッジ(接触状態)を示す左側面図である。
【図8】図8は、図1に示すプリンタに装着された状態のプロセスカートリッジ(接触状態)を示す右側面図である。
【図9】図9は、図1に示すプリンタに装着された状態のプロセスカートリッジ(離間状態)を示す左側面図である。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態に係るプロセスカートリッジの左上側から見た斜視図である。
【図11】図11は、図10に示すプロセスカートリッジにおける現像カートリッジの感光ドラムへの押圧を説明する説明図である。
【図12】図12は、本発明の第3実施形態に係る現像カートリッジの左上側から見た斜視図である。
【図13】図13は、図12に示す現像カートリッジのドラムカートリッジへの装着を説明する説明図であって、現像カートリッジの後端部の現像カートリッジ装着部への挿入が不十分であり、装着操作ガイドがドラムカートリッジの前壁に上側から当接している状態を示す。
【図14】図14は、図13に続いて、図12に示す現像カートリッジのドラムカートリッジへの装着を説明する説明図であって、現像カートリッジの後端部が、現像カートリッジ装着部に十分に装着され、装着操作ガイドがドラムカートリッジの前壁よりも後側に配置されている状態を示す。
【図15】図15は、図14に続いて、図12に示す現像カートリッジのドラムカートリッジへの装着を説明する説明図であって、ドラムカートリッジの現像カートリッジへの装着が完了した状態を示す。
【図16】図16は、図12に示す現像カートリッジのドラムカートリッジからの離脱を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、プリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラープリンタである。
【0035】
なお、以下の説明において、方向について言及する場合には、プリンタ1を水平に載置した状態を基準として、図1における紙面右側を前側とし、図1における紙面左側を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。
【0036】
プリンタ1は、略ボックス形状の本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2の上端部には、本体開口部5を開閉するトップカバー6が、その後端部を支点として揺動可能に設けられている。プリンタ1は、各色に対応する4つのプロセスカートリッジ11を備えている。
【0037】
各プロセスカートリッジ11は、本体ケーシング2に対して着脱可能であり、給紙部3の上側において、互いに前後方向に沿って間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ11K、イエロープロセスカートリッジ11Y、マゼンタプロセスカートリッジ11Mおよびシアンプロセスカートリッジ11Cが、順次配置されている。
【0038】
また、各プロセスカートリッジ11は、感光体カートリッジの一例としてのドラムカートリッジ24と、ドラムカートリッジ24に着脱可能に装着される現像カートリッジ25とを備えている。
【0039】
ドラムカートリッジ24は、感光体の一例としての感光ドラム15を備えている。
【0040】
感光ドラム15は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、ドラムカートリッジ24に回転可能に設けられている。
【0041】
現像カートリッジ25は、現像剤担持体の一例としての現像ローラ16を備えている。
【0042】
現像ローラ16は、左右方向に延びる金属製の現像ローラ軸30を備え、左右方向(軸線方向)に延び、現像カートリッジ25の後端部において後側へ露出されるように回転可能に設けられ、感光ドラム15に対して前上側から接触されている。現像ローラ16は、現像ローラ軸30の中心軸線A1(軸線の一例、図7および図8参照)を回転中心として回転される。
【0043】
また、現像カートリッジ25は、現像ローラ16にトナーを供給する供給ローラ27、現像ローラ16に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード28を備え、それらの上側には、現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
【0044】
現像カートリッジ25内のトナーは、供給ローラ27と現像ローラ16との間で正極性に摩擦帯電され、一定厚さの薄層として現像ローラ16の表面に担持される。
【0045】
一方、感光ドラム15の表面には、スコロトロン型帯電器26によって一様に帯電された後、LEDユニット12によって所定の画像データに基づいて露光されることにより、画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ16に担持されるトナーが感光ドラム15の表面上の静電潜像に供給されることにより、感光ドラム15の表面上にトナー像(現像剤像)が担持される。
【0046】
用紙Sは、本体ケーシング2の底部に設けられる給紙トレイ7内に収容されており、ピックアップローラ8、給紙ローラ9、および、1対のレジストローラ10によって、後上側へUターンするように搬送されて、所定のタイミングで1枚ずつ、感光ドラム15と搬送ベルト19との間に給紙され、搬送ベルト19によって、各感光ドラム15と各転写ローラ20との間を前側から後側に向かって搬送される。このとき、用紙Sに、各色のトナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。
【0047】
そして、用紙Sは、加熱ローラ21と加圧ローラ22との間を通過するときに加熱および加圧される。このとき、用紙Sには、カラー画像が熱定着される。
【0048】
その後、用紙Sは、前上側へUターンするように搬送されて、トップカバー6に設けられる排紙トレイ23に排紙される。
2.プロセスカートリッジ
(1)ドラムカートリッジ
(1−1)ドラムフレーム
以下、ドラムカートリッジ24の説明において、方向について言及するときには、ドラムカートリッジ24の下壁35が下側となるように水平面に載置した状態(図2参照)を基準とし、感光ドラム15が配置されている側をドラムカートリッジ24の後側とする。
【0049】
ドラムカートリッジ24は、図2に示すように、略矩形有底枠形状に形成されるドラムフレーム31を備えている。
【0050】
ドラムフレーム31は、左右1対の側壁32、両側壁32の前端部間に架設される前壁33、両側壁32の下端部間に架設される下壁35、および、両側壁32の後端部間の上方に架設される上壁34を備えている。
【0051】
両側壁32は、前後方向(詳しくは、前上側と後下側とを結ぶ方向)に延びる側面視略矩形状に形成されている。
【0052】
前壁33は、左右方向に延びる略平板形状に形成されている。また、前壁33には、2つの押圧部材収容部48が形成され、各押圧部材収容部48内に1つずつ押圧部材49が設けられている。
【0053】
各押圧部材収容部48は、前壁33の左右方向両端部にそれぞれ設けられ、前壁33の後面から前側へ凹むように、正面視略矩形状に形成されている。
【0054】
各押圧部材49は、正面視略矩形の角柱形状に形成されており、常には、付勢部材50(図7参照)により、押圧部材収容部48から後側(図7では後下側)へ進出するように付勢されている。
【0055】
下壁35は、前壁33の下端部に連続して、前後左右に延びる略平板形状に形成されている。
【0056】
上壁34は、左右方向に延びる略平板形状に形成され、感光ドラム15を上側から被覆するように設けられている。また、上壁34には、スコロトロン型帯電器26が支持されている。
【0057】
また、ドラムフレーム31において、下壁35の前側半分と、その下壁35の前側半分に対応する両側壁32および前壁33と、上壁34の前端縁とによって、現像カートリッジ25を装着するための装着部の一例としての現像カートリッジ装着部36が区画されている。
(1−2)ロックレバー
ドラムカートリッジ24の現像カートリッジ装着部36の前端部内には、左側の側壁32の右側(左右方向内側)に、現像カートリッジ25を装着状態にロックする規制部材の一例としてのロックレバー38が設けられている。
【0058】
ロックレバー38は、回動軸40と、回動軸40から上側へ延びる解除操作部41と、回動軸40から後下側へ延びるリフト部42とを一体的に備えている。
【0059】
回動軸40は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
【0060】
解除操作部41は、回動軸40から上側へ向かって、左側の側壁32の上端縁よりも上側へ延びる略杆形状に形成されている。また、解除操作部41の上端部には、左右方向に延びる略平板形状の規制部43が設けられている。規制部43の右端部は、現像カートリッジ25のドラムカートリッジ24への着脱軌跡内に進出するように(図6(a)参照)、回動軸40の右端部よりも右側へ突出されている。
【0061】
リフト部42は、回動軸40から後下側へ向かって延びる略杆形状に形成されている。
【0062】
そして、ロックレバー38は、回動軸40の左端部において、左側の側壁32に回動可能に支持されている。
【0063】
ロックレバー38は、解除操作部41が起立されるロック位置(図2参照)と、ロック位置から右側面視反時計回りに回動されて、解除操作部41が前側に傾倒されるロック解除位置(図示せず)とに、回動軸40を支点として回動される。
【0064】
また、ロックレバー38は、図示しない付勢部材により、常には、ロック位置に配置されるように、右側面視時計回りに付勢されている。
(1−3)離間部材
図2および図5に示すように、ドラムカートリッジ24の現像カートリッジ装着部36の後端部には、両側壁32の左右方向外側に1つずつ、離間部材の一例としての離間部材44が設けられている。
【0065】
両離間部材44は、回動軸45と、被当接部46と、押圧部47とを一体的に備えている。
【0066】
回動軸45は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。
【0067】
被当接部46は、回動軸45の下側部分から下方へ延びる略平板形状に形成され、その下側部分が前方へ向かって屈曲するように形成されている。
【0068】
押圧部47は、回動軸45の上側部分から上方へ延びる略平板形状に形成され、その上側側部分が前方へ向かって屈曲するように形成されている。
【0069】
そして、両離間部材44は、回動軸45において、側壁32に回動可能に支持されている。
【0070】
両離間部材44は、押圧部47が前側へ進出する押圧位置(図9参照、図9では前上側)と、押圧部47が後側に退避される押圧解除位置(図7参照、図7では後下側)とに、回動軸45を支点として回動される。
(2)現像カートリッジ
以下、現像カートリッジ25の説明において、方向について言及する場合には、現像カートリッジ25の下壁58が下側となるように水平面に載置した状態(図3参照)を基準とし、現像ローラ16が支持されている側を現像カートリッジ25の後側とし、層厚規制ブレード28が支持されている側を上側とする。
【0071】
現像カートリッジ25は、図3および図4に示すように、現像フレームの一例としてのカートリッジフレーム51と、カートリッジフレーム51の左側に配置される駆動ユニット52と、カートリッジフレーム51の右側に配置される検知ユニット53とを備えている。
(2−1)カートリッジフレーム
カートリッジフレーム51は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されている。カートリッジフレーム51は、カートリッジフレーム51の下側を構成する第1フレーム54と、カートリッジフレーム51の上側を構成する第2フレーム55とを備えている。
【0072】
第1フレーム54は、左右1対の側壁56と、前壁57と、下壁58とを一体的に備え、上側および後側に向かって開放される有底枠形状に形成されている。なお、以下の説明において、左側の側壁56を左壁56Lとし、右側の側壁56を右壁56Rとする。
【0073】
両側壁56は、上下前後に延びる側面視略矩形状に形成され、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0074】
前壁57は、左右方向に延び、両側壁56の前端部間に架設されている。
【0075】
下壁58は、左右方向に延び、前壁57の下端部に連続するように、両側壁56の下端部間に架設されている。
【0076】
第2フレーム55は、両側壁56の前側部分および前側57の上端部に連結され、平面視略矩形の平板形状に形成されている。第2フレーム55の後端部には、層厚規制ブレード28が、現像ローラ16に上側から接触されるように配置されている。
(2−2)駆動ユニット
駆動ユニット52は、図3および図5に示すように、現像カップリング61および第1カバー部材の一例としての駆動側ギヤカバー62を備えている。
【0077】
現像カップリング61は、左壁56Lに回転可能に支持されており、駆動入力部の一例としてのカップリング部60と、第1ギヤの一例としてのギヤ部64とを一体的に備えている。現像カップリング61は、カップリング部60の中心軸線A2(図7および図8参照)を回転中心として回転される。
【0078】
カップリング部60は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。カップリング部60の左側面には、結合凹部63が形成されている。
【0079】
結合凹部63は、カップリング部60の左面から右側へ凹むように、カップリング部60の径方向に延び、その径方向中央が幅狭な側面視略長穴形状に形成されている。結合凹部63には、現像カートリッジ25が本体ケーシング2内に装着された状態で、本体ケーシング2内に備えられる本体カップリング(図示せず)の先端が相対回転不能に挿入され、本体カップリング(図示せず)を介して、本体ケーシング2から回転駆動力が入力される。
【0080】
ギヤ部64は、カップリング部60の右端部において、外周面の全周にわたって設けられている。ギヤ部64は、図示しないギヤ列を介して、現像ローラ16および供給ローラ27に回転駆動力を伝達する。
【0081】
駆動側ギヤカバー62は、左右方向に延び、左端部が閉鎖された略角筒形状に形成されている。駆動側ギヤカバー62は、現像カートリッジ25の左壁56Lとほぼ同じサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)に形成されている。
【0082】
駆動側ギヤカバー62には、カップリングカラー65と、第1離間係合部66と、ロックレバー作用部67と、当接部の一例としてのガイド部68とが設けられている。
【0083】
カップリングカラー65は、駆動側ギヤカバー62の前後方向略中央の左壁から左側へ突出する略円筒形状に形成されている。なお、カップリングカラー65の右端部は、駆動側ギヤカバー62内に連通されている。
【0084】
第1離間係合部66は、カップリングカラー65の後端部から後側へ向かって突出し、左右方向に延びる突条として形成されている。第1離間係合部66は、左右方向に投影したときに、第1離間係合部66の後面91が現像ローラ16と重なるように、カップリング部60の中心軸線A2と現像ローラ16の中心軸線A1との間に配置されている(図7参照)。第1離間係合部66の後面91(面の一例、図7参照)は、上下方向(図7において後上側と前下側とを結ぶ方向)に延びる平面であり、感光ドラム15と現像ローラ16との対向方向(図7において後下側と前上側とを結ぶ方向)と直交している。
【0085】
ロックレバー作用部67は、被押圧部の一例としての被押圧部69と、被規制部の一例としての被規制部70とを一体的に備えている。
【0086】
被押圧部69は、カップリングカラー65の前側に連続して、駆動側ギヤカバー62の左面から左側へ突出し、前後方向に延びる突条として形成されている。
【0087】
被規制部70は、被押圧部69の前端部に連続して、駆動側ギヤカバー62の左面から左側へ突出し、前上側へ向かって延びる突条として形成されている。
【0088】
ガイド部68は、被規制部70の後側部分の下側に間隔を隔てて設けられ、駆動側ギヤカバー62の左面から左側へ膨出する略楔形状に形成されている。ガイド部68の下面77は、左方へ向かうに従って上方へ傾斜している。
【0089】
そして、駆動側ギヤカバー62は、カップリングカラー65内に現像カップリング61の左端部が嵌合されるように、左壁56Lにねじ止めされている。なお、結合凹部63は、カップリングカラー65の左端部から露出されている。
(2−3)検知ユニット
検知ユニット53は、図4に示すように、第2ギヤの一例としての新品検知ギヤ71、および、第2カバー部材の一例としての検知側ギヤカバー72を備えている。
【0090】
新品検知ギヤ71は、右壁56Rに回転可能に支持されており、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。新品検知ギヤ71は、被検知端部73を一体的に備えている。
【0091】
被検知端部73は、新品検知ギヤ71の右端部に設けられている。被検知端部73は、被検知部74と、連結部75とを備えている。
【0092】
被検知部74は、新品検知ギヤ71の径方向両端部に1つずつ設けられ、左右方向に延びる略柱形状に形成されている。
【0093】
連結部75は、両被検知部74の右端部を連結する側面視略菱形の平板形状に形成されている。
【0094】
新品検知ギヤ71には、現像カップリング61から図示しないギヤ列を介して回転駆動力が伝達される。これにより、新品検知ギヤ71は、現像カートリッジ25が新品(未使用)の状態で本体ケーシング2に装着された後、所定の駆動量で回転される。このとき、各被検知部74が本体ケーシング2の検知手段(図示せず)に検知され、その検知に基づいて、本体ケーシング2において、現像カートリッジ25の新旧および仕様に関する情報が判断される。
【0095】
検知側ギヤカバー72は、左右方向に延び、右端部が閉鎖された略角筒形状に形成されている。検知側ギヤカバー72は、新品検知ギヤ71を被覆可能なサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)に形成されている。
【0096】
また、検知側ギヤカバー72には、新品検知ギヤ露出開口78が形成されている。また、検知側ギヤカバー72は、第2離間係合部76を備えている。
【0097】
新品検知ギヤ露出開口78は、検知側ギヤカバー72の前後方向略中央の右壁において、新品検知ギヤ71の被検知端部73を露出させるように、側面視略円形状に貫通形成されている。
【0098】
第2離間係合部76は、検知側ギヤカバー72の後端部から後側へ向かって突出し、左右方向に延びる突条として形成されている。第2離間係合部76は、左右方向に投影したときに、第2離間係合部76の後面92が現像ローラ16と重なるように、カップリング部60の中心軸線A2と現像ローラ16の中心軸線A1との間に配置されている(図8参照)。第2離間係合部76の後面92(面の一例、図8参照)は、第1離間係合部66の後面91と同様に、上下方向(図8において後上側と前下側とを結ぶ方向)に延びる平面であり、感光ドラム15と現像ローラ16との対向方向(図8において後下側と前上側とを結ぶ方向)と直交している。
【0099】
そして、検知側ギヤカバー72は、新品検知ギヤ露出開口78を介して新品検知ギヤ71の被検知端部73を露出させるように、右壁56Rにねじ止めされている。
3.現像カートリッジのドラムカートリッジに対する着脱
本体ケーシング2にプロセスカートリッジ11を装着するには、まず、ドラムカートリッジ24に現像カートリッジ25を装着する。
【0100】
ドラムカートリッジ24に現像カートリッジ25を装着するには、図5に示すように、現像カートリッジ25の後端部を、現像カートリッジ装着部36の後端部内に挿入する。
【0101】
すると、現像ローラ16が感光ドラム15に対して前側から接触される。また、ガイド部68が、ロックレバー38の規制部43の上に対向される。
【0102】
次いで、現像カートリッジ25を、その後端部を支点として、その前端部を左側面視時計回り方向に回動させるように、現像カートリッジ25の前端部を現像カートリッジ装着部36の前端部内に押し込む。
【0103】
すると、図6(a)に示すように、現像カートリッジ25のガイド部68の下面77が、ロックレバー38の規制部43の右端部に上側から当接する。
【0104】
そして、さらに現像カートリッジ25の前端部を現像カートリッジ装着部36の前端部内に押し込むと、現像カートリッジ25は、ガイド部68の下面77の傾斜に沿って、右方へ案内されながら、現像カートリッジ装着部36の前端部内に押し込まれる。
【0105】
同時に、ロックレバー38は、現像カートリッジ25のガイド部68によって前側へ押圧されて、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、左側面視時計回りに回動される。
【0106】
そして、さらに現像カートリッジ25の前端部を現像カートリッジ装着部36の前端部内に押し込むと、図6(b)に示すように、ガイド部68がロックレバー38の右前側を通過するように、現像カートリッジ25が現像カートリッジ装着部36内に完全に収容される。
【0107】
現像カートリッジ25が現像カートリッジ装着部36内に完全に収容されると、ロックレバー38に対するガイド部68の当接が解除される。
【0108】
これにより、ロックレバー38は、付勢部材(図示せず)の付勢力により、左側面視反時計回りに回動されて、再びロック位置に配置される。
【0109】
すると、ロックレバー38の規制部43は、現像カートリッジ25の被規制部70に上側から対向される。ロックレバー38の規制部43は、現像カートリッジ25が左側面視反時計周りへ回動されると、現像カートリッジの被規制部70と係合され、現像カートリッジ25のそれ以上の左側面視反時計周りへの回動を規制する。これにより、ロックレバー38は、ドラムカートリッジ24に対する現像カートリッジ25の離脱を規制する。
【0110】
また、ロックレバー38がロック位置に配置されると、ロックレバー38のリフト部42は、現像カートリッジ25の被押圧部69の下側に対向される。
【0111】
また、現像カートリッジ25が現像カートリッジ装着部36内に完全に収容されると、図7に示すように、現像カートリッジ25の前壁57に、押圧部材49が前側(図7では、前上側)から当接される。これにより、現像カートリッジ25は、常には、押圧部材49を付勢する付勢部材50の付勢力によって後側(図7では、後下側)へ押圧される。
【0112】
また、駆動側ギヤカバー62の第1離間係合部66、および、検知側ギヤカバー72の第2離間係合部76が、対応する離間部材44の前側(図7では、前上側)に対向される。
【0113】
次に、ドラムカートリッジ24から現像カートリッジ25を離脱させる動作について説明する。ドラムカートリッジ24から現像カートリッジ25を離脱させるには、まず、ロックレバー38の解除操作部41を押圧して、ロックレバー38を、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、左側面視時計回りに回動させ、ロック解除位置(図示せず)に位置させる。
【0114】
すると、ロックレバー38の規制部43が、現像カートリッジ25の被規制部70の上側から前側に退避されるとともに、ロックレバー38のリフト部42により、現像カートリッジ25の被押圧部69が下側から上側へ向かって押圧される。
【0115】
これにより、現像カートリッジ25の前端部が、ドラムカートリッジ24の現像カートリッジ装着部36から上側へ持ち上げられる。
【0116】
そして、現像カートリッジ25の前端部を把持して、現像カートリッジ25をドラムカートリッジ24の現像カートリッジ装着部36から上側へ離脱させる。
【0117】
これにより、ドラムカートリッジ24からの現像カートリッジ25の離脱が完了する。
【0118】
そして、本体ケーシング2にプロセスカートリッジ11を装着するには、図1に示すように、トップカバー6を開放して、プロセスカートリッジ11を、本体ケーシング2内の所定の位置において、その後側がプリンタ1の後下側、その前側がプリンタ1の前上側となるように、上側から装着する。
【0119】
これにより、プロセスカートリッジ11の本体ケーシング2への装着が完了する。
4.現像カートリッジの感光ドラムからの離間
プリンタ1では、カラーの画像を印刷するときには、各現像カートリッジ25の現像ローラ16は、すべて、対応する感光ドラム15に接触されている(図1参照)。
【0120】
一方、モノクロ(黒色)の画像を印刷するときには、ブラックプロセスカートリッジ11Kにおいて現像ローラ16を感光ドラム15に接触させるとともに、カラーのプロセスカートリッジ11(イエロープロセスカートリッジ11Y、マゼンタプロセスカートリッジ11Mおよびシアンプロセスカートリッジ11C)において、現像ローラ16を感光ドラム15から離間させる。
【0121】
現像ローラ16を感光ドラム15から離間させるには、図7および図8に示すように、本体ケーシング2内に設けられる本体側レバー81により、左右両方の離間部材44の被当接部46を後側へ押圧する。
【0122】
すると、両離間部材44が左側面視時計周り方向に回動され、両離間部材44の押圧部47が、それぞれ、駆動側ギヤカバー62の第1離間係合部66、または、検知側ギヤカバー72の第2離間係合部76に後側から当接される。
【0123】
そして、両離間部材44が左側面視時計周り方向にさらに回動されると、図9に示すように、押圧部材49の押圧力に抗して、現像カートリッジ25が前側(離間方向)に移動される。
【0124】
これにより、現像ローラ16が感光ドラム15から離間される。
5.作用効果
(1)このプロセスカートリッジ11によれば、図3および図4に示すように、現像カートリッジ25の駆動側ギヤカバー62および検知側ギヤカバー72が、それぞれ、ドラムカートリッジ24の離間部材44に係合される離間係合部(第1離間係合部66、第2離間係合部76)を備えている。
【0125】
そのため、駆動側ギヤカバー62や検知側ギヤカバー72を避けてカートリッジフレーム51に離間係合部を設ける必要がなく、より効率よく、第1離間係合部66および第2離間係合部76を配置して、現像カートリッジ25の小型化を図ることができる。
【0126】
また、駆動側ギヤカバー62に第1離間係合部66を設けるとともに、検知側ギヤカバー72に第2離間係合部76を設けることができるので、現像カートリッジ25の設計の自由度を高めることができる。
(2)また、このプロセスカートリッジ11によれば、図7および図8に示すように、第1離間係合部66および第2離間係合部76は、感光ドラム15と現像ローラ16との対向方向(図7および図8において前上側と後上側とを結ぶ方向)と直交する後面(後面91、後面92)を有していている。
【0127】
そのため、第1離間係合部66の後面91、および、第2離間係合部76の後面92を、前上側(現像ローラ16を感光ドラム15から離間させる方向)へ安定に押圧することができ、現像ローラ16を感光ドラム15から安定に離間させることができる。
(3)また、このプロセスカートリッジ11によれば、図7および図8に示すように、第1離間係合部66の後面91、および、第2離間係合部76の後面92は、左右方向に投影したときに、現像ローラ16と重なっている。
【0128】
そのため、現像ローラ16の近傍において、第1離間係合部66の後面91、および、第2離間係合部76の後面92を前上側に押圧して、現像ローラ16を感光ドラム15から離間させることができる。
【0129】
そのため、確実に、現像ローラ16を感光ドラム15から離間させることができる。
(4)また、このプロセスカートリッジ11によれば、図5に示すように、駆動側ギヤカバー62に、ドラムカートリッジ24のロックレバー38の規制部43に係合される被規制部70が設けられている。
【0130】
そのため、現像カートリッジ25の設計の自由度をより高めることができながら、駆動側ギヤカバー62を利用して、現像カートリッジ25のドラムカートリッジ24からの離脱を規制することができる。
(5)また、このプロセスカートリッジ11によれば、図7および図8に示すように、被規制部70は、左右方向に投影したときに、現像カップリング61に対して前側に配置されている。
【0131】
そのため、現像ローラ16から前側へ比較的離れた位置において、現像カートリッジ25のドラムカートリッジ24からの離脱を規制することができる。
(6)また、このプロセスカートリッジ11によれば、図5に示すように、駆動側ギヤカバー62に、ドラムカートリッジ24のロックレバー38のリフト部42によって押圧される被押圧部69が設けられている。
【0132】
そのため、現像カートリッジ25の設計の自由度をより高めることができながら、駆動側ギヤカバー62を利用して、現像カートリッジ25のドラムカートリッジ24から持ち上げることができる。
(7)また、このプロセスカートリッジ11によれば、図5に示すように、被押圧部69と被規制部70とを連続することにより、被押圧部69および被規制部70の強度を容易に確保することができる。
(8)また、このプロセスカートリッジ11によれば、図5に示すように、駆動側ギヤカバー62には、ドラムカートリッジ24のロックレバー38に当接されて右側へ押圧されるガイド部68が設けられている。
【0133】
そのため、駆動側ギヤカバー62のガイド部68と、ロックレバー38との当接を利用して、現像カートリッジ25を右側へ押圧し、現像カートリッジ25をドラムカートリッジ24の右側へ位置決めすることができる。
(9)また、このプロセスカートリッジ11によれば、図7および図8に示すように、ドラムカートリッジ24は、第1離間係合部66および第2離間係合部76を前上側(現像ローラ16を感光ドラム15から離間させる方向)へ押圧する離間部材44を備えている。
【0134】
そのため、確実に、現像カートリッジ25を感光ドラム15から離間させることができる。
6.第2実施形態
図10および図11を参照して、第2実施形態のプリンタ1を説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0135】
上記した第1実施形態では、現像カートリッジ25の前壁57に、押圧部材49を前側から当接させて、現像カートリッジ25を後側へ向かって押圧したが、第2実施形態では、図10および図11に示すように、駆動側ギヤカバー62の前端部、および、検知側ギヤカバー72の前端部に、押圧部材49を前側から当接させて、現像カートリッジ25を後側へ向かって押圧する。
【0136】
詳しくは、各押圧部材49は、駆動側ギヤカバー62および検知側ギヤカバー72に前側から対向されるように、前壁33の左右方向両端部において、押圧部材収容部48内に収容されている。
【0137】
また、駆動側ギヤカバー62は、前側下端部が側面視略円弧形状の略角筒形状に形成されている。
【0138】
また、検知側ギヤカバー72は、その前端部が、左右方向に投影したときにカートリッジフレーム51の前端部とほぼ同形状に形成されている。詳しくは、検知側ギヤカバー72は、左右方向に投影したときにカートリッジフレーム51の前端部を被覆するようなサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)で、前側下端部が側面視略円弧形状の略角筒形状に形成されている。
【0139】
そして、現像カートリッジ25がドラムカートリッジ24に装着された状態において、駆動側ギヤカバー62および検知側ギヤカバー72の前側下端部(側面視略円弧形状の部分)に、押圧部材49が前側から当接される。これにより、現像カートリッジ25は、常には、押圧部材49を付勢する付勢部材50の付勢力によって後側へ押圧される。
【0140】
つまり、駆動側ギヤカバー62および検知側ギヤカバー72の前側下端部(側面視略円弧形状の部分)は、押圧部材49によって現像ローラ16が感光ドラム15に接触される方向に押圧され、押圧受部として作用する。
【0141】
第2実施形態によれば、駆動側ギヤカバー62および検知側ギヤカバー72を利用して、現像ローラ16を感光ドラム15へ向かって押圧することができる。
【0142】
また、第2実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
7.第3実施形態
図12〜図16を参照して、第3実施形態のプリンタ1を説明する。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0143】
第3実施形態では、図12に示すように、駆動側ギヤカバー62に、ユーザによる現像カートリッジ25のドラムカートリッジ24への装着操作を案内する装着操作ガイド96と、ユーザによる現像カートリッジ25のドラムカートリッジ24からの離脱操作を案内する3つの案内部の一例としての離脱操作ガイド97とを備える。
【0144】
装着操作ガイド96は、駆動側ギヤカバー62の前端部の右端部において、前面から前側へ向かって突出する側面視略三角形の平板形状に形成されている。装着操作ガイド96の下面98は、前後方向に沿って延びる側面視略直線形状に形成されている。
【0145】
また、ドラムカートリッジ24の前壁33には、その後面において、装着操作ガイド96が収容される装着操作ガイド収容開口99が貫通形成されている。
【0146】
装着操作ガイド収容開口99は、現像カートリッジ25のドラムカートリッジ24への装着操作における装着操作ガイド96の移動軌跡(図14仮想線参照)に対応して、上下方向に延び、上下両端部が閉鎖されている。
【0147】
各離脱操作ガイド97は、駆動側ギヤカバー62の前端部の上端部において、左面から左側へ向かって突出する正面視略三角形の平板形状に形成され、互いに前後方向(詳しくは、図12において前上側と後下側とを結ぶ方向)に間隔を隔てて並列配置されている。
【0148】
そして、ドラムカートリッジ24に現像カートリッジ25を装着するには、上記した第1実施形態と同様に、現像カートリッジ25の後端部を、現像カートリッジ装着部36の後端部内に挿入する。
【0149】
ここで、図13に示すように、現像カートリッジ25の後端部の現像カートリッジ装着部36への挿入が不十分であると、装着操作ガイド96が、ドラムカートリッジ24の前壁33に上側から当接する。
【0150】
すると、現像カートリッジ25の前端部のそれ以上の現像カートリッジ装着部36内への下側への移動が規制される。
【0151】
これにより、ユーザは、現像カートリッジ25のドラムカートリッジ24への装着操作をそれ以上進めることができず、現像カートリッジ25の後端部の現像カートリッジ装着部36への挿入が不十分であることに気付く。
【0152】
そして、現像カートリッジ25の後端部を現像カートリッジ装着部36へ十分に挿入すると、現像ローラ16が感光ドラム15に対して前側から接触される。また、図14に示すように、装着操作ガイド96がドラムカートリッジ24の前壁33よりも後側に配置される。
【0153】
次いで、上記した第1実施形態と同様に、現像カートリッジ25を、その後端部を支点として、その前端部を左側面視時計回り方向に回動させるように、現像カートリッジ25の前端部を現像カートリッジ装着部36の前端部内に押し込む。
【0154】
すると、上記し、図15に示すように、現像カートリッジ25が現像カートリッジ装着部36内に完全に収容される。このとき、装着操作ガイド96の前端部は、装着操作ガイド収容開口99内に収容される。
【0155】
これにより、ドラムカートリッジ24の現像カートリッジ25への装着が完了する。
【0156】
また、ドラムカートリッジ24から現像カートリッジ25を離脱させるには、上記した第1実施形態と同様に、ロックレバー38の解除操作部41を押圧して、ロックレバー38を、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、左側面視時計回りに回動させ、ロック解除位置(図示せず)に位置させる。
【0157】
このとき、図16に示すように、ユーザが、離脱操作ガイド97に沿って、指100を上側から下側へ移動させると、指100が離脱操作ガイド97の傾斜に沿って、ロックレバー38の解除操作部41に案内される。
【0158】
これにより、上記したように、ロックレバー38の規制部43が、現像カートリッジ25の被規制部70の上側から前側に退避されるとともに、ロックレバー38のリフト部42により、現像カートリッジ25の被押圧部69が下側から上側へ向かって押圧されて、現像カートリッジ25の前端部が、ドラムカートリッジ24の現像カートリッジ装着部36から上側へ持ち上げられる。
【0159】
そして、現像カートリッジ25の前端部を把持して、現像カートリッジ25をドラムカートリッジ24の現像カートリッジ装着部36から上側へ離脱させる。
【0160】
これにより、ドラムカートリッジ24からの現像カートリッジ25の離脱が完了する。
【0161】
第3実施形態によれば、ユーザが解除操作部41を操作するときに、駆動側ギヤカバー62を利用して、ユーザの指100を解除操作部41へ案内することができる。
【0162】
また、第3実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0163】
11 プロセスカートリッジ
15 感光ドラム
16 現像ローラ
24 ドラムカートリッジ
25 現像カートリッジ
31 ドラムフレーム
38 ロックレバー
44 離間部材
49 押圧部材
51 カートリッジフレーム
60 カップリング部
62 駆動側ギヤカバー
64 ギヤ部
66 第1離間係合部
68 ガイド部
69 被押圧部
70 被規制部
71 新品検知ギヤ
72 検知側ギヤカバー
76 第2離間係合部
91 後面
92 後面
97 離脱操作ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体を備える感光体カートリッジと、
現像剤を収容する現像フレームと、前記感光体と対向するように前記現像フレームに回転可能に設けられ、現像剤を前記感光体に供給するための現像剤担持体と、を備える現像カートリッジと、を備えるプロセスカートリッジであって、
前記現像カートリッジは、
前記現像剤担持体の軸線方向において前記現像フレームの一方側に設けられた第1ギヤと、
前記軸線方向において前記現像フレームの他方側に設けられた第2ギヤと、
前記現像剤担持体を前記感光体から離間させるための第1離間係合部を有し、前記第1ギヤの少なくとも一部を被覆する第1カバー部材と、
前記現像剤担持体を前記感光体から離間させるための第2離間係合部を有し、前記第2ギヤの少なくとも一部を被覆する第2カバー部材と、
前記第1ギヤに駆動を伝達するために外部からの駆動力が入力されて回転するように構成される駆動入力部と、を備え、
前記第1離間係合部および前記第2離間係合部は、前記軸線方向に投影したときに、前記駆動入力部の軸線と前記現像剤担持体の軸線との間に配置されていることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記第1離間係合部および前記第2離間係合部は、前記感光体と前記現像剤担持体との対向方向と直交する面を有することを特徴とする、請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記面は、前記軸線方向に投影したときに、前記現像剤担持体と重なることを特徴とする、請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記感光体カートリッジは、前記現像カートリッジが着脱可能に装着される装着部と、前記現像カートリッジが前記装着部から離脱することを規制する規制部材と、を備え、
前記第1カバー部材および/または前記第2カバー部材は、前記現像カートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記規制部材と係合する被規制部を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記被規制部は、前記軸線方向に投影したときに、前記駆動入力部に対して前記第1離間係合部および/または前記第2離間係合部の反対側に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記規制部材は、前記被規制部との係合を解除する解除操作部を有し、
前記第1カバー部材および/または前記第2カバー部材は、前記解除操作部が操作されたときに前記現像カートリッジが前記装着部から離脱するように前記規制部材により押圧される被押圧部を有することを特徴とする請求項4または5に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記被押圧部は、前記被規制部と連続されるように形成されていることを特徴とする、請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記第1カバー部材および/または前記第2カバー部材は、前記解除操作部へ案内するための案内部を有することを特徴とする、請求項6または7に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記第1カバー部材または前記第2カバー部材は、前記規制部材との当接によって前記軸線方向他方へ押圧される当接部を有することを特徴とする、請求項4〜8のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記感光体カートリッジは、前記現像カートリッジを前記感光体側へ向けて押圧する押圧部を備え、
前記第1カバー部材および前記第2カバー部材は、前記押圧部により押圧される押圧受部を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
前記感光体カートリッジは、前記第1離間係合部および前記第2離間係合部に係合し、前記現像剤担持体を前記感光体から離間させる離間方向に、前記第1離間係合部および前記第2離間係合部を押圧する離間部材を備えることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
現像剤を収容する現像フレームと、感光体と対向するように前記現像フレームに回転可能に設けられ、現像剤を前記感光体に供給するための現像剤担持体と、を備える現像カートリッジと、を備えるプロセスカートリッジであって、
前記現像剤担持体の軸線方向において前記現像フレームの一方側に設けられた第1ギヤと、
前記軸線方向において前記現像フレームの他方側に設けられた第2ギヤと、
前記現像剤担持体を前記感光体から離間させるための第1離間係合部を有し、前記第1ギヤの少なくとも一部を被覆する第1カバー部材と、
前記現像剤担持体を前記感光体から離間させるための第2離間係合部を有し、前記第2ギヤの少なくとも一部を被覆する第2カバー部材と、
前記第1ギヤに駆動を伝達するために外部からの駆動力が入力されて回転するように構成される駆動入力部と、を備え、
前記第1離間係合部および前記第2離間係合部は、前記軸線方向に投影したときに、前記駆動入力部の軸線と前記現像剤担持体の軸線との間に配置されていることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項13】
前記第1離間係合部および前記第2離間係合部は、前記感光体と前記現像剤担持体との対向方向と直交する面を有することを特徴とする、請求項12に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項14】
前記面は、前記軸線方向に投影したときに、前記現像剤担持体と重なることを特徴とする、請求項13に記載のプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−54058(P2013−54058A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190037(P2011−190037)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】