説明

プロセスチャネル内の流れを制御する流れ配送チャネル

本発明は、マイクロチャネルのアレイに対する流れを制御するために使用可能な機能を記述する。本発明はまた、プロセスストリームが複数のマイクロチャネルに分配される方法を記述する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府の権利
本発明は、米国エネルギー省が授与した契約DE-FE36-04GO14271下にて政府のサポートによりなされた。政府は、本発明にある権利を有する。
関連出願
35U.S.C.sect.119(e)に従い、本出願は、2006年4月25日付け出願の仮特許出願シリアル第60/745,614号に対する優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、マイクロチャネルデバイス内の流れ制御に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのマイクロチャネルデバイスは、多数の平面の平行プロセスマイクロチャネルを含む。一つ又は複数のマニホルドからこれらの平行プロセスマイクロチャネル内への流れを制御することは、マイクロチャネルデバイスの機能を高める主要な課題であった。平行プロセスマイクロチャネル内の流れを制御する(典型的には流れを一様にする)技術の例は、米国公開特許出願第2005/0087767号及び第2006/0275185号にFitzgerald(フィッツジェラルド)等より記述されている。これら両出願は、以下に完全に複写されるようにここに組み込まれる。これらの刊行物は、流れを制御するための非常に有益な技術を提供するが、より簡易なデバイス、又は、条件の範囲下でより大きい製造公差(許容誤差)もしくはより大きい操作性を持っての使用に適したデバイスが望まれ得る場合が依然としてある。
【0003】
先行技術、例えば米国特許第6,845,787号は、マイクロチャネルを通じて流れを分割して再結合させる混合デバイスの多数の例を含む。
【特許文献1】米国公開特許出願第2005/0087767号
【特許文献2】米国公開特許出願第2006/0275185号
【特許文献3】米国特許第6,845,787号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術、例えば米国特許第6,845,787号等の特許は、平行プロセスチャネルのアレイ内へとマニホルドからの流れを制御するための適切な手段を提供しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マイクロチャネル反応器、分離器及び他の単位操作における流れ配送(分配)は、何十もしくは数百もしくは数千のチャネルに対して十分に均一な流れ配送を要求し得る。この十分に均一な流れ配送は、一般に、30%未満、又は20%未満、又はより好ましくは10%未満、又は最も好ましくは5%未満、又は更に1%以下の品質指数によって特徴付けられ、該流れ配送を実現するため、流れ配送機能(流れ配送チャネル(FDC)とも呼ばれる)が流れを配送するために使用される。いくつかの流れ配送機能において、圧力低下(圧力降下)の摩擦損失が主要原因であり得る(例えば、該機能を通じて損失の50%以上、好ましくは70%以上、更には90%以上が摩擦喪失であり得る。)。本発明において、オリフィス及び多孔質プラグは流れ配送機能ではない。流れ配送チャネルは、単位操作が実行される接続マイクロチャネルの上流又は下流、好ましくは上流に導入される。流れ配送チャネルは、接続チャネルにおける(すなわち、接続チャネルの全長にわたる)圧力低下よりも大きい圧力低下を利用し、好ましくは、少なくとも25%だけ又は50%だけ大きく、より好ましくは2×又は4×又はより大きい分だけ大きい。単位操作が行われている接続チャネルにおける時間の不安定性及び/又は圧力低下の変動は、多くの平行マイクロチャネルに対する全流れ配送に影響を及ぼすことから軽減される。
【0006】
本発明において、流れ配送機能を通じての圧力低下は、好ましくは、接続チャネルを通じてのものよりも大きい。対照的に、オリフィルを通る流れは、膨張及び収縮によって制御される(主に摩擦損失ではない)。本発明は、流れを制御する方法並びに装置(好ましくは、該装置は、各接続(すなわちプロセス)チャネルが、1cm以下、好ましくは2mm以下の少なくとも一つの内部寸法を有するマイクロチャネル装置である)及び/又は装置の設計を含む。接続チャネルのセットは、共通ヘッダー及び/又はフッターに接続される、少なくとも2、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10の平行チャネルを含む。
【0007】
一つの側面において、本発明は、流体処理の方法を提供し、該方法はプロセスストリームをマニホルド内へと送る工程を含む。(複数の)流れ配送チャネルFDCはマニホルドとプロセスチャネルを接続する。マニホルドは、少なくとも第1流れ配送チャネル(FDC)及び第2FDCに接続される。これらFDC各々は、少なくとも90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連のターンを備える。第1FDCチャネルはマニホルドを第1プロセスチャネルに接続する。第2FDCチャネルはマニホルドを第2プロセスチャネルに接続する。第1FDCを通過するプロセスストリーム部分は、ただ一つのプロセスチャネルのみと連通し、他のいかなるFDCとも連通しない。そのため、第1FDCに入る前記プロセスストリーム部分のすべてが第1プロセスチャネル内へと流れる。単位操作(該操作は同じであっても異なっていてもよい)は、第1及び第2プロセスチャネル内で実行される。
【0008】
更なる側面において、本発明はマイクロチャネルデバイスを提供し、該マイクロチャネルデバイスはマニホルドを備える。ここで、マニホルドは、少なくもと第1FDC及び第2FDCに接続される。各FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備える。第1FDCチャネルはマニホルドを第1プロセスチャネルに接続する。第2FDCチャネルはマニホルドを第2プロセスチャネルに接続する。第1FDCは、ただ一つのプロセスチャネルのみと連通し、他のいかなるFDCとも連通しない。そのため、第1FDCに入るプロセスストリーム部分のすべてが第1プロセスチャネル内へと流れる。
【0009】
別の側面において、本発明は、マニホルドから複数のプロセスチャネル内へと流れを分配する方法を提供する。該方法は、プロセスストリームをマニホルド内へと送る工程を含む。マニホルドは、少なくとも第1FDC及び第2FDCに接続される。各FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備える。第1FDCチャネルはマニホルドを第1プロセスチャネルに接続する。第2FDCチャネルはマニホルドを第2プロセスチャネルに接続する。この側面において、第1FDCチャネルは第1プロセスチャネルと同じ平面上にあり、第1FDCは、第1プロセスチャネルの断面積よりも全地点(全箇所)において小さい断面積を有する。「同じ平面上」とは、プロセスストリームがFDC及びプロセスチャネルの両方において同じ層内にとどまることを意味し、これは、該層外には流出せず、かつ該層内へと再流入しない。断面積はバルク流に垂直に測定される。好ましい実施形態において、第1FDCチャネルは、第1プロセスチャネル及びマニホルドと同じ平面上にある。
【0010】
同様に、本発明はマイクロチャネルデバイスを提供し、該マイクロチャネルデバイスはマニホルドを備える。マニホルドは、少なくとも第1FDC及び第2FDCに接続される。各FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備える。第1FDCチャネルはマニホルドを第1プロセスチャネルに接続する。第2FDCチャネルはマニホルドを第2プロセスチャネルに接続する。第1FDCチャネルは第1プロセスチャネルと同じ平面上にある。「同じ平面上」とは、プロセスストリームが同じ層内にとどまることを意味し、これは、該層外には流出せず、かつ該層内へと再流入しない。本発明はまた、事前に接合された(又は後に接合された)組立体を含み、該組立体は、この形態(外形)を有する、複数シートの積み重ね(スタック)を含む。
【0011】
更なる側面において、本発明は、(複数)流体を組み合わせる(合わせるもしくは一緒にする)方法を提供する。該方法は、第1流体をプロセスチャネルに通す工程と、第2流体をFDCに通してプロセスチャネル内へと送る工程とを含み、該プロセスチャネルにおいて第1及び第2流体は組み合わされる。FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備える。この側面において、第1及び第2流体は異なる。好ましい実施形態において、プロセスチャネル内への第1流体の質量流量は、プロセスチャネル内における第2流体の流量の5%以下(いくつかの実施形態において、1%以下又は0.1%以下)である。いくつかの好ましい実施形態において、平行プロセスチャネルのアレイ(配列)を備える層は、複数のFDCによって一つ又は複数の付加流体チャネルに接続される。付加流体チャネルのアレイは平行層にあり得る。例えば、この方法を使用すると、エマルジョン(乳濁液)は、連続相を第1層におけるプロセスチャネルを通じて、分散相を第2層を通じて送ることによって形成され得る。いくつかの実施形態において、プロセスチャネルの数は、付加流体に対するチャネルの数よりも5x(5倍)、10x、20x、100x大きい。
【0012】
関連した側面において、本発明は、(複数)流体を組み合わせるための装置を提供し、該装置は、プロセスチャネルと、付加流体チャネルと、付加流体チャネルをプロセスチャネルに接続するFDCとを備える。FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備える。
【0013】
更なる側面において、本発明は流体処理の方法を提供し、該方法は、プロセスストリームをマニホルド内に送る工程を含む。マニホルドは、少なくとも第1流れ配送チャネル(FDC)及び第2FDCに接続される。第1FDCは、単一のチャネルを有する第1部分と、一端部にて前記第1部分に接続され、かつ別の端部にて第1プロセスチャネルに接続される第2部分と、一端部にて前記第1部分に接続され、かつ別の端部にて第2プロセスチャネルに接続される第3部分とを含む。第2FDCは、単一の流路を有する第1チャネル部分と、一端部にて第1チャネル部分に接続され、別の端部にて第3プロセスチャネルに接続される第2チャネル部分と、一端部にて第1チャネル部分に接続され、別の端部にて第4プロセスチャネルに接続される第3チャネル部分とを含む。各FDC部分は、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備え、第1、第2、第3及び第4プロセスチャネルにおいて単位操作を実行する。
【0014】
ここに記述した方法及び装置のいずれかの好ましい実施形態において、FDCは、例えば角度が少なくとも135度のサーペンタイン形状を有する。別の好ましい実施形態において、プロセスストリームは、一つ又は複数のプロセスチャネルを通過する際、部分的に(不完全に)沸騰(部分沸騰)される。例えば、プロセスチャネル内で流体の0.5〜50%が沸騰することができる。本発明の方法は、プロセスチャネル内のプロセスストリームがエマルジョン、分散又は非ニュートン流体から成る用途で特に有益である。例えば、上述した方法において、第1プロセスチャネルは、オリフィス付きのチャネル壁を有し得、第1相から成る第1流体が第1プロセスチャネルを通過し、第1流体中で不混和性の第2流体が前記オリフィスを通って第1流体中へと入り、エマルジョンを形成する。第2流体は、制御された流れのためのFDCを通ってプロセスストリーム中へと入り得る。本発明の方法は、FDCを通る流れがニュートンの流れであり、プロセスチャネル(好ましくは直線状)における流れが非ニュートンの流れである用途に対して特に有益である。いくつかの実施形態において、マニホルドを複数の平行プロセスチャネルに接続する複数のFDCは、ターンと同じ長さ及び/又は同じ数を有する。マニホルドは、ヘッダー又はフッターであり得る。いくつかの実施形態において、FDCは平面状であり得、例えば、シートにおけるエッチングパターン又はスタンピングパターン(サーペンタインパターン等)によって形成され得る。好ましくは、FDCにおける圧力低下は、プロセスチャネルを通じてのものよりも大きい。いくつかの好ましい実施形態において、FDCは、少なくとも4又は少なくとも8のターンを備える。いくつかの実施形態において、一つのFDCは、マニホルドに対するただ一つの接続部を有すると共にプロセスチャネルに対する一つの接続部を有する。FDCは、(複数の)サブFDCへと分岐することも可能である。本発明の目的では、これらはFDC部分と呼ばれる。流体は限定されないが、いくつかの実施形態において、液体、気体、又は流体と気体の両方が処理される。FDCは、同じFDC内において同じ角度のターン又は変化する角度のターンを有し得る。
【0015】
ここに記述した装置のいずれかは、代わりに、複数シートの事前接合又は後接合の組立体の観点から、又は、装置内に流体ストリームを有する該装置を備える化学システムの観点から記述され得る。
【0016】
本発明の種々の側面の重要な利点は、実現可能なコンパクトデバイスにある。好ましくは、マニホルドに接続するすべての流れ配送チャネルはターンを含み、より好ましくはサーペンタインターンを含む。好ましくは、マニホルドからプロセスチャネルへの距離はプロセスチャネルの長さよりも小さい。より好ましくは、プロセスチャネルの長さは、マニホルドからプロセスチャネルへの距離よりも少なくとも2x、4x、又は10x大きい。いくつかの実施形態において、プロセスチャネルの幅は、その高さよりも少なくとも3x大きい。プロセスチャネルに接続される一つ又は複数のFDC(好ましくは接続されたマニホルドも)は、幅方向に平面を共有する。好ましくは、デバイスにおけるFDCの面積(又はデバイスにおけるFDCの体積)は、プロセスチャネルの面積(又は体積)よりも小さい。好ましくは少なくとも10倍小さい。いくつかの実施形態において、マニホルドに接続されるか又は層内にある複数の(又はすべての)FDCの断面は同じである。
【0017】
本発明に対するいくつかの非限定的な適用例は、とりわけ、相変化、例えば全体の又は一部の沸騰もしくは凝縮、多相混合用途、酸化、水素化、スルホン化、ニトロ化、改質を含む反応、又は他の任意の反応、エマルジョンもしくは分散の形成、又は他の混合用途、蒸留、吸着、相分離を含む分離を含む。この新規なアプローチは、単に熱伝達を含むいずれかの単位操作に対するマニホルド(多種多様の)熱伝達流体に使用され得る。
【0018】
本発明の特徴(機能)は、システムのヘッダー及び/又はフッターにおける体積を低減するのに役立ち得る。この態様により、これらは、吸着等の迅速な過渡応答を要求する用途、又は迅速な態様にて入力パラメータの過渡変化に応答することが要求される他の用途に対するデッドボリュームを低減するのに役立つ。該特徴はまた、酸化、ニトロ化、水素化、固体形成反応、エマルジョン形成デバイスその他を含む選択反応からの生成物の形成のための滞留時間分布を広げるようなプロセスにおいて分散を増長するように動作し得るデッドボリュームを低減するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
用語解説
標準特許用語である「備える(comprising)」は「含む(including)」を意味し、これらの用語はいずれも追加の要素又は複数の要素の存在を排除しない。例えば、あるデバイスが、薄板、シート等を備える場合、該独創的デバイスは、複数の薄板、シート等を含み得ることが理解されるべきである。
【0020】
「ヘッダー」は、接続(連結)チャネルに対して流体を送るために配置されたマニホルドである。
【0021】
「高さ」は、長さに対し垂直な方向である。積層(ラミネート)デバイスにおいて、高さは積み重ね方向である。
【0022】
チャネルの「水力直径」は、チャネルの潤辺(濡れ縁)の長さによって除されるチャネルの断面積の4倍として定義される。「積層デバイス」は、ラミネートから成るデバイスであり、かつ該デバイスは該デバイスを通って流れるプロセスストリームに対し単位操作(単位操作)を行うことができる。
【0023】
「長さ」とは、チャネル(又はマニホルド)の軸線の方向における距離を意味する。該軸線方向は流れの方向にある。
【0024】
「マイクロチャネル」は、10mm以下(好ましくは2.0mm以下)でかつ1μmより大きい(好ましくは10μmより大きい)少なくとも一つの内法(内部寸法)を有するチャネルであり、いくつかの実施形態において、50〜500μmの少なくとも一つの内法を有する。
【0025】
マイクロチャネルは、少なくとも一つの出口とは異なる少なくとも一つの入口の存在によっても定義される。マイクロチャネルは、ゼオライト又はメソポーラス材料を貫く単なるチャネルではない。マイクロチャネルの長さは、マイクロチャネルを通る流れの方向に一致する。マイクロチャネルの高さ及び幅は、該チャネルを通る流れの方向に対し実質的に垂直である。マイクロチャネルが二つの主要な面(例えば、積み重ねられかつ接合された(複数)シートによって形成される(複数)面)を有する積層デバイスの場合、高さは、主要な面から主要な面への距離であり、幅は高さに垂直である。
【0026】
「ターン」は、チャネルの水力直径よりも大きい長さの流路として定義され、ターンは、流れの当初の方向に対して、10°以上(好ましくは少なくとも90°、より好ましくは少なくとも135°、いくつかの実施形態において約180°)だけ流体流の方向に変化をもたらし、流れの初期方向を用いる。図1はターンの例を示す。ターンの角度は、該ターンの入口での流体流方向と該ターンの出口での流体流方向との間に対する角度として定義される。角度範囲は、好ましくは180°以下である。図1(a)は、角度180°のターンを示す。図1(b)は、角度範囲90°のターンを示す。図1(c)も90°の角度範囲のターンを示す。
【0027】
図2は、流れ配送機能(流速分布機能)のための流体路を形成するために共に結合されたマルチプル(多重)ターンを示す。図2(a)は、連続する四つのターンの例を示す。各ターンは180°の範囲であり、流れ配送機能を形成する。図2(b)は四つのターンを示し、各ターンは180°の範囲であるが、直線区域によって分けられる。図2(c)は7ターンを示し、各ターンは90°の範囲である。二つのターン間の流体流方向の変化は、ターンとしては数えられない。その理由は、そのターンの長さがチャネルの水力直径未満であるためである。また、「ターン」となる湾曲区分では、それは、例えば図2(c)(半円が一つだけの180°ターンを構成し、任意の数のより小さいターンを構成するのではない)に例示されるように、傾斜(勾配)の導関数(微分)における変化でなければならない。図3は、簡単にするために単一のターンと呼ぶ、二つのターンが結合され得る例を示す。図3において、寸法「a」が寸法「b」の2倍以上の場合、ターン3とターン4は、一つのターンを形成するために共に結合され得る。本発明の好ましい実施形態は、少なくとも3のターンを備え、いくつかの実施形態において少なくとも6のターンを、またいくつかの実施形態において3〜15のターンを備える。いくつかの実施形態において、ターンは、サーペンタイン(蛇行)形状を有するように構成される。
【0028】
ターンはまた、単一のシム(shim)内における方向の変化により、又は、シムからシムへと方向を変化させることにより、実現され得る。例えば、流路は、一つのシムにおいてある距離進行し、次いで新規な層へと移動して90°ターンを構成し、また、上記最初のシムと実質的に同じ角度又は新規な角度にて第2のシム内へと続行し得る。
【0029】
「単位操作」は、化学反応、蒸発(気化)、圧縮、化学分離、蒸留、凝縮、混合(エマルジョンの形成を含む)、加熱、又は冷却を意味する。「単位操作」は、単なる流体移送を意味しないが、移送は単位操作と共にしばしば生じる。いくつかの好ましい実施形態において、単位操作は単なる混合ではない。
【0030】
発明の詳細な説明
流れ配送チャネルは、いかなる物理的形態及び配向(向き)であってもよいが、好ましくは、ある与えられた流量に対する圧力低下(圧力降下)が接続チャネル(本出願において、用語「接続チャネル」は「プロセスチャネル」と同義である)におけるよりも配送チャネルにおいてより高いように、接続チャネルよりも小さい少なくとも一つの寸法(及び好ましくは水力直径)によって特徴付けられ得る。配送チャネルの一つの形態例は、接続チャネルのアレイ(配列)に接続されるサーペンタイン特性のアレイ(配列)である。サーペンタイン特性(サーペンタイン機能)は、シム(例えば、シートに刻印又はエッチングされた特徴)の厚さ、又は、部分的にエッチングされた特徴の場合、シム厚未満であるチャネル間隙(チャネル高さとも呼ばれる。何故なら、それが積層デバイスの積み重ね方向にあるからである。)のいずれかに等しいチャネルを有し得る。流れ配送機能の幅もしくはスパンは、接続チャネルの幅もしくはスパン未満であり得る。一実施形態における配送チャネルは、接続チャネルの体積(容積)に対してマニホルド領域全体の体積を最小にしつつ、それらチャネルの流路の有効長さを増長するために、サーペンタインであり得る。いくつかの実施形態において、(複数の)接続チャネルのセットの体積の100%未満の体積、より好ましくは該接続チャネルの体積の20%未満の体積を有するマイクロコンポーネント(超小型構成部品)内にマニホルドを有することが好ましい。
【0031】
サーペンタイン特性は、単一のシムすなわち単一の平面にあり得る。サーペンタイン又は他の形状特性を含む流れ配送機能の他の実施形態では、積層デバイスの層から層へと流れを前後に移動させる態様で複数層を横切り得る。この実施形態では、一つを上回る(二つ以上の)シムが要求される。接続チャネルは、単一のシム又は複数のシムにあり得る。先に開示した例で既述したゲート及び格子とは異なり、この場合、複数シートを横切る特性を通じての圧力低下は、好ましくは、接続チャネルを通じての圧力低下よりも大きい。
【0032】
流れ配送機能は、好ましくは、高さが50mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下であり、いくつかの実施形態において0.005〜10mm、いくつかの実施形態において少なくとも0.05mmであり、また、幅が好ましくは2mm以下、いくつかの実施形態において0.05〜1mm、いくつかの実施形態において0.25mm以下である。高さ及び幅は、典型的にはチャネル内の流体の流れに対して垂直である。いくつかの実施形態において、流れ配送機能の断面積は、プロセスチャネルの断面積よりも約100倍小さい。いくつかの実施形態において、流れ配送機能の断面積は、プロセスチャネルの断面積よりも少なくとも2倍、又は少なくとも10倍、又は少なくとも50倍小さい。
【0033】
流れ配送機能は、特許文献において「表面特徴(surface features)」と呼ばれるものとは異なる。表面特徴は、チャネル壁上の凹凸である。表面特徴を有するチャネルは、二つの流体域、すなわち、図4に示すように表面特徴内部の流体域と、主チャンネル域とも呼ばれ得る表面特徴外部の流体域である。図4は、表面特徴を有するチャネルの断面図を示す。これらの流体域間の流れは、表面特徴付きチャネル内において実質的に交換される。主チャネル内の流体は、図4に示す面と同じ面から表面チャネル流体域に出入りする。しかしながら、流れ配送機能においては、一般に一つだけの流体域が存在する。他の流体域、例えば角の再循環域が作り出された場合、流体は、再循環域間において実質的に交換されない。流体は一つの面にて流れ配送機能に入り、別の面から流れ配送機能を出る。
【0034】
流れ配送チャネルは、平面(すなわち単一層における)であり得、又は、単位操作が生じている接続チャネルにおける対流れ抵抗よりも大きい対流れ抵抗を好ましくは作り出す複数の層を通る3次元に曲がりくねった通路を有し得る。
【0035】
流れ配送チャネルは、技術的に記述されるマイクロチャネルデバイスを構成するための任意の方法を用いて構成され得る。一つの実施液体は、積み重ねられて接合される(複数の)薄いシート材のエッチング又は切断を含む。本発明はまた、積み重ねられたシートの組立体(すなわち、事前に接合されたか又は接合されたシートの積み重ね)を含む。
【0036】
配送チャネルの使用は、単位操作が生じる接続チャネルの最終寸法のばらつき(変動)から生じ得る流れの不確実性を改善する。ばらつきは、触媒の導入、触媒の性能、多相混合物の性能、非ニュートン混合物の形成、泡の形成、又は何らかの相転移から生じ得る。反応を含む多相接触はまた、このアプローチによって特に有利となり得、ここで、相すなわち気体−液体又は液体−液体のいずれかに対する圧力低下は予測が難しいか、又は、本質的にもしくは他の不定期機構において一時的であり得る。配送機能の使用はまた、複数のプロセスに対して又は複数の製品(もしくは生成物(products))を製造するために同じ装置が用いられる実施形態に有益である。配送機能の使用は、流体物理特性が接続チャネル又はプロセスチャネルの長さに沿って著しく変化する(20%以上、好ましくは50%以上)プロセスにとって特に有益である。プロセスチャネルの長さに沿って変化し得る流体物理特性の例としては、一の相における不混和性の別の相(例えば液体−液体プロセス、液体−気体プロセス、液体−固体プロセス等)の割合、粘性の変化、流体濃度の変化、及び他の物理特性の変化を含む。
【0037】
流れ配送機能は、流体と壁間に圧力低下を望ましくは作り出し、これは、プロセスチャネルの圧力低下よりも大きい(例えば、>2x(2倍以上)、>5x、又は、更に>10x)。そのようなものとして、流れ配送機能における制限は、全チャネル間にほぼ均一な流れ配送を維持し、ここで、品質指数(後に定義される)は30%未満、好ましくは15%未満、より好ましくは10%未満、更に好ましくは5%未満、最も好ましくは1%以下である。いくつかの実施形態において、プロセスチャネルにおける圧力低下は、滞留時間0.1〜10秒の間の流れ長さ1〜50cmに対して0.01psi〜1psiのオーダーである。いくつかの実施形態において、流れ配送機能における圧力低下は0.1〜10psiのオーダーである。いくつかの実施形態において、流れ配送機能における圧力低下は、1〜100psiのオーダーである。
【数1】

【0038】
部分沸騰は、配送チャネルの使用によって特に有利である一つの用途であり、ここでは、沸騰温度(沸点)から過冷(サブクール)される単一相流体により大きい圧力低下が達成される。沸騰が開始されると、接続マイクロチャネルにおける圧力低下は、沸騰の始まりと共にチャネルからチャネルへと局所的に変化し得、そのようなものとして、各チャネルに対する流れを調整するための手段が好ましい。
【0039】
より多くの流れが反応器の上部(該上部で熱負荷又は熱流束が最高であり、反応器の端部付近でそれが最低になる)に対して優先的に計測(計測供給)されるように、チャネルのアレイ内において流れ配送を調整することも好ましいであろう。
【0040】
配送チャネルは、単一の相単位操作又は複数の単位操作又はこれらの任意の組合わせに使用され得る。配送チャネルは、接続チャネルに粒子を形成するために用いられる反応物質を正確に計測するために使用され得る。
【0041】
配送チャネルは、接続チャネルを通って流れる非ニュートン流体が存在する場合に特に有益である。その理由は、流れ配送機能が、変化する条件を伴う流体の変化する見掛け粘度の影響を軽減するためである。例えば、接続チャネルは、マイクロチャネルに用いられるチャネル構成又は材料の変化を通じての重合、エマルジョンの形成、固体の形成、変化する温度、圧力、局所速度等による流れている流体の変化する見掛け粘度を含み得る。流れ配送機能は、流れ配送におけるこれらの変動の影響を軽減するための頑強な設計を提供する。好ましくは、非ニュートン流れは、直線状チャネルを通る流れに制限される。好ましい実施形態において、流れ配送機能を通って流れている流体ストリームはニュートン性であり、次いで、接続チャネルにおいて非ニュートン性になる(例えば組成変化により)。これは、例えば、流れがプロセスチャネルにおいて生じている場合(箇所)に発生し得、また、第2の相はオリフィスを通ってプロセスチャネルに入る。
【0042】
流れ配送機能は、例えば選択酸化において、一つの反応物質の第2の反応物質への追加を調整するためにも使用され得る。該機能は、流れが所望により反応器の長さに沿って均一な方式あるいは調整された方式にて計測されるように、酸化体又は他の反応物質に対して十分な制限を与えるために使用され得る。この態様において、計測機能すなわち流れ配送チャネルは、触媒等のコーティングの適用(塗布)が、コーティングが適用される際に栓をしそうにない、すなわち詰まらないように反応器内の入口とは別個であり得る。配送チャネルは、一旦流体が流れ配送チャネルに入ると、これが単に一つのプロセスチャネルへと出て、追加の再配送を受けないように、デバイスのマニホルド区域内に優先的に配置され得る。一例として、一つの流れ配送チャネルは導管を作り出し得、該導管は、単一のマイクロチャネル内の単一の導入ポイントへと酸化体(又は他の反応物質もしくは流体)を供給する一方、第2及びことによると第3もしくはそれ以上の配送チャネルが、マイクロチャネル反応器又は他の単位操作の長さに沿って酸化体(又は他の反応物質もしくは流体)を第2又は第3もしくはそれ以上の導入ポイントへと供給する。配送チャネルの形態の配送機能は、単位操作から除去又は物理的に分離される。
【0043】
配送チャネルはまた、小スケール又は大スケールの用途に使用され得る。配送チャネルは、低出力燃料電池もしくは燃料プロセッサを含む燃料電池、マイクロフルイディクス、血液又は流体分析、又は、流れの計測が特に難しい他の用途を含む種々の用途のための流れを計測するのに役立ち得る。配送チャネルは、任意のマイクロチャネル又はマイクロフルイディクス用途のための流れを計測するために使用され得る。
【0044】
配送チャネルの使用の一つの利点は、固定された条件もしくは設計ポイントに対してのみならず、単位操作もしくはプロセスの上昇(上向き(turn up))及び下降(下向き(turn down))の期間に対しても流れ配送を改善する点である。特に、流れ配送は、選択した設計ポイントに対して流れが50%だけ下降するか又は20%だけ上昇する場合、絶対全体品質指数ファクタにおいて20%未満又は10%未満又は5%未満変化し得る。別の実施形態において、配送機能は、デバイスの上昇及び下降が+50%〜−80%まで変化することを許容する。第3の実施形態において、新規な配送機能は、目標容量を達成するために平行に動作する10チャンネル以上を含む多チャネル単位操作に対する通常の操作設計ポイントにわたる−95%の下降及び200%の上昇を可能にする。
【0045】
別の実施形態において、配送チャネルの第1セットは接続チャネルの上流で使用され得、他方、配送チャネルの第2セットは、あるチャネルの質量流量の大きさ及び該チャネルの全体圧力の両方を調整するため、下流あるいは中間の任意のポントで使用され得る。このアプローチは、部分沸騰が反応器の長さに沿う異なる軸方向位置にて異なる温度を作り出し得る用途に対して流量及び温度を調整するために特に有利であり得る。
【0046】
いくつかの好ましい実施形態において、流れ配送機能は、流れ配送チャネルごとに1mL/minを超える流量にて流体(気体を含む)を配送するために使用される。独創的な配送チャネルを使用する別の例は、チップもしくはマイクロフルイディクス用途のラボのためのものであり、そこでは、少なくとも二つ以上のチャネルに対して又はチャネルの長さに沿う少なくとも二つ以上の位置に対して低い流れが測定される。低流量の測定は、特に規製造公差からのチャネル寸法のあまり大きくない変化により、制御が特に難しい。別の用途例は、過酸化水素の製造のためのものであり、これは、水素化等の触媒反応及び/又は酸化等の非触媒反応を含み、ここでは、二つのストリームが好ましい比率で互いに対して計測供給されなければならない。反応器の任意の位置での少なくとも二つ以上の反応物質の局所濃度に対して厳しい要求が存在し得る。該反応は、一の反応、例えば過酸化水素の製造で使用されるアントラキノンベースの動作溶液の酸化等において触媒作用が及ぼされないかもしれない。
【0047】
本発明の別の実施形態は、流れ配送機能を通る小さい流れを大きな流れへと計量することであり、例えば、該大きい流れストリームの少なくとも20%未満、いくつかの実施形態において5%未満もしくは0.01%未満、及び/又は少なくとも0.001%未満を成す助触媒、添加剤、流動触媒、活性成分、顔料、防腐剤、香料、又は他の種類の使用等である。
【0048】
本発明の別の実施形態は、二つ以上の流体ストリームのマイクロミキサーに対するものであり、二つ以上の流体ストリームは、気体/気体、気体/液体、液体/液体、固体もしくは二相混合物を構成する流体中への気体又は液体を含む。他の好ましい実施形態において、流れ配送機能は、混合以外の単位操作、例えば熱交換に対して用いられる。いくつかの実施形態において、サーペンタイン流れ配送機能は流体を混合しない。いくつかの好ましい実施形態において、接続チャネルの長さは、該チャネルが接続される流れ配送機能よりも少なくとも3倍、好ましくは5倍長く、いくつかの実施形態において少なくとも10倍長い。
【0049】
流れ配送機能設計
接続マニホルドにおける小さい圧力低下(主マニホルド区域における圧力低下以下)を有するプロセスのためのマニホルドは、取り組みがいがあり得る。マニホルド圧力分布における小さな変化は、接続マイクロチャネルにおける大きな不均衡配送に至り得る。一般に、そのようなプロセスのためのマニホルドの寸法は、均一な流れ配送のために大きいであろう。そのようなプロセスのために均一な流れ配送を実現しつつマニホルド寸法を縮小する一般的な方法は、マニホルドと接続マイクロチャネルとの間のオリフィスを用いることによる。しかしながら、オリフィスを通じての圧力低下は(速度)nとして変化する。ここでn>1。従って、圧力低下が小さい接続マイクロチャネルに対するオリフィスの設計は、マニホルド流量に影響されやすく、流量が変わる場合、良好な流れ配送を提供しないかもしれない。流れの不均衡配送は、マイクロチャネルデバイスの性能を低下させ得る。要するに、マニホルドは、拡大及び縮小流れ条件において均一な配送を提供しないかもしれない。
【0050】
流れ配送機能は、好ましくは、マイクロ(微小)寸法チャネル(1cm以下の少なくとも一つの寸法、より好ましくは2mm以下の少なくとも一つの寸法を有する)であり、図5に示すように主マニホルド区域を接続(プロセス)マイクロチャネルに接続する。流れ配送機能の寸法、すなわち流れ断面積及び長さは、好ましくは、主マニホルド区域又は接続マイクロチャネルよりも小さい。流れ配送機能の寸法は、好ましくは、流れ配送機能における圧力低下が接続チャネルの圧力低下の少なくとも2倍であるように選択される。流れ配送機能は、全接続チャネル圧力を高め、流れ配送のためのマニホルド寸法に対する要求を小さくし得る。更には、配送機能における流れは、好ましくは層状である。流れ配送機能を通じての圧力低下は、(速度)nとして変化する。ここでn=1。流れ配送機能が設計されるマニホルドは、スケールアップ及びスケールダウン流れ条件に対する影響されやすさは低下するであろう。
【0051】
流れ配送は、小さい圧力低下又は大きい圧力低下(これらは主マニホルド区域における圧力低下よりもそれぞれ小さい又は大きい。)の接続チャネルに使用され得る。
【0052】
プロセスチャネルは、好ましくはマイクロチャネルである。いくつかの好ましい実施形態において、FDCが接続するマニホルドはマイクロチャネル寸法を有する。
【0053】
図6は、流れ配送機能形状のためのいくつかの設計を例示する。図6(a)は、8ターンを示す。該機能は2次元平面又は3次元にあり得る。
【0054】
以下のすべての例は計算された例である。
例1:流れ配送機能を有する流れ配送
ケーススタディが、流れ配送機能を用いて流れ配送の改善を見るために行われた。デバイスの全体概要が図5に示されるが、これは底部マニホルドを有する。上部及び底部主マニホルド区域は、断面が12.7mm×2.54mmであった。接続チャネルの寸法は5.08mm×0.76mmであった。接続チャネルの長さは127mmであった。接続チャネルは、0.508mmの壁により分けられた。接続チャネルの数は19であった。図4は流れ配送機能の寸法を示す。流れ配送機能はサーペンタイン形状であった。流れ配送チャネルの断面は0.76mm×0.38mmであった。マニホルド、流れ配送チャネル及び接続(プロセス)チャネルは共通平面にあった。
【0055】
使用された流体は、230psigで−30℃のエチレンであった。主マニホルド区域に入る総流量は0.487kg/時間であった。流れ配送の性能は、次に定義される線質係数によって定義される。
【数2】

【0056】
上部主マニホルド区域の圧力低下は、0.0005psiであり、接続チャネルの圧力低下は0.0002psiであった。流れ配送機能の圧力低下は0.009psiであった。図7に示す流れ配送機能設計では、Q係数は3.0%と見積もられた。パラメトリックスタディが、流れ配送に対する流れ配送機能の長さの影響を見るために行われた。設計された流れ配送機能は、図7に示すように12の曲がりを有していた。流れ配送機能の長さを短縮するため、曲がりの数は、ステップが縮小され、流れ配送が見積もられた。図8は、Q係数に対する流れ配送機能のターンの数の影響を示す。
【0057】
接続チャネルにおける圧力低下は、マニホルドと同じオーダーである。図8から分かるように、流れ配送機能におけるターンの数が増えるにつれ、流れ配送は改善される。
【0058】
例2:流れ配送機能が、公称(基準)からの上昇及び下降の流量の広い範囲にわたって均一な流れ配送を提供する
流れ配送機能が、上昇及び下降流量に対して比較的均一な流れを提供することを示すために例1と同じ形態が用いられた。流れ配送の結果は、流れ配送機能を伴わない同一の形態にて得た流れ配送と比較された。流体は、温度及び出口温度条件は両ケース、すなわち流れ配送機能を有するケースと有さないケースに対し保たれた。用いた流体は、230psig及び−30℃のエチレンであった。主マニホルド区域に入る公称総流量は0.487kg/時間であった。
【0059】
図29は、流れ配送機能を有する設計及びそれを有しない設計に対する公称流量からの異なる上昇及び下降係数を有する線質係数を示す。上昇/下降比0.8は公称流量の80%を意味する。上昇/下降比1.3は公称流量の130%を意味する。図29に示すように、流れ配送機能を伴わないケースでは、流量が公称流量を超えて増加した際、流れ不均衡配送が増す。流れ配送機能を有するケースでは、公称流量を超えて流量が増加する際、流れ配送は変化なしであるか又は改善(向上)する。該例は、流れ配送機能が上昇及び下降流量に対する設計に対し頑強性を提供することを示す。
【0060】
例3:エマルジョンに対する配送
エマルジョンは、多孔質媒体を通じて連続相液体と分散相液体を混合することによって形成される。製造にとって望ましくは、連続相及び分散相が混合される多孔質媒体は、直交流(クロスフロー)方向に流れながらの連続相と分散相の混合に好ましく交換可能であるべきである。しかしながら、要求に応じて、連続相及び分散相は、並流又は互いに対する向流(逆流)にて流れながら混合され得る。この例において、反復単位のみがデバイスの性能を記述するために成形される。該反復単位は、共に積み重ねられた三つの層を有する。連続相は、図9に概略的に示すように第1層に入る。該流れは入口マニホルド区域に入る。マニホルドの断面は、幅25.4mm×深さ5.08mmであった。接続チャネルの寸法は、幅12.7mm×深さ2.03mm×長さ305mmであった。総計16の接続チャネルが存在した。接続チャネル間のリブは1.27mmであった。入口マニホルドは、流れ配送機能を通じて接続(プロセス)チャネルに接続される。流れ配送チャネル寸法は図10に示される。接続チャネルにおいて、分散相はエマルジョンを形成するために連続相に付加される。エマルジョンは、図9に示す出口マニホルドを通じて反復単位を去る。
【0061】
反復単位の第2層は多孔質媒体であった。この例で用いた多孔質媒体は、媒体グレード=0.2のモット社ウィッキング(吸上)構造(Mott Corporation Wicking structure)であった。透過係数(KL*)は140であり、上記媒体を通じての液体圧力低下は次式で与えられる。
【数3】

【0062】
多孔質媒体の寸法は、第1層において接続チャネルによって占有される面積を覆うように選択された。多孔質媒体の厚さは、0.039インチであった。多孔質媒体のための物質仕様は以下に列記される。
物質仕様
泡立ち点、in. of Hg:5.0〜6.9
引っ張り強さ、kpsi:30.0
降伏強さ、kpsi:26.0
【0063】
分散相は図11に示す反復単位の第3層に入る。分散相流は、入口マニホルド内へと入る。マニホルドの断面は幅12.7mm×深さ5.08mmであった。接続チャネル寸法は、幅42.42mm×深さ1.27mm×長さ222.25mmであった。総計7の接続チャネルが存在した。接続チャネル間のリブは1.27mmであった。入口マニホルドは、流れ配送機能を通じて接続チャネルに接続される。流れ配送機能寸法は図12に示される。反復単位の複数層の組立体の概略が図13に示される。
【0064】
連続流量の流量がlL/min/接続チャネルであるのに対し、分散相の総流量は連続相流量の総流量の20%であった。連続相の濃度及び粘度はそれぞれ1000kg/m3及び1cPであった。分散相の濃度及び粘度はそれぞれ850kg/m3及び10cPであった。流れ均一性は、図9及び11にそれぞれ示す位置1、2及び3の連続相接続チャネル及び分散相接続チャネルにおいて見積もられた(図14及び15参照)。連続相チャネルにおける流れ配送は位置1にあって0.54%であったのに対し、分散相チャネルにおける流れ配送は位置1にあって0.03%であった。
【0065】
表1は、流れ配送機能の有する流れ配送及びそれを有さない流れ配送の性能の比較を示す。
【0066】
【表1】

【0067】
上記表から分かるように、流れ配送機能は分散相の流れ配送には影響を及ぼさない。しかしながら、流れ配送機能は、連続チャネルにおける流れ配送を改善し、これは、均一なエマルジョン品質の向上をもたらす。非ニュートン流体のずり速度の関数として変化する粘度が考慮されるケースでは、流れ配送機能の使用を伴わない流れ不均衡配送は、ずり速度独立粘度が想定されたこの例に記述したものよりも高くなると予想される。
【0068】
例4−流れ配送チャネルにおける損失(ロス)係数
計算流体動力学モデルは、流れ配送機能をシミュレートしかつ損失係数を見積もるため、フルーエント(Fluent(登録商標))V6.2.16において発展した。用いた流体はエチレン蒸気であった。流量は、レイノルズ数が層状レジームから乱流レジームまでの範囲にあるように変更された。粘度は一定であると仮定され、均一な入口流プロフィル(分布もしくは断面)が想定された。流れ機能は表1に列記される。形態は図16に示すとおりである。流れ配送機能の断面は0.38mm×0.38mmであった。該機能の全幅は3.56mm、二つの連続するターン間の最小間隔は1.78mmであった。乱流モデルでは、フルーエント(登録商標)のデフォルトk−εモデルが用いられた。
【0069】
これは、Sprenger, H., Druckverluste in 90 o Krummern fur rechteckrohre, Schweiz. Bauztg, 第87巻、第13号、第223〜231頁、1969年による文献相関性と比較された。
【0070】
Reが層流から乱流へと増長して漸近値1.41へと変化するにつれ、喪失係数Kは低減することが分かった。第1ターンは、常に、より大きい圧力低下(>3.0)を有することも分かった。
【0071】
仮定及び参照
計算流体動力学モデルは、流れ配送機能をシミュレートするためにフルーエントV6.2.16において発展した。粘度は一定であると仮定され、均一な入口流れプロフィルが想定された。形態は図1に示すとおりである。流れ配送機能の断面は0.015インチ×0.0.015インチであった。該機能の全幅は0.14mmであり、二つの連続するターン間の最小間隔は0.07インチであった。該研究の目的は、流れ配送機能のあるターンにおける静圧損失を見積もることであった。定義された総ターン数は12であった。圧力損失は次のように定義される。
【数4】

ここで、Klossは損失係数として知られている。
【0072】
【表2】

【0073】
CFDモデルは、入口において異なるレイノルズ数に対して実行される。図17〜19は、流体としてエチレン蒸気を用いるCFDモデルを使用してシミュレートされる小さいレイノルズ数の一つの例である。図17〜19は、各ターンにおける損失係数を示す。第1ターンの損失係数は、その後のターンの損失係数よりも著しく高かった。これは入口効果のためかもしれない。平均損失係数は、入口効果を示したターンを除外し、残りのターンの損失係数を単純平均することによって見積もられる。
【0074】
図20は、レイノルズ数の関数として平均ターン損失係数を示す。レイノルズ数が増加するにつれ、損失係数Klossは低下する。乱流のレイノルズ数範囲(直線状管において定義される)において、Kloss値は、漸近数1.41に近付く。この発見は、流れ配送機能を用いる流れ配送システムの設計に非常に役立ち得る。
【0075】
例5−大規模相分離デバイスにおける計算された流れ配送
流れ配送機能(例4に示す)の圧力低下は、フルーエントを用いるCFDモデルから見積もられる。流れ配送機能の寸法は例4で論じたものと同じであった。
【0076】
サブマニホルド及び流れ配送機能から成る内部マニホルドの概要が図21に示される。全マイクロチャネルは、流れ配送機能によりサブマニホルドに接続される。簡易のため、流れ配送機能は図面において直線で表される。流れ配送における均一性は、流れ配送機能を適切に設計することにより実現する。
【0077】
接続チャネル圧力低下は、1psiの平均圧力低下であると見積もられた。慣用の急膨張関係性を用いたFDFから接続チャネルへの膨張損失は次のとおりである。
【数5】

【0078】
次の想定が計算に使用された。すなわち、ヘッダーのみが成形され(フッターは成形されない);一定の出口圧力=230psig;入口流体は75.5%エチレンと24.5%エタンのガス状混合物;特性は245psig及び−26.8℃にて計算され;サブマニホルドの入口での損失;マニホルド区域において熱移動はない。1−Dモデルにおける想定は、総計100マイクロチャネル;一定の粘度;図22に示すSRK平衡関連性を用いてケムキャド(ChemCAD)からの曲線の当てはめ濃度予測によって見積もられる濃度である。
【0079】
数値モデルは、図21に示す形態を通る流れをシミュレートするために開発された。該モデルは、直列及び並列に接続された流れ抵抗に基づいていた。該形態におけるサブマニホルドの総数は5であった。各サブマニホルドは、流れ配送機能によって20のマイクロチャネルに接続された。サブマニホルドの寸法及び数は任意であり、流れ配送機能におけるターンの数によって流れ配送が制御され得ることを示すように選択された。下記の表は、数値モデルで用いた寸法を要約する。
【0080】
【表3】

【0081】
該モデルは、全流れ配送機能におけるターンの数を見積もるために用いられた。図23は、流れ配送機能のためのターンの数に対する要求を示す。図23に示す流れ配送機能に対するターンの設計数は、マイクロチャネルに対してQ=4.5%を与える。品質指数ファクタ(Quality Index Factor)の定義がサブマニホルドにおける流れ配送に適用された場合、Qは2.3%であった。総圧(全圧)は5.9psiと見積もられた。チャネル−チャネル流量は図24に示される。
【0082】
チャネル形態におけるでこぼこのため、たびたび、マイクロチャネルを通る同じ流量に対し、チャネル圧力低下は変化し得る。チャネル圧力低下の変動は、不均衡配送をまねくであろう。流れ配送に対するチャネルの圧力低下変動の影響を見るために研究が行われた。チャネル圧力低下における±5%の変動が該モデルに適用された。適用されたチャネル圧力低下プロフィルが図25に示される。
【0083】
マイクロチャネルに対する品質指数ファクタは6.2%であった。これはチャネル圧力低下変動のない流れ配送に非常に近い。全圧力低下は5.8psiであった。サブマニホルドに対するる品質指数ファクタは4.9%であった。図26は、マイクロチャネルを横切る質量流れ配送を示す。
【0084】
該モデルは、1psiの平均圧力低下で+/−5%のチャネル圧力低下の四つのよりランダムな変動に対して実行された。下記の表は、Qファクタ、サブマニホルドQファクタ、及び得られた全圧力低下を列記する。
【0085】
【表4】

【0086】
該例は、接続チャネルにおける圧力変動に対する、流れ配送機能を有する流れ配送設計の頑強性を示す。
【0087】
例6:プロセスチャネルにおける部分沸騰に対する流れ配送機能の適用
流れ配送形態の概要が図27に示される。該流れは、19.05mm×12.7mmの主ヘッダーに入る。主マニホルドから、該流れは二次ヘッダー内へと配送される。二次ヘッダーの断面寸法は、1.78mm×5.08mmであった。二次ヘッダーの総数は44であった。各二次ヘッダーは、該流れを、流れ配送機能を通じて三つの接続冷却液チャネルへと配送する。簡易に表示するため、図面において配送機能は直線状通路で示されて「FDF」として参照される。接続チャネル寸法は、2.54mm×0.51mm×190.5mmであった。流れ配送機能の断面は0.76mm×0.25mmであった。
【0088】
流体は水である。主マニホルドに入る総体積流量は2.2L/分であった。主ヘッダー、二次マニホルド及び流れ配送機能における冷却液の温度は228℃である。冷却液チャネルの出口における圧力は、冷却液チャネルの入口における水が飽和した状態にあるようにされた。冷却液チャネルの壁上において、変化する熱流束(熱フラックス)が適用される。各二次ヘッダーにおいて、中央冷却液チャネルは全四つの壁に適用される熱流束を有するのに対し、出口冷却液チャネルはただ一つの壁に適用される熱流束を有する。熱流束プロフィルは、1.0W/cm2(流れ配送機能付近)から0.25W/cm2(出口付近)へと直線的(線形)に変化する。該熱は冷却液チャネル内に部分沸騰を引き起こす。図28に示すような二つの異なるタイプの流れ配送機能が考慮された。図28(a)の流れ配送機能は「鋭い角流れ配送機能」と呼ばれ、図28(b)の流れ配送機能は「丸い角流れ配送機能」と呼ばれた。CFDは、レイノルズ数の関数として損失係数を決定するために作られた。
【0089】
レイノルズ数の関数としての鋭い角流れ配送機能及び丸い角流れ配送機能と流れ配送機能の幅に対する損失係数相性が次に示される。
【数6】

【0090】
次の表は、流れ配送機能を有する場合及び有さない場合の流れ配送性能を要約する。
【0091】
【表5】

上記表から流れ配送機能の付加が流れ配送を改善するのに役立ったことを理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】ターンの例を示す。
【図2】流れ配送機能を形成する同時ターンの例を示す。
【図3】ターンの組合せを示す。
【図4】流体域、及び表面特徴(表面機能)における流れ変化を示す。
【図5】いくつかの流れ配送機能の位置を示す。
【図6】流れ配送機能形状の例を示す。
【図7】例1の流れ配送機能寸法を示す。
【図8】Qファクタに対する流れ配送機能長さの影響(効果)を示す。
【図9】例3のデバイスの反復ユニットの第1層の概要である。
【図10】例3のための機能寸法を示す。
【図11】例3のデバイスの反復ユニットの第3層の概要である。
【図12】例3における分散相分布に対する流れ配送機能寸法を示す。
【図13】マイクロチャネルデバイスを形成するエマルジョンのための組立ユニットを示す。
【図14】連続相流れ分布を示す。
【図15】分散相分布を示す。
【図16】例4における流れ配送機能寸法を示す。
【図17】例4におけるRe=951での損失係数を示す。
【図18】例4におけるRe=12172での損失係数を示す。
【図19】例4におけるRe=36517での損失係数を示す。
【図20】例4におけるCFDからのReの関数としての損失係数Kを示す。
【図21】例5に形作られたデバイスの概要である。
【図22】例5のための濃度対圧力のグラフである。
【図23】例5の流れ配送機能におけるターンの数を示す。
【図24】例5のマイクロチャネルにおける予測流れ配送を示す。
【図25】例5における設計感度分析に対するチャネル圧力低下変動を示す。
【図26】例5のための設計感度分析に対する質量流れ分布を示す。
【図27】例6における流れ配送マニホルド及び流れ配送機能の概要である。
【図28】例6からの鋭い角及び丸い角を有する流れ配送機能を示す。
【図29】流れ配送機能の有無による線質係数の比較を示す。
【図1(a)】

【図1(b)】

【図1(c)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体処理方法であって、
プロセスストリームをマニホルド内に送る工程を含み、
前記マニホルドは、少なくとも第1の流れ配送チャネル(FDC)及び第2のFDCに接続され、
各FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備え、
前記第1FDCは前記マニホルドを第1プロセスチャネルに接続し、
前記第2FDCは前記マニホルドを第2プロセスチャネルに接続し、
前記第1FDCを通って流れる前記プロセスストリームの部分は、だだ一つのプロセスチャネルのみと連通し、かついかなる他のFDCとも連通せず、そのため、第1FDCに入るプロセスストリームの前記部分の全部が前記第1プロセスチャネル内へと流れ、
該方法は、
前記第1及び第2プロセスチャネルにおいて単位操作を実行する工程を含む方法。
【請求項2】
各FDCは少なくとも三つのターンを備え、該三つのターン各々は少なくとも135度の角度を有する請求項1の方法。
【請求項3】
前記プロセスストリームが前記第1プロセスチャネルを通過する際、該プロセスストリームを部分沸騰させるステップを実行する工程を含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記第1プロセスチャネルに入る前記プロセスストリームの0.5〜50%が第1プロセスチャネル内で沸騰をこうむる請求項3の方法。
【請求項5】
前記プロセスチャネル内の前記プロセスストリームは、エマルジョン、分散、又は非ニュートン流体を含む請求項1の方法。
【請求項6】
前記第1プロセスチャネルはオリフィスを備えるチャネル壁を有し、該第1プロセスチャネルは、第1相から成る第1流体と、第1流体中で不混和性の第2流体とを含み、第2流体は、前記オリフィスを通過して第1流体内に入ってエマルジョンを形成する請求項5の方法。
【請求項7】
前記第1FDC内の流れはニュートンの流れであり、前記第1プロセスチャネル内の流れは非ニュートンの流れである請求項5の方法。
【請求項8】
前記第1及び第2FDCは同じ長さを有する請求項1の方法。
【請求項9】
流れをマニホルドから複数のプロセスチャネルへと配送する方法であって、
プロセスストリームをマニホルド内に送る工程を含み、
前記マニホルドは、少なくとも第1の流れ配送チャネル(FDC)及び第2のFDCに接続され、
各FDCは、90度以下の少なくとも四つのターン又は90度より大きい少なくとも少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備え、
前記第1FDCは前記マニホルドを第1プロセスチャネルに接続し、
前記第2FDCは前記マニホルドを第2プロセスチャネルに接続し、
前記第1FDCは前記第1プロセスチャネルと同じ平面上にあり、
前記第1FDCは、あらゆる地点で前記第1プロセスチャネルの断面積よりも小さい断面積を有する方法。
【請求項10】
前記第1FDCは、前記第1プロセスチャネル及び前記マニホルドと同じ平面上にある請求項9の方法。
【請求項11】
マイクロチャネルデバイスであって、
マニホルドを備え、
前記マニホルドは、少なくとも第1の流れ配送チャネル(FDC)及び第2のFDCに接続され、
各FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備え、
前記第1FDCは前記マニホルドを第1プロセスチャネルに接続し、
前記第2FDCは前記マニホルドを第2プロセスチャネルに接続し、
前記第1FDCは、だだ一つのプロセスチャネルのみと接続し、かついかなる他のFDCとも接続せず、そのため、第1FDCに入るプロセスストリームの部分の全部が前記第1プロセスチャネル内へと流れるマイクロチャネルデバイス。
【請求項12】
マイクロチャネルデバイスであって、
マニホルドを備え、
前記マニホルドは、少なくとも第1の流れ配送チャネル(FDC)及び第2のFDCに接続され、
各FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備え、
前記第1FDCは前記マニホルドを第1プロセスチャネルに接続し、
前記第2FDCは前記マニホルドを第2プロセスチャネルに接続し、
前記第1FDCは前記第1プロセスチャネルと同じ平面上にあるマイクロチャネルデバイス。
【請求項13】
複数の流体を組み合わせる方法であって、
第1流体をプロセスチャネルに通す工程と、
第2流体を流れ配送チャネル(FDC)に通して前記プロセスチャネル内へと送る工程にして、該プロセスチャネル内で前記第1及び第2流体が組み合わされる該工程とを含み、
前記FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備え、
前記第1及び第2流体は異なる方法。
【請求項14】
前記プロセスチャネル内に入る前記第1流体の質量流量は、該プロセスチャネル内の第2流体の流量の5%以下である請求項13の方法。
【請求項15】
前記FDCは、異なる角度を有する少なくとも二つのターンを備える請求項13の方法。
【請求項16】
前記プロセスチャネルは直線状であり、該プロセスチャネル内の流れは非ニュートンの流れである請求項13の方法。
【請求項17】
複数の流体を組み合わせるための装置であって、
プロセスチャネルと、
付加流体チャネルと、
前記流体チャネルを前記プロセスチャネルに接続する流れ配送チャネル(FDC)とを備え、
前記FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備える装置。
【請求項18】
複数のFDCを介して一つの付加流体チャネルに接続される複数のプロセスチャネルを備え、
各FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備える請求項17の装置。
【請求項19】
流体処理方法であって、
プロセスストリームをマニホルド内に送る工程を含み、
前記マニホルドは、少なくとも第1の流れ配送チャネル(FDC)及び第2のFDCに接続され、
前記第1FDCは、単一チャネルを有する第1部分と、一端部にて前記第1部分に、別の端部にて第1プロセスチャネルに接続される第2部分と、一端部にて前記第1部分に、別の端部にて第2プロセスチャネルに接続される第3部分とを備え、
前記第2FDCは、単一流路を有する第1チャネル部分と、一端部にて前記第1チャネル部分に、別の端部にて第3プロセスチャネルに接続される第2チャネル部分と、一端部にて前記第1チャネル部分に、別の端部にて第4プロセスチャネルに接続される第3チャネル部分とを備え、
前記各FDCは、90度以下の少なくとも四つのターンを含むか又は90度より大きい少なくとも二つのターンを含む一連の複数のターンを備え、
該方法は、
前記第1、第2、第3及び第4プロセスチャネルにおいて単位操作を実行する工程を含む方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28(a)】
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【図28(b)】
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【図29】
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【公表番号】特表2009−535701(P2009−535701A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507808(P2009−507808)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/010162
【国際公開番号】WO2007/127322
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(504455241)ヴェロシス インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】